JP2018177437A - 昇降装置の遠隔監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】昇降装置の異常を的確に報知できる昇降装置の遠隔監視システムを提供する。【解決手段】遠隔監視システム1は、異常信号を出力可能な通常状態と異常信号の出力が禁止された保守状態とに切り替え可能な制御マイコン20、及び、制御マイコン20を通常状態と保守状態とに切り替えるメンテナンススイッチ210を有し、制御マイコン20から通常状態である旨の信号と保守状態である旨の信号とを出力可能なエレベータ2と、制御マイコン20と接続される監視端末3と、監視端末3と接続可能な技術員用携帯端末4と、を備える。監視端末3は、制御マイコン20からの信号に基づいて保守状態であると認識している状態でエレベータ2が通常運転を所定回数行ったときに技術員用携帯端末4に通知する。【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータやエスカレータ等の昇降装置を遠隔監視する遠隔監視システムに関する。
従来から、昇降装置の動作状況を監視する遠隔監視システムが提供されている。遠隔監視システムは、動作を制御するための制御マイコンを含む昇降装置と、昇降装置の制御マイコンに対して通信可能に接続され、昇降装置の動作を遠隔で監視するための監視端末とを備える(特許文献1参照)。
かかる遠隔監視システムでは、制御マイコンが昇降装置の運転状況等が異常であると判断した場合、監視センターの監視端末が、昇降装置(制御マイコン)からの信号を基に、監視センターに滞在している監視員に昇降装置の動作状況(運転停止等)を報知する。これに伴い、監視員は、技術員に現場への出向を要請する。
昇降装置は、通常時には自動で運転されるが、保守中には技術員により手動で運転されることがある。技術員は、保守中に動作確認等を目的として、昇降装置の運転状況等が異常となるように、意図的に昇降装置を運転することがある。しかし、制御マイコンは、保守中においても昇降装置の異常を検知し得るため、意図的な昇降装置の異常運転を昇降装置の異常として検知し、監視端末に対して、昇降装置が異常である旨の信号を発報するおそれがあった。
この不要な発報を回避するために、昇降装置は、制御マイコンによる発報(昇降装置が異常である旨の信号の発報)を禁止可能なメンテナンススイッチを備える。メンテナンススイッチは、機械的なスイッチであり、ON操作により制御マイコンに対して昇降装置が異常である旨の信号の発報を禁止し、OFF操作により制御マイコンに対して昇降装置が異常である旨の信号の発報を許可する。
昇降装置の保守の開始前に、技術員がメンテナンススイッチを手動でON操作することで、保守中の昇降装置に意図的に異常を発生させても、監視端末が監視員に対して昇降装置の異常を報知することがない。また、昇降装置の保守の完了後に、技術員がメンテナンススイッチを手動でOFF操作することで、通常運転する昇降装置に異常が発生したとき、監視端末が監視員に対して昇降装置の異常を報知する。
しかしながら、上述の如く、メンテナンススイッチは、ON操作やOFF操作の際に手動の操作が必要な機械的なスイッチであるため、技術員がこのような操作を失念するおそれがある。技術員が保守の完了後にメンテナンススイッチをOFF操作することを失念すると、通常運転中の昇降装置に現実に異常が発生したときに、制御マイコンは昇降装置が異常である旨の信号を発報せず、監視端末が監視員に昇降装置の異常を報知しないことになる。
特開2016−44054号公報
そこで、本発明は、昇降装置の運転状況に応じて、昇降装置の異常を的確に報知できる昇降装置の遠隔監視システムを提供する。
本発明の遠隔監視システムは、異常信号を出力可能な通常状態と異常信号の出力が禁止された保守状態とに切り替え可能な制御マイコン、及び、該制御マイコンを前記通常状態と前記保守状態とに切り替える保守作業用スイッチを有し、前記制御マイコンから前記通常状態である旨の信号と前記保守状態である旨の信号とを出力可能な昇降装置と、前記制御マイコンと接続される端末と、前記端末と接続可能な技術員用携帯端末と、を備え、前記端末は、前記制御マイコンが前記保守状態であると認識している状態で前記昇降装置が通常運転を所定回数行ったときに前記技術員用携帯端末に通知する、ことを特徴とする。
