以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
実施形態の冷凍装置は、例えばコンビニエンスストア等に設置されて店内の空気調和とショーケース等の冷却とを行うものである。
−全体構成−
図1に示すように、冷凍装置(1)は、室外ユニット(10)と、室内ユニット(20)と、第1冷蔵ユニット(30)と、第2冷蔵ユニット(40)と、コントローラ(100)とを備えている。室外ユニット(10)には、室外熱交換器(熱源側熱交換器)(12)を有する熱源側回路としての室外回路(11)が設けられている。室内ユニット(20)には、室内熱交換器(空調熱交換器)(22)を有する室内回路(利用側回路)(21)が設けられている。第1冷蔵ユニット(30)には、第1冷蔵用熱交換器(冷却熱交換器)(32)を有する第1冷蔵用回路(利用側回路)(31)が設けられている。第2冷蔵ユニット(40)には、第2冷蔵用熱交換器(冷却熱交換器)(42)を有する第2冷蔵用回路(利用側回路)(41)が設けられている。室外回路(11)に対して複数の利用側回路(21,31,41)が互いに並列に接続されることで蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(2)が構成されている。
上記室外回路(11)と各利用側回路(21,31,41)は、第1ガス側連絡配管(51)、第1液側連絡配管(52)、第2ガス側連絡配管(53)及び第2液側連絡配管(54)によって互いに接続されている。具体的には、第1ガス側連絡配管(51)は、一端が室内回路(21)のガス側端に接続され、他端が室外回路(11)の第1ガス側閉鎖弁(71)に接続されている。第1液側連絡配管(52)は、一端が室内回路(21)の液側端に接続され、他端が室外回路(11)の第1液側閉鎖弁(72)に接続されている。第2ガス側連絡配管(53)は、一端側が第1分岐ガス管(53a)と第2分岐ガス管(53b)とに分岐し、他端が室外回路(11)の第2ガス側閉鎖弁(73)に接続されている。第1分岐ガス管(53a)の先端は、第1冷蔵用回路(31)のガス側端に接続され、第2分岐ガス管(53b)の先端は、第2冷蔵用回路(41)のガス側端に接続されている。第2液側連絡配管(54)は、一端側が第1分岐液管(54a)と第2分岐液管(54b)とに分岐し、他端が室外回路(11)の第2液側閉鎖弁(74)に接続されている。第1分岐液管(54a)の先端は、第1冷蔵用回路(31)の液側端に接続され、第2分岐液管(54b)の先端は、第2冷蔵用回路(41)の液側端に接続されている。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(10)は、屋外に設置され、上記室外回路(11)と、該室外回路(11)を収容する室外ケーシング(10a)とを有している。室外回路(11)は、上記室外熱交換器(12)と、圧縮機構(13)と、室外膨張弁(膨張機構)(14)と、レシーバ(15)と、第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)と、第1及び第2四路切換弁(切換機構)(18,19)と、4つの閉鎖弁(71,72,73,74)とを備えている。
上記圧縮機構(13)は、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)を有している。第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)は、いずれも固定スクロール及び可動スクロールが噛み合って形成される圧縮室を有する全密閉型のスクロール圧縮機に構成されている。第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)では、各圧縮室の吸入位置において吸入ポート(図示省略)が開口し、吐出位置において吐出ポート(図示省略)が開口し、中間位置において中間ポート(図示省略)が開口している。
上記第1圧縮機(13a)は、可変容量型の圧縮機を構成している。つまり、第1圧縮機(13a)は、インバータ制御によって回転速度が可変に構成されている。一方、第2圧縮機(13b)及び第3圧縮機(13c)は、回転速度が一定の固定容量型の圧縮機を構成している。なお、第2圧縮機(13b)及び第3圧縮機(13c)は、可変容量型の圧縮機であってもよい。また、上記第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)には、吸入側に吸入配管(55)が接続される一方、吐出側に吐出配管(56)が接続されている。
上記吸入配管(55)は、流入側が第1流入分岐管(55a)と第2流入分岐管(55b)とに分岐している。第1流入分岐管(55a)は上記第2ガス側閉鎖弁(73)に接続される一方、第2流入分岐管(55b)は第2四路切換弁(19)の第2ポートに接続されている。また、吸入配管(55)は、流出側が第1流出分岐管(55c)と第2流出分岐管(55d)と第3流出分岐管(55e)とに分岐している。第1流出分岐管(55c)は上記第1圧縮機(13a)の吸入側端に接続され、第2流出分岐管(55d)は上記第2圧縮機(13b)の吸入側端に接続され、第3流出分岐管(55e)は上記第3圧縮機(13c)の吸入側端に接続されている。また、吸入配管(55)には、フィルタ(55f)が設けられている。
上記吐出配管(56)は、流入側が第1流入分岐管(56a)と第2流入分岐管(56b)と第3流入分岐管(56c)とに分岐している。第1流入分岐管(56a)は上記第1圧縮機(13a)の吐出側端に接続され、第2流入分岐管(56b)は上記第2圧縮機(13b)の吐出側端に接続され、第3流入分岐管(56c)は上記第3圧縮機(13c)の吐出側端に接続されている。第1〜第3流入分岐管(56a,56b,56c)にはそれぞれに逆止弁(CV1,CV2,CV3)が設けられている。これらの逆止弁(CV1,CV2,CV3)は、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)から四路切換弁(18,19)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。また、吐出配管(56)は、流出側が第1流出分岐管(56d)と第2流出分岐管(56e)とに分岐している。第1流出分岐管(56d)は第1四路切換弁(18)の第1ポートに接続され、第2流出分岐管(56e)は第2四路切換弁(19)の第1ポートに接続されている。
上記第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)は、吐出配管(56)の各流入分岐管(56a,56b,56c)の中途部であって各圧縮機(13a,13b,13c)と各逆止弁(CV1,CV2,CV3)との間に設けられている。第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)は、それぞれ接続される第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)から吐出される冷媒に混じった潤滑油を分離し、該潤滑油を第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に返送する。具体的には、第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)において冷媒から分離された潤滑油は、各第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)に接続された油戻し配管(50)を介して後述するインジェクション配管(81)の流入端側に返送される。油戻し配管(50)は、流入側が3つに分岐し、各分岐管が各油分離器(17a,17b,17c)に接続されている。油戻し配管(50)の各分岐管には、油分離器(17a,17b,17c)からインジェクション配管(81)へ向かって順に、逆止弁(CV11,CV12,CV13)とキャピラリチューブ(48a,48b,48c)とが設けられている。各逆止弁(CV11,CV12,CV13)は、油分離器(17a,17b,17c)からインジェクション配管(81)へ向かう潤滑油の流通を許容し、逆方向への潤滑油の流通を阻止する。
