JP2018178294A - 繊維機械用の駆動装置、ドラフト装置及び空気紡績機 - Google Patents

繊維機械用の駆動装置、ドラフト装置及び空気紡績機 Download PDF

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Abstract

【課題】タイミングベルトの張力を正確に調整可能とする。
【解決手段】駆動軸に取り付けられた複数の被駆動部を一斉に駆動する繊維機械用の駆動装置6であって、駆動モータと、駆動モータの出力を駆動軸に伝達するタイミングベルト53と、第1位置P1と第2位置P2との間で操作可能な操作部材76と、操作部材76が第1位置P1に位置しているときはタイミングベルト53から離間し、操作部材76が第2位置P2に位置しているときはタイミングベルト53に接触する張力付与部材72と、操作部材76が第2位置P2に位置しているときに、張力付与部材72をタイミングベルト53に押し付ける方向に付勢するばね75と、操作部材76を第2位置P2に維持するロック機構80と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、繊維機械用の駆動装置、ドラフト装置及び空気紡績機に関する。
例えば、特許文献1に記載の精紡機では、複数の紡績ユニットが並んで設けられており、各紡績ユニットに設けられたドラフト装置のフロントボトムローラが共通の駆動軸に固定されている。この駆動軸に固定されたプーリと、駆動モータの出力軸に固定されたプーリとの間には、伝動ベルトが掛けられている。このような構成により、駆動モータの出力が伝動ベルトを介して駆動軸に伝達され、各紡績ユニットのフロントボトムローラが一斉に駆動されるようになっている。
特開2013−67882号公報
上述のような伝動ベルト(以下、タイミングベルトと言う)には、駆動モータの出力を適切に伝達するために、推奨ベルト張力が設定されている。現状、オペレータがメンテナンス時にジャッキボルト等を用いて、タイミングベルトの張力の調整を行っている。しかしながら、このような調整方法だと、オペレータの個人差によりばらつきが発生することがあった。特に、複数の被駆動部(特許文献1ではフロントボトムローラ)を一斉に駆動させる構成では、タイミングベルトにかかる負荷が大きく、張力の調整誤差がタイミングベルトの破損等につながるおそれがあった。
本発明は、駆動軸に取り付けられた複数の被駆動部を一斉に駆動する繊維機械用の駆動装置において、タイミングベルトの張力を正確に調整可能とすることを目的とする。
本発明に係る繊維機械用の駆動装置は、駆動軸に取り付けられた複数の被駆動部を一斉に駆動する繊維機械用の駆動装置であって、駆動モータと、前記駆動モータの出力を前記駆動軸に伝達するタイミングベルトと、第1位置と第2位置との間で操作可能な操作部材と、前記操作部材が前記第1位置に位置しているときは前記タイミングベルトから離間し、前記操作部材が前記第2位置に位置しているときは前記タイミングベルトに接触する張力付与部材と、前記操作部材が前記第2位置に位置しているときに、前記張力付与部材を前記タイミングベルトに押し付ける方向に付勢するばねと、前記操作部材を前記第2位置に維持するロック機構と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る繊維機械用の駆動装置では、ロック機構によって操作部材を第2位置に維持することで、張力付与部材を一定の位置に維持することができるので、タイミングベルトに付与される張力は、ばねの付勢力によって決まる。したがって、推奨ベルト張力に応じてばねの種類を適切に選択すれば、オペレータによる個人差を排除して、タイミングベルトの張力を正確に調整することができる。
本発明において、前記ロック機構は、前記操作部材と前記張力付与部材とを連結し、前記操作部材を前記第1位置から前記第2位置に操作する際に思案点を通過するリンク機構と、前記操作部材を前記第1位置から前記第2位置に操作する際に、前記操作部材が前記第2位置を越えることを防止するストッパーと、を有するとよい。
このようなロック機構によれば、リンク機構が思案点を通過するように操作部材を第2位置に向けて操作すれば、ストッパーにより操作部材が第2位置に維持される。また、リンク機構が思案点を通過するように操作部材を第1位置に向けて操作すれば、操作部材が第2位置に維持された状態を解除できる。つまり、ロック機構を作動又は解除させるのに工具等が不要であり、操作部材を操作するだけでタイミングベルトの交換及び/又はばねの交換等を簡単に行うことができる。
本発明において、前記リンク機構は前記ばねをリンク要素として含んでおり、前記リンク機構が前記思案点に位置するときの前記操作部材の位置を第3位置と称するとき、前記操作部材を前記第3位置よりも前記第1位置側に操作すると、前記ばねによって前記操作部材は前記第1位置に向かって付勢され、前記操作部材を前記第3位置よりも前記第2位置側に操作すると、前記ばねによって前記操作部材は前記第2位置に向かって付勢されるとよい。
このように、張力付与部材を付勢するばねをリンク機構に兼用し、このばねで操作部材を付勢するようにすれば、部品点数を減らすことができる。
本発明において、前記操作部材の前記第3位置は、前記第1位置及び前記第2位置よりも、オペレータが前記操作部材を操作するときの操作位置に近いとよい。
リンク機構が思案点を通過する前後では、ばねの復元力に抵抗しながら操作部材を操作する必要があり、比較的大きな操作力が必要とされる。そこで、上述のように、操作力が大きくなる領域を操作位置に近づけることで、操作部材の操作性を向上させることができる。
本発明において、繊維機械用の駆動装置は、前記操作部材を前記第1位置と前記第2位置との間で回動可能に支持する回動部材をさらに備え、前記回動部材が前記ストッパーに接触することで、前記操作部材が前記第2位置を越えることが防止されるとよい。
