JP2018173447A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性が向上されると共に、良好な光学特性及び耐擦傷性を示す反射防止フィルムを提供する。【解決手段】透明基材フィルムの少なくとも一方面に第1中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、第2中屈折率層の順に4層の光学調整層を積層した反射防止フィルムであって、前記第1中屈折率層が、無機材料を含む層であり、前記高屈折材料が、無機材料を含む層であり、前記低屈折率層がバインダー樹脂と無機微粒子とを含む硬化層であり、前記第2中屈折率層が、酸化珪素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウムから選ばれる1つまたは複数の材料を主成分とする層であり、前記第2中屈折率層の表面に、シランカップリング基を有するフッ素系滑剤を主成分とする滑剤層が形成されてあることを特徴とする反射防止フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止フィルムに関する。
反射防止フィルムは、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、プロジェクションディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)等の様々な表示装置、タッチパネル、光学レンズ、眼鏡レンズ、フォトリソグラフィープロセスにおける反射防止処理、太陽電池パネル表面の反射防止処理等の様々な分野で利用されている。
このような反射防止フィルムとしては、透明基材フィルム上に無機化合物の透明薄膜を積層させた多層反射防止フィルムが従来から用いられている。例えば、特許文献1には、無機化合物の透明薄膜を乾式法により形成し、積層する方法が開示されている。乾式法としては、真空蒸着、スパッタ法、CVD法等をあげることができる。
また、乾式法に代えて、湿式法により反射防止フィルムを形成する方法が提案されている。特許文献2には、湿式法により、透明基材フィルム上に、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層の各層の形成材料成分の、光学的機能層を塗布により形成し、反射防止フィルムを形成する方法が開示されている。モノマーを塗布する工程と、モノマーを重合させてポリマー形成する工程を繰り返すことで各光学的機能層を順次形成する。
特開昭61−245449号公報 特開平2−245702号公報
しかしながら、特許文献1に開示された乾式法による無機化合物の多層蒸着膜は、反射防止フィルムとしては優れた光学特性を有しているが、基材サイズの限定や処理時間を有するため、生産性が低く大量生産には適していないという問題があった。また、特許文献2に開示された、湿式法により反射防止フィルムを形成する方法は、製造が容易で生産性が高いとの特徴があるが、乾式法で製造した反射防止フィルムよりも光学特性、耐擦傷性が低いという問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、生産性が向上されると共に、良好な光学特性及び耐擦傷性を示す反射防止フィルムの提供を目的とする。
本発明の上記目的は、透明基材フィルムの少なくとも一方面に第1中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、第2中屈折率層の順に4層の光学調整層を積層した反射防止フィルムであって、前記第1中屈折率層が、無機材料を含む層であり、前記高屈折材料が、無機材料を含む層であり、前記低屈折率層がバインダー樹脂と無機微粒子とを含む硬化層であり、前記第2中屈折率層が、酸化珪素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウムから選ばれる1つまたは複数の材料を主成分とする層であり、前記第2中屈折率層の表面に、シランカップリング基を有するフッ素系滑剤を主成分とする滑剤層が形成されてあることを特徴とする反射防止フィルムにより達成される。
また、この反射防止フィルムにおいて、前記第1中屈折率層の膜厚は85〜150nmであり、屈折率は1.55〜1.60であることが好ましい。
また、前記高屈折率層の膜厚は20〜55nmであり、屈折率は1.65〜1.75であることが好ましい。
また、前記低屈折率層の膜厚は50〜100nmであり、屈折率は1.30〜1.40であることが好ましい。
また、前記第2中屈折率層の膜厚は10〜50nmであり、屈折率は1.41〜1.50であることが好ましい。
また、前記無機材料を含む層が、バインダー樹脂と無機微粒子とを含む硬化層であることが好ましい。
また、 前記第2中屈折率層、前記高屈折率層、前記低屈折率層、前記第1中屈折率層の順に膜厚が大きいことが好ましい。
また、荷重400g/cmのスチールウール摺動耐久性が往復100回以上であることが好ましい。
本発明によれば、生産性が向上されると共に、良好な光学特性及び耐擦傷性を示す反射防止フィルムを提供することができる。
本発明に係る反射防止フィルムの概略構成断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る反射防止フィルムについて、添付図面を参照して説明する。なお、図面においては、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。本発明に係る反射防止フィルム1は、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、プロジェクションディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)等の様々な表示装置、タッチパネル、光学レンズ、眼鏡レンズ、フォトリソグラフィープロセスにおける反射防止処理、太陽電池パネル表面の反射防止処理等の様々な分野で利用されるものであり、図1の概略構成断面図に示すように、透明基材フィルム2の少なくとも一方面に、第1中屈折率層3と、高屈折率層4と、低屈折率層5と、第2中屈折率層6と、滑剤層7とを備えている。ここで、第1中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5及び第2中屈折率層6の4層からなる積層体は、反射防止特性を発揮する光学調整層である。また、この光学調整層を有する反射防止フィルム1は、フィルム表面での視感度平均反射率が1.0%以下であることが好ましい。なお、本実施形態においては、透明基材フィルム2の一方面側に第1中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5及び第2中屈折率層6の順に4層の光学調整層を配置する構成であるが、この光学調整層に加えて、透明基材フィルム2の他方面側に、第1中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、第2中屈折率層の順に4層の第2の光学調整層を更に配置する構成を採用することもできる。
