JP2018169681A - カード処理装置、料金収受機、カード処理装置評価方法及びプログラム - Google Patents

カード処理装置、料金収受機、カード処理装置評価方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】搬送ベルトの消耗に起因する故障を予測可能なカード処理装置を提供することにある。
【解決手段】カード処理装置1は、搬送機構120によって搬送されるカードTの搬送速度を取得する搬送速度取得部と、複数のカードTについての搬送速度を記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブルを生成する搬送速度情報記録処理部と、生成された搬送速度情報テーブルに含まれる複数の搬送速度の代表値に基づいて搬送機構120の劣化の度合いを評価する劣化評価部と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、カード処理装置、料金収受機、カード処理装置評価方法及びプログラムに関する。
通常、有料道路の料金所内には、ICカード(クレジットカード等)による支払いに対応するため、カード処理装置(ICカードリーダ;ICCR)が設置されている。ICカードリーダは、挿入口から挿入されたICカードを内部に引き込んで搬送するための搬送機構を有している。一般的に、この搬送機構には複数の消耗部品が使われる。
近年、有料道路における設備の多様化に伴い、通常の料金所から離れた位置にもICカードリーダが設置されるようになっている。この場合、料金所から離れた箇所に配置されたICカードリーダにトラブル(故障)が発生した場合、料金所で待機する係員、又は、保守基地で待機する保守員が現地へ出向く必要があるため、復旧までに時間を要する。
そのため、実際にトラブルが生じる前に適切に部品交換等を行えるよう、故障予測可能なICカードリーダが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−228050号公報
ICカードリーダの搬送機構には搬送ベルト(平ベルト)などの消耗部品が用いられている。そのため、搬送機構の劣化に起因する故障を予測することが求められている。
本発明の目的は、搬送機構の劣化に起因する故障を予測可能なカード処理装置、料金収受機、カード処理装置評価方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、カード処理装置(1)は、搬送機構(120)によって搬送されるカード(T)の搬送速度を取得する搬送速度取得部(104)と、複数の前記カードについての前記搬送速度を記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブル(D)を生成する搬送速度情報記録処理部(105)と、生成された前記搬送速度情報テーブルに含まれる複数の前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する劣化評価部(106)と、を備える。
このようにすることで、複数のカードの搬送速度の代表値を用いて搬送機構の劣化(搬送ベルトの消耗)の度合いを判定する。これにより、特異な形状を有する一つのカード(例えば、反りが大きいカード)の搬送速度の影響を受けにくくなり、搬送ベルトの消耗に起因する故障の予兆を精度良く検出することができる。
以上より、搬送機構の劣化に起因する故障を予測できる。
また、本発明の第2の態様によれば、上述のカード処理装置は、前記搬送機構によって搬送されたカードが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定する同一カード判定部(107)を更に備え、前記劣化評価部は、異なる複数のカードについての前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する。
このようにすることで、カード処理装置は、異なる複数のカードについての搬送速度の代表値に基づいて搬送機構の劣化の度合いを評価する。これにより、カード固有の形状に依存して生じる搬送速度の偏りを低減することができる。したがって、搬送速度の代表値に基づいて、搬送ベルトの消耗の度合いを一層精度よく評価することができる。
また、本発明の第3の態様によれば、前記同一カード判定部は、前記カードに対し磁気データの読取処理を行った結果に基づいて、前記判定を行う。
ここで、通常、磁気データの内容は、カード別に異なっている。したがって、今回取得された磁気データが、既に搬送速度とともに記録されている磁気データのいずれかと一致するか否かを判定することで、今回新たに挿入されたカードが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定することができる。
また、本発明の第4の態様によれば、前記同一カード判定部は、前記カードから前記磁気データを読み取れなかった場合に、ICチップ(T2)に基づく判定結果に基づいて、前記判定を行う。
このようにすることで、磁気データが読み取れなかった場合であっても、ICチップに基づく判定結果を用いて、今回新たに挿入されたカードが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定することができる。
また、本発明の第5の態様によれば、前記劣化評価部は、複数のカードについての前記搬送速度のうち、所定の範囲から外れた搬送速度を除外して前記搬送機構の劣化の度合いを評価する。
