JP2018172177A - 高純度薬品容器用ポリエチレン及び高純度薬品容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存貯蔵している内容物へのポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、成形性、耐環境応力亀裂性(ESCR)に優れる高純度薬品容器用ポリエチレン、及び高純度薬品容器を提供する。【解決手段】密度(d)が0.930〜0.950g/cm3、HLMFRが0.1〜1g/10分であるエチレン重合体(A)25〜49質量%、及び密度(d)が0.960〜0.970g/cm3、温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であるエチレン重合体(B)51〜75質量%を必須成分として含み、特定の要件を同時に満足するポリエチレンにより提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、高純度薬品容器用ポリエチレンに関し、特に大型高純度薬品容器に好適で、保存貯蔵している内容物へのポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、成形性、耐環境応力亀裂性(ESCR)に優れた高純度薬品容器用ポリエチレン及び高純度薬品容器に関する。
近年、軽量化、省エネルギー化の目的で、各種容器のプラスチック化が活発に押し進められている。プラスチック材としては、高強度、高耐候性、高耐薬品性及び環境問題等の観点からポリオレフィン樹脂が一般に用いられている。ポリオレフィン樹脂の中でも、特にポリエチレン樹脂は、各種の成形用樹脂として好適な樹脂である。しかしながら、高純度な内容物を充填する容器の用途においては、よりクリーンなポリエチレン樹脂が要求されるようになってきている。特に、医薬品容器用途、試薬容器用途、半導体向け高純度薬品容器用途におけるポリエチレン樹脂においては、その充填される内容物の純度の観点から、よりクリーンなポリエチレン樹脂が要求され、添加剤類の減少ないし無添加であることが要求される上に、重合触媒等に由来する灰分が少ないことが必要になっている。
特に、半導体製造分野においては、ウェハ洗浄やエッチング等の工程において、各種洗浄液やフッ酸、過酸化水素水等の高純度薬品が使用されているが、半導体回路の集積度の向上とともに、これらの薬品中の不純物や微粒子に対する低減化の要求が一層厳しくなっており、この厳しい要求を満足させるために、これらの薬品を充填する容器に対するクリーン化の要求も年々高まっている。また、上記の要求とともに、これら薬品を充填する容器の大型化、高耐久性化等の要求も高まっている。
この問題を解決する方法として、特許文献1(特開平11−080257号公報)には、密度が0.94〜0.97g/cm 、温度190℃、21.6kg荷重のメルトフローレートが2〜50g/10分、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)より求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が8〜15、沸騰ノルマルヘキサン抽出量が0.1重量%以下、含有塩素量がポリエチレン樹脂に対して15PPM以下である性状を有する高純度薬品容器用ポリエチレン樹脂が提案されているが、重合触媒成分由来の金属成分の影響に対する改良が十分というわけでなく、必ずしも満足出来る高純度薬品容器を得られるということではない。
特許文献2(特開平11−080258号公報)には、密度が0.935〜0.97g/cm 、温度190℃、21.6Kg荷重のメルトフローレートが2〜100g/10分、GPCより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜5、灰分量が50PPM以下、含有塩素量が5PPM以下である性状を有する高純度薬品容器用ポリエチレン樹脂が提案されているが、重合触媒成分由来の金属成分の影響に対する改良が十分というわけでなく、Mw/Mnが小さいため成形性が必ずしも良好とは言えず、満足出来る高純度薬品容器を得られるということではない。
特許文献3(特開平11−080449号公報)には、密度が0.94〜0.97g/cm 、温度190℃、21.6kg荷重のメルトフローレートが1〜15g/10分、GPCより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が8〜15、190℃における溶融張力が15〜65g、沸騰ノルマルヘキサン抽出量が0.1重量%以下、灰分量が50PPM以下である性状を有する大型高純度薬品容器用ポリエチレン樹脂が提案されているが、重合触媒成分由来の金属成分の影響に対する改良が十分というわけでなく、二段重合法で製造される成分の特性が具体的でなく、必ずしも満足出来る高純度薬品容器を得られるということではない。
特許文献4(特開2000−129044号公報)には、密度が0.945g/cm 以上0.975g/cm以下であり、I が0.05g/10min以上30g/10min以下である、スラリー重合法によりメタロセン系触媒により製造された特定性状のポリエチレン99〜1wt%と、スラリー重合法によりクロム系触媒により製造された特定性状のポリエチレン1〜99wt%からなるポリエチレン組成物よりなる高純度薬品用容器が提案されているが、重合触媒成分由来の金属成分の影響に対する改良が十分というわけでなく、必ずしも満足出来る高純度薬品容器を得られるということではない。
特許文献5(特開2003−096133号公報)には、密度が0.95〜0.97g/cm、温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレートが0.1〜1g/10分、灰分量が15ppm以下、動的粘弾性測定(温度190℃、歪み量10%)により求められた貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”とが等しくなる時の貯蔵弾性率の値Gが300000〜540000dyn/cmである性状を有することを特徴とする高純度薬品容器用ポリエチレン樹脂が提案されているが、微粒子成分の長期間に渡る低溶出性について改良の余地がある。
特許文献6(特開2008−179799号公報)には、少なくとも低分子量成分と高分子量成分とからなる多段重合法によりチーグラー触媒を用いて製造されたポリエチレン樹脂組成物であって、該低分子量成分が、メルトフローレート(JIS K7210−1999、コードD)が3g/10分以上50g/10分以下、密度(JIS K7112−1999)が960kg/m以上974kg/m以下であるエチレンの単独重合体もしくはエチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンとの共重合体であって、該高分子量成分の該ポリエチレン樹脂組成物に対する質量分率が0.40以上0.46以下であり、該ポリエチレン樹脂組成物が、密度(JIS K7112−1999)が955kg/m以上965kg/m以下、メルトフローレート(JIS K7210−1999、コードT)が0.40g/10分以上1.0g/10分以下であり、実質的に添加剤を含まないことを特徴とする成形加工時の肌荒れ性に優れる大型高純度薬品容器用のポリエチレン樹脂組成物が提案されているが、重合触媒成分由来の金属成分の影響に対する改良が十分というわけでなく、かつ、成形加工時の肌荒れに関する検証は2Lの小型容器に留まり、シャークスキンの発生しやすい大型容器における検討は実施されておらず、必ずしも満足出来る大型の高純度薬品容器を得られるということではない。
特許文献7(特開2010−242077号公報)には、直鎖状ポリエチレンであって、エチレン単独重合体又はエチレン単位と1又は2種以上の炭素数3〜20のα−オレフィン単位とからなる共重合体であり、密度が940〜975kg/mであり、温度190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜20g/10分であり、GPCにより求められるMw/Mnが、3.0〜7.0であり、GPCで得られる分子量分布曲線から得られる分子量1,000以下の成分の占有率が、1.0重量%以下であり、GPCで得られる分子量分布曲線から得られる分子量100万以上の成分の占有率が、0.5重量%以下であり、示差走査型熱量計による昇温測定において得られる吸熱曲線の融点ピークが一つであり、80℃におけるノルマルヘプタン抽出分の量が1.0重量%以下であり、エタノール抽出による炭素数18、及び20の炭化水素成分量が100ppm以下であることを特徴とする高純度薬品容器用ポリエチレンが提案されているが、重合触媒成分由来の金属成分の影響に対する改良が十分というわけでなく、Mw/Mnが小さいため成形性が必ずしも良好とは言えず、満足出来る高純度薬品容器を得られるということではない。
特許文献8(特開2015−183130号公報)には、密度が0.940〜0.960g/cm、HLMFRが5〜15g/10分、特定の分子量を有することを特徴とする高純度薬品容器用ポリエチレンが提案されているが、微粒子および金属溶出が少なく、耐ドローダウン性や吐出性などの中空成形性に優れる特徴を有するものの、大型成形品の成形におけるシャークスキン抑制効果が必ずしも良好とはいえず、満足出来る高純度薬品容器を得られるということではない。