操作部材が直接ストッパーに接触するような構成の場合、操作部材を操作するオペレータの手が、操作部材とストッパーとの間に挟まれてしまうおそれがある。そこで、上述のように、操作部材ではなく回動部材がストッパーに接触するようにすれば、オペレータの手が回動部材とストッパーとの間に挟まれることもない。
本発明において、繊維機械用の駆動装置は、前記張力付与部材を移動可能に支持する支持体をさらに備えるとよい。
これにより、支持体によって張力付与部材の動きを規定することができ、張力付与部材の動作を安定させることができる。
本発明において、前記ばねの一端部は前記操作部材に取り付けられ、前記ばねの他端部は前記支持体に取り付けられているとよい。
このように、操作部材及び支持体が、ばねを取り付けるための部材として兼用されることで、部品点数を減らすことができる。
本発明において、前記操作部材及び前記支持体のそれぞれは、前記ばねを着脱可能な複数の取付部を有するとよい。
これにより、ばねの取付本数を変更することが可能となり、タイミングベルトに付与する張力の調整自由度が向上する。
本発明に係るドラフト装置は、駆動ローラと従動ローラとからなるドラフトローラ対によって繊維束を所定方向に送りながらドラフトするドラフト装置であって、上記何れかの駆動装置によって、前記被駆動部としての前記駆動ローラが駆動されることを特徴とする。
これにより、駆動ローラに動力を伝達するタイミングベルトの張力を正確に調整することができるので、繊維束のドラフトを良好に行うことができる。
本発明において、前記所定方向に前記ドラフトローラ対が少なくとも3つ配置されており、前記駆動装置によって駆動される前記駆動ローラは、前記所定方向の最も下流側に配置された前記ドラフトローラ対の前記駆動ローラであるとよい。
最も下流側のドラフトローラ対は、他のドラフトローラ対と比較して最も高速で回転しているため、タイミングベルトにかかる負荷が特に大きく、タイミングベルトに付加する張力を正確に調整しないと、タイミングベルトの破損等が生じやすい。したがって、タイミングベルトの張力を正確に調整できる本発明が特に有効である。
本発明において、前記所定方向に前記ドラフトローラ対が少なくとも3つ配置されており、前記駆動装置によって駆動される前記駆動ローラは、前記所定方向の下流側から2番目に配置された前記ドラフトローラ対の前記駆動ローラであるとよい。
下流側から2番目のドラフトローラ対は、上流側のドラフトローラ対と比較すると高速で回転しているため、タイミングベルトの張力によっては不具合が生じるおそれがある。したがって、タイミングベルトの張力を正確に調整できる本発明が有効である。
本発明に係る空気紡績機は、上記何れかのドラフト装置と、前記ドラフト装置でドラフトされた繊維束に旋回空気流によって撚りを加えて糸を生成する空気紡績装置と、前記空気紡績装置で生成された糸を巻き取る巻取装置と、前記駆動装置を格納する格納部と、を備えることを特徴とする。
空気紡績機による紡績速度は、リング精紡機等と比べて一般的に高速であり、ドラフトローラ対の回転速度も高速であるので、タイミングベルトの張力調整をより精度よく行う必要がある。したがって、タイミングベルトの張力を正確に調整できる本発明が特に有効である。また、駆動装置が格納部に格納されているので、駆動装置周りのスペースが限られており、複雑な作業は困難である。本発明では、ばねを交換するだけでタイミングベルトの張力の調整が行えるので、駆動装置周りのスペースが限られていても、張力の調整を容易に行うことができる。
本実施形態に係る空気紡績機の全体的な構成を示す正面図である。 紡績ユニット及び糸継台車の側面図である。 紡績装置の断面図である。 第1ドラフト駆動装置の平面図である。 操作部材が第1位置に位置しているときの張力付与機構の側面図である。 操作部材が第2位置に位置しているときの張力付与機構の側面図である。 リンク機構が思案点に位置しているときの張力付与機構の側面図である。
[本実施形態]
(精紡機の全体構成)
本発明の一実施形態に係る空気紡績機について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、各図に示したように定義した方向語を適宜使用する。図1に示す空気紡績機1は、左右方向に並べられた複数の紡績ユニット2と、左右方向に移動可能な糸継台車3と、右端部に配置されたブロアボックス4と、左端部に配置された原動機ボックス5と、を備えている。
紡績ユニット2は、ドラフト装置11から送られてくる繊維束Tを紡績装置12で紡績して糸Yを生成し、この糸Yを巻取装置13でボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。糸継台車3は、何れかの紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が生じた場合に、その紡績ユニット2に移動して糸継ぎを行う。ブロアボックス4には、紡績ユニット2及び糸継台車3に負圧を供給するための不図示の吸引装置等が収容されている。原動機ボックス5には、各紡績ユニット2に共通の駆動装置等(図1では第1ドラフト駆動装置6及び第2ドラフト駆動装置7のみ図示)が収容されている。
(紡績ユニット)
図2に示すように、紡績ユニット2は、繊維束T又は糸Yの走行方向(以下、「糸走行方向」と称する)の上流側から下流側へ向かって順に配置された、ドラフト装置11と、紡績装置(空気紡績装置)12と、糸貯留装置14と、巻取装置13と、を主要な構成として備える。