このようにすることで、例えば、カードが大きく歪んでいたために著しく低下した搬送速度などを、代表値の演算に用いないようにすることができる。
また、本発明の第6の態様によれば、前記搬送速度取得部は、前記カードが前記搬送機構の搬送経路のうちの特定領域を搬送されている間における搬送速度を取得する。ここで、前記特定領域は、利用者が挿入口(I)から前記カードに触ることができない領域である。
このようにすることで、カードの搬送速度を計測している間に、利用者が当該カードに触れることを防止することができる。したがって、利用者がカードを手で掴む強さの違いなどによって搬送速度の計測結果が変動することを防止できる。これにより、搬送速度の代表値に基づいて、搬送ベルトの消耗の度合いを精度よく評価することができる。
また、本発明の第7の態様によれば、料金収受機(1A)は、上述のカード処理装置を備える。
また、本発明の第8の態様によれば、カード処理装置評価方法は、搬送機構によって搬送されるカードの搬送速度を取得する搬送速度取得ステップと、複数の前記カードについての前記搬送速度を記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブルを生成する搬送速度情報記録処理ステップと、生成された前記搬送速度情報テーブルに含まれる複数の前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する劣化評価ステップと、を有する。
また、本発明の第9の態様によれば、プログラムは、カード処理装置のコンピュータを、搬送機構によって搬送されるカードの搬送速度を取得する搬送速度取得部、複数の前記カードについての前記搬送速度を記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブルを生成する搬送速度情報記録処理部、生成された前記搬送速度情報テーブルに含まれる複数の前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する劣化評価部、として機能させる。
上述のカード処理装置、料金収受機、カード処理装置評価方法及びプログラムによれば、搬送機構の劣化に起因する故障を予測できる。
第1の実施形態に係る料金収受機の全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係るカード処理装置の構造を示す図である。 第1の実施形態に係る制御部の機能構成を示す図である。 第1の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部の機能を説明する図である。 第1の実施形態に係る制御部の処理フローを示す第1の図である。 第1の実施形態に係る制御部の処理フローを示す第2の図である。 第1の実施形態の変形例に係る搬送速度取得部の機能を説明する第1の図である。 第1の実施形態の変形例に係る搬送速度取得部の機能を説明する第2の図である。 第2の実施形態に係るカード処理装置の機能構成を示す図である。 第2の実施形態に係る故障予測用コンパレータの機能を説明する図である。 第2の実施形態に係る制御部の機能構成を示す図である。 第2の実施形態に係る電圧振幅情報記録処理部の機能を説明する図である。 第2の実施形態に係る制御部の処理フローを示す第1の図である。 第2の実施形態に係る制御部の処理フローを示す第2の図である。 第2の実施形態の変形例に係る制御部の処理フローを示す図である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係るカード処理装置について、図1〜図8を参照しながら説明する。
(料金収受機の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受機の全体構成を示す図である。
本実施形態に係る料金収受機1Aは、有料道路(高速道路)の料金所に設置されている。具体的には、図1に示すように、料金収受機1Aは、料金所における車線Lの路側(アイランド)に設置される。車線Lを走行する車両の運転者(有料道路の利用者)は、この料金収受機1Aとの間で料金収受処理を行う。
図1に示すように、料金収受機1Aは、ICカード(クレジットカード等)による支払いを可能とするため、カード処理装置1を内蔵している。カード処理装置1は、料金収受処理に際し、利用者が有するICカードに記録された情報の読み出し及び書き込みを行う、いわゆるリーダライタ装置である。料金収受機1Aは、カード処理装置1を通じて読み出されたICカードに対し、利用日時、走行履歴、収受金額等を含む利用明細情報を記録する。
なお、料金収受機1Aは、有料道路の本線上に設けられた通常の料金所だけでなく、例えば、サービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるように設けられた料金所(いわゆるスマートインターチェンジ)に設置されていてもよい。
また、他の実施形態においては、料金収受機1Aは利用者が直接操作するタイプの料金収受機(料金自動収受機)ではなく、有人ブースに待機する収受員によって操作されるタイプの料金収受機であってもよい。
(カード処理装置の構造)
図2は、第1の実施形態に係るカード処理装置の構造を示す図である。
図2に示すように、カード処理装置1は、制御部10と、記録媒体11と、搬送機構120と、磁気ヘッド121と、ICコンタクト122と、を備えている。
制御部10は、カード処理装置1全体の動作を司るプロセッサであり、例えば、予め読み込まれたプログラムに従って動作することで後述する種々の機能を発揮する。
