JP2018176165A - シェルの製造方法、缶蓋の製造方法、シェル及び缶蓋 - Google Patents

シェルの製造方法、缶蓋の製造方法、シェル及び缶蓋 Download PDF

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Abstract

【課題】缶蓋の強度の低下を抑制しつつ、軽量化及び材料削減を図ることを可能とするシェルの製造方法、缶蓋の製造方法、シェル及び缶蓋を提供する。【解決手段】金属製のブランクに対して絞り加工を行うことにより傾斜壁を成形する絞り加工工程と、パネル部が形成される予定の部位(パネル形成予定部14d)の少なくとも一部に対して金属板を引き伸ばす張り出し成形工程と、前記張り出し成形工程によって引き伸ばされた部分の形状を整えて前記パネル部を成形する整形工程と、を有することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、缶蓋を製造するための中間製品であるシェルの製造方法、缶蓋の製造方法、シェル及び缶蓋に関する。
飲料缶等に備えられる缶蓋は、中間製品であるシェルに対して、スコアが形成されたり、タブが取り付けられたりするなどの各種の加工が施されることにより得られる。そして、シェルは、円板形状の金属板(ブランクと呼ばれる)に対して絞り加工が行われることにより得られる。一般的に、シェルは、ブランクに対する1回のプレス工程による絞り加工によって得られる。ここで、缶蓋の強度は、シェルに設けられる強化環状溝が形成されている部分の肉厚によって左右される。従って、缶蓋の軽量化や材料削減のために、肉厚の薄いブランクを用いたくても、一定の強度を保つ必要性から、強化環状溝が形成されている部分の肉厚を薄くすることができないため、ブランクの肉厚を薄くすることはできない。
特表2015−517408号公報
本発明の目的は、缶蓋の強度の低下を抑制しつつ、軽量化及び材料削減を図ることを可能とするシェルの製造方法、缶蓋の製造方法、シェル及び缶蓋を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明のシェルの製造方法は、
パネル部及び傾斜壁を備えると共に、缶蓋を製造するための中間製品である金属製のシェルの製造方法であって、
金属板からなるブランクに対して絞り加工を行うことにより前記傾斜壁を成形する絞り加工工程と、
前記パネル部が形成される予定の部位の少なくとも一部に対して金属板を引き伸ばす張り出し成形工程と、
前記張り出し成形工程によって引き伸ばされた部分の形状を整えて前記パネル部を成形する整形工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、張り出し成形工程によって、パネル部が形成される予定の部位の少なくとも一部が引き伸ばされた後に、整形工程によって、パネル部が成形される。そのため、パネル部の少なくとも一部は、ブランクの肉厚よりも薄くなり、パネル部の体積量を削減することができる。従って、一定の強度を保つために、一定以上の肉厚のブランクを用いても、小径のブランクを適用することができ、シェル全体の材料の量を削減させることができる。
前記絞り加工工程と張り出し成形工程は、1プレス工程の中で行われるとよい。
これにより、製造工程の数の増加を抑制することができる。
本発明の缶蓋の製造方法は、上記の製造方法によって得られたシェルに対して、少なくともスコアを成形する工程を含むことを特徴とする。
本発明のシェルは、
パネル部及び該パネル部の外縁側に設けられる強化環状溝を備えると共に、缶蓋を製造するための中間製品である金属製のシェルであって、
前記パネル部が、前記強化環状溝の溝底の厚みの70%以上97%以下となる薄肉部を有し、かつ、該薄肉部の表面積が前記パネル部全体の表面積の30%以上60%以下であることを特徴とする。
これにより、一定の強度を保つために、パネル部以外の部分の肉厚(特に、強化環状溝の溝底の厚み)を確保しつつも、パネル部には薄肉部が設けられているので、シェル全体の材料の量を削減させることができる。
前記パネル部は円板形状であり、前記薄肉部は該パネル部の中心から同心円状に複数存在するとよい。
前記パネル部の外縁側には、
環状の傾斜壁と、
該傾斜壁と前記パネル部との間に設けられる前記強化環状溝と、
前記傾斜壁の外縁に沿って設けられ、径方向外側に向かって延びるカール部と、
が備えられているとよい。
本発明の缶蓋は、
パネル部及び該パネル部の外縁側に設けられる強化環状溝を備える缶蓋であって、
前記パネル部が、前記強化環状溝の溝底の厚みの70%以上97%以下となる薄肉部を有し、かつ、該薄肉部の表面積が前記パネル部全体の表面積の30%以上60%以下であることを特徴とする。
これにより、一定の強度を保つために、パネル部以外の部分の肉厚(特に、強化環状溝の溝底の厚み)を確保しつつも、パネル部には薄肉部が設けられているので、缶蓋全体の材料の量を削減させることができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、缶蓋の強度の低下を抑制しつつ、軽量化及び材料削減を図ることができる。