上記遠隔監視システムによれば、保守状態において昇降装置の通常運転が所定回数行われると技術員用携帯端末に通知されるため、技術員用携帯端末を所持する技術員が、通知の内容(保守状態において昇降装置が所定回数通常運転されたという状況)を把握し、例えば、技術員自身の判断に応じて、制御マイコンを保守状態から通常状態に切り替えることができる。
前記遠隔監視システムでは、前記技術員用携帯端末は、指示信号を出力可能であり、前記制御マイコンは、前記技術員用携帯端末からの指示信号の出力に基づいて、前記通常状態に切り替わってもよい。
前記遠隔監視システムによれば、技術員が、自らの判断により、制御マイコンを異常信号の出力が可能な通常状態に切り替えることができるため、例えば、技術員が昇降装置に異常を報知させるべきと判断したときに、昇降装置の異常を的確に報知させることができる。
以上より、本発明によれば、昇降装置の異常を的確に報知できる昇降装置の遠隔監視システムを提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る遠隔監視システムのブロック図である。 図2は、本発明の変形例に係る遠隔監視システムのブロック図である。
以下、本発明に係る昇降装置の遠隔監視システムについて説明する。遠隔監視システムは、昇降装置の動作状況を遠隔で監視するシステムである。この遠隔監視システムでは、通常状態の昇降装置は、例えば、運転停止等のトラブル等の異常が生じたときに異常信号を出力し、この異常信号に基づき、昇降装置に接続された監視端末が昇降装置の異常に関する報知を行う。このような報知を行うことで、監視端末を監視している監視員が、技術員を現場(異常が生じている昇降装置)に出向させることができる。
一方、技術員は、昇降装置に設けられた保守作業用スイッチを操作することで、制御マイコンからに対して異常信号の出力可否を切り替えることができ、例えば、保守作業中に制御マイコンからの異常信号の出力を禁止している。本発明に係る昇降装置の遠隔監視システムでは、保守状態の昇降装置が通常運転を所定回数行ったときに、技術員端末に通知がなされるため、技術員は、この通知により昇降装置の状況を把握し、必要に応じて、保守作業用スイッチを操作して制御マイコンを保守状態から通常状態に切り替えて、制御マイコンを異常信号の出力可能とすることができる。
尚、昇降装置にはエレベータ、エスカレータ等があるが、以下では、エレベータの遠隔監視システムを説明する。
遠隔監視システムは、図1に示すように、異常信号を出力可能な通常状態及び異常信号の出力が禁止された保守状態で切り替え可能な制御マイコン20を有するエレベータ2と、制御マイコン20に通信系統R1を介して接続される監視端末(端末)3と、監視端末3に接続可能な技術員端末(技術員用携帯端末)4とを備える。
本実施形態の遠隔監視システム1は、通信系統R1(制御マイコン20と監視端末3との間)に設けられた遠隔監視ユニット5を備える。通信系統R1は、例えば、制御マイコン20から順に遠隔監視ユニット5と電話回線とを介して監視端末3に通信可能であり、且つ、監視端末3から逆に電話回線と遠隔監視ユニット5とを介してエレベータ2に通信可能な通信系統である。
尚、図1では、一台の監視端末3が示されているが、本実施形態の遠隔監視システム1には、複数台の監視端末3が備えられている。また、各監視端末3には、それぞれ、通信系統R1を介してエレベータ2が接続されているため、本実施形態の遠隔監視システム1は、複数台のエレベータを備える。さらに、図1では、二台の技術員端末4A、4Bが示されているが、本実施形態の遠隔監視システム1には、三台以上の複数の技術員端末4が備えられている。
エレベータ2は、制御マイコン20に加えて、制御マイコン20に接続され且つ昇降路内を昇降するかご21を有する。
エレベータ2にトラブル等が生じた場合、エレベータ2に対して、技術員による保守作業が行われることがある。また、保守作業中のエレベータ2では、例えば、手動運転と通常運転とが繰り返されることがある。エレベータ2の保守作業は、技術員等によりトラブル等の解消が確認された後、エレベータ2が通常運転とされてから所定時間(例えば、2〜3時間程度)経過後、又は、エレベータ2の通常運転が所定の回数(例えば、5〜10回程度)繰り返されることで完了する。尚、一回の通常運転は、通常状態におけるかご21の移動の開始からかご21の移動の停止までの運転である。また、保守作業中は、利用者の乗り込みは前提とされていない。具体的に、保守作業中のエレベータ2は、乗り場の釦による呼びを受け付けない。