記録媒体11は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であって、カード処理装置1に内蔵された記憶デバイスである。
搬送機構120は、挿入口Iから挿入されたカードTを内部に引き込んで、各種処理を可能な位置に搬送する駆動機構である。搬送機構120は、各種処理を完了したカード型媒体を挿入口Iまで戻す搬送も行う。搬送機構120の構造については後述する。
磁気ヘッド121は、カードTに付されている磁気ストライプT1から磁気データを読み取るための機構である。磁気ヘッド121は、カードTが搬送機構120によって搬送されている間に、磁気ストライプT1から磁気データを読み取る。
ICコンタクト122は、カードTに搭載されているICチップT2と電気的接点をとるデバイスである。カードTが搬送機構120によって適切な位置に搬送されることでICコンタクト122の位置とICチップT2の位置とが整合し、電気的接点が形成される。
なお、以下の説明において、カードTは、ICカードのみに限定されない。本実施形態においては、カードTは、カード処理装置1の搬送機構120が搬送可能な規格サイズ(例えば、縦54mm、横85mm、厚さ0.76mm)程度に形成されたカードであれば、如何なる態様のものが含まれる。即ち、カードTには、その種類によっては磁気ストライプT1、ICチップT2の一方又はその両方を具備しないものも含まれる。
次に、搬送機構120の構造について説明する。
搬送機構120は、挿入口Iから挿入されたカードTを料金収受機1Aの内部側(図2の+X方向)に引き込むように搬送動作を行う。なお、以下の説明において、搬送機構120が形成するカードTの搬送経路のうち、挿入口Iに近い側を「上流側」とも表記し、挿入口Iから離れている側(ICコンタクト122に近い側)を「下流側」とも表記する。
図2に示すように、搬送機構120は、DCモータMと、プーリPと、3個の搬送ローラR1、R2、R3と、押さえローラRpと、平ベルトである2個の搬送ベルトB1、B2と、を有してなる。
DCモータMは、制御部10からの指令信号に基づいて回転動作する。DCモータMの動力は、プーリPを通じて搬送ローラR3に伝達される。
3個の搬送ローラR1、R2、R3は、挿入口IからカードTの搬送方向(±X方向)に沿って配置されている。各搬送ローラR1、R2、R3は、2個の搬送ベルトB1、B2によって連結されている。
搬送ベルトB1は、搬送ローラR1と搬送ローラR2とを連結するゴム製の平ベルトであり、搬送ベルトB2は、搬送ローラR2と搬送ローラR3とを連結するゴム製の平ベルトである。上述のDCモータMによって搬送ローラR3が回転すると、その動力が搬送ベルトB2及び搬送ベルトB1を通じて搬送ローラR2、R1を回転させる。
挿入口Iから挿入されたカードTは、各搬送ローラR1、R2、R3を連結しながら回転移動する平ベルト(搬送ベルトB1、B2)の面との摩擦を通じて搬送される。
また、図2の下段に示すように、搬送ローラR1、搬送ローラR2の上側(+Z方向側)には押さえローラRpが設けられている。押さえローラRpは、搬送ベルトB1、B2上を移動するカードTを、搬送ローラR1、搬送ローラR2との間で厚さ方向(±Z方向)に挟み込みながら回転する。これにより、カードTのカード面が歪んでいたり反っていたりする場合であっても、当該歪み、反りを矯正しながら搬送することができる。
搬送機構120は、更に、カードTの搬送経路上の異なる地点に配置された4個の検知センサS1、S2、S3、S4を有している。
各検知センサS1〜S4は、各々の場所にカードTが存在しているか否かを検知可能とする。例えば、検知センサS1〜S4は、高さ方向(±Z方向)に並べられた投光素子と受光素子との対からなり、この投光素子と受光素子との間にカードTが存在する場合、投光素子から投光される検知光が受光素子に到達しなくなる。したがって、その検知センサ(S1〜S4)が配されている地点にカードTが存在することを把握できる。なお、検知センサS1〜S4の具体的な態様は上記に限定されない。
検知センサS1は、搬送経路のうち最も上流側(−X方向側)に配置される。検知センサS1は、挿入口IにカードTが挿入されたか否かを検知するためのセンサである。即ち、制御部10は、利用者によって挿入口IにカードTが差し込まれ、検知センサS1がカードTの存在を検知したことを契機としてDCモータMを回転駆動させる。DCモータMが回転駆動すると、搬送ベルトB1との摩擦によってカードTが内部(+X方向)に引き込まれる。
検知センサS2は、検知センサS1の下流側に配置される。また、検知センサS3は、検知センサS2の更に下流側に配置される。検知センサS2及び検知センサS3は、主に、搬送機構120の搬送動作に異常がないか否かを検知するために設けられている。例えば、搬送機構120によるカードTの搬送中に“カード詰まり”などが発生することが想定される。このような不具合を想定して、制御部10は、検知センサS2でカードTが検知されてから一定時間内に検知センサS3でカードTが検知されなかった場合、“カード詰まり”が発生したものみなし、係員等に向けて異常の通報を行う。
検知センサS4は、最も下流側(+X方向側)に配置される。検知センサS4は、検知センサS3の検知信号との組み合わせで、カードTが目的の位置(即ち、ICコンタクト122とICチップT2との間で電気的接点を得ることができる位置)に到達したか否かを判断するために設けられている。具体的には、制御部10は、検知センサS3、S4の両方が「オン」の状態(カードTを検知している状態)から、検知センサS3のみが「オフ」の状態(カードTを検知していない状態)に遷移した場合に、カードTが目的の位置に到達したものと判断する。
