JP2018172756A - スポンジチタンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】高純度のスポンジチタンを製造する方法であって、還元反応容器内のはつり除去作業の負荷軽減でき、且つ、還元反応容器の寿命の延長することができるスポンジチタンの製造方法を提供すること。【解決手段】クロール法によるスポンジチタンの製造において、前回の還元反応のときに還元反応容器の内面及びロストルの表面に付着した付着チタンを除去するはつり除去を行った後、はつり除去が行われた還元反応容器を再使用して、クロール法によるスポンジチタンの製造を行う工程を有する高純度スポンジチタンの製造方法であって、該はつり除去では、平均露出率Aが、50%以上となるように、該付着チタンのはつり除去を行うこと、を特徴とする高純度スポンジチタンの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、四塩化チタンを金属マグネシウムにより還元してスポンジチタンを製造する高純度スポンジチタンの製造方法に関する。
従来、金属チタンは、工業的にはクロール法によって製造されたスポンジチタンをもとに製造されている。そして、近年、半導体デバイス向けの高純度チタンの需要が増加しており、これに伴って高純度のスポンジチタンを安価に製造することが求められている。
このクロール法によるスポンジチタン製造工程は、塩化蒸留工程、還元分離工程、破砕工程及び電解工程の四工程に大別される。
これらの工程の一つである還元分離工程は、還元工程及び真空分離工程からなる。還元工程では、ステンレス製の還元反応容器内の溶融金属マグネシウムに四塩化チタンを滴下し、還元反応を起こすことで、スポンジチタンを生成させる。次いで、真空分離工程にて、還元工程で生成したスポンジチタンを高温且つ減圧下で真空引きすることで、残存した塩化マグネシウムや金属マグネシウムが取り除かれたスポンジチタンが製造される(非特許文献1)。
真空分離後のスポンジチタンは、ロストルあるいは押し抜きパンチと呼ばれる容器底部に設置された押し抜き用床部材によって、押し出される。また、抜出後のロストルや還元反応容器表面に付着し、残ったスポンジチタンは不純物金属を多く含んでいると考えられていた。そのため、はつり除去と呼ばれるチッピングにより、還元反応容器の内面及びロストルの表面に付着したチタンを主成分とするチタン系不純物(以下、「付着チタン」と呼ぶ)を物理的に除去することで、次のバッチで生成するスポンジチタンの純度が向上すると考えられていた(特許文献1)。
このことから、還元反応容器の内面の付着チタンを削れば削るほど純度が向上すると考えられ、還元反応容器内の広範囲にわたって地肌が露出するほどに付着チタンを除去することが好ましいとされていた。そして、これらのはつり除去作業は、生産性を著しく悪化させているが、やむを得ないものであると考えられていた。
資源と素材 Vo.1.109 P1157−1163(1993)
特開2006−265587 特開2006−131976
本発明は、高純度スポンジチタンの製造に関する上記課題を解決するもので、還元反応容器内のはつり除去作業の負荷を軽減できるスポンジチタンの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、還元反応容器から生成したスポンジチタンを取り出した後に、還元反応容器の内面に付着している付着チタン中のNi汚染経路に着目し、鋭意検討を重ねた結果、付着チタンにNiが濃化する機構は、特許文献1に記載の初期生成チタンへのゲッタリング効果による汚染ではなく、原料Mg中のNi、及び還元反応中に還元反応容器内から溶融Mgに溶出したNiが、還元反応終了後の真空分離工程において蒸発せず、残留したMg中のNiが、還元反応容器の内面の付着チタンに取り込まれることが主要因であることがわかった。
本発明は、かかる知見に基づきなされたもので、次の通りである。
すなわち、本発明(1)は、クロール法によるスポンジチタンの製造において、前回の還元反応のときに還元反応容器の内面及びロストルの表面に付着した付着チタンを除去するはつり除去を行った後、はつり除去が行われた還元反応容器を再使用して、クロール法によるスポンジチタンの製造を行う工程を有する高純度スポンジチタンの製造方法であって、
該はつり除去では、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲において、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲に存在する該還元反応容器の内面及び該ロストルの表面の合計面積に対する、該はつり除去を行った後に地肌が露出している該還元反応容器の内面及び該ロストルの表面の合計面積の割合(平均露出率A)が、50%以上となり、且つ、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲を除いた範囲において、該はつり除去を行った後の該還元反応容器の内面及び前記ロストルの表面の地肌の露出率Bと、該はつり除去を行う前の前記還元反応容器の内面及び前記ロストルの表面の地肌の露出率Cとの差(露出率B−露出率C)が、20%以下となるように、該付着チタンのはつり除去を行うこと、