透明基材フィルム2は、フィルム本体21と、第1ハードコート層22と、第2ハードコート層23とを備えて構成されている。フィルム本体21としては、透明有機高分子材料を用いることが好ましい。透明有機高分子材料は、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、有機高分子化合物をフィルムとしたものを用いる事ができる。この有機高分子化合物としては、透明な有機高分子であれば特に限定されないが、優れた反射防止性能をしめすためには透明基板2の透過率は80%以上、さらには86%以上であることが好ましく、ヘイズは、2.0%以下、さらには1.0%以下であることが好ましく、屈折率は1.50〜1.60であることが好ましい。なお、有機高分子化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等をあげることができる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。
第1ハードコート層22は、フィルム本体21の一方面側に形成されており、第2ハードコート層23は、フィルム本体21の他方面側に形成されている。第1中屈折率層3は、第2ハードコート層23の上に積層されており、高屈折率層4は、第1中屈折率層3上に積層されて構成されている。また、低屈折率層5は、高屈折率層4上に積層されており、第2中屈折率層6は、低屈折率層5上に積層されて構成されている。また、滑剤層7は、第2中屈折率層6上に積層されて構成されている。ここで、第2中屈折率層6、高屈折率層4、低屈折率層5、第1中屈折率層3の順に膜厚が大きくなるように形成されることが好ましい。
透明基材フィルム2におけるフィル本体21の膜厚は、通常13〜400μm程度、好ましくは25〜300μm程度である。また、フィル本体21には、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23との密着力を高めるため、易接着層と呼ばれる層を設けることもできる。フィル本体21には、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤として、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23は、反射防止フィルム1の表面強度を担保するための層であり、フィルムへの傷防止のために、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23は形成しておくことが好ましい。第1ハードコート層22の屈折率は、1.50〜1.60の範囲内のものが好ましい。また、第2ハードコート層23の屈折率は、1.50〜1.65の範囲内のものが好ましく、1.50〜1.60がさらに好ましい。なお、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23の屈折率が、上記数値範囲に含まれない場合、フィル本体21と第1ハードコート層22(第2ハードコート層23)の屈折率差から生じる干渉により、干渉ムラが顕著に表れたり、反射防止フィルム1の反射特性として色相の設計が難しくなる場合があるため、好ましくない。
第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23の厚みは、共に、1〜50μmが好ましい。ハードコート層の膜厚が1μm未満の場合には、十分な表面強度が得られないため好ましくない。その一方、膜厚が50μmを超える場合には、耐屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。
また、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23を形成する材料としては、電離放射線硬化型材料や、熱硬化型材料を用いることができる。電離放射線硬化型材料は、例えばアクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線硬化型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
また、電離放射線硬化型材料は紫外線により硬化されるため、ハードコート層形成用塗液には光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類を用いることができる。
また、熱硬化性材料としては、例えばオルガノポリシロキサンを用いることができる。オルガノポリシロキサンからなる層は、オルガノシロキサンを出発原料として湿式法に従い加水分解および脱水重縮合によりえられた層であり、シロキサン(Si−O)骨格に基づく三次元網目構造のポリマーネットワークをなすように構成されている。
さらに、ハードコート層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
また、ハードコート層形成用塗液にはその他添加剤を加えても良い。添加剤としては、例えば消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤などが挙げられる。
また、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23の硬度としては、それぞれ、鉛筆硬度でH以上であることが実用上好ましいが、フィル本体21の影響も受けるためこの限りではない。第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23は、フィル本体21に直接接して設けてもよく、フィル本体21との密着性を向上するための層を介してフィル本体21の上に設けてもよい。また、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23を形成するにあたっては、表面を平滑にしてもよい。
第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23の形成方法としては、ウェットコーティング法とされる、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等を採用することができ、フィル本体21の面上にハードコート層形成用塗液を塗布することにより形成することができる。特に、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23は、薄く、均一に層を形成する必要性があることから、マイクログラビアコーティング法を用いることが好ましい。また、第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23として、厚い層を構成する必要が生じた場合には、ダイコーティング法を用いることが好ましい。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、フィルム本体21の両面にそれぞれ第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23を形成するように構成しているが、いずれか一方のハードコート層、或いは、両方のハードコート層を省略して透明基材フィルム2を構成してもよい。
