JP2018173575A - プロジェクションスクリーン - Google Patents
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Abstract
Description
特に、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができ、大画面に適用した場合であっても広い視野角を得ることができるプロジェクションスクリーンに関する。
かかるリアプロジェクションディスプレイに用いられる透過型のプロジェクションスクリーン(以下、「リアプロジェクションスクリーン」と称する場合がある。)としては、従来より、フレネルレンズとレンチキュラレンズとを組み合わせたものが知られている。
しかしながら、かかる従来のリアプロジェクションスクリーンにおいては、一般的に、画面が暗い、ピッチに起因するモアレ模様が画面に発生しやすいなどの問題が見られた。
ここで、光拡散制御フィルムとは、入射光の入射角度に依存して出射光の拡散状態が変化するフィルムをいう。
具体的には、所定の入射角度範囲(以下、「光拡散入射角度領域」と称する場合がある。)では、一定の光拡散状態を示し、光拡散入射角度領域から外れる入射角度範囲では、入射光がそのまま透過するか、あるいは光拡散入射角度領域での拡散状態とは異なる光拡散状態を示すフィルムをいう。
また、このような光拡散制御フィルムとしては、幾つかの態様が知られているが、例えば、フィルム内において、屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に沿って交互に配置してなるルーバー構造を有する光拡散制御フィルムが広く使用されている。
また、特許文献1では、図44(a)〜(b)に示すように、コンベア310によって移動する光硬化性樹脂組成物膜320に対し、スリット313を介して棒状の光源ランプ315から光を照射することにより光拡散制御フィルムを製造していることから、得られる光拡散制御フィルムは、上述したルーバー構造を有するタイプの光拡散制御フィルムであることが分かる。
また、光拡散制御フィルムの積層態様としては、図45に示すように、光散乱角度域の方向がほぼ直交するように積層する態様等が開示されている。
特に、リアプロジェクションスクリーンは、例えばデジタルサイネージのような大画面で多くの人が同時に視認する用途への適用が期待される。
しかしながら、幅広い角度からの入射光を十分に拡散させることができない場合には、必然的に視野角が狭くなってしまい、当該用途への適用が困難になる。
この点、特許文献1に記載のリアプロジェクションスクリーンの場合、一枚一枚の光拡散制御フィルムの性能が不十分であることから、図45に示すように、光散乱角度域の方向がほぼ直交するように積層させた場合であっても、かかる要求を満たすことができないという問題がある。
また、幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させるために、さらに光拡散制御フィルムの積層枚数を増加させた場合、得られる積層体の厚みが増加することにより、得られる画像の鮮明度が低下して、画像ボケが生じやすくなるという問題がある。
そして、かかる所定の光拡散制御板を用いることにより、大画面に適用した場合であっても広い視野角を有するリアプロジェクションスクリーンを得ることができることを見出し、さらには、このような光拡散制御板を用いることで、同様の効果を有するフロントプロジェクションスクリーンをも得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができ、大画面に適用した場合であっても広い視野角を得ることができるプロジェクションスクリーンを提供することにある。
L1≧0.25×L0 (1)
L2≧0.25×L0 (2)
したがって、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができ、大画面に適用した場合であっても広い視野角を得ることができる。
なお、「プロジェクションスクリーン」とは、プロジェクションディスプレイにおいてプロジェクターからの光が照射されることにより、画像が表示されるスクリーンを意味する。
また、L0、L1、L2および後述するL3(−30°)は、光拡散制御板の正面方向において測定される輝度を意味する。
L3(−30°)<0.7×L0 (3)
このように構成することにより、表示される画像の明るさを効果的に保持しつつ、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができる。
このように構成することにより、画像ボケの発生を抑制し、かつ、製造効率を過度に低下させることなく、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができる。
このように構成することにより、光拡散制御フィルムの積層枚数を低減させつつも、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができる。
なお、「単一層」とは、複数の光拡散制御フィルムが積層されていないことを意味する。
このように構成することにより、それぞれの内部構造間に内部構造未形成部分が存在する場合と比較して、入射光がそのまま透過することにより拡散光の中に直進透過光が混入することを効果的に抑制して、拡散光の強度の均一性を向上させることができる。
このように構成することにより、入射光がそのまま透過することにより拡散光の中に直進透過光が混入することをさらに効果的に抑制して、拡散光の強度の均一性を向上させることができる。
このように構成することにより、幅広い角度からの入射光をさらに効果的に拡散させることができる。
このように構成することにより、幅広い角度からの入射光をさらに効果的に拡散させることができる。
このように構成することにより、幅広い角度からの入射光をさらに効果的に拡散させることができる。
このように構成することにより、画像ボケの発生を抑制しつつ、プロジェクターからの入射光を、入射角度によらず、より均一に拡散させることができる。
L1≧0.25×L0 (1)
L2≧0.25×L0 (2)
以下、本発明の実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
本発明のプロジェクションスクリーンに用いられる光拡散制御板は、フィルム内部に、屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い複数の領域を備えた内部構造を有する光拡散制御フィルムを含んでなることを特徴とする。
この理由は、光拡散制御板として、従来から知られているフレネルレンズとレンチキュラレンズとを組み合わせたものを用いた場合、画面が暗くなったり、ピッチに起因したモアレ模様が画面に発生したりするといった問題が生じやすくなるためである。
さらに、入射光の入射角が光拡散入射角度領域内で変化した場合であっても、拡散光の向き、拡散範囲および強度を一定に保つ特性(以下、「入射角度無依存性」と称する場合がある。)を有している。
これにより、光拡散制御フィルムの積層態様によって光拡散入射角度領域を調節すれば、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることが可能になる。
また、入射角度無依存性により、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を、プロジェクションスクリーンの正面を含む所望の方向に対し、一定の輝度で安定的に拡散させることができ、広い視野角を得ることができる。
したがって、所定の内部構造を有する光拡散制御フィルムを用いることにより、フレネルレンズとレンチキュラレンズを用いた場合のように、画面が暗くなったり、ピッチに起因したモアレ模様が画面に発生したりするといった問題を効果的に解消し、より優れた光拡散特性を備えたプロジェクションスクリーンを得ることができる。
このような所定の内部構造を有する光拡散制御フィルムでは、図1に示すように、光拡散入射角度領域から入射した入射光Bについては、柱状物14のような屈折率が相対的に高い領域に入射した光が、屈折率が相対的に低い領域11との界面で反射を繰り返しながらフィルムを通り抜けることにより拡散される。
一方、光拡散入射角度領域外から入射した入射光(A、C)については、拡散光の拡散幅が極端に狭くなった三日月状の光拡散をしたり、そのまま透過したりすることになる。
なお、図1は、フィルム内部にカラム構造sのみを有する光拡散制御フィルム10の全体およびその光拡散特性を示す斜視図である。
この理由は、第1の内部構造および第2の内部構造を有する光拡散制御フィルムを用いることにより、光拡散制御フィルムの積層枚数を低減させつつも、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができるためである。
すなわち、第1の内部構造に由来する光拡散特性の範囲と、第2の内部構造に由来する光拡散特性の範囲とを、一部重複させつつずらすことにより、光拡散制御フィルムにおける総合的な光拡散特性の範囲を効果的に拡大することができ、ひいては、光拡散制御板の光拡散特性の範囲についても効果的に拡大することができるためである。
なお、「光拡散特性の範囲」とは、入射角度依存性を示す入射角度の範囲および拡散光の広がりの範囲を意味する。
また、第2の内部構造についても、屈折率が相対的に低い領域中に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物をフィルム膜厚方向に林立させてなるカラム構造、または、屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に配置してなるルーバー構造であることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、光拡散特性の範囲をさらに効果的に拡大することができるためである。
このような光拡散制御フィルムとしては、例えば、図2(a)に示すように、第1の内部構造20がルーバー構造20tであり、第2の内部構造30がカラム構造30sである光拡散制御フィルム10´が挙げられる。
本発明における光拡散制御フィルムは、実施例に示すように、様々な態様の内部構造を取り得るが、本明細書では、図2(a)に示す光拡散制御フィルム10´を例に挙げて、具体的に説明する。
最初に、図2(a)〜(b)を用いて、所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´の基本的構成について具体的に説明する。
ここで、図2(a)には、所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´の全体を示す斜視図が示してあり、図2(b)には、図2(a)の所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´の断面図が示してある。
より具体的には、第1の内部構造20が、屈折率が異なる複数の板状領域(屈折率が相対的に低い板状領域11、屈折率が相対的に高い板状領域12)をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に配置してなるルーバー構造20tであり、第2の内部構造30が、屈折率が相対的に低い領域11の中に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物14をフィルム膜厚方向に林立させてなるカラム構造30sである。
なお、第1の内部構造20としてのルーバー構造20tは、屈折率が相対的に低い領域11中に、屈折率が相対的に高い複数の板状領域12をフィルム膜厚方向に平行配置してなる内部構造と解釈することもできる。
次いで、図3を用いて、所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´の光拡散特性について、具体的に説明する。
ここで、図3では、本発明における第1の内部構造20としてのルーバー構造20tおよび第2の内部構造30としてのカラム構造30sを有する光拡散制御フィルム10´に対し、カラム構造30sの側から光を入射させた場合の光拡散特性を、カラム構造30sのみで拡散させた段階と、カラム構造30sで拡散させた光をさらにルーバー構造20tで拡散させた段階と、に分けて示している。