図1はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第1工程、(b)は従来例の第1工程の説明図である。 図2はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第2工程、(b)は従来例の第2工程の説明図である。 図3はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第3工程、(b)は従来例の第3工程の説明図である。 図4はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第4工程、(b)は従来例の第4工程の説明図である。 図5はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第5工程、(b)は従来例の第5工程の説明図である。 図6はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第5工程、(b)は従来例の第6工程の説明図である。 図7はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第6工程、(b)は従来例の第6工程の説明図である。 図8はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第7工程、(b)は従来例の第6工程の説明図である。 図9はシェルの製造工程を示し、(a)は本発明の実施形態の第8工程、(b)は従来例の第7工程の説明図である。 図10はシェルの模式的断面図を示し、(a)は本実施形態に係る製造方法により得られたシェルの模式的断面図、(b)従来例による製造方法により得られたシェルの模式的断面図である。 図11は本発明の実施形態に係る張り出し成形に用いる金型の模式的断面図である。 図12は本発明の実施形態に係るシェルに各種の加工を施した中間製品の平面図である。 図13は、図12におけるA−A断面図である。 図14は、本発明の実施形態に係る缶蓋に装着されるタブの平面図である。 図15は、図14におけるB−B断面図である。 図16は本発明の実施形態に係る缶蓋の平面図である。 図17は、図16におけるC−C断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1〜図17を参照して、本発明の実施形態に係るシェルの製造方法、缶蓋の製造方法、シェル及び缶蓋について説明する。一般的に、飲料缶や食料缶等に備えられる缶蓋は、次の工程により製造される。まず、コイル状に巻かれた金属板(コイルと呼ばれる)が平板状にされる。そして、この平板状にされた金属板に対して打ち抜き加工が施されることで、例えば円板形状の金属板(ブランクと呼ばれる)が得られる。また、このブランクに対して絞り加工が行われることでシェルが得られる。その後、この中間製品である金属製のシェルに対して各種の加工(リベット成形、スコアリング、エンボス加工、タブの固定等)が施されることで、缶蓋が得られる。本実施形態においては、ブランクからシェルを成形する方法に特徴があり、以下に詳細に説明する。なお、本実施形態においては、飲料缶の缶蓋を製造するための中間製品であるシェル(金属製の円板形状のブランクから製造されるシェル)の場合を例にして説明する。金属材料としては、ブリキやアルミを好適に採用することができる。
<シェルの概略構成>
シェルの製造方法の説明に先立って、シェルの概略構成について、図10(a)を参照して簡単に説明する。図10(a)は本実施形態に係るシェル16の模式的断面図である。シェル16は回転対称形状であり、図10(a)においては、シェル16を、その中心軸線を含む面で切断した断面図を示している。
シェル16は、円板形状のパネル部(センターパネル部とも呼ばれる)16dを備えて
いる。そして、このパネル部16dの外縁側には、環状の傾斜壁(チャックウォールとも呼ばれる)16eと、傾斜壁16eとパネル部16dとの間に設けられる強化環状溝16cと、傾斜壁16eの外縁に沿って設けられ、径方向外側に向かって延びるカール部16aとが備えられている。また、カール部16aの先端には円筒部16bが設けられている。なお、カール部16a及び円筒部16bは缶本体に巻き締めされる部位である。また、強化環状溝16cは缶蓋の強度を高めるために設けられた部位であり、この強化環状溝16cが形成されている部分の肉厚によって、缶蓋の強度が左右される。
<シェルの製造方法>
図1〜図9を参照して、本実施形態に係るシェルの製造方法について説明する。図1〜図9は本発明の実施形態に係るシェルの製造工程の説明図である。本実施形態に係るシェルの製造方法を分かり易くするために、各図においては、(a)に本実施形態に係るシェルの製造工程を示し、比較のため、(b)に一般的なシェルの製造工程を示している。各図においては、金型の模式的断面図の一部を示している。金型は略回転対称形状であり、各図においては、金型を、その中心軸線を含む面で切断した断面図について、左側半分の一部(シェルが成形される付近の一部)を模式的に示している。なお、本実施形態に係るシェルの製造方法によって得られるシェルと、一般的な製造方法によって得られる従来例に係るシェルとは、パネル部の肉厚を除き、外形及び寸法が同一である。