かご21は、制御マイコン20に接続され、且つ、制御マイコン20を通常状態と保守状態とで切り替えるメンテナンススイッチ(保守作業用スイッチ)210を有する。
メンテナンススイッチ210は、技術員等により操作可能な機械的スイッチである。本実施形態の遠隔監視システム1では、メンテナンススイッチ210がONのときに、制御マイコン20は、通常状態であるため異常信号を出力可能である。また、メンテナンススイッチ210がOFFのときに、制御マイコン20は、保守状態であるため異常信号の出力が禁止されている。尚、メンテナンススイッチ210について、ONからOFFに切り替える操作をOFF操作と称し、OFFからONに切り替える操作をON操作と称する。
また、本実施形態の遠隔監視システム1では、制御マイコン20から通常状態である旨の信号と保守状態である旨の信号とを出力可能である。具体的には、メンテナンススイッチ210は、自身の状態が切り替えられた際に(ON操作やOFF操作が行われた際に)、その旨の信号を、制御マイコン20に出力するとともに、制御マイコン20及び通信系統R1を介して監視端末3とに出力する。
かご21には、エレベータ2の動作状況を検知すると共に、この検知結果をエレベータ2の動作状況に関する信号として出力可能な各種センサが設けられている。センサは、エレベータ2の動作状況に対応した種々の信号を出力可能である。
本実施形態の遠隔監視システム1では、かご21の外側に(例えば、かご21の天井の外側に)、例えば、UP釦とDOWN釦とが設けられている。メンテナンススイッチ210がONのとき、これらの釦を押下することでかご21を通常運転よりも低い速度で昇降させることができるため、このような手動運転は、例えば、技術員による保守作業の際に行われる。
制御マイコン20は、常時、センサ(かご21に設けられたセンサ)によるエレベータ2の動作状況に関する情報の出力を受け付けている。また、制御マイコン20は、メンテナンススイッチ210の切り替え(メンテナンススイッチ210がON操作又はOFF操作された)により、通常状態と保守状態とに(通常状態と保守状態との間で)切り替え可能である。
制御マイコン20は、センサから情報が出力されると、この出力された情報に基づいて、例えば、かごの位置情報、かごのドアの開閉情報、かごを昇降させるモーターの駆動情報、及び、停電等を示すイベントコードを出力可能である。具体的に、制御マイコン20は、センサから情報が出力されると、通常状態である場合には出力された情報に基づくイベントコードを出力し、保守状態である場合には出力された情報に基づくイベントコードを記憶する(蓄積する)。イベントコードは、異常信号(かご21内における利用者の閉じ込め、かごドアや乗り場ドアの故障、かご照明の寿命等のエレベータ2の異常を示すイベントコード)を含む。
以上により、制御マイコン20は、センサからエレベータ2の異常に関する情報が出力されると、通常状態である場合、通信系統R1を介して監視端末3に異常信号を出力する。また、制御マイコン20は、センサからエレベータ2の異常に関する情報が出力されると、保守状態である場合、異常信号の履歴を記憶する(蓄積する)。尚、本実施形態の遠隔監視システム1では、制御マイコン20は、保守状態に切り替えられた時点で、その時点から通常運転が連続して行われた回数をカウントし、その回数も記憶する。
具体的に、エレベータ2の保守作業は、保守作業者によりトラブル等の解消が確認された後、通常運転状態でのエレベータ2の通常運転が所定の回数連続で繰り返されることで完了する。尚、通常運転は、エレベータ2に異常が生じない状態での自動運転である。また、一回の通常運転は、通常運転とされたエレベータ2におけるかご21の移動の開始からかご21の移動の停止までの運転である。さらに、「通常運転が連続で所定の回数繰り返される」とは、通常運転のみが連続して所定回数以上行われることであり、通常運転の間に手動運転が含まれる場合等は該当しない。