なお、図3において、光拡散制御フィルムと平行な紙面に示されている座標系の縦軸および横軸の単位は角度(°)であり、座標は各方向における拡散光の出射角度を意味する。
一方、第1の内部構造20としてのルーバー構造20tは、入射した光を異方性拡散させる性質があるため、ルーバー構造20tのみで拡散させた拡散光は、光拡散制御フィルムと平行な紙面において、直線状に投影される(図示せず)。
このため、図3に示すように、カラム構造30sで拡散させた光をさらにルーバー構造20tで拡散させた段階の拡散光、すなわち光拡散制御フィルム10´で拡散させた拡散光は、光拡散制御フィルム10´と平行な紙面において、紙面右向きの弾丸状に投影される。
このため、カラム構造30sによる円形の拡散光における紙面右半分は、そのままカラム構造20tを透過する。
一方、カラム構造30sによる円形の拡散光における紙面左半分は、その進行方向が板状領域(11、12)の傾斜角と所定以上に近似するため、ルーバー構造20tにより、紙面横方向に延びた形に異方性拡散される(以下、このような異方性拡散の向きを、「異方性拡散方向(ID):⇔」のように表現する場合がある)。
なお、本明細書において、「⇔」は紙面左右方向、「←」は紙面左方向、「→」は紙面右方向、「●」は紙面手前方向、「○」は紙面奥方向を意味するものとする。
以上の機構により、図3に示すように、所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´で拡散させた拡散光は、光拡散制御フィルム10´と平行な紙面において、弾丸状に投影されることとなる。
なお、同一の光拡散制御フィルムであっても、光を反対側から入射すると、出射極性方向(PD)は逆向きとなる。
ここで、図4では、下方から順に、図3に示す所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム10´(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム10´(ID:●、PD:●)を積層してなる積層体に対し、それぞれの光拡散制御フィルム10´におけるカラム構造30sの側から光を入射させた場合の光拡散特性を示している。
より具体的には、当該積層体の光拡散特性を、それぞれの光拡散制御フィルム10´ごとに、カラム構造30sで拡散させた段階と、さらにルーバー構造20tで拡散させた段階と、に分けて示している。
次いで、図4における(ii)に示すように、最上層の光拡散制御フィルム10´における第1の内部構造20としてのルーバー構造20tは、入射してきた円形の拡散光における紙面下半分を紙面下方向に拡散させ、全体として紙面上向きの弾丸状に光拡散させる。
なお、このときの拡散光の輪郭は、依然として紙面上向きの弾丸状のままである。
次いで、図4における(iv)に示すように、中間層の光拡散制御フィルム10´における第1の内部構造20としてのルーバー構造20tは、入射してきた紙面上向きの弾丸状の拡散光を紙面右方向に拡散させ、全体として紙面において左上の角のみが丸みを帯びた四角形に光拡散させる。
なお、このときの拡散光の輪郭は、依然として紙面において左上の角のみが丸みを帯びた四角形のままである。
次いで、図4における(vi)に示すように、最下層の光拡散制御フィルム10´における第1の内部構造20としてのルーバー構造20tは、入射してきた紙面において左上の角のみ丸みを帯びた四角形の拡散光を紙面左方向に拡散させ、全体として座標系の下半分を占める横長の長方形に光拡散させる。
以上の機構により、図4に示すように、所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´を複数枚積層してなる積層体で拡散させた拡散光は、所定の態様で積層することにより、積層体と平行な紙面において、横長の長方形に投影されることになる。
逆に、必要のない方向への拡散をカットすることによって、必要な方向への拡散光の輝度が増加することから、表示画像の明るさを効果的に向上させることができる。
但し、光拡散制御フィルムをさらに積層すれば、全方向への拡散を実現することも可能である。
また、図4においては、便宜上、積層体の表面に対して直交する角度から光を入射した場合を例に挙げて説明したが、実施例において具体的に示すように、かかる積層体の優れた光拡散特性は、幅広い角度からの入射光に対して安定的に発現される。
かかる効果は、特にカラム構造30sが、幅広い角度からの入射光を効率よく拡散できることに起因しており、さらにルーバー構造20tの傾斜の向きがこれを制御する。
カラム構造の光拡散特性について具体的に説明すると、カラム構造は、等方性拡散が生じる光拡散入射角度領域の外に、さらに三日月状拡散が生じる光拡散入射角度領域を有しており、総合的な光拡散入射角度領域の範囲が極めて広いという特徴を有する(例えば、図36に示す、カラム構造のみを有する光拡散制御フィルムの光拡散特性を参照)。
よって、所定の内部構造(20t、30s)を有する光拡散制御フィルム10´であれば、3〜4枚を所定の態様で積層することで、幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができる。
このことから、大画面に適用可能な広い視野角を有するプロジェクションスクリーンを製造するに当たり、好適な光拡散制御フィルムであることが分かる。
図2(a)に示すように、光拡散制御フィルム10´の第1の内部構造20は、入射光を異方性拡散させるための内部構造であり、具体的には、屈折率が異なる複数の板状領域(11、12)をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に配置してなるルーバー構造20tである。
この理由は、第1の内部構造20をルーバー構造20tとすることにより、図3に示すように、得られる光拡散特性に対して異方性拡散方向(ID)や出射極性方向(PD)を付与することができるためである。
その結果、第2の内部構造30としてのカラム構造30sの効果と相まって、図4に示すように、所定の光拡散制御フィルム10´を所定の態様で積層した場合に、大画面のプロジェクションスクリーンに好適な、優れた光拡散特性を得ることができる。
ルーバー構造における屈折率が相対的に高い板状領域の屈折率と、屈折率が相対的に低い板状領域の屈折率との差を0.01以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる屈折率の差が0.01未満の値となると、入射光がルーバー構造内で全反射する角度域が狭くなることから、入射角度依存性が過度に低下する場合があるためである。
したがって、かかる屈折率の差の下限値を0.03以上の値とすることがより好ましく、0.1以上の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる屈折率の差は大きい程好ましいが、ルーバー構造を形成可能な材料を選定する観点から、0.3程度が上限であると考えられる。
また、図2(a)に示すようなルーバー構造20tにおいて、屈折率が相対的に高い板状領域12および屈折率が相対的に低い板状領域11の幅を、それぞれ0.1〜15μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる幅が0.1μm未満の値となると、入射光の入射角度にかかわらず、光拡散特性を示すことが困難になる場合があるためである。一方、かかる幅が15μmを超えた値となると、ルーバー構造内を直進する光が増加し、光拡散の均一性が低下する場合があるためである。
したがって、ルーバー構造において、かかる幅の下限値を0.5μm以上の値とすることがより好ましく、1μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、ルーバー構造において、かかる幅の上限値を10μm以下の値とすることがより好ましく、5μm以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、屈折率が相対的に高い板状領域および屈折率が相対的に低い板状領域の幅は、光学デジタル顕微鏡にて観察することにより算出することができる。
また、図2(a)に示すようなルーバー構造20tの厚さ(膜厚方向における長さ)、すなわち、図2(b)における長さL1を30〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる長さL1が30μm未満の値となると、ルーバー構造内を直進してしまう入射光が増加し、十分な光拡散特性の範囲を得ることが困難になる場合があるためである。一方、かかる長さL1が500μmを超えた値となると、光拡散制御フィルム用組成物に対して活性エネルギー線を照射してルーバー構造を形成する際に、初期に形成されたルーバー構造によって光重合の進行方向が拡散してしまい、所望のルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、ルーバー構造の長さL1の下限値を50μm以上の値とすることがより好ましく、70μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、ルーバー構造の長さL1の上限値を325μm以下の値とすることがより好ましく、200μm以下の値とすることがさらに好ましい。
また、図2(a)に示すようなルーバー構造20tにおいて、屈折率が異なる板状領域(11、12)が、膜厚方向に対して一定の傾斜角にて平行配置してなることが好ましい。
この理由は、屈折率が異なる板状領域の傾斜角を一定とすることにより、ルーバー構造内において入射光をより安定的に反射させて、ルーバー構造に由来した入射角度依存性をさらに向上させることができるためである。
より具体的には、図2(b)に示すように、第1の内部構造20としてのルーバー構造20tにおいて、屈折率が異なる板状領域(11、12)のフィルム面の法線に対する傾斜角θ1を0〜80°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる傾斜角θ1が80°を超えた値となると、それに伴い活性エネルギー線の入射角度の絶対値も大きくなることから、空気と塗布層との界面における活性エネルギー線の反射の割合が増加してしまい、ルーバー構造を形成するにあたり、より高照度の活性エネルギー線を照射する必要が生じるためである。一方、かかる傾斜角θ1が過度に小さな値となると、得られる光拡散特性に対して出射極性方向(PD)を付与することが困難になる場合がある。
したがって、かかる傾斜角θ1の下限値を5°以上の値とすることがより好ましく、10°以上の値とすることがさらに好ましい。
また、かかる傾斜角θ1の上限値を60°以下の値とすることがより好ましく、40°以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、傾斜角θ1は、フィルム面に垂直であって、かつ、フィルム面に沿った任意の一方向に延在する板状領域をかかる延在方向と直交する面によってフィルムを切断した場合の断面において測定される、フィルム表面に対する法線と、板状領域の最上部とのなす角度のうち狭い側の角度を意味する(後述するθ1a、θ1bについてもかかる定義に準ずる)。
また、図5(a)に示すように、第1の内部構造20としてのルーバー構造20tにおける複数の板状領域(11、12)が、フィルム膜厚方向に沿った中間点において屈曲部16を有した屈曲ルーバー構造20t´であることが好ましい。
この理由は、かかる屈曲部を設けることにより、幅広い角度からの入射光をさらに効果的に拡散させることができるためである。
この理由は、かかる長さL1aが15μm未満の値となると、上方部分の板状領域に由来する拡散が弱くなり過ぎ、光拡散特性の範囲を効果的に拡大することが困難になる場合があるためである。なお、光拡散制御フィルム用組成物における紫外線吸収剤の含有量が多い程、かかる長さは短くなる傾向がある。したがって、逆に言えば、かかる長さが過度に短いということは、紫外線吸収剤の含有量が非常に多いことになり、その場合、光拡散制御フィルム用組成物を硬化させる際に、フィルムの収縮シワが発生する可能性が高くなり、制御が困難になる。一方、かかる長さL1aが475μmを超えた値となると、紫外線吸収剤の含有量が非常に少ないことになり、その場合、下方部分の板状領域が十分に形成されず、光拡散特性の範囲を効果的に拡大することが困難になる可能性がある。
