JP2018173197A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018173197A
JP2018173197A JP2017070218A JP2017070218A JP2018173197A JP 2018173197 A JP2018173197 A JP 2018173197A JP 2017070218 A JP2017070218 A JP 2017070218A JP 2017070218 A JP2017070218 A JP 2017070218A JP 2018173197 A JP2018173197 A JP 2018173197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchanger
state
cooling
pipe
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017070218A
Other languages
English (en)
Inventor
竹上 雅章
Masaaki Takegami
雅章 竹上
覚 阪江
Satoru Sakae
覚 阪江
巌 篠原
Iwao Shinohara
巌 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2017070218A priority Critical patent/JP2018173197A/ja
Publication of JP2018173197A publication Critical patent/JP2018173197A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】室内熱交換器(22)と冷蔵熱交換器(32,42)とを備え、暖房、冷房、冷蔵の組み合わせを切り換えて運転できる冷凍装置(1)において、運転の切り換え時に室内へ意図せずに温風が吹き出されることで快適性が損なわれるのを抑制する。
【解決手段】室外熱交換器が圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第1切換弁(17)と、室内熱交換器が圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第2切換弁(18)を、互いに独立して切り換わるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置に関し、特に、室内を空調する空調側熱交換器と冷蔵庫や冷凍庫のような冷却庫の庫内を冷却する冷却側熱交換器とを備えた冷凍装置に関するものである。
従来、複数の利用側熱交換器が互いに並列に接続された冷媒回路を備えた冷凍装置が知られている。例えば、特許文献1には、利用側熱交換器として、室内の空気調和を行う空調側熱交換器と、冷蔵庫や冷凍庫等の冷却庫の庫内の空気を冷却する冷却側熱交換器とが並列に接続された冷媒回路を備え、室内の空調と庫内の冷却との両方を行う冷凍装置が開示されている。
この冷凍装置では、上記冷媒回路において、上記熱源側熱交換器が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記空調側熱交換器が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記冷却側熱交換器が蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えとを行う切り換え機構として、2つの切換弁(四路切換弁)が設けられている。
上記冷媒回路は、空調側熱交換器を含む空調系統回路と冷却側熱交換器を含む冷却系統回路とを有している。冷媒回路には、空調側熱交換器が接続される空調系統路の圧縮機と冷却側熱交換器が接続される冷却却系統回路の圧縮機とが設けられている。上記空調系統回路の圧縮機と冷却系統回の圧縮機は、吐出側が合流して上記切り換え機構に接続され、吸入側が冷却系統と空調系統の各系統に接続されている。
そして、上記冷凍装置は、上記切り換え機構を操作することにより、各熱交換器が蒸発器と凝縮器になる状態を適宜切り換えて運転することができる。具体的には、冷却側熱交換器で吸収した熱量を空調側熱交換器の暖房に利用する熱回収運転や、熱源側熱交換器が凝縮器として機能し且つ空調側熱交換器及び冷却側熱交換器が蒸発器として機能するように冷媒が循環する冷房冷却運転や、空調側熱交換器が凝縮器として機能し且つ熱源側熱交換器及び冷却側熱交換器が蒸発器として機能するように冷媒が循環する暖房冷却運転を切り換えて行うことができる。
特開2013−068344号公報
ところで、特許文献1の冷凍装置では、上記の各種の運転を切り換える場合に、空調側熱交換器から室内へ意図せずに温風が吹き出されてしまい、室内の快適性を損なうことがあった。例えば、暖房のサーモオフ(休止運転)から冷房運転に切り換える場合に、切り換え機構である四路切換弁を切り換える順序が制限されることや、室外熱交換器を蒸発器とする暖房運転の状態で空調がサーモオフになる場合に、冷媒回路の熱的なバランスをとることが必要になることが原因で、空調側熱交換器が凝縮器にならざるを得ない状態が生じてしまうためである。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空調側熱交換器と冷却側熱交換器を備えた空気調和装置において、運転の切り換え時に意図せずに室内へ温風が吹き出されるのを抑制することである。
第1の発明は、圧縮機(13)と熱源側熱交換器(12)と膨張機構(14,23,33,34)と室内を空調する空調側熱交換器(22)と冷却庫(30,40)の庫内を冷却する冷却側熱交換器(32,42)が接続されて、上記室内を空調するための空調系統回路(2a)と上記冷却庫(30,40)の庫内を冷却するための冷却系統回路(2b)とが形成された冷媒回路(2)を備え、上記冷媒回路(2)が、上記熱源側熱交換器(12)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記空調側熱交換器(22)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記冷却側熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、を行う切り換え機構(17,18,19)を備えた冷凍装置を前提とする。
そして、この冷凍装置は、上記切り換え機構(17,18,19)が、上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第1切換弁(17)と、上記空調側熱交換器(22)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第2切換弁(18)とを備え、該第1切換弁(17)と第2切換弁(18)はそれぞれの接続状態を互いに独立して切換可能であり、上記切り換え機構(17,18,19)を制御する制御器(100)を備えていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、上記第1切換弁(17)が、上記圧縮機(13)の吐出配管から分岐した第1吐出分岐管が接続される吐出側接続ポート(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管から分岐した第1吸入分岐管が接続される吸入側接続ポート(P2)と、上記熱源側熱交換器(12)に冷媒配管を介して接続される熱交換器接続ポート(P3)とを有し、上記第2切換弁(18)が、上記圧縮機(13)の吐出配管から分岐した第2吐出分岐管が接続される吐出側接続ポート(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管から分岐した第2吸入分岐管が接続される吸入側接続ポート(P2)と、上記空調側熱交換器(22)に冷媒配管を介して接続される熱交換器接続ポート(P3)とを有していることを特徴とする。
上記第1,第2の発明では、上記切り換え機構(17,18,19)を用いて、上記熱源側熱交換器(12)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記空調側熱交換器(22)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記冷却側熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えとを行うことにより、室内を冷房しながら庫内を冷却する運転や、室内を暖房しながら庫内を冷却する運転が行われる。そして、これらの運転の切り換えは、上記切り換え機構(17,18,19)を構成する第1切換弁(17)と第2切換弁(18)の接続状態を、互いに独立して切り換えることで行われる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記切り換え機構(17,18,19)が、上記冷却側熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態との切り換えに加えて、上記冷却側熱交換器(32,42)が凝縮器として機能する状態に切換可能に構成された機構であって、上記冷却側熱交換器(32,42)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とに切り換える第3切換弁(19)を備え、上記制御器(100)は、上記第3切換弁(19)を上記冷却側熱交換器(32,42)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態に切り換えて、上記冷却側熱交換器(32,42)を凝縮器とするデフロスト運転を行うことが可能に構成されていることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、上記第3切換弁(19)は、上記圧縮機(13)の吐出配管から分岐した第3吐出分岐管が接続される吐出側接続ポート(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管から分岐した第3吸入分岐管が接続される吸入側接続ポート(P2)と、上記冷却側熱交換器(32,42)に冷媒配管を介して接続される熱交換器接続ポート(P3)とを有していることを特徴とする。
上記第3,第4の発明では、上記切り換え機構(17,18,19)を用いて、上記冷却側熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態との切り換えに加えて、上記冷却側熱交換器(32,42)が凝縮器として機能する状態に切り換えることにより、上記冷却側熱交換器(32,42)を凝縮器とする逆サイクルのデフロスト運転を行うことが可能になる。
第5の発明は、第3または第4の発明において、上記制御器(100)は、上記空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、空調負荷が所定値よりも小さいと、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えて該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする。
この第5の発明では、冷房運転時の空調負荷が所定値よりも小さいときは熱源側熱交換器(12)が凝縮器になっており、そのままでは冷却側熱交換器(32,42)を凝縮器にする逆サイクルデフロストを行うと、空調側熱交換器(22)の冷却能力と、熱源側熱交換器(12)及び冷却側熱交換器(32,42)の加熱能力とがバランスしなくなるため、第1切換弁(17)を切り換えることにより熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして冷却側熱交換器(32,42)のデフロストが行われる。