特許文献9(特開2004−331706号公報)には、密度が0.94〜0.97g/cm、HLMFRが1〜15g/10分、特定の分子量を有することを特徴とする高純度薬品容器用ポリエチレンが提案されているが、溶融張力がきわめて高く、耐ドローダウン性に優れるが、流動性に乏しく吐出性が必ずしも良好といえず、また、表面の平滑性に関しても一定の評価条件における平滑性は優れているが、大型成形品の成形におけるシャークスキン抑制効果が必ずしも良好とはいえず、満足出来る高純度薬品容器を得られるということではない。
特開平11−080257号公報 特開平11−080258号公報 特開平11−080449号公報 特開2000−129044号公報 特開2003−096133号公報 特開2008−179799号公報 特開2010−242077号公報 特開2015−183130号公報 特開2004−331706号公報
本発明の目的は、保存貯蔵している内容物へのポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、かつ成形時の耐ドローダウン性や吐出性等の成形性に優れ、しかもESCR/クリーン性のバランスに優れた高純度薬品容器用ポリエチレン及び該ポリエチレンを成形した高純度薬品容器を提供することにある。特に、大型の容器の成形においてしばしば課題となるシャークスキンが発生しにくく、充填された薬液に対して長期間に渡って微粒子の溶出量が小さい容器用ポリエチレンを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリマー物性を有するポリエチレンを用いると、ポリエチレン由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、成形性、ESCRに優れた、大型高純度薬品容器が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明の高純度薬品容器用ポリエチレンは、密度(d)が0.930〜0.950g/cm、HLMFRが0.1〜2g/10分であるエチレン重合体(A)25〜49質量%、及び密度(d)が0.960〜0.970g/cm、温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であるエチレン重合体(B)51〜75質量%を必須成分として含み、下記特性(1)〜(7)を有することを特徴とする。
(1)密度(d)が0.950〜0.965g/cmである。
(2)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)が5〜20g/10分である。
(3)−20℃で測定されるシャルピー衝撃強度が7kJ/m以上である。
(4)210℃で測定される溶融張力(MT)が80mN以上である。
(5)定ひずみESCRが40時間以上である。
(6)ノルマルヘキサン抽出量が0.20質量%以下である。
(7)灰分が20質量ppm以下である。
本発明のポリエチレンは、更に下記の特性(8)を満たすことが好ましい。
(8)レオメータにて測定される190℃、0.01rad/秒におけるtanδが1.00〜1.60である。
本発明のポリエチレンは、更に下記の特性(9)を満たすことが好ましい。
(9)レオメータにて測定される伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)及び剪断粘度(ηs)(単位:Pa・s)が下記の関係式(A)を満たす。
ηe≧16.5×ηs0.980 式(A)
本発明のポリエチレンは、更に下記の特性(10)を満たすことが好ましい。
(10)レオメータにて測定される伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)と剪断粘度(ηs)(単位:Pa・s)の比(ηe/ηs)が13.5〜21.0である。
本発明のポリエチレンは、更に下記の特性(11)を満たすことが好ましい。
(11)レオメータにて測定される伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)が60,000〜100,000である。
本発明のポリエチレンは、更に下記の特性(12)を満たすことが好ましい。
(12)直径0.2mm以上のフィッシュアイが150個/0.02m以下である。
本発明のポリエチレンは、更に下記の特性(13)を満たすことが好ましい。
(13)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が7.0を超え15.0以下である。
本発明のポリエチレンは、更に下記の特性(14)を満たすことが好ましい。
(14)リン系酸化防止剤が無添加である。
本発明の高純度薬品容器は、前記高純度薬品容器用ポリエチレンの成形体であることを特徴とする。
本発明の高純度薬品容器は、内容積が5L〜1000Lであることが好ましい。
本発明のポリエチレンは、ポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、かつ成形時の耐ドローダウン性や吐出性等の成形性に優れ、しかもESCRに優れているので、高純度薬品容器用ポリエチレンとすることができ、添加剤を加えなくてもESCR/クリーン性のバランスに優れた高純度薬品容器を成形することができる。また、本発明のポリエチレンは、特に、大型の容器に適し、大型の容器の成形においてしばしば課題となるシャークスキンが発生しにくく、かつ充填された薬液に対して長期間に渡って微粒子の溶出量が小さい大型高純度薬品容器を提供することができる。
伸長粘度(ηe)と剪断粘度(ηs)の関係を示すグラフである。グラフ内の実線は、特性(9)の伸長粘度(ηe)及び剪断粘度(ηs)に係る関係式(A)により特定される伸長粘度(ηe)の下限値を示す。 伸長粘度(ηe)と剪断粘度(ηs)の比とHLMFRの関係を示すグラフである。
以下、本発明のポリエチレン及びその用途などについて、項目毎に詳細に説明する。また、本明細書において数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
1.ポリエチレンの特性
本発明の高純度薬品容器用ポリエチレンは、密度(d)が0.930〜0.950g/cm、HLMFRが0.1〜2g/10分であるエチレン重合体(A)25〜49質量%、及び密度(d)が0.960〜0.970g/cm、温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であるエチレン重合体(B)51〜75質量%を必須成分として含み、下記特性(1)〜(7)を有することを特徴とする。
(1)密度(d)が0.950〜0.965g/cmである。
(2)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)が5〜20g/10分である。
(3)−20℃で測定されるシャルピー衝撃強度が7kJ/m以上である。
(4)210℃で測定される溶融張力(MT)が80mN以上である。
(5)定ひずみESCRが40時間以上である。
(6)ノルマルヘキサン抽出量が0.20質量%以下である。
(7)灰分が20質量ppm以下である。
本発明のポリエチレンは、上記の成分及び配合割合の組成物とすることにより、ポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、かつ成形時の耐ドローダウン性や吐出性等の成形性に優れ、しかもESCRに優れているので、高純度薬品容器用ポリエチレンとすることができ、添加剤を加えなくてもESCR/クリーン性のバランスに優れた高純度薬品容器を成形することができる。
また、本発明のポリエチレンは、特に、大型の容器に適し、大型の容器の成形においてしばしば課題となるシャークスキンが発生しにくく、かつ充填された薬液に対して長期間に渡って微粒子の溶出量が小さい大型高純度薬品容器を提供することができる。
ここで規定するシャークスキンとは、Rheol.Acta,2003,42,p.544−556、POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,2012,52,p.1968−1977、及び、POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,MARCH 2002,Vol.42,No.3,p.611−633等に定義されている流動の不安定現象の一種であり、緩和時間分布が狭いと発生しやすく、粘度が高いと発生しやすい。また、成形条件に依存することも知られており、高速成形において発生しやすく、特に大型容器の成形で発生し易い傾向にある。
シャークスキンは、ポリエチレンの分子量分布を広くしたり、緩和時間分布を広げることにより抑制することができる。また、成形においても、高温成形、低速成形することによって抑制可能であるが、樹脂が劣化することや、成形サイクルが低下するという問題がある。
本発明のポリエチレンは、高分子量成分であるエチレン重合体(A)と低分子量成分であるエチレン重合体(B)の組成割合において、エチレン重合体(A)よりもエチレン重合体(B)の組成割合を上記範囲内のように適度に大きくすることによって、緩和時間分布を適度に広げ、且つ、エチレン重合体(A)とエチレン重合体(B)の粘度差が大きくなり過ぎることによるフィッシュアイの増加を抑制し、シャークスキンの発生を抑制することができ、且つ、樹脂の劣化、及び、成形サイクルの低下を抑制することができる。