したがって、屈曲ルーバー構造のうち、屈曲部よりも上方部分における板状領域の長さL1aの下限値を25μm以上の値とすることがより好ましく、30μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、屈曲ルーバー構造のうち、屈曲部よりも上方部分における板状領域の長さL1aの上限値を300μm以下の値とすることがより好ましく、150μm以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる長さL1bが15μm未満の値となると、下方部分のルーバー構造に由来する拡散が弱くなり過ぎ、光拡散特性の範囲を効果的に拡大することが困難になる場合があるためである。一方、かかる長さL1bが475μmを超えた値となると、下方部分のルーバー構造に由来する拡散は十分に得られるが、光拡散制御フィルムの膜厚が過度に厚くなってしまう場合があるためである。
したがって、屈曲ルーバー構造のうち、屈曲部よりも下方部分における板状領域の長さL1bの下限値を25μm以上の値とすることがより好ましく、30μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、屈曲ルーバー構造のうち、屈曲部よりも下方部分における板状領域の長さL1bの上限値を300μm以下の値とすることがより好ましく、150μm以下の値とすることがさらに好ましい。
かかる傾斜角θ1aが60°を超えた値となると、それに伴い活性エネルギー線の入射角度の絶対値も大きくなることから、空気と塗布層との界面における活性エネルギー線の反射の割合が増加してしまい、屈曲ルーバー構造を形成するにあたり、より高照度の活性エネルギー線を照射する必要が生じるためである。一方、かかる傾斜角θ1aが過度に小さな値となると、得られる光拡散特性に対して出射極性方向(PD)を付与することが困難になる場合がある。
したがって、かかる傾斜角θ1aの下限値を2°以上の値とすることがより好ましく、3°以上の値とすることがさらに好ましい。
また、かかる傾斜角θ1aの上限値を45°以下の値とすることがより好ましく、30°以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる傾斜角θ1bが1°未満の値となると、屈曲部よりも上方部分における板状領域との相乗効果を考慮しても、光拡散特性の範囲を拡大する効果を十分に得ることが困難になる場合があるためである。一方、かかる傾斜角θ1bが80°を超えた値となると、屈曲部よりも上方部分における板状領域との相乗効果を考慮すれば、敢えてこれ以上の傾斜角とせずとも、光拡散特性の範囲を十分に拡大することができるためである。
したがって、かかる傾斜角θ1bの下限値を5°以上の値とすることがより好ましく、10°以上の値とすることがさらに好ましい。
また、かかる傾斜角θ1bの上限値を60°以下の値とすることがより好ましく、40°以下の値とすることがさらに好ましい。
また、θ1b−θ1aの値を45°以下の値とすることが好ましく、30°以下の値とすることがより好ましく、20°以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、図5(b)に示す通り、傾斜角θ1aは、フィルム面の法線と、屈曲部よりも上方部分における板状領域の最上部との為す角度のうち狭い側の角度を意味する。
また、傾斜角θ1bは、フィルム面の法線と、屈曲部よりも下方部分における板状領域の最上部との為す角度のうち狭い側の角度を意味する。
図2(a)に示すように、光拡散制御フィルム10´における第2の内部構造30は、入射光を等方性拡散させるための内部構造であり、具体的には、屈折率が相対的に低い領域11の中に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物14をフィルム膜厚方向に林立させてなるカラム構造30sである。
この理由は、光源から所定の角度で入射してくる光を、予め均一に拡散させた上で第1の内部構造20としてのルーバー構造20tに導入したり、あるいは、ルーバー構造20tにより部分的に異方性拡散方向(ID)や出射極性方向(PD)が付与されたことにより不均一となった拡散光を、再度均一に拡散させて次の第1の内部構造20に導入したりすることができるためである。
その結果、図4に示すように、所定の光拡散制御フィルム10´を所定の態様で積層した場合に、大画面のプロジェクションスクリーンに好適な、優れた光拡散特性を得ることができるためである。
カラム構造における屈折率が相対的に高い柱状物の屈折率と、屈折率が相対的に低い領域の屈折率との関係は、上述した第1の内部構造としてのルーバー構造における屈折率が相対的に高い板状領域の屈折率と、屈折率が相対的に低い板状領域の屈折率との関係と同様にすることが好ましい。
また、図2(a)に示すようなカラム構造30sにおいて、柱状物14の断面における最大径および柱状物14の間の間隔は、上述した第1の内部構造としてのルーバー構造における板状領域の幅の数値範囲と同様にすることが好ましい。
また、図2(a)に示すようなカラム構造30sの厚さ(膜厚方向における長さ)、すなわち、図2(b)におけるL2を10〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる長さL2が10μm未満の値となると、光源からの直接入射する光や第1の内部構造により拡散された光を均一化する作用が不十分になる場合があるためである。一方、かかる長さL2が200μmを超えた値となると、第1の内部構造の存在割合が過度に小さくなって、光拡散特性の範囲を効果的に拡大することが困難になる場合があるためである。
したがって、カラム構造の長さL2の下限値を20μm以上の値とすることがより好ましく、40μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、カラム構造の長さL2の上限値を150μm以下の値とすることがより好ましく、100μm以下の値とすることがさらに好ましい。
また、傾斜角θ1と同様の理由から、図2(b)に示すカラム構造30sにおける屈折率が相対的に高い柱状物14の傾斜角θ2を0〜45°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる傾斜角θ2が0〜45°の範囲内の値であれば、均一化した拡散光の出射方向を、実用上、十分に制御することができるためである。
例えば、デジタルサイネージにおいては、視認者はプロジェクションスクリーンの正面位置から視認することもあれば、左右に偏った位置や下方位置から視認することもあるが、傾斜角θ2が0〜45°の範囲内の値であれば、これらの位置からの視認性を、実用上、十分に確保することができる。
但し、通常、視認者はプロジェクションスクリーンの正面付近から視認することが想定されるので、かかる傾斜角θ1の上限値を30°以下の値とすることがより好ましく、10°以下の値とすることがさらに好ましい。
また、図5(b)に示すように、第1の内部構造20が屈曲ルーバー構造20t´である場合には、傾斜角θ2、θ1a、θ1bは、同じ側に傾斜しつつ(傾斜角0°を含む)、この順番に傾斜角が徐々に大きくなることが好ましい。
この理由は、傾斜角が徐々に変化することにより各々の内部構造に由来する光拡散特性の範囲が重なり合い、最終的な光拡散特性の範囲を効果的に拡大することができるためである。
なお、傾斜角θ2は、フィルム面に垂直であって、かつ、1本の柱状物全体を軸線に沿って2つに切断する面によってフィルムを切断した場合の断面において測定される、フィルム表面に対する法線と、柱状物の最上部とのなす角度のうち狭い側の角度を意味する。
また、図2(b)に示すように、光拡散制御フィルム10´は、第1の内部構造20としてのルーバー構造20tの上端部の位置と、第2の内部構造30としてのカラム構造30sの下端部の位置とが膜厚方向において重なり合う重複内部構造40を有することが好ましい。
この理由は、重複内部構造を有することにより、それぞれの内部構造間に内部構造未形成部分が存在する場合と比較して、入射光がそのまま透過することにより拡散光の中に直進透過光が混入することを効果的に抑制して、拡散光の強度の均一性を向上させることができるためである。
以下、重複内部構造について具体的に説明する。
重複内部構造は、第1の内部構造としてのルーバー構造の上端部の位置と、第2の内部構造としてのカラム構造の下端部の位置とが膜厚方向において重なり合って形成されていれば、特に限定されるものではない。
より具体的には、図6(a)〜(b)に示すように、第1の内部構造20としてのルーバー構造20tおよび第2の内部構造30としてのカラム構造30sにそれぞれ由来した屈折率が相対的に高い領域(12、14)のいずれか一方の先端が、それぞれもう一方の内部構造(30s、20t)に由来した屈折率が相対的に低い領域11に対して延入した構造であればよい。
このとき、図6(a)に示すように、2つの内部構造(20t、30s)にそれぞれ由来した屈折率が相対的に高い領域(12、14)のいずれか一方の先端が、もう一方の内部構造(30s、20t)に由来した屈折率が相対的に高い領域(14、12)の先端近傍に対して接触してなる重複内部構造40であることが好ましい。
あるいは、図6(b)に示すように、2つの内部構造(20t、30s)にそれぞれ由来した屈折率が相対的に高い領域(12、14)同士が、非接触の状態で重複してなる重複内部構造40であることも好ましい。
なお、図6(a)〜(b)では、ルーバー構造20tにおける屈折率が相対的に高い板状領域12を実線で示し、カラム構造30sにおける柱状物14を点線で示す。
また、図2(b)に示す第1の内部構造20としてのルーバー構造20tおよび第2の内部構造30としてのカラム構造30sにそれぞれ由来した屈折率が相対的に高い領域(12、14)の傾斜角(θ1、θ2)の差を、5°以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる傾斜角の差を5°以上の値とすることにより、光拡散特性の範囲を、より効果的に拡大することができるためである。一方、かかる傾斜角の差の値が過度に大きな値となると、得られる光拡散制御フィルムの各内部構造に起因する光拡散特性の範囲が完全に独立してしまい、フィルム全体としての光拡散特性の範囲を効率的に拡大するには至らない場合がある。
したがって、かかる傾斜角の差の下限値を7°以上の値とすることがより好ましく、10°以上の値とすることがさらに好ましい。
また、かかる傾斜角の差の上限値を35°以下の値とすることが好ましく、20°以下の値とすることがより好ましい。
なお、第1の内部構造が、図5(a)に示すような屈曲ルーバー構造である場合には、上述した傾斜角θ1を、傾斜角θ1aに読み替えて適用することができる。
また、図2(b)に示す重複内部構造40の厚さ(膜厚方向における長さ)L3を1〜40μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる長さL3が1μm未満の値となると、入射光がそのまま直進透過しやすくなり、拡散光の強度の均一性をより安定的に保持することが困難になる場合があるためである。一方、かかる長さL3が40μmを超えた値となると、拡散光の取り出し効率が低下する場合があるためである。つまり、重複内部構造の長さが長すぎる場合、当該領域で後方散乱等が生じ、拡散光の取り出し効率の低下を招くことが予想される。
したがって、重複内部構造の長さL3の下限値を3μm以上の値とすることがより好ましく、5μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、重複内部構造の長さL3の上限値を35μm以下の値とすることがより好ましく、30μm以下の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明における光拡散制御フィルムの総膜厚を60〜700μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、光拡散制御フィルムの総膜厚が60μm未満の値となると、内部構造を直進する入射光が増加し、光拡散特性を示すことが困難になる場合があるためである。一方、光拡散制御フィルムの総膜厚が700μmを超えた値となると、光拡散制御フィルム用組成物に対して活性エネルギー線を照射して内部構造を形成する際に、初期に形成された内部構造によって光重合の進行方向が拡散してしまい、所望の内部構造を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、光拡散制御フィルムの総膜厚の下限値を80μm以上の値とすることがより好ましく、100μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、光拡散制御フィルムの総膜厚の上限値を450μm以下の値とすることがより好ましく、250μm以下の値とすることがさらに好ましい。