ドラフト装置11は、空気紡績機1のフレーム15の上端近傍に設けられている。ドラフト装置11は、上流側から順に、バックローラ対16、サードローラ対17、ミドルローラ対18、及び、フロントローラ対19の、4つのドラフトローラ対16〜19を有する。ミドルローラ対18には、ゴム製のエプロンベルト20が巻き架けられている。4つのドラフトローラ対16〜19は、それぞれ、駆動ローラであるボトムローラ16a〜19aと、従動ローラであるトップローラ16b〜19bと、で構成される。トップローラ16b〜19bは、不図示の付勢部材によって、それぞれ対向するボトムローラ16a〜19aに向かって付勢されている。ドラフトローラ対16〜19の回転速度は、糸走行方向下流側のローラ対ほど回転速度が速くなるように設定されている。これによって、ドラフト装置11は、繊維束Tの原料であるスライバSを、ドラフトローラ対16〜19で挟み込んで搬送し、所定の太さとなるまで引き伸ばして(ドラフトして)繊維束Tを形成する。
紡績装置12は、フロントローラ対19のすぐ下流側に配置されている。紡績装置12は、ドラフト装置11でドラフトされた繊維束Tに撚りを加えることによって、糸Yを生成する。本実施形態では、紡績装置12として、旋回空気流を利用して繊維束Tに撚りを加える空気紡績装置が採用されている。より詳細には、図3に示すように、紡績装置12は、繊維案内部91と、紡績室92と、ノズルブロック93と、中空ガイド軸体94と、を有する。繊維案内部91は、上流側のドラフト装置11から供給された繊維束Tを、繊維導入路91aを介して紡績室92内に案内する。ノズルブロック93には、複数の旋回空気流発生ノズル93aが、繊維束Tが走行する経路の周囲に形成されている。旋回空気流発生ノズル93aから空気が噴射されることにより、紡績室92内に旋回空気流が発生する(図3のブロック矢印参照)。この旋回空気流によって、繊維束Tを構成する複数の繊維の各繊維端が反転されて旋回させられる(図3の二点鎖線参照)。中空ガイド軸体94は、糸Yを紡績室92内から繊維通路94aを介して紡績装置12の外部に案内する。なお、紡績装置12として、例えば、互いに反対方向に繊維束に撚りを掛ける一対のエアージェットノズルを備えるような、他のタイプの紡績装置を採用してもよい。
図2に示すように、糸貯留装置14は、糸走行方向において紡績装置12と巻取装置13との間に配置されている。糸貯留装置14は、貯留ローラ21と、糸掛け部材22と、モータ23と、を有する。貯留ローラ21は、その外周面に一定量の糸Yを巻き付けて一時的に貯留できるように構成されており、モータ23によって回転駆動される。このとき、糸掛け部材22が糸Yを引っ掛けた状態で貯留ローラ21と一体回転することにより、貯留ローラ21に糸Yが貯留される。糸貯留装置14は、糸Yに張力を付与することによって、紡績装置12から糸Yを引き出す。ただし、紡績装置12と糸貯留装置14の間に、デリベリローラ等の引出ローラ対を設けて、引出ローラ対により紡績装置12から糸Yを引き出してもよい。この場合、糸貯留装置14は省略してもよい。
糸走行方向において紡績装置12と糸貯留装置14との間には、糸Yの状態を監視する糸監視装置24が設けられている。糸監視装置24は、走行する糸Yの太さ及び/又は異物の有無を不図示の光学式のセンサによって監視するように構成されている。これにより、糸監視装置24は、糸Yの太さに異常があること、及び/又は、糸Yに異物が含まれること等の糸欠陥を検出することができる。糸監視装置24は、光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサであってもよい。糸監視装置24で糸Yの糸欠陥が検出された場合、紡績ユニット2は、紡績装置12への空気の供給を停止して、糸Yの生成を中断することにより糸Yを切断する。これに代わって、糸監視装置24の近傍にカッターを配置し、当該カッターにより糸Yを切断するようにしてもよい。あるいは、ドラフト装置11のバックローラ対16の回転を停止することにより、糸Yが切断されるようにしてもよい。
巻取装置13は、糸貯留装置14の下流側に配置されており、糸Yを綾振りしながらボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム25と、巻取ドラム26と、トラバース装置27と、を有する。
クレードルアーム25は、支軸25aを軸にして回動可能に支持されている。クレードルアーム25は、糸Yを巻き取るためのボビンB(パッケージP)を回転可能に支持することができる。巻取ドラム26は、所定の方向に一定の回転速度で回転駆動されている。クレードルアーム25は、支軸25aを軸にして回動することにより、ボビンB(パッケージP)の外周面を巻取ドラム26に対して接触又は離間させることができる。ボビンB(パッケージP)の外周面を、回転駆動される巻取ドラム26に接触させることにより、ボビンB(パッケージP)を巻取方向に従動回転させ、糸YをボビンB(パッケージP)の外周面に巻き取ることができる。トラバース装置27は、糸Yを案内可能なトラバースガイド28を有する。
各紡績ユニット2の巻取ドラム26は、原動機ボックス5に設けられた不図示の駆動モータによって一斉に駆動される。各紡績ユニット2のトラバースガイド28は、複数の紡績ユニット2で共有されるシャフトに設けられている。当該シャフトは、原動機ボックス5に設けられた別の不図示の駆動モータによって、巻取ドラム26の回転軸方向に往復駆動される。これにより、回転するボビンB(パッケージP)に対してトラバースガイド28が糸Yを所定幅でトラバースする。糸Yをトラバースするための構成は、トラバースガイド28に限定されず、トラバース溝が形成された巻取ドラムでもよい。
(糸継台車)
次に、糸継台車3について説明する。糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が発生した場合に、その紡績ユニット2まで移動し、分断している糸Yの糸継ぎを行う。図2に示すように、糸継台車3は、糸継装置30と、サクションパイプ31と、サクションマウス32と、を有する。