第6の発明は、第3または第4の発明において、上記制御器(100)は、上記空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、空調負荷の大きさを判断する前に、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えて該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする。
この第6の発明では、冷房運転時に冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときは、空調負荷の大きさを判断せずに、第1切換弁(17)を切り換えることにより熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして冷却側熱交換器(32,42)のデフロストが行われる。
第7の発明は、第3または第4の発明において、上記制御器(100)は、上記熱源側熱交換器(12)が凝縮器になって上記空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えて該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする。
この第7の発明では、熱源側熱交換器(12)が凝縮器となる暖房運転時に冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときは、第1切換弁(17)を切り換えることにより熱源側熱交換器(12)を蒸発器にしてから冷却側熱交換器(32,42)のデフロストが行われる。
第8の発明は、第3または第4の発明において、上記制御器(100)は、上記熱源側熱交換器(12)が蒸発器になって上記空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に保って該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にしたままで、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする。
この第8の発明では、熱源側熱交換器(12)が蒸発器となる暖房運転時に冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときは、第1切換弁(17)の状態を保って熱源側熱交換器(12)を蒸発器にしたままで冷却側熱交換器(32,42)のデフロストが行われる。
上記第1,第2の発明によれば、第1切換弁(17)と第2切換弁(18)を互いに独立して切り換え可能にしたことにより、空調側熱交換器(22)が凝縮器になる状態にしなくても運転を任意に切り換えることができ、それによって、切り換え時に室内への温風の吹き出しが生じさせず、室内の快適性が損なわれるのを抑制できる。
例えば特許文献1に記載されているような従来の冷凍装置では、暖房のサーモオフ(休止運転)から冷房に切り換える際に、上記四路切換弁(切換弁)のうち、空調側圧縮機(13)の吸入に近い側の四路切換弁を先に切り換えないと、遠い側の四路切換弁に差圧が付かなくなって切り換え動作に支障を来すため、四路切換弁の切り換え順序を守る(先に圧縮機の吸入に近い側を切り換える)必要があり、そのために空調側熱交換器(22)が凝縮器になる状態が生じて室内へ温風が吹き出されることになっていたが、本発明によれば、四路切換弁(18,19)の切り換え順序は任意である。したがって、切り換え時に空調側熱交換器(22)が凝縮器になる状態が生じさせずに、室内へ意図せずに温風が吹き出されるのを抑制できる。
また、例えば、室外熱交換器(熱源側熱交換器)を蒸発器とする暖房運転の状態で空調サーモオフになるときには、従来の冷凍装置では冷媒回路の熱的なバランスをとるために室内熱交換器(空調側熱交換器)が凝縮器として機能する状態になる必要があり、そのために室内の快適性が損なわれることになっていたが、本発明によれば、各四路切換弁(18,19)の切り換えを互いに独立して行えるので、切り換え時に空調側熱交換器(22)が凝縮器になる状態を生じさせずに、室内へ意図せずに温風が吹き出されるのを抑制できる。
また、第2の発明によれば、上記第1切換弁(17)及び上記第2切換弁(18)の両方に、吐出側接続ポート(P1)と吸入側接続ポート(P2)と熱交換器接続ポート(P3)とを有するものを用いて、上記切り換え機構(17,18,19)を容易に実現できる。
上記第3,第4の発明によれば、上記切り換え機構(17,18,19)を用いて冷却側熱交換器(32,42)の逆サイクルデフロストを行うことが可能になる。従来の空調系統回路(2a)と冷却系統回路(2b)を有する冷凍装置では、冷却側熱交換器(32,42)のデフロストはヒータによるデフロストかオフサイクルデフロスト(冷媒を流さないデフロスト)を行っていたが、本発明によれば、ヒータを用いなくてよいので装置構成を簡素化でき、また、オフサイクルデフロストでなく逆サイクルデフロストを行うことでデフロスト時間を短縮できる。
上記第5の発明によれば、空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で空調負荷が所定値よりも小さいときに、熱源側熱交換器(12)を蒸発器にすることにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。
上記第6の発明によれば、空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態では、空調負荷の大きさにかかわらず、熱源側熱交換器(12)を蒸発器にすることにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。
上記第7の発明によれば、熱源側熱交換器(12)が凝縮器になって空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態では、熱源側熱交換器(12)を蒸発器に切り換えることにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。
上記第8の発明によれば、熱源側熱交換器(12)が蒸発器になって空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態では、熱源側熱交換器(12)を蒸発器に維持することにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路の構成を示す配管系統図である。 図2は、図1の配管系統図において冷房冷却運転時の冷媒の流れを示す動作状態図である。 図3は、図1の配管系統図において第1暖房冷却運転時の冷媒の流れを示す動作状態図である。 図4は、図1の配管系統図において第2暖房冷却運転時の冷媒の流れを示す動作状態図である。 図5は、図1の配管系統図において第3暖房冷却運転時の冷媒の流れを示す動作状態図である。 図6は、冷房冷却運転時に冷蔵熱交換器をデフロストする第1の動作の冷媒の流れを示す動作状態図である。 図7は、冷房冷却運転時に冷蔵熱交換器をデフロストする第2の動作の冷媒の流れを示す動作状態図である。 図8は、第2,第3暖房冷却運転時に冷蔵熱交換器をデフロストする動作の冷媒の流れを示す動作状態図である。 図9は、運転切り換えの第1の動作を示すフローチャートである。 図10は、運転切り換えの第2の動作を示すフローチャートである。 図11は、運転切り換えの第3の動作を示すフローチャートである。 図12は、冷房冷却運転時の第1のデフロスト動作を示すフローチャートである。 図13は、冷房冷却運転時の第2のデフロスト動作を示すフローチャートである。 図14は、第2暖房冷却運転時のデフロスト動作を示すフローチャートである。 図15は、第3暖房冷却運転時のデフロスト動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態の冷凍装置は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の商店に設置されて店内の空気調和と商品を冷蔵/冷凍する冷却庫の冷却とを行うものである。
−冷凍装置の概略の回路構成−
図1に示すように、本実施形態に係る冷凍装置(1)は、圧縮機(13)と熱源側熱交換器(室外熱交換器)(12)と膨張機構(14,23,33,43)と室内を空調するための空調側熱交換器(室内熱交換器)(22)と冷却庫(冷蔵ユニット(30,40))の庫内を冷却するための冷却側熱交換器(冷蔵熱交換器)(32,42)が接続された冷媒回路(2)を備えている。この冷媒回路(2)には、上記室内を空調するための空調系統回路(2a)と上記冷却庫の庫内を冷却するための冷却系統回路(2b)とが形成されている。
また、上記冷媒回路(2)は、上記室外熱交換器(12)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記室内熱交換器(22)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記冷蔵熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えを行う切り換え機構(17,18,19)を備えている。
上記切り換え機構(17,18,19)は、上記室外熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第1切換弁(17)と、上記室内熱交換器(22)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第2切換弁(18)とを備えている。上記第1切換弁(17)と第2切換弁(18)は、それぞれの接続状態を互いに独立して切り換え可能に構成されている。
また、上記切り換え機構(17,18,19)は、上記冷蔵熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態との切り換えに加えて、上記冷蔵熱交換器(32,42)が凝縮器として機能する状態にも切り換え可能に構成されており、具体的には、上記冷蔵熱交換器(32,42)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第3切換弁(19)を備えている。
上記第1切換弁(第1四路切換弁)(17)は、上記圧縮機(13)の吐出配管(56)から分岐した第1吐出分岐管(56d)が接続される第1ポート(吐出側接続ポート)(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管(55)から分岐した第2流入分岐管(55b)の第1分岐管(55b1)が接続される第2ポート(吸入側接続ポート)(P2)と、上記室外熱交換器(12)に冷媒配管(室外ガス管)(58)を介して接続される第3ポート(熱交換器接続ポート)(P3)とを有している。
上記第2切換弁(第2四路切換弁)(18)は、上記圧縮機(13)の吐出配管(56)から分岐した第2吐出分岐管(56e)が接続される第1ポート(吐出側接続ポート)(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管(55)から分岐した第2流入分岐管(55b)の第2分岐管(55b2)が接続される第2ポート(吸入側接続ポート)(P2)と、上記室内熱交換器(22)に冷媒配管(51,62)を介して接続される第3ポート(熱交換器接続ポート)(P3)とを有している。