図2(a)に示す所定の内部構造を有する光拡散制御フィルム10´は、下記工程(a)〜(d)を含む製造方法によって製造することが好ましい。
(a)屈折率が異なる少なくとも2つの重合性化合物と、光重合開始剤と、を含む光拡散制御フィルム用組成物を準備する工程
(b)光拡散制御フィルム用組成物を工程シートに対して塗布し、塗布層を形成する工程
(c)塗布層に対して第1の活性エネルギー線照射を行い、塗布層の下方部分に第1の内部構造としてのルーバー構造を形成するとともに、塗布層の上方部分に内部構造未形成領域を残す工程
(d)塗布層に対して第2の活性エネルギー線照射を行い、内部構造未形成領域に第2の内部構造としてのカラム構造を形成する工程
以下、かかる製造方法について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
工程(a)は、所定の光拡散制御フィルム用組成物を準備する工程である。
より具体的には、屈折率が異なる2つの重合性化合物等を40〜80℃の高温条件下にて撹拌して、均一な混合液とすることが好ましい。
また、所望の粘度となるように、必要に応じて希釈溶剤をさらに加えることにより、光拡散制御フィルム用組成物の溶液を得ることが好ましい。
以下、工程(a)について、より具体的に説明する。
(i)−1 屈折率
屈折率が異なる2つの重合性化合物のうち、屈折率が高い方の重合性化合物(以下、(A)成分と称する場合がある。)の屈折率を1.5〜1.65の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(A)成分の屈折率が1.5未満の値となると、屈折率が低い方の重合性化合物(以下、(B)成分と称する場合がある。)の屈折率との差が小さくなり過ぎて、有効な光拡散特性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、(A)成分の屈折率が1.65を超えた値となると、(B)成分の屈折率との差は大きくなるものの、(B)成分との見かけ上の相溶状態さえも形成困難になる場合があるためである。
したがって、(A)成分の屈折率の下限値を、1.55以上の値とすることがより好ましく、1.56以上の値とすることがさらに好ましい。
また、(A)成分の屈折率の上限値を、1.6以下の値とすることがより好ましく、1.59以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、上述した(A)成分の屈折率とは、光照射により硬化する前の(A)成分の屈折率を意味する。
また、屈折率は、例えば、JIS K0062に準じて測定することができる。
また、(A)成分の種類は、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラシル、(メタ)アクリル酸ベンジルフェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸ナフチルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸アントラシルオキシアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジルフェニルオキシアルキル等、もしくは、これらの一部がハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル等によって置換されたもの等を挙げることができる。
また、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の両方を意味する。
また、(A)成分に由来した屈折率が相対的に高い領域の屈折率を高くして、(B)成分に由来した屈折率が相対的に低い領域の屈折率との差を、所定以上の値に、より容易に調節することができる。
また、光拡散制御フィルム用組成物における(A)成分の含有量を、後述する(B)成分100重量部に対して、25〜400重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(A)成分の含有量が25重量部未満の値となると、(B)成分に対する(A)成分の存在割合が少なくなって、(A)成分に由来した屈折率が相対的に高い領域の幅が、(B)成分に由来した屈折率が相対的に低い領域の幅と比較して過度に小さくなり、良好な光拡散特性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、(A)成分の含有量が400重量部を超えた値となると、(B)成分に対する(A)成分の存在割合が多くなって、(A)成分に由来した屈折率が相対的に高い領域の幅が、(B)成分に由来した屈折率が相対的に低い領域の幅と比較して過度に大きくなり、逆に良好な光拡散特性を得ることが困難になる場合があるためである。
したがって、(A)成分の含有量の下限値を、(B)成分100重量部に対して、40重量部以上の値とすることがより好ましく、50重量部以上の値とすることがさらに好ましい。
また、(A)成分の含有量の上限値を、(B)成分100重量部に対して、300重量部以下の値とすることがより好ましく、200重量部以下の値とすることがさらに好ましい。
(ii)−1 屈折率
(B)成分、すなわち屈折率が異なる2つの重合性化合物のうち、屈折率が低い方の重合性化合物の屈折率を1.4〜1.5の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、(B)成分の屈折率が1.4未満の値となると、(A)成分の屈折率との差は大きくなるものの、(A)成分との相溶性が極端に悪化し、所定の内部構造を形成することが困難になる場合があるためである。一方、(B)成分の屈折率が1.5を超えた値となると、(A)成分の屈折率との差が小さくなり過ぎて、所望の光拡散特性を得ることが困難になる場合があるためである。
したがって、(B)成分の屈折率の下限値を、1.45以上の値とすることがより好ましく、1.46以上の値とすることがさらに好ましい。
また、(B)成分の屈折率の上限値を、1.49以下の値とすることがより好ましく、1.48以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、上述した(B)成分の屈折率とは、光照射により硬化する前の(B)成分の屈折率を意味する。
また、屈折率は、例えば、JIS K0062に準じて測定することができる。
この理由は、かかる屈折率の差が0.01未満の値となると、入射光が所定の内部構造内で全反射する角度域が狭くなることから、光拡散特性の範囲が過度に狭くなる場合があるためである。一方、かかる屈折率の差が過度に大きな値となると、(A)成分と(B)成分の相溶性が悪化し過ぎて、所定の内部構造を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、(A)成分の屈折率と、(B)成分の屈折率との差の下限値を、0.05以上の値とすることがより好ましく、0.1以上の値とすることがさらに好ましい。
また、(A)成分の屈折率と、(B)成分の屈折率との差の上限値を、0.5以下の値とすることがより好ましく、0.2以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、ここでいう(A)成分および(B)成分の屈折率とは、光照射により硬化する前の(A)成分および(B)成分の屈折率を意味する。
また、(B)成分の種類は、特に限定されないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリロイル基含有シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、ウレタン(メタ)アクリレートとすることが好ましい。
この理由は、ウレタン(メタ)アクリレートであれば、(A)成分に由来した屈折率が相対的に高い領域の屈折率と、(B)成分に由来した屈折率が相対的に低い領域の屈折率との差を、より容易に調節できるばかりか、(B)成分に由来した屈折率が相対的に低い領域の屈折率のばらつきを効果的に抑制し、所定の内部構造を備えた光拡散制御フィルムを、より効率的に得ることができるためである。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味する。
また、光拡散制御フィルム用組成物においては、所望により、(C)成分として、光重合開始剤を含有させることが好ましい。
この理由は、光重合開始剤を含有させることにより、光拡散制御フィルム用組成物に対して活性エネルギー線を照射した際に、効率的に所定の内部構造を形成することができるためである。
ここで、光重合開始剤とは、紫外線等の活性エネルギー線の照射により、ラジカル種を発生させる化合物をいう。
なお、光重合開始剤を含有させる場合の含有量としては、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.2〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(iv)−1 種類
また、光拡散制御フィルム用組成物は、(D)成分として、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
この理由は、(D)成分として、紫外線吸収剤を含むことにより、活性エネルギー線を照射した際に、所定波長の活性エネルギー線を、所定の範囲で選択的に吸収することができるためである。
その結果、光拡散制御フィルム用組成物の硬化を阻害することなく、フィルム内に形成される第1の内部構造としてのルーバー構造に屈曲を生じさせることができるためである。
但し、以下のような機構であると推測される。
すなわち、紫外線吸収剤の添加量が少ない程、屈曲する角度が小さくなり、光拡散特性の範囲が狭くなる傾向が確認されている。
また、高圧水銀ランプの主波長である365nmの波長により近い箇所にピークを持つ紫外線吸収剤程、少ない添加量で屈曲が生じることが確認されている。
したがって、紫外線吸収剤により、高圧水銀ランプから発せられる紫外線の波長が制御される程、すなわち、高圧水銀ランプから発せられる紫外線における各波長の強度比が変化する程、塗布層における膜厚方向下方への重合進行が遅くなり、ある程度重合が進行した深さで重合の進行方向が変化しているものと推測される。
なお、重合の進行方向を変化させる因子としては、(A)成分と(B)成分における屈折率差が考えられるが、かかる屈折率差では、計算上、実際に確認されている程の屈曲は生じないことになる。
この理由は、これらの紫外線吸収剤であれば、第1の内部構造としてのルーバー構造に、より明確に屈曲を生じさせることができることから、得られる光拡散制御フィルムにおける光拡散特性の範囲を、より効果的に拡大することができるためである。
すなわち、高圧水銀ランプの主波長である365nmの波長に、より近い箇所にピークを持つこれらの紫外線吸収剤であれば、少ない添加量で屈曲を生じさせることが確認されているためである。
また、(D)成分が、波長330〜380nmの光に対して吸収ピークを有することが好ましい。
この理由は、(D)成分の吸収ピークが、当該範囲にあれば、高圧水銀ランプの主波長である365nmのエネルギーを効率的に吸収して、得られる光拡散制御フィルムに対して、効率的に屈曲を有するルーバー構造を形成することができるためである。
一方、吸収ピークが330nm未満の値となる紫外線吸収剤は、365nmの吸収が非常に小さいものが多い。そのため、このような紫外線吸収剤を使用しても、得られる光拡散制御フィルムにおいて十分な屈曲を有するルーバー構造を形成できない場合がある。
他方、吸収ピークが380nmを超える紫外線吸収剤は、確かに365nmの吸収も有することが多い。しかし、このような紫外線吸収剤は、紫外線領域全体に吸収を有することが多い上、365nmでの吸収を稼ぐためには添加量を増やす必要もある。その結果、吸収ピークが380nmを超える紫外線吸収剤を使用した場合、光拡散制御フィルムの硬化自体が阻害される場合がある。