サクションパイプ31は、軸31aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションパイプ31は、上方に回動することによって、サクションパイプ31の先端が紡績装置12の下流側近傍に位置し、紡績装置12から紡出される糸(上糸)Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションパイプ31は、紡績装置12から紡出される上糸Yを吸引保持した状態で下方に回動することで、上糸Yを糸継装置30に案内することができる。
サクションマウス32は、軸32aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションマウス32は、下方に回動することによって、サクションマウス32の先端がパッケージPの外周面近傍に位置し、パッケージPから引き出される糸(下糸)Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションマウス32は、パッケージPから引き出される下糸Yを吸引保持した状態で上方に回動することで、下糸Yを糸継装置30に案内することができる。
糸継装置30は、サクションパイプ31によって案内される紡績装置12からの上糸Yと、サクションマウス32によって案内される巻取装置13からの下糸Yと、を糸継ぎする。本実施形態では、糸継装置30として、旋回空気流によって上糸Yと下糸Yの糸端同士に撚りを加えて継ぎ目を形成するスプライサーが用いられている。糸継装置30は、例えば、上糸Yと下糸Yとを結ぶノッター、又は、下糸Yを紡績装置12に案内し、紡績装置12の紡績を再開することにより上糸Yと下糸Yとをつなぐピーサーでもよい。
(ドラフト駆動装置)
各紡績ユニット2のバークローラ対16のボトムローラ16a及びサードローラ対17のボトムローラ17aは、各紡績ユニット2に個別に設けられた不図示の駆動モータによって回転駆動される。各紡績ユニット2のミドルローラ対18のボトムローラ18a(以下、ミドルボトムローラ18aと言う)及びフロントローラ対19のボトムローラ19a(以下、フロントボトムローラ19aと言う)は、それぞれ、原動機ボックス5の上部に格納された第1ドラフト駆動装置6及び第2ドラフト駆動装置7によって回転駆動される。
各紡績ユニット2のフロントボトムローラ19aは、左右方向に沿って延設された共通の第1ラインシャフト41(図1参照)に固定されている。各紡績ユニット2のミドルボトムローラ18aは、左右方向に沿って延設された共通の第2ラインシャフト42(図1参照)に固定されている。第1ラインシャフト41の左端部は、第1ドラフト駆動装置6に接続されており、第1ドラフト駆動装置6が第1ラインシャフト41を回転駆動することで、各紡績ユニット2のフロントボトムローラ19aが一斉に回転駆動される。第2ラインシャフト42の左端部は、第2ドラフト駆動装置7に接続されており、第2ドラフト駆動装置7が第2ラインシャフト42を回転駆動することで、各紡績ユニット2のミドルボトムローラ18aが一斉に回転駆動される。
図4に示すように、第1ドラフト駆動装置6は、第1駆動モータ43と、第1動力伝達機構45と、を有する。第1動力伝達機構45は、第1駆動モータ43と第1ラインシャフト41との間に配設されており、第1駆動モータ43の出力は第1動力伝達機構45を介して第1ラインシャフト41に伝達される。第2ドラフト駆動装置7は、第2駆動モータ44と、第2動力伝達機構46と、を有する。第2動力伝達機構46は、第2駆動モータ44と第2ラインシャフト42との間に配設されており、第2駆動モータ44の出力は第2動力伝達機構46を介して第2ラインシャフト42に伝達される。
原動機ボックス5のフレーム5a上には、ベース部材48が略水平に配置されている。ベース部材48には、第1支持部材49及び第2支持部材50が立設されている。第1支持部材49及び第2支持部材50は、左右方向と直交する鉛直面に略平行な板状部材であり、第2支持部材50が第1支持部材49よりも右側に位置するように並んでいる。第1支持部材49及び第2支持部材50は、第1駆動モータ43の出力軸43a、第2駆動モータ44の出力軸44a、並びに、第1動力伝達機構45及び第2動力伝達機構46の各プーリの軸を回転可能に支持する。
第1駆動モータ43は、第1支持部材49の左側に配置されており、第1駆動モータ43の出力軸43aが第1支持部材49の右側まで延びている。第1動力伝達機構45は、出力プーリ51と、入力プーリ52と、タイミングベルト53と、入力軸54と、を有する。出力プーリ51及び入力プーリ52は、第1支持部材49と第2支持部材50との間に配置されている。出力プーリ51は、第1駆動モータ43の出力軸43aの右端部に固定されている。入力プーリ52は、入力軸54の左端部に固定されている。タイミングベルト53は、出力プーリ51と入力プーリ52との間に掛け渡されている。入力軸54は左右方向に延設されており、入力軸54の右端部は第1ラインシャフト41に連結されている。このような構成により、第1駆動モータ43の出力は、第1動力伝達機構45を介して第1ラインシャフト41に伝達され、各紡績ユニット2のフロントボトムローラ19aを一斉に回転駆動することができる。
