JP2018172420A - 皮膚貼付用粘着シートおよびそれを用いた経皮吸収製剤 - Google Patents

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弘幸 荻野
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定生 行本
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Mitsuyo Hamada
充代 濱田
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Abstract

【課題】十分な粘着性を有しながら皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シート並びに上記特性に加えて十分な薬物の放出性を有する経皮吸収製剤を提供する。【解決手段】支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、前記粘着剤層は少なくとも熱可塑性エラストマー、該エラストマー100重量部に対して50重量部を超え、800重量部以下の不揮発性炭化水素油を含み、かつ、その熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は十分な粘着性を有しながら皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シート、ならびに、皮膚刺激性が低く、かつ、薬物の放出性が改善された経皮吸収製剤に関する。
薬物を経皮吸収させようとする場合、薬物を粘着基剤等に配合して貼付剤化することが行なわれている。近年では、貼付剤中に多量の水を構成成分として含有するパップ剤よりも、より粘着性に優れたテープ剤が使用されることが多い。このテープ剤の粘着基剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の親油性粘着基剤が使用される。中でもゴム系の粘着基剤は、他の粘着基剤に比較して添加剤の配合が容易であるため、広く用いられている(特許文献1〜3)。
しかし、ゴム系の粘着基剤を用いた経皮吸収製剤においても、充分な薬物の放出性が確保できない、あるいは経皮吸収製剤に通常添加されている粘着付与剤に起因する皮膚刺激が発生する等の問題が指摘されていた。
このような状況下、本発明者らは、熱可塑性エラストマーと該エラストマーに対して多量の流動パラフィンを用いることで、粘着付与剤を含有しなくても、十分な粘着性を有しつつ皮膚刺激性が低い皮膚貼付用粘着シート、および、当該粘着シートに薬物又はその薬学的に許容し得る塩を含有させることで十分な経皮吸収性を有する経皮吸収製剤が得られることを見出した(特許文献4)。しかしながら、特に使用する熱可塑性エラストマーや流動パラフィンの限定がないため、処方によっては粘着物性が不足する場合があった。
特開2001−302502号公報 特開平9−291028号公報 特開平10−316559号公報 WO2012/029325号公報
本発明の目的は、十分な各種粘着特性を有しながら皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シート、さらには、低皮膚刺激性かつ十分な粘着特性並びに十分な薬物の放出性を有する経皮吸収製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題の解決のため鋭意研究を重ねた結果、粘着基剤として、トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である熱可塑性エラストマーと、該エラストマーに対して多量の不揮発性炭化水素油を用いることで、粘着付与剤を含有しなくても、十分な各種粘着特性を有しつつ皮膚刺激性が低い皮膚貼付用粘着シートが得られることを見出した。更には、当該粘着シートに薬物又はその薬学的に許容し得る塩を含有させることで、十分な薬物の放出性を有する経皮吸収製剤が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[12]に関する。
[1] 支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
該粘着剤層は、
少なくとも熱可塑性エラストマー、および
該エラストマー100重量部に対して50重量部を超え、800重量部以下の不揮発性炭化水素油を含み、
該熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である、皮膚貼付用粘着シート。
[2] 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が0.5Pa・s以上である、上記[1]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[3] 熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、上記[1]または[2]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[4] スチレン系ブロック共重合体がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体との混合物である、上記[3]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[5] 混合物中のジブロック共重合体の含有量が30重量%以上である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[6] 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.7Pa・s以上である、上記[2]〜[5]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[7] 