JP2018178142A - エッチング液組成物及びエッチング方法 - Google Patents

エッチング液組成物及びエッチング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチング後の層表面を平滑にできるとともに、ニッケル含有層と金属系層との積層体を一括してエッチングした場合であっても両層間に大きな段差が生じにくい、ニッケル含有層をエッチングするためのエッチング液組成物を提供する。【解決手段】ニッケル含有層をエッチングするためのエッチング液組成物である。(A)第二鉄イオン成分を第二鉄イオン濃度換算で0.1〜20質量%;(B)塩化水素0.01〜20質量%;及び(C)5−アミノテトラゾール、ベンゾチアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物0.01〜5質量%;を含有する水溶液である。【選択図】なし

Description

本発明は、エッチング液組成物、及びそれを用いたエッチング方法に関する。さらに詳しくは、Fe−Ni36%等のインバー材やステンレス鋼などのニッケル含有層をエッチングするために用いるエッチング液組成物、及びそれを用いたエッチング方法に関する。
ニッケル含有層は、プリント配線板、リードフレーム、TAB、BGA等の精密電子部品や、シャドウマスク等の高精細ディスプレイ用部品などに利用されている。そして、ニッケル含有層を微細に加工するための技術として、ウェットエッチング技術が知られている。
例えば、特許文献1には、樹脂等の被着材との密着性を向上できるステンレス鋼用のエッチング液として、酸、第二鉄イオン、ハロゲン化物イオン、両性界面活性剤、及び特定金属イオンを含有するエッチング液が開示されている。
また、特許文献2には、インバー合金用のエッチング液として、塩化第二銅又は塩化第二鉄、塩酸、ポリエチレングリコール誘導体、及びワックスや錆び止め油などの親油性炭化水素類を含有するエッチング液が開示されている。
特開2017−014607号公報 特開2004−238666号公報
しかしながら、特許文献1及び2で開示されたエッチング液を使用し、Fe−Ni36%層やニッケルを含有するステンレス層にエッチングにより貫通孔を形成すると、貫通孔の壁面が平滑にならないという問題があった。また、上記のエッチング液を使用し、Fe−Ni36%層と銅層との積層体や、ステンレス層と銅層との積層体にエッチングにより貫通孔を形成する場合も同様に、貫通孔の壁面が平滑にならないという問題があった。
さらに、Fe−Ni36%層と銅層とでは、エッチング速度が大きく相違する。このため、基板表面と平行な方向へのFe−Ni36%層のエッチング幅と、銅層のエッチング幅との差異が拡大してしまい、Fe−Ni36%層と銅層との間に大きな段差が生じやすかった。また、ステンレス層と銅層との積層体の場合も同様に、エッチング速度の相違によって、ステンレス層のエッチング幅と、銅層のエッチング幅との差異が拡大し、両層の間に大きな段差が生じやすかった。
したがって、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、エッチング後の層表面を平滑にできるとともに、ニッケル含有層と金属系層との積層体を一括してエッチングした場合であっても両層間に大きな段差が生じにくい、ニッケル含有層をエッチングするためのエッチング液組成物を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記エッチング液組成物を用いたエッチング方法を提供することにある。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、第二鉄イオン成分、塩化水素、並びに5−アミノテトラゾール、ベンゾチアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する水溶液であるエッチング液組成物が上記問題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、ニッケル含有層をエッチングするためのエッチング液組成物であって、(A)第二鉄イオン成分を第二鉄イオン濃度換算で0.1〜20質量%;(B)塩化水素0.01〜20質量%;及び(C)5−アミノテトラゾール、ベンゾチアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物0.01〜5質量%;を含有する水溶液であるエッチング液組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記のエッチング液組成物を用いて、基体上に配設されたニッケル含有層をエッチングする工程を有するエッチング方法(第1のエッチング方法)が提供される。
