JP2018173237A - 冷凍サイクル - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の始動時に過渡的に生じる異常状態を防ぐことの可能な冷凍サイクルを提供する。【解決手段】冷凍サイクル1のメイン回路2は、圧縮機5で圧縮された冷媒を凝縮器6で凝縮させ、中間熱交換器7を経由させた後、第1膨張弁8で減圧して蒸発器9で蒸発させ、圧縮機5に循環させる。インジェクション回路3は、凝縮器6と中間熱交換器7とを接続する配管に設けられた分岐部15から分流した冷媒を、温度式の第2膨張弁17で減圧し、中間熱交換器7でメイン回路2を流れる冷媒と熱交換させた後、圧縮機5に注入する。制御装置4は、圧縮機5の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するときに圧縮機5の回転数が変化する変化速度を、通常変化速度より遅くする。【選択図】図1

Description

本発明は、インジェクション回路を備えた冷凍サイクルに関するものである。
従来、冷凍車等の庫内温度を調整する冷凍サイクルにおいて、冷凍能力を高めると共に、成績係数(COP)を向上するため、インジェクション回路を備えたものが知られている。
特許文献1に記載の冷凍サイクルは、インジェクション回路に設けられる温度式膨張弁の上流側に電磁弁を設けている。この冷凍サイクルは、運転を開始した直後に、その電磁弁のインチング動作を複数回行うことで、温度式膨張弁から中間熱交換器を介して圧縮機に注入される冷媒の流量を規制している。これにより、この冷凍サイクルは、運転開始時に、温度式膨張弁が必要以上に開いている場合でも、インジェクション回路から圧縮機に注入される冷媒の流量を規制することで、圧縮機の駆動力の増大や、圧縮機への液バック現象などを防いでいる。また、特許文献1には、インジェクション回路に温度式膨張弁と電磁弁を設けることに代えて、制御装置により流路開度を調整可能な電子式膨張弁などを設けることも提案されている。
特許第5463192号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷凍サイクルは、インジェクション回路に電磁弁を設けていることで、部品点数が増加し、製造上のコストが増大するといった問題がある。また、インジェクション回路に対し、温度式膨張弁に代えて、電子式膨張弁などを設ければ、その流路開度調整のための制御が複雑となるといった問題がある。
ところで、特許文献1は、冷凍サイクルの運転開始時に、温度式膨張弁が必要以上に開いている場合に、インジェクション回路から圧縮機に注入される冷媒の流量の増加を防ぐものである。これに対し、冷凍サイクルの運転開始時、または運転中の圧縮機のサーモオフからサーモオンへの切替時に、温度式膨張弁の流路が閉じているか又は流路開度が小さいと、上記とは別の問題が生じることがある。すなわち、その場合、メイン回路の圧力および温度が急激に高くなることで、圧縮機の吐出圧も急激に高くなるといった異常状態が過渡的に生じることがある。その際、圧縮機の吐出圧の上昇を防ぐため、圧縮機の作動を停止すると、冷凍サイクルの冷凍性能に影響が生じることが懸念される。
本発明は上記点に鑑みて、圧縮機の始動時に過渡的に生じる異常状態を防ぐことの可能な冷凍サイクルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の冷凍サイクルは、圧縮機(5、51、52)で圧縮された冷媒を凝縮器(6)で凝縮させ、中間熱交換器(7)を経由させた後、第1膨張弁(8)で減圧して蒸発器(9)で蒸発させ、前記圧縮機に循環させるメイン回路(2)と、
前記凝縮器と前記中間熱交換器とを接続する配管に設けられた分岐部(15)から分流した冷媒を、前記中間熱交換器より下流側を流れる冷媒の過熱度に応じて流路開度が自動調整される温度式の第2膨張弁(17)で減圧し、前記中間熱交換器で前記メイン回路を流れる冷媒と熱交換させた後、前記圧縮機に注入するインジェクション回路(3)と、
前記圧縮機の回転数を0rpmより大きい回転数から所定の指示回転数に変更するときに前記圧縮機の回転数が変化する通常変化速度より、前記圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するときに前記圧縮機の回転数が変化する変化速度を遅くする制御装置(4)と、を備える。
これによれば、圧縮機の回転数が0rpmから所定の指示回転数に変更されるとき(以下、「圧縮機の始動時」という)、圧縮機の吐出圧が上昇する速度が遅くなる。そのため、メイン回路の冷媒圧力が比較的小さい状態にある時間が長くなり、その間に、温度式の第2膨張弁の流路開度が、中間熱交換器の下流側を流れる冷媒の過熱度に対応したものとなる。したがって、この冷凍サイクルは、圧縮機の始動時に、メイン回路の圧力および温度が急激に高くなることで圧縮機の吐出圧も急激に高くなる等の異常状態が過渡的に生じることを防ぐことができる。
また、請求項1に係る発明の冷凍サイクルは、温度式膨張弁を使用し、さらに上述した特許文献1に記載の冷凍サイクルのように電磁弁などの部品を追加することなく、圧縮機の始動時に過渡的に生じる異常状態を防ぐことができる。
請求項3に係る発明の冷凍サイクルは、圧縮機(5、51、52)で圧縮された冷媒を凝縮器(6)で凝縮させ、中間熱交換器(7)を経由させた後、第1膨張弁(8)で減圧して蒸発器(9)で蒸発させ、前記圧縮機に循環させるメイン回路(2)と、
前記凝縮器と前記中間熱交換器とを接続する配管に設けられた分岐部(15)から分流した冷媒を、前記中間熱交換器より下流側を流れる冷媒の過熱度に応じて流路開度が自動調整される温度式の第2膨張弁(17)で減圧し、前記中間熱交換器で前記メイン回路を流れる冷媒と熱交換させた後、前記圧縮機に注入するインジェクション回路(3)と、
前記圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するとき、前記圧縮機の回転数を所定の指示回転数より小さい中間回転数で所定時間保持した後、その中間回転数から所定の指示回転数に変化させる制御装置(4)と、を備える。