上記第3切換弁(第3四路切換弁)(19)は、上記圧縮機(13)の吐出配管(56)から分岐した第3吐出分岐管(56f)が接続される第1ポート(吐出側接続ポート)(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管(55)から分岐した第1流入分岐管(55a)が接続される第2ポート(吸入側接続ポート)(P2)と、上記冷蔵熱交換器(32,42)に冷媒配管(53)を介して接続される第3ポート(熱交換器接続ポート)(P3)とを有している。
そして、本実施形態に係る冷凍装置(1)は、上記切り換え機構(17,18,19)を制御するコントローラ(制御器)(100)を備えている。上記コントローラ(100)は、冷蔵熱交換器(32,42)を蒸発器にした状態で室内熱交換器(22)と室外熱交換器(12)を蒸発器または凝縮器に切り換えて室内の空調と庫内の冷却を行う動作を制御するように構成されており、さらに、上記第3切換弁(19)を上記冷蔵熱交換器(32,42)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態にすることで、上記冷蔵熱交換器(32,42)を凝縮器とするデフロスト運転を行えるように構成されている。
−冷凍装置の具体的な回路構成−
図1に示すように、冷凍装置(1)は、室外ユニット(10)と、室内ユニット(20)と、第1冷蔵ユニット(30)と、第2冷蔵ユニット(40)と、コントローラ(100)とを備えている。室外ユニット(10)には、室外熱交換器(12)を有する熱源側回路としての室外回路(11)が設けられている。室内ユニット(20)には、室内熱交換器(22)を有する室内回路(利用側回路)(21)が設けられている。第1冷蔵ユニット(30)には、第1冷蔵熱交換器(32)を有する第1冷蔵用回路(利用側回路)(31)が設けられている。第2冷蔵ユニット(40)には、第2冷蔵熱交換器(42)を有する第2冷蔵用回路(利用側回路)(41)が設けられている。室外回路(11)に対して複数の利用側回路(21,31,41)が互いに並列に接続されることで蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(2)が構成されている。
上記室外回路(11)と各利用側回路(21,31,41)は、第1ガス側連絡配管(51)、第1液側連絡配管(52)、第2ガス側連絡配管(53)及び第2液側連絡配管(54)によって互いに接続されている。具体的には、第1ガス側連絡配管(51)は、一端が室内回路(21)のガス側端に接続され、他端が室外回路(11)の第1ガス側閉鎖弁(71)に接続されている。第1液側連絡配管(52)は、一端が室内回路(21)の液側端に接続され、他端が室外回路(11)の液側閉鎖弁(72)に接続されている。第2ガス側連絡配管(53)は、一端側が第1分岐ガス管(53a)と第2分岐ガス管(53b)とに分岐し、他端が室外回路(11)の第2ガス側閉鎖弁(73)に接続されている。第1分岐ガス管(53a)の先端は、第1冷蔵用回路(31)のガス側端に接続され、第2分岐ガス管(53b)の先端は、第2冷蔵用回路(41)のガス側端に接続されている。第2液側連絡配管(54)は、一端側が第1分岐液管(54a)と第2分岐液管(54b)とに分岐し、他端が第1液側連絡配管(52)と合流して室外回路(11)の液側閉鎖弁(72)に接続されている。第1分岐液管(54a)の先端は、第1冷蔵用回路(31)の液側端に接続され、第2分岐液管(54b)の先端は、第2冷蔵用回路(41)の液側端に接続されている。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(10)は、屋外に設置され、上記室外回路(11)と、該室外回路(11)を収容する室外ケーシング(10a)とを有している。室外回路(11)は、上記室外熱交換器(12)と、圧縮機構(13)と、室外膨張弁(膨張機構)(14)と、レシーバ(15)と、油分離器(16)と、第1,第2及び第3四路切換弁(切り換え機構)(17,18,19)と、3つの閉鎖弁(71,72,73)とを備えている。
上記圧縮機構(13)は、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)を有している。第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)は、いずれも固定スクロール及び可動スクロールが噛み合って形成される圧縮室を有する全密閉型のスクロール圧縮機である。第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)では、各圧縮室の吸入位置において吸入ポート(図示省略)が開口し、吐出位置において吐出ポート(図示省略)が開口し、中間位置において中間ポート(図示省略)が開口している。
上記第1圧縮機(冷却側圧縮機)(13a)及び第3圧縮機(空調側圧縮機)(13c)は、可変容量型の圧縮機である。つまり、第1圧縮機(13a)及び第3圧縮機(13c)は、インバータ制御によって回転速度が可変に構成されている。一方、第2圧縮機(13b)は、回転速度が一定の固定容量型の圧縮機であり、主に第1圧縮機(13a)の補助に用いられるが、第3圧縮機(13c)の補助に用いることもできる。なお、第2圧縮機(13b)は、可変容量型の圧縮機であってもよい。また、上記第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)には、吸入側に吸入配管(55)が接続される一方、吐出側に吐出配管(56)が接続されている。
上記吸入配管(55)は、流入側が第1流入分岐管(55a)と第2流入分岐管(55b)とに分岐している。第1流入分岐管(55a)は上記第2ガス側閉鎖弁(73)に第3四路切換弁(19)を介して接続される一方、第2流入分岐管(55b)は第1四路切換弁(17)及び第2四路切換弁(18)の第2ポート(P2)に接続されている。第1流入分岐管(55a)と第2流入分岐管(55b)は、流入連通管(66)によって互いに接続され、流入連通管(66)には、上記第3圧縮機(空調側圧縮機)(13c)の吸入冷媒量と上記第1圧縮機(冷却側圧縮機)(13a)の吸入冷媒量を調整可能な圧力調整弁(流量調整弁)(66)が設けられている。
また、吸入配管(55)は、流出側が第1流出分岐管(第1吸入分岐管)(55c)と第2流出分岐管(第2吸入分岐管)(55d)と第3流出分岐管(第3吸入分岐管)(55e)とに分岐している。第1流出分岐管(55c)は上記第1圧縮機(13a)の吸入側端に接続され、第2流出分岐管(55d)は上記第2圧縮機(13b)の吸入側端に接続され、第3流出分岐管(55e)は上記第3圧縮機(13c)の吸入側端に接続されている。
上記吐出配管(56)は、流入側が第1流入分岐管(56a)と第2流入分岐管(56b)と第3流入分岐管(56c)とに分岐している。第1流入分岐管(56a)は上記第1圧縮機(13a)の吐出側端に接続され、第2流入分岐管(56b)は上記第2圧縮機(13b)の吐出側端に接続され、第3流入分岐管(56c)は上記第3圧縮機(13c)の吐出側端に接続されている。第1〜第3流入分岐管(56a,56b,56c)には、それぞれに逆止弁(CV1,CV2,CV3)が設けられている。これらの逆止弁(CV1,CV2,CV3)は、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)から四路切換弁(17,18,19)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。また、吐出配管(56)は、流出側が第1流出分岐管(56d)と第2流出分岐管(56e)と第3流出分岐管(56f)とに分岐している。第1流出分岐管(56d)は第1四路切換弁(17)の第1ポート(P1)に接続され、第2流出分岐管(56e)は第2四路切換弁(18)の第1ポート(P1)に接続され、第3流出分岐管(56f)は第3四路切換弁(19)の第1ポート(P1)に接続されている。
上記油分離器(16)は、吐出配管(56)の中途部に設けられている。油分離器(16)は、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)から吐出される冷媒に混じった潤滑油を分離し、該潤滑油を第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に返送する。具体的には、油分離器(16)において冷媒から分離された潤滑油は、油分離器(16)に接続された油戻し配管(50)を介して後述するインジェクション配管(81)の流入端側に返送される。油戻し配管(50)は、流入側が3つに分岐し、各分岐管が油分離器(16)に接続されている。油戻し配管(50)には流量調整弁(48)が設けられている。
第1,第2及び第3四路切換弁(17,18,19)は、第1ポート(P1)が第3ポート(P3)に連通し且つ第2ポート(P2)が第4ポート(P4)に連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)が第4ポート(P4)に連通し且つ第2ポート(P2)が第3ポート(P3)に連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。上記冷凍装置は、この第1,第2及び第3四路切換弁(17,18,19)の切換動作によって、様々な運転を行うことができる。
第1四路切換弁(第1切換弁)(17)の第1ポート(P1)には第1流出分岐管(56d)が接続されている。第1四路切換弁(17)の第2ポート(P2)は、第2流入分岐管(55b)の第1分岐管(55b1)に接続されている。第1四路切換弁(17)の第3ポート(P3)は、室外ガス配管(58)を介して室外熱交換器(12)のガス側端に接続されている。第1四路切換弁(17)の第4ポート(P4)は、開度調整可能な調整弁(3)が設けられた連絡配管(57)を介して第2四路切換弁(18)の第4ポート(P4)に接続されている。
第2四路切換弁(第2切換弁)(18)の第1ポート(P1)には第2流出分岐管(56e)が接続されている。第2四路切換弁(18)の第2ポート(P2)は、第2流入分岐管(55b)の第2分岐管(55b2)に接続されている。第2四路切換弁(18)の第3ポート(P3)は、第1ガス管(冷媒配管)(62)を介して第1ガス側閉鎖弁(71)に接続され、第2四路切換弁(18)の第4ポート(P4)は、上述したように、連絡配管(57)を介して第1四路切換弁(17)の第4ポート(P4)に接続されている。
第3四路切換弁(第3切換弁)(19)の第1ポート(P1)には第3流出分岐管(56f)が接続されている。第3四路切換弁(19)の第2ポート(P2)は、第1流入分岐管(55a)に接続されている。第3四路切換弁(19)の第3ポート(P3)は、室外第2ガス管(63)を介して第2ガス側閉鎖弁(73)に接続され、第3四路切換弁(19)の第4ポート(P4)は、開閉弁(64)と逆止弁(CV7)とが設けられた連絡配管(65)を介して、レシーバ(15)への冷媒流入管である後述の第2分岐管(79)に接続されている。
室外熱交換器(12)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器であり、近傍に室外ファン(12a)が設けられている。この室外熱交換器(12)では、内部を流れる冷媒と室外ファン(12a)が送風する外気との間で熱交換が行われる。室外ファン(12a)は、室外回路(11)と共に室外ケーシング(10a)内に収容されている。