本発明のポリエチレンは、高純度薬品容器に適した材料であり、内容積が、好ましくは5L〜1000L、より好ましくは10L〜1000L、更に好ましくは20L〜300Lの中空容器に適する。また、高純度薬品容器とは、半導体製造プロセス等で使用される不純物の少ない薬品を入れるための容器をいう。
本発明の高純度薬品容器用ポリエチレンは、エチレン単独重合体又はエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体からなり、α−オレフィンとしては、炭素数3〜20のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等が挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセンが挙げられ、更に好ましくは1−ブテンが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリエチレンは、チーグラー型触媒、メタロセン触媒等の高活性触媒により重合して得られるが、高活性チーグラー型触媒による重合が好ましい。チーグラー型触媒における固体触媒成分の例としては、三塩化チタン、三塩化バナジウム、四塩化チタン又はチタンのハロアルコラートをマグネシウム化合物に担持した触媒成分、マグネシウム化合物とチタンの化合物の共沈殿物又は共晶体などからなる触媒成分等が挙げられる。この中では、マグネシウム、チタンを含む固体触媒成分が好ましく、該固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる触媒系が好ましい。
更に、本発明のポリエチレンの重合触媒としては、一般式Mg(OR 2−m(式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは1又は2である)で表される化合物及び一般式Ti(OR 4−n(式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1、2又は3である)で表される化合物を含む均一な炭化水素溶液を、一般式AlR 3−l(式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、lは1≦l≦2の数を示す)で表される有機ハロゲン化アルミニウム化合物で処理して得られる炭化水素不溶性固体触媒と有機アルミニウム化合物とを含む触媒であることが好ましく、更にm=2かつn=3であることが好ましい。
上記重合触媒系を用いたポリエチレン製造における重合方法は、スラリー重合法、気相重合法、溶液重合法等を例示することが出来る。中でも、炭素数が4〜10の重合溶媒、例えば、イソブタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等を用いるスラリー重合法が好ましく、この重合方法による多段重合法を採用するのが好ましい。
上記の重合方法により得られたエチレン重合体は、溶媒中に溶け込んだ分子量が低いポリエチレン(ワックス)を除去することが好ましい。ワックスを除去する方法としては、遠心分離機による除去、溶媒による洗浄による除去等が挙げられる。ワックスを除去することにより、成形加工時のワックス由来による成形機の汚れを抑えることが出来るだけでなく、成形された製品からのワックスの溶出等を抑えることも出来る。
以下、本発明のポリエチレンの特性を説明する。
(1)密度(d)
本発明のポリエチレンは、密度(d)が、下限値は0.950g/cm以上、好ましくは0.951g/cm以上、より好ましくは0.952g/cm以上であり、上限値は0.965g/cm以下、好ましくは0.963g/cm以下、より好ましくは0.960g/cm以下である。密度が0.950g/cm以上では、成形容器からの充填内溶液への溶出ポリマー成分が減少し、内溶液のクリーン性を向上させると共に剛性が向上する。また、密度が0.965g/cm以下であると、容器の耐衝撃性が向上すると共にESCRが向上する。
密度は、JIS−K6922−1,2:1997年に準じて測定することができる。
密度は、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量により変化させることにより、所望のものを得ることができる。
(2)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)
本発明のポリエチレンは、温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)は下限値が5g/10分以上、好ましくは6g/10分以上、より好ましくは7g/10分以上、さらにより好ましくは9g/10分を超え、特に好ましくは12g/10分以上であり、上限値が20g/10分以下、好ましくは18g/10分以下、より好ましくは16g/10分以下である。
HLMFRが、5g/10分以上では流動性が向上し、吐出性能が向上し、容器の生産性が向上する。また、20g/10分以下であると耐ドローダウン性が向上し、容器成形性が良好となると共にESCRが向上する。
HLMFRは、JIS−K6922−2:1997年に準拠して測定することができる。HLMFRは、エチレン重合温度や連鎖移動剤の使用等により調整することができ、所望のものを得ることができる。即ち、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより、分子量を下げた結果として、HLMFRを大きくすることができ、重合温度を下げることにより、分子量を上げた結果として、HLMFRを小さくすることができる。また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより、分子量を下げた結果として、HLMFRを大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより、分子量を上げた結果として、HLMFRを小さくすることができる。
(3)−20℃で測定されるシャルピー衝撃強度
本発明のポリエチレンは、−20℃で測定されるシャルピー衝撃強度の下限値が7kJ/m以上、好ましくは10kJ/m以上、より好ましくは13kJ/mを超え、さらにより好ましくは14kJ/m以上である。シャルピー衝撃強度が7kJ/m以上であると、成形品の耐衝撃性が向上する。シャルピー衝撃強度の上限値は特に制限ないが、通常は30kJ/m以下である。
シャルピー衝撃強度は、JIS K−7111(2004年)に準拠し、タイプ1の試験片を作製し、打撃方向はエッジワイズ、ノッチのタイプはタイプA(0.25mm)として、恒温槽で冷却し、−20℃で測定することができる。
シャルピー衝撃強度は、分子量、および分子量分布によりその値を制御することができる。即ち、分子量を高くすればシャルピー衝撃強度は高くなる。また、分子量分布を狭くし、低分子量の成分を減少させればシャルピー衝撃強度は高くなる。
(4)210℃で測定される溶融張力(MT)
本発明のポリエチレンは、210℃で測定される溶融張力(MT)が80mN以上であり、好ましくは100mN以上である。
溶融張力(MT)が80mN以上であることにより成形時のドローダウンが小さくなり成形しやすくなる。
溶融張力(MT)は、東洋精機製作所社製キャピログラフを使用し、ノズル径2.095mmφ、ノズル長8.00mm、流入角180°、設定温度210℃で、ピストン押出速度10.0mm/分、引取速度4.0m/分の条件で測定することができる。
溶融張力(MT)は、ポリエチレンの分子量、および分子量分布により調整することができ、通常、分子量を高くすれば溶融張力を大きくすることができる。また、分子量分布を広くし、高分子量の成分を多くすれば溶融張力は高くなる。
(5)定ひずみESCR(単位:時間)
本発明のポリエチレンは、定ひずみESCRが60時間以上である。物性バランス、容器蓋要求性能から定ひずみESCRの下限値は、好ましくは100時間を超え、より好ましくは130時間を超え、さらに好ましくは140時間以上であり、上限値は、400時間以下が好ましい。これは一定ひずみ下での耐環境応力亀裂(ストレスクラック)性であり、具体的にはJIS−K6922−2:1997に従い作成された圧縮成形シートより、ASTM D 1693−01に準拠し、38×13×1.9mmの寸法の板を打ち抜き、ノッチを入れた試料を用い、50℃の温度条件で、イゲパール(CO−630)10vol%溶液中で測定されるものである。
この定ひずみESCRが60時間以上では、応力により容器蓋が破壊されにくく、内容物の液漏れを抑制できる。また、400時間以下であるものは、耐ストレスクラック性を良くすることができ、且つ、高剛性と容器蓋成形に適した流動性を両立させることができる。
(6)ノルマルヘキサン抽出量(質量%)
本発明のポリエチレンは、ノルマルヘキサン抽出量が0.20質量%以下、好ましくは0.20質量%未満、より好ましくは0.10質量%以下である。
ノルマルヘキサン抽出量が0.20質量%以下であると、成形品のクリーン性が向上する。ノルマルヘキサン抽出量の下限値は特に制限されないが、少なければ少ないほど好ましい。