(制御部の機能構成)
図3は、第1の実施形態に係る制御部の機能構成を示す図である。
図3に示すように、制御部10は、センサ情報取得部100、モータ制御部101、磁気データ取得部102、ICチップ処理部103、搬送速度取得部104、搬送速度情報記録処理部105、劣化評価部106及び同一カード判定部107としての機能を発揮する。
センサ情報取得部100は、検知センサS1〜S4(図2参照)の各々から検知信号を受け付けて、当該検知信号が示す情報(「オン」又は「オフ」)を判定する。
モータ制御部101は、DCモータMの動作を制御する。例えば、センサ情報取得部100が検知センサS1から「オン」の検知信号を受け付けた場合、モータ制御部101は、DCモータMを正転させる制御を行う。これにより、挿入口Iに差し込まれたカードTが内部に引き込まれる。また、ICチップ処理部103(後述)がカードTに対する一連の読み出し処理及び書き込み処理を完了した場合、モータ制御部101は、DCモータMを逆転させる制御を行う。これにより、ICチップ処理部103による一連の読み出し、書込み処理が完了したカードTが挿入口Iに戻される。
磁気データ取得部102は、磁気ヘッド121を通じてカードTに付された磁気ストライプT1に記録されている磁気データを読み出して取得する。
ICチップ処理部103は、ICコンタクト122を通じてカードTに付されたICチップT2に対する読み出し、書き込み処理を行う。ICチップ処理部103は、更に、ICコンタクト122を通じて通電を試み、その結果に基づいて、カードTにICチップT2が搭載されているか否かを判定する処理も行う。
搬送速度取得部104は、搬送機構120によって搬送されるカードTの搬送速度を取得する。搬送速度取得部104の具体的な処理については後述する。
搬送速度情報記録処理部105は、複数のカードTについての搬送速度を記録媒体11に記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブルDを生成する。具体的には、搬送速度情報記録処理部105は、挿入された複数のカードTそれぞれについての搬送速度を、逐次、搬送速度情報テーブルDに追加記録していく。
劣化評価部106は、記録媒体11に生成された搬送速度情報テーブルDに含まれる複数の搬送速度の代表値に基づいて搬送機構120の劣化の度合いを評価する。ここで、本実施形態において、搬送機構120の劣化の度合いとは、搬送機構120に用いられる消耗部品の一つである搬送ベルトB1、B2の消耗の度合いである。また、劣化評価部106は、劣化の評価結果が所定の条件を満たした場合(劣化の度合いが所定値を上回った場合)に、そのことを係員に通報する通報機能を有している。
同一カード判定部107は、今回新たに挿入されたカードT(搬送機構120によって搬送されるカードT)が、過去に挿入されたカードであって既に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定する。
次に、本実施形態に係る搬送速度取得部104の機能について、図2を参照しながら具体的に説明する。
搬送速度取得部104は、検知センサS2〜S4から受け付ける検知信号に基づいてカードTの搬送速度を取得する。例えば、搬送速度取得部104は、検知センサS2がカードTの存在を検知してから検知センサS3がカードTの存在を検知するまでの時間(検知時間差Δt23)を計測する。そして、搬送速度取得部104は、検知センサS2と検知センサS3との間の搬送方向(±X方向)における距離を、当該検知時間差Δt23で除算することで搬送速度を取得する。
なお、他の実施形態においては、搬送速度取得部104は、検知センサS3がカードTの存在を検知してから検知センサS4がカードTの存在を検知するまでの時間(検知時間差Δt34)を計測してもよい。この場合、搬送速度取得部104は、検知センサS3と検知センサS4との間の搬送方向(±X方向)における距離を、当該検知時間差Δt34で除算することで搬送速度を取得する。
なお、搬送速度取得部104が搬送速度を取得する態様は上記に限定されない。他の変形例については、図7、図8を用いながら後に説明する。
(搬送速度情報記録処理部の機能)
図4は、第1の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部の機能を説明する図である。
次に、図4を参照しながら、搬送速度情報記録処理部105の機能について具体的に説明する。
挿入口IからカードTが挿入され、所定の条件(図5の処理フローを参照)が満たされた場合、搬送速度情報記録処理部105は、カードTについて取得された搬送速度等を示す各種情報を記録媒体11(図2、図3)に追加記録していき、図4に示すような搬送速度情報テーブルDを生成する。
具体的には、搬送速度情報記録処理部105は、磁気データ取得部102が取得した磁気データ(磁気ストライプT1に記録された磁気データ)のハッシュ値と、ICチップ処理部103によるICチップT2の有無の判定結果と、搬送速度取得部104が取得した搬送速度とを収集する。そして、搬送速度情報記録処理部105は、カードTについて収集されたこれらの各種情報を、カードTの挿入時刻とともに関連付けて記録媒体11に記録する。
その結果、搬送速度情報テーブルDには、カードTの挿入時刻、磁気データのハッシュ値、ICチップT2の有無の判定結果、及び、搬送機構120によるカードTの搬送速度の各々が記録される(図4参照)。