さらに、本発明によれば、上記のエッチング液組成物を用いて、基体上に配設されたニッケル含有層と金属系層を含む積層体を一括でエッチングする工程を有するエッチング方法(第2のエッチング方法)が提供される。
本発明によれば、エッチング後の層表面を平滑にできるとともに、ニッケル含有層と金属系層との積層体を一括してエッチングした場合であっても両層間に大きな段差が生じにくい、ニッケル含有層をエッチングするためのエッチング液組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記エッチング液組成物を用いたエッチング方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。本明細書における「ニッケル含有層」は、ニッケルを含有する層であれば特に限定されない。「ニッケル含有層」としては、例えば、ニッケル;酸化ニッケル;Fe−Ni36%、Fe−Ni32%−Co5%、Fe−Ni29%−Co17%、Fe−Ni42%−Cr−Ti、Ni−Mo28%−Fe2%などのインバー材と呼ばれる合金;SUS304、SUS304L、SUS321、SUS347、SUS316、SUS317、SUS890、NSSC170、NSSC270、SUS316N、NSSC316、SUS309S、SUS310S、AISI314、NSSC731、SUS304−M、SUS304−S、SUS−304J3、SUSXM7、SUS305、SUS305J1NSSC130M、NSSC131、SUS201、SUS302、SUS304N1、SUS304−H、SUS631J1、SUS303、SUS316F、SUS303Cu、NSSC140、SUS304−P、SUS304J3−P、SUS316−P、SUS316L−P、SUS304−HP、NSSC550、SUS329J1、NSSCDX1、SUS630、SUS631J1などのステンレス鋼;などを挙げることができる。本発明のエッチング液組成物の被エッチング体となるニッケル含有層としては、上記のインバー材やステンレス鋼が好ましい。
本明細書における「エッチング」とは、化学薬品などの腐食作用を利用した塑形又は表面加工の技法を意味する。本発明のエッチング液組成物の具体的な用途としては、例えば、除去剤、表面平滑化剤、表面粗化剤、パターン形成用薬剤、基体に微量付着した成分の洗浄液などを挙げることができる。本発明のエッチング液組成物は、3次元構造を有する微細な形状のパターンの形成に用いると、矩形などの所望の形状のパターンを得ることができるため、パターン形成用薬剤としても好適に用いることができる。また、本発明のエッチング液組成物を、ニッケル含有層や、ニッケル含有層と金属系層との積層体などに貫通孔を形成するエッチング剤として用いると、処理後の層表面を平滑にできるとともに、積層体を構成する両層間に大きな段差を生じにくくすることができるため、貫通孔形成用薬剤としても好適に用いることができる。
本明細書における「金属系層」は、ニッケル以外の金属からなる層であれば特に限定されない。「金属系層」は、例えば、銅、チタン、クロム、銀、モリブデン、アルミニウム、白金、及びパラジウム等の金属層;銅、チタン、クロム、銀、モリブデン、アルミニウム、白金、及びパラジウムからなる群から選択される2種類以上の金属を含有する合金層(例えば、Ag−Pd−Cu等);から選ばれる1種以上からなる層の総称である。
本明細書における「銅系層」は、銅を含有する層であれば特に限定されない。「銅系層」は、銅;銅と、亜鉛、鉛、錫、及びアルミなどの1以上の金属とを組み合わせた銅合金;から選ばれる少なくとも1種からなる層の総称である。「銅系層」の具体例としては、銅を10質量%以上含有する導電層を挙げることができる。