一般的なシェルの製造方法の場合、背景技術の中でも説明した通り、ブランクに対して、1回のプレス工程による絞り加工によってシェルが製造される。これに対して、本実施形態に係るシェルの製造方法の場合、絞り加工工程、張り出し成形工程、及び整形工程の3つの工程によってシェルが製造される。このうち、絞り加工工程と張り出し成形工程は、1プレス工程の中で行われる。なお、本実施形態においては、製造工程を少なくするために、絞り加工工程と張り出し成形工程を1プレス工程の中で行うようにしているが、これらを別々に行うことも可能である。ここで、図1(a)〜図4(a)は絞り加工工程のみが行われている状態を示し、図5(a)は絞り加工工程と張り出し成形工程が同時に行われている状態を示している。また、図7(a)〜図9(a)は整形工程が行われている状態を示している。
<<絞り加工工程及び張り出し成形工程に用いられる金型>>
特に図1を参照して、絞り加工工程及び張り出し成形工程に用いられる金型100の構成について説明する。図1(a)に示すように、金型100は、張り出し成形を行うための上型111及び下型112と、カール部16aを成形するための第1カール成型工具121及び第2カール成型工具122と、成形品にシワが生じないように金属板を押さえるための第1押さえ部材131及び第2押さえ部材132とを備えている。また、金型100は、平板状の金属板に対して打ち抜き加工を施すことでブランクを製造するためのカッター140を備えている。図1(b)に示すように、従来例に係る金型500についても同様に、上型511及び下型512と、第1カール成型工具521及び第2カール成型工具522と、第1押さえ部材531及び第2押さえ部材532と、カッター540とを備えている。ただし、従来例における上型511及び下型512は張り出し成形を行う機能は備えておらず、パネル部を成形するための型である。なお、以下の説明において、金型を構成する部材の「要部」とは、金型を構成する部材のうち、金属板に対して成形を施す付近の部位を意味する。
本実施形態に係る金型100における第1カール成型工具121の要部は略円筒形状であり、その先端面121aは下側に向かって突出する湾曲面により構成されている。また、第2カール成型工具122の要部も略円筒形状であり、その先端面122aは下側に向かって凹んだ湾曲面により構成されている。従来例に係る金型500における第1カール成型工具521の要部も略円筒形状であり、その先端面521aも下側に向かって突出す
る湾曲面により構成されている。また、第2カール成型工具522の要部も略円筒形状であり、その先端面522aも下側に向かって凹んだ湾曲面により構成されている。
ここで、本実施形態に係る第1カール成型工具121と従来例に係る第1カール成型工具521は寸法及び形状が同一であり、本実施形態に係る第2カール成型工具122と従来例に係る第2カール成型工具522についても、寸法及び形状が同一である。従って、本実施形態に係る第1カール成型工具121及び第2カール成型工具122の要部の内径(半径は図中r11)と、従来例に係る第1カール成型工具521及び第2カール成型工具522の要部の内径(半径は図中r21)は等しい。また、本実施形態に係る第1カール成型工具121及び第2カール成型工具122の要部の外径(半径は図中r12)と、従来例に係る第1カール成型工具521及び第2カール成型工具522の要部の外径(半径は図中r22)も等しい。
本実施形態に係る金型100における第1押さえ部材131の要部は略円筒形状であり、その先端面は平面である。また、第2押さえ部材132の要部も略円筒形状であり、その先端面は平面である。ここで、第2押さえ部材132の先端のうち、外周面側の端縁132aは、平板状の金属板に対して打ち抜き加工を施すためのカッターの役割を担っている。そして、本実施形態に係る金型500におけるカッター140の要部は略円筒形状であり、その先端における内周面側の端縁141が金属板を打ち抜く役割を担っている。
そして、従来例に係る金型500における第1押さえ部材531の要部も略円筒形状であり、その先端面は平面である。また、第2押さえ部材532の要部も略円筒形状であり、その先端面は平面である。ここで、第2押さえ部材532の先端のうち、外周面側の端縁532aは、平板状の金属板に対して打ち抜き加工を施すためのカッターの役割を担っている。そして、本実施形態に係る金型500におけるカッター540の要部は略円筒形状であり、その先端における内周面側の端縁541が金属板を打ち抜く役割を担っている。
本実施形態に係る金型100における第1押さえ部材131,第2押さえ部材132及びカッター140と、従来例に係る金型500における第1押さえ部材531,第2押さえ部材532及びカッター540とは、基本的な構成及び機能は同一である。ただし、本実施形態に係る第1押さえ部材131の要部の外径(半径は図中r13)の方が、従来例に係る第1押さえ部材531の要部の外径(半径は図中r23)よりも小さく構成されている点が異なっている。即ち、本実施形態に使用されるブランク径は従来例に使用されるブランクよりも小径である。なお、本実施形態に係る第1押さえ部材131の要部の外径は、第2押さえ部材132における先端の外周面側の端縁132aの外径、及びカッター140における先端の内周面側の端縁141の内径と略等しい。同様に、従来例に係る第1押さえ部材531の要部の外径は、第2押さえ部材532における先端の外周面側の端縁532aの外径、及びカッター540における先端の内周面側の端縁541の内径と略等しい。