なお、磁気ストライプT1に記録されている磁気データが破損している場合、又は、カードTが磁気ストライプT1そのものを具備しないタイプのものであった場合、磁気データ取得部102は、当該カードTから磁気データを取得することができない。この場合、図4に示すように、搬送速度情報記録処理部105は、当該カードTの磁気データに関する情報として“読取不可”との情報を記録する。また、後述の処理フローで詳細に説明するが、搬送速度情報記録処理部105は、磁気データが“読取不可”であった場合のみ、ICチップ処理部103によるICチップの有無の判定結果を記録する。
(制御部の処理フロー)
図5、図6は、それぞれ、第1の実施形態に係る制御部の処理フローを示す第1の図、第2の図である。
図5に示す処理フローは、挿入口I(図2)にカードTが挿入された時点から開始される。
制御部10のセンサ情報取得部100が検知センサS1(図2)によってカードTの挿入が検知されると、制御部10のモータ制御部101は、DCモータM(図2)を制御して搬送機構120による搬送を開始する(ステップST00)。
センサ情報取得部100は、搬送機構120がカードTを搬送している間に、逐次、検知センサS2、S3、S4(図2)から出力される検知信号を取得する。搬送速度取得部104は、上述の検知時間差Δt23(検知時間差Δt34)の計測結果に基づいて、搬送速度を演算して取得する(ステップST01)。
他方、磁気データ取得部102は、搬送機構120がカードTを搬送している間に、磁気ヘッド121を通じて磁気データの読取処理を行う(ステップST02)。
ステップST02の読取処理の結果、カードT(磁気ストライプT1)から正しく磁気データを読み取れた場合(ステップST03:YES)、同一カード判定部107は、当該読み取った磁気データのハッシュ値を算出するとともに、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDから過去に記録されている複数の磁気データのハッシュ値を参照する。そして、同一カード判定部107は、搬送速度情報テーブルDに、今回新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データのハッシュ値と一致する磁気データのハッシュ値が既に記録されているか否かを判定する(ステップST04)。
搬送速度情報テーブルDに、今回読み取った磁気データのハッシュ値と一致する磁気データのハッシュ値がなかった場合(ステップST04:NO)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に搬送速度が記録されたカードのいずれとも同一でないと判定する。この場合、搬送速度情報記録処理部105は、同一カード判定部107による“同一でない”との判定結果に基づき、ステップST01で取得した新たな搬送速度と、ステップST02で取得した新たな磁気データのハッシュ値とを、カードTの挿入時刻とともに関連付けて、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDに追加記録する(ステップST05)。なお、この場合、今回挿入されたカードTについての「ICチップの有無」の判定結果は記録されない。
他方、搬送速度情報テーブルDに、今回読み取った磁気データのハッシュ値と一致する磁気データのハッシュ値があった場合(ステップST04:YES)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に搬送速度が記録されたカードのいずれかと同一であると判定する。搬送速度情報記録処理部105は、同一カード判定部107による“同一である”との判定結果に基づき、今回挿入されたカードTについて取得された搬送速度等の記録を行うことなく処理を終了する。
また、ステップST02の読取処理の結果、カードTから正しく磁気データを読み取れなかった場合(ステップST03:NO)、次に、ICチップ処理部103は、ICコンタクト122を通じて、挿入されたカードTにICチップT2が搭載されているか否か(ICチップの有無)を判定する(ステップST06)。
次に、同一カード判定部107は、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDから過去に記録されている「ICチップの有無」の判定結果を参照する。そして、同一カード判定部107は、搬送速度情報テーブルDに、今回新たに挿入されたカードTに対するICチップT2の有無の判定結果と一致する判定結果が既に記録されているか否かを判定する(ステップST07)。
搬送速度情報テーブルDに、今回の判定結果と一致する判定結果がなかった場合(ステップST07:NO)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に搬送速度が記録されたカードのいずれとも同一でないと判定する。この場合、搬送速度情報記録処理部105は、同一カード判定部107による“同一でない”との判定結果に基づき、ステップST01で取得した新たな搬送速度と、ステップST06で取得した「ICチップの有無」についての新たな判定結果とを、カードTの挿入時刻とともに関連付けて、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDに追加記録する(ステップST05)。なお、この場合、搬送速度情報記録処理部105は、磁気データを取得できなかったことを示す情報(“読取不可”との情報)も併せて記録する。