上記室外熱交換器(12)は、液側端が第1液管(59)を介して上記レシーバ(15)の頂部に接続されている。レシーバ(15)の底部は、第2液管(60)を介して液側閉鎖弁(72)に接続されている。第1液管(59)には室外膨張弁(14)が設けられている。室外膨張弁(14)は、開度が調節可能な電子膨張弁によって構成されている。第1液管(59)及び第2液管(60)には、それぞれ逆止弁(CV4,CV5)が設けられている。第1液管(59)の逆止弁(CV4)は、室外熱交換器(12)からレシーバ(15)の頂部へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。第2液管(60)の逆止弁(CV5)は、レシーバ(15)の底部から液側閉鎖弁(72)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
上記第1液管(59)と第2液管(60)との間には、バイパス管(61)が設けられている。該バイパス管(61)は、一端が第1液管(59)の逆止弁(CV4)の上流側に接続され、他端が第2液管(60)の逆止弁(CV5)の上流側に接続されている。バイパス管(61)には逆止弁が設けられ、室外熱交換器(12)へ向かう冷媒の流れを許容し、逆方向への冷媒の流れを禁止する。また、上記第2液管(60)には過冷却側熱交換器(76)が設けられている。
上記過冷却側熱交換器(76)は、高圧側流路(76a)と低圧側流路(76b)とを備えている。過冷却側熱交換器(76)は、高圧側流路(76a)及び低圧側流路(76b)を流れる冷媒同士が熱交換して高圧側流路(76a)の冷媒が過冷却されるように構成されている。低圧側流路(76b)は、第2液管(60)の逆止弁(CV5)の上流側と後述するインジェクション配管(81)の流入端とを接続する第1分岐管(77)の一部を構成している。第1分岐管(77)の低圧側流路(76b)の上流側には過冷却用膨張弁(78)が設けられている。過冷却用膨張弁(78)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
上記第2液管(60)の逆止弁(CV5)の下流側と第1液管(59)の逆止弁(CV4)の下流側との間には、第2分岐管(79)が設けられている。第2分岐管(79)には、逆止弁(CV6)が設けられている。逆止弁(CV6)は、第2液管(60)から第1液管(59)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
上記インジェクション配管(81)は、上述のように流入端が上記第1分岐管(77)に接続され、流出端は3つに分岐している。具体的には、インジェクション配管(81)の流出端は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐している。各インジェクション管(81a,81b,81c)は、各圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に連通する中間圧ポートに接続されている。また、各インジェクション管(81a,81b,81c)には、それぞれ膨張弁(82a,82b,82c)が設けられている。各膨張弁(82a,82b,82c)は、開度可変の電子膨張弁によって構成されている。各インジェクション管(81a,81b,81c)は、過冷却側熱交換器(76)から各圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室へガス冷媒を導入するインジェクション回路を構成している。このように各圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室へガス冷媒を導入するシステムが所謂エコノマイザシステムとして構成されている。
上記室外回路(11)には、図示していないが、各種センサが設けられている。例えば、吐出配管(56)には、各圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒の温度を検出する吐出温度センサと、各圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサが設けられている。また、吸入配管(55)には、各圧縮機(13a,13b,13c)の吸入冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサが設けられている。
室外熱交換器(12)の近傍には、室外の外気温度を検出する室外温度センサが設けられている。また、過冷却側熱交換器(76)の低圧側流路(76b)の下流側には、温度センサと圧力センサとが設けられている。また、第2流入分岐管(55b)や第1ガス管(62)には、温度センサが設けられている。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(20)は、室内に設置され、上記室内回路(21)と、該室内回路(21)を収容する室内ケーシング(20a)とを有している。室内回路(21)は、ガス側端が第1ガス側連絡配管(51)に接続され、液側端が第1液側連絡配管(52)に接続されている。室内回路(21)には、ガス側端から順に、室内熱交換器(22)及び室内膨張弁(膨張機構)(23)が設けられている。室内熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成され、近傍に室内ファン(22a)が設けられている。室内ファン(22a)は、室内回路(21)と共に室内ケーシング(20a)内に収容されている。室内熱交換器(22)では、内部を流れる冷媒と室内ファン(22a)が送風する室内空気との間で熱交換が行われる。また、室内熱交換器(22)の近傍には、図示していないが、室内空気の温度を検出する室内温度センサが設けられている。室内膨張弁(23)は、開度が調節可能な電子膨張弁によって構成されている。
〈冷蔵ユニット〉
第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)は、上記冷蔵用回路(31,41)と、該冷蔵用回路(31,41)を収容する冷蔵庫(30a,40a)とをそれぞれ有している。
第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)は、ガス側端が第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)に接続され、液側端が第2液側連絡配管(54)の第1分岐液管(54a)に接続されている。第1冷蔵用回路(31)には、ガス側端から順に、第1冷蔵熱交換器(32)、庫内膨張弁(膨張機構)(33)及び電磁弁(34)が設けられている。第1冷蔵熱交換器(冷却側熱交換器)(32)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成され、近傍に庫内ファン(32a)が設けられている。庫内ファン(32a)は、第1冷蔵用回路(31)と共に冷蔵庫(30a)内に収容されている。第1冷蔵熱交換器(32)では、内部を流れる冷媒と庫内ファン(32a)が送風する冷蔵庫(30a)内の庫内空気との間で熱交換が行われる。また、第1冷蔵熱交換器(32)の近傍には、図示していないが、庫内空気の温度を検出する庫内温度センサが設けられている。庫内膨張弁(33)は、感温式膨張弁であって、感温筒が第1冷蔵熱交換器(32)のガス側に取り付けられている。庫内膨張弁(33)は、第1冷蔵熱交換器(32)が蒸発器として機能する際に、該第1冷蔵熱交換器(32)の出口側の冷媒温度に基づいて開度が調節される。
一方、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)は、ガス側端が第2ガス側連絡配管(53)の第2分岐ガス管(53b)に接続され、液側端が第2液側連絡配管(54)の第2分岐液管(54b)に接続されている。第2冷蔵用回路(41)には、ガス側端から順に、第2冷蔵熱交換器(42)、庫内膨張弁(膨張機構)(43)及び電磁弁(44)が設けられている。第2冷蔵熱交換器(冷却側熱交換器)(42)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成され、近傍に庫内ファン(42a)が設けられている。庫内ファン(42a)は、第2冷蔵用回路(41)と共に冷蔵庫(40a)内に収容されている。第2冷蔵熱交換器(42)では、内部を流れる冷媒と庫内ファン(42a)が送風する冷蔵庫(40a)内の庫内空気との間で熱交換が行われる。また、第2冷蔵熱交換器(42)の近傍には、図示していないが、庫内空気の温度を検出する庫内温度センサが設けられている。庫内膨張弁(43)は、感温式膨張弁であって、感温筒が第2冷蔵熱交換器(42)のガス側に取り付けられている。庫内膨張弁(43)は、第2冷蔵熱交換器(42)が蒸発器として機能する際に、該第2冷蔵熱交換器(42)の出口側の冷媒温度に基づいて開度が調節される。
〈コントローラ〉
コントローラ(100)は、冷媒の温度や圧力、室内、庫内及び室外の温度を検出する各種センサの検出値が入力され、その検出値に基づいて各種機器(各種弁や各種ファン等)の制御を行って冷凍装置(1)の運転(室内の空調運転と庫内の冷却運転)を制御するものである。また、本実施形態の冷媒回路(2)は、冷蔵熱交換器(32,42)に着霜した霜を逆サイクルのデフロスト運転で除去するように構成されており、コントローラ(100)は、そのデフロスト運転の制御も行う。
具体的には、上記コントローラ(100)は、上記空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、空調負荷が所定値よりも小さいと、上記第1四路切換弁(17)を上記室外熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えることで該室外熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行することが可能に構成されている。
また、上記コントローラ(100)は、上記空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、空調負荷の大きさを判断する前に、上記第1四路切換弁(17)を上記室外熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えることで該室外熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行することも可能に構成されている。
また、上記コントローラ(100)は、上記室外熱交換器(12)が凝縮器になっている状態で上記空調系統回路(2a)が暖房運転を行っているときに上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行う場合には、上記第1四路切換弁(17)を上記室外熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えることで該室外熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行することも可能に構成されている。
また、上記コントローラ(100)は、上記室外熱交換器(12)が凝縮器になっている状態で上記空調系統回路(2a)が暖房運転を行っているときに上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行う場合には、上記第1四路切換弁(17)を上記室外熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に保って該室外熱交換器(12)を蒸発器にしたままで、デフロスト運転を実行することも可能に構成されている。
−運転動作−
上記冷凍装置(1)では、上述のように、冷房冷却運転、第1暖房冷却運転、第2暖房冷却運転、第3暖房冷却運転の各運転モードが、切り換え機構(17,18,19)を切り換えることにより実行される。
