JP2018172349A - 新規縮合多環式化合物及びその製造方法 - Google Patents

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純一 竹谷
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Abstract

【課題】有機溶媒に対する高い溶解性を示す新規縮合多環式化合物及び製造方法の提供。
【解決手段】式(1)で表される縮合多環式化合物。
Figure 2018172349

(Z、Z及びZは夫々独立に周期表第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素から選択される原子;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R4a、R4b、R5a及びR5bは夫々独立にH又は置換基;R、R3a及びR3bは夫々独立に周期表第16族元素から選択される原子;m、m1及びm2は夫々独立に0〜4の整数;n、n1及びn2は夫々独立に0〜2の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、歪み型骨格(例えば、チエピン環などの7員環骨格)を有する新規な縮合多環式化合物及びその製造方法に関する。
縮合多環式化合物は、互いに隣接する2以上の環において、2以上の原子が共有された構造を有する多環式化合物であり、複数の5又は6員環(例えば、ベンゼン環、チオフェン環など)が縮合した縮合多環式芳香族化合物(例えば、ペンタセンなどのアセン系化合物など)などが知られている。このような化合物は、環上に広がる共役系によりπ電子が非局在化されるとともに、分子構造の高い平面性のため、分子間における電子伝導性を向上し易いこととも相まって、良好な電気的特性(半導体特性)を示すことから、有機半導体材料として利用されている。
例えば、特開平5−55568号公報(特許文献1)には、ドーピングが施された縮合ベンゼン環の数が4以上13以下である縮合多環芳香族化合物薄膜を用いた有機薄膜トランジスタが開示されている。この文献の実施例では、ペンタセンやジベンゾペンタセンを用いて真空蒸着法により薄膜を形成したことが記載されている。
一方、塗布法又は印刷法(例えば、スピンコートなど)などのウェットプロセスにより有機半導体層を形成するプリンテッドエレクトロニクスが近年注目されている。プリンテッドエレクトロニクスでは、高温プロセスを必要とすることなく、有機半導体層を容易に又は効率よく形成できるため、製造コストを有効に低減できる。また、プラスチック基板などの耐熱性が低い材料も利用可能になるため、軽量性や柔軟性(又は可撓性)などの特徴を活かした種々の用途への展開も期待されている。
しかしながら、特許文献1に記載のペンタセンなどのアセン系化合物は、分子構造の平面性が高いだけでなく、π−π相互作用などの影響により分子同士が凝集し易いため、有機溶媒に対する溶解性が極端に低い。そのため、ウェットプロセスにより有機半導体層を形成するプリンテッドエレクトロニクスへの適用は困難である。
このような縮合多環式芳香族化合物の溶解性を改善するため、置換基として長鎖アルキル基などを導入して溶解度を向上させる措置がとられている。しかし、絶縁性の高い長鎖アルキル基の導入は、移動度(電気移動度)低下の原因となるため、縮合多環式化合物の溶解性と移動度とはトレードオフの関係にあり、これらの特性を両立するのは極めて困難である。
そして、前記長鎖アルキル基を有する化合物を用いて有機トランジスタなどの素子を形成すると、素子の動作電圧が高くなる傾向にある。すなわち、前記長鎖アルキル基は、デバイス界面(電極/有機半導体界面など)でキャリアをトラップして接触抵抗を増大させるためか、特に駆動初期(電流の立ち上がり)における移動度が小さくなり、素子の電流注入抵抗が数十〜数千kΩ・cm程度に増加する。そのため、素子の動作電圧は数十〜100V程度と高く、実用上の動作電圧を低減できない。
また、前記長鎖アルキル基を有する化合物を用いて形成した素子では、移動度もバラつき易い傾向にある。詳しくは、アルキル基を有する縮合多環式化合物を用いて有機半導体層を塗布成形する場合、相分離により、柔軟なアルキル基が凝集したアルキル部と、剛直な縮合環骨格がスタッキングした縮合環骨格部とが有機半導体層内に形成される。前記アルキル部及び縮合環骨格部は、通常、交互に積層された形態で形成されており、縮合環骨格がスタッキングする方向(πスタック方向又は結晶成長方向)では導電性(又は移動度)が優れているものの、前記πスタック方向に垂直なラメラ方向(アルキル部と縮合環部とが交互に配列される(積み重なる)方向、又は縮合環骨格の面方向)ではアルキル部の影響により移動度が極端に低下することが知られている。この移動度の異方性のため、三次元的に移動度を均一化するのは困難であり、素子によってバラつきが大きくなる。
このようにアルキル基は半導体特性を著しく低下させるものの、アルキル基を有することなく溶解可能(又は製膜可能)な縮合多環式化合物が存在しないため、ウェットプロセスにより形成された有機半導体の性能を向上するのは極めて困難であった。
特開平5−55568号公報(特許請求の範囲、実施例)
従って、本発明の目的は、長鎖アルキル基などの置換基を有していなくても、有機溶媒に対する高い溶解性を示す新規な縮合多環式化合物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、有機溶媒に対する溶解性と移動度(電気移動度又はキャリア移動度)とを両立できる新規な縮合多環式化合物及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、動作電圧(又は閾値電圧の絶対値)が低く、かつ移動度のバラつきが小さい素子を形成できる新規な縮合多環式化合物及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、縮合多環式化合物に、5又は6員環よりも環の歪みがやや大きい7員環骨格(歪み型骨格)を導入すると、移動度を著しく低減することなく溶解性を有効に向上できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の新規縮合多環式化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2018172349
(式中、Z、Z及びZは同一又は異なって周期表第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素から選択される原子;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R4a、R4b、R5a及びR5bは同一又は異なって水素原子又は置換基;R、R3a及びR3bは同一又は異なって周期表第16族元素から選択される原子;m、m1及びm2は同一又は異なって0〜4の整数;n、n1及びn2は同一又は異なって0〜2の整数を示す)。
前記式(1)において、Z、Z及びZは周期表第14族元素、第15族元素及び第16族元素から選択される原子であってもよく;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R5a及びR5bは水素原子又は炭化水素基であってもよく;R、R3a及びR3bは酸素原子又は硫黄原子であってもよく;R4a及びR4bは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基、リチウム原子(リチオ基)、基−B(OH)、基−ZnX(式中、Xはハロゲン原子を示す。)、基−MgX(式中、Xはハロゲン原子を示す。)、基−SnR (式中、Rはアルキル基を示す。)又は基−SiR (式中、Rはフッ素、塩素又はアルキル基を示す。)であってもよく;m、m1及びm2は0〜3の整数であってもよい。なお、Z、Z及びZがいずれも硫黄原子である場合、R4a及びR4bは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基、リチウム原子、基−B(OH)、基−ZnX、基−MgX、基−SnR 又は基−SiR であってもよい。
また、前記式(1)において、Z、Z及びZは炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、酸素、硫黄、セレン及びテルルから選択される原子であってもよく;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R5a及びR5bは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であってもよく;R、R3a及びR3bは酸素原子であってもよく;R4a及びR4bは水素原子、ハロゲン原子、アリール基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基又はアルキルヘテロアリール基であってもよく;m、m1及びm2は0〜2の整数であってもよい。なお、Z、Z及びZがいずれも硫黄原子である場合、R4a及びR4bは水素原子、ハロゲン原子、ヘテロアリール基又はアルキルヘテロアリール基であってもよい。
前記式(1)において、Zは炭素、ケイ素、ゲルマニウム、窒素、リン、ヒ素、酸素、硫黄及びセレンから選択される原子であってもよく;Z及びZは酸素、硫黄及びセレンから選択される原子であってもよく;R1a及びR1bは水素原子又はC1−30アルキル基であってもよく;R5a及びR5bは水素原子であってもよく;R、R2a及びR2bは水素原子、C1−10アルキル基、C5−8シクロアルキル基又はC6−10アリール基であってもよく;R4a及びR4bは水素原子、ハロゲン原子、C6−14アリール基、C1−20アルキルC6−14アリール基、C4−13ヘテロアリール基又はC1−20アルキルC4−13ヘテロアリール基であってもよく;m1及びm2は0であってもよく;n1及びn2は0であってもよい。なお、Z、Z及びZがいずれも硫黄原子である場合、R4a及びR4bは水素原子、ハロゲン原子、C4−13ヘテロアリール基又はC1−20アルキルC4−13ヘテロアリール基であってもよい。
また、本発明は、下記式(6)で表される化合物のリチオ化物と、下記式(7)で表される化合物とを反応させて、前記式(1)で表される化合物を製造する方法も包含する。
Figure 2018172349
(式中、X1a及びX1bはハロゲン原子を示し、Z、Z、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5b、m1、m2、n1及びn2は、前記式(1)に同じ)。
Figure 2018172349
(式中、Lはハロゲン原子又は基−SO(式中、Rは炭化水素基又はフッ化炭化水素基を示す)を示し、Z、R、R、m及びnは、前記式(1)に同じ)。
さらに、本発明は、低原子価チタンの存在下、下記式(10)で表される化合物を分子内カップリング反応させて、前記式(1)で表される化合物を製造する方法も包含する。
Figure 2018172349
(式中、Z、Z、Z、R1a、R1b、R、R2a、R2b、R、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5b、m、m1、m2、n、n1及びn2は、前記式(1)に同じ)。
本発明では、縮合多環式化合物が、5又は6員環よりも少し歪んだ7員環骨格(歪み型骨格)を有するため、3次元ダイポール(双極子)モーメントが大きくなり、かつ分子間に隙間ができ溶媒が浸入しやすくなるためか、長鎖アルキル基などの置換基を有していなくても、有機溶媒に対する溶解性を有効に向上できる。しかも、前記歪み型骨格が適度に歪んでいるためか、分子間における電子軌道の重なりを阻害することがないため、高い移動度(電気移動度)を実現できる。そのため、有機溶媒に対する溶解性と移動度とをより一層高いレベルで両立できる。このような縮合多環式化合物を用いると、動作電圧(又は閾値電圧の絶対値)が低く、かつ移動度のバラつきが小さい素子を形成できる。
[式(1)で表される化合物(歪み型化合物ともいう)]
本発明の新規な縮合多環式化合物は、下記式(1)で表される。
Figure 2018172349
(式中、Z、Z及びZは同一又は異なって周期表第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素から選択される原子;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R4a、R4b、R5a及びR5bは同一又は異なって水素原子又は置換基;R、R3a及びR3bは同一又は異なって周期表第16族元素から選択される原子、m、m1及びm2は同一又は異なって0〜4の整数;n、n1及びn2は同一又は異なって0〜2の整数を示す)。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、縮合環における位置番号は、下記式に示す通りである。
Figure 2018172349
前記式(1)において、Z、Z及びZで表される原子は、周期表第13族(3B族)元素、第14族(4B族)元素、第15族(5B族)元素及び第16族(6B族)元素から選択される原子であり、周期表第13族(3B族)元素としては、例えば、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)[好ましくはホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、さらに好ましくはホウ素、アルミニウム、ガリウム、特にホウ素など]などが挙げられる。
周期表第14族(4B族)元素としては、例えば、炭素(C)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)[好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、さらに好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウム、特にケイ素など]などが挙げられる。
周期表第15族(5B族)元素としては、例えば、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)[好ましくは窒素、リン、ヒ素、アンチモン、さらに好ましくは窒素、リン、ヒ素、特にリンなど]などが挙げられる。
周期表第16族(6B族)元素としては、例えば、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、ポロニウム(Po)[好ましくは酸素、硫黄、セレン、テルル、さらに好ましくは酸素、硫黄、セレン、特に硫黄、セレンなど]などが挙げられる。
これらのZ、Z及びZで表される原子の種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、Z及びZが少なくとも同一である場合が多い。好ましいZで表される原子としては、周期表第14族元素、第15族元素、第16族元素からなる群より選択される原子(例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、酸素、硫黄、セレン及びテルルから選択される原子など)であり、さらに好ましくはケイ素、ゲルマニウム、窒素、リン、ヒ素、酸素、硫黄及びセレンから選択される原子(例えば、ケイ素、ゲルマニウム、リン、ヒ素、硫黄及びセレンから選択される原子など)などであってもよい。
好ましいZ及びZで表される原子としては、周期表第14族元素、第15族元素、第16族元素からなる群より選択される原子(例えば、炭素、窒素、リン、酸素、硫黄、セレン及びテルルから選択される原子など)であり、さらに好ましくは周期表第16族元素(例えば、酸素、硫黄及びセレンから選択される原子、特に硫黄など)などであってもよい。
なお、Z及びZの双方が硫黄原子である場合、Zは、例えば、セレン、リン、ヒ素、ケイ素及びゲルマニウムから選択される原子(例えば、セレン、リン及びケイ素から選択される原子)である場合が多い。