第2駆動モータ44は、第1支持部材49の左側に配置されており、第2駆動モータ43の出力軸44aが第2支持部材50の右側まで延びている。第2動力伝達機構46は、出力プーリ55と、第1中間プーリ56と、タイミングベルト57と、中間軸58と、第2中間プーリ59と、入力プーリ60と、タイミングベルト61と、入力軸62と、を有する。出力プーリ55及び第1中間プーリ56は、第2支持部材50の右側に配置されている。出力プーリ55は、第2駆動モータ44の出力軸44aの右端部に固定されている。第1中間プーリ56は、中間軸58の右端部に固定されている。タイミングベルト57は、出力プーリ55と第1中間プーリ56との間に掛け渡されている。中間軸58は、第1中間プーリ56と第2中間プーリ59とを連結する。第2中間プーリ59及び入力プーリ60は、第1支持部材49の左側に配置されている。第2中間プーリ59は、中間軸58の左端部に固定されている。入力プーリ60は、入力軸62の左端部に固定されている。タイミングベルト61は、第2中間プーリ59と入力プーリ60との間に掛け渡されている。入力軸62は左右方向に延設されており、入力軸62の右端部は第2ラインシャフト42に連結されている。このような構成により、第2駆動モータ44の出力は、第2動力伝達機構46を介して第2ラインシャフト42に伝達され、各紡績ユニット2のミドルボトムローラ18aを一斉に回転駆動することができる。
リング精紡機等と比べて、一般的に空気紡績機1では紡績速度が速いため、各ボトムローラ16a〜19aの回転速度も高速である。特に、各ボトムローラ16a〜19aのうちフロントボトムローラ19aは最も高速で回転するため、フロントボトムローラ19aに動力を伝達するタイミングベルト53には大きな負荷がかかる。このため、タイミングベルト53に付加される張力を正確に調整しないと、タイミングベルト53の破損等が生じやすい。そこで、本実施形態では、第1ドラフト駆動装置6のタイミングベルト53の張力を正確に調整することのできる張力付与機構70が設けられている。
図4〜図7を参照しつつ、張力付与機構70について説明する。張力付与機構70は、リンク機構71にテンションプーリ72が取り付けられた構成である。図4に示すように、張力付与機構70は、テンションプーリ72及びテンションプーリ72を支持する支持軸73cの一部を除いて、第2支持部材50の右側に配置されている。図5〜図7は、張力付与機構70を右側から見た側面図であり、張力付与機構70を構成する部材を実線で図示するとともに、出力プーリ51、入力プーリ52及びタイミングベルト53を一点鎖線で図示しており、その他の部材の図示は省略している。
リンク機構71は、支持体73と、回動アーム74と、ばね75と、操作レバー76と、を有する。支持体73は、支軸73b周りに回動可能な支持アーム73aと、支持アーム73aから左側に延設された支持軸73cと、支持アーム73aから右側に延設されたばね取付軸73dと、を有する。支軸73bは、第2支持部材50に回動可能に支持されており、細長形状の支持アーム73aの一端部に固定されている。支持アーム73aの他端部には、支持軸73cが固定されており、支持アーム73aが支軸73b周りに回動することで、支持軸73cは前後に揺動することができる。図4に示すように、支持軸73cは、支持アーム73aから第2支持部材50を越えてタイミングベルト53の上方まで延びている。支持軸73cの左端部は、テンションプーリ72を回転可能に支持している。図示は省略するが、第2支持部材50には、支持軸73cを通すための開口が、支持軸73cの揺動動作を阻害しない形状に形成されている。
回動アーム74は、支軸74a周りに回動可能である。支軸74aは、第2支持部材50に回動可能に支持されており、細長形状の回動アーム74の一端部に固定されている。回動アーム74の他端部には、回動アーム74から右側に延設された操作レバー76が固定されている。オペレータが操作レバー76を支軸74aを中心に回動させることで、操作レバー76は後述の第1位置P1と第2位置P2との間で操作可能となっている。
ばね75は、支持体73と操作レバー76とにわたって掛けられる。図4に示すように、支持体73のばね取付軸73dには、ばね75を着脱可能な2つの取付溝73eが左右方向に並んで形成されており、操作レバー76には、ばね75を着脱可能な2つの取付溝76aが左右方向に並んで形成されている。ばね取付軸73dと操作レバー76は、それぞれ片持ち支持された構成である。ばね75の一端部は、操作レバー76の取付溝76aに取り付けられ、ばね75の他端部は、支持体73の取付溝73eに取り付けられる。本実施形態では、リンク機構71に2つのばね75を取り付けているが、取付溝73e、76aの数は1つでも3つ以上でも構わないし、実際に取り付けるばね75の数も1つでも3つ以上でも構わない。
図5〜図7を参照しつつ、張力付与機構70の動作について説明する。図5〜図7では、リンク機構71の動きを分かりやすく示すため、位置が固定されている支軸73b、74aにハッチングを付している。図5に示すように、操作レバー76は、タイミングベルト53に近い第1位置P1と、タイミングベルト53から遠い第2位置P2との間で、支軸74aを中心とする円弧状の軌跡Kに沿って操作可能である。
図5に示すように、操作レバー76を第1位置P1に位置させると、テンションプーリ72がタイミングベルト53から離間した状態となり、タイミングベルト53の交換等の作業が可能となる。操作レバー76が第1位置P1に位置しているときは、操作レバー76とばね取付軸73dとの距離が、ばね75の自然長以下となるように設計されており、ばね75が緩んだ状態となるため、ばね75の交換も簡単に行える。
図6に示すように、操作レバー76を第2位置P2に位置させると、テンションプーリ72がタイミングベルト53に接触した状態となる。操作レバー76が第2位置P2に位置しているときは、操作レバー76とばね取付軸73dとの距離が、ばね75の自然長よりも長くなるように設計されている。このため、ばね75によってテンションプーリ72がタイミングベルト53に押し付けられる方向に付勢され、ばね75の付勢力に応じて、タイミングベルト53に張力を付与することができる。