〈冷房冷却運転〉
冷房冷却運転は、室内ユニット(20)の冷房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却を行う運転であり、コントローラ(100)は、図2に示すように、第1及び第2四路切換弁(18,19)を第1状態に切り換え、室外膨張弁(14)を全開状態に制御し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を適宜調節する。また、調整弁(3)と圧力調整弁(67)は全閉に制御される。
また、冷房冷却運転において、コントローラ(100)は、室内熱交換器(22)の蒸発温度と第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)の蒸発温度を求め、室内熱交換器(22)の蒸発温度が第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)の蒸発温度よりも所定値だけ高くなるように調整弁(3)の開度を制御する。
コントローラ(100)による各種機器及び弁の上記の制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、吐出配管(56)において合流してから油分離器(16)において潤滑油が分離され、第1四路切換弁(17)及び室外ガス配管(58)を通過して室外熱交換器(12)に流入する。室外熱交換器(12)では、冷媒が室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(12)で凝縮した液冷媒は、第1液管(59)を介してレシーバ(15)に流入し、該レシーバ(15)に貯留される。
レシーバ(15)に貯留された液冷媒は、レシーバ(15)から流出し、第2液管(60)を液側閉鎖弁(72)に向かって流れる。その際に、液冷媒は過冷却側熱交換器(76)を通過する。
高圧の液冷媒は、過冷却側熱交換器(76)の高圧側流路(76a)に流入する。一方、過冷却側熱交換器(76)の低圧側流路(76b)には高圧側流路(76a)を通過後に第2液管(60)から第1分岐管(77)に分岐して過冷却用膨張弁(78)で減圧された分流冷媒が流入する。低圧側流路(76b)を流れる分岐冷媒は、高圧側流路(76a)を流れる高圧の液冷媒と熱交換して蒸発する一方、高圧側流路(76a)の高圧の液冷媒は、低圧側流路(76b)の分岐冷媒に放熱することによって過冷却状態となる。このようにして過冷却状態となった液冷媒は、液側閉鎖弁(72)を通過して2つに分流し、一方は第2液側連絡配管(54)に流入し、他方は第1液側連絡配管(52)に流入する。
一方、蒸発した低圧側流路(76b)の冷媒は、インジェクション配管(81)に流入する。なお、過冷却用膨張弁(78)の開度は、例えば、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度が所望の過熱度(例えば5℃)となるように調整される。また、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度は、図示していないインジェクション用の温度センサ及び圧力センサの検出値から導出される。なお、インジェクション配管(81)を流れる冷媒の流れは図示していない(以下の各運転モードも同様)。
第2液側連絡配管(54)に流入した液冷媒は、2つに分岐して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、その後に合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。
一方、第1液側連絡配管(52)に流入した液冷媒は、室内膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(22)に流入する。室内熱交換器(22)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内空気が冷却される。なお、上記室内膨張弁(23)の開度は、室内温度センサ(22b)の検出値や室内の設定温度に基づいて所定開度に調節される。例えば、室内膨張弁(23)の開度は、室内温度センサ(22b)の検出値が所望の温度(例えば、20℃)となるように調節される。室内熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、第1ガス側連絡配管(51)、第1ガス管(62)及び第2四路切換弁(18)を通過して吸入配管(55)の第2流入分岐管(55b)に流入する。
上述のようにして吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)及び第2流入分岐管(55b)のそれぞれに流入した冷媒は、合流した後、第1流出分岐管(55c)、第2流出分岐管(55d)及び第3流出分岐管(55e)にそれぞれ分流する。そして、第1〜第3流出分岐管(55c,55d,55e)に流入した冷媒は、それぞれ対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に吸入されて圧縮される(3台の圧縮機をすべて運転している場合)。
一方、インジェクション配管(81)に流入した冷媒は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐した後、対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に導入される。これにより、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出ガス温度が低下する。また、油分離器(16)において第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒から分離された潤滑油は、油戻し配管(50)を通ってインジェクション配管(81)に返送される。
以上のように、上記冷房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を冷房すると同時に、冷蔵庫の庫内を冷却する。
なお、この冷房冷却運転時には、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を閉鎖すると室内の空調のみを行う冷房運転が可能であり、室内回路(21)の室内膨張弁(23)の開度を全閉にすると庫内の冷却のみを行う冷却運転が可能であるが、これらの運転動作の詳細は省略する。
〈第1暖房冷却運転〉
第1暖房冷却運転は、室外熱交換器(12)を用いずに、室内ユニット(20)の暖房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却を行う運転であり、コントローラ(100)は、図3に示すように、第1四路切換弁(17)を第2状態に切り換えると共に第2四路切換弁(18)を第2状態に切り換え、室外膨張弁(14)を全閉状態に制御し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を全開状態に制御する。
また、上記第1暖房冷却運転において、コントローラ(100)は、調整弁(3)の開度を全閉状態に制御し、圧力調整弁(67)の開度を全開に制御する。
コントローラ(100)による各種機器及び弁の上記の制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、吐出配管(56)において合流してから油分離器(16)において潤滑油が分離され、第2四路切換弁(18)、第1ガス管(62)及び第1ガス側連絡配管(51)を通過して室内熱交換器(22)に流入する。室内熱交換器(22)では、冷媒が室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(22)で凝縮した液冷媒は、第1液側連絡配管(52)から第2液側連絡配管(54)へ流入する。
第2液側連絡配管(54)に流入した液冷媒は、2つに分流して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、その後に合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。
上述のようにして吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入した冷媒は、第1流出分岐管(55c)、第2流出分岐管(55d)及び第3流出分岐管(55e)にそれぞれ分岐する。そして、第1〜第3流出分岐管(55c,55d,55e)に流入した冷媒は、それぞれ対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に吸入されて圧縮される。
以上のように、上記第1暖房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を暖房すると同時に、冷蔵庫の庫内を冷却する。つまり、第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(20)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
〈第2暖房冷却運転〉
第2暖房冷却運転は、第1暖房冷却運転の際に室内ユニット(20)の暖房能力が余る場合に、室外熱交換器(12)を凝縮器として用いて室内ユニット(20)の暖房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却とを行う運転である。この第2暖房冷却運転時に、コントローラ(100)は、図4に示すように、第1四路切換弁(17)を第1状態、第2四路切換弁(18)を第2状態に切り換え、室外膨張弁(14)を全開状態に制御し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を全開状態に制御する。また、この第2暖房冷却運転において、コントローラ(100)は、圧力調整弁(67)を全開に制御する。
コントローラ(100)による各種機器及び弁の制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、吐出配管(56)において合流してから油分離器(16)において潤滑油が分離された後、2つに分流し、一方は第1四路切換弁(17)、及び室外ガス配管(58)を介して室外熱交換器(12)に流入し、他方は第2四路切換弁(18)、第1ガス管(62)及び第1ガス側連絡配管(51)を通過して室内熱交換器(22)に流入する。
室内熱交換器(22)及び室外熱交換器(12)では、冷媒がそれぞれ室内空気及び室外空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(22)で凝縮した液冷媒は、第1液側連絡配管(52)から第2液側連絡配管(54)へ流入する。
室外熱交換器(12)で凝縮した液冷媒は、レシーバ(15)に流入し、該レシーバ(15)に貯留される。レシーバ(15)に貯留された液冷媒は、レシーバ(15)から流出し、第2液管(60)を液側閉鎖弁(72)に向かって流れる。その際に、液冷媒は過冷却側熱交換器(76)を通過する。
高圧の液冷媒は、過冷却側熱交換器(76)の高圧側流路(76a)に流入する。一方、過冷却側熱交換器(76)の低圧側流路(76b)には高圧側流路(76a)を通過後に第2液管(60)から第1分岐管(77)に分岐して過冷却用膨張弁(78)で減圧された分岐冷媒が流入する。低圧側流路(76b)を流れる分岐冷媒は、高圧側流路(76a)を流れる高圧の液冷媒と熱交換して蒸発する一方、高圧側流路(76a)の高圧の液冷媒は、低圧側流路(76b)の分岐冷媒に放熱することによって過冷却状態となる。このようにして過冷却状態となった液冷媒は、液側閉鎖弁(72)を通過して第2液側連絡配管(54)に流入する。