Z、Z及びZで表される原子の各原子価(価数)v、v1及びv2は互いに同一又は異なって2〜6価であり、それぞれ、v=m+2×n+2、v1=m1+2×n1+2及びv2=m2+2×n2+2を満たしている。また、各原子価v、v1及びv2は、それぞれ対応する原子の種類に応じて選択でき、例えば、周期表第13族元素(例えば、ホウ素)では3価である場合が多く、周期表第14族元素(例えば、炭素、ケイ素など)では2価又は4価(特に4価)である場合が多く、周期表第15族元素(例えば、窒素、リンなど)では3〜5価である場合が多く、周期表第16族元素(例えば、酸素、硫黄、セレンなど)では2〜6価である場合が多い。
1a及びR1bで表される置換基としては、例えば、炭化水素基{例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i-ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基(ラウリル基)などの直鎖状又は分岐鎖状C1−30アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−20アルキル基など);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基など);アリール基(例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基などのC6−12アリール基など);これらの基を2つ以上組み合わせた基[例えば、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC6−12アリール−C1−10アルキル基など);アルキルアリール基(例えば、トリル基(メチルフェニル基)、キシリル基(ジメチルフェニル基)などのモノ乃至ペンタ(C1−20アルキル)C6−12アリール基など)など]など};基−OR(式中、Rは上記例示の炭化水素基を示す。)[例えば、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ドデシルオキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−20アルコキシ基など);シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6−12アリールオキシ基など);アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−12アリール−C1−10アルキルオキシ基など);アルキルアリールオキシ基(例えば、トリルオキシ基、キシリルオキシ基などのモノ乃至ペンタ(C1−20アルキル)C6−12アリールオキシ基など)など];基−SR(式中、Rは上記例示の炭化水素基を示す。)[例えば、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ドデシルチオ基などのC1−20アルキルチオ基など);シクロアルキルチオ基(例えば、シクロヘキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など);アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基などのC6−12アリールチオ基など);アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−12アリール−C1−10アルキルチオ基など);アルキルアリールチオ基(例えば、トリルチオ基、キシリルチオ基などのモノ乃至ペンタ(C1−20アルキル)C6−12アリールチオ基など)など];ヒドロキシル基;ホルミル基;アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基などのC1−10アシル基など);アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのC1−12アルコキシカルボニル基など);カルボキシル基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基;置換アミノ基[例えば、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1−6アルキルアミノ基など);ジアシルアミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのジC1−10アシルアミノ基など)など];チオール基;スルホン酸基(スルホ基);ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)など]などが挙げられる。
基R1a及びR1bの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。好ましい基R1a及びR1bとしては、水素原子又は炭化水素基(例えば、アルキル基(例えば、C1−30アルキル基など)、シクロアルキル基、アリール基など)であり、さらに好ましくは水素原子、C1−25アルキル基、C5−10シクロアルキル基又はC6−12アリール基(例えば、水素原子、C1−20アルキル基、C5−8シクロアルキル基又はC6−10アリール基など)、特に水素原子、C4−18アルキル基又はC6−10アリール基(例えば、水素原子、C6−16アルキル基、特に水素原子)であってもよい。
、R2a及びR2bで表される置換基としては、例えば、前記基R1a及びR1bと同様の置換基などが挙げられる。基R、R2a及びR2bの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、基R2a及びR2bが少なくとも同一である場合が多い。好ましい基R、R2a及びR2bとしては、水素原子又は炭化水素基(例えば、アルキル基(例えば、C1−30アルキル基、好ましくはC1−20アルキル基など)、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基など)であり、さらに好ましくは水素原子、C1−16アルキル基、C5−10シクロアルキル基又はC6−12アリール基(例えば、水素原子、C1−10アルキル基、C5−8シクロアルキル基又はC6−10アリール基など)、特に水素原子、C1−6アルキル基又はC6−10アリール基(特に水素原子、C1−4アルキル基又はC6−8アリール基)であってもよい。なお、置換数m、m1及びm2が2以上である場合、2以上の基R、R2a及びR2bの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
基R、R2a及びR2bの各置換数m、m1及びm2は、互いに同一又は異なって、例えば、0〜3の整数、好ましくは0〜2の整数であってもよい。また、置換数m、m1及びm2は、対応する基R、R2a及びR2bが結合するZ、Z及びZの各原子価v、v1及びv2に応じて選択してもよく、例えば、原子価が2価の場合、置換数m、m1及びm2は0であり、原子価が3価の場合、置換数m、m1及びm2は1であり、原子価が4価の場合、置換数m、m1及びm2は0又は2であり、原子価が5価の場合、置換数m、m1及びm2は1又は3であり、原子価が6価の場合、置換数m、m1及びm2は0、2又は4(例えば、0又は2、特に0)であることが多い。なお、置換数m、m1及びm2は互いに異なっていてもよいが、通常、m1及びm2が少なくとも同一である場合が多く、例えば、m1及びm2が0であってもよい。
、R3a及びR3bで表される周期表第16族(6B族)元素としては、例えば、前記Z、Z及びZに例示の第16族元素と同様である。R、R3a及びR3bの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、R3a及びR3bが少なくとも同一である場合が多い。好ましいR、R3a及びR3bとしては、酸素、硫黄、セレン及びテルルから選択される原子であり、さらに好ましくは酸素、硫黄及びセレンから選択される原子(例えば、酸素原子[又はオキソ基(=O)]又は硫黄原子[又はチオキソ基(=S)])、特に酸素原子であってもよい。置換数n、n1及びn2が2である場合、2つの基R、R3a及びR3bの種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
原子R、R3a及びR3bの各置換数n、n1及びn2は、対応する原子R、R3a及びR3bが結合するZ、Z及びZの各原子価v、v1及びv2に応じて選択してもよく、例えば、原子価が2価又は3価の場合、置換数n、n1及びn2は0であり、原子価が4価又は5価の場合、置換数n、n1及びn2は0又は1であり、原子価が6価の場合、置換数n、n1及びn2は0〜2の整数(例えば、1又は2、特に2)であることが多い。なお、置換数n、n1及びn2は互いに異なっていてもよいが、通常、n1及びn2が少なくとも同一である場合が多く、例えば、n1及びn2が0であってもよい。
4a及びR4bで表される置換基としては、例えば、前記基R1a及びR1bに例示の置換基、炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基、金属(又は半金属)含有基などが挙げられる。これらの置換基のうち、通常、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基、金属含有基などである場合が多い。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素(好ましくは塩素、臭素、ヨウ素、さらに好ましくは臭素)が挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基(ラウリル基)などの直鎖状又は分岐鎖状C1−20アルキル基など);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基など);アリール基;これらの基を2つ以上組み合わせた基[例えば、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC6−12アリール−C1−10アルキル基など);アルキルアリール基など]などが挙げられる。これらの炭化水素基のうち、アリール基、アルキルアリール基が好ましい。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ビナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのC6−20アリール基、好ましくはC6−14アリール基、さらに好ましくはC6−10アリール基などが挙げられる。
アルキルアリール基としては、例えば、トリル基(メチルフェニル基)、キシリル基(ジメチルフェニル基)、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、2−エチルヘキシル−フェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基などのモノ乃至ペンタ(C1−20アルキル)C6−20アリール基、好ましくはモノ乃至トリ(C1−16アルキル)C6−14アリール基(例えば、モノ又はジ(C4−12アルキル)C6−12アリール基など)、さらに好ましくはC6−10アルキルC6−10アリール基などが挙げられる。
ヘテロアリール基としては、例えば、単環式ヘテロアリール基と多環式ヘテロアリール基とに大別でき、単環式ヘテロアリール基としては、例えば、窒素(N)含有単環式ヘテロアリール基(例えば、ピロリル基、2H−ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基など);酸素(O)含有単環式ヘテロアリール基(例えば、フリル基、ピラニル基など);硫黄(S)含有単環式ヘテロアリール基(例えば、チエニル基(2−チエニル基、3−チエニル基)など);2種以上のヘテロ原子を含有する単環式ヘテロアリール基(例えば、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジニル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、チアジアジニル基、チアトリアゾリル基など)などのC1−5ヘテロアリール基(好ましくはC3−5ヘテロアリール基)などが挙げられる。
多環式ヘテロアリール基としては、例えば、窒素(N)含有多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリジニル基、インドリル基、3H−インドリル基、イソインドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、4H−キノリジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、4aH−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、フェナジニル基、フェナントロリニル基、ペリミジニル基など);酸素(O)含有多環式ヘテロアリール基(例えば、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基など);硫黄(S)含有多環式ヘテロアリール基(例えば、チエノチエニル基、チアントレニル基など);2種以上のヘテロ原子を含有する多環式ヘテロアリール基(例えば、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサチイニル基、フェナルサジニル基など)などのC6−13ヘテロアリール基(好ましくはC6−9ヘテロアリール基)などが挙げられる。
これらのヘテロアリール基のうち、溶解性と電気的特性とを高いレベルで両立できる点から、単環式ヘテロアリール基が好ましく、なかでも、窒素(N)含有単環式ヘテロアリール基、硫黄(S)含有単環式ヘテロアリール基が好ましく、特にチエニル基などの硫黄(S)含有単環式ヘテロアリール基が好ましい。
前記ヘテロアリール基に置換する炭化水素基としては、例えば、上記例示の炭化水素基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基など)などが挙げられる。また、置換数は特に制限されず、ヘテロアリール基に応じて選択でき、例えば、0〜5程度の整数、好ましくは0〜3(例えば、0〜2)程度の整数、さらに好ましくは0又は1程度であってもよい。そのため、炭化水素基に置換されたヘテロアリール基としては、例えば、アルキル−ヘテロアリール基、シクロアルキル−ヘテロアリール基、アリール−ヘテロアリール基などが挙げられ、通常、C1−20アルキル−C1−13ヘテロアリール基、C6−12アリール−C1−13ヘテロアリール基(例えば、C1−16アルキル−C3−9ヘテロアリール基、特にC1−12アルキル−C3−5ヘテロアリール基)である場合が多い。
金属(又は半金属)含有基としては、金属原子又は半金属原子(例えば、ケイ素、ホウ素など)を含む限り特に制限されず、代表的には、例えば、リチウム原子(リチオ基)、基−B(OH)、基−ZnX(式中、Xはハロゲン原子を示す。)、基−MgX(式中、Xはハロゲン原子を示す。)、基−SnR (式中、Rはアルキル基を示す。)、基−SiR (式中、Rはフッ素、塩素又はアルキル基を示す。)などが挙げられる。
及びXで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。R及びRで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、n−ブチル基などのC1−6アルキル基(好ましくはメチル基などのC1−4アルキル基など)などが挙げられる。3つの基Rは互いに同一又は異なっていてもよく、3つの基Rも互いに同一又は異なっていてもよい。
これらの基R4a及びR4bのうち、水素原子、ハロゲン原子、アリール基(例えば、C6−14アリール基など)、アルキルアリール基(例えば、C1−20アルキルC6−14アリール基など)、ヘテロアリール基(例えば、C4−13ヘテロアリール基など)、アルキルヘテロアリール基(例えば、C1−20アルキルC4−13ヘテロアリール基など)、金属(又は半金属)含有基[例えば、リチウム原子(リチオ基)、基−B(OH)、ハロジンシオ基(ブロモジンシオ基など)、ハロマグネシオ基(ブロモマグネシオ基など)、トリアルキルスタンニル基(トリメチルスタンニル基などのトリC1−6アルキルスタンニル基など)、トリハロシリル基(トリフルオロシリル基、トリクロロシリル基など)、トリアルキルシリル基(トリメチルシリル基などのトリC1−6アルキルシリル基など)など]が好ましく、なかでも、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、特に臭素)、C6−12アリール基(特にC6−10アリール基)、C1−16アルキルC6−12アリール基(例えば、C1−12アルキルC6−10アリール基)、C4−9ヘテロアリール基(例えば、C4−5ヘテロアリール基)、C1−16アルキルC4−9ヘテロアリール基(例えば、C1−12アルキルC4−5ヘテロアリール基)が特に好ましい。なお、基R4a及びR4bの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。