操作レバー76を第1位置P1と第2位置P2との間で回動させると、テンションプーリ72は図5に示す位置と図6に示す位置との間で揺動する。このときのテンションプーリ72の揺動方向は、タイミングベルト53の接線方向に対して概ね直交する方向である。これにより、テンションプーリ72により効率的にタイミングベルト53に張力を付与することができる。
リンク機構71は、操作レバー76が第1位置P1から第2位置P2に操作される途中で、思案点を通過するように構成されている。思案点とは、図7に示すように、回動アーム74とばね75とが一直線上に位置し、リンク機構71がばね75によってどちら側にも動かされることのない位置を意味する。以下では、リンク機構71が思案点に位置するときの操作レバー76の位置を第3位置P3と言う。操作レバー76が第3位置P3よりも少しでも第1位置P1側に位置していれば、操作レバー76がばね75により第1位置P1側に付勢されるようにリンク機構71が動作する。操作レバー76が第3位置P3よりも少しでも第2位置P2側に位置していれば、操作レバー76がばね75により第2位置P2側に付勢されるようにリンク機構71が動作する。
原動機ボックス5の前面には、開閉部5b(図4参照)が設けられている。原動機ボックス5の前方には、オペレータが通行できる通路が設けられている。オペレータが第1ドラフト駆動装置6のメンテナンス等を行う際には、開閉部5bを開いて、原動機ボックス5の前方位置から各種作業を行う。本実施形態では、図5に示すように、第1位置P1から反時計回りに延びる円弧状の軌跡Kに沿って、操作レバー76が操作される。つまり、オペレータが操作レバー76を第1位置P1から第2位置P2に操作する際には、操作レバー76を大きく前方(手前)に引いた後、少しだけ後方に押し戻すように操作することになる。操作レバー76が第3位置P3を通過する前後では、ばね75の伸びが大きくなり、操作レバー76を操作するのに比較的大きな操作力が必要となる。本実施形態では、第3位置P3が、第1位置P1及び第2位置P2よりも、操作レバー76を操作しているオペレータに近い前方に位置するようにリンク機構71を構成することで、リンク機構71が思案点を越える前後でも操作が容易に行えるようにされている。本実施形態では、操作レバー76が操作される軌跡Kは円弧状であり、操作レバー76は円を一周するようには移動しない。言い換えると、オペレータは、操作レバー76を半回転させるだけで、タイミングベルト53及び/又はばね75を交換等することができる。
操作レバー76を第1位置P1から第2位置P2に操作する際に、第3位置P3を通過した操作レバー76が、そのまま第2位置P2を越えてしまうことを防止するため、ストッパー77が設けられている。ストッパー77は、図4に示すように、第2支持部材50から右側に突出しており、図6に示すように、操作レバー76が第2位置P2に位置するときに回動アーム74が接触する位置に配置されている。これによって、回動アーム74がストッパー77を越えて後方に回動することを防止し、ひいては、操作レバー76が第2位置P2を越えて後方に移動することを防止することができる。このように、本実施形態では、リンク機構71とストッパー77とによって、操作レバー76を第2位置P2に維持するロック機構80が構成されている。
(効果)
本実施形態に係る第1ドラフト駆動装置6(繊維機械用の駆動装置)では、ロック機構80によって操作レバー76(操作部材)を第2位置P2に維持することで、テンションプーリ72(張力付与部材)を一定の位置に維持することができるので、タイミングベルト53に付与される張力は、ばね75の付勢力によって決まる。したがって、推奨ベルト張力に応じてばね75の種類を適切に選択すれば、オペレータによる個人差を排除して、タイミングベルト53の張力を正確に調整することができる。
本実施形態では、ロック機構80は、操作レバー76とテンションプーリ72とを連結し、操作レバー76を第1位置P1から第2位置P2に操作する際に思案点を通過するリンク機構71と、操作レバー76を第1位置P1から第2位置P2に操作する際に、操作レバー76が第2位置P2を越えることを防止するストッパー77と、を有する。このようなロック機構80を設けることで、リンク機構71が思案点を通過するように操作レバー76を第2位置P2に向けて操作すれば、ストッパー77により操作レバー76が第2位置P2に維持される。また、リンク機構71が思案点を通過するように操作レバー76を第1位置P1に向けて操作すれば、操作レバー76が第2位置P2に維持された状態を解除できる。つまり、ロック機構80を作動又は解除させるのに工具等が不要であり、操作レバー76を操作するだけでタイミングベルト53の交換及び/又はばね75の交換等を簡単に行うことができる。
本実施形態では、リンク機構71はばね75をリンク要素として含んでおり、リンク機構71が思案点に位置するときの操作レバー76の位置を第3位置P3と称するとき、操作レバー76を第3位置P3よりも第1位置P1側に操作すると、ばね75によって操作レバー76は第1位置P1に向かって付勢され、操作レバー76を第3位置P3よりも第2位置P2側に操作すると、ばね75によって操作レバー76は第2位置P2に向かって付勢される。このように、テンションプーリ72を付勢するばね75をリンク機構71に兼用し、このばね75で操作レバー76を付勢するようにすれば、部品点数を減らすことができる。
本実施形態では、操作レバー76の第3位置P3は、第1位置P1及び第2位置P2よりも、オペレータが操作レバー76を操作するときの操作位置(原動機ボックス5の前方位置)に近い位置である。リンク機構71が思案点を通過する前後では、ばね75の復元力に抵抗しながら操作レバー76を操作する必要があり、比較的大きな操作力が必要とされる。そこで、上述のように、操作力が大きくなる領域を操作位置に近づけることで、操作レバー76の操作性を向上させることができる。