一方、蒸発した低圧側流路(76b)の冷媒は、インジェクション配管(81)に流入する。なお、過冷却用膨張弁(78)の開度は、例えば、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度が所望の過熱度(例えば5℃)となるように調整される。また、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度は、図示していないインジェクション用の温度センサ及び圧力センサの検出値から導出される。
第2液側連絡配管(54)で合流した液冷媒は、2つに分岐して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、その後に合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。
上述のようにして吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入した冷媒は、第1流出分岐管(55c)、第2流出分岐管(55d)及び第3流出分岐管(55e)にそれぞれ分岐する。そして、第1〜第3流出分岐管(55c,55d,55e)に流入した冷媒は、それぞれ対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション配管(81)に流入した冷媒は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐した後、対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に導入される。これにより、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出ガス温度が低下する。また、油分離器(16)において第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒から分離された潤滑油は、油戻し配管(50)を通ってインジェクション配管(81)に返送される。
以上のように、上記第2暖房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を暖房すると同時に、冷蔵庫の庫内を冷却する。つまり、第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(20)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、余る凝縮熱のみを室外熱交換器(12)で室外に放出する。
〈第3暖房冷却運転〉
第3暖房冷却運転は、第1暖房冷却運転の際に室内ユニット(20)の暖房能力が不足する場合に、室外熱交換器(12)を蒸発器として用いて室内ユニット(20)の暖房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却を行う運転である。この第3暖房冷却運転時に、コントローラ(100)は、図5に示すように、第1四路切換弁(18)を第2状態に切り換えると共に第2四路切換弁(19)を第2状態に切り換え、室外膨張弁(14)の開度を適宜調整し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を全開状態に制御する。
また、上記第3暖房冷却運転において、コントローラ(100)は、調整弁(3)及び圧力調整弁(67)の開度を全閉状態に制御する。
コントローラ(100)による各種機器及び弁の上記の制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、吐出配管(56)において合流してから油分離器(16)において潤滑油が分離された後、第2四路切換弁(18)、第1ガス管(62)及び第1ガス側連絡配管(51)を通過して室内熱交換器(22)に流入する。室内熱交換器(22)では、冷媒が室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(22)で凝縮した液冷媒は、第1液側連絡配管(52)を通過してから分流し、一方が第2分岐管(79)及び第1液管(59)を介してレシーバ(15)に流入して該レシーバ(15)に貯留され、他方が第2液側連絡配管(54)へ流入する。
レシーバ(15)に貯留された液冷媒は、レシーバ(15)から流出し、第2液管(60)を液側閉鎖弁(72)に向かって流れる。その際に、液冷媒は過冷却側熱交換器(76)を通過する。
高圧の液冷媒は、過冷却側熱交換器(76)の高圧側流路(76a)に流入する。一方、過冷却側熱交換器(76)の低圧側流路(76b)には高圧側流路(76a)を通過後に第2液管(60)から第1分岐管(77)に分岐して過冷却用膨張弁(78)で減圧された分岐冷媒が流入する。低圧側流路(76b)を流れる分岐冷媒は、高圧側流路(76a)を流れる高圧の液冷媒と熱交換して蒸発する一方、高圧側流路(76a)の高圧の液冷媒は、低圧側流路(76b)の分岐冷媒に放熱することによって過冷却状態となる。このようにして過冷却状態となった液冷媒はバイパス管(61)に流入する。
蒸発した低圧側流路(76b)の冷媒は、インジェクション配管(81)に流入する。なお、過冷却用膨張弁(78)の開度は、例えば、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度が所望の過熱度(例えば5℃)となるように調整される。また、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度は、図示していないインジェクション用の温度センサ及び圧力センサの検出値から導出される。
第2液側連絡配管(54)に流入した液冷媒は、2つに分流して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、その後に合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。第1流入分岐管(55a)に流入した冷媒は、第1流出分岐管(55c)及び第2流出分岐管(55d)を通り、第1,第2圧縮機(13a,13b)に吸入されて圧縮される。
一方、バイパス管(61)に流入した液冷媒は、室外膨張弁(14)で減圧された後、室外熱交換器(12)に流入する。室外熱交換器(12)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(12)で蒸発した冷媒は、室外ガス配管(58)及び第1四路切換弁(17)を介して吸入配管(55)の第2流入分岐管(55b)に流入する。第2流入分岐管(55b)に流入した冷媒は、第3流出分岐管(55e)を通り、第3圧縮機(13c)に吸入されて圧縮される。
なお、インジェクション配管(81)に流入した冷媒は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐した後、対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に導入される。これにより、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出ガス温度が低下する。また、油分離器(16)において第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒から分離された潤滑油は、油戻し配管(50)を通ってインジェクション配管(81)に返送される。
以上のように、上記第3暖房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を暖房すると同時に、冷蔵庫の庫内を冷却する。つまり、第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(20)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、不足する蒸発熱を室外熱交換器(12)において吸収する。
〈運転の切り換え〉
本実施形態では、第1四路切換弁(17)と第2四路切換弁(18)を、互いに独立して切り換えできるように冷媒回路(2)に設けている。このことにより、本実施形態では、暖房のサーモオフ(休止運転)から冷房に切り換える際、室外熱交換器を蒸発器とする暖房運転の状態で空調サーモオフとなる際、あるいは暖房のサーモオフ時に冷媒回収をする際などに、室内へ温風が吹き出されるのを抑制するようにしている。そこで、これらの切り換え動作について、図9〜図11のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の制御の説明における各四路切換弁の状態に関し、第1状態を図面では「OFF」と示し、第2状態を図面では「ON」と示す。このことは、後述のデフロスト制御においても同様である。
<暖房サーモオフから冷房への切り換え>
暖房のサーモオフ時は、例えば図4において室内ユニット(20)の室内膨張弁(23)が全閉となって冷媒が室内熱交換器(22)を流れず、室内ファン(22a)が停止している。この状態で図9に示すフローチャートの動作が開始されると、ステップST1において、コントローラ(100)により、ユーザーがリモコン(リモートコントローラ)を操作して冷房切り換え要求をしたかどうかが判別される。判別結果が「YES」の場合、ステップST2において第2四路切換弁(18)が第1状態に切り換わる。冷房への切り換え要求があると室内膨張弁(23)の開度が調整され、室内ファン(22a)が回転するので、冷媒回路の状態は図2に示す状態となり、室内がすぐに冷房される状態になる。したがって、室内への温風の吹き出しが抑制される。
また、ステップST2において冷房への切換要求がないと判断されると、第2四路切換弁(18)の状態を維持し、切り換え要求があるまで、そのままの運転状態が継続される。
<暖房(室外熱交換器が蒸発器)から暖房サーモオフへの切り換え>
室外熱交換器を蒸発器とする暖房運転の状態で空調サーモオフになる際は、図5において室内熱交換器の冷媒の流通が停止する。このときの制御は、図10に基づいて行われる。このフローチャートの動作が開始されると、ステップST11において、設定温度と室内温度に基づいて、コントローラ(100)が暖房サーモオフ要求の有無を判別する。判別結果が「YES」の場合は、ステップST12において、第1四路切換弁(17)が第2状態から第1状態に切り換えられる。この結果、室外熱交換器(12)が圧縮機(13)の吐出側に連通するので、室外熱交換器(12)が蒸発器として機能する状態から凝縮器として機能する状態に切り換わる。それに伴って室外膨張弁(14)を全開にするなどの制御が行われる。
この結果、室内熱交換器(22)が停止しても、冷媒は、室外熱交換器(12)で凝縮し、冷蔵熱交換器(32,42)で蒸発する状態で冷媒回路(2)を循環する。この制御を行えば、従来とは違って凝縮器が存在しなくなって熱的なバランスが取れなくなる状態が生じない。したがって、室内熱交換器(22)が不必要に凝縮器となることがなく、室内への温風の吹き出しが抑制される。
<暖房サーモオフから冷媒回収への切り換え>