また、Z、Z及びZがいずれも硫黄原子である場合、R4a及びR4bは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基、リチウム原子、基−B(OH)、基−ZnX、基−MgX、基−SnR 又は基−SiR であってもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、ヘテロアリール基(例えば、C4−13ヘテロアリール基など)又はアルキルヘテロアリール基(例えば、C1−20アルキルC4−13ヘテロアリール基など)である場合が多い。
5a及びR5bで表される置換基としては、例えば、前記基R1a及びR1bと同様の置換基などが挙げられる。基R5a及びR5bの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、基R5a及びR5bが少なくとも同一である場合が多い。好ましい基R5a及びR5bとしては、水素原子又は炭化水素基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基など)であり、さらに好ましくは水素原子、C1−16アルキル基、C5−10シクロアルキル基又はC6−12アリール基(例えば、水素原子、C1−10アルキル基、C5−8シクロアルキル基又はC6−10アリール基など)、特に水素原子、C1−6アルキル基又はC6−10アリール基(特に水素原子)であってもよい。
なお、前記式(1)で表される化合物において、Z及びZ、R1a及びR1b、R2a及びR2b、R3a及びR3b、R4a及びR4b、R5a及びR5b、m1及びm2並びにn1及びn2が、それぞれ互いに同一である化合物、すなわち、紙面上においてZを通る縦線を軸とした線対称な構造を有する化合物であると、分子同士が並び易い(又はスタッキングし易い)ためか、電気的特性(移動度など)が向上できるため好ましい。
前記式(1)で表される化合物(歪み型化合物)として、代表的には、Z及びZが硫黄原子、m1及びm2並びにn1及びn2が0、基R1a及びR1bが水素原子又はアルキル基(例えば、C1−30アルキル基など)、基R5a及びR5bが水素原子、基R4a及びR4bが水素原子、ハロゲン原子、C6−14アリール基、C1−20アルキルC6−14アリール基、C4−13ヘテロアリール基、C1−20アルキルC4−13ヘテロアリール基、リチウム原子、基−B(OH)、ハロジンシオ基(ブロモジンシオ基など)、ハロマグネシオ基(ブロモマグネシオ基など)、トリアルキルスタンニル基(トリメチルスタンニル基などのトリC1−4アルキルスタンニル基など)、トリハロシリル基(トリフルオロシリル基、トリクロロシリル基など)、トリアルキルシリル基(トリメチルシリル基などのトリC1−4アルキルシリル基など)である化合物(例えば、下記表1に記載の化合物など)が挙げられる。
Figure 2018172349
前記式(1)において、Z及びZが硫黄原子、m1及びm2並びにn1及びn2が0、基R1a及びR1bが水素原子又はC1−25アルキル基、基R5a及びR5bが水素原子であるひずみ型化合物として、より具体的には、例えば、(a)Zが硫黄原子である化合物、(b)Zがセレン原子である化合物、(c)Zがリン原子である化合物、(d)Zがケイ素原子である化合物、(e)Zが酸素原子である化合物、(f)Zが炭素原子である化合物などが挙げられる。
(a)Zが硫黄原子である化合物としては、例えば、(a1)ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a2)2,6−ジクロロ−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ジブロモ−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ジヨード−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ジハロ−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a3)2,6−ジナフチル−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ジC6−10アリール−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a4)2,6−ビス(4−ヘキシルフェニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(4−デシルフェニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(3−デシルフェニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ビス(C1−12アルキルC6−10アリール)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a5)2,6−ジ(2−チエニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ジC4−9ヘテロアリール−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a6)2,6−ビス(5−ヘキシル−2−チエニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ビス(C1−12アルキルC4−9ヘテロアリール)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a7)2,6−ジリチオ−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a8)2,6−ビス(ジヒドロキシボリル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a9)2,6−ビス(クロロジンシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(ブロモジンシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(ヨードジンシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ビス(ハロジンシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a10)2,6−ビス(クロロマグネシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(ブロモマグネシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(ヨードマグネシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ビス(ハロマグネシオ)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a11)2,6−ビス(トリメチルスタンニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(トリn−ブチルスタンニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ビス(トリC1−4アルキルスタンニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a12)2,6−ビス(トリフルオロシリル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(トリクロロシリル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ビス(トリハロシリル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a13)2,6−ビス(トリメチルシリル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン、2,6−ビス(トリn−ブチルシリル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなどの2,6−ビス(トリC1−4アルキルシリル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン;(a14)これらの(a1)〜(a13)に例示の化合物に対応するS−オキシド体(スルフィニル体)又はS,S(又は4,4)−ジオキシド体(スルホニル体)(例えば、4,4−ジオキソ−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピンなど)など]などが挙げられる。これらの(a)Zが硫黄原子である化合物のうち、化合物(a1)〜(a2)及び化合物(a5)〜(a14)である場合が多い。
(b)Zがセレン原子である化合物としては、例えば、前記(a)Zが硫黄原子である化合物において例示した化合物(a1)〜(a14)に対応して、Zを硫黄原子からセレン原子に置き換えた化合物(b1)〜(b14)(例えば、(b1)セレネピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなど)などが挙げられる。
(c)Zがリン原子である化合物としては、例えば、(c1)ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン類(例えば、ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン;4−メチル−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの4−C1−4アルキル−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン;4−フェニル−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの4−C6−10アリール−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなど);前記(a)Zが硫黄原子である化合物の項で例示した化合物(a2)〜(a13)に対応して、ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン環を前記(c1)ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン類に置き換えた化合物(c2)〜(c13)[例えば、(c2)2,6−ジハロ−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン類(例えば、2,6−ジブロモ−4−フェニル−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの2,6−ジハロ−4−C6−10アリール−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなど);(c14)これらの化合物(c1)〜(c13)に対応するP−オキシド体(例えば、4−オキソ−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなど)などが挙げられる。
(d)Zがケイ素原子である化合物としては、例えば、(d1)シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン類(例えば、シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン;4−メチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの4−C1−4アルキル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン;4−フェニル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの4−C6−10アリール−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン;4,4−ジメチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの4,4−ジC1−4アルキル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン;4−メチル−4−フェニル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの4−C1−4アルキル−4−C6−10アリール−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン;4,4−ジフェニル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの4,4−ジC6−10アリール−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなど);前記(a)Zが硫黄原子である化合物の項で例示した化合物(a2)〜(a13)に対応して、ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン環を前記(d1)シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン類に置き換えた化合物(d2)〜(d13)[例えば、(d2)2,6−ジハロ−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン類(例えば、2,6−ジブロモ−4,4−ジメチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなどの2,6−ジハロ−4,4−ジC1−4アルキル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンなど)など]などが挙げられる。
(e)Zが酸素原子である化合物としては、例えば、前記(a)Zが硫黄原子である化合物において例示した化合物(a1)〜(a13)に対応して、Zを硫黄原子から酸素原子に置き換えた化合物(e1)〜(e13)(例えば、(e1)ジチエノ[3,2−b:2,3−f]オキセピンなど)などが挙げられる。
(f)Zが炭素原子である化合物としては、例えば、前記(d)Zがケイ素原子である化合物に例示した化合物(d)〜(d13)に対応して、Zのケイ素原子を炭素原子に置き換えた化合物(f1)〜(f13)[例えば、4,4−ジメチル−シクロヘプタ[1,2−b:5,4−b’]ジチオフェンなど]などが挙げられる。
なお、前記(a)〜(f)には、基R1a及びR1bが水素原子である化合物について例示しているが、前記例示化合物に対応して、基R1a及びR1bがアルキル基(例えば、C1−25アルキル基、好ましくはC1−20アルキル基など)である化合物も含まれる。
これらの化合物(a)〜(f)うち、化合物(a)、(b)、(c)、(d)[例えば、化合物(b)、(c)、(d)]が好ましい。
本発明の歪み型化合物は、高い溶解性を有している。そのため、歪み型化合物のトルエンに対する溶解度は、例えば、0.01重量%以上(例えば、0.05〜30重量%程度)、好ましくは0.1重量%以上(例えば、0.15〜10重量%程度)、さらに好ましくは0.2重量%以上(例えば、0.2〜1重量%程度)であってもよい。なお、溶解度は、後述する実施例に記載の方法により測定してもよい。