具体的に、「通常運転が連続で所定の回数繰り返される」とは、通常運転とされたエレベータ2において、乗り場での呼び出し釦の押下によりかご21が移動を開始してからこの乗り場に到着し、かご21内の行き先釦の押下によりかご21が行き先階に移動して停止するまでの通常運転が、連続して所定回数以上行われることである。尚、一回の通常運転の間に、かご21の移動が停止している時間が含まれていてもよい。
本実施形態の制御マイコン20は、監視端末3と接続された状態の技術員端末4と、通信系統R1を介して接続可能である。制御マイコン20は、上述したメンテナンススイッチ210の操作に加えて、技術員端末4から出力される後述する指示信号に基づいて、保守状態から通常状態に切り替わることができる。尚、技術員端末4からの指示信号に基づき制御マイコン20が通常状態に切り替わったとしても、メンテナンススイッチ210の状態(例えば、メンテナンススイッチ210がONである状態)は切り替わらないままである。言い換えると、技術員端末4からの指示信号に基づき制御マイコン20が通常状態に切り替わったとしても、メンテナンススイッチ210は物理的には操作されない。
遠隔監視ユニット5は、制御マイコン20から異常信号が出力されると、これらの出力元のエレベータに関する情報(例えば、エレベータ2の機番)、及び、異常信号の内容(例えば、イベントコード)を監視端末3に出力する。
本実施形態の遠隔監視システム1では、遠隔監視ユニット5は、制御マイコン20から出力される通常状態である旨の信号(例えば、メンテナンススイッチ210がOFF操作された旨の信号)や保守状態である旨の信号(例えば、メンテナンススイッチ210がON操作された旨の信号)の出力を受け付けている。遠隔監視ユニット5は、制御マイコン20から出力される通常状態である旨の信号や保守状態である旨の信号が出力されると、この信号をそのまま監視端末3に出力する。
本実施形態の監視端末3は、例えば、複数の地域に設置された多数のエレベータの監視を行うと共に、対象となるエレベータと離れた建物である監視センター等に設置されている。本実施形態の監視センターには、監視員(オペレータ)が常駐している。
監視端末3には、制御マイコン20から通信系統R1を介して、出力元のエレベータに関する情報(例えば、エレベータ2の機番)及び異常信号が出力される。監視端末3は、例えば、出力元のエレベータ2の情報(例えば、エレベータ機番)及び制御マイコン20からの異常信号の内容(例えば、イベントコード)を表示可能な表示部30を有する。表示部30は、例えば、ディスプレイである。
監視端末3は、制御マイコン20から出力元のエレベータ2の情報(例えば、エレベータ機番)及び異常信号が出力されると、表示部30で出力元のエレベータ2の情報(例えば、エレベータ機番)及び異常信号の内容(例えば、イベントコード等)を表示することで、エレベータ2に関する異常を監視員に報知する。監視員は、この表示を確認することで、エレベータ2の異常を把握することができ、必要に応じて、技術員に出向を要請することができる。
また、監視端末3は、常時、制御マイコン20から出力される通常状態や保守状態である旨の信号(例えば、メンテナンススイッチ210から制御マイコン20及び通信系統R1を介して出力されるメンテナンススイッチ210の状態が切り替えられた旨の信号)を受け付けることで、制御マイコン20が通常状態であるか保守状態であるかを認識している。監視端末3は、制御マイコン20が保守状態であると認識したとき、エレベータ2が通常運転を所定回数行ったと判断すると、技術員端末4に通知(例えば、メンテナンススイッチ210のOFF操作を忘れている可能性がある旨の通知)を行う。
具体的に、監視端末3は、制御マイコン20が保守状態であると認識すると、保守状態に切り替えられた時点から通常運転が連続して行われた回数を制御マイコン20から取得し、この回数が所定回数未満である場合には技術員端末4に通知を行わず、この回数が所定回数以上である場合には、制御マイコン20に記憶された異常信号の履歴を、制御マイコン20から取得する。尚、所定回数は、例えば、5〜10回である。
本実施形態の遠隔監視システム1では、監視端末3は、表示部30に加えて、複数の通知先の情報(例えば、技術員端末4のメールアドレス)を、技術員の情報(例えば、技術員の氏名)に関連付けて記憶している記憶部31を有する。