ノルマルヘキサン抽出量は、ソックスレー抽出器を用い、樹脂2gをノルマルヘキサン溶媒400mlで2時間抽出し、全樹脂に対する抽出分の質量%で示す。
(7)灰分(質量ppm)
本発明のポリエチレンは、灰分が20質量ppm以下である。
本発明のポリエチレンは、灰分が好ましくは15質量ppm以下である。
灰分が20質量ppm以下であると、成形品の容器から灰分由来の成分が内溶液へ溶出するのを抑制し、内溶液のクリーン性を向上させることができ、高純度薬品容器としての性能が向上する傾向がある。
灰分は、JIS K2272−1985に準拠し求めることができる。
灰分は、触媒の種類、助触媒の種類などで調整可能である。触媒としては、活性が高いものでないと、この要件を達成することが難しく、上述のマグネシウム、チタンを含む固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる触媒系が好ましい。
本発明のポリエチレンは、上記特性(1)〜(7)に加えて、下記特性(8)〜(16)の少なくとも1つの特性を満足することが好ましい。
(8)tanδ;
本発明のポリエチレンは、レオメータにて測定される190℃、0.01rad/秒におけるtanδが1.00〜1.60であることが好ましく、より好ましくは1.36〜1.59である。
レオメータにて測定される190℃、0.01rad/秒におけるtanδの測定は、熱プレスにより調整した試料を用い、レオメータ(Rheometrics社製Ares)を用い、190℃、角速度0.01rad/秒おける貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”の測定を行い、tanδ(=G”/G’)を算出することができる。
(9)伸長粘度(ηe)及び剪断粘度(ηs)
本発明のポリエチレンは、レオメータにて測定される伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)及び剪断粘度(ηs)(単位:Pa・s)が下記の関係式(A)を満たすことが好ましい。
ηe≧16.5×ηs0.980 式(A)
ポリエチレンの伸長粘度ηe及び剪断粘度ηsが式(A)を満たすと、剪断粘度見合いの伸長粘度が高く、当該ポリエチレンの緩和時間分布が広いこと示す。緩和時間分布が広いと、成形品表面のシャークスキンが表れにくくなるため大型容器の成形性に優れる。
ポリエチレンの伸長粘度ηe及び剪断粘度ηsは、流入圧力損失法を用い、Cogswellの理論[Polymer Engineering Science、12巻、64−73頁(1972)]に基づいて、下記の条件で測定を行なうことにより求めることができる。
即ち、伸長粘度(ηe)及び伸長歪み速度(dε/dt)は、Cogswell(POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,JANUARY,1972,Vol.12,No.1)によって提唱されている以下の式(B)〜(D)を用いて算出することができる。
ηe=[9(n+1) ]/[32ηs(dγ/dt)] 式(B)
dε/dt=4σs(dγ/dt)/[3(n+1)P] 式(C)
σs=k(dγ/dt) 式(D)
ここで、ηeは伸長粘度、ηsは剪断粘度、dγ/dtは剪断歪み速度、dε/dtは伸長歪み速度、σsは剪断応力、kは定数、式(D)の指数nは、メルトフラクチャーやスリップスティックの発生しない剪断速度領域における、剪断応力と剪断歪み速度がべき乗則に従うと仮定し、二次関数でフィッティングを行うことにより求められる。Pはキャピラリー長0のダイで生じる圧力損失であり、2つ以上の長さの異なるキャピラリーを用いた測定結果のBaglay補正により求められる。
なお、伸長粘度ηeとして、伸長歪み速度10s−1のときの値を内挿により求めた値を用い、剪断粘度ηsとして、剪断歪み速度10s−1のときの値を用いて求めることができる。
測定装置:Bohlin Instruments社製レオメータRH2000
測定温度:190℃
ロングダイ:長さ16mm、直径1mm、流入角180°
ショートダイ:長さ0.25mm、直径1mm、流入角180°
本発明のポリエチレンが関係式(A)を満たすためには、高分子量成分であるエチレン重合体(A)と低分子量成分であるエチレン重合体(B)の分子量と組成割合により調整することができる。
(10)伸長粘度と剪断粘度の比(ηe/ηs)
本発明のポリエチレンは、レオメータにて測定される伸長歪み速度10s−1における伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)及び剪断歪み速度10s−1における剪断粘度(ηs)(単位:Pa・s)の比(ηe/ηs)が13.5〜21.0の範囲を満たすことが好ましい。
本発明に用いられるポリエチレンの伸長粘度と剪断粘度の比(ηe/ηs)が前記範囲内にあると、成形時のシャークスキンの発生を抑制することができ、比表面積の増加によるクリーン度の低下を防ぐことができる。
伸長粘度と剪断粘度の比(ηe/ηs)は、好ましくは14.0〜20.0であり、更に好ましくは14.5〜19.0、より更に好ましくは15.0〜18.0である。この伸長粘度と剪断粘度の比(ηe/ηs)が上記下限値より小さいと、伸長粘度の低下により成形品表面にシャークスキンが発生しやすくなる為、比表面積の増加により内溶液への接触面積が増加しクリーン度が低下する恐れがある。一方、伸長粘度と剪断粘度の比(ηe/ηs)が上記上限値より大きいと、伸長粘度が高くなりすぎるため、メルトフラクチャーやスリップが発生しやすくなり、成形品外観の維持と成形が困難になるおそれがある。
ポリエチレンの伸長粘度とせん断粘度の比(ηe/ηs)は、高分子量成分であるエチレン重合体(A)と低分子量成分であるエチレン重合体(B)の分子量と組成割合により調整することができる。
(11)伸長粘度(ηe)
本発明のポリエチレンは、レオメータにて測定される伸長歪み速度10s−1における伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)が60,000〜100,000Pa・sの範囲を満たすことが好ましい。
本発明に用いられるポリエチレンの伸長粘度(ηe)が前記範囲内にあると、成形時における耐ドローダウン性とメルトフラクチャーの抑制を両立することができる。
伸長粘度(ηe)は、好ましくは65,000〜95,000Pa・s、更に好ましくは68,000〜90,000Pa・s、より更に好ましくは70,000〜85,000Pa・sである。この伸長粘度が上記下限値より小さいと、成形時のドローダウンが発生しやすくなり、大型中空成形に適さない恐れがある。一方、伸長粘度が上記上限値より大きいと、伸長粘度が高くなりすぎるため、メルトフラクチャーやスリップが発生しやすくなり、成形品外観の維持と成形が困難になるおそれがある。
ポリエチレンの伸長粘度(ηe)は、ポリエチレンの流動性や高分子量成分であるエチレン重合体(A)と低分子量成分であるエチレン重合体(B)の分子量と組成割合により調整することができる。
(12)フィッシュアイ(FE);
本発明のポリエチレンは、直径0.2mm以上のフィッシュアイが150個/0.02m以下であることが好ましい。
フィッシュアイが150個/0.02m以下であることにより、成形品の内表面が平滑になり、内容液に接触する比表面積を小さくすることができるため、微粒子や金属の溶出を抑制することができる。
フィッシュアイは、40mmφ、スクリュ有効長(L/D)=26の単軸押出機を備えた空冷インフレーション成形機を用い、ブロー比3、引き取り速度15m/分の条件で、厚み25μm、折径235mmのインフレーションフィルムを作成し、CCD検出方式の検出器を用い0.2mm以上のフィッシュアイ数を計測することができる。
(13)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn):
本発明のポリエチレンは、GPCにより求められるMw/Mnは、好ましくは7.0を超え15.0以下、より好ましくは9〜13、さらに好ましくは10〜12である。
GPCにより測定される分子量分布(Mw/Mn)は、重合体の各種物性、成形性の改良に関わり、成形品の外観等の改良にも関係する。
本発明のポリエチレンの分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内にあると、より優れた成形性を発揮することができる。また、前記分子量分布(Mw/Mn)が7.0を超えると、製品外観が優れる点、成形時の樹脂圧力が適切になって、シャークスキンなどの流動不安定現象を生じ難くなり、外観不良を抑制しやすい点から好ましい。一方、前記分子量分布(Mw/Mn)が15.0以下であると、成形品のピンチオフ形状が悪化することを抑制し、成形品としての衝撃強度を良好にしやすい。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量及び分子量分布の測定は、下記の条件により測定することができる。
[測定条件]
使用機種:日本ウォーターズ社製Alliance GPCV2000型
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製Shodex HT−806M ×2本+同 HT−G