また、本発明の歪み型化合物は、高い移動度(電気移動度又はキャリア移動度)を有している。そのため、前記歪み型化合物を用いて電界効果型トランジスタを作製した場合の移動度は、例えば、0.001〜0.5cm/Vs、好ましくは0.01〜0.3cm/Vs、さらに好ましくは0.02〜0.25cm/Vs(例えば、0.05〜0.2cm/Vs)程度であってもよい。なお、移動度は、後述する実施例に記載の方法により測定してもよい。
本発明の歪み型化合物でデバイス素子(例えば、有機薄膜トランジスタなど)を形成すると、動作電圧が低減できる。例えば、前記歪み型化合物で形成したデバイス素子において、閾値電圧の絶対値は、例えば、100V以下(例えば、0.1〜70V程度)であってもよく、好ましくは50V以下(例えば、1〜40V程度)、さらに好ましくは30V以下(例えば、3〜20V程度)であってもよい。
また、前記デバイス素子において、移動度がバラつき難く異方性を低減できる。そのため、結晶成長方向(又はπスタック方向)と、ソース電極からドレイン電極に向かう方向(又はキャリアが移動する方向)との成す角度を変化させて素子を形成しても、移動度のバラつきが低減でき、デバイス素子(例えば、有機薄膜トランジスタなど)作製における再現性が高い。
[式(1)で表される歪み型化合物の製造方法]
本発明の歪み型化合物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、下記反応式(方法A)に従って調製できる。
Figure 2018172349
(式中、X1a、X1b及びXはハロゲン原子、Phはフェニル基、Lはハロゲン原子又は基−SO(式中、Rは炭化水素基又はフッ化炭化水素基を示す)を示し、Z、Z、Z、R1a、R1b、R、R2a、R2b、R、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5b、m、m1、m2、n、n1及びn2は、それぞれ好ましい態様も含めて前記式(1)の記載に同じ)。
(方法A)
式(3)で表される化合物の合成(還元反応)
前記式(3)で表されるヒドロキシ化合物は、式(2a)で表されるカルボニル化合物を還元剤により還元することにより調製できる。
前記式(2a)において、X1aで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、臭素であるのが好ましい。式(2a)で表されるカルボニル化合物としては、前記式(1)で表される歪み型化合物に対応するカルボニル化合物であればよく、通常、R1a、R4a及びR5aが水素原子である場合が多い。式(2a)で表されるカルボニル化合物として代表的には、例えば、3−ハロ−ヘテロアレーン−2−カルボキシアルデヒド(例えば、3−ブロモピロール−2−カルボキシアルデヒド、3−ブロモフラン−2−カルボキシアルデヒド、3−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒド、3−ブロモセレノフェン−2−カルボキシアルデヒドなどの3−ハロ−ヘテロアレーン−2−カルボキシアルデヒドなど);3−ハロ−2−アルカノイル−ヘテロアレーン(例えば、3−ブロモ−2−ヘプタノイル−ピロール、3−ブロモ−2−ウンデカノイル−フラン、3−ブロモ−2−ヘプタデカノイル−チオフェン、3−ブロモ−2−ヘプタノイル−セレノフェンなどの3−ハロ−2−C2−31アルカノイル−ヘテロアレーンなど)などであってもよい。これらの式(2a)で表されるカルボニル化合物のうち、3−ハロ−ヘテロアレーン−2−カルボキシアルデヒドなどのアルデヒド類が好ましい。式(2a)で表されるカルボニル化合物は市場から調達してもよい。
還元剤としては、特に制限されず、慣用の還元剤、例えば、水素化ホウ素リチウム(LiBH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)などが挙げられる。還元剤の使用割合は、式(2a)で表されるカルボニル化合物1モルに対して、例えば、0.1〜5モル、好ましくは1〜3モル、さらに好ましくは1.5〜2モル程度であってもよい。還元剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、特に制限されず、慣用の有機溶媒、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど)、アルコール類(メタノール、エタノールなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)などであってもよい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。通常、エタノールなどのアルコール類が使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、−20〜40℃、好ましくは−10〜30℃(通常、0℃〜室温)程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜48時間、好ましくは12〜36時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
式(5)で表される化合物の合成(ホスホニウム塩の合成)
前記式(5)で表されるホスホニウム塩は、前記式(3)で表されるヒドロキシ化合物と、前記式(4)で表されるトリフェニルホスフィンハロゲン化水素塩とを反応させることにより調製できる。
前記式(4)において、Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、臭素であるのが好ましい。前記式(4)で表されるトリフェニルホスフィンハロゲン化水素塩としては、例えば、トリフェニルホスフィン塩化水素塩、トリフェニルホスフィン臭化水素塩、トリフェニルホスフィンヨウ化水素塩などが挙げられる。前記式(4)で表されるトリフェニルホスフィンハロゲン化水素塩は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。前記式(4)で表されるトリフェニルホスフィンハロゲン化水素塩は、市販品を使用してもよい。式(4)で表されるトリフェニルホスフィンハロゲン化水素塩の使用割合は、前記式(3)で表されるヒドロキシ化合物1モルに対して、例えば、1〜3モル、好ましくは1〜2モル程度であってもよく、通常、1モル程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)であってもよい。溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。通常、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類が使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、40〜100℃、好ましくは50〜70℃程度であってもよく、反応は、還流条件下で行ってもよい。反応時間は、例えば、1〜40時間、好ましくは10〜30時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
式(6)で表される化合物の合成(Wittig反応)
前記式(6)で表されるジハロ化合物は、前記式(5)で表されるホスホニウム塩と、前記式(2b)で表されるカルボニル化合物とを、塩基の存在下で反応させることにより調製できる。
前記式(2a)において、X1bで表されるハロゲン原子としては、前記X1aと好ましい態様も含めて同様の原子が例示できる。また、式(2b)で表される化合物としては、前記式(1)で表される歪み型化合物に対応するカルボニル化合物であればよく、通常、R1b、R4b及びR5bが水素原子である化合物がよく用いられる。式(2b)で表される化合物としては、前記式(2a)で例示の化合物と同様のものが例示できる。また、前記式(2a)及び(2b)で表される化合物は同一の化合物であることが多い。
式(5)で表されるホスホニウム塩の使用割合は、式(2b)で表されるカルボニル化合物1モルに対して、例えば、1〜1.5モル、好ましくは1.05〜1.2モル程度であってもよい。
塩基としては、例えば、金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物など)、金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸塩など)、金属アルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属C1−6アルコキシドなど)などの無機塩基;アミン類(トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの芳香族第3級アミン、ピリジンなどの複素環式第3級アミンなど)などの有機塩基などが挙げられる。塩基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。通常、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシドが使用される場合が多い。塩基の使用割合は、前記式(5)で表されるホスホニウム塩1当量に対して、例えば、1〜5当量、好ましくは2〜4当量程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど)、アルコール類(メタノール、エタノールなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)であってもよく、通常、テトラヒドロフランなどのエーテル類が使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、−20〜50℃、好ましくは−10〜30℃(通常、0℃〜室温)程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜100時間、好ましくは24〜72時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
式(1)で表される歪み型化合物の合成(リチオ化反応、及び環化又は閉環反応)
前記式(1)で表される歪み型化合物は、前記式(6)で表されるジハロ化合物及びリチオ化剤を反応(リチオ化反応)させて生成したリチオ化物と、前記式(7)で表される化合物(閉環剤)とを反応(環化反応)させることにより調製できる。
(リチオ化反応)
リチオ化剤としては、特に制限されず、慣用のリチオ化剤、例えば、アルキルリチウム(例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムなどのC1−4アルキルリチウムなど)、アリールリチウム(フェニルリチウムなど)、リチウムアミド類(リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(LiTMP)、リチウム−ビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)など)などが挙げられる。これらのリチオ化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのリチオ化剤のうち、通常、n−ブチルリチウムなどのアルキルリチウムが用いられる。リチオ化剤の使用割合は、前記式(6)で表されるジハロ化合物1モルに対して、例えば、2〜5モル、好ましくは2〜3モル程度であってもよく、通常、2モル程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)などであってもよく、通常、ジエチルエーテルなどが使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、−100〜−50℃、好ましくは−80〜−70℃程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜120分、好ましくは30〜90分程度であってもよい。反応終了後、慣用の分離精製手段により精製することなく、必要に応じて、前記リチオ化物を含む反応液を次の環化反応に供してもよい。
(環化反応)
前記式(7)において、Lで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素など(特に塩素)が挙げられる。
で表される基−SOにおいて、Rで表される炭化水素基としては、例えば、前記基R1a及びR1bの項に例示の炭化水素基などが挙げられる。Rで表されるフッ化炭化水素基としては、前記炭化水素基における水素原子の一部又は全部をフッ素化した基、例えば、トリフルオロメチル基などのフッ化アルキル基、ペンタフルオロフェニル基などのフッ化アリール基などが挙げられる。
で表される基−SOとして代表的には、例えば、アルキルスルホニル基(メチルスルホニル基(メシル基)などのC1−6アルキルスルホニル基など);アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基などのC6−10アリールスルホニル基など);アルキルアリールスルホニル基(p−トルエンスルホニル基(トシル基)などのC1−6アルキルC6−10アリールスルホニル基など);ニトロアリールスルホニル基(o−ニトロベンゼンスルホニル基などのニトロC6−10アリールスルホニル基など);フッ化アルキルスルホニル基(トリフルオロメタンスルホニル基などのフッ化C1−6アルキルスルホニル基など)などが挙げられる。
2つの基Lは互いに異なっていてもよいが、通常、同一であってもよい。これらの基Lのうち、ハロゲン原子(例えば、塩素など)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基など)などが利用される場合が多い。
前記式(7)で表される化合物(閉環剤)は、式(1)で表される歪み型化合物に対応して選択でき、代表的には、例えば、ベンゼンチオスルホン酸無水物((PhSOS)などのスルホン酸無水物;二塩化セレン(SeCl)、ジメチルジクロロシラン、フェニルジクロロホスフィンなどのジハロゲン化物などが挙げられる。これらの式(7)で表される化合物は、市販品を使用してもよい。
前記式(7)で表される化合物(閉環剤)の使用割合は、前記リチオ化反応に供した式(6)で表されるジハロ化合物1モルに対して、例えば、1〜1.5モル、好ましくは1.05〜1.2モル程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよく、前記リチオ化反応の反応液に対して、さらに溶媒を添加してもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)などであってもよく、通常、テトラヒドロフランなどが使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、−100〜50℃、好ましくは−90〜30℃(通常、−78℃〜室温)程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜12時間、好ましくは6〜10時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
(方法B)
本発明の歪み型化合物の製造方法は、下記反応式(方法B)に従って調製することもできる。方法Bでは、方法Aよりも反応工程数が少ない点で有利である。また、基R1a及びR1bに炭化水素基(例えば、アルキル基など)を導入する場合に有用である。
Figure 2018172349
(式中、Z、Z、Z、R1a、R1b、R、R2a、R2b、R、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5b、m、m1、m2、n、n1及びn2は、それぞれ好ましい態様も含めて前記式(1)の記載に同じであり;X1a及びX1bは、それぞれ好ましい態様も含めて前記式(2a)の記載に同じであり;基−SnR は、好ましい態様も含めて前記金属(又は半金属)含有基の項の記載に同じ)。
式(10)で表される化合物の合成(スティレカップリング)
式(2a)及び式(2b)において、Z及びZ、R1a及びR1b、R2a及びR2b、R3a及びR3b、R4a及びR4b、R5a及びR5b、X1a及びX1b、m1及びm2、並びにn1及びn2は、それぞれ、同一又は異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。