暖房のサーモオフ時に、蒸発器に液冷媒が溜まって圧縮機で冷媒不足が生じると、冷媒回収の動作が行われる。このときは、図4において室内ユニット(20)の室内膨張弁(23)が全閉となって冷媒が室内熱交換器(22)を流れず、室内ファン(22a)が停止している状態で、図11のフローチャートの動作が行われる。このフローチャートの動作が開始されると、ステップST21において冷媒回収要求の有無をコントローラ(100)が判別する。判別結果が「YES」の場合は、ステップST22において室外膨張弁(14)の開度が調整される。そうすると、圧縮機(13)から室外熱交換器(12)と室内熱交換器(22)へ供給される冷媒が少ない状態で、冷蔵熱交換器(32,42)から冷媒が圧縮機(13)へ吸入されるので、結果として圧縮機(13)へ冷媒が回収されることになる。このとき、図3の第1暖房冷却運転を行わなくても冷媒を回収することができ、暖房サーモオフを継続できるので、室内への温風の吹き出しを抑えられる。
〈デフロスト運転〉
<冷房時の冷蔵熱交換器のデフロト動作1>
次に、図2の冷房冷却運転時に冷蔵熱交換器のデフロストをする第1の動作について、図12のフローチャートを用いて説明する。
図12のフローチャートの動作が開始されると、ステップST31において、運転モードが冷房運転であるかどうかと、且つ第1,第2冷蔵熱交換器(32,42)に対してデフロスト要求があるかどうかが判別され、判別結果が「YES」であるとステップST32に進む。ステップST32では、まず、第3四路切換弁(19)が第1状態(OFF)から第2状態(ON)に切り換えられて図6の状態になる。そしてステップST33では、冷蔵熱交換器(32,42)で逆サイクルデフロストが行われ、圧縮機(13)は、冷媒回路の高圧圧力が目標高圧HP(例えばTc(凝縮温度)=30℃)になるように制御される。
次に、ステップST34では、逆サイクルデフロスト中に室内の空調負荷が小さくなったかどうかが判別され、判別結果が「YES」であるとステップST35に進んで第1四路切換弁(17)が第1状態から第2状態に切り換えられ、室内熱交換器(22)に加えて室外熱交換器(12)も蒸発器として機能する図7の状態となる(これに伴い、室外膨張弁(14)の制御なども行われる)。この状態で、ステップST36で室内負荷が大きくなったかどうかが判別され、判別結果が「YES」であれば、ステップST37において室外膨張弁(14)の開度を小さくし、室内熱交換器(22)へ流れる冷媒量を増やす操作が行われる。
その後、ステップST38においてデフロスト動作の終了条件が満たされているかどうかの判別が行われ、判別結果が「NO」であれば、ステップST34以降の動作が繰り返される。また、ステップST38でデフロスト動作が終了したと判断されると、このフローチャートの動作を終了して通常運転の制御に戻る。
一方、ステップST31,ステップST34,ステップST36のそれぞれで判別結果が「NO」であった場合は、ステップST38に進んでデフロスト動作の終了条件が満たされているかどうかが判別され、終了していないと判断された場合はステップST34へ戻り、終了していると判断された場合は通常制御へ戻る。
<冷房時の冷蔵熱交換器のデフロト動作2>
図2の冷房冷却運転時に冷蔵熱交換器のデフロストをする第2の動作について、図13のフローチャートを用いて説明する。
図13のフローチャートの動作が開始されると、ステップST41において、運転状態が冷房運転であり、且つ第1,第2冷蔵熱交換器(32,42)に対してデフロスト要求があるかどうかが判別され、判別結果が「YES」であるとステップST42,ステップST43に進む。ステップST42では、第3四路切換弁(19)が第1状態(OFF)から第2状態(ON)に切り換えられ、ステップST43では、第1四路切換弁(17)が第1状態(OFF)から第2状態(ON)に切り換えられ、室内熱交換器(22)に加えて室外熱交換器(12)も蒸発器として機能する図7の状態となる(これに伴い、室外膨張弁(14)の制御なども行われる)。そしてステップST44では、冷蔵熱交換器(32,42)で逆サイクルデフロストが行われ、圧縮機(13)は、冷媒回路の高圧圧力が目標高圧HP(Tc(凝縮温度)=30℃)になるよう制御される。
次に、ステップST45で室内負荷が大きくなったかどうかが判別され、判別結果が「YES」であれば、ステップST46において室外膨張弁(14)の開度を小さくし、室内熱交換器(22)へ流れる冷媒量を増やす操作が行われる。
その後、ステップST47においてデフロスト動作の終了条件が満たされているかどうかの判別が行われ、判別結果が「NO」であれば、ステップST45以降の動作が繰り返される。また、ステップST47でデフロスト動作が終了したと判断されると、このフローチャートの動作を終了して通常運転の制御に戻る。
一方、ステップST41,ステップST45のそれぞれで判別結果が「NO」であった場合は、ステップST47に進んでデフロスト動作の終了条件が満たされているかどうかが判別され、終了していないと判断された場合はステップST45へ戻り、終了していると判断された場合は通常制御へ戻る。
<第2暖房冷却運転時の冷蔵熱交換器のデフロト動作>
次に、図4の第2暖房冷却運転時に冷蔵熱交換器のデフロストをする動作について、図14のフローチャートを用いて説明する。
図14のフローチャートの動作が開始されると、ステップST51において、運転状態が第2暖房冷却運転であるかどうかと、且つ第1,第2冷蔵熱交換器(32,42)に対してデフロスト要求があるかどうかが判別され、判別結果が「YES」であるとステップST522,ステップST53に進む。ステップST52では、第1四路切換弁(17)が第1状態(OFF)から第2状態(ON)に切り換えられ、ステップST53では、第3四路切換弁(19)が第1状態(OFF)から第2状態(ON)に切り換えられ、室外熱交換器(12)が蒸発器として機能し、冷蔵熱交換器(32,42)が凝縮器として機能する図8の状態となる(これに伴い、室外膨張弁(14)の制御なども行われる)。そしてステップST54では、冷蔵熱交換器(32,42)で逆サイクルデフロストが行われ、圧縮機(13)は、冷媒回路の高圧圧力が目標高圧HP(Tc(凝縮温度)=30℃)になるよう制御される。
<第2暖房冷却運転時の冷蔵用熱効果機のデフロスト動作>
次に、図5の第3暖房冷却運転時に冷蔵熱交換器のデフロストをする動作について、図15のフローチャートを用いて説明する。
図15のフローチャートの動作が開始されると、ステップST61において、運転状態が第3暖房冷却運転であるかどうかと、且つ第1,第2冷蔵熱交換器(32,42)に対してデフロスト要求があるかどうかが判別され、判別結果が「YES」であるとステップST622に進む。ステップST62では、第3四路切換弁(19)が第1状態(OFF)から第2状態(ON)に切り換えられ、室外熱交換器(12)が蒸発器として機能し、冷蔵熱交換器(32,42)が凝縮器として機能する図8の状態となる(これに伴い、室外膨張弁(14)の制御なども行われる)。そしてステップST63では、冷蔵熱交換器(32,42)で逆サイクルデフロストが行われ、圧縮機(13)は、冷媒回路の高圧圧力が目標高圧HP(Tc(凝縮温度)=30℃)になるよう制御される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、第1切換弁(17)と第2切換弁(18)がそれぞれの接続状態を互いに独立して切り換わるようにしたことにより、空調側熱交換器(22)が凝縮器になる状態にしなくても運転を任意に切り換えることができるので、切り換え時に室内への温風の吹き出しが生じず、室内の快適性が損なわれるのを抑制できる。
例えば暖房のサーモオフ(休止運転)から冷房に切り換える際に、上記四路切換弁のうち、空調側の圧縮機(13)の吸入に近い側にある四路切換弁を先に切り換えないと遠い側の四路切換弁に差圧が付かなくなるような問題が生じない。したがって、室内熱交換器(22)が不必要に凝縮器になる状態が発生しないので、室内へ不用意に温風が吹き出されるのを抑制できる。
また、室外熱交換器を蒸発器とする暖房運転の状態で空調サーモオフになるときでも、上記第1切換弁(17)と第2切換弁(18)を適宜切り換えることにより、室内へ温風が吹き出されるのを抑制できる。
さらに、暖房のサーモオフ時に、蒸発器に液冷媒が溜まって圧縮機(13)で冷媒不足が生じても、上記第1切換弁(17)と第2切換弁(18)を適宜切り換えることにより、室内に温風が吹き出されてしまうのを抑制できる。
また、上記実施形態によれば、上記第1切換弁(17)及び上記第2切換弁(18)の両方に、吐出側接続ポート(P1)と吸入側接続ポート(P2)と熱交換器接続ポート(P3)とを有する四路切換弁を用いて、上記切り換え機構(17,18,19)を容易に実現できる。
また、上記実施形態によれば、上記切り換え機構(17,18,19)を用いて冷却側熱交換器(32,42)の逆サイクルデフロストを行うことが可能になる。従来の空調系統回路(2a)と冷却系統回路(2b)を有する冷凍装置では、冷却側熱交換器(32,42)のデフロストはヒータによるデフロストかオフサイクルデフロスト(冷媒を流さないデフロスト)を行っていたが、本実施形態によればヒータを用いなくてよいので装置構成を簡素化でき、オフサイクルデフロストでなく逆サイクルデフロストを行うことでデフロスト時間を短縮できる。
特に、上記実施形態によれば、空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で空調負荷が所定値よりも小さいときに、熱源側熱交換器(12)を蒸発器にすることにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。また、空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態では、空調負荷の大きさにかかわらず、熱源側熱交換器(12)を蒸発器にすることにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。
また、上記実施形態によれば、熱源側熱交換器(12)が凝縮器になって空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態では、熱源側熱交換器(12)を蒸発器に切り換えることにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。また、熱源側熱交換器(12)が蒸発器になって空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態では、熱源側熱交換器(12)を蒸発器に維持することにより、冷却系統回路(2b)の逆サイクルのデフロスト運転を容易に行うことができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、第1四路切換弁(17)と第2四路切換弁(18)を切り換える際に、これらの四路切換弁(17,18)に液冷媒がたまって切り換え動作が行われにくくなることが考えられるが、そのような場合には、調整弁(3)を開いて液冷媒を低圧側へ抜くことができるので、四路切換弁(17,18)の動作を円滑に行うようにすることが可能である。
また、これらの四路切換弁(17,18)は、連絡配管(57)の接続されたポートが閉塞された3方弁で代用してもよい。
また、上記実施形態では、各運転において、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の全てが運転状態となっているが、運転台数は適宜変更してもよい。
また、上記実施形態では、第2冷蔵ユニット(40)が、第1冷蔵ユニット(30)の蒸発温度よりも低い温度で冷媒が蒸発する冷凍ユニットとして構成されていてもよいし、冷蔵ユニットと冷凍ユニットの台数を適宜変更してもよい。また、空調側熱交換器である室内熱交換器を有する室内ユニットの台数も上記各実施形態に限らず、適宜変更してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、室内を空調する空調側熱交換器と冷蔵庫や冷凍庫のような冷却庫の庫内を冷却する冷却側熱交換器とを備えた冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