流速:1.0mL/分
注入量:0.3mL
[試料の調製]
4mLバイアル瓶に試料3mg及びオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4−トリメチルフェノールを含む)3mLを秤り採り、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学社製SSC−9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行う。溶解終了後、不溶成分がないことを目視で確認する。
[較正曲線の作成]
4mLガラス瓶を4本用意し、それぞれに下記(1)〜(4)の組み合わせの単分散ポリスチレン標準試料又はn−アルカンを0.2mgずつ秤り採り、続いてオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4−トリメチルフェノールを含む)3mLを秤り採り、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学社製SSC−9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行う。
(1)Shodex S−1460,同S−66.0,n−エイコサン
(2)Shodex S−1950,同S−152,n−テトラコンタン
(3)Shodex S−3900,同S−565,同S−5.05
(4)Shodex S−7500,同S−1010,同S−28.5
試料溶液が入ったバイアル瓶を装置にセットし、前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1秒でクロマトグラム(保持時間と示差屈折計検出器の応答のデータセット)を記録する。得られたクロマトグラムから各ポリスチレン標準試料の保持時間(ピーク頂点)を読み取り、分子量の対数値に対してプロットする。ここで、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの分子量は、それぞれ600及び1200とする。このプロットに非線形最小自乗法を適用し、得られた4次曲線を較正曲線とする。
[分子量の計算]
前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1秒でクロマトグラムを記録する。
このクロマトグラムから、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)第4章p.51〜60に記載の方法で微分分子量分布曲線及び平均分子量値(Mn、Mw及びMz)を算出する。但し、dn/dcの分子量依存性を補正するため、クロマトグラムにおけるベースラインからの高さHを下記の式にて補正する。クロマトグラムの記録(データ取り込み)及び平均分子量計算は、Microsoft社製OS Windows(登録商標)XPをインストールしたPC上で自社製プログラム(Microsoft製Visual Basic6.0で作成)を用いて行う。
H’=H/[1.032+189.2/M(PE)]
なお、ポリスチレンからポリエチレンへの分子量変換は、下記の式を用いる。
M(PE)=0.468×M(PS)
Mw/Mnは、触媒の種類、助触媒の種類、重合温度、重合反応器内の滞留時間、重合反応器の数などで調整でき、また、押出機の温度、圧力、剪段速度などにより調整可能であり、好ましくは高分子量成分と低分子量成分の混合割合を調整することにより増減することができる。
エチレン系重合体のMw/Mnは、触媒の種類の影響を受け易く、一般にフィリプス触媒によれば分子量分布が広く、メタロセン触媒によれば分子量分布が狭く、チーグラー触媒によればその中間的な分子量分布を有する重合体となる。
(14)リン系酸化防止剤が無添加である。
本発明のポリエチレンは、リン系酸化防止剤が無添加であることが好ましい。リン系酸化防止剤が無添加であることにより、高純度薬品容器として用いることができ、例えば、半導体の製造用に用いる薬品等の容器として用いることができる。
(15)Tiの含有量:
本発明のポリエチレンは、Tiの含有量がポリエチレン全体に対して1.5質量ppm以下が好ましく、更に好ましくは1.0質量ppm以下、好適には0.9質量ppm以下である。当該割合が1.5質量ppm以下であると、成形品へのTiの溶出量を減少させ、高純度薬品容器としての性能が向上する傾向がある。
Tiの含有量は、石英製ビーカーに試料約0.5gを採取し、これに2mlの硫酸を添加し、加熱して試料を炭化後、加熱しながら、無色〜淡黄色の透明な溶液が得られるまで、「加熱、放冷、硝酸添加」を繰り返し、冷却後、純水により50mlに定容、更に10倍に希釈して、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma − Mass Spectrometry(誘導結合プラズマ質量分析法))により目的の金属元素を測定し、試料中濃度に換算することにより求めることができる。
当該含有量は、触媒の種類、助触媒の種類などで調整可能である。触媒としては、活性が高いものでないと本発明の要件を達成することが難しく、上述のマグネシウム、チタンを含む固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる触媒系が好ましい。
(16)Alの含有量:
本発明のポリエチレンは、Alの含有量がポリエチレン全体に対して3.0質量ppm以下が好ましく、更に好ましくは2.0質量ppm以下、好適には1.6質量ppm以下である。当該割合が3.0質量ppm以下であると、成形品へのAlの溶出量を減少させ、高純度薬品容器としての性能が向上する傾向がある。
Alの含有量は、石英製ビーカーに試料約0.5gを採取し、これに2mlの硫酸を添加し加熱して試料を炭化後、加熱しながら、無色〜淡黄色の透明な溶液が得られるまで、「加熱、放冷、硝酸添加」を繰り返し、冷却後、純水により50mlに定容、更に10倍に希釈して、ICP−MSにより目的の金属元素を測定し、試料中濃度に換算することにより求めることができる。
当該含有量は、触媒の種類、助触媒の種類などで調整可能である。触媒としては、活性が高いものでないと本発明の要件を達成することが難しく、上述のマグネシウム、チタンを含む固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる触媒系が好ましい。
2.ポリエチレンの構成
本発明のポリエチレンは、密度(d)が0.930〜0.950g/cm、HLMFRが0.1〜2g/10分であるエチレン重合体(A)25〜49質量%、及び密度(d)が0.960〜0.970g/cm、温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であるエチレン重合体(B)51〜75質量%を必須成分とすることにより、特性(1)〜(7)を同時に満足する。
エチレン重合体(A)の組成割合は25〜49質量%であればよく、好ましくは、30〜47質量%であり、より好ましくは35〜45質量%である。
エチレン重合体(A)の組成割合が25質量%以上であれば、規定のHLMFRを満たすために高分子量の成分であるエチレン重合体(A)の分子量を極端に大きくする必要がなく、低分子量の成分であるエチレン重合体(B)との分子量差を小さくすることができ、粘度差が小さくなるため、本発明のポリエチレンにおいて、HLMFRが規定の範囲内でエチレン重合体(A)の適度な分散を維持することができ、フィッシュアイの発生を抑制でき、且つ、良好な成形性と、耐環境応力亀裂性を達成することができる。
一方、エチレン重合体(A)の組成割合が49質量%以下であれば、本発明のポリエチレンの分子量分布が適度に広くなり、緩和時間分布を広げ、シャークスキンの発生を抑制することができる。
3.エチレン重合体(A)の特性
本発明に用いられるエチレン重合体(A)は、エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体の製造方法は後述する。
エチレン重合体(A)は、密度が、下限値は0.930g/cm以上、好ましくは0.933g/cm以上、更に好ましくは0.935g/cm以上であり、上限値は0.950g/cm以下、好ましくは0.945g/cm以下、更に好ましくは0.940g/cm以下である。
エチレン重合体(A)の密度は、前述の本発明のポリエチレンの特性(1)の密度と同様の方法で測定することができる。
エチレン重合体(A)の密度が0.930g/cm以上であると、成形品の所望の剛性が得られ、一方、0.950g/cm以下であると、耐久性が向上する。
エチレン重合体(A)の密度の調整は、例えば、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって行うことができ、α−オレフィンの量を増加させると小さくすることができる。
エチレン重合体(A)は、HLMFRが、下限値は0.1g/10分以上、好ましくは0.2g/10分以上であり、上限値は2g/10分以下、好ましくは1g/10分以下、より好ましくは0.8g/10分以下である。HLMFRは、前述の本発明のポリエチレンの特性(2)のHLMFRと同様の方法で測定することができる。