式(2a)及び式(2b)で表される化合物としては、例えば、前記式(2a)で表される化合物と同様の化合物が挙げられる。これらの式(2a)及び式(2b)で表される化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできるが、通常、単独で用いる場合が多い。また、方法Bでは、基R1a及びR1bに炭化水素基(例えば、アルキル基など)を容易に又は効率よく導入できる点から、これらの式(2a)及び式(2b)で表される化合物のうち、3−ハロ−2−アルカノイル−ヘテロアレーン(例えば、3−ブロモ−2−ヘプタノイル−チオフェンなど)などが好ましい。
式(2a)及び式(2b)で表される化合物は市場から調達してもよく、慣用の方法、例えば、3−ハロ−ヘテロアレーンと、アルカン酸塩化物又はアルカン酸無水物とを、塩化アルミニウムなどのルイス酸触媒の存在下で反応(フリーデルクラフツ アシル化反応)させる方法などにより調製してもよい。なお、前記方法により調製する場合、式(2a)及び式(2b)で表される化合物は、副生成物(例えば、2−位以外の位置にアルカノイル基が置換した化合物など)を完全に除去することなく式(9)で表される化合物との反応に供して、前記反応終了後に精製してもよい。
式(9)において、6つの基Rの種類は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。式(9)で表される化合物として代表的には、例えば、ビス(トリアルキルスズ)スルフィド(又はビス(トリアルキルスタンニル)スルフィド)[例えば、ビス(トリメチルスズ)スルフィド、ビス(トリブチルスズ)スルフィドなどのビス(トリC1−4アルキルスズ)スルフィドなど];(又はビス(トリアルキルスズ)オキシド(又はビス(トリアルキルスズ)エーテル)[例えば、ビス(トリブチルスズ)オキシドなどのビス(トリC1−4アルキルスズ)オキシドなど];ビス(トリアルキルスズ)セレニド[例えば、ビス(トリブチルスズ)セレニドなどのビス(トリC1−4アルキルスズ)セレニドなどが挙げられ、ビス(トリブチルスズ)スルフィドなどのビス(トリアルキルスズ)スルフィドが好ましい。これらの式(9)で表される化合物は、市場から調達してもよい。
式(2a)及び式(2b)で表される化合物の総量の割合は、式(9)で表される化合物1モルに対して、例えば、2〜3モル、好ましくは2.05〜2.5モル(通常、2.1〜2.2モル)程度であってもよい。
反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、例えば、パラジウム触媒[パラジウム(0)触媒(例えば、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)など)などのパラジウム錯体]などが挙げられる。
触媒の使用割合は、式(9)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.15モル(通常、0.1〜0.12モル)程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)などであってもよい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの溶媒のうち、通常、トルエンなどが使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下(又は気流下)で行ってもよい。反応温度は、例えば、80〜200℃、好ましくは100〜150℃(通常、110〜130℃)程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜48時間、好ましくは12〜24時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
式(1)で表される化合物の合成(マクマリーカップリング)
低原子価チタン(例えば、Ti(I)、Ti(0)など)の還元作用を利用して、式(10)で表される化合物を分子内カップリング(又は環化反応)することにより、式(1)で表される化合物が調製できる。
低原子価チタンは、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、チタン化合物を還元剤で還元することにより生成され、通常、式(10)で表される化合物を含む反応系内において生成される場合が多い。前記チタン化合物としては、例えば、塩化チタン(III)(TiCl)、塩化チタン(IV)(TiCl)などのハロゲン化チタンなどが挙げられる。前記チタン化合物は、配位子(ジメトキシエタンなど)とともに錯体を形成していてもよい。
前記還元剤としては、リチウム(Li)、カリウム(K)などのアルカリ金属;水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)などの水素化アルミニウム化合物;亜鉛(Zn)又は亜鉛含有化合物(又は合金)[例えば、亜鉛(Zn)−銅(Cu)カップルなど]などが挙げられ、通常、亜鉛(Zn)又は亜鉛含有化合物(例えば、亜鉛(Zn))が利用されることが多い。
チタン化合物の割合は、式(10)で表される化合物1モルに対して、例えば、1〜20モル(例えば、5〜10モル)、好ましくは7〜9モル(通常、7.5〜8.5モル)程度であってもよい。還元剤の割合は、チタン化合物1モルに対して、例えば、1〜5モル(例えば、1.8〜3モル)、好ましくは1.5〜2.5モル(通常、1.8〜2.2モル)程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、特に制限されず、慣用の有機溶媒、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)などであってもよい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。通常、トルエンなどの芳香族炭化水素類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、これらの混合溶媒などが使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、30〜100℃、好ましくは40〜80℃(通常、50〜70℃)程度であってもよい。なお、式(1)で表される化合物、チタン化合物及び還元剤の混合(又は反応初期)は、低温環境下で行ってもよく、例えば、−30〜10℃、好ましくは−20〜0℃(通常、−15〜−5℃)程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜30時間、好ましくは12〜18時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
なお、このようにして得られる式(1)で表される歪み型化合物において、基R1a、R1b、R、R2a、R2b、R、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5bで表される置換基及び原子は、環化反応により得られた歪み型化合物を慣用の化学反応(修飾反応)に供することにより導入してもよい。このような修飾反応としては、特に制限されないが、代表的には、例えば、ハロゲン化反応、クロスカップリング反応、酸化反応、金属(又は半金属)含有基の導入反応などが挙げられる。
ハロゲン化反応
ハロゲン化反応では、例えば、式(1)におけるR4a及びR4bがハロゲン原子である化合物(下記式(1b)で表される化合物)を調製してもよい。このような反応としては、例えば、前記環化反応により調製したR4a及びR4bが水素原子である化合物(下記式(1a)で表される化合物)をリチオ化剤と反応させて生成するリチオ化物と、ハロゲン化剤とを反応させて調製できる。
Figure 2018172349
(式中、X3a及びX3bはハロゲン原子を示し、Z、Z、Z、R1a、R1b、R、R2a、R2b、R、R3a、R3b、R5a、R5b、m、m1、m2、n、n1及びn2は、それぞれ好ましい態様も含めて前記式(1)の記載に同じ)。
リチオ化剤としては、前記リチオ化反応に記載の慣用のリチオ化剤を利用でき、通常、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(LiTMP)などのリチウムアミド類が用いられることが多い。リチオ化剤の使用割合は、前記式(1a)で表される化合物1モルに対して、例えば、2〜5モル、好ましくは2〜3モル程度であってもよい。
リチオ化剤との反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)などであってもよく、通常、テトラヒドロフランなどが使用される場合が多い。
リチオ化剤との反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、−100〜−50℃、好ましくは−80〜−70℃程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜300分、好ましくは60〜180分程度であってもよい。反応終了後、慣用の分離精製手段により精製することなく、必要に応じて、反応液をハロゲン化剤との反応に供してもよい。
前記式(1b)において、X3a及びX3bで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素など(特に臭素)が挙げられる。なお、X3a及びX3bで表されるハロゲン原子は、互いに異なっていてもよいが、通常、同一である。
ハロゲン化剤としては、特に制限されず、慣用のハロゲン化剤、例えば、ハロゲン単体(塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)など)、ハロゲン化炭化水素(例えば、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化C2−6アルカンなど)などであってもよい。ハロゲン化剤の使用割合は、前記リチオ化剤との反応に供した式(1a)で表される化合物1モルに対して、例えば、2〜5モル、好ましくは2〜3モル程度であってもよい。
反応は、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよく、前記リチオ化反応の反応液に対して、さらに溶媒を添加してもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)などであってもよく、通常、テトラヒドロフランなどが使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、−100〜50℃、好ましくは−90〜30℃(通常、−78℃〜室温)程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜48時間、好ましくは12〜24時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
クロスカップリング反応
クロスカップリング反応では、例えば、式(1)におけるR4a及びR4bが、炭化水素基、又は炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基である化合物(下記式(1c)で表される化合物)を調製してもよい。このような反応としては、特に制限されないが、代表的には、例えば、鈴木−宮浦カップリング、根岸カップリング、檜山カップリング、熊田−玉尾カップリング、小杉−右田−スティルカップリングなどが挙げられる。より具体的には、式(1c)で表される化合物は、例えば、前記ハロゲン化反応により調製したR4a及びR4bがハロゲン原子である化合物(下記式(1b)で表される化合物)と、下記式(8)で表される化合物とを反応させることにより調製できる。
Figure 2018172349
(式中、Rは炭化水素基、又は炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基、Lは基−B(OH)、基−ZnX(式中、Xはハロゲン原子を示す)、基−MgX(式中、Xはハロゲン原子を示す)、基−SnR (式中、Rはアルキル基を示す)、基−SiR (式中、Rはフッ素、塩素又はアルキル基を示す)を示し、Z、Z、Z、R1a、R1b、R、R2a、R2b、R、R3a、R3b、R5a、R5b、m、m1、m2、n、n1及びn2は、それぞれ好ましい態様も含めて前記式(1)の記載に同じであり、X3a及びX3bは好ましい態様も含めて前記式(1b)の記載に同じ)。
前記式(8)において、Rで表される炭化水素基及び炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基としては、前記R4a及びR4bの項に例示の炭化水素基及び炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基と好ましい態様も含めて同様である。
及びXで表されるハロゲン原子、並びにR及びRで表されるアルキル基としては、前記基R4a及びR4bの項に例示した金属(又は半金属)含有基における記載と好ましい態様を含めて同様であってもよい。
前記式(8)で表される化合物は特に制限されず、例えば、式(1c)で表される化合物に導入する基Rに対応するボロン酸化合物、ジンクハライド化合物(ジンククロリドなど)、グリニャール試薬、トリアルキルスタンニル化合物、トリアルキルシリル化合物などが挙げられる。これらのうち、通常、ボロン酸化合物、ジンクハライド化合物などが利用される。
前記式(8)で表される化合物としてより具体的には、アリールボロン酸(例えば、フェニルボロン酸などのC6−14アリールボロン酸、4−ヘキシルフェニルボロン酸などのC1−20アルキルC6−14アリールボロン酸など)、ヘテロアリールボロン酸(例えば、2−チエニルボロン酸などのC4−13ヘテロアリールボロン酸など)などのボロン酸化合物;アリールジンクハライド(例えば、フェニルジンククロリドなどのC6−14アリールジンクハライド、4−デシルフェニルジンククロリドなどのC1−20アルキルC6−14アリールジンクハライドなど)、ヘテロアリールジンクハライド(例えば、2−チエニルジンククロリドなどのC4−13ヘテロアリールジンクハライドなど)などのジンクハライド化合物などが挙げられる。
前記式(8)で表される化合物の使用割合は、前記式(1b)で表されるハロゲン化物1モルに対して、例えば、2〜5モル、好ましくは2.5〜3.5モル程度であってもよい。
反応は、通常、触媒の存在下で行ってもよい。触媒の種類は、基Lに応じて選択でき、例えば、パラジウム触媒[パラジウム(0)触媒(例えば、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム錯体)などのパラジウム錯体]、ニッケル触媒(ニッケル(0)触媒などのニッケル錯体)、鉄触媒(鉄(III)触媒などの鉄錯体)などの遷移金属錯体などが挙げられる。これらの触媒のうち、パラジウム触媒、ニッケル触媒(特にパラジウム触媒)である場合が多い。触媒の使用量は、前記式(1b)で表されるハロゲン化物1モルに対して、例えば、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル(通常、0.02〜0.2モル)程度であってもよい。
反応では、触媒に配位して錯体を形成可能な配位子を添加してもよい。配位子としては、例えば、トリ(t−ブチル)ホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどのホスフィン系配位子などが挙げられる。これらの配位子は、塩(例えば、テトラフルオロボラートなどのアニオンとのホスホニウム塩など)として添加してもよい。配位子の使用量は、触媒の種類に応じて選択でき、触媒1モルに対して、例えば、1〜10モル、好ましくは1.1〜5モル程度であってもよい。
反応は、基Lに応じて、塩基の存在下又は不在下で行ってもよい。塩基としては、例えば、前記Wittig反応の項に例示した塩基などが挙げられる。塩基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。通常、水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物が使用される場合が多い。塩基の使用割合は、前記式(1b)で表されるハロゲン化物1モルに対して、例えば、1〜10モル、好ましくは3〜5モル程度であってもよい。