本発明のエッチング液組成物は、(A)第二鉄イオン成分(以下、「(A)成分」とも記す)を含有する。この(A)成分は、エッチング液組成物の主剤を構成する成分である。第二鉄イオン成分は、第二鉄イオンをエッチング液組成物中に供給(生成)しうる化合物であればよく、特に限定されない。第二鉄イオン成分としては、例えば、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、酢酸鉄(III)などを挙げることができる。これらの第二鉄イオン成分は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。また、これらの第二鉄イオン成分は、2種以上を併用してもよい。(A)成分としては、塩化鉄(III)を用いることが好ましい。
エッチング液組成物中の(A)成分の濃度は、第二鉄イオン濃度換算で、0.1〜20質量%であり、好ましくは1〜15質量%である。(A)成分の濃度は、被エッチング材であるニッケル含有層などの厚みや幅によって適宜調整することができる。(A)成分の濃度が、第二鉄イオン濃度換算で0.1質量%未満であると、エッチング速度が遅くなりすぎてしまい、生産性が低下する。一方、(A)成分の濃度が、第二鉄イオン濃度換算で20質量%超であると、エッチング速度が速くなりすぎてしまい、エッチング速度を制御することが困難になる。
本発明のエッチング液組成物は、(B)塩化水素(以下、「(B)成分」とも記す)を含有する。この(B)成分は、エッチング液組成物の主剤を構成する成分である。エッチング液組成物中の(B)成分の濃度は、0.01〜20質量%であり、好ましくは0.1〜15質量%である。(B)成分の濃度は、被エッチング材であるニッケル含有層などの厚みや幅によって適宜調整することができる。(B)成分の濃度が0.01質量%未満であると、エッチング速度が遅くなりすぎてしまう。一方、(B)成分の濃度を20質量%超としても、エッチング速度はさほど向上せず、かえって装置部材の腐食等の不具合が生ずる可能性がある。
本発明のエッチング液組成物は、(C)5−アミノテトラゾール、ベンゾチアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「(C)成分」とも記す)を含有する。この(C)成分を、(A)成分及び(B)成分と組み合わせて用いることで、エッチング後のニッケル含有層の表面を平滑にすることができるとともに、ニッケル含有層と金属系層との積層体を一括してエッチングした場合であっても両層間に大きな段差が生ずるのを抑制することができる。さらに、(C)成分を、(A)成分及び(B)成分と組み合わせて用いることで、ニッケル含有層と金属系層との積層体を一括してエッチングし、貫通孔を形成する場合に、処理後の層表面を平滑にできるとともに、両層間に大きな段差が生ずるのを抑制することができる。
(C)成分として、ベンゾチアゾール及びベンゾトリアゾールの少なくともいずれかを用いることが好ましい。ベンゾチアゾール及びベンゾトリアゾールの少なくともいずれかを(C)成分として用いると、ニッケル含有層と金属系層との積層体を一括してエッチングし、貫通孔を形成する場合に、処理後の層表面をより平滑にできるとともに、両層間に生ずる段差をさらに小さくすることができる。
エッチング液組成物中の(C)成分の濃度は、0.01〜5質量%であり、好ましくは0.1〜2質量%である。(C)成分の濃度は、被エッチング材であるニッケル含有層などの厚みや幅によって適宜調整することができる。(C)成分の濃度が0.01質量%未満であると、(C)成分の配合効果が発現しない。一方、(C)成分の濃度を5質量%超としても、(C)成分の配合効果はさほど向上しない。
本発明のエッチング液組成物は、各成分が水に溶解した水溶液である。このため、本発明のエッチング液組成物は、水を溶媒として含有する。エッチング液組成物中の水の量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の各濃度に応じて、その残部とすればよい。なお、後述する添加剤等をエッチング液組成物に含有させる場合は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び添加剤等の濃度に応じて、その残部とすればよい。エッチング液組成物中の水の含有量は、55〜99質量%程度であればよい。