本実施形態では、第1ドラフト駆動装置6は、操作レバー76を第1位置P1と第2位置P2との間で回動可能に支持する回動アーム74をさらに備え、回動アーム74がストッパー77に接触することで、操作レバー76が第2位置P2を越えることが防止される。操作レバー76が直接ストッパー77に接触するような構成の場合、操作レバー76を操作するオペレータの手が、操作レバー76とストッパー77との間に挟まれてしまうおそれがある。上述のように、操作レバー76ではなく回動アーム74がストッパー77に接触するようにすれば、オペレータの手が回動アーム74とストッパー77との間に挟まれることもない。
本実施形態では、テンションプーリ72を移動可能に支持する支持体73がさらに設けられているので、支持体73によってテンションプーリ72の動きを規定することができ、テンションプーリ72の動作を安定させることができる。
本実施形態では、ばね75の一端部は操作レバー76に取り付けられ、ばね75の他端部は支持体73に取り付けられている。このように、操作レバー76及び支持体73が、ばね75を取り付けるための部材として兼用されることで、部品点数を減らすことができる。
本実施形態では、操作レバー76に、ばね75を着脱可能な複数の取付溝76a(取付部)が形成されるとともに、支持体73に、ばね75を着脱可能な複数の取付溝73e(取付部)が形成されている。これにより、ばね75の取付本数を変更することが可能となり、タイミングベルト53に付与する張力の調整自由度が向上する。
本実施形態では、駆動ローラ19aと従動ローラ19bとからなるドラフトローラ対19によって繊維束Tを糸走行方向(所定方向)に送りながらドラフトするドラフト装置11において、被駆動部としての駆動ローラ19aが第1ドラフト駆動装置6によって駆動される。第1ドラフト駆動装置6を用いることで、駆動ローラ19aに動力を伝達するタイミングベルト53の張力を正確に調整することができるので、繊維束Tのドラフトを良好に行うことができる。
本実施形態では、糸走行方向にドラフトローラ対16〜19が少なくとも3つ配置されており、第1ドラフト駆動装置6によって駆動される駆動ローラ19aは、糸走行方向の最も下流側に配置されたフロントローラ対19の駆動ローラ19aである。最も下流側のフロントローラ対19は、他のドラフトローラ対16〜18と比較して最も高速で回転しているため、タイミングベルト53にかかる負荷が特に大きく、タイミングベルト53に付加する張力を正確に調整しないと、タイミングベルト53の破損等が生じやすい。したがって、タイミングベルト53の張力を正確に調整できる第1ドラフト駆動装置6が特に有効である。
本実施形態では、空気紡績機1の原動機ボックス5(格納部)に、第1ドラフト駆動装置6が格納されている。空気紡績機1による紡績速度は、リング精紡機等と比べて一般的に高速であり、ドラフトローラ対19の回転速度も高速であるため、タイミングベルト53の張力調整をより精度よく行う必要がある。したがって、タイミングベルト53の張力を正確に調整できる第1ドラフト駆動装置6が特に有効である。また、第1ドラフト駆動装置6が原動機ボックス5に格納されているので、第1ドラフト駆動装置6の周りのスペースが限られており、複雑な作業は困難である。第1ドラフト駆動装置6では、ばね75を交換するだけでタイミングベルト53の張力の調整が行えるので、第1ドラフト駆動装置6の周りのスペースが限られていても、張力の調整を容易に行うことができる。
[他の実施形態]
上記実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上記実施形態では、各紡績ユニット2のフロントボトムローラ19aを一斉に駆動する第1ドラフト駆動装置6に対して、本発明を適用するものとした。しかしながら、本発明の適用対象はこれに限定されない。例えば、各紡績ユニット2のミドルボトムローラ18aを一斉に駆動する第2ドラフト駆動装置7のタイミングベルト57、61にも、相当の負荷がかかっているので、第2ドラフト駆動装置7に本発明を適用してもよい。各紡績ユニット2の巻取ドラム26が一斉に駆動される場合は、巻取ドラム26の駆動装置に対して本発明を適用してもよい。あるいは、紡績装置12から糸Yを引き出すためのデリベリローラが各紡績ユニット2に設けられていて、複数の紡績ユニット2でデリベリローラが一斉に駆動される場合は、デリベリローラの駆動装置に対して本発明を適用してもよい。あるいは、トラバースガイド28を一斉駆動する駆動モータに対して本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、ロック機構80が、リンク機構71とストッパー77とで構成されていた。しかしながら、ロック機構の具体的構成は、操作レバー76を第2位置P2に維持できる構成であれば、どのような構成でもよい。例えば、操作レバー76にフックを設け、このフックと係合可能な係止部を第2位置P2に設けてもよい。この場合は、フックと係止部とによって、ロック機構が構成される。
張力付与機構70も、上記実施形態に示した構成に限定されない。例えば、リンク機構71の具体的構成は変更が可能であるし、張力付与部材としてテンションプーリ72以外の部材を採用してもよい。ばね75の取付位置及び取付部の構成等も変更が可能である。
上記実施形態では、操作レバー76を第1位置P1から図5の反時計回りに操作するように構成した。しかしながら、操作レバー76を第1位置P1から図5の時計回りに操作するように構成してもよい。この場合、ストッパー77は、軌跡Kのうち第3位置P3より第1位置P1側の部分に配置すればよい。