反応は溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)、水などであってもよく、通常、テトラヒドロフラン、水などが使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は基Lに応じて選択でき、例えば、10〜100℃、好ましくは20〜70℃(通常、室温〜50℃)程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜24時間、好ましくは3〜20時間程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
酸化反応
酸化反応では、例えば、式(1)におけるR、R3a及びR3bが酸素原子である化合物(下記式(1e)で表される化合物)を調製してもよい。式(1e)で表される化合物は、例えば、前記環化反応により調製したn、n1及びn2が0である化合物(下記式(1d)で表される化合物)を酸素化剤と反応させることにより調製できる。
Figure 2018172349
(式中、pは1又は2、p1及びp2は0〜2の整数を示し、Z、Z、Z、R1a、R1b、R、R2a、R2b、R4a、R4b、R5a、R5b、m、m1及びm2は、それぞれ好ましい態様も含めて前記式(1)の記載に同じ)。
前記式(1e)において、p、p1及びp2は、v=m+2×p+2、v1=m1+2×p1+2及びv2=m2+2×p2+2(式中、v、v1、v2、m、m1及びm2は前記に同じ。)を満たしている。そのため、p、p1及びp2は、各原子価v、v1及びv2に応じて選択でき、原子価が4価又は5価の場合はp、p1及びp2は1であり、原子価が6価の場合は1又は2(特に2)である。また、p、p1及びp2は、Z、Z及びZの種類や酸素化剤の種類に応じて選択でき、それぞれ同一又は異なっていてもよい。Z及びZが硫黄原子である場合、7員環上のZの方が電子密度が高く酸化され易いためか、p1及びp2は0である場合が多い。
酸素化剤(又は酸化剤)としては、例えば、有機過酸化物[例えば、ヒドロペルオキシド類(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのアラルキルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドなどのアリールヒドロキシペルオキシドなど);ジアルキルペルオキシド類(例えば、ジt−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなど);ペルオキシカルボン酸類(例えば、過ギ酸、過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、トリフルオロ過酢酸など);ペルオキシエステル類(例えば、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテートなど);ジアシルペルオキシド類(例えば、ベンゾイルペルオキシド(BPO)、ラウロイルペルオキシドなど);ペルオキシカーボネート類(例えば、O,O−t−ブチル−O−イソプロピルペルオキシカーボネートなどのペルオキシモノカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネートなど);ケトンペルオキシド類(例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシドなど);ペルオキシケタール類(例えば、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど)など];無機過酸化物(例えば、過酸化水素、過酸化ナトリウムなど)などが挙げられる。
これらの酸素化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの酸素化剤のうち、m−クロロ過安息香酸などのペルオキシカルボン酸類が用いられることが多い。酸素化剤の使用割合は、前記式(1d)で表される化合物1モルに対して、例えば、1〜5モル、好ましくは1.3〜3モル程度であってもよい。
反応は溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど)などであってもよく、通常、塩化メチレンなどが使用される場合が多い。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、−50〜50℃、好ましくは−30〜30℃(通常、−20℃〜室温)程度であってもよい。反応時間は、例えば、30〜300分、好ましくは120〜180分程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
金属(又は半金属)含有基の導入反応
金属(又は半金属)含有基は、慣用の方法により導入でき、例えば、前記式(1a)で表される化合物(又は前記式(1a)で表される化合物を化学修飾した化合物)と、前記基の種類に応じた金属(又は半金属)含有試薬とを反応する方法などにより導入してもよい。
代表的には、例えば、金属含有基がリチウム原子である場合、前記ハロゲン化反応の項に記載の式(1a)で表される化合物と金属含有試薬としてのリチオ化剤との反応により調製できる。
また、金属含有基がトリアルキルスタンニル基である場合、前記ハロゲン化反応の項に記載の前記式(1a)で表される化合物のリチオ化物と、金属含有試薬としてのトリアルキルスズハライドとの反応により調製できる。なお、前記リチオ化物は、リチオ化反応後の反応液を分離精製することなく、トリアルキルスズハライドとの反応に供してもよい。
トリアルキルスズハライドとしては、例えば、トリメチルスズクロリド、トリメチルスズブロミド、n−ブチルスズクロリドなどのトリC1−6アルキルスズハライド、好ましくはトリC1−4アルキルスズハライドなどが挙げられる。これらのトリアルキルスズハライドは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらのトリアルキルスズハライドのうち、トリメチルスズクロリドなどのトリC1−4アルキルスズクロリドが用いられることが多い。トリアルキルスズハライドの使用割合は、リチオ化前の前記式(1a)で表される化合物1モルに対して、例えば、1〜5モル、好ましくは2〜3モル程度であってもよい。
反応は溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルなど)などであってもよく、通常、テトラヒドロフランなどが使用される場合が多い。溶媒の量は、特に制限されず、例えば、反応系を均一化できる程度であってもよい。
反応は、不活性ガス(窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下で行ってもよい。反応温度は、例えば、反応温度は、例えば、−100〜−50℃、好ましくは−80〜−70℃程度であってもよい。反応時間は、例えば、1〜300分、好ましくは60〜180分程度であってもよい。反応終了後、必要に応じて、洗浄、抽出、乾燥、ろ過、濃縮、再結晶、カラム精製などの慣用の分離精製手段により精製してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(1)3−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒドの還元
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、3−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒド(化合物(2-1)、10g、52.3mmol)/エタノール(EtOH、200mL)溶液を0℃で攪拌させながら、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、3.4g、90.1mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮することで得られた油状固体に塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、濾液を減圧下で濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(体積比)=2/8)で精製することにより、目的化合物である3−ブロモチオフェン−2−メタノール(化合物(3-1)、収量9.3g、収率92%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.27(d、1H、J=5.2Hz)、6.96(d、1H、J=5.2Hz),4.80(d、2H、J=6.0Hz)、1.94(s、br、1H)。
(2)ホスホニウム塩の合成
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、3−ブロモチオフェン−2−メタノール(化合物(3-1)、300mg、1.6mmol)/クロロホルム(CHCl、2mL)溶液を室温で攪拌させながら、トリフェニルホスフィン臭化水素酸塩(化合物(4-1)、533mg、1.6mmol)を加え、還流条件下20時間攪拌後、室温に戻し、減圧下で濃縮し粗生成物を得た。この粗生成物を再結晶(クロロホルム/ジエチルエーテル)で精製することにより、目的化合物トリフェニル−(3−ブロモ−2−チエニル)メチルホスホニウムブロミド(化合物(5-1)、収量9.3g、収率99%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.76−7.88(m、9H)、7.63−7.73(m、6H)、7.24(td、1H、J=2.8、5.2Hz)、6.82(d、1H、J=5.2Hz)、5.87(d、2H、J=13.2Hz)。
(3)Wittig反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、トリフェニル−(3−ブロモ−2−チエニル)メチルホスホニウムブロミド(化合物(5-1)、64.0g、123.5mmol)/テトラヒドロフラン(THF、1L)溶液を0℃で攪拌させながら、カリウムt−ブトキシド(tBuOK、45.7g、407.6mmol)を加えて、0℃で1時間攪拌した。さらに、3−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒド(化合物(2-1)、21.2g、111.1mmol)を加えた。この黒色反応溶液を自然に室温まで上昇させながら、46時間攪拌した。反応溶液に水を加え、減圧下で濃縮して得られた懸濁液をクロロホルムで希釈し、ろ過した。ろ液の有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的化合物の黄色固体1,2−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)エチレン(化合物(6-1)、収量17.6g、収率45%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.27(d、2H、J=5.2Hz)、6.99(d、2H、J=5.2Hz)、6.71(s、2H)。
(4)環化反応によるチエピン環の形成
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、1,2−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)エチレン(化合物(6-1)、5.7g、16.3mmol)/ジエチルエーテル(EtO、230mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、n−ブチルリチウム(n−BuLi)/ヘキサン溶液(1.63M、20mL、32.6mmol)を滴下し、−78℃で1時間攪拌した。この緑色懸濁液に、ベンゼンチオスルホン酸無水物(化合物(7-1)、5.6g、17.9mmol)/THF(190mL)溶液を−78℃で加え、自然に室温まで上昇させながら、7.5時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで希釈した後、有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的化合物の黄色固体ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-1)、収量1.3g、収率35%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.27(d、2H、J=5.2Hz)、6.99(d、2H、J=5.2Hz)、6.71(s、2H)。
[実施例2]臭素化物の合成
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-1)、200mg、0.9mmol)/THF(30mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、リチウムテトラメチルピペリジン(LiTMP)/THF溶液(0.71M、3.1mL、2.2mmol)を滴下し、−78℃で2時間攪拌した。この黄色懸濁液に、1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタン(703mg、2.2mmol)を−78℃で加え、自然に室温まで上昇させながら、17時間攪拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的化合物の黄色固体2,6−ジブロモ−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-2)、収量323mg、収率94%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)6.71(s、2H)、6.67(s、2H)。
[実施例3]カップリング反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、2,6−ジブロモ−[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-2)、100mg、0.263mmol)/4−ヘキシルフェニルボロン酸(化合物(8-2)、163mg、0.789mmol)/酢酸パラジウム(Pd(OAc)、5.9mg、0.0263mmol)/トリt−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(tBu)HBF、8.4mg、0.0289mmol)/THF(8mL)溶液を室温で15分間攪拌した。この黒色溶液に水酸化ナトリウム(NaOH、42mg、1.05mmol)/水(HO、2mL)溶液を加え、さらに室温で4時間攪拌した。このオレンジ色懸濁液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/へキサン(体積比)=15/85)で精製することで目的化合物のオレンジ色固体2,6−ビス(4−ヘキシルフェニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-3)、収量110mg、収率77%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.41(d、4H、J=8.4Hz)、7.17(d、4H、J=8.4Hz)、6.92(s、2H)、6.73(s、2H)、2.60(t、4H、J=7.6Hz)、1.57−1.65(m、4H)、1.26−1.37(m、12H)、0.88(t、6H、J=7.2Hz)。