本発明のエッチング液組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び水以外の成分として、本発明の効果を阻害することのない範囲で、周知の添加剤を配合することができる。添加剤としては、エッチング液組成物の安定化剤、各成分の可溶化剤、消泡剤、pH調整剤、比重調整剤、粘度調整剤、濡れ性改善剤、キレート剤、酸化剤、還元剤、界面活性剤等を挙げることができる。これらの添加剤の濃度は、一般的に、それぞれ0.001〜10質量%の範囲である。
上記の添加剤のうち、界面活性剤としては、ポリエーテル化合物を用いることが好ましい。ポリエーテル化合物を界面活性剤としてエッチング液組成物に配合することで、エッチング処理後の層表面を平滑にする効果をさらに向上させることができる。ポリエーテル化合物としては、主鎖構造中に窒素原子を含むポリエーテルポリオール化合物を用いることが好ましい。このようなポリエーテルポリオール化合物をエッチング液組成物に配合することで、エッチング処理後の層表面を平滑にする効果を特に向上させることができる。上記のポリエーテルポリオール化合物の分子量又は数平均分子量は、100〜5,000であることが好ましい。主鎖構造中に窒素原子を含むポリエーテルポリオール化合物の市販品としては、以下商品名で、アデカポリエーテルBM−34、BM−42、BM−54、BM−402(以上、ADEKA社製);SBU−Polyol 0476、0870、H309、H463(以上、住友バイエルウレタン社製);などを挙げることができる。
エッチング速度が速い場合、還元剤を添加剤として用いることが好ましい。還元剤の具体例としては、塩化銅、塩化第一鉄、銅粉、銀粉等を挙げることができる。これらの還元剤の濃度は、一般的に、0.01〜10質量%の範囲である。
本発明のエッチング液組成物の比重は、通常、1.05〜1.30の範囲内であり、好ましくは1.1〜1.2の範囲内である。本明細書おけるエッチング液組成物の「比重」とは、周知一般の比重の測定方法により測定される比重を意味する。具体的には、圧力101325Paにおける4℃の水の質量に対する、同体積の50℃のエッチング液組成物の質量の比(エッチング液組成物の質量/水の質量)が、エッチング液組成物の比重である。比重の測定方法としては、例えば、浮秤などの比重計を用いる方法;固有振動周期測定方式の振動式密度比重測定用装置(例え、商品名「DA−650」(京都電子社製)など)を用いる方法;を挙げることができる。
本発明の第1のエッチング方法は、上述のエッチング液組成物を用いて、基体上に配設されたニッケル含有層をエッチングする工程を有する。また、本発明の第2のエッチング方法は、上述のエッチング液組成物を用いて、基体上に配設されたニッケル含有層と金属系層を含む積層体を一括でエッチングする工程を有する。
本発明のエッチング液組成物を用いれば、ニッケル含有層と金属系層を含む積層体を一括してエッチングすることができる。基体上に配設されるニッケル含有層は、1層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。また、基体上に配設される積層体を構成するニッケル含有層及び金属系層は、それぞれ、1層であってもよく、2層以上であってもよい。基体上に配設される積層体は、金属系層がニッケル含有層の上層に配置されていても、下層に配置されていても、上層及び下層に配置されていてもよい。さらに、ニッケル含有層と金属系層が交互に積層されていてもよい。また、本発明のエッチング方法によれば、ニッケル含有層と金属系層を含む積層体を一括でエッチングすることで、貫通孔を形成することができる。このような貫通孔を形成する場合において、好ましいニッケル含有層は前述のインバー材やステンレス鋼であり、好ましい金属系層は前述の銅系層である。
基体上に配設されたニッケル含有層をエッチングする方法や、基体上に配設されたニッケル含有層と金属系層を含む積層体を一括でエッチングする方法は特に限定されず、一般的なエッチング方法を採用すればよい。例えば、ディップ式、スプレー式、スピン式等によるエッチング方法を挙げることができる。さらに、バッチ式、フロー式、エッチャントの酸化還元電位、比重、又は酸濃度によるオートコントロール式等の一般的な方式でエッチング液組成物を用いることができる。