また、本実施形態の遠隔監視システム1では、監視端末3が技術員に出向を要請する度に、記憶部31は、監視端末3による技術員への出向の要請に関する情報(出向先のエレベータ2に関する情報(例えば、エレベータ機番)と、出向を要請した技術員に関する情報(例えば、技術員の氏名))とを記憶する。尚、一つのエレベータに関して、複数人の技術員に出向を要請した場合には、一つの出向先のエレベータ2に関する情報(例えば、一つのエレベータ機番)に、出向を要請した複数人の技術員に関する情報(例えば、複数人の技術員の氏名)を関連付けて記憶する。また、出向を要請したことがあるエレベータについてさらに出向を要請する場合、記憶部31は、このエレベータについての出向の要請に関する情報を更新して記憶する(最新の技術員への出向の要請に関する情報を記憶する)。
本実施形態の遠隔監視システム1では、監視端末3は、制御マイコン20から出力元のエレベータ2の情報(例えば、エレベータ機番)及び異常信号が出力されると、まず、この出力元のエレベータ2の情報と、記憶部31に記憶されたエレベータの情報とを比較し、一致したエレベータ2の情報を抽出する。さらに、監視端末3は、記憶部31から、一致したエレベータの情報に関連付けられた技術員に関する情報(例えば、出向を要請した技術員の氏名)を抽出し、この抽出した技術員に関する情報(例えば、技術員の氏名)に対応する通知先の情報(例えば、技術員端末4のメールアドレス)を抽出することが可能である。
また、本実施形態の遠隔監視システム1では、監視端末3は、制御マイコン20が保守状態であると認識するとともに、保守状態に切り替えられた時点から通常運転が連続して行われた回数が所定回数以上であって、且つ、制御マイコン20に異常信号が蓄積されていないことを確認すると(保守状態であると認識している状態で、エレベータ2が通常運転を所定回数連続して行っており、且つ、エレベータ2に異常が生じていない場合)、上述したように、記憶部31から通知先の情報を抽出し、この通知先(例えば、技術員端末4)に、通知(例えば、エレベータ2のメンテナンススイッチ210のOFF操作を忘れている可能性がある旨の通知)を行う。この通知は、具体的には、「エレベータ機番001のエレベータについて、メンテナンススイッチがONとなったまま、通常運転が連続して5回行われました。」といった通知である。
尚、通知先の情報が複数(例えば、技術員端末4A,4Bの両方)抽出された場合には、監視端末3は、複数の通知先(例えば、技術員端末4A,4Bの両方)に対して通知を行う。
また、本実施形態の遠隔監視システム1では、監視端末3は、エレベータ2のメンテナンススイッチ210のOFF操作を忘れている可能性がある旨の通知を行う際に、通知を確認する技術員に対して、必要に応じて制御マイコン20を保守状態から通常状態に切り替えるよう促す通知を行うことができる。
技術員端末4は、インターネットを介して監視端末3に接続可能である。また、技術員端末4は、例えば、スマートフォン、PDA、ノートパソコン等といった端末である。さらに、技術員端末4は、例えば、出向の要請を受けると、エレベータのトラブルに対応するためにエレベータに出向する技術員により所持される。技術員端末4は、情報出力部として、監視端末3から出力された情報(監視端末3からの出向の要請や通知)を表示する表示部40を有する。
技術員端末4を所持する技術員は、表示部40に表示された出向の要請を確認することで、現地(例えば、エレベータ2)に出向することができる。また、技術員端末4を所持する技術員は、表示部40に表示された通知の内容を確認することで、エレベータ2の状況(例えば、エレベータ2のメンテナンススイッチ210のOFF操作を忘れている可能性があること)を把握することができる。
本実施形態の遠隔監視システム1では、技術員端末4は、表示部40に加えて、技術員の操作により情報の入力が可能な入力部41を有する。入力部41は、例えば、入力キーやキーボード等である。尚、技術員端末4がタッチパネル式ディスプレイを備える場合、このディスプレイが表示部40及び入力部41を兼ねる。