これによれば、圧縮機の始動時、圧縮機の回転数が中間回転数で保持されている間、メイン回路の冷媒圧力は比較的小さい状態に維持される。その間に、温度式の第2膨張弁の流路開度が、中間熱交換器の下流側を流れる冷媒の過熱度に対応したものとなる。したがって、この冷凍サイクルは、圧縮機の始動時に、メイン回路の圧力および温度が急激に高くなることで圧縮機の吐出圧も急激に高くなる等の異常状態が過渡的に生じることを防ぐことができる。
また、請求項3に係る発明の冷凍サイクルも、請求項1に係る発明と同様、温度式膨張弁を使用し、さらに電磁弁などの部品を追加することなく、圧縮機の始動時に過渡的に生じる異常状態を防ぐことができる。
なお、上記各構成に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載する具体的構成との対応関係の一例を示したものである。
第1実施形態に係る冷凍サイクルの概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る冷凍サイクルの制御方法を示すフローチャートである。 圧縮機の始動時の回転数の変化速度と、通常変化速度とを比較したグラフである。 第2実施形態に係る冷凍サイクルの制御処理を示すフローチャートである。 圧縮機の始動時の回転数の変化と、通常時の回転数の変化とを比較したグラフである。 第3実施形態に係る冷凍サイクルの制御処理を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る冷凍サイクルの制御処理を示すフローチャートである。 第5実施形態に係る冷凍サイクルの制御処理を示すフローチャートである。 第6実施形態に係る冷凍サイクルの制御処理を示すフローチャートである。 第7実施形態に係る冷凍サイクルの制御処理を示すフローチャートである。 第8実施形態に係る冷凍サイクルの概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の冷凍サイクルは、例えば、冷凍車等の庫内空間の温度を調整することに用いられるものである。
図1に示すように、冷凍サイクル1は、メイン回路2、インジェクション回路3および制御装置4などを備えている。メイン回路2は、圧縮機5、凝縮器6、中間熱交換器7、第1膨張弁8および蒸発器9などが配管により接続されている。
圧縮機5は、電動式の圧縮機であり、図示していない電動モータ、および、その電動モータにより回転駆動される図示していない冷媒圧縮部を有している。電動モータは、交流モータまたは直流モータなど、種々の電動機を採用可能である。電動モータは、制御装置4の駆動信号により回転が制御される。冷媒圧縮部は、例えばロータリ式圧縮機構またはスクロール式圧縮機構など、種々の圧縮機構を採用可能である。本実施形態の冷媒圧縮部は、1回転に対する冷媒の吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構である。冷媒圧縮部は、モータの回転に同期して回転する。以下の説明で、圧縮機5の回転というときは、モータと冷媒圧縮部の両方の回転をいうものとする。
冷媒圧縮部は、低圧冷媒吸入口5aから供給される冷媒と、中間圧冷媒吸入口5b(すなわち、インジェクションポート)から供給される冷媒を圧縮し、冷媒吐出口5cから冷媒を吐出する構成を備えている。低圧冷媒吸入口5aは、メイン回路2のうちアキュムレータ11側の配管に接続されており、メイン回路2から冷媒を吸入する。中間圧冷媒吸入口5bは、インジェクション回路3に接続されており、インジェクション回路3から冷媒が注入される。冷媒吐出口5cは、メイン回路2のうち凝縮器6側の配管に接続されており、メイン回路2に冷媒を吐出する。
圧縮機5の冷媒吐出口5c側の配管には、凝縮器6の冷媒入口が接続されている。凝縮器6は、凝縮器用の送風機12から送風された外気と冷媒との熱交換により、冷媒を凝縮させる熱交換器である。凝縮器用の送風機12は、制御装置4の駆動信号により駆動が制御される。
凝縮器6の冷媒出口側には、レシーバ13が設けられている。レシーバ13は、凝縮器6から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒に分離し、液相冷媒のみを下流側へ送り出している。レシーバ13の下流側の配管には、冷凍バルブ14および分岐部15を介して、中間熱交換器7が設けられている。分岐部15から圧縮機5の中間圧冷媒吸入口5bまでの間を、インジェクション回路3が接続している。中間熱交換器7およびインジェクション回路3については、後述する。
中間熱交換器7の冷媒出口側の配管には、第1膨張弁8が設けられている。第1膨張弁8は、中間熱交換器7から流出した冷媒を減圧膨張させる減圧装置である。本実施形態の第1膨張弁8は、温度式膨張弁であり、蒸発器9の冷媒入口側の配管に接続される流路調整機構8aと、蒸発器9の冷媒出口側に設けられる感温部8bとを有している。第1膨張弁8は、感温部8bによって検出された過熱度が予め設定された所定値に近づくよう、流路調整機構8aの流路開度が機械的機構により自動調整される。
第1膨張弁8が有する流路調整機構8aの冷媒出口側の配管には、蒸発器9の冷媒入口が接続されている。蒸発器9は、蒸発器用の送風機16によって庫内空間を循環する空気と、第1膨張弁8から流出した気液二相状態の冷媒とを熱交換させる熱交換器である。蒸発器用の送風機16は、制御装置4の駆動信号により駆動が制御され、庫内を循環する空気を蒸発器9に送風する。蒸発器用の送風機16により蒸発器9に送風された空気は、蒸発器9を流れる冷媒の蒸発潜熱による吸熱作用により冷却される。なお、図1では、蒸発器用の送風機16の駆動により蒸発器9に送風される空気が流れる方向を、符号AFを付した矢印で示している。
蒸発器9の冷媒出口側には、アキュムレータ11が設けられている。アキュムレータ11は、蒸発器9から流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を貯留し、気相冷媒を圧縮機5へ供給するものである。アキュムレータ11の冷媒出口側には、圧縮機5が有する冷媒圧縮部の低圧冷媒吸入口5aが接続されている。したがって、蒸発器9の冷媒出口から流出した冷媒は、アキュムレータ11を介して、圧縮機5に向けて流れ、圧縮機5が有する冷媒圧縮部の低圧冷媒吸入口5aに吸入される。