他方、搬送速度情報テーブルDに、今回の判定結果と一致する判定結果があった場合(ステップST07:YES)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に搬送速度が記録されたカードのいずれかと同一であると判定する。搬送速度情報記録処理部105は、同一カード判定部107による“同一である”との判定結果に基づき、今回挿入されたカードTについて取得された搬送速度等の記録を行うことなく処理を終了する。
カード処理装置1は、制御部10の以上のような処理フローにより、同一のカードTについての搬送速度が搬送速度情報テーブルDに複数個記録されることを防止する。
次に、図6を参照しながら、制御部10の劣化評価部106の処理フローについて詳細に説明する。
図6に示す処理フローは、例えば、搬送速度情報記録処理部105によって新たな搬送速度等の情報が記録媒体11に記録される度に実行される。ただし、他の実施形態においてはこの態様に限定されず、例えば、図6に示す処理フローは、予め定められた規定時間の経過ごとに実行される態様であってもよい。
劣化評価部106は、記録媒体11に記録された搬送速度情報テーブルDの挿入時刻を参照して、最近に挿入されたカードTのうち、予め規定された複数枚分(例えば、10枚分)のカードTについての搬送速度を参照する(ステップST11)。
次に、劣化評価部106は、ステップST11で参照した複数の搬送速度のうち、予め規定された範囲に属さない搬送速度を異常値とみなし、当該異常値を除外する処理を行う(ステップST12)。ここで、予め規定された範囲は、例えば、搬送機構120が如何なる状態であっても生じ得ないであろうと想定される搬送速度の上限値及び下限値によって規定されてもよい。また、他の実施形態においては、取得された複数枚分の搬送速度の分散値等に基づいて規定されてもよい。
劣化評価部106は、異常値を除外した後、残りの搬送速度から代表値(本実施形態においては平均値)を演算する(ステップST13)。
劣化評価部106は、ステップST13で求めた平均値が予め規定された判定閾値を下回っているか否かを判定する(ステップST14)。
ステップST13で求めた平均値が予め規定された判定閾値を下回っている場合(ステップST13:YES)、異なる複数の(10枚の)カードT全てについて、搬送速度が低下していると判断できる。したがって、この場合は、搬送ベルトB1、B2(図2)が消耗し、例えば、その張力が低下した(ゴムが伸びた等)ことに起因して、搬送速度が全体的に低下していると推察される。そこで、劣化評価部106は、搬送ベルトB1、B2の消耗に起因する機器故障の予兆があることを示す通報処理(遠隔の係員等に通報する処理)を行う(ステップST15)。
他方、ステップST13で求めた平均値が予め規定された判定閾値を下回っていない場合(ステップST13:NO)、通報処理を行うことなく処理を終了する。
(作用、効果)
以上の通り、第1の実施形態に係るカード処理装置1は、搬送機構120によって搬送されるカードTの搬送速度を取得する搬送速度取得部104と、複数のカードTについての搬送速度を記録して搬送速度情報テーブルDを生成する搬送速度情報記録処理部105と、生成された搬送速度情報テーブルDに含まれる複数の搬送速度の代表値(平均値)に基づいて搬送機構120の劣化の度合いを評価する劣化評価部106と、を備えている。
ここで、平ベルト(搬送ベルトB1、B2)が消耗してゴムの張力が低下する(ゴムが伸びる)と、カードTの表面との摩擦力が落ち、当該カードTの搬送速度が低下する。この相関性を利用して、カードTの搬送速度の計測結果に基づいて、平ベルトの消耗の度合いを推量することができる。
しかしながら、搬送機構120におけるカードTの搬送速度は、平ベルトの張力ばかりでなく、当該カードT固有の形状(歪み、反りなど)にも起因して変化し得る。例えば、反り幅が大きいカードTは、搬送ローラR1、R2と押さえローラRp(図2)とによってカードTに印加される力(反りを矯正するための押圧力)が増大するため、反り幅が小さいカードTに比べて搬送速度が遅くなる傾向がある。
そこで、上記のような態様を有するカード処理装置1によれば、複数のカードTの搬送速度の代表値(平均値)を用いて搬送機構120の劣化の度合いを判定する。これにより、特異な形状を有する一つのカードT(例えば、反りが大きいカードT)の搬送速度の影響を受けにくくなり、搬送ベルトB1、B2の消耗に起因する故障の予兆を精度良く検出することができる。
以上より、第1の実施形態に係るカード処理装置1によれば、搬送機構120の劣化に起因する故障を予測できる。
また、第1の実施形態に係るカード処理装置1は、搬送機構120によって搬送されたカードTが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定する同一カード判定部107を更に備えている。そして、劣化評価部106は、異なる複数のカードTについての搬送速度の代表値(平均値)に基づいて搬送機構120の劣化の度合いを評価する。
ここで、カード処理装置1は、利用者により同一のカードTが複数回挿入される場合がある。例えば、何らかの理由でカードTに対する料金収受処理が正常に行われなかった場合、利用者は、その不具合が突発的な要因によるものか否かを確かめるために、再度、同一のカードTをカード処理装置1に挿入することが想定される。
一つのカードTがカード処理装置1に複数回挿入され、当該カードTの搬送速度が複数個記録されると、当該複数の搬送速度の代表値(平均値)は、複数回挿入された一つのカードT固有の形状(歪み、反り)に対する依存度が大きくなる。そうすると、搬送機構120における搬送速度の低下が、搬送ベルトB1、B2の消耗に起因するものか、単に(複数回挿入された)カードT固有の形状に依存するものか、を判別できなくなり、劣化評価の信頼性の低下を招く。