また、本実施形態の遠隔監視システム1では、技術員端末4の表示部40は、エレベータ2のメンテナンススイッチ210のOFF操作を忘れている可能性がある旨の通知(例えば、「エレベータ機番001のエレベータについて、メンテナンススイッチがONとなったまま、通常運転が連続して5回行われました。」といった通知)に加えて、必要に応じて制御マイコン20を保守状態から通常状態に切り替えるよう促す通知(「メンテナンススイッチをOFFする場合には、入力キーからOFFと入力してください。」といった通知)を表示することができる。技術員は、このような通知を確認し、入力部41を操作することにより、インターネットと監視端末3と通信系統R1とを介して指示信号を出力して、制御マイコン20を通常状態に切り替えることができる。
以上の遠隔監視システム1によれば、保守状態においてエレベータ2の通常運転が所定回数連続して行われると技術員端末4に通知されるため、技術員端末4を所持する技術員が、通知の内容(保守状態においてエレベータ2が所定回数(例えば、5回)連続して通常運転されたという状況)を把握し、技術員自身の判断に応じて、制御マイコン20を保守状態から通常状態に切り替えることができる。
本実施形態の遠隔監視システム1によれば、技術員が、必要に応じて、エレベータ2を保守状態から異常信号を出力可能な通常状態に切り替えることができるため、技術員がエレベータ2に異常を報知させるべきと判断したときに、エレベータ2の異常を的確に報知させることができる。
また、本実施形態の遠隔監視システム1によれば、監視端末3は、制御マイコン20が保守状態であると認識するとともに、保守状態に切り替えられた時点から通常運転が行われた回数が所定回数以上である場合に、制御マイコン20に異常信号が蓄積されていない(センサがエレベータ2の異常を検知していない)ことを確認した上で、技術員端末4に通知を行うため、保守作業が終わっている可能性が高い場合に、通知を行うことができる。
さらに、本実施形態の遠隔監視システム1によれば、出力元のエレベータ2に出向した技術員(メンテナンススイッチ210をOFF操作し忘れた可能性が高く、且つ、このエレベータ2が保守作業中であるかを把握している可能性の高い技術員)に、監視端末3からの通知が行われるため、制御マイコン20を通常状態に切り替えるか否かをより的確に判断することができる。
尚、本発明の遠隔監視システム1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除できる。
例えば、監視端末3は、制御マイコン20が保守状態であると認識するとともに、保守状態に切り替えられた時点から通常運転が連続して行われた回数が所定回数以上である場合に、制御マイコン20に異常信号が蓄積されていない(センサがエレベータ2の異常を検知していない)ことを確認した上で、技術員端末4に通知を行っていたが、異常信号の蓄積を確認せずに通知を行ってもよい。この場合であっても、監視端末3は、制御マイコン20が保守状態であると認識するとともに、保守状態に切り替えられた時点から通常運転が連続して行われた回数が所定回数以上であるときに通知を行うため、技術員端末4を所持する技術員が、通知の内容(保守状態においてエレベータ2が連続して所定回数(例えば、5回)通常運転されたという状況)を把握し、必要に応じて、制御マイコン20を保守状態から通常状態に切り替えることができる。
監視端末3は、技術員への出向の要請に関する情報を記憶し、この情報に基づき通知先の情報を抽出していたが、技術員への出向の要請に関する情報を記憶していなくてもよい。例えば、監視端末3の記憶部31は、通知先に関する情報(例えば、技術員端末4のメールアドレス)を、エレベータ2に関する情報(例えば、エレベータ機番)に関連付けて記憶していてもよい。この場合、監視端末3は、制御マイコン20からの出力元のエレベータ2の情報(例えば、エレベータ機番)と、記憶部31に記憶されているエレベータ2に関する情報(例えば、エレベータ機番)とを比較し、一致したエレベータ2に関する情報(例えば、エレベータ機番)に関連付けられた通知先に関する情報(例えば、技術員端末4のメールアドレス)を抽出することができる。
監視端末3は表示部を有し、監視端末3と異なる構成(例えば、データサーバー)が、通知先の情報をエレベータ2の情報と関連付けて記憶している記憶部を有していてもよい。この場合であっても、監視端末3は、記憶部に記憶されている情報から通知先を抽出し、抽出した通知先に通知を行うことができる。