インジェクション回路3は、メイン回路2に設けられた分岐部15と圧縮機5の中間圧冷媒吸入口5bとを接続する回路であり、第2膨張弁17および中間熱交換器7などが配管により接続されている。第2膨張弁17は、凝縮器6からレシーバ13を介して流出した後に分岐部15からインジェクション回路3に分流された冷媒を、中間圧に減圧膨張させる減圧装置である。第2膨張弁17も、温度式膨張弁であり、インジェクション回路3のうち中間熱交換器7の冷媒入口側の配管に接続される流路調整機構17aと、インジェクション回路3のうち中間熱交換器7の冷媒出口側の配管に設けられる感温部17bとを有している。第2膨張弁17も、感温部17bによって検出された過熱度が予め設定された所定値に近づくよう、流路調整機構17aの流路開度が機械的機構により自動調整される。
中間熱交換器7は、メイン回路2のうち分岐部15の下流側を流れる液相冷媒と、分岐部15からインジェクション回路3に流れて第2膨張弁17で中間圧に減圧膨張された気液二相状態の冷媒とを熱交換させる熱交換器である。メイン回路2を流れる冷媒は、中間熱交換器7を通過することにより過冷却度が大きくなる。一方、インジェクション回路3を流れる冷媒は、中間熱交換器7を通過した後、気相冷媒となり、圧縮機5の中間圧冷媒吸入口5bから冷媒圧縮部に注入される。これにより、インジェクション回路3を備えた冷凍サイクル1は、蒸発器9による冷凍能力を高めると共に、圧縮機5で圧縮される冷媒の過熱度を低下させることでCOPを向上することが可能である。
続いて、制御装置4について説明する。制御装置4は、制御処理や演算処理を行うプロセッサ、プログラムやデータ等を記憶するROM、RAM等の記憶部を含むマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。なお、制御装置4の記憶部は、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。制御装置4は、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、各種制御処理および演算処理を行い、出力ポートに接続された各機器の作動を制御する。
制御装置4の入力ポートには、庫内の温度を検出するための庫内温度センサ18、および、外気温を検出するための外気温センサ19などが電気的に接続されている。本実施形態の庫内温度センサ18は、蒸発器9の上流側に設けられるサーミスタである。制御装置4は、庫内温度センサ18により、庫内を循環する空気の温度を検出することが可能である。
また、制御装置4の入力ポートには、ユーザが操作することの可能な操作パネル20が電気的に接続されている。操作パネル20には、冷凍サイクル1を作動させるための冷凍機作動スイッチ21、庫内の目標温度を設定するための温度設定スイッチ22などが設けられている。
制御装置4の出力ポート側には、圧縮機5のモータなどが電気的に接続されている。制御装置4は、庫内温度センサ18により検出した庫内温度と、温度設定スイッチ22により設定された設定温度との差に基づいて、冷凍サイクル1の熱負荷を算出する。制御装置4は、圧縮機5の回転数がその熱負荷に対応した値になるように、圧縮機5のモータに対して駆動電流を供給し、圧縮機5の回転数を制御する。
ところで、一般に冷凍サイクル1は、蒸発器9を除く構成が庫外に設置されている。そのため、圧縮機5の駆動が停止しているときは、インジェクション回路3に設けられた感温部17bにより制御される第2膨張弁17の流路開度が成り行きとなっている。そのため、冷凍サイクル1の運転開始時、または冷凍サイクル運転中の圧縮機5のサーモオフからサーモオンへの切替時に、第2膨張弁17の流路が閉じているか又は流路開度が小さいと、メイン回路2の圧力および温度が急激に高くなり、圧縮機5の吐出圧も急激に高くなるといった異常状態が過渡的に生じることがある。その際、圧縮機5の吐出圧の上昇を防ぐため、圧縮機5の作動を停止すると、冷凍サイクル1の冷凍性能に影響が生じることが懸念される。
そこで、本実施形態の冷凍サイクル1は、以下に説明する制御方法を採用している。
図2は、本実施形態の冷凍サイクル1が備える制御装置4が実行する制御処理を示したフローチャートである。この処理は、制御装置4が記憶部に記憶された制御プログラムを実行することによって行われる。また、この処理は、冷凍サイクル1の運転中、所定時間間隔ごとに繰り返し実行される。
冷凍サイクル1は、操作パネル20の冷凍機作動スイッチ21をユーザが操作することで運転が開始される。ステップS10で制御装置4は、冷凍機作動スイッチ21がオフからオンに切り替わったか否かを判定する。制御装置4は、冷凍機作動スイッチ21がオフからオンに切り替わったことを判定すると、処理をステップS20に移行する。
ステップS20で制御装置4は、圧縮機5の指示回転数を計算する。具体的には、制御装置4は、庫内温度センサ18により検出した庫内温度と、温度設定スイッチ22により設定された設定温度との差に基づいて、冷凍サイクル1の熱負荷を算出する。制御装置4は、その熱負荷に対応するように、圧縮機5の指示回転数を計算する。
続いて、ステップS30で制御装置4は、圧縮機5の回転数を、冷凍機作動スイッチ21がオフであったときの0rpmから、ステップS20で計算した所定の指示回転数に変更する。このとき、制御装置4は、圧縮機5の回転数が変化する変化速度(すなわち回転数の上昇速度)〔rpm/s〕を抑制する。具体的には、制御装置4は、圧縮機5の始動時における回転数の上昇速度を、通常変化速度より遅くする。ここで、本明細書において、圧縮機5の始動時とは、圧縮機5の回転数が0rpmから所定の指示回転数に変更されたときをいうものとする。また、本明細書において、通常変化速度とは、圧縮機5の回転数が0rpmより大きい回転数から所定の指示回転数に変更するときに、圧縮機5の回転数が変化する速さ(すなわち通常時の回転数の上昇速度)〔rpm/s〕をいうものとする。