本実施形態に係る金型100における上型111の要部は略円柱形状であり、その先端面111aには複数の凹凸が形成されている。なお、先端面111aの円の中心に対して、環状の凹部と環状の凸部が同心円状に交互に並ぶように、複数の凹凸が形成されている。下型112の要部は略円筒形状であり、その先端面112aには複数の凹凸が形成されている。下型112の要部の外径は、上型111の要部の外径よりも大きく構成されている。なお、先端面112aの円の中心に対して、環状の凹部と環状の凸部が同心円状に交互に並ぶように、複数の凹凸が形成されている。また、上型111の先端面111aに設けられている複数の環状と凹凸と、下型112の先端面112aに設けられている複数の環状の凹凸は、位置がずれるように配置されている。具体的には、下型112の先端面1
12aに設けられる環状の凹部は、上型111の先端面111aに設けられる環状の凸部に対応する位置に設けられている。また、下型112の先端面112aに設けられる環状の凸部は、上型111の先端面111aに設けられる環状の凹部に対応する位置に設けられている。また、上型111の先端面111aにおいては、中心に近づくほど、下側に突出する量が多くなるように構成されている。そして、下型112の先端面112aにおいては、中心から遠ざかるほど、上側に突出する量が多くなるように構成されている。
これに対して、従来例に係る金型500における上型511の要部は略円柱形状であり、その先端面511aは平面である。また、下型512の要部も略円柱形状であり、その先端面512aも平面である。下型512の要部の外径は、上型511の要部の外径よりも大きく構成されている。
以下、本実施形態に係るシェルの製造方法について、製造工程の順に説明する。以下、説明の便宜上、本実施形態に係る製造工程について、図1(a)に示す工程を第1工程、図2(a)に示す工程を第2工程、図3(a)に示す工程を第3工程、図4(a)に示す工程を第4工程、図5(a)及び図6(a)に示す工程を第5工程、図7(a)に示す工程を第6工程、図8(a)に示す工程を第7工程、図9(a)に示す工程を第8工程と称する。また、従来例に係る製造工程について、図1(b)に示す工程を第1工程、図2(b)に示す工程を第2工程、図3(b)に示す工程を第3工程、図4(b)に示す工程を第4工程、図5(b)に示す工程を第5工程、図6(b)〜図8(b)に示す工程を第6工程、図9(b)に示す工程を第7工程と称する。
<<第1工程,第1工程>>
図1(a)には、上型111,第1カール成型工具121,第1押さえ部材131、及びカッター140が下降し、板状の金属板10が第1押さえ部材131と第2押さえ部材132とにより挟み込まれた直後の状態が示されている。この第1工程については、同図(b)に示す従来例についても同様である。同図(b)においても、同図(a)と同様に、板状の金属板610が第1押さえ部材531と第2押さえ部材532とにより挟み込まれた直後の状態が示されている。
<<第2工程,第2工程>>
図2(a)に示すように、第1工程後、上型111,第1カール成型工具121、及びカッター140は、更に下降する。これにより、金属板10は、カッター140における先端の内周面側の端縁141と第2押さえ部材132における先端の外周面側の端縁132aとにより打ち抜かれ、円板形状のブランク11が得られる。その後、このブランク11は、第1カール成型工具121と第2カール成型工具122とによりプレスされて、環状の第1湾曲部11aが形成される。また、第1カール成型工具121と第2カール成型工具122とによりブランク11が挟み込まれた後は、第1カール成型工具121と共に第2カール成型工具122も下降し始める。第1工程から第2工程までの工程については、図2(b)に示す従来例についても同様である。図2(b)においても、図2(a)と同様に、ブランク611に環状の第1湾曲部611aが形成された直後の状態が示されている。
ここで、上述した通り、図1(a)に示す半径r13と、同図(b)に示す半径r23とは、r13<r23の関係にある。このことから分かるように、本実施形態に係るブランク11の外径は、従来例に係るブランク611の外径よりも小さい。なお、本実施形態に係るブランク11の肉厚と、従来例に係るブランク611の肉厚は等しい。従って、本実施形態に係るブランク11の方が、従来例に係るブランク611に比べて、材料の量が少ない。
<<第3工程,第3工程>>
説明の便宜上、本実施形態において、第2工程から第3工程までの工程中の成形品を第1中間成形品12と称し、従来例においても同様に、第2工程から第3工程までの工程中の成形品を第1中間成形品612と称する。図3(a)に示すように、第2工程後、上型111,第1カール成型工具121、カッター140、及び第2カール成型工具122は、更に下降する。これにより、第1中間成形品12のうち第1カール成型工具121と第2カール成型工具122とにより挟み込まれた部位は下方に引っ張られるため、第1押さえ部材131と第2押さえ部材132とにより挟み込まれていた部位は、第1カール成型工具121の外周面と第2押さえ部材132の内周面との間に設けられている環状隙間Sに引きずり込まれる。これにより、第1中間成形品12の径方向外側には円筒部12bが形成される。