そこで、上記のような態様とすることで、カード処理装置1は、異なる複数のカードTについての搬送速度の代表値(平均値)に基づいて搬送機構120の劣化の度合いを評価する。これにより、搬送速度の代表値に対する、カードT固有の特性(カードT固有の形状等)の影響度を低減することができる。したがって、搬送速度の代表値に基づいて、搬送ベルトB1、B2の消耗の度合いを一層精度よく評価することができる。
また、第1の実施形態に係るカード処理装置1によれば、同一カード判定部107は、カードTに対し磁気データの読取処理を行った結果に基づいて、今回新たに挿入されたカードTが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定する(図5のステップST04参照)。
通常、磁気データの内容は、カードT別に異なっている。したがって、今回取得された磁気データのハッシュ値が、既に搬送速度情報テーブルDに記録されている磁気データのハッシュ値のいずれかと一致するか否かを判定することで、今回新たに挿入されたカードTが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定することができる。
また、同一カード判定部107は、カードTから磁気データを読み取れなかった場合に、当該カードTにICチップT2が搭載されているか否かの判定結果に基づいて、今回挿入されたカードTが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定する(図5のステップST03、ST06、ST07参照)。
カードTから磁気データを読み取れなかった場合、磁気データに基づいて今回挿入されたカードTと過去に搬送速度を記録したカードとが同一か否かを判定することができない。しかし、磁気データによって判定できなかったとしても、ICチップT2の搭載の有無が異なれば、当該カードTは、過去に挿入されたカードTとは異なるカードであると判断することができる。したがって、上記のような態様とすることで、ICチップT2の有無の判定結果を用いて、今回新たに挿入されたカードTが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定することができる。
また、第1の実施形態に係るカード処理装置1によれば、劣化評価部106は、複数のカードTについての搬送速度のうち、所定の範囲から外れた搬送速度を除外して搬送機構120の劣化の度合いを評価する(図6のステップST12参照)。
このようにすることで、例えば、カードTが大きく歪んでいたために著しく低下した搬送速度などを、代表値(平均値)の演算に用いないようにすることができる。
以上、第1の実施形態に係るカード処理装置1について詳細に説明したが、カード処理装置1の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
第1の実施形態においては、検知センサS2がカードTの存在を検知してから検知センサS3がカードTの存在を検知するまでの時間(検知時間差Δt23)、又は、検知センサS3がカードTの存在を検知してから検知センサS4がカードTの存在を検知するまでの時間(検知時間差Δt34)を計測する例を説明した。しかし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
(変形例に係る搬送速度取得部の機能)
図7、図8は、それぞれ、第1の実施形態の変形例に係る搬送速度取得部の機能を説明する第1の図、第2の図である。
図7(a)、(b)はともに、搬送機構120がカードTを下流側(+X方向側)に搬送している状態を示している。
図7(a)は、検知センサS2がオン状態(カードTを検知している状態)からオフ状態(カードTを検知していない状態)に遷移した直後の状態を示している。また、図7(b)は、検知センサS3がオン状態(カードTを検知している状態)からオフ状態(カードTを検知していない状態)に遷移した直後の状態を示している。
第1の実施形態の変形例に係る搬送速度取得部104は、カードTを下流側に搬送する段階で、検知センサS2がオン状態からオフ状態に遷移したタイミング(図7(a))から、検知センサS3がオン状態からオフ状態に遷移したタイミング(図7(b))までの時間差Δt23’を計測して搬送速度を取得してもよい。
図8(a)、(b)はともに、搬送機構120がカードTを上流側(−X方向側)に搬送している状態を示している。
図8(a)は、検知センサS3がオフ状態(カードTを検知していない状態)からオン状態(カードTを検知している状態)に遷移した直後の状態を示している。また、図8(b)は、検知センサS2がオフ状態(カードTを検知していない状態)からオン状態(カードTを検知している状態)に遷移した直後の状態を示している。
第1の実施形態の変形例に係る搬送速度取得部104は、カードTを上流側に搬送する段階で、検知センサS3がオフ状態からオン状態に遷移したタイミング(図8(a))から、検知センサS2がオフ状態からオン状態に遷移したタイミング(図8(b))までの時間差Δt32を計測して搬送速度を取得してもよい。
ここで、図7(a)、(b)に示す状態の場合、搬送速度取得部104は、搬送機構120の搬送経路のうち利用者がカードTに触ることができない領域の搬送中に搬送速度を計測する。