を特徴とする高純度スポンジチタンの製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記還元反応容器の溶融物抜出口が、前記還元反応容器の全高に対して下から5〜20%の範囲に位置していることを特徴とする(1)の高純度スポンジチタンの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、高純度のスポンジチタンを製造する方法であって、還元反応容器内のはつり除去作業の負荷を軽減できるスポンジチタンの製造方法を提供することができる。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法に用いられる還元反応装置を示す模式的な縦端面図である。 還元反応容器の全高を説明するための還元反応容器の縦端面図である。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法は、クロール法によるスポンジチタンの製造において、前回の還元反応のときに還元反応容器の内面及びロストルの表面に付着した付着チタンを除去するはつり除去を行った後、はつり除去が行われた還元反応容器を再使用して、クロール法によるスポンジチタンの製造を行う工程を有する高純度スポンジチタンの製造方法であって、
該はつり除去では、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲において、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲に存在する該還元反応容器の内面及び該ロストルの表面の合計面積に対する、該はつり除去を行った後に地肌が露出している該還元反応容器の内面及び該ロストルの表面の合計面積の割合(平均露出率A)が、50%以上となり、且つ、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲を除いた範囲において、該はつり除去を行った後の該還元反応容器の内面及び前記ロストルの表面の地肌の露出率Bと、該はつり除去を行う前の前記還元反応容器の内面及び前記ロストルの表面の地肌の露出率Cとの差(露出率B−露出率C)が、20%以下となるように、該付着チタンのはつり除去を行うこと、
を特徴とする高純度スポンジチタンの製造方法である。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法は、クロール法、すなわち、還元反応容器に予め溶融Mgを入れておき、還元反応容器内に四塩化チタンを滴下して、溶融Mgと反応させることにより、スポンジチタンを製造する高純度スポンジチタンの製造方法である。
そして、本発明の高純度スポンジチタンの製造方法では、前回の還元反応のときに還元反応容器の内面及びロストルの表面に付着した付着チタンを削り取ることにより、付着チタンを還元反応容器の内面及びロストルの表面から除去すること、すなわち、はつり除去を行った後、はつり除去が行われた還元反応容器を再使用して、クロール法によるスポンジチタンの製造を行う工程を有する高純度スポンジチタンの製造方法である。
本発明において、高純度スポンジチタンとは、Ni含有量が0.5質量ppm以下のスポンジチタンを指す。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法に係る還元反応容器は、ステンレス鋼の内面に鉄がクラッドされたクラッド容器又はバタリング容器であり、また、ロストルは、鉄で構成されている。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法に係る還元反応容器の構造について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の高純度スポンジチタンの製造方法で用いられる還元反応装置を示す模式的な端面図である。還元反応装置1は、還元反応容器2と、還元反応容器2の下部に繋がる溶出物抜出管4と、還元反応容器2の上側を塞ぐ内蓋6及び外蓋5と、からなる。還元反応容器2の底部は、底部キャップ8で底が塞がれている。還元反応容器2内の下部には、ロストル3が設置されている。そして、還元工程では、スポンジチタンの製造は、還元反応容器2内に、予め溶融Mgを入れておき、還元反応容器2内に四塩化チタンを滴下して、溶融Mgと反応させることにより、ロストル3の上に、生成したスポンジチタンが堆積する。還元工程では、溶融Mgへ四塩化チタンを滴下しながら、溶出物抜出管4から、副生する塩化マグネシウムを抜き出す。溶融Mgへ四塩化チタンの滴下を終了した後は、還元反応容器2内を真空加熱して、未反応Mgと副生塩化マグネシウムを真空分離する分離工程を行う。分離工程を行った後は、還元反応容器ごと生成したスポンジチタン塊を冷却し、底部キャップ8、内蓋6及び外蓋5を外し、下からロストル3ごとスポンジチタン塊を押し上げ、スポンジチタン塊を、還元反応容器2の外に取り出す。
次いで、次の還元反応に還元反応容器2を再使用するために、スポンジチタン塊を取り出した後の還元反応容器2内の内面並びにロストル3の表面に付着した付着チタンを除去するはつり除去を行う。はつり除去では、還元反応容器2の全高13に対して下から50%分だけ高い位置14を、50%範囲の上端としたときに、その50%範囲の上端14から下の部分15に存在する還元反応容器2の内面及びロストル3の表面の付着チタンを中心に、はつり除去を行い、必要に応じて、50%範囲の上端14より上の範囲16の還元反応容器2の内面のはつり除去を行う。なお、還元反応容器2の場合、底部キャップ8の底面9及び側面10も、下から50%範囲に入っており、はつり除去を行った後は、再び底部キャップ8を、還元反応容器2の底部に取り付けるので、底部キャップ8の底面9及び側面10は、はつり除去の対象である。