その後、更に、第1中間成形品12のうち第1カール成型工具121と第2カール成型工具122とにより挟み込まれた部位が下方に引っ張られることによって、当該部位よりも径方向内側の部位が、下型112における外周面側の端縁付近に突き当たる。その後、第1中間成形品12のうち当該部位よりも径方向外側の部分は、環状隙間S内を下方に移動し、かつ第1カール成型工具121と第2カール成型工具122との間の隙間内を径方向内側に向かって移動していく。この工程においても、第1中間成形品12には第1カール成型工具121と第2カール成型工具122とにより挟み込まれた部位に、環状の第1湾曲部12aが形成される。また、この工程においては、下型112によって、第1中間成形品12のうち環状の第1湾曲部12aよりも更に径方向内側にも環状の第2湾曲部12cが形成される。なお、図3(a)においては、上型111が第1中間成形品12に突き当たる直前の状態を示している。
第2工程から第3工程までの工程については、図3(b)に示す従来例についてもほぼ同様である。従って、従来例においても、第1中間成形品612には、第1湾曲部612aと、円筒部612bと、第2湾曲部612cが形成されている。ただし、従来例の場合には、下型512の先端面512aは平面であることから、この先端面512aは、全域に亘って第1中間成形品612に接した状態となる。また、図3(b)においては、上型511等の下方へのストローク量が、図3(a)に示す上型111等の下方へのストローク量と同一の場合を示している。上記の通り、本実施形態に係るブランク11の外径は、従来例に係るブランク611の外径よりも小さい。そのため、本実施形態に係る第1中間成形品12における円筒部12bの軸線方向の長さは、従来例に係る第1中間成形品612における円筒部612bの軸線方向の長さよりも短い。
<<第4工程,第4工程>>
説明の便宜上、本実施形態において、第3工程から第4工程までの工程中の成形品を第2中間成形品13と称し、従来例においても同様に、第3工程から第4工程までの工程中の成形品を第2中間成形品613と称する。図4(a)に示すように、第3工程後、上型111,第1カール成型工具121、カッター140、及び第2カール成型工具122は、更に下降する。これにより、上型111が第2中間成形品13に突き当たり、第2中間成形品13の中央付近が下方に向かって突き出るように湾曲した状態となる。第2中間成形品13における径方向外側の部位の挙動については、上記第3工程の場合と同様である。従って、この第2中間成形品13においても、第1湾曲部13aと、円筒部13bと、第2湾曲部13cが形成されている。
図4(b)に示す従来例においては、上型511等の下方へのストローク量が、図4(a)に示す上型111等の下方へのストローク量と同一の場合を示している。図4(b)に示す従来例の場合、この第4工程においては、上型511は第2中間成形品613には突き当たっていない。第2中間成形品613における径方向外側の部位の挙動については
、上記第3工程の場合と同様である。従って、この第2中間成形品613においても、第1湾曲部613aと、円筒部613bと、第2湾曲部613cが形成されている。
<<第5工程,第5工程>>
説明の便宜上、本実施形態において、第4工程から第5工程までの工程中の成形品を第3中間成形品14と称し、従来例においても同様に、第4工程から第5工程までの工程中の成形品を第3中間成形品614と称する。図5(a)に示すように、第4工程後、上型111,第1カール成型工具121、カッター140、及び第2カール成型工具122は、更に下降する。これにより、第3中間成形品14において、パネル部16dが形成される予定の部位(以下、パネル形成予定部14dと称する)が、上型111の先端面111aに設けられている複数の環状と凹凸と、下型112の先端面112aに設けられている複数の環状の凹凸によって挟み込まれた状態となる。従って、パネル形成予定部14dにおいては、径方向外側に向かって引っ張られる部分と、径方向内側に向かって引っ張られる部分とが複数存在する。これにより、パネル形成予定部14dの少なくとも一部(本実施形態の場合には、ほぼ全域)について金属板が引き伸ばされる。つまり、パネル形成予定部14dの少なくとも一部に対して金属板を引き伸ばす張り出し成形がなされる。第3中間成形品14における径方向外側の部位の挙動については、上記第3,4工程の場合と同様である。従って、この第3中間成形品14においても、第1湾曲部14aと、円筒部14bと、第2湾曲部14cが形成されている。
図5(b)に示す従来例においては、上型511等の下方へのストローク量が、図5(a)に示す上型111等の下方へのストローク量と同一の場合を示している。図5(b)に示す従来例の場合、この第5工程において、上型511における平面状の先端面511aが、第3中間成形品614に突き当たる。第3中間成形品614における径方向外側の部位の挙動については、上記第3,4工程の場合と同様である。従って、この第3中間成形品614においても、第1湾曲部614aと、円筒部614bと、第2湾曲部614cが形成されている。
<<第5工程,第6工程>>
説明の便宜上、従来例において、第5工程から第6工程までの工程中の成形品を第4中間成形品615と称する。図6(a)には、従来例との対比のために、上述した本実施形態の第5工程までが終了した状態を示している。従来例においては、図6(b)に示すように、第5工程後、第1カール成型工具521、カッター540、及び第2カール成型工具522は、更に下降する。第4中間成形品615における径方向外側の部位の挙動については、上記第3〜5工程の場合と同様である。従って、この第4中間成形品615においても、第1湾曲部615aと、円筒部615bと、第2湾曲部615cが形成されている。