第1及び第2四路切換弁(18,19)は、第1ポートが第3ポートに連通し且つ第2ポートが第4ポートに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートが第4ポートに連通し且つ第2ポートが第3ポートに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。上記冷凍装置は、この第1及び第2四路切換弁(18,19)の切換動作によって、様々な運転を行うことができる。
第1四路切換弁(第1切換弁)(18)の第1ポートには第1流出分岐管(56d)が接続されている。第1四路切換弁(18)の第2ポートは、連絡配管(調整配管)(57)を介して第2四路切換弁(19)の第4ポートに接続されている。第1四路切換弁(18)の第3ポートは、室外ガス配管(58)を介して室外熱交換器(12)のガス側端に接続されている。第1四路切換弁(18)の第4ポートは、第1ガス管(62)を介して第1ガス側閉鎖弁(71)に接続されている。
第2四路切換弁(第2切換弁)(19)の第1ポートには第2流出分岐管(56e)が接続されている。第2四路切換弁(19)の第2ポートは、第2流入分岐管(55b)に接続されている。第2四路切換弁(19)の第3ポートは封止されている。第2四路切換弁(19)の第4ポートは、上述のように、連絡配管(57)を介して第1四路切換弁(18)の第2ポートに接続されている。
なお、第1四路切換弁(18)及び第2四路切換弁(19)は、後述する冷房冷却運転と本発明に係る熱回収運転を構成する第2暖房冷却運転とを切り換える本発明に係る切換機構を構成する。
上記連絡配管(57)には、開度可変に構成された調整弁(3)が設けられている。調整弁(3)は、第1及び第2四路切換弁(18,19)に接続された連絡配管(57)に設けられることにより、後述する第1暖房冷却運転(熱回収運転)の際には圧縮機構(13)と室外熱交換器(12)との間に位置し且つ冷房冷却運転の際には室内熱交換器(22)と圧縮機構(13)との間に位置することとなる。また、調整弁(3)は、後述する調整弁制御部(105)により、運転に応じて開度が調整されるように構成されている。
室外熱交換器(12)は、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器であり、近傍に室外ファン(12a)が設けられている。この室外熱交換器(12)では、内部を流れる冷媒と室外ファン(12a)が送風する外気との間で熱交換が行われる。室外ファン(12a)は、室外回路(11)と共に室外ケーシング(10a)内に収容されている。
上記室外熱交換器(12)は、液側端が第1液管(59)を介して上記レシーバ(15)の頂部に接続されている。レシーバ(15)の底部は、第2液管(60)を介して第1液側閉鎖弁(72)に接続されている。第1液管(59)及び第2液管(60)には、それぞれ逆止弁(CV4,CV5)が設けられている。第1液管(59)の逆止弁(CV4)は、室外熱交換器(12)からレシーバ(15)の頂部へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。第2液管(60)の逆止弁(CV5)は、レシーバ(15)の底部から第1液側閉鎖弁(72)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
上記第1液管(59)と第2液管(60)との間には、バイパス管(61)が設けられている。該バイパス管(61)は、一端が第1液管(59)の逆止弁(CV4)の上流側に接続され、他端が第2液管(60)の逆止弁(CV5)の上流側に接続されている。バイパス管(61)の中途部には、室外膨張弁(14)が設けられている。室外膨張弁(14)は、開度が調節可能な電子膨張弁によって構成されている。また、上記第2液管(60)には、デフロスト熱交換器(75)と過冷却熱交換器(76)とが設けられている。
上記デフロスト熱交換器(75)は、室外熱交換器(12)の近傍に設けられ、レシーバ(15)に貯留された高圧の液冷媒が常時内部を流れるように構成されている。デフロスト熱交換器(75)は、内部を流れる高圧の液冷媒によって室外熱交換器(12)の着霜を防止する。
上記過冷却熱交換器(76)は、高圧側流路(76a)と低圧側流路(76b)とを備えている。過冷却熱交換器(76)は、高圧側流路(76a)及び低圧側流路(76b)を流れる冷媒どうしが熱交換して高圧側流路(76a)が過冷却されるように構成されている。高圧側流路(76a)は、第2液管(60)のデフロスト熱交換器(75)の下流側の一部を構成している。第2液管(60)の高圧側流路(76a)の下流側には、フィルタ(76c)とサイトグラス(76d)とが設けられている。一方、低圧側流路(76b)は、第2液管(60)の逆止弁(CV5)の上流側と後述するインジェクション配管(81)の流入端とを接続する第1分岐管(77)の一部を構成している。第1分岐管(77)の低圧側流路(76b)の上流側には過冷却用膨張弁(78)が設けられている。過冷却用膨張弁(78)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
上記第2液管(60)の逆止弁(CV5)の下流側と第1液管(59)の逆止弁(CV4)の下流側との間には、第2分岐管(79)が設けられている。第2分岐管(79)には、逆止弁(CV6)が設けられている。逆止弁(CV6)は、第2液管(60)から第1液管(59)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
また、第2分岐管(79)の逆止弁(CV6)の下流側と第1液管(59)の逆止弁(CV4)の上流側との間には、第3分岐管(80)が設けられている。第3分岐管(80)には、逆止弁(CV7)が設けられている。逆止弁(CV7)は、第2分岐管(79)から第1液管(59)へ向かう冷媒の流通を許容し、逆方向への冷媒の流通を阻止する。
上記インジェクション配管(81)は、上述のように流入端が上記第1分岐管(77)に接続され、流出端は3つに分岐している。具体的には、インジェクション配管(81)の流出端は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐している。各インジェクション管(81a,81b,81c)は、各圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に連通する中間圧ポートに接続されている。また、各インジェクション管(81a,81b,81c)には、それぞれ膨張弁(82a,82b,82c)が設けられている。各膨張弁(82a,82b,82c)は、開度可変の電子膨張弁によって構成されている。各インジェクション管(81a,81b,81c)は、過冷却熱交換器(76)から各圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室へガス冷媒を導入するインジェクション回路を構成している。このように各圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室へガス冷媒を導入するシステムが所謂エコノマイザシステムとして構成されている。