[実施例4]カップリング反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、4−デシルフェニルジンククロリド(化合物(8-3))/THF(8.6mL、1.58mmol)溶液を0℃で攪拌させながら、2,6−ジブロモ−[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-2)、200mg、0.526mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム錯体(Pd(dba)CHCl、13.6mg、0.0132mmol)、トリt−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(tBu)HBF、15.3mg、0.0526mmol)を順次加えた。反応溶液を50℃で15時間攪拌させた。反応溶液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/へキサン(体積比)=5/95)で精製し、目的化合物の茶色固体2,6−ビス(4−デシルフェニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-4)、収量77mg、収率22%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.41(d、4H、J=7.6Hz)、7.17(d、4H、J=7.6Hz)、6.92(s、2H)、6.73(s、2H)、2.56(t、4H、J=7.6Hz)、1.56−1.75(m、4H)、1.20−1.38(m、28H)、0.88(t、6H、J=6.8Hz)。
[実施例5]カップリング反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、3−デシルフェニルジンククロリド(化合物(8-4))/THF(8.6mL、1.58mmol)溶液を室温で攪拌させながら、2,6−ジブロモ−[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-2)、200mg、0.526mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム錯体(Pd(dba)CHCl、13.6mg、0.0132mmol)、トリt−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(tBu)HBF、15.3mg、0.0526mmol)を順次加えた。反応溶液を50℃で15時間攪拌させた。反応溶液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/へキサン(体積比)=5/95)で精製し、目的化合物の茶色固体2,6−ビス(3−デシルフェニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-5)、収量92mg、収率27%)を得た。
H−NMR(400MHz、TCE−d):δ(ppm)7.24−7.29(m、2H)、7.26(s、2H)、7.23(t、2H、J=7.6Hz)、7.08(d、2H、J=7.6Hz)、6.92(s、2H)、6.69(s、2H)、2.55(t、4H、J=7.6Hz)、1.5−1.62(m、4H)、1.12−1.33、(m、28H)、0.82(t、6H、J=7.6Hz)。
[実施例6]カップリング反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、2,6−ジブロモ−[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-2)、90mg、0.24mmol)/2−チエニルボロン酸(化合物(8-5)、91mg、0.71mmol)/酢酸パラジウム(Pd(OAc)、5.3mg、0.024mmol)/トリt−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(tBu)HBF、7.6mg、0.026mmol)/THF(8mL)溶液を室温で15分間攪拌した。この茶色溶液に水酸化ナトリウム(NaOH、38mg、0.95mmol)/水(HO、2mL)溶液を加え、さらに室温で4時間攪拌した。この赤色懸濁液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/へキサン(体積比)=15/85)で精製することで目的化合物の赤色固体2,6−ジ(2−チエニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-6)、収量90mg、収率98%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.24(dd、2H、J=5.2、1.2Hz)、7.12(dd、2H、J=3.6、1.2Hz)、7.01(dd、2H、J=5.2、3.6Hz)、6.82(s、2H)、6.71(s、2H)。
[実施例7]酸化反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-1)、50mg、0.23mmol)/塩化メチレン(CHCl、2mL)溶液を−20℃で攪拌させながら、メタクロロ過安息香酸(mCPBA、111mg、0.45mmol)を加え、自然に室温に上昇させながら2.5時間攪拌した。反応溶液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、白色の目的化合物4,4−ジオキソ−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-7)、収量57mg、収率99%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.63(d、2H、J=5.6Hz)、7.55(d、2H、J=5.6Hz)、7.29(s、2H)。
[実施例8]トリメチルスタンニル基の導入
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-1)、55.6mg、0.25mmol)/THF(1mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、n−ブチルリチウム(n−BuLi)/ヘキサン溶液(1.63M、0.37mL、0.6mmol)を滴下し、−78℃で1時間攪拌後、トリメチルスズクロリド(MeSnCl、120mg、0.6mmol)/THF(1mL)溶液を−78℃で加え、自然に室温まで上昇させながら、2時間攪拌した。反応溶液にエタノールを加えた懸濁液をろ過し、ろ過物をアセトニトリルで再結晶することで、目的化合物2,6−ビス(トリメチルスタンニル)−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-8)収量28.1mg、収率21%)で得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.75(s、2H)、6.73(s、2H)、0.34(s、18H)。
[実施例9]環化反応によるセレネピン環の形成
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、1,2−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)エチレン(化合物(6-1)、1.9g、5.4mmol)/EtO(70mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、n−ブチルリチウム(n−BuLi)/ヘキサン溶液(1.6M、6.6mL、10.8mmol)を滴下し、−78℃で1.5時間攪拌した。この緑色懸濁液に、二塩化セレン(化合物(7-2))/THF溶液(0.4M、13.3mL、5.4mmol)を−78℃で加え、2時間攪拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的化合物の黄色固体セレネピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(又はジチエノ[3,2−b:2,3−f]セレネピン)(化合物(1-9)、収量166mg、収率11%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.39(d、2H、J=4.8Hz)、6.78(d、2H、J=4.8Hz)、6.76(s、2H)。
なお、二塩化セレン(化合物(7-2))/THF溶液は、アルゴン雰囲気下、セレン(1.2g、15mmol)に塩化スルフリル(SOCl、1.2mL、15mmol)を室温で加え、10分間攪拌後、THF(30mL)を加え、室温で1時間攪拌することにより調製した。
[実施例10]臭素化物の合成
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、セレネピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-9)、95mg、0.35mmol)/THF(12mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、リチウムテトラメチルピペリジン(LiTMP)/THF溶液(0.7M、1.2mL、0.85mmol)を滴下し、−78℃で5時間攪拌した。このオレンジ色懸濁液に、1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタン(275mg、0.85mmol)を−78℃で加え、自然に室温まで上昇させながら、15時間攪拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的化合物の黄色固体2,6−ジブロモ−セレネピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-10)、収量135mg、収率90%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)6.75(s、2H)、6.65(s、2H)。
[実施例11]カップリング反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、2,6−ジブロモ−セレネピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-10)、100mg、0.23mmol)/フェニルボロン酸(化合物(8-1)、86mg、0.70mmol)/酢酸パラジウム(Pd(OAc)、5.3mg、0.023mmol)/トリt−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(tBu)HBF、7.5mg、0.026mmol)/THF(8mL)溶液を室温で15分間攪拌した。この茶色溶液に水酸化ナトリウム(NaOH、37mg、0.94mmol)/水(HO、2mL)溶液を加え、さらに室温で2時間攪拌した。このオレンジ色懸濁液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/へキサン(体積比)=3/7)で精製することで目的化合物のオレンジ色固体2,6−ジフェニル−セレネピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-11)、収量70mg、収率71%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.51(d、4H、J=7.6Hz)、7.37(t、4H、J=7.6Hz)、7.29(d、2H、J=7.6Hz)、7.02(s、2H)、6.75(s、2H)。
[実施例12]環化反応によるホスフェピン環の形成
Figure 2018172349
窒素下、1,2−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)エチレン(化合物(6-1)、105mg、0.3mmol)/EtO(4mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、n−ブチルリチウム(n−BuLi)/ヘキサン溶液(1.6M、0.35mL、0.6mmol)を滴下し、−78℃で2時間攪拌した。フェニルジクロロホスフィン(化合物(7-3)、44.7μL、0.33mmol、東京化成工業(株)製)を−78℃で加え、自然に室温に上昇させながら19時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで希釈した後、有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム(体積比)=15/85)で精製し、目的化合物4−フェニル−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(又は4−フェニル−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]ホスフェピン)(化合物(1-12)、収量57mg、収率64%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.47(dd、2H、J=2.8、5.6Hz)、7.33(t、2H、J=5.6Hz)、7.08−7.13(m、3H)、6.79−6.86(m、2H)、6.72(s、2H)。
[実施例13]酸化反応
Figure 2018172349
窒素下、4−フェニル−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-12)、250mg、1.7mmol)/塩化メチレン(CHCl、25mL)溶液を0℃で攪拌させながら、メタクロロ過安息香酸(mCPBA、305mg、2.5mmol)を加え、2.5時間攪拌した。反応溶液に水を加え、有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、目的化合物4−オキソ−4−フェニル−ホスフェピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-13)、収量260mg、収率99%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.59−7.66(m、2H)、7.39−7.54(m、5H)、7.32(t、2H、J=5.2Hz)、7.02(s、2H)。
[実施例14]環化反応によるシレピン環の形成
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、1,2−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)エチレン(化合物(6-1)、1g、2.9mmol)/EtO(40mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、n−ブチルリチウム(n−BuLi)/ヘキサン溶液(1.6M、3.5mL、5.7mmol)を滴下し、−78℃で1.5時間攪拌した。この緑色懸濁液に、ジメチルジクロロシラン(化合物(7-4)、0.38mL、3.2mmol、東京化成工業(株)製)を−78℃で加え、自然に室温に上昇させながら4時間攪拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的化合物4,4−ジメチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(又は4,4−ジメチル−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]シレピン)(化合物(1-14)、収量587mg、収率83%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.41(d、2H、J=5.2Hz)、6.15(d、2H、J=5.2Hz)、6.78(s、2H)、0.45(s、6H)。
[実施例15]臭素化物の合成
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、4,4−ジメチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-14)、200mg、0.81mmol)/THF(30mL)溶液を−78℃で攪拌させながら、リチウムテトラメチルピペリジン(LiTMP)/THF溶液(0.71M、2.7mL、1.9mmol)を滴下し、−78℃で5時間攪拌した。この黒色懸濁液に、1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタン(629mg、1.9mmol)を−78℃で加え、自然に室温まで上昇させながら、13時間攪拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、目的化合物の黄色固体2,6−ジブロモ−4,4−ジメチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-15)、収量143mg、収率90%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.03(s、2H)、6.62(s、2H)、0.45(s、6H)。