次に、第1中屈折率層3について説明する。第1中屈折率層3は、無機材料を含む層であり、第1中屈折率層形成塗液を第2ハードコート層23の表面に塗布して、湿式成膜法により形成することができる。なお、このとき中屈折率層単層の膜厚(d1)は、光学シミュレーションにより最適な値になるように設計される。中屈折率層形成塗液としては、バインダマトリックス形成材料に高屈折率微粒子を分散させたものを用いることができる。本発明の第1中屈折率層3の膜厚(d1)は、光学干渉層としての特性から、85nm〜150nmの範囲内にあることが好ましく、105nm〜130nmの範囲内にあることがさらに好ましい。また、第1中屈折率層3の屈折率(n1)は1.55〜1.60までの範囲内にあることが望ましい。第1中屈折率層3の屈折率(n1)は、低屈折率層5の屈折率と、高屈折率層4の屈折率との間の値であって、第2中屈折率層6の屈折率よりも大きい値となるように調整される。
第1中屈折率層形成塗液に分散される高屈折率微粒子としては、例えば、ZrO、TiO、Nb、ITO、ATO、Sb、Sb、SnO、In、ZnO等の高屈折率材料からなる無機微粒子を用いることができる。本発明で使用される高屈折率微粒子の形状は、特に限定されないが、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状または不定形状が好ましい。本発明における無機微粒子は、単独で用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもできる。
また、高屈折率微粒子の平均粒子径は、1nm以上かつ100nm以下であることが好ましい。高屈折率微粒子の平均粒子径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、第1中屈折率層3のヘイズ値が高くなってしまい、反射防止フィルム1の透明性が低下するおそれがある。一方、高屈折率微粒子の平均粒子径が1nm未満の場合、粒子の凝集により、第1中屈折率層3における粒子の不均一性等の問題が生じるおそれがある。
また、第1中屈折率層3を形成するためのバインダマトリックス形成材料としては、紫外線硬化型材料を含む。紫外線硬化型材料としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性モノマー、または単官能性モノマーを含有する紫外線硬化型材料が用いられる。紫外線硬化型材料としては、例えば、第1及び第2ハードコート層23に用いられる電離放射線硬化型材料として例示した、単官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物であるアクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料の中でも、所望する分子量および分子構造を設計することができ、形成される第1中屈折率層3の物性のバランスを容易にとることが可能である点から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネートおよび水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
なお、第1中屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒を加えることができる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から、塗工適性等を考慮して適宜選択して用いることができる。
また、第1中屈折率層3を形成するためのバインダマトリックス形成材料として紫外線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより第1中屈折率層3を形成する場合には、第1中屈折率層形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであればよく、具体例としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物、チオキサンソン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が例示できる。また、ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等が例示できる。オキシムエステル系化合物としては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等が例示できる。チオキサンソン系化合物としては、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が例示できる。トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が例示できる。ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が例示できる。また、キノン系化合物としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等を例示できる。光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、第1中屈折率層形成用塗液にはその他添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、光増感剤等が挙げられる。
第1中屈折率層3を形成する方法としては、第1中屈折率層形成用塗液を第2ハードコート層23の表面に塗布し、第1中屈折率層3を形成する湿式成膜法による方法と、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法といった真空中で第1中屈折率層3を形成する真空成膜法による方法とに分けられるが、特に限定されるものではない。しかしながら、本発明においては、安価に反射防止フィルム1を製造することができるという点から、湿式成膜法を採用することが好ましい。
次に、第1中屈折率層3上に形成される高屈折率層4について説明する。 高屈折率層4は、無機材料を含む層であり、高屈折率層形成塗液を第1中屈折率層3上の表面に塗布し、湿式成膜法により形成することができる。なお、このとき高屈折率層4単層の膜厚(d2)は、光学シミュレーションにより最適な値になるように設計される。また、高屈折率層4の膜厚(d2)は、光学干渉層としての特性から、20nm〜55nmの範囲内にあることが好ましく、30nm〜45nmの範囲内にあることがさらに好ましい。