制御装置4が、圧縮機5の始動時に、圧縮機5の回転数の上昇速度を遅くすることで、圧縮機5の吐出圧が上昇する速度が遅くなる。そのため、メイン回路2の冷媒圧力が比較的小さい状態にある時間が長くなり、その間に、温度式の第2膨張弁17の流路開度が、中間熱交換器7の下流側に設けられた感温部17bにより検出される冷媒の過熱度に対応したものとなる。したがって、圧縮機5の始動時に、メイン回路2の圧力および温度が急激に高くなることで圧縮機5の吐出圧も急激に高くなる等の異常状態が過渡的に生じることが防がれる。
なお、制御装置4は、圧縮機5の始動時に圧縮機5の回転数が変化する変化速度を、通常変化速度の半分以下にすることが好ましい。これにより、圧縮機5の回転数が所定の指示回転数に到達するまでの時間が、通常変化速度による時間の2倍以上となる。したがって、温度式の第2膨張弁17の流路開度が、感温部17bにより検出される冷媒の過熱度に対応する時間が十分に確保される。
一方、上述したステップS10で、冷凍機作動スイッチ21が継続してオンの状態にあるとき、制御装置4は、冷凍機作動スイッチ21がオフからオンに切り替わっていないと判定し、処理をステップS40に移行する。
ステップS40で制御装置4は、ステップS20と同様に、圧縮機5の指示回転数を計算する。
続いて、ステップS50で制御装置4は、圧縮機5の回転数を、ステップS40で計算した所定の指示回転数に変更する。このとき、制御装置4は、圧縮機5の回転数が変化する変化速度(すなわち回転数の上昇速度)を、通常変化速度とする。
ステップS30またはステップS50の後、処理は一旦終了し、所定時間経過後に再び上述したステップS10〜S50の処理が実行される。
次に、圧縮機5の始動時に圧縮機5の回転数が変化する変化速度と、通常変化速度とを比較したグラフを図3に示す。
図3では、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化を実線Aに示し、通常時における圧縮機5の回転数の変化を破線Bで示している。なお、通常時とは、圧縮機5の回転数が0rpmより大きい所定の回転数αから所定の指示回転数βに変更するときをいう。
実線Aの傾きは、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化速度を表しており、破線Bの傾きは、通常時における圧縮機5の回転数の変化速度を表している。実線Aの傾きは、破線Bの傾きより緩やかである。したがって、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化速度は、通常時における圧縮機5の回転数の変化速度より遅いことが見て取れる。
以上説明した第1実施形態の冷凍サイクル1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第1実施形態では、制御装置4は、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化速度を、通常変化速度より遅くする。これにより、圧縮機5の始動時、圧縮機5の吐出圧が上昇する速度が遅くなる。そのため、メイン回路2の冷媒圧力が比較的小さい時間が長くなり、その間に、温度式の第2膨張弁17の流路開度が、中間熱交換器7より下流側を流れる冷媒の過熱度に対応したものとなる。したがって、この冷凍サイクル1は、圧縮機5の始動時に、メイン回路2の圧力および温度が急激に高くなることで圧縮機5の吐出圧も急激に高くなる等の異常状態が過渡的に生じることを防ぐことができる。
また、第1実施形態の冷凍サイクル1は、温度式膨張弁を使用し、さらに上述した特許文献1に記載の冷凍サイクル1のように電磁弁などの部品を追加することなく、圧縮機5の始動時に過渡的に生じる異常状態を防ぐことができる。
(2)第1実施形態では、制御装置4は、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化速度を、通常変化速度の半分以下にすることが好ましい。これにより、圧縮機5の始動時、圧縮機5の回転数が所定の指示回転数に到達するまでの時間を、通常変化速度による時間の2倍以上とすることが可能である。したがって、温度式の第2膨張弁17の流路開度が、中間熱交換器7より下流側を流れる冷媒の過熱度に対応する時間を十分に確保することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して制御装置4が実行する制御処理の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図4は、第2実施形態の冷凍サイクル1が備える制御装置4が実行する制御処理を示したフローチャートである。この処理は、冷凍サイクル1の運転中、所定時間間隔ごとに繰り返し実行される。
ステップS10、S20およびS40の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。
ステップS20に続くステップS35で制御装置4は、まず、圧縮機5の回転数を、冷凍機作動スイッチ21がオフであったときの0rpmから中間回転数に上昇させ、その中間回転数で所定時間保持する。なお、中間回転数とは、指示回転数より小さい回転数であり、予め制御装置4に記憶されているものである。所定時間経過後、制御装置4は、その中間回転数から、ステップS20で計算した所定の指示回転数に上昇させる。
制御装置4が、圧縮機5の始動時に圧縮機5の回転数を中間回転数で所定時間保持している間、メイン回路2の冷媒圧力は比較的小さい状態に維持される。その間に、温度式の第2膨張弁17の流路開度が、中間熱交換器7より下流側を流れる冷媒の過熱度に対応したものとなる。したがって、圧縮機5の始動時に、メイン回路2の圧力および温度が急激に高くなることで圧縮機5の吐出圧も急激に高くなる等の異常状態が過渡的に生じることが防がれる。
なお、中間回転数は、圧縮機5の継続作動可能な回転数のうち最低回転数の範囲とすることが好ましい。なお、最低回転数の範囲とは、圧縮機5が実質的に作動可能な最低回転数であればよく、圧縮機5に設計上示された最低回転数に加え、その最低回転数に対する±10%程度の誤差の範囲を含むものである。これにより、圧縮機5の回転数が中間回転数で保持されている間、メイン回路2の冷媒圧力は、圧縮機5の継続運転可能な範囲で最も低い状態に維持される。したがって、温度式の第2膨張弁17の流路開度が中間熱交換器7より下流側を流れる冷媒の過熱度に対応するまでの間に、上述した異常状態が過渡的に生じることをより確実に防ぐことができる。