そして、はつり除去を行った後の還元反応容器2を、次の還元反応に再使用する。
なお、本発明において、「還元反応容器の全高」とは、還元反応容器を上下方向に見たときに、還元反応容器内にて、溶融Mgが接触する還元反応容器の内側の最も深い位置から、還元反応容器の内面の上端位置までの長さを指す。図2(A)に示す形態例のように、還元反応容器が底部キャップを有さない場合は、還元反応容器の底の最深位置が、還元反応容器の内側の最も深い位置であり、また、図2(B)〜(D)に示す形態例のように、還元反応容器が底部キャップを有する場合は、底部キャップの最深位置が、還元反応容器の内側の最も深い位置である。図2に示す(A)〜(D)の形態例では、いずれも、符号11で示す位置が、溶融Mgが接触する還元反応容器の内側の最も深い位置であり、符号12で示す位置が、還元反応容器の内面の上端位置であり、符号11で示す位置から符号12で示す位置までの距離が、還元反応容器の全高13である。また、本発明において、「還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲」とは、還元反応容器の内側の最も深い位置より、還元反応容器の内側の全高の50%分だけ高い位置を、50%範囲の上端としたときに、その50%範囲の上端の位置から下の部分を指す。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法において、はつり除去を行う方法としては、特に制限されず、通常のスポンジチタンの製造において行われる方法であればよく、例えば、チッピングマシンによって付着チタンを打撃しながら削り取る方法、スクレーパーやワイヤーブラシを用いて取り除く方法等が挙げられる。チッピングマシンによる方法は、還元反応容器の内面及びロストルの表面に、強固に付着している付着チタンや、大きな付着チタンを取り除くのに適しており、また、スクレーパーやワイヤーブラシによる方法は、還元反応容器の内面及びロストルの表面への付着力が弱い付着チタンを取り除くのに適している。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法に係るはつり除去では、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲において、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲に存在する還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積に対する、はつり除去を行った後に地肌が露出している還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積の割合(平均露出率Aとも記載する。)が、50%以上、好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上となるように、付着チタンのはつり除去を行う。本発明の高純度スポンジチタンの製造方法では、はつり除去において、はつり除去後の平均露出率Aが、上記範囲となるように、付着チタンのはつり除去を行うことにより、還元反応容器の下部に集中的に残留しているNi含有量が高い付着チタンを、還元反応容器の内面及びロストルの表面から取り除くことになるので、はつり除去作業の負荷を軽減することができ、次バッチで製造されるスポンジチタンへのNi汚染を効率良く少なくすることができる。
また、還元反応容器及びロストルを繰り返し再使用することにより、還元反応容器の内面及びロストルの表面は、部分的に、スポンジチタンと反応して合金化しているので、本発明において、「地肌」とは、元の還元反応容器の内面の鉄面及びロストルの表面の鉄面、又はEPMAによる表面分析において、表層から300μmまでの平均Ti濃度が30質量%以下である還元反応容器の内面のチタン鉄合金面及びロストルの表面のチタン鉄合金面を指す。
本発明において、「地肌が露出している」とは、付着チタンの付着がなく、還元反応容器の内面又はロストルの表面の元の鉄面又は合金化したチタン鉄合金面が、目視で確認されることを指す。
本発明において、地肌が露出している還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積の測定方法であるが、先ず、はつり除去後に、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の写真を撮影する。このとき、1視野の撮影範囲を約300mm×400mm、画素数を1600×1200ピクセル以上とし、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の全範囲に亘って撮影する。次いで、得られた各写真を、画像処理解析装置(ルーゼックスAP NIRECO製)を用いて、二値化処理した後、地肌が露出している部分を選択して面積率の測定を行う。