本発明の高屈折率層4の屈折率(n2)は、反射防止フィルム1の色付きを抑制する観点からは、1.65〜1.75の範囲内にあることが特に好ましい。高屈折率層4の屈折率(n2)を調整する手段は、高屈折率微粒子の添加量が支配的である。高屈折率微粒子としては、第1中屈折率層形成塗液に記載した高屈折率材料を用いることができる。また、高屈折率微粒子は、第1中屈折率層形成塗液に記載した無機化合物および/または有機化合物での表面処理を行うことができる。
高屈折率層4を形成するためのバインダマトリックス形成材料としては、紫外線硬化型材料を含む。紫外線硬化型材料としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性モノマー、または単官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂が用いられる。紫外線硬化型材料としては、第1中屈折率層3に用いられる紫外線硬化型材料として例示したアクリル系材料を用いることができる。
なお、高屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、例えば、第1中屈折率層3の用いられる溶媒として例示したものを用いることができる。また、添加剤としては、添加剤としては、例えば消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、光増感剤等が挙げられる。
また、高屈折率層4を形成するためのバインダマトリックス形成材料として紫外線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより高屈折率層4を形成する場合には、高屈折率層形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、第1中屈折率層形成用塗液に加えられる光重合開始剤として例示したものを用いることができる。
高屈折率層4を形成する方法としては、高屈折率層形成用塗液を第1中屈折率層3の表面に塗布し、高屈折率層4を形成する湿式成膜法による方法と、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法といった真空中で高屈折率層4を形成する真空成膜法による方法とに分けられるが、特に限定されるものではない。しかしながら、本発明においては、安価に反射防止フィルム1を製造することができるという点から、湿式成膜法を採用することが好ましい。
次に、高屈折率層4上に形成される低屈折率層5について説明する。低屈折率層5は、バインダー樹脂と無機微粒子とを含む硬化層であり、低屈折率層形成塗液を、高屈折率層4の表面に塗布し、湿式成膜法により形成することができる。なお、このとき低屈折率層5単層の膜厚(d3)は、光学シミュレーションにより最適な値になるように設計される。また、低屈折率層5の膜厚(d3)は、光学干渉層としての特性から、50nm〜100nmの範囲内にあることが好ましく、70nm〜90nmの範囲内にあることがさらに好ましい。
本発明の低屈折率層5の屈折率(n3)は、1.30から1.40までの範囲内にあることが望ましく、1.32から1.38であることがさらに望ましい。低屈折率層5の屈折率(n3)は、できるだけ低い方が空気(屈折率=1)の屈折率に近づき低反射率を実現しやすいものの、低屈折率材料(低屈折率微粒子)を低屈折率層形成塗液中に多量に添加する必要があるため、機械強度が低くなり傷がつきやすくなる。一方、低屈折率層5の屈折率(n3)が1.40以上の場合、空気との屈折率の差が大きくなり、反射率が上昇してしまうため好ましくない。
低屈折率層形成塗液に含まれる低屈折率微粒子としては、例えば、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.4)、もしくはNaAlF(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折率材料からなる微粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有するシリカ粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有するシリカ粒子は、空隙の部分を空気の屈折率(約1.0)とすることができるので、非常に低い屈折率を備える低屈折率微粒子とすることができる。具体的には、多孔質シリカ粒子、シェル(殻)構造のシリカ粒子を用いることができる。
低屈折率微粒子の平均粒子径は、1nm以上かつ100nm以下であることが好ましい。低屈折率微粒子の平均粒子径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層5が白化して反射防止フィルム1の透明性が低下するおそれがある。一方、低屈折率微粒子の平均粒子径が1nm未満の場合、粒子の凝集により、低屈折率層5における粒子の不均一性等の問題が生じるおそれがある。
低屈折率層5を形成するためのバインダマトリックス形成材料としては、紫外線硬化型材料や、熱硬化型材料を用いることができ、紫外線硬化型材料としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性モノマー、または単官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂が用いられる。紫外線硬化型材料としては、第1中屈折率層3に用いられる紫外線硬化型材料として例示したアクリル系材料を用いることができ、熱硬化型材料としては、例えばオルガノポリシロキサンを用いることができる。オルガノポリシロキサンからなる層は、オルガノシロキサンを出発原料として湿式法に従い加水分解および脱水重縮合によりえられた層であり、シロキサン(Si−O)骨格に基づく三次元網目構造のポリマーネットワークをなすように構成されている。
なお、低屈折率層5を形成するための低屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、例えば、第1中屈折率層3に用いられる溶媒として例示したものを用いることができる。また、添加剤としては、例えば消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、光増感剤等が挙げられる。
また、低屈折率層5を形成するためのバインダマトリックス形成材料として紫外線硬化型材料を用い、紫外線を照射することにより低屈折率層5を形成する場合には、低屈折率層形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、第1中屈折率層形成用塗液に加えられる光重合開始剤として例示したものを用いることができる。
低屈折率層5を形成する方法としては、低屈折率層形成用塗液を高屈折率層4の表面に塗布し、第1中屈折率層3を形成する方法として例示した方法を採用することができる。