一方、上述したステップS10で、冷凍機作動スイッチ21が継続してオンの状態にあるとき、処理はステップS40に移行する。ステップS40で制御装置4が圧縮機5の指示回転数を計算した後、処理はステップS55に移行する。
続いて、ステップS55で制御装置4は、圧縮機5の回転数を、ステップS40で計算した所定の指示回転数に変更する。このとき、制御装置4は、圧縮機5の回転数が変化する変化速度を、通常変化速度とし、所定の指示回転数に連続的に変化させる。
ステップS35またはステップS55の後、処理は一旦終了し、所定時間経過後に再び上述したステップS10〜S55の処理が実行される。
次に、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化と、通常時における圧縮機5の回転数の変化を比較したグラフを図5に示す。
図5では、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化を実線Aに示し、通常時における圧縮機5の回転数の変化を破線Bで示している。
実線Aの傾きは、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数の変化速度を表しており、破線Bの傾きは、通常時における圧縮機5の回転数の変化速度を表している。
時刻t0から時刻t10までの実線Aの傾きと、時刻t20から時刻t30までの実線Aの傾きと、破線Bの傾きとは同一である。ただし、実線Aに示すように、圧縮機5の始動時における圧縮機5の回転数は、時刻t10から時刻t20までの間、中間回転数γで保持されている。中間回転数γは、圧縮機5の継続作動可能な回転数のうち最低回転数の範囲のものである。このように、第2実施形態では、時刻t0から時刻t20までの間、メイン回路2の冷媒圧力を、圧縮機5の継続運転可能な範囲で最も低い圧力で維持することが可能である。
以上説明した第2実施形態の冷凍サイクル1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第2実施形態では、制御装置4は、圧縮機5の始動時、圧縮機5の回転数を中間回転数で所定時間保持した後、その中間回転数から所定の指示回転数に変化させる。これにより、圧縮機5の始動時、圧縮機5の回転数が中間回転数で保持されている間、メイン回路2の冷媒圧力は比較的小さい状態に維持される。その間に、温度式の第2膨張弁17の流路開度が、中間熱交換器7より下流側を流れる冷媒の過熱度に対応したものとなる。したがって、この冷凍サイクル1は、圧縮機5の始動時に、メイン回路2の圧力および温度が急激に高くなることで圧縮機5の吐出圧も急激に高くなる等の異常状態が過渡的に生じることを防ぐことができる。
また、第2実施形態の冷凍サイクル1も、温度式膨張弁を使用し、さらに上述した特許文献1に記載の冷凍サイクル1のように電磁弁などの部品を追加することなく、圧縮機5の始動時に過渡的に生じる異常状態を防ぐことができる。
(2)第2実施形態では、中間回転数は、圧縮機5の継続作動可能な回転数のうち最低回転数の範囲とすることが好ましい。これにより、圧縮機5の始動時、圧縮機5の回転数が中間回転数で保持されている間、メイン回路2の冷媒圧力を圧縮機5の継続運転可能な範囲で最も低い圧力で維持することが可能である。したがって、温度式の第2膨張弁17の流路開度が中間熱交換器7より下流側を流れる冷媒の過熱度に対応するまでの間に、上述した異常状態が過渡的に生じることをより確実に防ぐことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して制御装置4が実行する制御処理の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図6は、第3実施形態の冷凍サイクル1が備える制御装置4が実行する制御処理を示したフローチャートである。この処理は、冷凍サイクル1の運転中、所定時間間隔ごとに繰り返し実行される。
冷凍サイクル1は、操作パネル20の冷凍機作動スイッチ21をユーザが操作することで運転が開始される。ステップS15で制御装置4は、サーモオフの状態からサーモオンの状態に移行したか否かを判定する。
制御装置4は、サーモ動作を行う際、設定温度に第1の所定値を加えた第1閾値と、設定温度から第2の所定値を加えた第2閾値を算出する。制御装置4は、庫内温度センサ18により検出した庫内温度が第1閾値以下となると、圧縮機5の駆動を停止する。一方、制御装置4は、庫内温度センサ18により検出した庫内温度が第2閾値以上になると、圧縮機5の駆動を開始する。すなわち、サーモオフの状態とは、庫内温度が第1閾値以下となったときから第2閾値以上になるまで、圧縮機5の駆動が停止している状態である。一方、サーモオンの状態とは、庫内温度が、第2閾値以上となったときから第1閾値以下になるまで、圧縮機5を駆動している状態である。
制御装置4は、サーモオフの状態からサーモオンの状態に切り替わったことを判定すると、処理をステップS20に移行する。一方、制御装置4は、サーモオンの状態が継続しているとき、サーモオフの状態からサーモオンの状態に切り替わっていないと判定し、処理をステップS40に移行する。ステップS15に続くステップS20〜S50の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。
以上説明した第3実施形態も、第1および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第2実施形態に対して制御装置4が実行する制御処理の一部を変更したものであり、その他については第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7は、第4実施形態の冷凍サイクル1が備える制御装置4が実行する制御処理を示したフローチャートである。この処理は、冷凍サイクル1の運転中、所定時間間隔ごとに繰り返し実行される。