面積率は、地肌が露出している部分の面積をXとし、その他の部分の面積をYとして、「(X/(X+Y))×100」の式により、求められる。得られた各写真について、上記方法で面積率を測定し、全写真の面積率の平均値を、平均露出率A(%)(還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲に存在する還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積に対する、はつり除去を行った後に地肌が露出している還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積の割合)とする。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法に係るはつり除去では、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲を除いた範囲において、はつり除去を行った後の還元反応容器の内面及びロストルの表面の地肌の露出率B(%)と、はつり除去を行う前の還元反応容器の内面及びロストルの表面の地肌の露出率C(%)との差(露出率B−露出率C)が、20%以下、好ましくは10%以下、特に好ましくは0%となるように、付着チタンのはつり除去を行う。本発明の高純度スポンジチタンの製造方法では、はつり除去において、はつり除去前後の露出率の差(露出率B−露出率C)が、上記範囲にあることにより、はつり除去作業の負荷を軽減することができる。還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲よりも上部のスポンジチタンには、真空分離時に溶融物中のNiが置き去りにされることによるNiの汚染が少ないので、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲を除いた範囲に付着している付着チタンを、還元反応容器内に残したまま、次バッチに使用しても、高純度スポンジチタンの収率に影響を与えない。そして、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲を除いた範囲の付着チタンのはつり除去量を少なくすることにより、はつり除去作業の負荷を軽減することができる。また、付着チタンは、還元反応容器の表面の鉄と接触したまま、真空分離工程で長時間1000℃以上の高温下にあるため、付着チタンと還元反応容器の内面の鉄面が合金層を形成し、非常に強固な付着となる。これらのチタン鉄合金層を形成する付着チタンは、還元反応容器からスポンジ塊を押し抜いた際、一部は剥がれ落ち、その際、チタン鉄合金層や母材の一部が付着チタンと一緒に剥がれ落ち、容器内面が消耗することがある。なお、次回の還元反応のスポンジチタン塊の押し抜きの邪魔になるような、厚さが20mm程度より大きい付着チタンは、例外的に除去することが好ましい。
本発明において、「露出率C」の算出方法であるが、はつり除去前に、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲より上部にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の写真を撮影する。このとき、1視野の撮影範囲を約300mm×400mm、画素数を1600×1200ピクセル以上とし、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲より上部にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の全範囲に亘って撮影する。次いで、得られた各写真を、画像処理解析装置(ルーゼックスAP NIRECO製)を用いて、二値化処理した後、地肌が露出している部分を選択して面積率の測定を行う。面積率は、地肌が露出している部分の面積をXとし、その他の部分の面積をYとして、「(X/(X+Y))×100」の式により、求められる。得られた各写真について、上記方法で面積率を測定し、全写真の面積率の平均値を、露出率C(%)(還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲より上部にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積に対する、はつり除去を行う前に地肌が露出している還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積の割合)とする。