エチレン重合体(A)のHLMFRが0.1g/10分以上であると、成形時に所望の流動性が得られ、成形安定な状態となる。HLMFRが2g/10分以下であると、耐衝撃性が向上する傾向がある。
エチレン重合体(A)のHLMFRの調整は、エチレン重合中に共存させる連鎖移動剤(水素等)の量を変化させるか、重合温度を変化させることによって、調整することができ、水素の量を増加させる又は重合温度を高くすることにより、大きくすることができる。
4.エチレン重合体(B)の特性
本発明に用いられるエチレン重合体(B)は、エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。
エチレン重合体(B)は、密度が、下限値は0.960g/cm以上、好ましくは0.961g/cm以上、更に好ましくは0.962g/cm以上であり、上限値は0.970g/cm以下、好ましくは0.969g/cm以下、更に好ましくは0.968g/cm以下である。
エチレン重合体(B)の密度は、前述の本発明のポリエチレンの特性(1)の密度と同様の方法で測定することができる。
エチレン重合体(B)の密度が0.960g/cm以上であると、成形品の所望の剛性が得られ、一方、0.970g/cm以下であると、耐衝撃性が向上する。
エチレン重合体(B)の密度の調整は、例えば、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって行うことができ、α−オレフィンの量を増加させると小さくすることができる。
エチレン重合体(B)の温度190℃、荷重2.16Kgにおけるメルトフローレート(MFR)は、下限値が1g/10分以上、好ましくは3g/10分以上、さらに好ましくは5g/10分以上であり、上限値は50g/10分以下、好ましくは30g/10分以下、さらに好ましくは20g/10分以下である。
エチレン重合体(B)のMFRが1g/10分以上では、流動性が向上し、所望の押出特性が得られるため好ましい。一方、エチレン重合体(B)のMFRが50g/10分以下であると、所望の耐衝撃性が得られるため好ましい。
なお、MFRは、JIS K6922−2:1997に準拠して測定することができる。
エチレン重合体(B)のMFRは、主にエチレン重合体(B)の製造時の水素量により調整することができる。
本発明のポリエチレンに含まれるエチレン重合体は、エチレンのみの単独重合、あるいはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合により製造することができる。
本発明のポリエチレンに含まれるエチレン重合体は、通常の一段重合で重合して得ることもできるが、条件を変えて重合した成分を混合したり、逐次多段重合による組成物として製造することもできる。
本発明のポリエチレンは、前記エチレン重合体(A)とエチレン重合体(B)とを混合して得ることができる。また、樹脂の均一性などの理由から、エチレン重合体(A)とエチレン重合体(B)を連続的に重合(逐次多段重合法)して得られたものが好ましく、例えば直列に接続した複数の反応器でエチレン及びα−オレフィンを順次連続的に重合して得ることができる。
本発明において、前記エチレン重合体(A)及びエチレン重合体(B)が、重合触媒の存在下、少なくとも二基の重合反応器を組み合わせた多段重合により、少なくとも一方の重合反応器でエチレン単独重合体が重合され、少なくとも他の重合反応器でエチレンと炭素数が3〜20のα−オレフィンとのエチレン共重合体が重合されることが好ましい。
また、本発明のエチレン重合体(A)とエチレン重合体(B)とからなる組成物は、エチレン重合体(A)及びエチレン重合体(B)を別々に重合した後に混合したものでもよい。更に、エチレン重合体(A)及びエチレン重合体(B)はそれぞれ複数の成分により構成することが可能である。該エチレン重合体は、1種類の触媒を用いて多段重合反応器にて順次連続的に重合された重合体でもよく、複数種類の触媒を用いて単段又は多段重合反応器にて製造された重合体でもよいし、1種類又は複数種類の触媒を用いて重合された重合体を混合したものでもよい。
5.高純度薬品容器
本発明の高純度薬品容器用ポリエチレンは、ブロー成形、射出成形、押出成形、回転成形等の公知の成形方法により容器状に成形することにより高純度薬品容器とすることができる。特に、クリーンルーム内に設置したブロー成形機を使用し、フィルターで微粒子を取り除いたエアーをブローエアーに用いたブロー成形方法は、クリーンな容器を製造するのに好ましい。
高純度薬品容器の形状は、特に限定されない。
高純度薬品容器の内容積は、特に限定されないが、好ましくは、5L〜1000L、より好ましくは、10L〜500L、更に好ましくは20L〜300Lである。
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施例に制約されるものではない。
[各種評価(測定)方法]
(1)密度(d):
JIS−K6922−1,2:1997に準拠して測定した。
(2)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR):
JIS K6922−2:1997に準拠して測定した。
(3)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR):
JIS K6922−2:1997に準拠して測定した。
(4)−20℃で測定されるシャルピー衝撃強度:
JIS K−7111(2004年)に準拠し、タイプ1の試験片を作製し、打撃方向はエッジワイズ、ノッチのタイプはタイプA(0.25mm)として、恒温槽で冷却し、−20℃で測定した。
(5)溶融張力(MT):
東洋精機製作所社製キャピログラフを使用し、ノズル径2.095mmφ、ノズル長8.00mm、流入角180°、設定温度210℃で、ピストン押出速度10.0mm/分、引取速度4.0m/分の条件で測定した。
(6)定ひずみESCR(時間):
JIS−K6922−2:1997準拠し、圧縮成形シートの作成を行い、ASTM D 1693−01に準拠し、試験液としてイゲパール(CO−630)10vol%溶液を用い、50℃の温度条件で測定を行い、対数確率紙にプロットを行い、50%亀裂発生時間(F50)を求めた。
(7)ノルマルヘキサン抽出量(質量%):
ソックスレー抽出器を用い、樹脂2gをノルマルヘキサン溶媒400mlで2時間抽出した。全樹脂に対する抽出分の質量%で示した。
(8)灰分:
JIS K2272−1985に準拠し測定した。
(9)ピンチオフ特性;レオメータにて測定される190℃、0.01rad/秒におけるtanδ:
レオメータにて測定される190℃、0.01rad/秒におけるtanδの測定は、熱プレスにより調整した試料を用い、レオメータ(Rheometrics社製Ares)を用い、190℃、角速度0.01rad/秒おける貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”の測定を行い、tanδ(=G”/G’)を算出した。測定時の条件は下記に記す。
[測定条件]
装置:Rheometrics社製Ares
冶具:直径25mmパラレルプレート、プレート間隔約1.7mm
測定温度:190℃
歪み:5%
(10)伸長粘度(ηe)及び剪断粘度(ηs)
ポリエチレンの伸長粘度ηe及び剪断粘度ηsは、流入圧力損失法を用い、Cogswellの理論[Polymer Engineering Science、12巻、64−73頁(1972)]に基づいて、下記の条件で測定を行なうことにより求めた。
即ち、伸長粘度(ηe)及び伸長歪み速度(dε/dt)は、Cogswellによって提唱されている以下の式(B)〜(D)を用いて算出した。
ηe=[9(n+1) ]/[32ηs(dγ/dt)] 式(B)
dε/dt=4σs(dγ/dt)/[3(n+1)P] 式(C)
σs=k(dγ/dt) 式(D)
ここで、ηeは伸長粘度、ηsは剪断粘度、dγ/dtは剪断歪み速度、dε/dtは伸長歪み速度、σsは剪断応力、kは定数、式(D)の指数nは、メルトフラクチャーやスリップスティックの発生しない剪断速度領域における、剪断応力と剪断歪み速度がべき乗則に従うと仮定し、二次関数でフィッティングを行うことにより求めた。Pはキャピラリー長0のダイで生じる圧力損失であり、2つ以上の長さの異なるキャピラリーを用いた測定結果のBaglay補正により求めた。
なお、伸長粘度ηeとして、伸長歪み速度10s−1のときの値を内挿により求めた値を用い、剪断粘度ηsとして、剪断歪み速度10s−1のときの値を用いて求めた。
測定装置:Bohlin Instruments社製レオメータRH2000
測定温度:190℃
ロングダイ:長さ16mm、直径1mm、流入角180°
ショートダイ:長さ0.25mm、直径1mm、流入角180°
(11)フィッシュアイ(個/m):
フィッシュアイは、40mmφ、スクリュ有効長(L/D)=26の単軸押出機を備えた空冷インフレーション成形機を用い、ブロー比3、引き取り速度15m/分の条件で、厚み25μm、折径235mmのインフレーションフィルムを作成し、CCD検出方式の検出器を用い0.2mm以上のフィッシュアイ数を計測した。
(12)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn)及び分子量分布の測定:
下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