不揮発性炭化水素油の40℃における動粘度が80mm/s以上である、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[8] 粘着剤層中の不揮発性炭化水素油の含有量が23.5重量%以上、88重量%以下である、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[9] 粘着剤層は、さらに粘着付与剤を含んでいてもよく、該粘着付与剤の粘着剤層中の含有量が20重量%以下である、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[10] 粘着剤層中の粘着付与剤の含有量が10重量%以下である、上記[9]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[11] 粘着剤層中に粘着付与剤を含まない、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[12] 上記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有せしめてなる経皮吸収製剤。
本発明の皮膚貼付用粘着シートは、皮膚に貼付した際に十分な各種粘着特性を持ちつつ、皮膚刺激性が低い。また、本発明の経皮吸収製剤は、薬物の放出性も良好である。
本発明の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤は、支持体上に設けられた粘着剤層を有し、当該粘着剤層は熱可塑性エラストマー、該エラストマー100重量部に対して50重量部を超え、800重量部以下の不揮発性炭化水素油を含み、かつその熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である。
本発明の粘着剤層において用いる「熱可塑性エラストマー」とは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る熱可塑性を示すエラストマーであり、ウレタン系、アクリル系、スチレン系、オレフィン系など各種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。また、本発明においては、粘着シートおよび経皮吸収製剤に対し十分な皮膚粘着性を付与する観点から、熱可塑性エラストマーは、トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上であるものが用いられる。ジブロック共重合体の混合比率が低すぎると皮膚粘着性が低下する傾向となり、高すぎると粘着剤層の形状維持性が低下する傾向となり、皮膚に貼付した際、剥離後皮膚に糊残りが生じるなどの、不具合が生じる可能性がある。このため、トリブロック共重合体とジブロック共重合体の混合比率は、重量比で、20/80〜75/25が好ましく、30/70〜70/30がさらに好ましい。
特に、得られる粘着シートおよび経皮吸収製剤の粘着特性のバランスを良好にする観点から、熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.5Pa・s以上であることが好ましく、0.7Pa・s以上であることがさらに好ましく、0.9Pa・s以上であることが特に好ましい。当該溶液粘度の上限は特に限定はされないが、好ましくは2.0Pa・s以下、より好ましくは1.8Pa・s以下である。
なお、ここでいう、「25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度」とは、「医薬品添加物規格2003」(薬事日報社発行)の375頁に記載のスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の粘度測定方法に基づいて測定された値である。
また、本発明の目的である十分な皮膚粘着性と低皮膚刺激性を両立させる観点から、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、特に、スチレン系ブロック共重合体が好ましく用いられる。スチレン系ブロック共重合体として、具体的には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。なお、前記において、「エチレン/ブチレン」はエチレンおよびブチレンの共重合体ブロックを示し、「エチレン/プロピレン」はエチレンおよびプロピレンの共重合体ブロックを示す。これらスチレン系ブロック共重合体は、上記のトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合比率であれば、3種以上を組合せて用いてもよい。すなわち、トリブロック共重合体およびジブロック共重合体をそれぞれ1種又は2種以上使用することができる。
上記スチレン系ブロック共重合体のうち、十分な皮膚粘着性および低皮膚刺激性の両立のほか、貼付剤用製品の入手性や取り扱い性の観点から、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体を含む混合物が好ましく用いられる。特に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物を用いることが、粘着性の観点から好ましい。
本発明の目的には、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体は、共重合体におけるスチレン含有量が5重量%〜60重量%であるものが好ましく、10重量%〜50重量%であるものがより好ましい。また、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が20,000〜500,000であるものが好ましく、30,000〜300,000であるものがより好ましい。また、スチレン−イソプレンブロック共重合体としては、共重合体におけるスチレン含有量が5重量%〜50重量%であるものが好ましく、10重量%〜40重量%であるものがより好ましい。また、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が10,000〜500,000であるものが好ましく、20,000〜300,000であるものがより好ましい。なお、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物は、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が20,000〜500,000であるものが好ましく、30,000〜300,000であるものがより好ましい。