[実施例16]カップリング反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、2,6−ジブロモ−4,4−ジメチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-15)、60mg、0.15mmol)/フェニルボロン酸(化合物(8-1)、54mg、0.44mmol)/酢酸パラジウム(Pd(OAc)、3.3mg、0.015mmol)/トリt−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(tBu)HBF、4.7mg、0.016mmol)/THF(5mL)溶液を室温で15分間攪拌した。この茶色溶液に水酸化ナトリウム(NaOH、23.7mg、0.59mmol)/水(HO、1.2mL)溶液を加え、さらに室温で3.5時間攪拌した。この黄色懸濁液に水を加え、クロロホルムで希釈した後、有機層をクロロホルムで抽出し、減圧下で濃縮することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/へキサン(体積比)=1/9)で精製することで目的化合物の黄色固体2,6−ジフェニル−4,4−ジメチル−シレピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェン(化合物(1-16)、収量40mg、収率67%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.62(d、4H、J=7.6Hz)、7.38(t、4H、J=7.6Hz)、7.34(s、2H)、7.29(d、2H、J=7.6Hz)、6.75(s、2H)、0.51(s、6H)。
[実施例17]
(1)フリーデルクラフツ アシル化反応
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、3−ブロモチオフェン(1g、6.1mmol)/ヘプタドデシル酸クロリド(C1633COCl、1.8g、6.1mmol)/ジクロロメタン(CHCl、20mL)溶液を室温で攪拌させながら、塩化アルミニウム(AlCl、817mg、6.1mmol)を少しずつ加え、室温で3時間攪拌した。反応液に氷水を加え、有機層をジクロロメタンで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(体積比)=5/95)で精製することにより、目的化合物3−ブロモ−2−ヘプタデカノイル−チオフェン(化合物(2-2))及び副生成物4−ブロモ−2−ヘプタデカノイル−チオフェン(化合物(2-2'))の混合物(収量1.8g、化合物(2-2)/化合物(2-2')(モル比)=87/13、収率72%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)[化合物(2-2)]7.29(d、1H、J=5.2Hz)、7.10(d、1H、J=5.2Hz)、3.02(t、2H、J=7.2Hz)、1.73(quint、2H、J=7.2Hz)、1.20−1.43(m、26H)、0.88(t、3H、J=7.2Hz);[化合物(2-2')]7.59(d、1H、J=1.2Hz)、7.51(d、1H、J=1.2Hz)、2.85(t、2H、J=7.2Hz)、1.73(quint、2H、J=7.2Hz)、1.20−1.43(m、26H)、0.88(t、3H、J=7.2Hz)。
(2)スティレカップリング
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh、7mg、0.006mmol)/3−ブロモ−2−ヘプタデカノイル−チオフェン(化合物(2-2))及び4−ブロモ−2−ヘプタデカノイル−チオフェン(化合物(2-2'))の混合物[50mg、0.12mmol、化合物(2-2)/化合物(2-2')(モル比)=87/13]/ビス(トリブチルスズ)スルフィド(化合物(9-1)、35mg、0.056mmol)/トルエン(1mL)溶液を、アルゴンを吹きつけながら室温で15分間攪拌させた後、120℃で18時間攪拌した。反応液に水を加え、有機層をジクロロメタンで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(体積比)=1/9)で精製することにより、目的化合物ビス(2−ヘプタデカノイル−チオフェン−3−イル)スルフィド(化合物(10-1)、収量27mg、収率69%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.47(d、2H、J=5.2Hz)、6.79(d、2H、J=5.2Hz)、2.94(t、4H、J=7.2Hz)、1.70(quint、4H、J=7.2Hz)、1.19−1.37(m、52H)、0.88(t、6H、J=7.2Hz)。
(3)環化反応 マクマリーカップリング
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、ビス(2−ヘプタデカノイル−チオフェン−3−イル)スルフィド(化合物(10-1)、50mg、0.071mmol)/テトラヒドロフラン(5mL)溶液を−10℃で攪拌させながら、四塩化チタン(TiCl)/トルエン溶液(1.0M、0.57mL、0.57mmol)及び亜鉛(74.2mg、1.14mmol)/テトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下した後、60℃で15時間攪拌した。反応液に水を加え、有機層をクロロホルムで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製することにより、目的化合物8,9−ジヘキサデシル−ジチエノ[3,2−b:2,3−f]チエピン(化合物(1-17)、収量27mg、収率57%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.24(d、2H、J=5.2Hz)、6.70(d、2H、J=5.2Hz)、2.50−2.65(m、4H)、1.43−1.60(m、4H)、1.27−1.37(m、4H)、1.18−1.28(m、48H)、0.82(t、6H、J=6.8Hz)。
[比較例1]
Figure 2018172349
アルゴン雰囲気下、2,7−ジブロモフェナントレン(100mg、0.30mmol)/フェニルボロン酸(化合物(8-1)、109mg、0.89mmol)/酢酸パラジウム(Pd(OAc)、6.7mg、0.030mmol)/トリt−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(P(tBu)HBF、9.5mg、0.033mmol)/THF(8mL)溶液を室温で15分間攪拌した。この黒色溶液に水酸化ナトリウム(NaOH、48mg、1.2mmol)/水(HO、2mL)溶液を加え、さらに室温で2時間攪拌した。この灰色懸濁液にメタノールを加え、ろ過することで得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/へキサン(体積比)=10/90)で精製することで目的化合物2,7−ジフェニルフェナントレンの白色固体(収量65mg、収率66%)を得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ(ppm)7.76(d、2H、J=8.4Hz)、8.11(d、2H、J=1.6Hz)、7.93(dd、2H、J=8.4、1.6Hz)、7.83(s、2H)、7.78(d、4H、J=7.6Hz)、7.51(t、4H、J=7.6Hz)、7.40(t、2H、J=7.6Hz)。
[溶解度の評価]
実施例及び比較例で得られた各化合物を数mg計量し、溶解するまで、室温で微量ずつトルエンを加えた。溶解した濃度(重量%)をn=5で測定し、その平均値で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2018172349
表2から明らかなように、実施例で得られた化合物は、比較例の化合物に比べて、溶解性に優れている。
[デバイスの特性評価]
(移動度及び閾値電圧)
電界効果型トランジスタを作製して移動度を評価した。詳しくは、二酸化ケイ素(SiO)絶縁膜(膜厚500nm)付シリコン(Si)基板を、アセトン及び2−プロパノールで各3分間超音波洗浄を行い、120℃、30分間乾燥させた。続いて、UVオゾン処理を30分間行った。洗浄処理した基板表面に、β−フェネチルトリクロロシラン(β−PTS)の自己組織化単分子膜(SAM)を気相法で製膜した。この基板表面に、実施例及び比較例で得られた各化合物を用いて、エッジキャスト法により表3に記載した条件で塗布膜を作製した。すなわち、前記基板表面上に、濃度0.05重量%に調整した溶液1滴を滴下した後、ホットプレート上で溶媒を除去し、さらに、減圧乾燥することにより塗布膜を形成した。得られた塗布膜の表面に金属マスクを置き、キャリア注入層として、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)(膜厚約2nm)、ソース電極及びドレイン電極として、金(膜厚40nm)を真空蒸着させ、デバイス素子(トップコンタクト−ボトムゲート型、チャネル長100μm、チャネル幅2mm)を作製した。このデバイス素子について、半導体パラメータアナライザー(型番「keithley 4200」、ケースレーインスツルメンツ(株)製)を用いて、移動度及び閾値電圧(ドレイン電圧Vd=10V、−100V、−150V)を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2018172349
表3から明らかなように、実施例で得られた化合物で形成した素子は高い移動度を示し、閾値電圧の絶対値(動作電圧)も低かった。これに対して、比較例で得られた化合物で形成した素子は動作しなかった。
(移動度のバラつきの評価)
実施例11で得られた化合物(1-11)2,6−ジフェニル−セレネピノ[3,2−b:6,7−b’]ジチオフェンを用いて、下記記載の条件で塗布膜を形成する以外は、前記移動度及び閾値電圧の項に記載の方法と同様にして、デバイス素子を作製した。なお、デバイス1〜8では、ソース電極からドレイン電極へ向かう方向(キャリアが移動する方向)と、前記化合物(1-11)の結晶成長方向(πスタック方向又は塗布溶液の流れ方向)とが成す角度が0°、デバイス9では前記角度が90°となるよう作製した。得られたデバイスの移動度及び閾値電圧(ドレイン電圧Vd=−100V)を表4に示す。
塗布膜形成条件
溶媒:アニソール
溶解温度:70℃
濃度:0.1重量%
ホットプレート温度:40℃
乾燥条件:70℃、24h。
Figure 2018172349
表4の結果から明らかなように、結晶成長方向と、ソース電極からドレイン電極に向かう方向とが成す角度を変化させても、移動度のバラつきが小さく、デバイス素子は高い再現性(又は低い異方性)を有していた。
本発明の新規歪み型化合物は、有機溶媒に対する溶解性及び電気移動度に優れているため、例えば、有機薄膜トランジスタ(電界効果型トランジスタなど)などの有機半導体デバイスを形成するための有機半導体材料として有効に利用できる。

Claims (6)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018172349
    (式中、Z、Z及びZは同一又は異なって周期表第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素から選択される原子;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R4a、R4b、R5a及びR5bは同一又は異なって水素原子又は置換基;R、R3a及びR3bは同一又は異なって周期表第16族元素から選択される原子;m、m1及びm2は同一又は異なって0〜4の整数;n、n1及びn2は同一又は異なって0〜2の整数を示す。)
    で表される化合物。
  2. 式(1)において、Z、Z及びZが周期表第14族元素、第15族元素及び第16族元素から選択される原子;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R5a及びR5bが水素原子又は炭化水素基;R、R3a及びR3bが酸素原子又は硫黄原子;R4a及びR4bが水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素基を有していてもよいヘテロアリール基、リチウム原子、基−B(OH)、基−ZnX(式中、Xはハロゲン原子を示す。)、基−MgX(式中、Xはハロゲン原子を示す。)、基−SnR (式中、Rはアルキル基を示す。)又は基−SiR (式中、Rはフッ素、塩素又はアルキル基を示す。);m、m1及びm2が0〜3の整数である請求項1記載の化合物。
  3. 式(1)において、Z、Z及びZが炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、酸素、硫黄、セレン及びテルルから選択される原子;R1a、R1b、R、R2a、R2b、R5a及びR5bが水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基;R、R3a及びR3bが酸素原子;R4a及びR4bが水素原子、ハロゲン原子、アリール基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基又はアルキルヘテロアリール基;m、m1及びm2が0〜2の整数である請求項1又は2記載の化合物。
  4. 式(1)において、Zが炭素、ケイ素、ゲルマニウム、窒素、リン、ヒ素、酸素、硫黄及びセレンから選択される原子;Z及びZが酸素、硫黄及びセレンから選択される原子;R1a及びR1bが水素原子又はC1−30アルキル基;R5a及びR5bが水素原子;R、R2a、R2bが水素原子、C1−10アルキル基、C5−8シクロアルキル基又はC6−10アリール基;R4a、R4bが水素原子、ハロゲン原子、C6−14アリール基、C1−20アルキルC6−14アリール基、C4−13ヘテロアリール基又はC1−20アルキルC4−13ヘテロアリール基;m1及びm2が0;n1及びn2が0である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 下記式(6)
    Figure 2018172349
    (式中、X1a及びX1bはハロゲン原子を示し、Z、Z、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5b、m1、m2、n1及びn2は、請求項1記載の式(1)に同じ。)
    で表される化合物のリチオ化物と、
    下記式(7)
    Figure 2018172349
    [式中、Lはハロゲン原子又は基−SO(式中、Rは炭化水素基又はフッ化炭化水素基を示す)を示し、Z、R、R、m及びnは、請求項1記載の式(1)に同じ。]
    で表される化合物とを反応させて、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物を製造する方法。
  6. 低原子価チタンの存在下、下記式(10)
    Figure 2018172349
    (式中、Z、Z、Z、R1a、R1b、R、R2a、R2b、R、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5b、m、m1、m2、n、n1及びn2は、請求項1記載の式(1)に同じ。)
    で表される化合物を分子内カップリング反応させて、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物を製造する方法。
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