上記室外回路(11)には、各種センサが設けられている。具体的には、吐出配管(56)の各流入分岐管(56a,56b,56c)の各油分離器(17a,17b,17c)の上流側には、各圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒の温度を検出する吐出温度センサ(90a,90b,90c)が設けられている。また、吐出配管(56)には、各圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサ(91)が設けられている。一方、吸入配管(55)には、各圧縮機(13a,13b,13c)の吸入冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ(92)が設けられている。
室外熱交換器(12)の近傍には、室外の外気温度を検出する室外温度センサ(12b)が設けられている。また、第1分岐管(77)の過冷却熱交換器(76)の低圧側流路(76b)の下流側には、温度センサ(94)と圧力センサ(95)とが設けられている。温度センサ(94)及び圧力センサ(95)は、過冷却熱交換器(76)の低圧側流路(76b)を流出してインジェクション配管(81)に流入する冷媒の温度と圧力とをそれぞれ検出する。
また、第2四路切換弁(19)の第2ポートに接続された第2流入分岐管(55b)には、温度センサ(96)が設けられている。さらに、第1四路切換弁(18)の第4ポートと第1ガス側閉鎖弁(71)とを接続する第1ガス管(62)には、温度センサ(97)が設けられている。これら2つの温度センサ(96,97)は、後述する冷房冷却運転の際に、上記調整弁(3)の上流側及び下流側の冷媒の温度をそれぞれ検出するものであり、検出された温度は、第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発圧力の算出に用いられる。上記温度センサ(96,97)は、室外ケーシング(10a)に収容されている。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(20)は、室内に設置され、上記室内回路(21)と、該室内回路(21)を収容する室内ケーシング(20a)とを有している。室内回路(21)は、ガス側端が第1ガス側連絡配管(51)に接続され、液側端が第1液側連絡配管(52)に接続されている。室内回路(21)には、ガス側端から順に、室内熱交換器(22)、室内膨張弁(膨張機構)(23)、及びフィルタ(24)が設けられている。室内熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成され、近傍に室内ファン(22a)が設けられている。室内ファン(22a)は、室内回路(21)と共に室内ケーシング(20a)内に収容されている。室内熱交換器(22)では、内部を流れる冷媒と室内ファン(22a)が送風する室内空気との間で熱交換が行われる。また、室内熱交換器(22)の近傍には、室内空気の温度を検出する室内温度センサ(22b)が設けられている。室内膨張弁(23)は、開度が調節可能な電子膨張弁によって構成されている。
〈冷蔵ユニット〉
第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)は、上記冷蔵用回路(31,41)と、該冷蔵用回路(31,41)を収容する冷蔵ショーケース(30a,40a)とをそれぞれ有している。
第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)は、ガス側端が第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)に接続され、液側端が第2液側連絡配管(54)の第1分岐液管(54a)に接続されている。第1冷蔵用回路(31)には、ガス側端から順に、第1冷蔵用熱交換器(32)、庫内膨張弁(膨張機構)(33)及び電磁弁(34)が設けられている。第1冷蔵用熱交換器(32)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成され、近傍に庫内ファン(32a)が設けられている。庫内ファン(32a)は、第1冷蔵用回路(31)と共に冷蔵ショーケース(30a)内に収容されている。第1冷蔵用熱交換器(32)では、内部を流れる冷媒と庫内ファン(32a)が送風する冷蔵ショーケース(30a)内の庫内空気との間で熱交換が行われる。また、第1冷蔵用熱交換器(32)の近傍には、庫内空気の温度を検出する庫内温度センサ(32b)が設けられている。庫内膨張弁(33)は、感温式膨張弁であって、感温筒が第1冷蔵用熱交換器(32)のガス側に取り付けられている。庫内膨張弁(33)は、第1冷蔵用熱交換器(32)が蒸発器として機能する際に、該第1冷蔵用熱交換器(32)の出口側の冷媒温度に基づいて開度が調節される。
一方、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)は、ガス側端が第2ガス側連絡配管(53)の第2分岐ガス管(53b)に接続され、液側端が第2液側連絡配管(54)の第2分岐液管(54b)に接続されている。第2冷蔵用回路(41)には、ガス側端から順に、第2冷蔵用熱交換器(42)、庫内膨張弁(膨張機構)(43)及び電磁弁(44)が設けられている。第2冷蔵用熱交換器(42)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成され、近傍に庫内ファン(42a)が設けられている。庫内ファン(42a)は、第2冷蔵用回路(41)と共に冷蔵ショーケース(40a)内に収容されている。第2冷蔵用熱交換器(42)では、内部を流れる冷媒と庫内ファン(42a)が送風する冷蔵ショーケース(40a)内の庫内空気との間で熱交換が行われる。また、第2冷蔵用熱交換器(42)の近傍には、庫内空気の温度を検出する庫内温度センサ(42b)が設けられている。庫内膨張弁(43)は、感温式膨張弁であって、感温筒が第2冷蔵用熱交換器(42)のガス側に取り付けられている。庫内膨張弁(43)は、第2冷蔵用熱交換器(42)が蒸発器として機能する際に、該第2冷蔵用熱交換器(42)の出口側の冷媒温度に基づいて開度が調節される。
〈コントローラ〉
コントローラ(100)は、上述した各種センサの検出値が入力され、該検出値に基づいて各種機器(各種弁や各種ファン等)の制御を行って冷凍装置(1)の運転を制御するものである。
コントローラ(100)は、冷房冷却運転実行部(101)と、第1暖房冷却運転実行部(102)と、第2暖房冷却運転実行部(熱回収運転実行部)(103)と、第3暖房冷却運転実行部(104)と、調整弁制御部(105)と、運転変更部(106)とを備えている。