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体は、それぞれ、自体公知の方法により製造した共重合体を用いることができる。また、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体は、それぞれ、上記の特性を満たす市販の製品を使用することがきる。また、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物も市販されており、上記の特性を満たすスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体とが上記の混合比率で混合された混合物の市販品を好適に使用することができる。
市販品としては、たとえば、KRATON POLYMERS社製の「KRATON D1163」、「KRATON D1113」、「KRATON D1119」、JSR社製の「JSR SIS5229」、「JSR SIS5403」、「JSR SIS5505」、日本ゼオン社製の「Quintac 3421」、「Quintac 3433N」、「Quintac 3520」、「Quintac 3450」、「Quintac 3270」等が挙げられる。このうち、上記トリブロック共重合体とジブロック共重合体の混合比率、および溶液粘度の観点から、「KRATON D1163」、「KRATON D1113」、「JSR SIS5403」、「JSR SIS5505」、「Quintac 3433N」、「Quintac 3520」が好ましく、「JSR SIS5505」、「Quintac 3520」が特に好ましく用いられる。
粘着剤層における熱可塑性エラストマーの含有量が少な過ぎると、粘着剤層の形状の維持が困難となり、多過ぎると皮膚粘着性が不十分となる。従って、本発明の貼付剤の粘着剤層中における熱可塑性エラストマー含有量は、8重量%以上が好ましく、より好ましくは10重量%以上、より一層好ましくは12重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上、さらに一層好ましくは18重量%以上、特に好ましくは20重量%以上、特に一層好ましくは24重量%以上、最も好ましくは28重量%以上である。また、66重量%以下が好ましく、より好ましくは65重量%以下、より一層好ましくは64重量%以下、さらに好ましくは49重量%以下、さらに一層好ましくは39重量%以下である。
なお、より具体的な好適態様として、粘着剤層中における熱可塑性エラストマー含有量は、8重量%〜66重量%を挙げることができ、より好ましくは10重量%〜65重量%、特に好ましくは12重量%〜64重量%である。
本発明の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤において、粘着剤層は不揮発性炭化水素油を含有する。
不揮発性炭化水素油としては、炭素数が20〜40程度の鎖式飽和炭化水素または炭素数20〜40程度の鎖式不飽和炭化水素が好ましく、たとえば、流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、プリスタン等が挙げられる。なかでも入手のしやすさの観点において、流動パラフィンがより好ましい。流動パラフィンは、無色無臭の液状の炭素数20以上のアルカンの混合物であるが、本発明においては、日本薬局方、米国薬局方等に規定する規格に適合するもの等を好ましく用いることができる。不揮発性炭化水素油は粘度の高いものが好ましく、特に粘度の高い流動パラフィンを用いることが、粘着性の観点から好ましい。
具体的には、不揮発性炭化水素油は40℃における動粘度が60mm/s以上であるものが好ましく、より好ましくは70mm/s以上、さらに一層好ましくは80mm/s以上、特に好ましくは100mm/s以上である。なお、動粘度の上限は特に限定されないが、例えば、取扱いのしやすさや、入手のしやすさ等の観点から、500mm/s以下が好ましく、250mm/s以下がより好ましい。
ここでいう「動粘度」とは、「第十六改正日本薬局方」の一般試験法の「2.53粘度測定法」における「第2法 回転粘度計法(2.12 単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」(59頁)に準拠して測定した粘度(mPa・s)を動粘度に換算した値である。
本発明の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤は、上記した不揮発性炭化水素油を、熱可塑性エラストマー100重量部に対して、50重量部を超えて800重量部以下の重量比で含有する。熱可塑性エラストマー100重量部に対する不揮発性炭化水素油の含有量が800重量部より多くなると、粘着剤層の形状の維持が困難となる。一方、不揮発性炭化水素油の含有量が50重量部以下であると、粘着剤が硬くなりすぎることにより十分な皮膚粘着性が得られない傾向があり、特に、貼付時の皮膚の動きに対する追随性が悪くなり、貼付中に脱落する場合がある。このような観点から、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、51重量部〜800重量部が好ましく、さらに好ましくは60重量部〜600重量部、特に好ましくは70重量部〜500重量部である。