したがって、(D)成分における吸収ピークを、波長335〜375nmの範囲内の値とすることがより好ましく、波長340〜370nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、光拡散制御フィルム用組成物における(D)成分の含有量を、(A)成分および(B)成分の合計量(100重量部)に対して、2重量部未満の値(但し、0重量部を除く。)とすることが好ましい。
この理由は、(D)成分の含有量をかかる範囲内の値とすることにより、光拡散制御フィルム用組成物の硬化を阻害することなく、フィルム内に形成される第1の内部構造としてのルーバー構造に屈曲を生じさせることができ、これにより、得られる光拡散制御フィルムにおける光拡散特性の範囲を効果的に拡大することができるためである。
すなわち、(D)成分の含有量が2重量部以上の値となると、光拡散制御フィルム用組成物の硬化が阻害されて、フィルム表面に収縮シワが生じたり、全く硬化しなくなったりする場合があるためである。一方、(D)成分の含有量が過度に少なくなると、フィルム内に形成される第1の内部構造としてのルーバー構造に対し、十分な屈曲を生じさせることが困難になる場合があるためである。
したがって、(D)成分の含有量の下限値を、(A)成分および(B)成分の合計量(100重量部)に対して、0.01重量部以上の値とすることがより好ましく、0.02重量部以上の値とすることがさらに好ましい。
また、(D)成分の含有量の上限値を、(A)成分および(B)成分の合計量(100重量部)に対して、1.5重量部以下の値とすることがより好ましく、1重量部以下の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、他の添加剤を添加することができる。
他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、重合促進剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、可塑剤、希釈溶剤、およびレベリング剤等が挙げられる。
なお、他の添加剤の含有量は、一般に、(A)成分および(B)成分の合計量(100重量部)に対して、0.01〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
工程(b)は、図7(a)に示すように、準備した光拡散制御フィルム用組成物を、工程シート2に対して塗布して塗布層1を形成する工程である。
工程シートとしては、プラスチックフィルム、紙のいずれも使用することができる。
このうち、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロース系フィルム、およびポリイミド系フィルム等が挙げられる。
また、紙としては、例えば、グラシン紙、コート紙、およびラミネート紙等が挙げられる。
また、後述する工程を考慮すると、工程シート2としては、熱や活性エネルギー線に対する寸法安定性に優れたフィルムであることが好ましい。
このようなフィルムとしては、上述したもののうち、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルムおよびポリイミド系フィルムが好ましく挙げられる。
かかる剥離層は、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、アルキッド系剥離剤、オレフィン系剥離剤等、従来公知の剥離剤を用いて形成することができる。
なお、工程シートの厚さは、通常、25〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、このとき、塗布層の厚さを、60〜700μmの範囲内の値とすることが好ましい。
工程(c)は、図7(b)に示すように、塗布層1に対して第1の活性エネルギー線照射を行い、塗布層1の下方部分に第1の内部構造としてのルーバー構造20tを形成するとともに、塗布層1の上方部分に内部構造未形成領域1´を残す工程である。
このような光70´は、例えば、線状光源125を用いることにより照射することができ、この場合、線状光源125の軸方向から見た場合には実質的に平行光に見え、他の方向から見た場合には非平行なランダム光に見えることになる。
この理由は、照射角が−80〜80°の範囲外の値となると、塗布層1の表面での反射等の影響が大きくなって、十分にルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。
なお、図8における矢印MDは、塗布層の移動方向を示す。
この理由は、電子線の場合、重合速度が非常に速いため、重合過程で(A)成分と(B)成分が十分に相分離できず、ルーバー構造を形成することが困難になる場合があるためである。一方、可視光等と比較した場合、紫外線の方が、その照射により硬化する紫外線硬化樹脂や、使用可能な光重合開始剤のバリエーションが豊富であることから、(A)成分および(B)成分の選択の幅を広げることができるためである。
この理由は、かかるピーク照度が0.1mW/cm2未満の値となると、内部構造未形成領域を十分に確保することができるものの、ルーバー構造を明確に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかるピーク照度が3mW/cm2を超えた値となると、内部構造未形成領域が存在しても、当該領域における硬化反応が進行し過ぎるものと推定され、後述する第2の活性エネルギー線照射工程において、第2の内部構造としてのカラム構造を十分に形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、第1の活性エネルギー線照射における塗布層表面のピーク照度の下限値を0.3mW/cm2以上の値とすることがより好ましく、0.5mW/cm2以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第1の活性エネルギー線照射における塗布層表面のピーク照度の上限値を2mW/cm2以下の値とすることがより好ましく、1.5mW/cm2以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる積算光量が5mJ/cm2未満の値となると、ルーバー構造を上方から下方に向けて十分に伸長させることが困難になったり、第2の内部構造としてのカラム構造を形成する際にルーバー構造が変化したりする場合があるためである。一方、かかる積算光量が100mJ/cm2を超えた値となると、内部構造未形成領域の硬化が進み過ぎて、後述する第2の活性エネルギー線照射工程において、第2の内部構造としてのカラム構造を十分に形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、第1の活性エネルギー線照射における塗布層表面における積算光量の下限値を7mJ/cm2以上の値とすることがより好ましく、10mJ/cm2以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第1の活性エネルギー線照射における塗布層表面における積算光量の上限値を50mJ/cm2以下の値とすることがより好ましく、30mJ/cm2以下の値とすることがさらに好ましい。
特に、0.2m/分以上の速度にて移動させることがより好ましく、また、3m/分以下の速度にて移動させることがより好ましい。
この理由は、酸素存在雰囲気下において第1の活性エネルギー線照射を行うことにより、塗布層の下方部分に効率的にルーバー構造を形成しつつ、酸素阻害の影響を利用して、塗布層の上方部分に安定的に内部構造未形成領域を残すことができるためである。
すなわち、仮に第1の活性エネルギー線照射を、酸素存在雰囲気下ではない、酸素が存在しない非酸素雰囲気下にて行った場合、フィルムの上部には内部構造未形成領域が残らず、フィルムのほぼ最表面まで連続的にルーバー構造が形成される場合があるためである。
なお、「酸素存在雰囲気下」とは、塗布層の上面が空気等の酸素を含む気体と直接接触している条件下を意味し、その中でも「空気雰囲気下」とは、塗布層の上面が空気と直接接触している条件下を意味する。
したがって、塗布層の上面にフィルムをラミネートしたり、あるいは、窒素パージを行ったりといった特定の手段を実施することなく、塗布層の上面をそのまま空気に露出させた状態で第1の活性エネルギー線照射を行うことが、「空気雰囲気下」での第1の活性エネルギー線照射に該当する。
工程(d)は、図7(c)に示すように、塗布層1に対して、さらに第2の活性エネルギー線照射を行い、内部構造未形成領域1´に第2の内部構造30としてのカラム構造30sを形成する工程である。
具体的には、照射光の平行度を10°以下の値とすることが好ましい。
この理由は、照射光の平行度をかかる範囲内の値とすることにより、複数の柱状物が膜厚方向に対して一定の傾斜角にて林立してなるカラム構造を、効率的、かつ、安定的に形成することができるためである。
したがって、平行光の平行度を5°以下の値とすることがより好ましく、2°以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかるピーク照度が0.1mW/cm2未満の値となると、第2の内部構造としてのカラム構造を明確に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる照度が20mW/cm2を超えた値となると、硬化速度が速くなり過ぎるものと推定され、第2の内部構造としてのカラム構造を有効に形成できない場合があるためである。
したがって、第2の活性エネルギー線照射における塗布層表面のピーク照度の下限値を0.3mW/cm2以上の値とすることがより好ましく、0.5mW/cm2以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第2の活性エネルギー線照射における塗布層表面のピーク照度の上限値を10mW/cm2以下の値とすることがより好ましく、5mW/cm2以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる積算光量が5mJ/cm2未満の値となると、第2の内部構造としてのカラム構造を、上方から下方に向けて十分に伸長させることが困難になる場合があるためである。一方、かかる積算光量が300mJ/cm2を超えた値となると、得られるフィルムに着色が生じる場合があるためである。
したがって、第2の活性エネルギー線照射における塗布層表面における積算光量の下限値を10mJ/cm2以上の値とすることがより好ましく、20mJ/cm2以上の値とすることがさらに好ましい。
また、第2の活性エネルギー線照射における塗布層表面における積算光量の上限値を200mJ/cm2以下の値とすることがより好ましく、150mJ/cm2以下の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、非酸素雰囲気下において第2の活性エネルギー線照射を行うことにより、第1の活性エネルギー線照射によって得られた内部構造未形成領域に、酸素阻害の影響を抑制して効率的に第2の内部構造としてのカラム構造を形成することができるためである。
すなわち、仮に第2の活性エネルギー線照射を、非酸素雰囲気下ではなく、酸素雰囲気下にて行った場合、高照度で照射すれば、表面近傍の非常に浅い位置に第2の内部構造としてのカラム構造を形成することができるかもしれないが、光拡散に必要な屈折率差を得ることができない場合があるためである。また、低照度で照射した場合には、酸素阻害の影響を受け、内部構造未形成領域に第2の内部構造としてのカラム構造を形成することができない場合があるためである。
なお、「非酸素雰囲気下」とは、塗布層の上面が酸素雰囲気、または酸素が含まれる雰囲気と直接接触していない条件下を意味する。
したがって、例えば、塗布層の上面にフィルムをラミネートしたり、あるいは、空気を窒素ガスで置換して、窒素パージを行ったりした状態で第2の活性エネルギー線照射を行うことが、「非酸素雰囲気下」での第2の活性エネルギー線照射に該当する。
すなわち、それぞれの活性エネルギー線照射における照射角を適宜調節するのみで、容易に各内部構造における屈折率が相対的に高い領域の傾斜角の組み合わせを調節することが可能になる。
本発明における所定の内部構造を有する光拡散制御フィルムについて、主に図2(a)に示す光拡散制御フィルム10´を例に挙げて説明してきたが、本発明における所定の内部構造を有する光拡散制御フィルムは、これに限定されるものではない。
例えば、図1に示すような、カラム構造のみを有する光拡散制御フィルム10であってもよい。