上記実施形態の遠隔監視システム1では、端末は監視端末3であったが、監視端末3と異なる構成(例えば、サーバー)であってもよい。
技術員端末4は、制御マイコン20に指示信号を出力可能でなくてもよい。この場合、技術員端末4は、入力部41を有さなくてもよい。また、この場合、通知が行われた技術員端末4を所持する技術員は、例えば、監視端末3に、メール等で制御マイコン20を保守状態から通常状態に切り替えるよう指示信号を出力し、監視端末3の表示部30がこの指示信号に基づき「制御マイコン20を保守状態から通常状態に切り替える要請あり」といった内容を表示し、この表示を確認した監視員が監視端末3を介して制御マイコン20を通常状態に切り替えてもよい。
技術員端末4は、インターネットの代わりに、電話回線を介して監視端末3に接続されていてもよい。この場合、技術員端末4は、表示部40の代わりに監視端末3からの通知を音声メッセージとして出力するスピーカーと、入力部41として音声情報により指示信号を入力可能なマイクとを有してもよい。この場合であっても、技術員は、技術員端末4のスピーカーから流れる音声メッセージにより通知の内容を確認することができる。また、技術員は、必要に応じてマイクから指示信号を入力し、制御マイコン20を通常状態に切り替えることができる。
メンテナンススイッチ210は、技術員端末4からの指示信号に基づき制御マイコン20が通常状態に切り替わったとしても物理的には操作されなかったが、技術員端末4からの指示信号に基づき制御マイコン20が通常状態に切り替わる際に物理的に操作(例えば、OFF操作)されてもよい。
通信系統R1は、電話回線を含んでいたが、図2に示すように、電話回線の代わりにインターネットを含んでいてもよい。また、通信系統R1は、遠隔監視ユニット5を含まなくてもよい。
上記実施形態の遠隔監視システム1は、複数台のエレベータを備えていたが、一台のエレベータを備えていてもよい。また、上記実施形態の遠隔監視システム1は、複数台の監視端末3を備えていたが、一台の監視端末3を備えていてもよい。
さらに、上記実施形態の遠隔監視システム1は、複数台の技術員端末4を備えていたが、一台の技術員端末4を備えていてもよい。この場合、監視端末3は、通知先として技術員端末4の情報を記憶していればよく、常時、この技術員端末4に通知を行えばよい。
上記実施形態の遠隔監視システム1は、エレベータを対象としていたが、エスカレータを対象としてもよい。エスカレータを対象とする遠隔監視システムでは、イベントコードは、異常信号(異物の挟み込み、手すりのずれ等の異常を示すイベントコード)を含む。また、エスカレータでは、メンテナンススイッチは、制御盤に設置されていてもよい。尚、エスカレータでは、通常運転が連続で所定の回数繰り返される」とは、手すりやステップの周回移動(例えば、エスカレータの運転により手すりやステップが移動を開始してから一周して元の位置に戻るまでの周回移動)が連続的に所定の回数繰り返されることである。
1…遠隔監視システム、2…エレベータ、20…制御マイコン、21…かご、210…メンテナンススイッチ(保守作業用スイッチ)、3…監視端末、30…表示部、31…記憶部、4,4A,4B…技術員端末(技術員用携帯端末)、40…表示部、41…入力部、5…遠隔監視ユニット、R1…通信系統

Claims (2)

  1. 異常信号を出力可能な通常状態と異常信号の出力が禁止された保守状態とに切り替え可能な制御マイコン、及び、該制御マイコンを前記通常状態と前記保守状態とに切り替える保守作業用スイッチを有し、前記制御マイコンから前記通常状態である旨の信号と前記保守状態である旨の信号とを出力可能な昇降装置と、
    前記制御マイコンと接続される端末と、
    前記端末と接続可能な技術員用携帯端末と、を備え、
    前記端末は、前記制御マイコンが前記保守状態であると認識している状態で前記昇降装置が通常運転を所定回数行ったときに前記技術員用携帯端末に通知する
    ことを特徴とする遠隔監視システム。
  2. 前記技術員用携帯端末は、指示信号を出力可能であり、
    前記制御マイコンは、前記技術員用携帯端末からの指示信号の出力に基づいて、前記通常状態に切り替わる
    請求項1に記載の遠隔監視システム。
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