また、この範囲内においても、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が低い熱可塑性エラストマー、特に0.5Pa・s未満のものに対して、動粘度の低い不揮発性炭化水素油、例えば40℃における動粘度が80mm/s未満のものを用いる場合、不揮発性炭化水素油の含量が多いと、保存時や貼付時の粘着剤のはみ出しが見られ、包材や衣服に付着する不具合が出やすい傾向にある。このような場合、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、51重量部〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは60重量部〜250重量部、特に好ましくは70重量部〜200重量部である。
また、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、23.5重量%以上が好ましく、より好ましくは25重量%以上、より一層好ましくは26.5重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上、さらに一層好ましくは45重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。また、88重量%以下が好ましく、より好ましくは85重量%以下、より一層好ましくは83重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下、さらに一層好ましく68重量%以下である。
本発明の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤においては、上記のような含有量および含有量比にて熱可塑性エラストマーと不揮発性炭化水素油を含有させて粘着剤層とすることにより、良好な皮膚粘着性を発揮させることができるが、粘着剤層には、必要に応じて粘着付与剤を含有させてもよい。
ここで粘着付与剤とは、通常貼付剤の分野で皮膚粘着性を付与するために汎用される樹脂であって、たとえばロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂等が挙げられ、これらより1種または2種以上を選択して用いることができる。
しかし、粘着剤層に粘着付与剤を含有させる場合、皮膚刺激性の低減等の観点から、粘着剤層中における粘着付与剤の含有量は、好ましくは20重量%以下とする。該含有量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下であり、粘着付与剤を含まないことが最も好ましい。すなわち、皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤の皮膚粘着性との関連から、粘着付与剤の含有量は、熱可塑性エラストマーおよび不揮発性炭化水素油の種類、含有量、およびその含有量比に応じて調製され、粘着付与剤を含有させることなく、十分な皮膚粘着性が得られる場合、粘着付与剤は不要である。
本発明では、皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、更に薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有させることによって、経皮吸収製剤とすることができる。
本発明における「薬物又はその薬学的に許容し得る塩」とは、経皮吸収させるために使用される薬物又はその塩を言い、特に限定されるものではない。薬物としては例えば、アセトアミノフェン、フェナセチン、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アミノピリン、アルクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、アンフェナクナトリウム、メピリゾール、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク等の消炎鎮痛剤;ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、プレドニゾロン等のステロイド系抗炎症剤;塩酸ジルチアゼム、四硝酸ペンタエリスリトール、硝酸イソソルビド、タラジピル、ニコランジル、ニトログリセリン、乳酸プレニラミン、モルシドミン、亜硝酸アルミ、塩酸トラゾリン、ニフェジピン等の血管拡張剤;塩酸プロカインアミド、塩酸リドカイン、塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、アテノロール、ナドロール、酒石酸メトプロロール、アジマリン、ジソピラミド、塩酸メキシレチン等の不整脈用剤;塩酸エカラジン、インダパミド、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、塩酸ラベタロール、カプトプリル、酢酸グアナベンズ、メブタメート、硫酸ベタニジン等の血圧降下剤;クエン酸カルベタペンタン、クロペラスチン、タンニン酸オキセラジン、塩酸クロプチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸ノスカピン、塩酸エフェドリン、塩酸イソプロテレノール、塩酸クロリプレナリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、塩酸クレンプテロール、フマル酸ケトチフェン等の鎮該去痰剤;シクロフォスファミド、フルオロウラシル、デガフール、マイトマイシンC、塩酸プロカルバジン、ドキシフルリジン、ラニムスチン等の抗悪性腫瘍剤;アミノ安息香酸エチル、塩酸テトラカイン、塩酸ブロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸プロピトカイン等の局所麻酔剤;プロピルチオウラシル、チアマゾール、酢酸メテロノン、エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン等のホルモン剤;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン、塩酸ジプロヘプタジン、塩酸ジフェニルピラリン等の抗ヒスタミン剤;ワルファリンカリウム、塩酸チクロピジン等の血液凝固阻止剤;臭化メチルアトロピン、スコポラミン等の鎮痙剤;チオペンタールナトリウム、ペントバルビタールナトリウム等の全身麻酔剤;ブロムワレニル尿素、アモバルビタール、フェノバルビタール等の催眠・鎮痛剤;フェニトインナトリウム等の抗癲癇剤;塩酸メタンフェタミン等の興奮剤・覚醒剤;塩酸ジフェンドール、メシル酸ベタヒスチン等の鎮暈剤;塩酸クロルプロマジン、チオリダジン、メプロバメート、塩酸イミプラミン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、アリピプラゾール、パロキセチン、デュロキセチン等の精神神経用剤;塩酸スキサメトニウム、塩酸エペリゾン等の骨格筋弛緩剤;臭化ネオスチグミン、塩化ベタネコール等の自律神経用剤;塩酸アマンタジン、ロチゴチン、ロピニロール等の抗パーキンソン剤;ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミン等の抗アルツハイマー型認知症薬;ヒドロフルメチアジド、イソソルビド、フロセミド等の利尿剤;塩酸フェニレフリン等の血管収縮剤;臭化ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等の呼吸促進剤;臭化グリコピロニウム、プログルミド、塩酸セトラキサート、シメチジン、スピゾフロン等の消化性潰瘍治療剤;ウルソデスオキシコール酸、オサルミド等の利胆剤;ヘキサミン、スパルティン、ジノプロスト、塩酸リトドリン、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン等の泌尿生殖器及び肛門用剤;サリチル酸、シクロピロクスオラミン、塩酸コロコナゾール等の寄生性皮膚疾患用剤;尿素等の皮膚軟化剤;カルシトリオール、塩酸チアミン、リン酸リボフラピンナトリウム、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド、パンテノール、アスコルビン酸等のビタミン剤;塩化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等の無機質製剤;エタンシラート剤の止血剤;チオプロニン等の肝臓疾患用剤;シアナミド等の習慣性中毒用剤;コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等の通風治療剤;トルブタミド、クロルプロパミド、グリミジンナトリウム、グリプゾール、塩酸プホルミン、インスリン等の糖尿病用剤;ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサシリンナトリウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピリシン、カルベニシリンナトリウム、セファロリジン、セフォキシチンナトリウム、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン等の抗生物質;イソシアニド、ピラジナミド、エチオナミド等の化学療法剤;塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、塩酸コカイン、塩酸ペチジン、クエン酸フェンタニル等の麻薬等が挙げられる。また塩としては、上記に限らず、各種塩もしくは遊離型で用いることができる。
経皮吸収製剤における薬物またはその薬学的に許容し得る塩の含有量は、特に限定されないが、粘着剤層における分散性や薬物放出性を考慮すると、粘着剤層中において好ましくは1重量%〜30重量%、さらに好ましくは2.5重量%〜25重量%、最も好ましくは4重量%〜20重量%である。また、入浴時の貼付剤の耐剥離性等を考慮した場合、15重量%以下が好ましい。
本発明の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤は、上記の構成からなる粘着剤層を支持体上に展延して構成される。
本発明における「支持体」とは、特に限定されるものではなく汎用のものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の伸縮性又は非伸縮性の織布、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル等のフィルム、あるいはウレタン、ポリウレタン等の発泡性支持体が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、複数種が積層されたものとして使用されてもよい。更に支持体に静電気が蓄積することを防止するため、並びに、粘着剤層との良好な投錨性のため、帯電防止剤を含む不織布又は織布を用いることができる。
また、本発明の経皮吸収製剤には、任意成分として、賦形剤、抗酸化剤、香料、着色料等を含有させてもよい。
賦形剤としては、例えば、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水ケイ酸等のケイ素化合物、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、乾燥水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、カオリン、酸化チタン等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、トコフェロールエステル誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
以下実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜13、比較例1〜4]皮膚貼付用粘着シートの調製