次に、低屈折率層5上に形成される第2中屈折率層6について説明する。第2中屈折率層6は、低屈折率層5よりも屈折率が高く、第1中屈折率層3やフィル本体21よりも屈折率が低い層である。この第2中屈折率層6は、酸化珪素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウムから選ばれる1つまたは複数の材料を主成分とする層であり、乾式法を用いて形成することが好ましい。この乾式法によれば、一般的に、湿式法に比べ、より精密な膜厚制御が可能であり、成膜の密着性、均一性が良い等の利点がある。特に密着性においては、湿式法による場合は、接する他の層の濡れ性に依存する事が多く、他の層の材料によっては十分に密着性が得られない場合もある。しかし、乾式法を用いた場合は、比較的他の層の濡れ性に関わらず高い密着性を得る事が出来る。
第2中屈折率層6の材料としては、酸化珪素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等があげられるが、特に酸化珪素が好ましい。酸化珪素は低屈折率層5とも高い密着性を示し、さらに、第2中屈折率層6上の最表面に滑剤層7を設けるが、酸化珪素は、他の材料よりもシランカップリング基を有するフッ素系滑剤を主成分とする滑剤層7と高い密着性を示すので好ましい。第2中屈折率層6を形成する方法としては特に限定されないが、例えば、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの真空成膜プロセスを用いることができるが、特に密着性の面からスパッタリング法が好ましい。
本発明の第2中屈折率層6の屈折率(n4)は、1.40から1.50までの範囲内にあることが望ましい。第2中屈折率層6の屈折率(n4)は、できるだけ低い方が空気(屈折率=1)の屈折率に近づき低反射率を実現しやすいものの、第2中屈折率層6としての特性発現に好適な材料の屈折率に制限がある。一方、第2中屈折率層6の屈折率(n4)が1.50以上の場合、空気との屈折率の差が大きくなり、反射率が上昇してしまうため好ましくない。
第2中屈折率層6の膜厚は、低屈折率層5の最表面に形成されるため、反射防止性を得られる膜厚であることに加え、耐擦傷性を示す膜厚でなければならない。反射防止性、耐擦傷性を得られる膜厚であれば限定されないが、第2中屈折率層6の膜厚は、10nm〜50nmであることが好ましく、20nm〜40nmの範囲内にあることがさらに好ましい。
次に、第2中屈折率層6上に形成される滑剤層7について説明する。滑剤層7は、第2中屈折率層6を汚れから保護し、耐擦傷性を向上させるために設けられるものであり、反射防止フィルム1の最表面を構成する。この滑剤層7は、フッ素含有シラン化合物を滑剤コート層形成用組成物に含有することが好ましく、フルオロアルキル基またはフルオロアルキルエーテル基を有するシラン化合物溶液をコーティングして作製する。特に、フッ素含有シラン化合物がポリシラザンもしくはアルコキシシランであることが好ましい。なお、滑剤層7の膜厚は、0.1nm〜15nmであることが好ましい。更には、1nm〜10nmであることが好ましい。
また、上述のフルオロアルキル基またはフルオロアルキルエーテル基を有するシラン化合物のなかでも、シラン化合物中のフルオロアルキル基が、Si原子1つに対し、1つ以下の割合でSi原子と結合されており、残りは加水分解性基もしくはシロキサン結合基であるシラン化合物が好ましい。ここでいう加水分解性の基としては、例えばアルコキシ基等の基であり、加水分解によりヒドロキシル基となり、それにより前記シラン化合物は重縮合物を形成する。
例えば、上記シラン化合物は水と(必要なら酸触媒の存在下)、副生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃の範囲で反応させる。これによりアルコキシシランは(部分的に)加水分解し、一部縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を有する加水分解物として得ることができる。加水分解、縮合の程度は、反応させる水の量により適宜調節することができるが、本発明においては、滑剤層7に用いるシラン化合物溶液に積極的には水を添加せず、調製後、主として乾燥時に、空気中の水分等により加水分解反応を起こさせるため溶液の固形分濃度を薄く希釈して用いることが好ましい。
なお、好ましくは、滑剤層7形成用組成物において、上述のフルオロアルキル基を有するシラン化合物は下記一般式(1)で表され、かつ該シラン化合物の濃度を0.01〜5質量%に希釈した溶液として用いることができる。
一般式(1) CF3(CF2)m(CH2)n−Si−(ORa)3
ここにおいて、mは1〜10の整数。nは0〜10の整数。Raは同一もしくは異なるアルキル基を表す。
前記一般式(1)で表される化合物中、Raは炭素原子数3つ以下であり炭素と水素のみからなるアルキル基、例えば、メチル、エチル、イソプロピル等の基が好ましい。
これら本発明において好ましく用いられるフルオロアルキル基またはフルオロアルキルエーテル基を有するシラン化合物としては、CF3(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CH2)2Si(OC3H7)3、CF3(CH2)2Si(OC4H9)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC3H7)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC2H5)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC3H7)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)(OC3H7)2、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)2OC3H7、CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OCH3)2、CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OC2H5)2、CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OC3H7)2、(CF3)2CF(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3、C7F15CONH(CH2)3Si(OC2H5)3、C8F17SO2NH(CH2)3Si(OC2H5)3、C8F17(CH2)2OCONH(CH2)3Si(OCH3)3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2、CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)(OC2H5)2、CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)(OC3H7)2、CF3(CF2)7(CH2)2Si(C2H5)(OCH3)2、CF3(CF2)7(CH2)2Si(C2H5)(OC3H7)2、CF3(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2、CF3(CH2)2Si(CH3)(OC2H5)2、CF3(CH2)2Si(CH3)(OC3H7)2、CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2、CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)(OC3H7)2、CF3(CF2)2O(CF2)3(CH2)2Si(OC3H7)、C7F15CH2O(CH2)3Si(OC2H5)3、C8F17SO2O(CH2)3Si(OC2H5)3、C8F17(CH2)2OCHO(CH2)3Si(OCH3)3などがあげられるが、この限りでない。
上記フッ素系シラン化合物としては、例えば信越化学工業株式会社製KP801M、ダイキン工業株式会社製オプツールDSX、フロロテクノロジー株式会社製FG5010などがあげられる。
上記構成を有する反射防止フィルム1は、第1中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5が湿式法によって形成されると共に、第2中屈折率層6が乾式法によって形成されるため、生産性を向上させることが可能であり、また、製造コストを低減させることが可能となる。また、第1中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5、第2中屈折率層6をこの順で積層して構成される光学調整層の表面に滑剤層7を積層して反射防止フィルム1を構成しているため、極めて優れた反射防止特性を発揮しつつ、高い耐擦傷性を発揮することが可能となる。
以下に実施例を揚げて本発明の具体的な態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
[フィル本体21]
フィル本体21として、厚さ188μm、幅300mmのPETフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」)を用意する。
[第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23の形成]
荒川化学工業株式会社製「オプスター」(屈折率 1.5)をテスター産業株式会社製SA-203 バーコーターROD No.10でフィル本体21の両面にそれぞれ塗布形成後、80℃2分にて有機溶媒を揮発させた。次に、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射することで約5μmの厚みを有する第1ハードコート層22及び第2ハードコート層23を形成した。
[第1中屈折率層3の形成]
東洋インキ株式会社製「リオデュラス」(屈折率 1.6)をメチルイソブチルケトンを用い濃度を6.0重量%に希釈する。次に、第2ハードコート層23上にこの塗料をオーエスジーシステムプロダクツ株式会社製 D-Bar#2で塗布形成後、80℃2分間有機溶媒を揮発させた。次に、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射することで、115nmの第1中屈折率層3を形成した。
[高屈折率層4の形成]
東洋インキ株式会社製「リオデュラス」(屈折率 1.65)をメチルイソブチルケトンを用い濃度を2.0重量%に希釈する。次に、第1中屈折率層3上にこの塗料をオーエスジーシステムプロダクツ株式会社製 D-Bar#2で塗布形成後、80℃2分間有機溶媒を揮発させた。次に、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射することで、40nmの高屈折率層4を形成した。
[低屈折率層5の形成]
荒川工業株式会社製「オプスター」 (屈折率 1.32)をメチルイソブチルケトンを用い濃度を3.5重量%に希釈する。次に、高屈折率層4の上にこの塗料をオーエスジーシステムプロダクツ株式会社製 D-Bar#2で塗布形成後、80℃2分間有機溶媒を揮発させた。次に、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射することで、70nmの低屈折率層5を形成した。
[第2中屈折率層6の形成]
成膜装置内部に、成膜対象のシートを載置する。装置内部を十分に減圧した後にアルゴンガスと酸素ガスを導入し、ターゲットにSi材料を用いてスパッタリングを実施した。これにより低屈折率層5の上に、厚さ30nmの酸化珪素膜を成膜し、第2中屈折率層6を形成した。この第2中屈折率層6の屈折率は、1.46である。
[滑剤層7の形成]
ダイキン工業株式会社製「オプツール」を、パーフルオロヘキサンを用い、濃度を0.1重量%に希釈する。次に、この塗料を第2中屈折率層65の酸化珪素膜表面にテスター産業株式会社製SA-203 バーコーターROD No.4にて塗布して120℃5分間乾燥することで、最終厚み約2nmの滑剤層78を得た。
上記の作製工程を得て、第1ハードコート層22/フィル本体21/第2ハードコート層23/第1中屈折率層3/高屈折率層4/低屈折率層5/第2中屈折率層6/滑剤層7からなる実施例1に係る反射防止フィルム1を作製した。
(実施例2)
高屈折率層4の屈折率1.75に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を125nm、高屈折率層4を35nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
(実施例3)
高屈折率層4の屈折率1.70に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を85nm、高屈折率層4を55nm、低屈折率層5を65nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
(実施例4)
高屈折率層4の屈折率1.70に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を150nm、高屈折率層4を20nm、低屈折率層5を100nm、第2中屈折率層6を10nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
(実施例5)
高屈折率層4の屈折率1.70に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、高屈折率層4を55nm、低屈折率層5を50nm、第2中屈折率層6を50nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
(実施例6)