この第6工程により得られた従来例に係る第4中間成形品615における円筒部615bの軸線方向の長さと、上述した第5工程により得られた本実施形態に係る第3中間成形品14における円筒部14bの軸線方向の長さが同一となる。一方、本実施形態に係る第3中間成形品14における第1湾曲部14aから第2湾曲部14cまでの軸線方向の距離H1は、第4中間成形品615における第1湾曲部615aから第2湾曲部615cまでの軸線方向の距離H2よりも短い。
<<第6工程,第6工程>>
本実施形態においては、第5工程により得られた第3中間成形品14は、整形工程用の金型200によって、プレス加工が行われる。この整形工程用の金型200について、図7(a)を参照して説明する。この金型200は略回転対称形状であり、各図においては、金型を、その中心軸線を含む面で切断した断面図について、左側半分の一部(シェルが
成形される付近の一部)を模式的に示している。なお、以下の説明において、金型を構成する部材の「要部」とは、金型を構成する部材のうち、金属板に対して成形を施す付近の部位を意味する。
金型200は、パネル部16dを整形するための上型211及び下型212と、第3中間成形品14における第1湾曲部14aを固定するための一対の固定部材221,222とから構成される。この金型200における上型211の要部は略円柱形状であり、その先端面の中央は平面により構成され、かつ先端の外周縁に沿って環状凸部211aが設けられている。また、金型200における下型212の要部は略円柱形状であり、その先端面は平面により構成されている。下型212の要部の外径は、上型211の要部の外径よりも小さく構成されている。一対の固定部材221,222の要部は、いずれも略円筒形状である。以上のように構成された金型200に対して、上述した第5工程によって得られた第3中間成形品14を配置させる。すなわち、第1湾曲部14aが一対の固定部材221,222によって挟み込まれるように、金型200に第3中間成形品14を固定させる。図7(a)においては、金型200に第3中間成形品14を固定させた後に、プレス加工が始まり、上型211が下降し始めた状態が示されている。図7(b)には、従来例において、本実施形態との対比のために、上述した第6工程までが終了した状態を示している。
<<第7工程,第6工程>>
説明の便宜上、本実施形態において、第6工程から第7工程までの工程中の成形品を第4中間成形品15と称する。図8(a)に示すように、第6工程後、上型211は、更に下降する。これにより、第4中間成形品15におけるパネル形成予定部15dは、上型211の先端面と下型212の先端面によって上下から挟み込まれ始める。第4中間成形品15における径方向外側の部位については、特に変化はない。従って、この第4中間成形品14における第1湾曲部15aと、円筒部15bと、第2湾曲部15cについては、第6工程までの形状が維持されている。図8(b)には、従来例において、本実施形態との対比のために、上述した第6工程までが終了した状態を示している。
<<第8工程,第7工程>>
第8工程が終了することにより、図9(a)に示すように、シェル16が形成される。本実施形態においては、第7工程後、上型211は、更に下降する。これにより、第4中間成形品15におけるパネル形成予定部15dが、上型211の先端面と下型212の先端面によって上下から完全に挟み込まれて平板状になり、パネル部16dが形成される。このように、第6工程〜第8工程により、上述した張り出し成形工程(第5工程)によって引き伸ばされた部分の形状が整えられてパネル部16dが成形される。また、上型211に設けられた環状凸部211aにより、強化環状溝16cが形成される。なお、シェル16における径方向外側の部位については、特に変化はなく、カール部16aと円筒部16bについては、第7工程における第1湾曲部15aと円筒部15bの形状が維持されている。
従来例においては、図9(b)に示すように、第1カール成型工具521,第2カール成型工具522及びカッター540が上昇する。これにより、シェル616におけるパネル部616dが上型511と下型512により固定されたまま、シェル616の径方向外側の部位が持ち上げられることで、強化環状溝616cが形成される。
<シェル>
本実施形態に係るシェルの製造方法により得られたシェル16について、図10を参照して、より詳細に説明する。図10(a)には、上述した本実施形態に係る製造方法(第1〜第8工程)により得られたシェル16の模式的断面図を示している。また、図10(
b)には、上述した従来例に係る製造方法(第1工程〜第7工程)により得られたシェル616の模式的断面図を示している。
本実施形態に係るシェル16は、円板形状のパネル部16dと、環状の傾斜壁16eと、これらパネル部16dと傾斜壁16eとの間に設けられる強化環状溝16cと、傾斜壁16eの外縁に沿って設けられるカール部16aと、カール部16aの先端の円筒部16bとから構成される。従来例に係るシェル616についても同様に、パネル部616dと、傾斜壁616eと、強化環状溝616cと、カール部616aと、カール部616aの先端の円筒部616bとから構成される。