例えば、スプレー式のエッチング方法によって、ポリイミド基板上に、銅層/Fe−Ni36%層/銅層からなる積層体が配設された基材をエッチングする場合には、エッチング液組成物を適切な条件で基材に噴霧することで、ポリイミド基板上の積層体をエッチングすることができる。また、マスクを利用することで、所望とするパターンを形成することもできる。
エッチング条件は特に限定されず、被エッチング体の形状や膜厚等に応じて任意に設定すればよい。例えば、噴霧条件は0.01〜1.0MPaの範囲から選択することができ、好ましくは0.1〜0.5MPaの範囲、さらに好ましくは0.15〜0.4MPaの範囲である。また、スプレー法によって貫通孔を形成する場合には、例えば、スプレー圧0.15〜0.4MPaの範囲でエッチング液組成物を噴霧することで、壁面がより平滑な貫通孔を形成することができるために好ましい。
エッチング温度は10〜80℃とすることが好ましく、20〜70℃とすることがさらに好ましい。エッチング液組成物の温度は反応熱により上昇することがある。このため、必要に応じて、エッチング液組成物の温度を上記の範囲内に維持するように公知の手段によって温度制御してもよい。また、エッチング時間は、エッチングが完了するのに十分な時間とすればよく、特に限定されない。例えば、膜厚50μm程度の被エッチング材料であれば、上記の温度範囲で30〜300秒程度エッチングすればよい。
本発明のエッチング方法は、エッチングの繰り返しによって劣化したエッチング液組成物の性能を回復させるために、エッチング液組成物に補給液を加える工程をさらに有することが好ましい。例えば、上記のようなオートコントロール式のエッチング方法の場合、エッチング装置に補給液を予めセットしておけば、エッチング液組成物に補給液を添加することができる。補給液としては、例えば、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の少なくともいずれかの水溶液;(C)成分の水溶液などを用いることができる。これらの水溶液(補給液)中の各成分の濃度は、例えば、エッチング液組成物中の各成分の濃度の3〜20倍程度とすればよい。また、補給液には、本発明のエッチング液組成物に必須成分として又は任意成分として含有される前述の各成分を必要に応じて添加してもよい。
本発明のエッチング液組成物及びこのエッチング液組成物を用いたエッチング方法は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル、有機EL、太陽電池、照明器具等の機器の電極や配線を加工する際に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
<エッチング液組成物>
(実施例1〜5)
表1に示す配合となるように各成分を混合して、実施例組成物No.1〜5のエッチング液組成物(実施例1〜5)を得た。なお、成分の合計が100質量%となるように水を配合した。
Figure 2018178142
(比較例1〜7)
表2に示す配合となるように各成分を混合して、比較組成物1〜7のエッチング液組成物(比較例1〜7)を得た。なお、成分の合計が100質量%となるように水を配合した。
Figure 2018178142
<エッチング方法(1)>
(実施例6〜10)
ポリイミド基板上に、銅層A(厚さ5μm)、Fe−Ni36%層(厚さ40μm)、及び銅層B(厚さ5μm)がこの順で積層された積層体が配設された基材を用意した。この基材の銅層B上に、ネガ型ドライフィルムレジストを用いて開口径(直径)40〜70μmのレジストパターンを形成した後、40mm×40mmに切断して複数枚のテストピースを得た。得られたテストピースに対し、50℃、スプレー圧0.2MPaの条件で実施例組成物No.1〜5をスプレー法により噴霧してエッチング処理し、貫通孔を形成した。エッチング処理時間は、エッチング液組成物毎に貫通孔が形成できるまでの時間とした。
(比較例8〜14)
比較組成物1〜7をエッチング液組成物として使用したこと以外は、前述の実施例6〜10と同様の方法により貫通孔を形成した。
<エッチング方法(2)>
(実施例11)