[測定条件]
使用機種:日本ウォーターズ社製Alliance GPCV2000型
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製Shodex HT−806M ×2本 + 同 HT−G
流速:1.0mL/分
注入量:0.3mL
[試料の調製]
4mLバイアル瓶に試料3mg及びオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4−トリメチルフェノールを含む)3mLを秤り採り、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学製SSC−9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行った。溶解終了後、不溶成分がないことを目視で確認した。
[較正曲線の作成]
4mLガラス瓶を4本用意し、それぞれに下記(1)〜(4)の組み合わせの単分散ポリスチレン標準試料又はn−アルカンを0.2mgずつ秤り採り、続いてオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4−トリメチルフェノールを含む)3mLを秤り採り、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学製SSC−9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行った。
(1)Shodex S−1460,同S−66.0,n−エイコサン
(2)Shodex S−1950,同S−152,n−テトラコンタン
(3)Shodex S−3900,同S−565,同S−5.05
(4)Shodex S−7500,同S−1010,同S−28.5
試料溶液が入ったバイアル瓶を装置にセットし、前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1sでクロマトグラム(保持時間と示差屈折計検出器の応答のデータセット)を記録した。得られたクロマトグラムから各ポリスチレン標準試料の保持時間(ピーク頂点)を読み取り、分子量の対数値に対してプロットした。ここで、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの分子量は、それぞれ600及び1200とした。このプロットに非線形最小自乗法を適用し、得られた4次曲線を較正曲線とした。
[分子量の計算]
前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1sでクロマトグラムを記録した。このクロマトグラムから、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)第4章p.51〜60に記載の方法で微分分子量分布曲線及び平均分子量値(Mn、Mw及びMz)を算出した。ただし、dn/dcの分子量依存性を補正するため、クロマトグラムにおけるベースラインからの高さHを下記の式にて補正した。クロマトグラムの記録(データ取り込み)及び平均分子量計算は、Microsoft社製OS Windows(登録商標)XPをインストールしたPC上で自社製プログラム(Microsoft製Visual Basic6.0で作成)を用いて行った。
H’=H/[1.032+189.2/M(PE)]
なお、ポリスチレンからポリエチレンへの分子量変換は、下記の式を用いた。
M(PE)=0.468×M(PS)
(13)Tiの含有量:
石英製ビーカーに試料約0.5gを採取し、これに2mlの硫酸を添加し加熱して試料を炭化後、加熱しながら、無色〜淡黄色の透明な溶液が得られるまで、「加熱、放冷、硝酸添加」を繰り返した。冷却後、純水により50mlに定容、更に10倍に希釈して、ICP−MSにより目的の金属元素を測定し、試料中濃度に換算した。
(14)Alの含有量:
石英製ビーカーに試料約0.5gを採取し、これに2mlの硫酸を添加し加熱して試料を炭化後、加熱しながら、無色〜淡黄色の透明な溶液が得られるまで、「加熱、放冷、硝酸添加」を繰り返した。冷却後、純水により50mlに定容、更に10倍に希釈して、ICP−MSにより目的の金属元素を測定し、試料中濃度に換算した。
(15)大型ブロー成形性(吐出量、モーター負荷):
小型多層ブロー成形機であるタハラ社製TP−5を用い、温度200℃、スクリュー回転数40rpm、ダイス径18mm、コア径15mmでの1時間あたりの吐出量及び、樹脂圧力を測定した。吐出量が15kg/hr以上でありかつ樹脂圧力が25MPa以下であるものを「〇」、それ以外のものを「×」とした。
(16)耐ドローダウン性
吐出性と同一条件にて、パリソン長が12cmと60cmに達する時間を測定し、下記の計算式により、ドローダウン率を算出した。
ドローダウン率=(パリソン長が60cmに達する時間)/(パリソン長が12cmに達する時間)
ドローダウン率が4.5以上であるものを「〇」、それ以外のものを「×」とした。
(17)微粒子(パーティクル)溶出性(クリーン度(個/ml))
上記ブロー成形した内容積500mLボトルをクリーンルーム内で安水(三菱化学社製電子工業用ELアンモニア水;29%アンモニア水溶液)にて5回洗浄後、容器に安水を充填し3ヶ月間放置後に0.2μm以上の微粒子の数をリオン社製KL−25型液体微粒子カウンターで測定した。
微粒子が100個以下であるものを「〇」、それ以外のものを「×」とした。
(18)金属溶出量(クリーン性)
上記ブロー成形した内容積500mLボトルをクリーンルーム内で安水にて5回洗浄後、容器に安水を充填し3ヶ月間放置後にTi、Alの濃度測定を行った。金属溶出量が10質量ppb以下であるものを「〇」、それ以外のものを「×」とした。
(19)表面粗さ(Ra)(μm):
<押出ストランドの作成>
インテスコ社製キャピラリーレオメータを使用し、ノズル径5mmφ、ノズル長10mm、流入角90°、設定温度190℃、低速条件としてピストン押出速度300mm/分(見かけのせん断速度:29sec−1)、高速条件としてピストン押出速度1000mm/分(見かけのせん断速度:97sec−1)の条件で押出した後、水冷し評価用ストランドを作成した。
<表面粗さ測定>
キーエンス社製超深度カラー3D形状測定顕微鏡を用い、10倍の対物レンズでストランドの長さ方向に連続で10視野を取込み、JIS B 0601−1994に準拠して面粗さの測定を実施した。
(20)成形品肌(500mL容器)
上記ブロー成形で得られた500mL容器の内表面および外表面の目視確認により判定した。シャークスキンの発生が認められなかったものを「○」、シャークスキンの発生が認められたものを「×」とした。
(21)成形品肌(40L容器)
<大型容器の成形>
日本製鋼所製NB150多層中空成形機を用い、3層条件で内層/中間層/外層の比率を20/40/40質量%に固定し、各押出機は190℃の設定温度で、全て同じポリエチレン樹脂を流すことで単一組成の成形品とし、製品質量8.5kgの40L容器の成形を実施した。
上記ブロー成形で得られた40L容器の内表面の目視確認により判定した。シャークスキンの発生が認められなかったものを「○」、シャークスキンの発生が認められたものを「×」とした。
(22)シャークスキン抑制効果
表面粗さ測定で得られた算術平均粗さ:Ra値の大きさで判定した。Ra値が20μmより小さいのものをシャークスキンの抑制効果が高いと判断し「○」、Ra値が20μm以上のものを「×」とした。
(23)総合評価
大型ブロー成形性、耐ドローダウン性、微粒子溶出性、金属溶出量、成形品肌、表面粗さ、シャークスキン抑制効果の全ての評価が良好なものを「○」、それ以外のものを「×」とした。
[実施例1]
(A)固体触媒の調製
Mg(OEt)を75gとTi(OBu)Clを755gとn−COHを185gとを150℃で6時間混合して均一化し、冷却後ノルマルヘキサンを所定量加えて均一溶液にした。
次いで、所定温度にてエチルアルミニウムセスキクロライドを2285g滴下し1時間攪拌した。
更に、ノルマルヘキサンにて洗浄を繰り返して固体触媒1100gを得た。
(B)エチレンの重合
上記固体触媒を用いて、0.6mの反応器を2基直列に接続した装置を用いて連続重合を行った。
第1重合槽には、ノルマルヘキサン70kg/時、トリエチルアルミニウム1.5g/時、上記固体触媒成分を0.70g/時、エチレンを34kg/時、及び水素を連続的に供給し、重合温度90℃、気相中の水素を対エチレン濃度比で1.1モル/モルに保って連続重合を行った。
第2重合槽には第1重合槽の重合体スラリーを連続的に供給すると共に、ノルマルヘキサン47kg/時、エチレン28kg/時を連続的に供給し、重合温度を80℃、気相中の水素を対エチレン濃度で0.16モル/モル、ブテンを対エチレン濃度で0.026モル/モルに保って第2段目の重合を行った。
得られた重合スラリーは円心分離器にて固液分離を行い、乾燥工程を経て、ポリエチレンパウダーを得た。
得られたポリエチレンパウダーは添加剤を一切使用せずに、日本製鋼所製CIM90二軸混練機を用い、回転数300rpm、スロット幅25mm、処理量280kg/時の条件で混練後、120mmφ単軸押出機で樹脂温度278℃の条件でペレツト化し、物性測定を行った。
物性測定の結果を表1に示す。
(C)容器の成形
上記で得られたポリエチレンを小型多層ブロー成形機であるタハラ社製TP−5を用い、温度200℃、スクリュー回転数40rpmでピンチオフ長さが底部直径の95%になるように適宜ダイコアを選択しながら、500mLボトルを成形した。ブロー成形性の評価結果及び成形品の評価結果を表1に示す。
得られたポリエチレンは、ポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、かつ成形時の耐ドローダウン性や吐出性等の成形性に優れ、しかもESCRに優れていた。
[実施例2〜3]
表1に示す特性を有するエチレン重合体(A)及びエチレン重合体(B)を製造し、その後、表1に示す特性を有するポリエチレンを製造したこと以外は実施例1と同様に行った。
当該ポリエチレンの物性及び評価結果を表1に示した。得られたポリエチレンは、ポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、かつ成形時の耐ドローダウン性や吐出性等の成形性に優れ、しかもESCRに優れていた。
[比較例1]
特開2015−183130号公報の実施例1に準じてポリエチレンのパウダーを得、本願実施例1のペレット化条件と同様にしてポリエチレン樹脂とそのブロー成形容器を得た。ポリエチレンの物性と容器の評価結果を表1に示す。
[比較例2〜3]
表1に示す特性を有するポリエチレンを製造したこと以外は実施例1と同様にして、そのブロー成形容器を得た。ポリエチレンの物性と容器の評価結果を表1に示す。
[比較例4]
特開2015−183130号公報の比較例2に準じてポリエチレンのパウダーを得、本願実施例1のペレット化条件と同様にしてポリエチレン樹脂とそのブロー成形容器を得た。ポリエチレンの物性と容器の評価結果を表1に示す。
[評価]
表1に示す実験結果を参酌しながら、実験結果を説明する。
表1から明らかなように、所定の割合で必須成分を含み、且つ、密度、メルトフローレート等の特性が本発明の要件を満たすポリエチレンからなる容器は、大型ブロー成形性に優れ、容器の剛性、クリーン性に優れていた(実施例1〜3)。
一方、比較例1では、耐ドローダウン性や吐出性等の成形性に優れ、ESCRや耐衝撃性等の物性とクリーン性のバランスに優れるものの、エチレン重合体(A)およびエチレン重合体(B)の組成比率が本発明の要件を満たさないため、大型容器の成形においてシャークスキンが発生しやすく、大型容器の成形において内表面肌が荒れ、長期の微粒子や金属溶出への影響が心配される結果であった。
比較例2では、エチレン重合体(A)およびエチレン重合体(B)の組成比率が本発明の要件を満たさないため、シャークスキンの改質効果は十分ではなく、大型容器の成形において内表面肌が荒れ、長期の微粒子や金属溶出への影響が心配される結果であった。
比較例3では、比較例1に比べて分子量分布が広く、かつ流動性が高くなっているため、500ml程度の小型容器におけるシャークスキンの改善効果は確認されたが、大型の成形におけるシャークスキンの改質効果は十分ではなく、大型容器の成形において内表面肌が荒れ、長期の微粒子や金属溶出への影響が心配される結果であった。
また、比較例4ではHLMFRが本発明の要件を外れるため、溶融張力が低下し、耐ドローダウン性が低下し、大型中空成形には適さない結果であった。
図1は、伸長粘度(ηe)と剪断粘度(ηs)の関係を示すグラフである。グラフ内の実線は、特性(9)の伸長粘度(ηe)及び剪断粘度(ηs)に係る関係式(A)により特定される伸長粘度(ηe)の下限値を示す。なお、図1中の1.00E+03、1.00E+04、1.00E+05は、それぞれ、1.00×10、1.00×10、1.00×10を意味する。
図1に示すように、実施例1〜3はいずれも関係式(A)の条件を満たすことがわかる。
一方、比較例1〜4はいずれも関係式(A)の条件を満たさないことがわかる。
表1に示すように、関係式(A)の条件を満たす実施例1〜3は、成形品表面のシャークスキンが表れにくく、耐ドローダウン性が良好で、且つ、大型容器の成形性に優れることが実証された。
したがって、関係式(A)の条件を満たすことは、成形品表面のシャークスキンが表れにくく、耐ドローダウン性が良好で、且つ、大型容器の成形性に優れることの指標となる。
図2は、伸長粘度(ηe)と剪断粘度(ηs)の比とHLMFRの関係を示すグラフである。
図2に示すように、実施例1〜3は伸長粘度(ηe)と剪断粘度(ηs)の比とHLMFRとのバランスに優れていることがわかる。
したがって、実施例1〜3は、伸長粘度(ηe)と剪断粘度(ηs)の比が所望の値を有するため、成形時のシャークスキンの発生を抑制することができ、且つ、比表面積の増加によるクリーン度の低下を防ぐことができ、さらに、所望のHLMFRを有するため、大型容器の成形性に優れることがわかる。
本発明によれば、ポリエチレン樹脂由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属溶出成分が少なく、耐久性に優れているので、高純度薬品容器用ポリエチレン樹脂とすることができ、耐久性/クリーン性のバランスに優れた高純度薬品容器を成形することができる。また、耐ドローダウン性などの中空成形性に優れ、成形時のパリソン表面にシャークスキンが発生しにくい特徴から、特に、大型の容器に適し、かつ充填された薬液に対して微粒子成分の溶出量が小さく、長期間に渡って微粒子の溶出量が小さい大型高純度薬品容器を提供することができるため、産業上大いに有用である。

Claims (10)

  1. 密度(d)が0.930〜0.950g/cm、HLMFRが0.1〜1g/10分であるエチレン重合体(A)25〜49質量%、及び密度(d)が0.960〜0.970g/cm、温度190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であるエチレン重合体(B)51〜75質量%を必須成分として含み、下記特性(1)〜(7)を有する高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (1)密度(d)が0.950〜0.965g/cmである。
    (2)温度190℃、荷重21.6kgで測定されるメルトフローレート(HLMFR)が5〜20g/10分である。
    (3)−20℃で測定されるシャルピー衝撃強度が7kJ/m以上である。
    (4)210℃で測定される溶融張力(MT)が80mN以上である。
    (5)定ひずみESCRが40時間以上である。
    (6)ノルマルヘキサン抽出量が0.20質量%以下である。
    (7)灰分が20質量ppm以下である。
  2. 更に下記の特性(8)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (8)レオメータにて測定される190℃、0.01rad/秒におけるtanδが1.00〜1.60である。
  3. 更に下記の特性(9)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (9)レオメータにて測定される伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)及び剪断粘度(ηs)(単位:Pa・s)が下記の関係式(A)を満たす。
    ηe≧16.5×ηs0.980 式(A)
  4. 更に下記の特性(10)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (10)レオメータにて測定される伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)と剪断粘度(ηs)(単位:Pa・s)の比(ηe/ηs)が13.5〜21.0である。
  5. 更に下記の特性(11)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (11)レオメータにて測定される伸長粘度(ηe)(単位:Pa・s)が60,000〜100,000である。
  6. 更に下記の特性(12)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (12)直径0.2mm以上のフィッシュアイが150個/0.02m以下である。
  7. 更に下記の特性(13)を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (13)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が7.0を超え15.0以下である。
  8. 更に下記の特性(14)を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の高純度薬品容器用ポリエチレン。
    (14)リン系酸化防止剤が無添加である。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の高純度薬品容器用ポリエチレンの成形体であることを特徴とする高純度薬品容器。
  10. 内容積が5L〜1000Lであることを特徴とする請求項9に記載の高純度薬品容器。
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