冷凍サイクル1は、操作パネル20の冷凍機作動スイッチ21をユーザが操作することで運転が開始される。ステップS15で制御装置4は、サーモオフの状態からサーモオンの状態に移行したか否かを判定する。制御装置4は、サーモオフの状態からサーモオンの状態に切り替わったことを判定すると、処理をステップS20に移行する。一方、制御装置4は、サーモオンの状態が継続しているとき、サーモオフの状態からサーモオンの状態に切り替わっていないと判定し、処理をステップS40に移行する。ステップS15に続くステップS20、S35、S40、S55の処理は、第2実施形態で説明した処理と同じである。
以上説明した第4実施形態も、第1〜第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第3実施形態に対して制御装置4が実行する制御処理の一部を変更したものであり、その他については第3実施形態と同様であるため、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図8は、第5実施形態の冷凍サイクル1が備える制御装置4が実行する制御処理を示したフローチャートである。この処理は、冷凍サイクル1の運転中、所定時間間隔ごとに繰り返し実行される。
冷凍サイクル1は、操作パネル20の冷凍機作動スイッチ21をユーザが操作することで運転が開始される。ステップS15で制御装置4は、サーモオフの状態からサーモオンの状態に移行したか否かを判定する。制御装置4は、サーモオフの状態からサーモオンの状態に切り替わったことを判定すると、処理をステップS20に移行する。
ステップS20で制御装置4は、圧縮機5の指示回転数を計算する。
ステップS20に続くステップS21で制御装置4は、圧縮機5の回転数を、0rpmから指示回転数に向けて所定の変化速度で変更を開始する。
次のステップS22で制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、上述した異常状態が過渡的に生じるおそれのある値が実験等に基づいて設定され、予め制御装置4に記憶されているものである。制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力が所定値以上であると判断すると、処理をステップS30に移行する。
ステップS30の処理は、第1実施形態と同様、圧縮機5の回転数の上昇速度を抑制しつつ、圧縮機5の回転数を所定の指示回転数まで変更する。その後処理はステップS36に移行する。
一方、ステップS22で制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力が所定値より低いと判断したとき、上述したステップS30をスキップし、処理をステップS36に移行する。
ステップS36で制御装置4は、圧縮機5の回転数が指示回転数に到達したか否かを判定する。制御装置4は、圧縮機5の回転数が指示回転数に到達していないと判定すると、上述したステップS22またはステップS30の処理を繰り返し実行する。
ステップS36で制御装置4は、圧縮機5の回転数が指示回転数に到達したことを判定すると、処理を一旦終了する。
上述したステップS15の処理で、制御装置4は、サーモオンの状態が継続しているとき、サーモオフの状態からサーモオンの状態に切り替わっていないと判定し、処理をステップS40に移行する。ステップS40およびステップS50の処理は、第1および第3実施形態で説明した処理と同じである。
ステップS50に続くステップS56で制御装置4は、圧縮機5の回転数が指示回転数に到達したか否かを判定する。ステップS56で制御装置4は、圧縮機5の回転数が指示回転数に到達したことを判定すると、処理を一旦終了する。
ステップS36またはステップS56の後、所定時間経過後に再び上述したステップS15〜S56の処理が実行される。
なお、上述したステップS22の処理において、制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力が所定値以上であるか否かを判定したが、制御装置4が判定基準とする値はこれに限らない。すなわち、上述したステップS22の処理において、制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力、圧縮機5の吸入圧力、中間圧力、圧縮機5の吐出温度、圧縮機5の吸入温度、中間温度のうちのいずれか1つの値、または、複数の値を判断基準としてもよい。なお、中間圧力とは、メイン回路2のいずれかの位置を流れる冷媒の圧力であり、中間温度とは、メイン回路2のいずれかの位置を流れる冷媒の温度である。
以上説明した第5実施形態も、第1〜第4実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。第6実施形態は、第5実施形態に対して制御装置4が実行する制御処理の一部を変更したものであり、その他については第5実施形態と同様であるため、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図9は、第6実施形態の冷凍サイクル1が備える制御装置4が実行する制御処理を示したフローチャートである。この処理は、冷凍サイクル1の運転中、所定時間間隔ごとに繰り返し実行される。
ステップS15、S20、S21、S30、S36、S40、S50およびS56の処理は、第5実施形態で説明した処理と同じである。
第6実施形態では、ステップS21に続くステップS23で制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力の変化速度が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、上述した異常状態が過渡的に生じるおそれのある値が実験等に基づいて設定され、予め制御装置4に記憶されているものである。制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力の変化速度が所定値以上であると判断すると、処理をステップS30に移行する。