冷房冷却運転実行部(101)は、室外熱交換器(12)が凝縮器として機能し且つ室内熱交換器(22)と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)が蒸発器として機能するように冷媒回路(2)において冷媒が循環する冷房冷却運転を実行するように構成されている。具体的には、冷房冷却運転実行部(101)は、第1及び第2四路切換弁(18,19)を共に第1状態に切り換えると共に、室外膨張弁(14)を全閉状態に制御する。また、冷房冷却運転実行部(101)は、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を適宜調節する。これにより、室内の冷房と庫内の冷却とを行う冷房冷却運転が実行される。
第1暖房冷却運転実行部(102)は、室外熱交換器(12)に冷媒を流通させずに、室内熱交換器(22)が凝縮器として機能し且つ第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)が蒸発器として機能するように冷媒回路(2)において冷媒が循環する第1暖房冷却運転を実行するように構成されている。第1暖房冷却運転実行部(102)は、図2に示すように、吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値1以下である場合に、各種機器及び各種弁の制御を行って上記第1暖房冷却運転を実行するように構成されている。
第2暖房冷却運転実行部(103)は、室外熱交換器(12)及び室内熱交換器(22)が凝縮器として機能し且つ第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)が蒸発器として機能するように冷媒回路(2)において冷媒が循環する第2暖房冷却運転を実行するように構成されている。第2暖房冷却運転実行部(103)は、図2に示すように、上記第1暖房冷却運転の際に吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値2以上となった場合に、第2暖房冷却運転を実行する。
第3暖房冷却運転実行部(104)は、室内熱交換器(22)が凝縮器として機能し且つ第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)と室外熱交換器(12)とが蒸発器として機能するように冷媒回路(2)において冷媒が循環する第3暖房冷却運転を実行するように構成されている。第3暖房冷却運転実行部(104)は、図2に示すように、上記第1暖房冷却運転の際に吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値3以下となった場合に、第3暖房冷却運転を実行する。
調整弁制御部(105)は、各運転において、調整弁(3)の開度を適宜調整するように構成されている。具体的には、調整弁制御部(105)は、冷房冷却運転の際には室内熱交換器(22)と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度の差温が所定値となるように調整弁(3)の開度を制御し、第1暖房冷却運転の際には調整弁(3)の開度を全閉状態に制御し、第2暖房冷却運転の際には冷媒回路(2)における高圧圧力が予め設定された設定値0となるように調整弁(3)の開度を制御し、第3暖房冷却運転の際には調整弁(3)の開度を全開状態に制御するように構成されている。
より具体的には、調整弁制御部(105)は、第2暖房冷却運転の際に、吐出圧力センサ(91)の検出値が予め設定された設定値0となるように調整弁(3)の開度を制御するように構成されている。また、調整弁制御部(105)は、冷房冷却運転の際には、室内熱交換器(22)の蒸発温度と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度とを導出し、室内熱交換器(22)の蒸発温度が第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度よりも所定値だけ高くなるように調整弁(3)の開度を制御するように構成されている。なお、調整弁制御部(105)は、吸入圧力センサ(92)の検出値(第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発圧力)の圧力相当飽和温度を第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度として導出するように構成されている。また、調整弁制御部(105)は、吸入圧力センサ(92)の検出値と温度センサ(96)の検出値とから調整弁(3)の下流側の冷媒のエンタルピを算出し、該エンタルピと温度センサ(97)の検出値とから調整弁(3)の上流側の冷媒の圧力(室内熱交換器(22)の蒸発圧力)を算出し、該圧力の圧力相当飽和温度を室内熱交換器(22)の蒸発温度として導出するように構成されている。
運転変更部(106)は、第2暖房冷却運転の際に、調整弁(3)を全閉状態に制御して室外熱交換器(12)への冷媒の流通を遮断することによって、室内熱交換器(22)が凝縮器として機能し且つ第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)が蒸発器として機能する全熱回収運転に運転を変更するように構成されている。運転変更部(106)は、図2に示すように、上記第2暖房冷却運転の際に吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値1以下となった場合に、全熱回収運転に運転を変更する。
−運転動作−
上記冷凍装置(1)では、上述のように、冷房冷却運転、第1暖房冷却運転、第2暖房冷却運転、第3暖房冷却運転、全熱回収運転がそれぞれ実行される。
〈冷房冷却運転〉
図3に示すように、上記冷房冷却運転実行部(101)は、室内ユニット(20)の冷房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却を行う冷房冷却運転を実行する。具体的には、冷房冷却運転実行部(101)は、第1及び第2四路切換弁(18,19)を第1状態に切り換え、室外膨張弁(14)を全閉状態に制御し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を適宜調節する。
また、上記冷房冷却運転において、調整弁制御部(105)は、室内熱交換器(22)の蒸発温度と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度とを導出し、室内熱交換器(22)の蒸発温度が第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度よりも所定値だけ高くなるように調整弁(3)の開度を制御する。
上述のような冷房冷却運転実行部(101)による各種機器及び弁の制御及び調整弁制御部(105)による調整弁(3)の開度制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、各油分離器(17a,17b,17c)において潤滑油が分離された後に吐出配管(56)において合流し、第1四路切換弁(18)及び室外ガス配管(58)を通過して室外熱交換器(12)に流入する。室外熱交換器(12)では、冷媒が室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(12)で凝縮した液冷媒は、第1液管(59)を介してレシーバ(15)に流入し、該レシーバ(15)に貯留される。
レシーバ(15)に貯留された液冷媒は、レシーバ(15)から流出し、第2液管(60)を第1液側閉鎖弁(72)に向かって流れる。その際に、デフロスト熱交換器(75)と過冷却熱交換器(76)とを通過する。