そして、本実施形態に係るシェル16と、従来例に係るシェル616とは、パネル部16d,616dの肉厚を除き、外形及び寸法が同一である。すなわち、本実施形態に係るパネル部16dにおいては、従来例に係るパネル部616dよりも肉厚が薄い薄肉部が設けられている。つまり、これらを製造するためのブランク11,611の肉厚は等しいものの、本実施形態に係る製造方法の場合には、張り出し成形工程(第5工程)を有する。そのため、パネル部16dには薄肉部が設けられている。
この薄肉部は、ブランク11の厚みよりも薄くなった部分である。ここで、パネル部16dに設けられる薄肉部については、強化環状溝16cの溝底の厚みの70%以上97%以下となり、かつ、薄肉部の表面積がパネル部16d全体の表面積の30%以上60%以下であると好適である。なお、本実施形態に係るパネル部16dにおいては、略全域に亘って、薄肉部が形成される。また、本実施形態に係るパネル部16dは円板形状であり、上記の薄肉部はパネル部16dの中心から同心円状に複数存在する。これは、張り出し成形工程において用いられる上型111の先端面111aに設けられている複数の環状と凹凸と、下型112の先端面112aに設けられている複数の環状の凹凸が同心円状に設けられていることに起因する。以上の構成により、本実施形態に係るシェル16のパネル部16dの平均肉厚をd1とし、従来例に係るシェル616のパネル部616dの平均肉厚をd2とすると、d1<d2を満たす。また、本実施形態に係るシェル16の強化環状溝16cの溝底部分の肉厚をd3とし、従来例に係るシェル616の強化環状溝616cの溝底部分の肉厚をd4とした場合、d3とd4はほぼ等しい。また、d2とd4もほぼ等しいのに対して、d1とd3はd1<d3の関係を満たす。
<<張り出し成形工程に用いられる上型と下型>>
図11を参照して、張り出し成形工程に用いられる上型と下型について、より具体的な例を説明する。上記の通り、上型111の先端面111aと下型112の先端面112aには、それぞれ複数の環状の凹凸が同心円状に設けられている。これらの型を、それぞれ1部材によって構成することも可能であるが、先端面の加工にコストがかかってしまう。そこで、より簡単に製造が可能な上型111Xと下型112Xの具体例を説明する。
図11に示すように、上型111Xは、先端が半球面で構成された略円柱状部材111Xaと、いずれも先端が湾曲面で構成された略円筒状部材111Xb,111Xc,111Xdとから構成される。そして、略円柱状部材111Xaの外周面に対して略円筒状部材111Xbが嵌合され、この略円筒状部材111Xbの外周面に対して略円筒状部材111Xcが嵌合され、この略円筒状部材111Xcの外周面に対して略円筒状部材111Xdが嵌合されている。また、略円柱状部材111Xaが最も下方に突き出るように構成され、径方向外側の略円筒状部材ほど、突出量が少なくなるように構成されている。
そして、下型112Xは、いずれも先端が湾曲面で構成された略円筒状部材112Xa,112Xb,112Xc,112Xdとから構成される。そして、略円筒状部材112Xaの外周面に対して略円筒状部材112Xbが嵌合され、この略円筒状部材112Xb
の外周面に対して略円筒状部材112Xcが嵌合され、この略円筒状部材112Xcの外周面に対して略円筒状部材112Xdが嵌合されている。また、略円柱状部材112Xdが最も上方に突き出るように構成され、径方向内側の略円筒状部材ほど、突出量が少なくなるように構成されている。
以上のような構成を採用することで、簡単に上型111Xと下型112Xを製造することが可能となる。また、パネル部16dの表面積全体に対する薄肉部の占める割合を減らしたい場合には、略円柱状部材や略円筒状部材の数を減らせばよい。例えば、上記の上型111Xにおいて、略円柱状部材111Xaを用いずに略円筒状部材111Xb,111Xc,111Xdのみで構成し、下型112Xにおいて、略円筒状部材112Xb,112Xc,112Xdのみで構成することができる。さらに、前述のように、上型111Xと下型112Xを複数の略円筒状部材を用いた分割型とすることで、各々の略円筒状部材の突出量を容易に調整できる利点もある。
また、上型111Xを下方に、下型112Xを上方に設置する、すなわち、上型111Xと下型112Xの配置を上下入れ替えて、パネル張り出し方向を反転させてもよい。この場合は、必要に応じて、整形工程または後工程において強化環状溝を形成すればよい。
上述のとおり、上型111の先端面111aと下型112の先端面112aに設けられている複数の環状の凹凸は同心円状に設けられているが、これに限定されず、離心円状に設けられていてもよい。また、張り出し成形工程に用いられる上型と下型の形状を略円柱状や略円筒状としたが、これに限定されず、略多角柱状や略多角筒状としてもよい。さらに、複数の凹凸は断続的に設けられてもよい。
<缶蓋>
上述の製造方法によって得られたシェル16を中間製品として、缶蓋を製造する方法、及び缶蓋について説明する。なお、シェルから缶蓋を製造する方法については、一般的な製造方法を適用できるため、ここでは図12〜図17を参照して、簡単に説明する。図12は、本発明の実施形態に係るシェルに各種の加工を施した中間製品の平面図を示している。図13は、図12におけるA−A断面図である。図14は、本発明の実施形態に係る缶蓋に装着されるタブの平面図である。図15は、図14中のB−B断面図である。図16は本発明の実施形態に係る缶蓋の平面図である。図17は、図16中のC−C断面図である。