表1に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。まず、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物(KRATON POLYMERS社製「KRATON D1111」、「KRATON D1119」、日本ゼオン社製「Quintac3520」、JSR社製「JSR SIS5505」、「JSR SIS5229」)を、当該混合物100重量部に対し、230重量部のトルエンに溶解した。前記溶解液に、流動パラフィン(ソネボーン社製の「BENOL」「KAYDOL」、「Hydrobrite 550PO」、「Hydrobrite HV」)を加えて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。表中の「D1111」は「KRATON D1111」の略記、「D1119」は「KRATON D1119」の略記、「QTC3520」は「Quintac3520」の略記、「5505」は「JSR SIS5505」の略記、「5229」は「JSR SIS5229」の略記である。
上記塗液をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗布し、乾燥後の粘着剤層が約300μmとなるように調製した。80℃のオーブンにて1時間乾燥後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の粘着シートを得た。表中のSIS/SI比は重量比である。
なお、比較例3、4に関しては、表1に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取し上記方法でシートを調製したが、比較例3に関しては、十分な粘着性が得られず、比較例4に関しては粘着剤層が維持できず、評価できなかった。
[比較例5]シリコーン粘着シートの調製
国際公開第2007/064407号公報の実施例の方法に準じて、乾燥後の組成が、シリコーン粘着剤(ダウコーニング製、「Bio−PSA Q7−4301」)98.9重量%、シリコーンオイル1.0重量%、ビタミンE0.1重量%となるように塗工液を調製し、乾燥後の単位面積当たりの重量が90g/mとなるように、テフロン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗工、乾燥した。
該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の粘着シートを得た。
[試験例1]粘着特性試験
<剥離強度>
25mm×100mmに裁断した粘着シートをステンレス(SUS304)板に貼付し、180°方向に300mm/minのスピードで剥離した際の応力を測定した。
<ボールタック>
100mm幅で裁断した粘着シートを貼付した傾斜角30°の斜面において、100mmの助走路を経て1/32インチ〜1インチのボールを転がして、粘着シート上で5秒以上留まった最大のボールの呼び径を測定した。
<保持力>
25mm×100mmに裁断した粘着シートをステンレス(SUS304)板に貼付し、90°方向に25gの荷重を60分間掛け、剥離した距離を測定した。
<はみ出し>
実施例および比較例で調製した粘着シートの端部を、支持体の上から指先で圧縮し、はみ出しの度合いを下記基準に従って評価した。
A:圧縮しても、粘着剤層は全くはみ出さない。
B:圧縮しても、粘着剤層がほとんどはみ出さない。
C:圧縮時、粘着剤層が変形して支持体からはみ出すが、圧縮を開放すると元に戻る。
D:圧縮時、粘着剤層が変形して支持体からはみ出し、圧縮を開放しても元に戻りにくい。
<入浴時剥離の程度>
実施例および比較例で調製した粘着シートを直径36mmの円形に打抜き、健常ボランティア5名の胸部に貼付し、入浴時の剥離の度合いを下記基準に従って評価した。
A:5名とも剥離しない。
B:1〜2名に端部の剥離が見られるものの、脱落はしない。
C:1〜2名で粘着シートが脱落。
D:3名以上で脱落。
[試験例2]皮膚一次刺激性試験
貼付開始日の3日前にkbs:JW雌性家兎(17週齢)の背部被毛を電気バリカンで毛刈りし、実施例1の粘着シートと市販のリバスチグミン含有貼付剤をそれぞれ2.5cm角に裁断して皮膚に貼付した(n=3)。貼付場所を覆うように油紙を載せ、胸部から腹部全体にかけてアンダーラップテープ(ニチバン株式会社製)で覆うように巻き付け、さらに家兎用ジャケット(BJ03、バイオリサーチセンター株式会社製)を装着した。24時間固定後、試料を除去し、除去後1時間目、24時間目、48時間目、および72時間目にJ.Pharmacol.Exp.Ther.82,377−390(1944)に記載の方法に基き、皮膚刺激反応の程度を評価した。
すなわち、上記各時間において、紅斑および痂皮形成ならびに浮腫形成について下記評価基準に従って評価し、点数化した。各評価点の平均値を求め一次評価値を算出し、前記各時間の平均評価値について各家兎の平均値を求めて、一次刺激性指数P.I.I.(Primary Irritation Index)とした。P.I.I.値は最低0、最高8となり、表2に示す4つの皮膚一次刺激反応のカテゴリーに区分される。
<皮膚刺激反応の評価基準>
[紅斑および痂皮の形成]
紅斑を認めない;0点
非常に軽度な(かろうじて識別できる程度の)紅斑を認める;1点
明確な紅斑を認める;2点
中等度ないし高度の紅斑を認める;3点
高度の紅斑から紅斑の採点を妨げる程度の痂皮の形成を認める;4点
[浮腫の形成]
浮腫を認めない;0点
非常に軽度な(かろうじて識別できる程度の)浮腫を認める;1点
軽度の浮腫を認める(はっきりした膨隆による明確な縁が識別できる);2点
中等度の浮腫(約1mmの膨隆)を認める;3点
高度の浮腫(1mm以上の膨隆と曝露範囲を超えた広がり)を認める;4点
上記試験方法を用いて、実施例1〜13、比較例1〜2、比較例5、および市販の貼付剤(久光製薬製「モーラステープL40mg」、第一三共製「ロキソニンテープ100mg」)を評価した結果を表3に示した。
表3より、本発明の実施例の各粘着シートは、粘着特性において、シリコーン粘着シートに対しては低いものの、市販貼付剤とは同等レベル以上の適度な粘着特性を示すことが明らかとなった。一方で、シリコーン粘着シートと比較して、皮膚刺激は低い結果となった。また、特に動粘度の高い流動パラフィンを用いた場合に高い粘着性を示した。
[実施例14〜27、比較例6〜9]経皮吸収製剤の調製