また、図9(a)に示すような、第1の内部構造20および第2の内部構造30が共にカラム構造(20s、30s)である光拡散制御フィルム10´´であってもよい。
かかる光拡散制御フィルム10´´は、図9(b)に示すように、その第1の内部構造20を構成する柱状物が屈曲部を有してなる屈曲カラム構造20s´であることがより好ましい。
また、図9(c)に示すような、第1の内部構造20が、屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い薄片状物を配列させてなる所定の内部構造20uであり、第2の内部構造30がカラム構造30sである光拡散制御フィルム10´´´であってもよい。
かかる光拡散制御フィルム10´´´は、図9(d)に示すように、その第1の内部構造20を構成する薄片状物が屈曲部を有してなる所定の屈曲内部構造20u´であることがより好ましい。
なお、図9(a)〜(d)に示す光拡散制御フィルムの詳細は、図2(a)に示す光拡散制御フィルムの詳細に準じる。
(1)光拡散特性
本発明における光拡散制御板は、上述したようなフィルム内に屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い複数の領域を備えた内部構造を有する光拡散制御フィルムを含んでなるとともに、図10(a)〜(c)に示すように、光拡散制御板の表面上において、直交する第1の方向D1および第2の方向D2を想定し、かつ、光拡散制御板に対する入射光の入射角を、光拡散制御板の表面の法線と平行な角度を0°として定義した場合に、直交する第1の方向D1および第2の方向D2の交点に対し、入射角θy=θ´y=0°の光を入射したときの拡散光の輝度をL0(cd/m2)とし、直交する第1の方向D1および第2の方向D2の交点に対し、第1の方向D1に沿って、入射角θyを−30〜30°(θ´y=0°)の範囲で変えながら光を入射したときの拡散光の輝度をL1(cd/m2)とし、直交する第1の方向D1および第2の方向D2の交点に対し、第2の方向D2に沿って、入射角θ´yを0〜30°(θy=0°)の範囲で変えながら光を入射したときの拡散光の輝度をL2(cd/m2)とした場合に、図11(a)〜(b)に示すように、L0、L1およびL2が常に下記関係式(1)および(2)を満足する第1の方向D1および第2の方向D2が存在することを特徴とする。
L1≧0.25×L0 (1)
L2≧0.25×L0 (2)
すなわち、L1の値が0.25×L0未満の値となると、入射角θyが30°未満の場合であっても、プロジェクションスクリーンの正面方向に光を十分に拡散させることが困難になることから、入射角θyが大きな値をとることとなる大画面への適用が困難になるためである。
また、同様に、L2の値が0.25×L0未満の値となると、入射角θ´yが30°未満の場合であっても、プロジェクションスクリーンの正面方向に光を十分に拡散させることが困難になることから、入射角θ´yが大きな値をとることとなる大画面への適用が困難になるためである。
したがって、下記関係式(1´)および(2´)を満足することがより好ましく、下記関係式(1´´)および(2´´)を満足することがさらに好ましい。
なお、L0、L1、L2および後述するL3(−30)は、光拡散制御板の正面方向において測定される輝度を意味する。
また、輝度の測定方法は、実施例において記載する。
また、図10(a)は光拡散制御板の平面図であり、図10(b)は図10(a)の光拡散制御板を矢印X方向に沿って眺めた側面図であり、図10(c)は図10(a)の光拡散制御板を矢印Y方向に沿って眺めた側面図である。
L2≧0.3×L0 (2´)
L1≧0.35×L0 (1´´)
L2≧0.35×L0 (2´´)
よって、第1の方向D1およびそれと直交する第2の方向D2の組み合わせは、光拡散制御板の表面内における方位角360°の中で無限に選択することができるが、そのうち1つの組み合わせでも関係式(1)および(2)を満足する場合は、本発明の範囲内となる。
また、第1の方向D1および第2の方向D2は、光拡散制御板を構成する光拡散制御フィルムにおける出射極性方向(PD)と同じ方向、もしくはその近傍の方向とすることで、関係式(1)および(2)を満足しやすくなる。
また、入射角θyの正負は、図10(b)に示すように、0°の状態から第1の方向D1に沿って入射角を広げた場合を正とし、その逆方向に入射角を広げた場合を負とする。
同様に、入射角θ´yの正負は、図10(c)に示すように、0°の状態から第2の方向D2に沿って入射角を広げた場合を正とし、その逆方向に入射角を広げた場合を負とする。
L3(−30°)<0.7×L0 (3)
すなわち、プロジェクションスクリーンは、通常、横方向においては左右両方向において幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させる必要が生じるが、縦方向においては上下のうちいずれか一方向において幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができれば、十分に実用化できるためである。
すなわち、例えば、ビルの屋上に設置される横長の長方形状のデジタルサイネージとして使用する場合には、D1を横方向と一致させるとともに、D2を縦方向と一致させ、かつ、上方からの入射光を効果的に拡散できる向きにプロジェクションスクリーンを設置する。
そして、光源となるプロジェクターをプロジェクションスクリーンの左右中央、かつ上下中央よりも上方に設置することで、プロジェクションスクリーンの正面、左右および下方からの視認が可能になる。
逆に、必要のない角度からの入射光まで拡散させようとすると、表示画像の明るさが低下しやすくなる傾向がある。
但し、光拡散制御フィルムをさらに積層すれば、全角度からの入射光を拡散させることも可能である。
以上の理由から、下記関係式(3´)を満足することがより好ましく、下記関係式(3´´)を満足することがさらに好ましい。
L3(−30°)<0.5×L0 (3´)
L3(−30°)<0.2×L0 (3´´)
L3(−30°)<L1(30°) (4)
L3(−30°)<L1(−30°) (5)
L3(−30°)<L2(30°) (6)
この理由は、透過ゲインを0.8以上の値とすることにより、表示される画像の明るさを効果的に保持しつつ、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができるためである。
すなわち、単に幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させるだけであれば、微粒子分散タイプの光拡散フィルムでも実現することが可能である。
あるいは、5枚以上の多数の光拡散制御フィルムを闇雲に積層することでも、実現できる場合がある。
しかしながら、これらの場合、拡散に供される入射光の角度や、拡散光の出射方向等が制御されていないことから、限りある入射光を過剰に拡散させてしまい、表示画像が暗くなるという問題が生じてしまう。
したがって、このような問題を抑制する観点から、入射角を0°としたときの透過ゲインを1.5以上の値とすることがより好ましく、1.9以上の値とすることがさらに好ましい。
一方、透過ゲインが過度に大きくなると、光拡散特性の範囲が過度に狭くなって、幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることが困難になり、ひいては、関係式(1)および(2)を満足することが困難になる場合がある。
したがって、入射角を0°としたときの透過ゲインの上限値を5以下の値とすることが好ましく、3以下の値とすることがより好ましく、2.5以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、透過ゲインとは、光拡散制御板により拡散した正面方向の光の強さが、完全拡散した場合と比較して、相対的にどの程度の強さかを示す指標である。
また、透過ゲインの測定方法は、実施例において記載する。
また、光拡散制御板が、複数の光拡散制御フィルムを積層してなるとともに、当該光拡散制御フィルムの積層枚数を4枚以下とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、画像ボケの発生を抑制し、かつ、製造効率を過度に低下させることなく、横方向および縦方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができるためである。
すなわち、例えば、図4に示すように、所定の光拡散制御フィルムを所定の態様で積層することにより、ある内部構造により拡散した拡散光が、次の内部構造で拡散されることが繰り返され、結果としてプロジェクションスクリーンとして良好な光拡散特性を得ることができるためである。
また、光拡散制御フィルムの積層は、粘着剤による積層、接着剤による積層、自着性により何も用いない積層等、どのような積層方法であってもよいが、粘着剤による積層が特に好ましい。
また、好適に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、エポキシ系、シリコーン系、ポリエステル系等が挙げられ、粘着剤層の厚さとしては、2〜200μmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このように構成することにより、プロジェクターからの入射光を、より均一に拡散させることができるためである。
すなわち、カラム構造側から光が垂直入射した場合は効率よく広い拡散領域を得ることができる一方、ルーバー構造側から入射した場合は先に線状の異方性拡散が起き、次いでカラム構造の拡散領域と重複する部分の光のみが円形に等方性拡散されるため、光拡散特性の範囲を安定的に拡大することが困難になる場合があるためである。
この理由は、このように構成することにより、「光拡散制御フィルム」の項において図4を用いて説明したように、プロジェクションスクリーン面内における縦方向および横方向における幅広い角度からの入射光を効果的に拡散させることができるためである。
この理由は、このように構成することにより、「光拡散制御フィルム」の項において図4を用いて説明したように、プロジェクションスクリーンにおける下方向および左右方向において、幅広い角度からの入射光をさらに効果的に拡散させることができるためである。
この理由は、このように構成することにより、幅広い角度からの入射光をさらに均一に拡散させることができるためである。
この理由は、光拡散制御板の厚さが186μm未満の値となると、使用する光拡散制御フィルムの膜厚が過度に薄くなって、プロジェクションスクリーンとして使用した際に、均一な拡散光が得られない場合があるためである。一方、光拡散制御板の厚さが3600μmを超えた値となると、焦点が合わず映像がボケたり、輝度が低下したりする場合があるためである。
したがって、光拡散制御板の厚さの下限値を255μm以上の値とすることがより好ましく、315μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、光拡散制御板の厚さの上限値を2000μm以下の値とすることがより好ましく、1200μm以下の値とすることがさらに好ましい。
また、プロジェクションスクリーンを構成するに際し、光拡散制御板を支持して取り扱い性を向上させる観点から、光拡散制御板の入射側に基材フィルムを積層することが好ましい。
かかる基材フィルムとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、アモルファスポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等を使用することが好ましい。
なお、基材フィルムの厚さは、通常、0.5〜10mmの範囲内の値とすることが好ましく、2〜8mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、光拡散制御板に対する基材フィルムの積層は、粘着剤による積層、接着剤による積層、自着性により何も用いない積層等、どのような積層方法であってもよいが、粘着剤による積層が特に好ましい。
一方、本発明のプロジェクションスクリーンをフロントプロジェクションスクリーンとして構成する場合には、少なくとも光拡散制御板および反射板を備えていればよく、必要に応じて、適宜、上述した基材フィルムや反射防止フィルム、粘着剤層等を積層すればよい。
1.低屈折率重合性化合物(B)成分の合成