上記実施形態では、空気紡績機1が1つの糸継台車3を備えているが、紡績ユニット2の数に応じて複数の糸継台車3を備えていてもよい。あるいは、各紡績ユニット2が、糸継装置30と、サクションパイプ31と、サクションマウス32と、を備えていてもよい。
上記実施形態では、空気紡績機1に対して本発明に係る駆動装置を適用するものとしたが、本発明の適用対象は空気紡績機1に限定されない。例えば、自動ワインダー等の繊維機械においても、複数の被駆動部を一斉に駆動させる駆動装置では同様の課題が生じるため、このような駆動装置に本発明を適用することも可能である。
1:空気紡績機
2:紡績ユニット
5:原動機ボックス(格納部)
6:第1ドラフト駆動装置(駆動装置)
11:ドラフト装置
12:紡績装置(空気紡績装置)
13:巻取装置
19:フロントローラ対(ドラフトローラ対)
19a:ボトムローラ(駆動ローラ、被駆動部)
19b:トップローラ(従動ローラ)
41:第1ラインシャフト(駆動軸)
43:第1駆動モータ(駆動モータ)
53:タイミングベルト
71:リンク機構
72:テンションプーリ(張力付与部材)
73:支持体
73e:取付溝(取付部)
74:回動アーム(回動部材)
75:ばね
76:操作レバー(操作部材)
76a:取付溝(取付部)
77:ストッパー
80:ロック機構
P1:第1位置
P2:第2位置
P3:第3位置
T:繊維束
Y:糸

Claims (12)

  1. 駆動軸に取り付けられた複数の被駆動部を一斉に駆動する繊維機械用の駆動装置であって、
    駆動モータと、
    前記駆動モータの出力を前記駆動軸に伝達するタイミングベルトと、
    第1位置と第2位置との間で操作可能な操作部材と、
    前記操作部材が前記第1位置に位置しているときは前記タイミングベルトから離間し、前記操作部材が前記第2位置に位置しているときは前記タイミングベルトに接触する張力付与部材と、
    前記操作部材が前記第2位置に位置しているときに、前記張力付与部材を前記タイミングベルトに押し付ける方向に付勢するばねと、
    前記操作部材を前記第2位置に維持するロック機構と、
    を備えることを特徴とする繊維機械用の駆動装置。
  2. 前記ロック機構は、
    前記操作部材と前記張力付与部材とを連結し、前記操作部材を前記第1位置から前記第2位置に操作する際に思案点を通過するリンク機構と、
    前記操作部材を前記第1位置から前記第2位置に操作する際に、前記操作部材が前記第2位置を越えることを防止するストッパーと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の繊維機械用の駆動装置。
  3. 前記リンク機構は前記ばねをリンク要素として含んでおり、
    前記リンク機構が前記思案点に位置するときの前記操作部材の位置を第3位置と称するとき、
    前記操作部材を前記第3位置よりも前記第1位置側に操作すると、前記ばねによって前記操作部材は前記第1位置に向かって付勢され、前記操作部材を前記第3位置よりも前記第2位置側に操作すると、前記ばねによって前記操作部材は前記第2位置に向かって付勢されることを特徴とする請求項2に記載の繊維機械用の駆動装置。
  4. 前記操作部材の前記第3位置は、前記第1位置及び前記第2位置よりも、オペレータが前記操作部材を操作するときの操作位置に近いことを特徴とする請求項3に記載の繊維機械用の駆動装置。
  5. 前記操作部材を前記第1位置と前記第2位置との間で回動可能に支持する回動部材をさらに備え、
    前記回動部材が前記ストッパーに接触することで、前記操作部材が前記第2位置を越えることが防止されることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の繊維機械用の駆動装置。
  6. 前記張力付与部材を移動可能に支持する支持体をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の繊維機械用の駆動装置。
  7. 前記ばねの一端部は前記操作部材に取り付けられ、前記ばねの他端部は前記支持体に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の繊維機械用の駆動装置。
  8. 前記操作部材及び前記支持体のそれぞれは、前記ばねを着脱可能な複数の取付部を有することを特徴とする請求項7に記載の繊維機械用の駆動装置。
  9. 駆動ローラと従動ローラとからなるドラフトローラ対によって繊維束を所定方向に送りながらドラフトするドラフト装置であって、
    請求項1〜8の何れか1項に記載の駆動装置によって、前記被駆動部としての前記駆動ローラが駆動されることを特徴とするドラフト装置。
  10. 前記所定方向に前記ドラフトローラ対が少なくとも3つ配置されており、
    前記駆動装置によって駆動される前記駆動ローラは、前記所定方向の最も下流側に配置された前記ドラフトローラ対の前記駆動ローラであることを特徴とする請求項9に記載のドラフト装置。
  11. 前記所定方向に前記ドラフトローラ対が少なくとも3つ配置されており、
    前記駆動装置によって駆動される前記駆動ローラは、前記所定方向の下流側から2番目に配置された前記ドラフトローラ対の前記駆動ローラであることを特徴とする請求項9又は10に記載のドラフト装置。
  12. 請求項9〜11の何れか1項に記載のドラフト装置と、
    前記ドラフト装置でドラフトされた繊維束に旋回空気流によって撚りを加えて糸を生成する空気紡績装置と、
    前記空気紡績装置で生成された糸を巻き取る巻取装置と、
    前記駆動装置を格納する格納部と、
    を備えることを特徴とする空気紡績機。
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