表4に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。まず、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物(KRATON POLYMERS社製「KRATON D1111」、「KRATON D1119」、日本ゼオン社製「Quintac3520」、JSR社製「JSR SIS5505」、「JSR SIS5229」)を、当該混合物100重量部に対し、230重量部のトルエンに溶解した。前記溶解液に、流動パラフィン(ソネボーン社製の「BENOL」、「KAYDOL」、「Hydrobrite 550PO」、「Hydrobrite HV」)、各種添加剤および薬剤を加えて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。表中の「D1111」は「KRATON D1111」の略記、「D1119」は「KRATON D1119」の略記、「QTC3520」は「Quintac3520」の略記、「5505」は「JSR SIS5505」の略記、「5229」は「JSR SIS5229」の略記である。
なお、上記塗液をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗布し、乾燥後の粘着剤層中のリバスチグミン含有量が1.8mg/cmとなるように調製した。80℃のオーブンにて1時間乾燥後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の経皮吸収製剤を得た。表中のSIS/SI比は重量比である。
比較例6、7に関しては、表4に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取し上記方法で経皮吸収製剤を調製したが、比較例6に関しては、十分な粘着性が得られず、比較例7に関しては粘着剤層が維持できず、評価できなかった。
[試験例3]in vitro皮膚透過性試験
国際公開第2006/093139号公報に記載された方法に準じて、Wister系雄性ラット(5週齢)の腹部抽出皮膚を縦型フランツ拡散セルに装着した。実施例9〜21の各経皮吸収製剤および市販の経皮吸収製剤をそれぞれ面積1.0cmの円形に打ち抜いて試料とし、拡散セルのラット皮膚上に貼付した(n=3)。レセプター側には10体積%エタノール生理食塩水を用いて、経時的にレセプター溶液中のリバスチグミン含有量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。
試料貼付後24時間にラット皮膚を透過した薬剤量を求めた。
上記試験方法を用いて評価した結果を表5〜7に示した。
表5〜7より、本発明の実施例の各経皮吸収製剤は、市販の経皮吸収製剤と比較して同等以上の薬物放出性を示しつつ、皮膚刺激性が小さく、かつ優れた粘着特性を示すことが明らかとなった。
本発明の皮膚貼付用粘着シートは、皮膚刺激性が低くかつ適度な粘着性を有しており、またこれを利用した経皮吸収製剤は、これを維持しつつ薬物放出性にも優れており、既存の経皮吸収製剤の性能改善、並びに新たな経皮吸収製剤開発に利用できる可能性がある。
本出願は日本で出願された特願2013−273767および国際出願PCT/JP2013/066273を基礎としており、これらの内容は本明細書に全て包含される。

Claims (12)

  1. 支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
    該粘着剤層は、
    少なくとも熱可塑性エラストマー、および
    該エラストマー100重量部に対して50重量部を超え、800重量部以下の不揮発性炭化水素油を含み、
    該熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である、皮膚貼付用粘着シート。
  2. 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が0.5Pa・s以上である、請求項1に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  3. 熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、請求項1または2に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  4. スチレン系ブロック共重合体がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体との混合物である、請求項3に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  5. 混合物中のジブロック共重合体の含有量が30重量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  6. 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.7Pa・s以上である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  7. 不揮発性炭化水素油の40℃における動粘度が80mm/s以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  8. 粘着剤層中の不揮発性炭化水素油の含有量が23.5重量%以上、88重量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  9. 粘着剤層は、さらに粘着付与剤を含んでいてもよく、該粘着付与剤の粘着剤層中の含有量が20重量%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  10. 粘着剤層中の粘着付与剤の含有量が10重量%以下である、請求項9記載の皮膚貼付用粘着シート。
  11. 粘着剤層中に粘着付与剤を含まない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有せしめてなる経皮吸収製剤。
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