容器内に、重量平均分子量9,200のポリプロピレングリコール(PPG)1モルに対して、イソホロンジイソシアナート(IPDI)2モル、および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2モルを収容した後、常法に従って反応させ、重量平均分子量9,900のポリエーテルウレタンメタクリレートを得た。
・GPC測定装置:東ソー(株)製、HLC−8020
・GPCカラム :東ソー(株)製、(以下、通過順に記載)
TSK guard column HXL−H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒 :テトラヒドロフラン
・測定温度 :40℃
次いで、得られた(B)成分としての重量平均分子量9,900のポリエーテルウレタンメタクリレート100重量部に対し、(A)成分としての上述した式(3)で表される分子量268のo−フェニルフェノキシエトキシエチルアクリレート(新中村化学(株)製、NKエステル A−LEN−10)150重量部と、(C)成分としての2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン20重量部((A)成分および(B)成分の合計量(100重量部)に対して8重量部)と、を添加した後、80℃の条件下にて加熱混合を行い、光拡散制御フィルム用組成物を得た。
なお、(A)成分および(B)成分の屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ(株)製、アッベ屈折計DR−M2、Na光源、波長589nm)を用いてJIS K0062に準じて測定したところ、それぞれ1.58および1.46であった。
次いで、得られた光拡散制御フィルム用組成物を、剥離処理を施した工程シートとしてのフィルム状の透明ポリエチレンテレフタレートに対して塗布し、膜厚200μmの塗布層を形成した。
次いで、図7(b)に示すように、線状光源を用いて、線状光源の軸方向から見た場合には実質的に平行光であり、他の方向から見た場合には非平行なランダム光に見える光を、図8に示す照射角θxがほぼ15°となるように塗布層1に対して照射した。
その際のピーク照度は1.12mW/cm2、積算光量は22.8mJ/cm2、ランプ高さは500mmとし、塗布層の移動速度は0.2m/分とした。
次いで、第1の紫外線照射工程を経た後、塗布層の露出面側を厚さ38μmの紫外線透過性を有する剥離フィルム(リンテック(株)製、SP−PET382050)によりラミネートして、非酸素雰囲気下の状態とした。
次いで、図7(c)に示すように、中心光線平行度を±3°以内に制御した紫外線スポット平行光源(ジャテック(株)製)を用い、平行度が2°以下の平行光を、図8に示す照射角θxがほぼ0°となるように、第1の紫外線照射工程と同じ側から剥離フィルム越しに塗布層に対して照射し、総膜厚200μmのルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルムを得た。
その際のピーク照度は1.18mW/cm2、積算光量は24.1mJ/cm2、ランプ高さは240mmとし、塗布層の移動速度は0.2m/分とした。
なお、上述したピーク照度および積算光量は、受光器を取り付けたUV METER(アイグラフィックス(株)製、アイ紫外線積算照度計UVPF−A1)を塗布層の位置に設置して測定した。
また、ルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルムの膜厚は、定圧厚さ測定器(宝製作所(株)製、テクロック PG−02J)を用いて測定した。
また、図12(a)に示すように、ルーバー構造の長さL1は113μmであり、その傾斜角θ1は13°であった。
また、カラム構造の長さL2は93μmであり、傾斜角θ2は0°であった。
また、カラム構造に由来した柱状物の先端が、ルーバー構造に由来した板状物の先端近傍に対して接触してなる重複内部構造が存在し、その長さL3は6μmであった。
また、重複内部構造におけるθ1−θ2の値は13°であった。
なお、光拡散制御フィルムの切断は剃刀を用いて行い、断面の写真の撮影はデジタルマイクロスコープ(キーエンス(株)製、VHX−2000)を用いて反射観察により行った。
また、図12(a)の模式図では、ルーバー構造における屈折率が相対的に高い板状領域を実線で示し、カラム構造における柱状物を点線で示す(以下において同じ)。
得られたルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルムの光拡散特性を評価した。
すなわち、工程シートと剥離フィルムにより挟まれた状態で得られたルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルムの剥離フィルム表面に粘着剤層を設け、厚さ1.1mmのソーダガラスに対して貼合し、評価用試験片とした。
次いで、コノスコープ(autronic−MELCHERS GmbH社製)を用いて、図13(a)に示すように、試験片のガラス側、つまりカラム構造側より、フィルム面に対し、入射角θyが0°の光を入射した。得られたコノスコープ画像を図13(b)に示す。
また、図14(a)〜(b)に示す内部構造としてカラム構造のみを有する光拡散制御フィルムを製造した。
すなわち、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルムは、光拡散制御フィルムを製造する際に、第1の紫外線照射を実施せず、第2の紫外線照射を、剥離フィルムをラミネートしない状態で、照射角0°、ピーク照度1.24mW/cm2、積算光量29.6mJ/cm2に変えて行い、その後、剥離フィルムをラミネートした状態で照射角がランダムな散乱光を照射して完全硬化させたほかは、図12(a)〜(b)に示すルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルムと同様にして製造した。
また、得られたカラム構造のみを有する光拡散制御フィルムの光拡散特性は、シンプルな等方性拡散であった。
次いで、得られた光拡散制御フィルムを複数枚積層して光拡散制御板とするとともに、得られた光拡散制御板に基材フィルムを積層してリアプロジェクションスクリーンとした。
すなわち、図15(a)に示すように、厚さ1.1mmのソーダガラス板側から順に、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)、図12(a)〜(b)に示す光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)を積層し、ソーダガラス板/透明粘着剤層/光拡散制御板(光拡散制御フィルムの積層体)/透明粘着剤層/基材フィルム積層体(=ソーダガラス板/透明粘着剤層/リアプロジェクションスクリーン積層体)を得た。
なお、基材フィルムとしては、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
また、ソーダガラス板は、リアプロジェクションスクリーンの被着体を想定して、積層体の構成要素とした。
(1)入射角を変化させた場合の光拡散特性
得られた試験片に対し、入射角を変化させた場合の光拡散特性を評価した。
すなわち、得られたソーダガラス板/透明粘着剤層/リアプロジェクションスクリーン積層体をそのまま評価用試験片とした。
次いで、コノスコープ(autronic−MELCHERS−GmbH社製)を用いて、図15(a)に示すように、試験片における下側、つまり基材フィルム側から、試験片に対して、紙面左右方向の入射角θyを−30°、−20°、−10°、0°、10°、20°、30°に変えながら光を入射した。
また、同様に、紙面直交方向の入射角θ´yについても、−30°、−20°、−10°、0°、10°、20°、30°に変えながら光を入射した。
そして、図15(a)に示すように、上側から試験片を見た場合のコノスコープ画像を図15(b)に示すとともに、各入射角に対応する拡散光を、スクリーンの正面方向から測定した輝度、すなわち各コノスコープ画像の座標系における原点の輝度(cd/m2)を表1に示す。
なお、輝度は、コノスコープにより測定した。
また、得られた試験片に対し、基材側から、スクリーン面に対し、入射角θy=θ´y=0°の垂直な光を入射し、透過ゲインを測定した。
すなわち、まず、試験片に対し、入射角θy=θ´y=0°の垂直な光を光源から入射して、コノスコープにより正面輝度を測定し、試験片の正面輝度(cd/m2)を得た。
次いで、光源の照度を照度計(日置電気(株)製、ルクスハイテスタ3423)を用いて測定した後、得られた照度をπで割り、完全拡散光の正面輝度(cd/m2)を算出した。
次いで、試験片の正面輝度(cd/m2)を、完全拡散光の正面輝度(cd/m2)で割り、透過ゲイン(−)を算出した。得られた結果を表1に示す。
また、得られた試験片に対し、基材側から、スクリーン面に対し、入射角θy=θ´y=0°の垂直な光を入射した場合の拡散光の明るさを、スクリーンの射出側正面から目視にて確認した。
そして、市販のリアプロジェクションスクリーンに対し同様の条件で光を入射した場合の拡散光の明るさと比較し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
このとき、市販のリアプロジェクションスクリーンとしては、含有微粒子によって光を拡散させるタイプのリアプロジェクションスクリーンである三菱製紙(株)製のsaivis MRPS−W100を用いた。
◎:市販のリアプロジェクションスクリーンと比較して極めて明るい
○:市販のリアプロジェクションスクリーンと比較して若干明るい
△:市販のリアプロジェクションスクリーンと比較して同等の明るさである
×:市販のリアプロジェクションスクリーンと比較して暗い
また、得られた試験片に対し、プロジェクターを用いて、異なる角度から特定の画像を表示するための光を入射し、目視にて画像の品質を評価した。
すなわち、図16に示すように、プロジェクターの正面に、プロジェクターとの距離が1mとなるように試験片を配置した。
このとき、プロジェクターからの光が、基材フィルム側から入射する向きに試験片を配置した。
次いで、プロジェクターからの光を、スクリーン面に対し、入射角θy=θ´y=0°となるように入射し、試験片の出射側正面から、目視にて試験片に投影された画像を確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示すとともに、このとき得られた写真を図17(a)に示す。
また、試験片の位置をスクリーン面と平行に横にずらし、プロジェクターからの入射光を、スクリーン面に対し、入射角θy=−20°、θ´y=0°となるように入射し、試験片の出射側正面から、目視にて試験片に投影された画像を確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示すとともに、このとき得られた写真を図17(b)に示す。
さらに、試験片の位置をスクリーン面と平行に横にずらし、プロジェクターからの入射光を、スクリーン面に対し、入射角θy=−30°、θ´y=0°となるように入射し、試験片の出射側正面から、目視にて試験片に投影された画像を確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示すとともに、このとき得られた写真を図17(c)に示す。
また、図17(a)〜(c)からは、θy=0、−20、−30°のいずれの場合においても、試験片面に投影された画像における明暗のムラが極めて少なく、かつ、画像が実用上十分に明るいことが分かる。
◎:θy=0、−20、−30°で試験片に投影した画像の全てにおいて、目視による面内輝度が均一であり、かつ、画像が実用上十分に明るい
〇:θy=0、−20、−30°で試験片に投影した画像のうち2つにおいて、目視による面内輝度が均一であり、かつ、画像が実用上十分に明るい
△:θy=0、−20、−30°で試験片に投影した画像のうち1つにおいて、目視による面内輝度が均一であり、かつ、画像が実用上十分に明るい
×:θy=0、−20、−30°で試験片に投影した画像の全てにおいて、目視による面内輝度が不均一であり、かつ、画像が実用上十分に明るい
実施例2では、図18(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図19に示す屈曲ルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、図12(a)〜(b)に示す光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図18(b)および表1に示す。