2 冷媒回路
2a 空調系統回路
2b 冷却系統回路
12 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
13 圧縮機
14 室外膨張弁(膨張機構)
17 第1四路切換弁(第1切換弁,切り換え機構)
18 第2四路切換弁(第2切換弁,切り換え機構)
19 第3四路切換弁(第3切換弁,切り換え機構)
22 室内熱交換器(空調側熱交換器)
23 室内膨張弁(膨張機構)
30 冷蔵ユニット(冷却庫)
32 冷蔵熱交換器(冷却側熱交換器)
33 庫内膨張弁
40 冷蔵ユニット(冷却庫)
42 冷蔵熱交換器(冷却側熱交換器)
43 庫内膨張弁
55 吸入配管
55c 第1吸入分岐管
55d 第2吸入分岐管
55e 第3吸入分岐管
56 吐出配管
56d 第1吐出分岐管
56e 第2吐出分岐管
56f 第3吐出分岐管
58 冷媒配管(室外ガス管)
62 第1ガス管(冷媒配管)
P1 吐出側接続ポート
P2 吸入側接続ポート
P3 熱交換器接続ポート
100 コントローラ(制御器)

Claims (8)

  1. 圧縮機(13)と熱源側熱交換器(12)と膨張機構(14,23,33,34)と室内を空調する空調側熱交換器(22)と冷却庫(30,40)の庫内を冷却する冷却側熱交換器(32,42)が接続されて、上記室内を空調するための空調系統回路(2a)と上記冷却庫(30,40)の庫内を冷却するための冷却系統回路(2b)とが形成された冷媒回路(2)を備え、
    上記冷媒回路(2)は、上記熱源側熱交換器(12)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記空調側熱交換器(22)が凝縮器または蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、上記冷却側熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態の切り換えと、を行う切り換え機構(17,18,19)を備えた冷凍装置であって、
    上記切り換え機構(17,18,19)は、上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第1切換弁(17)と、上記空調側熱交換器(22)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とを切り換える第2切換弁(18)とを備え、該第1切換弁(17)と第2切換弁(18)とはそれぞれの接続状態を互いに独立して切り換え可能であり、
    上記切り換え機構(17,18,19)を制御する制御器(100)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記第1切換弁(17)は、上記圧縮機(13)の吐出配管から分岐した第1吐出分岐管が接続される吐出側接続ポート(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管から分岐した第1吸入分岐管が接続される吸入側接続ポート(P2)と、上記熱源側熱交換器(12)に冷媒配管を介して接続される熱交換器接続ポート(P3)とを有し、
    上記第2切換弁(18)は、上記圧縮機(13)の吐出配管から分岐した第2吐出分岐管が接続される吐出側接続ポート(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管から分岐した第2吸入分岐管が接続される吸入側接続ポート(P2)と、上記空調側熱交換器(22)に冷媒配管を介して接続される熱交換器接続ポート(P3)とを有していることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記切り換え機構(17,18,19)は、上記冷却側熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する状態と停止する状態との切り換えに加えて、上記冷却側熱交換器(32,42)が凝縮器として機能する状態に切換可能に構成された機構であって、上記冷却側熱交換器(32,42)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態と吸入側に接続される状態とに切り換える第3切換弁(19)を備え、
    上記制御器(100)は、上記第3切換弁(19)を上記冷却側熱交換器(32,42)が上記圧縮機(13)の吐出側に接続される状態に切り換えて、上記冷却側熱交換器(32,42)を凝縮器とするデフロスト運転を行うことが可能に構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項3において、
    上記第3切換弁(19)は、上記圧縮機(13)の吐出配管から分岐した第3吐出分岐管が接続される吐出側接続ポート(P1)と、上記圧縮機(13)の吸入配管から分岐した第3吸入分岐管が接続される吸入側接続ポート(P2)と、上記冷却側熱交換器(32,42)に冷媒配管を介して接続される熱交換器接続ポート(P3)とを有していることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項3または4において、
    上記制御器(100)は、上記空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、空調負荷が所定値よりも小さいと、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えて該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項3または4において、
    上記制御器(100)は、上記空調系統回路(2a)が冷房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、空調負荷の大きさを判断する前に、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えて該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項3または4において、
    上記制御器(100)は、上記熱源側熱交換器(12)が凝縮器になって上記空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に切り換えて該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にして、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  8. 請求項3または4において、
    上記制御器(100)は、上記熱源側熱交換器(12)が蒸発器になって上記空調系統回路(2a)が暖房運転を行っている状態で上記冷却系統回路(2b)のデフロスト運転を行うときには、上記第1切換弁(17)を上記熱源側熱交換器(12)が上記圧縮機(13)の吸入側に接続される状態に保って該熱源側熱交換器(12)を蒸発器にしたままで、デフロスト運転を実行するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
JP2017070218A 2017-03-31 2017-03-31 冷凍装置 Pending JP2018173197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017070218A JP2018173197A (ja) 2017-03-31 2017-03-31 冷凍装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017070218A JP2018173197A (ja) 2017-03-31 2017-03-31 冷凍装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018173197A true JP2018173197A (ja) 2018-11-08

Family

ID=64108510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017070218A Pending JP2018173197A (ja) 2017-03-31 2017-03-31 冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018173197A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110173917A (zh) * 2019-06-21 2019-08-27 珠海格力电器股份有限公司 空调系统及其控制方法
CN110542183A (zh) * 2019-09-12 2019-12-06 广东美的制冷设备有限公司 运行控制方法、运行控制装置、空调器和存储介质
CN112728849A (zh) * 2021-02-01 2021-04-30 珠海格力电器股份有限公司 一种冷冻冷藏装置及其控制方法和控制装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110173917A (zh) * 2019-06-21 2019-08-27 珠海格力电器股份有限公司 空调系统及其控制方法
CN110173917B (zh) * 2019-06-21 2023-07-18 珠海格力电器股份有限公司 空调系统及其控制方法
CN110542183A (zh) * 2019-09-12 2019-12-06 广东美的制冷设备有限公司 运行控制方法、运行控制装置、空调器和存储介质
CN110542183B (zh) * 2019-09-12 2021-09-21 广东美的制冷设备有限公司 运行控制方法、运行控制装置、空调器和存储介质
CN112728849A (zh) * 2021-02-01 2021-04-30 珠海格力电器股份有限公司 一种冷冻冷藏装置及其控制方法和控制装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4001171B2 (ja) 冷凍装置
JP4360203B2 (ja) 冷凍装置
WO2014141375A1 (ja) 空気調和装置
WO2014141374A1 (ja) 空気調和装置
JP5992088B2 (ja) 空気調和装置
JP2009257759A (ja) 冷凍装置
WO2014141373A1 (ja) 空気調和装置
JP6052456B2 (ja) 冷凍装置
JP2019066086A (ja) 冷凍装置
JP2018173197A (ja) 冷凍装置
JP6508394B2 (ja) 冷凍装置
WO2019065856A1 (ja) 冷凍装置
JPWO2014038059A1 (ja) 空気調和装置
JP2008267653A (ja) 冷凍装置
JP4720641B2 (ja) 冷凍装置
WO2019189838A1 (ja) 冷凍装置
JP2008175430A (ja) 空気調和機
KR101173736B1 (ko) 냉장 및 냉동 복합 공조시스템
JP6042037B2 (ja) 冷凍サイクル装置
KR20120077389A (ko) 히트펌프 연동 급탕장치 및 그 제어방법
JP2009115336A (ja) 冷凍装置
JP5790367B2 (ja) 冷凍装置
JP5062079B2 (ja) 冷凍装置
JP2006300507A (ja) 冷凍装置
JP2018173198A (ja) 冷凍装置