上述した中間製品であるシェル16に対して各種の加工が施される。すなわち、スコアリングによってスコア21が形成され、リベット成形によってリベット22が形成され、エンボス加工によって、タブ30の廻り止め用の突起23が形成される(図12、図13参照)。その他の加工については省略する。
そして、このように各種の加工が施されることにより得られた中間製品20に対して、図14及び図15に示すタブ30が、リベット22により固定されることで、中間製品20に取付けられる。なお、タブ30の製造方法についても公知技術を適用可能であるので、その説明は省略する。
以上により、缶蓋50が得られる。缶蓋50におけるパネル部51においても、シェル16のパネル部16dと同様に、薄肉部が設けられている。この薄肉部についても、シェル16の場合と同様に、ブランク11の厚みよりも薄くなった部分である。ここで、パネル部51に設けられる薄肉部については、強化環状溝16cの溝底の厚みの70%以上97%以下となり、かつ、薄肉部の表面積がパネル部51全体の表面積の30%以上60%以下であると好適である。なお、本実施形態に係るパネル部51においては、略全域に亘
って、薄肉部が形成される。また、本実施形態に係るパネル部51は円板形状であり、上記の薄肉部はパネル部51の中心から同心円状に複数存在する。その理由については、シェル16において説明した通りである。
<本発明の実施形態に係るシェルの製造方法、缶蓋の製造方法、シェル及び缶蓋の優れた点>
本実施形態に係るシェル16の製造方法よれば、張り出し成形工程(第5工程)によって、パネル部16dが形成される予定の部位の少なくとも一部が引き伸ばされた後に、整形工程(第6〜第8工程)によって、パネル部16dが成形される。そのため、パネル部16dの少なくとも一部は、ブランク11の肉厚よりも薄くなる。従って、一定の強度を保つために(強化環状溝16cが形成されている部分の肉厚を一定以上にするために)、一定以上の肉厚のブランク11を用いても、小径のブランクを適用することができ、シェル16全体の材料の量を削減させることができる。従って、缶蓋50の強度の低下を抑制しつつ、軽量化及び材料削減を図ることができる。
10 金属板
11 ブランク
11a,12a,13a,14a,15a 第1湾曲部
12 第1中間成形品
12b,13b,14b,15b,16b 円筒部
12c,13c,14c,15c 第2湾曲部
13 第2中間成形品
14 第3中間成形品
14d,15d パネル形成予定部
15 第4中間成形品
16 シェル
16a カール部
16c 強化環状溝
16d パネル部
16e 傾斜壁
20 中間製品
21 スコア
22 リベット
23 突起
30 タブ
50 缶蓋
51 パネル部
100 金型
111,111X 上型
111Xa 略円柱状部材
111Xb,111Xc,111Xd 略円筒状部材
112,112X 下型
112Xa,112Xb,112Xc,112Xd 略円筒状部材
121 第1カール成型工具
122 第2カール成型工具
131 第1押さえ部材
132 第2押さえ部材
140 カッター
200 金型
211 上型
211a 環状凸部
212 下型
221,222 固定部材

Claims (7)

  1. パネル部及び傾斜壁を備えると共に、缶蓋を製造するための中間製品である金属製のシェルの製造方法であって、
    金属板からなるブランクに対して絞り加工を行うことにより前記傾斜壁を成形する絞り加工工程と、
    前記パネル部が形成される予定の部位の少なくとも一部に対して金属板を引き伸ばす張り出し成形工程と、
    前記張り出し成形工程によって引き伸ばされた部分の形状を整えて前記パネル部を成形する整形工程と、
    を有することを特徴とするシェルの製造方法。
  2. 前記絞り加工工程と張り出し成形工程は、1プレス工程の中で行われることを特徴とする請求項1に記載のシェルの製造方法。
  3. 請求項1または2のシェルの製造方法によって得られたシェルに対して、少なくともスコアを成形する工程を含むことを特徴とする缶蓋の製造方法。
  4. パネル部及び該パネル部の外縁側に設けられる強化環状溝を備えると共に、缶蓋を製造するための中間製品である金属製のシェルであって、
    前記パネル部が、前記強化環状溝の溝底の厚みの70%以上97%以下となる薄肉部を有し、かつ、該薄肉部の表面積が前記パネル部全体の表面積の30%以上60%以下であることを特徴とするシェル。
  5. 前記パネル部は円板形状であり、前記薄肉部は該パネル部の中心から同心円状に複数存在することを特徴とする請求項4に記載のシェル。
  6. 前記パネル部の外縁側には、
    環状の傾斜壁と、
    該傾斜壁と前記パネル部との間に設けられる前記強化環状溝と、
    前記傾斜壁の外縁に沿って設けられ、径方向外側に向かって延びるカール部と、
    が備えられていることを特徴とする請求項4または5に記載のシェル。
  7. パネル部及び該パネル部の外縁側に設けられる強化環状溝を備える缶蓋であって、
    前記パネル部が、前記強化環状溝の溝底の厚みの70%以上97%以下となる薄肉部を有し、かつ、該薄肉部の表面積が前記パネル部全体の表面積の30%以上60%以下であることを特徴とする缶蓋。
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