実施例3では、図20(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図19に示す屈曲ルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図20(b)および表1に示す。
実施例4では、図21(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)、図19に示す屈曲ルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図21(b)および表1に示す。
実施例5では、図22(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図12(a)〜(b)に示すルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図22(b)および表1に示す。
実施例6では、図23(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図12(a)〜(b)に示すルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図23(b)および表1に示す。
実施例7では、図24(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)、図25(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:←)、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図24(b)および表1に示す。
実施例8では、図26(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)、図27(a)〜(b)に示すカラム−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図26(b)、図28(a)〜(c)および表2に示す。
また、図28(a)〜(c)からは、θy=0、−20、−30°のいずれの場合においても、試験片面に投影された画像における明暗のムラが極めて少なく、かつ、画像が実用上十分に明るいことが分かる。
実施例9では、図29(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)、図30(a)〜(b)に示す屈曲カラム−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図29(b)および表2に示す。
また、光拡散制御フィルムを製造する際に、第1の紫外線照射として、平行度が2°以下の平行光を、照射角20°、ピーク照度1.05mW/cm2、積算光量21.4mJ/cm2の条件で実施したほかは、実施例1の図12(a)〜(b)に示すルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルムと同様にして製造した。
実施例10では、図31(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)、図12(a)〜(b)に示すルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図31(b)および表2に示す。
実施例11では、図32(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図27(a)〜(b)に示すカラム−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図32(b)および表2に示す。
実施例12では、図33(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図30(a)〜(b)に示す屈曲カラム−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図33(b)および表2に示す。
実施例13では、図34(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)、図12(a)〜(b)に示すルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図34(b)および表2に示す。
比較例1では、図35(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図12(a)〜(b)に示すルーバー−カラム構造を有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:●、PD:●)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図35(b)および表3に示す。
比較例2では、図36(a)に示すように、光拡散制御板として、図14(a)〜(b)に示すカラム構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:無し、PD:無し)を単独で用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図36(b)、図37(a)〜(c)および表3に示す。
また、図37(a)〜(c)からは、特にθy=0、−20°のときに、カラム構造のみを有する光拡散制御フィルムによる光拡散特性の範囲が狭いことに起因して、辺縁部分が暗くなっていることが分かる。
比較例3では、図38(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図39(a)〜(b)に示すルーバー構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:無し)、同光拡散制御フィルム(ID:●、PD:無し)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図38(b)、図40(a)〜(c)および表3に示す。
また、図40(a)〜(c)からは、θy=0°であっても、拡散光の均一性が低く、明暗のムラが発生していることが分かる。また、θy=−20、−30°のときには、光拡散特性の範囲が狭いことに起因して左右方向によける片側が暗くなっていることが分かる。
比較例4では、図41(a)に示すように、光拡散制御板として、ソーダガラス板側から順に、図42(a)〜(b)に示すルーバー構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:←)、同光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:→)、図39(a)〜(b)に示すルーバー構造のみを有する光拡散制御フィルム(ID:⇔、PD:無し)、同光拡散制御フィルム(ID:●、PD:無し)を積層してなる積層体を用いたほかは、実施例1と同様にリアプロジェクションスクリーンを製造し、評価した。得られた結果を図41(b)、図43(a)〜(c)および表3に示す。
また、図43(a)〜(c)からは、光拡散特性の範囲は拡大しているものの、θy=0、−20、−30°のいずれの場合においても、拡散光の均一性が低く、明暗のムラが発生していることが分かる。
したがって、本発明のプロジェクションスクリーンは、プロジェクションスクリーンの高品質化に著しく寄与することが期待される。
Claims (11)
- 光拡散制御板を備えたプロジェクションスクリーンであって、
前記光拡散制御板が、フィルム内部に、屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い複数の領域を備えた内部構造を有する光拡散制御フィルムを含んでなるとともに、
前記光拡散制御板の表面上において、直交する第1の方向および第2の方向を想定し、かつ、前記光拡散制御板に対する入射光の入射角を、前記光拡散制御板の表面の法線と平行な角度を0°として定義した場合に、
前記直交する第1の方向および第2の方向の交点に対し、入射角が0°の光を入射したときの拡散光の輝度をL0(cd/m2)とし、
前記直交する第1の方向および第2の方向の交点に対し、前記第1の方向に沿って、前記入射角を−30〜30°の範囲で変えながら光を入射したときの拡散光の輝度をL1(cd/m2)とし、
前記直交する第1の方向および第2の方向の交点に対し、前記第2の方向に沿って、前記入射角を0〜30°の範囲で変えながら光を入射したときの拡散光の輝度をL2(cd/m2)とした場合に、
前記L0、L1およびL2が常に下記関係式(1)および(2)を満足する前記第1の方向および第2の方向が存在することを特徴とするプロジェクションスクリーン。
L1≧0.25×L0 (1)
L2≧0.25×L0 (2) - 前記直交する第1の方向および第2の方向の交点に対し、前記第2の方向に沿って、前記入射角が−30°の光を入射したときの拡散光の輝度をL3(−30°)(cd/m2)とした場合に、前記L3(−30°)が下記関係式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクションスクリーン。
L3(−30°)<0.7×L0 (3) - 前記光拡散制御板において、前記入射角を0°としたときの透過ゲインを0.8以上の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記光拡散制御板が、複数の光拡散制御フィルムを積層してなるとともに、当該光拡散制御フィルムの積層枚数を4枚以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記光拡散制御フィルムが、フィルム内部に、屈折率が相対的に低い領域中に屈折率が相対的に高い複数の領域を備えた第1の内部構造および第2の内部構造を、フィルム膜厚方向に沿って下方から順次に有する単一層の光拡散層を有する光拡散制御フィルムを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記第1の内部構造の上端部の位置と、前記第2の内部構造の下端部の位置とが膜厚方向において重なり合う重複内部構造を有することを特徴とする請求項5に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記重複内部構造の厚さを1〜40μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項6に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記第1の内部構造における前記屈折率が相対的に高い領域のフィルム面の法線に対する傾斜角θ1を0〜80°の範囲内の値とするとともに、前記第2の内部構造における前記屈折率が相対的に高い領域のフィルム面の法線に対する傾斜角θ2を0〜45°の範囲内の値とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記第1の内部構造が、屈折率が相対的に低い領域中に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物をフィルム膜厚方向に林立させてなるカラム構造、または、屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に配置してなるルーバー構造であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記第2の内部構造が、屈折率が相対的に低い領域中に、屈折率が相対的に高い複数の柱状物をフィルム膜厚方向に林立させてなるカラム構造、または、屈折率が異なる複数の板状領域をフィルム面に沿った任意の一方向に交互に配置してなるルーバー構造であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載のプロジェクションスクリーン。
- 前記光拡散制御板の厚さを186〜3600μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロジェクションスクリーン。
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