なお、ステップS23の処理において、制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力の変化速度が所定値以上であるか否かを判定したが、制御装置4が判定基準とする値はこれに限らない。すなわち、上述したステップS23の処理において、制御装置4は、圧縮機5の吐出圧力の変化速度、圧縮機5の吸入圧力の変化速度、中間圧力の変化速度、圧縮機5の吐出温度の変化速度、圧縮機5の吸入温度の変化速度、中間温度の変化速度のうちのいずれか1つの値、または、複数の値を判断基準としてもよい。
以上説明した第6実施形態も、第1〜第5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。第7実施形態は、第1実施形態に対して制御装置4が実行する制御処理の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図10は、第7実施形態の冷凍サイクル1が備える制御装置4が実行する制御処理を示したフローチャートである。この処理は、冷凍サイクル1の運転中、所定時間間隔ごとに繰り返し実行される。
ステップS10、S20、S30、S40およびS50の処理は、第1実施形態で説明した処理と同じである。
第7実施形態では、ステップS20に続くステップS25で制御装置4は、ステップS20で計算した指示回転数が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、上述した異常状態が過渡的に生じるおそれのある値が実験等に基づいて設定され、予め制御装置4に記憶されているものである。制御装置4は、指示回転数が所定値以上であると判断すると、処理をステップS30に移行する。一方、制御装置4は、指示回転数が所定値より小さいと判断すると、処理をステップS50に移行する。
なお、ステップS25で制御装置4は、ステップS20で計算した指示回転数が所定値以上であるか否かを判定することに代えて、指示回転数の変化幅が圧縮機5の使用可能範囲の所定割合以上であるか否かを判定してもよい。この所定割合は、上述した異常状態が過渡的に生じるおそれのある値が実験等に基づいて設定され、予め制御装置4に記憶されているものである。その場合、制御装置4は、指示回転数の変化幅が圧縮機5の使用可能範囲の所定割合以上であると判断すると、処理をステップS30に移行する。一方、制御装置4は、指示回転数の変化幅が圧縮機5の使用可能範囲の所定割合より小さいと判断すると、処理をステップS50に移行する。
以上説明した第7実施形態も、第1〜第6実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。第8実施形態は、第1実施形態に対して冷凍サイクル1が備える圧縮機の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図11に示すように、第8実施形態では、圧縮機は、低段側圧縮機51と高段側圧縮機52とを含んで構成されている。低段側圧縮機51と高段側圧縮機52はいずれも電動式の圧縮機であり、制御装置4により回転が制御される。
低段側圧縮機51の冷媒吸入口51aには、メイン回路2のうちアキュムレータ11側の配管から冷媒が供給される。低段側圧縮機51の冷媒吐出口51cと高段側圧縮機52の冷媒吸入口52aとは、配管を介して接続されている。その配管の途中に設けられた合流部23には、インジェクション回路3が接続されている。そのため、高段側圧縮機52の冷媒吸入口52aには、低段側圧縮機51の冷媒吐出口51cから吐出された冷媒と、インジェクション回路3の冷媒が供給される。高段側圧縮機52は、それらの冷媒が混合された中間圧の冷媒を圧縮し、冷媒吐出口52cから凝縮器6に向けて吐出する。
以上説明した第8実施形態の構成でも、第1〜第7実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上述の各実施形態では、冷凍サイクル1を、冷凍食品等を輸送する冷凍車に適用した例について説明したが、これに限定されない。冷凍サイクル1は、他の移動体に適用することも可能であるし、建築物等に適用することも可能である。
(2)上記各実施形態では、冷凍サイクル1の概略構成について説明したが、冷凍サイクル1の構成はこれに限定されない。冷凍サイクル1は、各実施形態で説明した構成に、他の構成を追加することも可能である。例えば、冷凍サイクル1は、圧縮機5、51、52の下流側にオイルセパレータを備えてもよく、また、圧縮機5、51、52から吐出された冷媒の一部を利用して蒸発器9に付着した霜を溶解する除霜装置を備えてもよい。
(3)上述の各実施形態では、冷凍サイクル1は、庫内温度センサ18により庫内温度を検出する例について説明したが、これに限定されない。冷凍サイクル1は、例えば、圧縮機5、51の冷媒吸入側の冷媒圧力を検出する圧力センサの検出値から庫内温度を推定する構成としてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、冷凍サイクルは、メイン回路、インジェクション回路および制御装置を備える。メイン回路は、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮器で凝縮させ、中間熱交換器を経由させた後、第1膨張弁で減圧して蒸発器で蒸発させ、圧縮機に循環させる。インジェクション回路は、凝縮器と中間熱交換器とを接続する配管に設けられた分岐部から分流した冷媒を、温度式の第2膨張弁で減圧し、中間熱交換器でメイン回路を流れる冷媒と熱交換させた後、圧縮機に注入する。なお、温度式の第2膨張弁は、中間熱交換器より下流側を流れる冷媒の過熱度に応じて流路開度が自動調整されるものである。ここで、圧縮機の回転数を0rpmより大きい回転数から所定の指示回転数に変更するときに圧縮機の回転数が変化する速度を通常変化速度と呼ぶ。制御装置は、圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するときに圧縮機の回転数が変化する変化速度を、通常変化速度より遅くする。
第2の観点によれば、制御装置は、圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するときに圧縮機の回転数が変化する変化速度を、通常変化速度の半分以下にする。