また、本発明において、「露出率B」の算出方法であるが、はつり除去後に、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲より上部にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の写真を撮影する。このとき、1視野の撮影範囲を約300mm×400mm、画素数を1600×1200ピクセル以上とし、還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲より上部にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の全範囲に亘って撮影する。次いで、得られた各写真を、画像処理解析装置(ルーゼックスAP NIRECO製)を用いて、二値化処理した後、地肌が露出している部分を選択して面積率の測定を行う。面積率は、地肌が露出している部分の面積をXとし、その他の部分の面積をYとして、「(X/(X+Y))×100」の式により、求められる。得られた各写真について、上記方法で面積率を測定し、全写真の面積率の平均値を、露出率B(%)(還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲より上部にある還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積に対する、はつり除去後に地肌が露出している還元反応容器の内面及びロストルの表面の合計面積の割合)とする。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法において、還元反応容器の溶融物抜出口が、還元反応容器の全高に対して下から5〜20%の範囲に位置していることが、抜出口より下に残留する溶融物の量を少なくすることができ、又は溶融物抜出口の閉塞の可能性を少なくすることができる点で、好ましい。
本発明の高純度スポンジチタンの製造方法は、同じ還元反応容器を用いて、その還元反応容器の内面の減肉が進み、クラッド鋼のSUS側からのNi溶出が起き、使用に耐えられなくなるまで、繰り返し行われる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1〜4及び比較例1〜2)
以下に示すスポンジチタンの製造条件にて還元反応を行った後、生成したスポンジチタン塊を抜き出し、冷却した後の還元反応容器に対して、表1に示す露出率となるように、はつり除去を行った。その際、はつり除去作業の負荷、及びその還元反応容器を用いてスポンジチタンを製造したときの高純度スポンジチタンの収率を求めた。
<スポンジチタンの製造条件>
真空分離後のスポンジチタンの重量:約7ton
反応容器の内径:φ1900mm
原料Mgの仕込み量:12000kg
還元反応終了後のマグネシウム、塩化マグネシウム抜出量:9500kg
真空分離時の反応容器外表面の温度:1000〜1050℃
真空分離時間:130時間
<高純度スポンジチタンの収率の計算方法>
はつり除去後の還元反応容器及びロストルを使用して、スポンジチタンを製造し、生成したスポンジチタンのうち、採取スポンジチタンに対するNiの含有量が0.5質量ppm以下のスポンジチタンの採取量の割合を、高純度スポンジチタンの収率として求めた。また、取り出し後のスポンジ塊の高さをH、直径をDとしたとき、スポンジ塊の上面については、上端から0.1Hに相当する位置から上側部分を、下面については、下端から0.1Hに相当する位置から下側部分を、外周については、外表面から半径方向に0.1Dに相当する位置から外側部分を、それぞれカットして除いた残りの部分を、採取スポンジチタン部分とした。その結果を表1に記載した。表1では、比較例1の高純度スポンジチタンの収率を1として、相対比も記載する。
なお、Niの含有量が0.5質量ppm以下のスポンジチタンの採取方法は、上記方法で採取した採取スポンジチタン部分を、約30kg毎に区分けし、それぞれのNi含有量を分析し、Ni含有量が0.5質量ppm以下の区分を、高純度スポンジチタンとして採取した。
<はつり除去作業負荷の算出方法>
はつり除去作業の実働時間を、はつり除去作業で要した時間とした。例えば、はつり除去作業が、複数回にまたがって行われた場合は、実際にはつり除去作業を行なった時間のみを合計した。表1に、比較例1のはつり除去作業で要した時間を1として、相対比を記載する。
Figure 2018172756

Claims (2)

  1. クロール法によるスポンジチタンの製造において、前回の還元反応のときに還元反応容器の内面及びロストルの表面に付着した付着チタンを除去するはつり除去を行った後、はつり除去が行われた還元反応容器を再使用して、クロール法によるスポンジチタンの製造を行う工程を有する高純度スポンジチタンの製造方法であって、
    該はつり除去では、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲において、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲に存在する該還元反応容器の内面及び該ロストルの表面の合計面積に対する、該はつり除去を行った後に地肌が露出している該還元反応容器の内面及び該ロストルの表面の合計面積の割合(平均露出率A)が、50%以上となり、且つ、該還元反応容器の全高に対して下から50%の範囲を除いた範囲において、該はつり除去を行った後の該還元反応容器の内面及び前記ロストルの表面の地肌の露出率Bと、該はつり除去を行う前の前記還元反応容器の内面及び前記ロストルの表面の地肌の露出率Cとの差(露出率B−露出率C)が、20%以下となるように、該付着チタンのはつり除去を行うこと、
    を特徴とする高純度スポンジチタンの製造方法。
  2. 前記還元反応容器の溶融物抜出口が、前記還元反応容器の全高に対して下から5〜20%の範囲に位置していることを特徴とする請求項1記載の高純度スポンジチタンの製造方法。
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