デフロスト熱交換器(75)では、高圧の液冷媒が放熱し、放熱後の高圧の液冷媒は、過冷却熱交換器(76)の高圧側流路(76a)に流入する。一方、過冷却熱交換器(76)の低圧側流路(76b)には高圧側流路(76a)を通過後に第2液管(60)から第1分岐管(77)に分岐して過冷却用膨張弁(78)で減圧された分岐冷媒が流入する。低圧側流路(76b)を流れる分岐冷媒は、高圧側流路(76a)を流れる高圧の液冷媒と熱交換して蒸発する一方、高圧側流路(76a)の高圧の液冷媒は、低圧側流路(76b)の分岐冷媒に放熱することによって過冷却状態となる。このようにして過冷却状態となった液冷媒は、2つに分岐し、一方は第2液側閉鎖弁(74)を通過して第2液側連絡配管(54)に流入し、他方は第1液側閉鎖弁(72)を通過して第1液側連絡配管(52)に流入する。一方、蒸発した低圧側流路(76b)の冷媒は、インジェクション配管(81)に流入する。なお、過冷却用膨張弁(78)の開度は、例えば、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度が所望の過熱度(例えば5℃)となるように調整される。また、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度は、インジェクション用の温度センサ(94)及び圧力センサ(95)の検出値から導出される。
第2液側連絡配管(54)に流入した液冷媒は、2つに分岐して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、やがて合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。
一方、第1液側連絡配管(52)に流入した液冷媒は、室内膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(22)に流入する。室内熱交換器(22)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内空気が冷却される。なお、上記室内膨張弁(23)の開度は、室内温度センサ(22b)の検出値や室内の設定温度に基づいて所定開度に調節される。例えば、室内膨張弁(23)の開度は、室内温度センサ(22b)の検出値が所望の温度(例えば、20℃)となるように調節される。室内熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、第1ガス側連絡配管(51)、第1ガス管(62)及び第1四路切換弁(18)を通過して連絡配管(57)に流入する。連絡配管(57)に流入した冷媒は、調整弁(3)においてさらに減圧された後、第2四路切換弁(19)を介して吸入配管(55)の第2流入分岐管(55b)に流入する。
なお、調整弁(3)は、上述のように、コントローラ(100)の調整弁制御部(105)により、室内熱交換器(22)の蒸発温度が第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度よりも所定温度だけ高くなるように開度が制御される。
上述のようにして吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)及び第2流入分岐管(55b)のそれぞれに流入した冷媒は、合流した後、第1流出分岐管(55c)、第2流出分岐管(55d)及び第3流出分岐管(55e)にそれぞれ分岐する。そして、第1〜第3流出分岐管(55c,55d,55e)に流入した冷媒は、それぞれ対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション配管(81)に流入した冷媒は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐した後、対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に導入される。これにより、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出ガス温度が低下する。また、第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)において第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒から分離された潤滑油は、油戻し配管(50)を通ってインジェクション配管(81)に返送される。
以上のように、上記冷房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を冷房すると同時に、冷蔵用のショーケースである庫内を冷却する。
また、上記冷房冷却運転では、調整弁制御部(105)による調整弁(3)の開度制御により、室内熱交換器(22)と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)とにおいて冷媒の蒸発温度が異なる。具体的には、室内熱交換器(22)の蒸発温度が第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度よりも所定値だけ高くなる。例えば、差温を15℃に設定した場合、室内熱交換器(22)の蒸発温度は、第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度の−10℃よりも15℃だけ高い+5℃となる。
〈第1暖房冷却運転〉
図4に示すように、第1暖房冷却運転実行部(102)は、室外熱交換器(12)を用いずに、室内ユニット(20)の暖房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却を行う第1暖房冷却運転を実行する。第1暖房冷却運転実行部(102)は、図4に示すように、吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値1以下である場合に、第1暖房冷却運転を実行する。具体的には、上記第1暖房冷却運転実行部(102)は、第1四路切換弁(18)を第2状態に切り換えると共に第2四路切換弁(19)を第1状態に切り換え、室外膨張弁(14)を全閉状態に制御し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を全開状態に制御する。
また、上記第1暖房冷却運転において、調整弁制御部(105)は、調整弁(3)の開度を全閉状態に制御する。
上述のような第1暖房冷却運転実行部(102)による各種機器及び弁の制御及び調整弁制御部(105)による調整弁(3)の開度制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、各油分離器(17a,17b,17c)において潤滑油が分離された後に吐出配管(56)において合流し、第1四路切換弁(18)、第1ガス管(62)及び第1ガス側連絡配管(51)を通過して室内熱交換器(22)に流入する。室内熱交換器(22)では、冷媒が室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(22)で凝縮した液冷媒は、第1液側連絡配管(52)、第2分岐管(79)及び第1液管(59)を介してレシーバ(15)に流入し、該レシーバ(15)に貯留される。