これによれば、圧縮機の始動時、圧縮機の回転数が所定の指示回転数に到達するまでの時間を、通常変化速度による時間の2倍以上とすることが可能である。したがって、温度式の第2膨張弁の流路開度が、中間熱交換器の下流側を流れるに設けられた感温筒により検出される冷媒の過熱度に対応する時間を十分に確保することができる。
第3の観点によれば、冷凍サイクルは、メイン回路、インジェクション回路および制御装置を備える。メイン回路は、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮器で凝縮させ、中間熱交換器を経由させた後、第1膨張弁で減圧して蒸発器で蒸発させ、圧縮機に循環させる。インジェクション回路は、凝縮器と中間熱交換器とを接続する配管に設けられた分岐部から分流した冷媒を、温度式の第2膨張弁で減圧し、中間熱交換器でメイン回路を流れる冷媒と熱交換させた後、圧縮機に注入する。なお、温度式の第2膨張弁は、中間熱交換器より下流側を流れる冷媒の過熱度に応じて流路開度が自動調整されるものである。制御装置は、圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するとき、圧縮機の回転数を所定の指示回転数より小さい中間回転数で所定時間保持した後、その中間回転数から所定の指示回転数に変化させる。
第4の観点によれば、中間回転数は、圧縮機の継続作動可能な回転数のうち最低回転数の範囲である。
これによれば、圧縮機の始動時、圧縮機の回転数が中間回転数で保持されている間、メイン回路の冷媒圧力を圧縮機の継続運転可能な範囲で最も低い圧力で維持することが可能である。したがって、温度式の第2膨張弁の流路開度が中間熱交換器より下流側を流れる冷媒の過熱度に対応するまでの間に、上述した異常状態が過渡的に生じることをより確実に防ぐことができる。
なお、最低回転数の範囲とは、圧縮機が実質的に作動可能な最低回転数であればよく、圧縮機に設計上示された最低回転数に加え、その最低回転数に対する±10%程度の誤差の範囲を含むものである。
第5の観点によれば、圧縮機は、メイン回路から冷媒が供給される低圧冷媒吸入口と、インジェクション回路から冷媒が供給される中間圧冷媒吸入口とを有するものである。
これによれば、インジェクション回路に対応する圧縮機として、低圧冷媒吸入口と中間圧冷媒吸入口とを有するものが例示される。
第6の観点によれば、圧縮機は、低段側圧縮機と高段側圧縮機とを有する。低段側圧縮機には、メイン回路から冷媒が供給される。高段側圧縮機には、低段側圧縮機から吐出された冷媒と、インジェクション回路から冷媒が供給される。
これによれば、冷凍サイクルの構成として、低段側圧縮機と高段側圧縮機とを接続する配管にインジェクション回路を接続する構成が例示される。
1 冷凍サイクル
2 メイン回路
3 インジェクション回路
4 制御装置
5、51、52 圧縮機
6 凝縮器
7 中間熱交換器
8 第1膨張弁
9 蒸発器
17 第2膨張弁

Claims (6)

  1. 圧縮機(5、51、52)で圧縮された冷媒を凝縮器(6)で凝縮させ、中間熱交換器(7)を経由させた後、第1膨張弁(8)で減圧して蒸発器(9)で蒸発させ、前記圧縮機に循環させるメイン回路(2)と、
    前記凝縮器と前記中間熱交換器とを接続する配管に設けられた分岐部(15)から分流した冷媒を、前記中間熱交換器より下流側を流れる冷媒の過熱度に応じて流路開度が自動調整される温度式の第2膨張弁(17)で減圧し、前記中間熱交換器で前記メイン回路を流れる冷媒と熱交換させた後、前記圧縮機に注入するインジェクション回路(3)と、
    前記圧縮機の回転数を0rpmより大きい回転数から所定の指示回転数に変更するときに前記圧縮機の回転数が変化する通常変化速度より、前記圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するときに前記圧縮機の回転数が変化する変化速度を遅くする制御装置(4)と、を備える冷凍サイクル。
  2. 前記制御装置は、前記圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するときに前記圧縮機の回転数が変化する変化速度を、前記通常変化速度の半分以下にする、請求項1に記載の冷凍サイクル。
  3. 圧縮機(5、51、52)で圧縮された冷媒を凝縮器(6)で凝縮させ、中間熱交換器(7)を経由させた後、第1膨張弁(8)で減圧して蒸発器(9)で蒸発させ、前記圧縮機に循環させるメイン回路(2)と、
    前記凝縮器と前記中間熱交換器とを接続する配管に設けられた分岐部(15)から分流した冷媒を、前記中間熱交換器より下流側を流れる冷媒の過熱度に応じて流路開度が自動調整される温度式の第2膨張弁(17)で減圧し、前記中間熱交換器で前記メイン回路を流れる冷媒と熱交換させた後、前記圧縮機に注入するインジェクション回路(3)と、
    前記圧縮機の回転数を0rpmから所定の指示回転数に変更するとき、前記圧縮機の回転数を所定の指示回転数より小さい中間回転数で所定時間保持した後、その中間回転数から所定の指示回転数に変化させる制御装置(4)と、を備える冷凍サイクル。
  4. 前記中間回転数は、前記圧縮機の継続作動可能な回転数のうち最低回転数の範囲である、請求項3に記載の冷凍サイクル。
  5. 前記圧縮機(5)は、前記メイン回路から冷媒が供給される低圧冷媒吸入口(5a)と、前記インジェクション回路から冷媒が供給される中間圧冷媒吸入口(5b)とを有するものである、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
  6. 前記圧縮機は、低段側圧縮機(51)と高段側圧縮機(52)とを有し、
    前記低段側圧縮機には、前記メイン回路から冷媒が供給され、
    前記高段側圧縮機には、前記低段側圧縮機から吐出された冷媒と、前記インジェクション回路から冷媒が供給される、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
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