高屈折率層4の屈折率1.70に変更し、加えて、第1中屈折率層3の屈折率1.55、低屈折率層5の屈折率を1.38に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を115nm、高屈折率層4を45nm、低屈折率層5を75nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
ここで、実施例1〜6は、第2中屈折率層6、高屈折率層4、低屈折率層5、第1中屈折率層3の順に膜厚が大きくなるように構成されている。
(比較例1)
高屈折率層4の屈折率1.70に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を125nm、高屈折率層4を35nm、低屈折率層5を85nm、第2低屈折率層5を5nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
(比較例2)
高屈折率層4の屈折率1.70に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を130nm、高屈折率層4を50nm、低屈折率層5を50nm、第2中屈折率層6を60nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
(比較例3)
高屈折率層4の屈折率1.70に変更し、加えて、塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を80nm、高屈折率層4を35nm、低屈折率層5を85nm、第2中屈折率層6を30nmに変更した。その他の構成は実施例1と同じである。
(比較例4)
塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を160nmに変更した。その他の構成は比較例3と同じである。
(比較例5)
塗料濃度を適宜調整し、第1中屈折率層3を125nm、高屈折率層4を15nmに記変更した。その他の構成は比較例3と同じである。
(比較例6)
塗料濃度を適宜調整し、高屈折率層4を60nmに変更した。その他の構成は比較例5と同じである。
(比較例7)
塗料濃度を適宜調整し、高屈折率層4を35nm、低屈折率層51を40nmに変更した。その他の構成は比較例6と同じである。
(比較例8)
塗料濃度を適宜調整し、低屈折率層5を110nmに変更した。その他の構成は比較例7と同じである。
[耐擦傷性の評価]
実施例と、比較例の反射防止フィルム1について、摺動試験機を用いて、以下の各条件で反射防止フィルム1表層のこすりテストを行った。
こすり材:試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×2cm)にスチールウール(日本スチールウール株式会社製、No.0000)を巻いて、動かないようバンド固定した。
<条件1> 移動距離(片道):7cm、こすり速度:14cm/秒、荷重:400g/cm、先端部接触面積:1cm×2cm、こすり往復回数:0往復〜100往復
<条件2>移動距離(片道):7cm、こすり速度:14cm/秒、荷重:600g/cm、先端部接触面積:1cm×2cm、こすり往復回数:0往復〜100往復

反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
○:非常に注意深く確認しても、全く傷が見えない。
△:注意深く確認すると、傷が見える。
×:明らかな傷が確認できる。
その実験結果を表1に示す。なお、この表1においては、上述の実施例1〜6、及び、比較例1〜8に係る反射防止フィルム1における第1中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5、第2中屈折率層6の屈折率及び膜厚の関係を併せて記載している。

Figure 2018173447
この表1に示す結果より、本発明に係る実施例1〜6の反射防止フィルム1は、荷重400g/cmのスチールウール摺動耐久性が往復100回以上であり、耐擦傷性の耐久性が高いことが分かる。特に、第2中屈折率層6の膜厚が、30nm以上の実施例1,2,3,5,6については、荷重600g/cmのスチールウール摺動耐久性が往復100回以上であり、極めて優れた耐擦傷性の耐久性を有することが分かる。
[視感反射率の評価]
実施例と、比較例の反射防止フィルム1について、JIS Z8701に基づき視感反射率を計算より求めた。視感反射率は、380nm〜780nmの範囲の反射防止層の反射スペクトルから標準の光Cにおける3刺激値(XYZ)を求め、そのYの値が視感反射率となる。実施例、比較例の各反射防止フィルム1の視感反射率を求め表2に示す。なお、この表2においては、上述の実施例1〜6、及び、比較例1〜8に係る反射防止フィルム1における第1中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5、第2中屈折率層6の屈折率及び膜厚の関係を併せて記載している。
Figure 2018173447
この表2に示す結果より、本発明に係る実施例1〜6の反射防止フィルム1は、視感度反射率が、いずれも1%以下となっており、極めて優れた反射防止特性を示すことが確認された。
一方、第2中屈折率層6の厚みが10nm〜50nmの範囲に含まれない比較例2(第2中屈折率層6の厚み:60nm)は、視感度反射率が1.20となり、実施例1〜6と比較して反射防止特性が劣ることがわかる。また、低屈折率層5の厚みが50nm〜100nmの範囲に含まれない比較例7(低屈折率層5の厚み:40nm)や比較例8(低屈折率層5の厚み:110nm)は、視感度反射率が、それぞれ、1.67、2.55となり、実施例1〜6と比較して反射防止特性が劣ることがわかる。また、高屈折率層4の厚みが20nm〜55nmの範囲に含まれない比較例5(高屈折率層4の厚み:15nm)は、視感度反射率が、1.42となり、実施例1〜6と比較して反射防止特性が劣ることがわかる。また、第1中屈折率層3の厚みが85nm〜150nmの範囲に含まれない比較例4(第1中屈折率層3の厚み:80nm)は、視感度反射率が、1.08となり、実施例1〜6と比較して反射防止特性がやや劣ることがわかる。
なお、比較例1、比較例4及び比較例6に係る反射防止フィルム1については、視感度反射率が1.0以下であり、反射防止特性が、実施例1〜6に係る反射防止フィルム1と同等である結果であるが、比較例1は、耐擦傷性が低く、また、比較例4及び比較例6は、反射色相におけるa*及びb*が、−15≦a*≦15、−15≦b*≦15の数値範囲に入っておらず、反射光に対して色味が付くことを効果的に抑制することが難しいことが分かる。
[反射色相の評価]
実施例と、比較例の反射防止フィルム1の第2中屈折率層6表面について、分光光度計(日立製作所製、U-4100)を用い、入射角5°における分光反射率を測定し、得られた分光反射率曲線から反射光の色相を求め、この色相がCIE1976L*a*b*色空間において、−15≦a*≦15、−15≦b*≦15を満たすかどうかを判定した。なお、測定の際にはフィル本体21であるPETフィルムのうち第1中屈折率層3が形成されてない側の面に粘着層を介して黒色アクリル板を貼り合せ、反射防止の処置をおこなった。判定基準を以下に示す。