レシーバ(15)に貯留された液冷媒は、レシーバ(15)から流出し、第2液管(60)を第1液側閉鎖弁(72)に向かって流れる。その際に、デフロスト熱交換器(75)と過冷却熱交換器(76)とを通過する。
デフロスト熱交換器(75)では、高圧の液冷媒が放熱し、放熱後の高圧の液冷媒は、過冷却熱交換器(76)の高圧側流路(76a)に流入する。一方、過冷却熱交換器(76)の低圧側流路(76b)には高圧側流路(76a)を通過後に第2液管(60)から第1分岐管(77)に分岐して過冷却用膨張弁(78)で減圧された分岐冷媒が流入する。低圧側流路(76b)を流れる分岐冷媒は、高圧側流路(76a)を流れる高圧の液冷媒と熱交換して蒸発する一方、高圧側流路(76a)の高圧の液冷媒は、低圧側流路(76b)の分岐冷媒に放熱することによって過冷却状態となる。このようにして過冷却状態となった液冷媒は、第2液側閉鎖弁(74)を通過して第2液側連絡配管(54)に流入する。一方、蒸発した低圧側流路(76b)の冷媒は、インジェクション配管(81)に流入する。なお、過冷却用膨張弁(78)の開度は、例えば、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度が所望の過熱度(例えば5℃)となるように調整される。また、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度は、インジェクション用の温度センサ(94)及び圧力センサ(95)の検出値から導出される。
第2液側連絡配管(54)に流入した液冷媒は、2つに分岐して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、やがて合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。
上述のようにして吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入した冷媒は、第1流出分岐管(55c)、第2流出分岐管(55d)及び第3流出分岐管(55e)にそれぞれ分岐する。そして、第1〜第3流出分岐管(55c,55d,55e)に流入した冷媒は、それぞれ対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション配管(81)に流入した冷媒は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐した後、対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に導入される。これにより、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出ガス温度が低下する。また、第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)において第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒から分離された潤滑油は、油戻し配管(50)を通ってインジェクション配管(81)に返送される。
以上のように、上記第1暖房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(20)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
〈第2暖房冷却運転〉
図5に示すように、第2暖房冷却運転実行部(103)は、第1暖房冷却運転の際に室内ユニット(20)の暖房能力が余る場合に、室外熱交換器(12)を凝縮器として用いて室内ユニット(20)の暖房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却とを行う熱回収運転である第2暖房冷却運転を実行する。第2暖房冷却運転実行部(103)は、図2に示すように、第1暖房冷却運転の際に、吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値2以上となった場合に、第2暖房冷却運転を実行する。具体的には、上記第2暖房冷却運転実行部(103)は、第1及び第2四路切換弁(18,19)を第2状態に切り換え、室外膨張弁(14)を全閉状態に制御し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を全開状態に制御する。
また、上記第2暖房冷却運転において、調整弁制御部(105)は、吐出圧力センサ(91)の検出値が予め設定された設定値0となるように調整弁(3)の開度を制御する。
上述のような第2暖房冷却運転実行部(103)による各種機器及び弁の制御及び調整弁制御部(105)による調整弁(3)の開度制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、各油分離器(17a,17b,17c)において潤滑油が分離された後に吐出配管(56)において合流した後、2つに分岐し、一方は第1四路切換弁(18)、第1ガス管(62)及び第1ガス側連絡配管(51)を通過して室内熱交換器(22)に流入し、他方は第2四路切換弁(19)、連絡配管(57)、第1四路切換弁(18)及び室外ガス配管(58)を介して室外熱交換器(12)に流入する。
ここで、上述のように、連絡配管(57)に設けられた調整弁(3)は、調整弁制御部(105)によって吐出圧力センサ(91)の検出値が予め設定された設定値0となるように開度が制御される。その結果、室内熱交換器(22)で必要な凝縮熱を与えることのできる流量の冷媒のみが室内熱交換器(22)に流れるように、室外熱交換器(12)への冷媒の流入量が調整される。
室内熱交換器(22)及び室外熱交換器(12)では、冷媒がそれぞれ室内空気及び室外空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(22)で凝縮した液冷媒は、第1液側連絡配管(52)及び第2分岐管(79)を介して第1液管(59)に流入し、室外熱交換器(12)で凝縮した液冷媒と合流してレシーバ(15)に流入し、該レシーバ(15)に貯留される。
レシーバ(15)に貯留された液冷媒は、レシーバ(15)から流出し、第2液管(60)を第1液側閉鎖弁(72)に向かって流れる。その際に、デフロスト熱交換器(75)と過冷却熱交換器(76)とを通過する。
デフロスト熱交換器(75)では、高圧の液冷媒が放熱し、放熱後の高圧の液冷媒は、過冷却熱交換器(76)の高圧側流路(76a)に流入する。一方、過冷却熱交換器(76)の低圧側流路(76b)には高圧側流路(76a)を通過後に第2液管(60)から第1分岐管(77)に分岐して過冷却用膨張弁(78)で減圧された分岐冷媒が流入する。低圧側流路(76b)を流れる分岐冷媒は、高圧側流路(76a)を流れる高圧の液冷媒と熱交換して蒸発する一方、高圧側流路(76a)の高圧の液冷媒は、低圧側流路(76b)の分岐冷媒に放熱することによって過冷却状態となる。このようにして過冷却状態となった液冷媒は、第2液側閉鎖弁(74)を通過して第2液側連絡配管(54)に流入する。一方、蒸発した低圧側流路(76b)の冷媒は、インジェクション配管(81)に流入する。なお、過冷却用膨張弁(78)の開度は、例えば、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度が所望の過熱度(例えば5℃)となるように調整される。また、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度は、インジェクション用の温度センサ(94)及び圧力センサ(95)の検出値から導出される。