ポリイミド基板上に、銅層C(厚さ5μm)及びSUS304層(厚さ40μm)がこの順で積層された積層体が配設された基材を用意した。この基材のSUS304層上に、ネガ型ドライフィルムレジストを用いて開口径(直径)40〜70μmのレジストパターンを形成した後、40mm×40mmに切断して複数枚のテストピースを得た。得られたテストピースに対し、50℃、スプレー圧0.2MPaの条件で実施例組成物No.3をスプレー法により噴霧してエッチング処理し、貫通孔を形成した。エッチング処理時間は、貫通孔が形成できるまでの時間とした。
(比較例15)
比較組成物1をエッチング液組成物として使用したこと以外は、前述の実施例11と同様の方法により貫通孔を形成した。
<エッチング方法(3)>
(実施例12)
ポリイミド基板上に、銅層D(厚さ5μm)及びSUS316層(厚さ40μm)がこの順で積層された積層体が配設された基材を用意した。この基材のSUS316層上に、ネガ型ドライフィルムレジストを用いて開口径(直径)40〜70μmのレジストパターンを形成した後、40mm×40mmに切断して複数枚のテストピースを得た。得られたテストピースに対し、50℃、スプレー圧0.2MPaの条件で実施例組成物No.3をスプレー法により噴霧してエッチング処理し、貫通孔を形成した。エッチング処理時間は、貫通孔が形成できるまでの時間とした。
(比較例16)
比較組成物1をエッチング液組成物として使用したこと以外は、前述の実施例12と同様の方法により貫通孔を形成した。
<評価>
(平滑性)
レーザー顕微鏡を使用して、実施例6〜12及び比較例8〜16で形成した貫通孔の壁面を観察し、以下に示す評価基準にしたがって平滑性を評価した。結果を表3に示す、
++:平滑であった。
+:細かな凹凸が確認できた。
−:明らかに大きな凹凸が確認できた。
(段差の程度(L1及びL2))
レーザー顕微鏡を使用して、実施例6〜10及び比較例8〜14で形成した貫通孔における、銅層AとFe−Ni36%層との段差(L1)、及びFe−Ni36%層と銅層Bとの段差(L2)を測定し、以下に示す評価基準にしたがって段差の程度を評価した。また、レーザー顕微鏡を使用して、実施例11及び比較例15で形成した貫通孔における、銅層CとSUS304層との段差(L1)を測定し、以下に示す評価基準にしたがって段差の程度を評価した。さらに、レーザー顕微鏡を使用して、実施例12及び比較例16で形成した貫通孔における、銅層DとSUS316層との段差(L1)を測定し、以下に示す評価基準にしたがって段差の程度を評価した。結果を表3に示す。
++:1μm未満であった。
−:1〜5μmであった。
−−:5μmより大きかった。
Figure 2018178142
表3に示す結果から、実施例6〜12で形成した貫通孔の壁面はいずれも平滑性に優れているとともに、段差(L1及びL2)が小さいことがわかる。一方、比較例8〜16で形成した貫通孔の壁面はいずれも平滑性に劣っているとともに、段差(L1及びL2)が大きいことがわかる。以上より、本実施形態のエッチング液組成物を用いれば、ニッケル含有層と銅系層を一括してエッチング処理することで、壁面が平滑であるとともに、ニッケル含有層と銅系層に大きな段差を有しない貫通孔を形成可能であることがわかった。

Claims (4)

  1. ニッケル含有層をエッチングするためのエッチング液組成物であって、
    (A)第二鉄イオン成分を第二鉄イオン濃度換算で0.1〜20質量%;
    (B)塩化水素0.01〜20質量%;及び
    (C)5−アミノテトラゾール、ベンゾチアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物0.01〜5質量%;
    を含有する水溶液であるエッチング液組成物。
  2. ニッケル含有層と金属系層を含む積層体を一括でエッチングするために用いる請求項1に記載のエッチング液組成物。
  3. 請求項1に記載のエッチング液組成物を用いて、基体上に配設されたニッケル含有層をエッチングする工程を有するエッチング方法。
  4. 請求項2に記載のエッチング液組成物を用いて、基体上に配設されたニッケル含有層と金属系層を含む積層体を一括でエッチングする工程を有するエッチング方法。
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