○:目的の反射色相を満たす。
×:目的の反射色相を満たさない。
その実験結果を表3に示す。なお、この表3においては、上述の実施例1〜6、及び、比較例1〜8に係る反射防止フィルム1における第1中屈折率層3、高屈折率層4、低屈折率層5、第2中屈折率層6の屈折率及び膜厚の関係を併せて記載している。
Figure 2018173447
この表3に示す結果より、本発明に係る実施例1〜6の反射防止フィルム1は、色相がCIE1976L*a*b*色空間において、−15≦a*≦15、−15≦b*≦15を満たすことから、いずれも、反射光に対しても色味が付くことを効果的に抑制する効果が認められる。
一方、第2中屈折率層6の厚みが10nm〜50nmの範囲に含まれない比較例2(第2中屈折率層6の厚み:60nm)は、反射色相におけるb*が−20.58となり、−15≦b*≦15の数値範囲に入っておらず、反射光に対して色味が付くことを抑制することが難しいことが分かる。また、低屈折率層5の厚みが50nm〜100nmの範囲に含まれない比較例8(低屈折率層5の厚み:110nm)は、反射色相におけるb*が−18.53となり、−15≦b*≦15の数値範囲に入っておらず、反射光に対して色味が付くことを抑制することが難しいことが分かる。また、高屈折率層4の厚みが20nm〜55nmの範囲に含まれない比較例6(高屈折率層4の厚み:60nm)は、反射色相におけるa*が19.41となり、b*が−32.26となり、−15≦a*≦15、−15≦b*≦15の数値範囲に入っておらず、反射光に対して色味が付くことを抑制することが難しいことが分かる。また、第1中屈折率層3の厚みが85nm〜150nmの範囲に含まれない比較例3(第1中屈折率層3の厚み:80nm)は、反射色相におけるb*が−19.01となり、−15≦b*≦15の数値範囲に入っておらず、反射光に対しても色味が付くことを抑制することが難しいことが分かる。また、比較例4(第1中屈折率層3の厚み:160nm)は、反射色相におけるa*が22.53となり、b*が−31.91となり、−15≦a*≦15、−15≦b*≦15の数値範囲に入っておらず、反射光に対しても色味が付くことを抑制することが難しいことが分かる。
なお、比較例1、比較例5及び比較例7に係る反射防止フィルム1については、反射色相におけるa*及びb*が、−15≦a*≦15、−15≦b*≦15の数値範囲を満たすものであり、反射光に対して色味が付くことを抑制できるものではあるが、比較例1は、上述のように、耐擦傷性が低く、また、比較例5及び比較例7は、視感度反射率が、1.0よりも大きいため、実施例1〜6と比較して反射防止特性が劣る。
1 反射防止フィルム
2 透明基材フィルム
21 フィルム本体
22 第1ハードコート層
23 第2ハードコート層
5 第1中屈折率層
6 高屈折率層
7 低屈折率層
8 第2中屈折率層
9 滑剤層
本発明の上記目的は、透明基材フィルムの少なくとも一方面に第1中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、第2中屈折率層の順に4層の光学調整層を積層した反射防止フィルムであって、前記第1中屈折率層が、無機材料を含む層であり、前記高屈折材料が、無機材料を含む層であり、前記低屈折率層がバインダー樹脂と無機微粒子とを含む硬化層であり、前記第2中屈折率層が、酸化珪素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウムから選ばれる1つまたは複数の材料を主成分とする層であり、前記第2中屈折率層の表面に、シランカップリング基を有するフッ素系滑剤を主成分とする滑剤層が形成されており、前記第1中屈折率層の膜厚は85〜150nmであり、前記高屈折率層の膜厚は20〜55nmであり、前記低屈折率層の膜厚は50〜100nmであり、前記第2中屈折率層の膜厚は10〜50nmであり、前記第1中屈折率層の屈折率は1.55〜1.60であり、前記第2中屈折率層の屈折率は1.41〜1.50であることを特徴とする反射防止フィルムにより達成される。
また、前記高屈折率層屈折率は1.65〜1.75であることが好ましい。
また、前記低屈折率層屈折率は1.30〜1.40であることが好ましい。

Claims (8)

  1. 透明基材フィルムの少なくとも一方面に第1中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層、第2中屈折率層の順に4層の光学調整層を積層した反射防止フィルムであって、
    前記第1中屈折率層が、無機材料を含む層であり、
    前記高屈折材料が、無機材料を含む層であり、
    前記低屈折率層がバインダー樹脂と無機微粒子とを含む硬化層であり、
    前記第2中屈折率層が、酸化珪素、フッ化マグネシウム、フッ化リチウムから選ばれる1つまたは複数の材料を主成分とする層であり、
    前記第2中屈折率層の表面に、シランカップリング基を有するフッ素系滑剤を主成分とする滑剤層が形成されてあることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記第1中屈折率層の膜厚は85〜150nmであり、屈折率は1.55〜1.60であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記高屈折率層の膜厚は20〜55nmであり、屈折率は1.65〜1.75であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記低屈折率層の膜厚は50〜100nmであり、屈折率は1.30〜1.40であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  5. 前記第2中屈折率層の膜厚は10〜50nmであり、屈折率は1.41〜1.50であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  6. 前記無機材料を含む層が、バインダー樹脂と無機微粒子とを含む硬化層であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  7. 前記第2中屈折率層、前記高屈折率層、前記低屈折率層、前記第1中屈折率層の順に膜厚が大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  8. 荷重400g/cmのスチールウール摺動耐久性が往復100回以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の反射防止フィルム。

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