第2液側連絡配管(54)に流入した液冷媒は、2つに分岐して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、やがて合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。
上述のようにして吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入した冷媒は、第1流出分岐管(55c)、第2流出分岐管(55d)及び第3流出分岐管(55e)にそれぞれ分岐する。そして、第1〜第3流出分岐管(55c,55d,55e)に流入した冷媒は、それぞれ対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション配管(81)に流入した冷媒は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐した後、対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に導入される。これにより、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出ガス温度が低下する。また、第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)において第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒から分離された潤滑油は、油戻し配管(50)を通ってインジェクション配管(81)に返送される。
以上のように、上記第2暖房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(20)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、余る凝縮熱のみを室外熱交換器(12)で室外に放出する。
〈第3暖房冷却運転〉
図6に示すように、第3暖房冷却運転実行部(104)は、第1暖房冷却運転の際に室内ユニット(20)の暖房能力が不足する場合に、室外熱交換器(12)を蒸発器として用いて室内ユニット(20)の暖房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却を行う第3暖房冷却運転を実行する。第3暖房冷却運転実行部(104)は、図2に示すように、上記第1暖房冷却運転の際に吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値3以下となった場合に、第3暖房冷却運転を実行する。具体的には、上記第1暖房冷却運転実行部(102)は、第1四路切換弁(18)を第2状態に切り換えると共に第2四路切換弁(19)を第1状態に切り換え、室外膨張弁(14)の開度を適宜調整し、第1及び第2冷蔵用回路(31,41)の電磁弁(34,44)を開放状態に制御し、室内膨張弁(23)の開度を全開状態に制御する。
また、上記第3暖房冷却運転において、調整弁制御部(105)は、調整弁(3)の開度を全開状態に制御する。
上述のような第3暖房冷却運転実行部(104)による各種機器及び弁の制御及び調整弁制御部(105)による調整弁(3)の開度制御により、冷媒回路(2)では以下のように冷媒が循環する。
第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒は、各油分離器(17a,17b,17c)において潤滑油が分離された後に吐出配管(56)において合流し、第1四路切換弁(18)、第1ガス管(62)及び第1ガス側連絡配管(51)を通過して室内熱交換器(22)に流入する。室内熱交換器(22)では、冷媒が室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(22)で凝縮した液冷媒は、第1液側連絡配管(52)、第2分岐管(79)及び第1液管(59)を介してレシーバ(15)に流入し、該レシーバ(15)に貯留される。
レシーバ(15)に貯留された液冷媒は、レシーバ(15)から流出し、第2液管(60)を第1液側閉鎖弁(72)に向かって流れる。その際に、デフロスト熱交換器(75)と過冷却熱交換器(76)とを通過する。
デフロスト熱交換器(75)では、高圧の液冷媒が放熱し、放熱後の高圧の液冷媒は、過冷却熱交換器(76)の高圧側流路(76a)に流入する。一方、過冷却熱交換器(76)の低圧側流路(76b)には高圧側流路(76a)を通過後に第2液管(60)から第1分岐管(77)に分岐して過冷却用膨張弁(78)で減圧された分岐冷媒が流入する。低圧側流路(76b)を流れる分岐冷媒は、高圧側流路(76a)を流れる高圧の液冷媒と熱交換して蒸発する一方、高圧側流路(76a)の高圧の液冷媒は、低圧側流路(76b)の分岐冷媒に放熱することによって過冷却状態となる。このようにして過冷却状態となった液冷媒は、2つに分岐し、一方は第2液側閉鎖弁(74)を通過して第2液側連絡配管(54)に流入し、他方はバイパス管(61)に流入する。一方、蒸発した低圧側流路(76b)の冷媒は、インジェクション配管(81)に流入する。なお、過冷却用膨張弁(78)の開度は、例えば、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度が所望の過熱度(例えば5℃)となるように調整される。また、上記インジェクション配管(81)を流れる冷媒の過熱度は、インジェクション用の温度センサ(94)及び圧力センサ(95)の検出値から導出される。
第2液側連絡配管(54)に流入した液冷媒は、2つに分岐して第1分岐液管(54a)及び第2分岐液管(54b)のそれぞれに流入する。第1分岐液管(54a)に流入した液冷媒は、第1冷蔵ユニット(30)の第1冷蔵用回路(31)に流入する一方、第2分岐液管(54b)に流入した液冷媒は、第2冷蔵ユニット(40)の第2冷蔵用回路(41)に流入する。各冷蔵用回路(31,41)に流入した液冷媒は、各庫内膨張弁(33,43)で減圧された後、第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)に流入する。第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、庫内空気が冷却される。各第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)で蒸発した冷媒は、各冷蔵用回路(31,41)から第2ガス側連絡配管(53)の第1分岐ガス管(53a)及び第2分岐ガス管(53b)にそれぞれ流入し、やがて合流する。第2ガス側連絡配管(53)において合流した冷媒は、第2ガス側閉鎖弁(73)を通過した後、吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)に流入する。
一方、バイパス管(61)に流入した液冷媒は、室外膨張弁(14)で減圧された後、室外熱交換器(12)に流入する。室外熱交換器(12)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(12)で蒸発した冷媒は、室外ガス配管(58)、第1四路切換弁(18)、連絡配管(57)及び第2四路切換弁(19)を介して吸入配管(55)の第2流入分岐管(55b)に流入する。
上述のようにして吸入配管(55)の第1流入分岐管(55a)及び第2流入分岐管(55b)のそれぞれに流入した冷媒は、合流した後、第1流出分岐管(55c)、第2流出分岐管(55d)及び第3流出分岐管(55e)にそれぞれ分岐する。そして、第1〜第3流出分岐管(55c,55d,55e)に流入した冷媒は、それぞれ対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)に吸入されて圧縮される。
一方、インジェクション配管(81)に流入した冷媒は、第1〜第3インジェクション管(81a,81b,81c)に分岐した後、対応する第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の中間圧の圧縮室に導入される。これにより、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出ガス温度が低下する。また、第1〜第3油分離器(17a,17b,17c)において第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の吐出冷媒から分離された潤滑油は、油戻し配管(50)を通ってインジェクション配管(81)に返送される。
以上のように、上記第3暖房冷却運転では、冷媒回路(2)において上述のような冷媒の循環を繰り返すことにより、室内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(20)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスせず、不足する蒸発熱を室外熱交換器(12)において吸収する。
〈運転変更動作〉
運転変更部(106)は、第2暖房冷却運転実行部(103)による熱回収運転である第2暖房冷却運転の際に、吐出圧力センサ(91)が検出する冷媒回路(2)の高圧圧力が予め設定された設定値1以下になると、調整弁制御部(105)に代わって調整弁(3)を全閉状態に制御することにより、室外熱交換器(12)を用いずに、室内ユニット(20)の暖房と第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却を行う全熱回収運転を実行する。
第2暖房冷却運転の際に調整弁(3)が全閉状態に制御されると、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)で圧縮された冷媒が、調整弁(3)が設けられた連絡配管(57)を介して室外熱交換器(12)側へ流れなくなる。つまり、調整弁(3)によって、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)から室外熱交換器(12)への冷媒の流通が遮断される。その結果、冷媒回路(2)では、図7に示すように冷媒が循環する。なお、冷媒の循環については、第1暖房冷却運転の際と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、上記全熱回収運転では、冷媒回路(2)において、室外熱交換器(12)を用いずに、室内熱交換器(22)が凝縮器として機能し且つ第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)が蒸発器として機能するように冷媒が循環することにより、室内を暖房すると同時に、冷蔵用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、第1及び第2冷蔵ユニット(30,40)の冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(20)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、冷媒回路(2)において第2暖房冷却運転(熱回収運転)の際には圧縮機構(13)と室外熱交換器(12)との間に位置し且つ冷房冷却運転の際には室内熱交換器(22)と圧縮機構(13)との間に位置するように開度可変な調整弁(3)を設けることとした。また、調整弁制御部(105)により、第2暖房冷却運転(熱回収運転)の際には冷媒回路(2)における高圧圧力が所定値(設定値0)となるように調整弁(3)の開度を制御する一方、冷房冷却運転の際には室内熱交換器(22)と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)の蒸発温度の差温が所定値(例えば、15℃)となるように調整弁(3)の開度を制御することとした。そのため、第2暖房冷却運転(熱回収運転)における冷媒回路(2)の高圧圧力の制御による暖房能力の安定化と、冷房冷却運転の際の室内熱交換器(22)と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)との蒸発温度の差温の制御による室内熱交換器(22)と第1及び第2冷蔵用熱交換器(32,42)とにおける異温度蒸発とを1つの調整弁(3)によって、部品点数を増大させることなく容易な構成で実現することができる。
ところで、第2暖房冷却運転の際に、100%の熱回収を行う第1暖房冷却運転に運転を変更するためには、第1暖房冷却運転実行部(102)によって第1四路切換弁(18)を第2状態に切り換えると共に第2四路切換弁(19)を第1状態に切り換えなければならない。ここで、冷媒回路(2)における冷媒の循環量が少ない場合には、第1及び第2四路切換弁(18,19)を切り換えることができないために、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の回転数を一時的に上げて冷媒の循環量を増大する必要がある。
しかしながら、上記実施形態によれば、運転変更部(熱回収運転変更部)(106)を備えているため、第1及び第2四路切換弁(18,19)を切り換えることなく、運転変更部(熱回収運転変更部)(106)が調整弁制御部(105)に代わって調整弁(3)を全閉状態に切り換えることにより、容易に第2暖房冷却運転(熱回収運転)から100%の熱回収を行う全熱回収運転に変更することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、調整弁(3)は、第1及び第2四路切換弁(18,19)に接続された連絡配管(57)に設けられていたが、調整弁(3)の設置位置はこれに限られない。調整弁(3)は、第1暖房冷却運転(熱回収運転)の際に圧縮機構(13)と室外熱交換器(12)との間に位置し且つ冷房冷却運転の際に室内熱交換器(22)と圧縮機構(13)との間に位置するように配置されるのであればいかなる箇所に設けられていてもよい。
上記実施形態では、各運転において、第1〜第3圧縮機(13a,13b,13c)の全てが運転状態となっているが、上記各運転実行部(101,…,104)は、運転の際に、吸入圧力センサ(92)が検出する低圧圧力に基づいて第1圧縮機(13a)の容量制御や第2及び第3圧縮機(13b,13c)の起動と停止との切り換え制御を行って冷却負荷に応じた運転を行うこととしてもよい。
また、上記実施形態では、第2冷蔵ユニット(40)が第1冷蔵ユニット(30)の蒸発温度よりも低い温度で蒸発する冷凍ユニットに構成されていてもよい。
また、本発明に係る利用側熱交換器を構成する空調熱交換器及び冷却熱交換器の個数は上記各実施形態のものに限られない。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。