具体的には、搬送機構120がカードTを下流側(+X方向側)に搬送している場合において、カードTの上流側の券端が検知センサS2から検知センサS3まで移動している間は、カードT全体がカード処理装置1の内部に入り込んでいる(カードTの一部が挿入口Iから露出していない)。したがって、利用者は、搬送中のカードTを挿入口Iから触ることができない。
図8(a)、(b)に示す状態の場合も同様である。
具体的には、搬送機構120がカードTを上流側(−X方向側)に搬送している場合において、カードTの上流側の券端が検知センサS3から検知センサS2まで移動している間は、カードT全体がカード処理装置1の内部に入り込んでいる。したがって、利用者は、搬送中のカードTを挿入口Iから触ることができない。
以上のように、第1の実施形態の変形例に係る搬送速度取得部104は、カードTが搬送機構120の搬送経路のうちの特定領域を搬送されている間における搬送速度を取得する。ここで、「特定領域」とは、利用者が挿入口から前記カードに触ることができない領域である(図7、図8参照)。
このようにすることで、カードTの搬送速度を計測している間に、利用者が当該カードTに触れることを防止することができる。したがって、利用者がカードTを手で掴む強さの違いなどによって搬送速度の計測結果が変動することを防止できる。これにより、搬送速度の代表値に基づいて、搬送ベルトB1、B2の消耗の度合いを精度よく評価することができる。
また、第1の実施形態においては、「代表値」とは、複数の搬送速度の平均値であるものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。「代表値」は、例えば、複数の搬送速度の中央値、又は、最頻値であってもよい。
また、他の実施形態において、「代表値」は、計測された搬送速度が予め規定された閾値を下回った(若しくは、上回った)カードTの枚数等であってもよい。例えば、他の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部105は、カードTの搬送速度が「予め規定された閾値以上か否か」を示す判定結果のみを搬送速度情報テーブルDに記録する。そして、劣化評価部106は、搬送速度の「代表値」として、搬送速度が閾値未満であったカードTの枚数をカウントし、当該「代表値」に基づいて搬送ベルトB1、B2の消耗の度合いを評価する態様であってもよい。
また、第1の実施形態において、搬送速度情報記録処理部105は、同一のカードT(重複する磁気データ等を有するカードT)を搬送速度情報テーブルDに記録しないものとして説明したが(図5のステップST04、07等を参照)、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
他の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部105は、挿入された全てのカードTに対して磁気データの読取処理の結果、ICチップT2の有無の判定結果、及び、搬送速度を搬送速度情報テーブルDに記録してもよい。ただし、この場合、劣化評価部106は、搬送速度情報テーブルDの中から、磁気データの読取処理の結果及びICチップT2の有無の判定結果が互いに重複しない複数枚(例えば10枚)のカードTを選択する。そして、劣化評価部106は、当該選択した複数枚のカードTについての搬送速度の代表値(例えば、平均値)を演算して劣化評価を行うものとする。
また、第1の実施形態に係る同一カード判定部107は、搬送速度情報テーブルDに、今回新たに挿入されたカードTに対するICチップT2の“有”、“無”の判定結果と一致する判定結果が既に記録されているか否かを判定する(ステップST07)ものとして説明した。しかし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTのICチップT2から読み取られたICチップデータが既に記録されているか否かを判定するものとしてもよい。
具体的には、同一カード判定部107は、図5のステップST07において、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDのうち、過去に記録されている複数のICチップデータを参照する。そして、同一カード判定部107は、搬送速度情報テーブルDに、今回新たに挿入されたカードTから読み取ったICチップデータと一致するICチップデータが既に記録されているか否かを判定する。そして、搬送速度情報テーブルDに、今回の読み取ったICチップデータと一致するICチップデータがなかった場合(ステップST07:NO)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に搬送速度が記録されたカードのいずれとも同一でないと判定する。他方、搬送速度情報テーブルDに、今回読み取ったICチップデータと一致するICチップデータがあった場合(ステップST07:YES)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に搬送速度が記録されたカードのいずれかと同一であると判定する。搬送速度情報記録処理部105は、同一カード判定部107による“同一である”との判定結果に基づき、今回挿入されたカードTについて取得された搬送速度等の記録を行うことなく処理を終了する。
また、搬送速度取得部104は、センサS2、S3、S4から出力される検知信号の検知時間差の計測結果に基づいて搬送速度を演算する態様として説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。各センサ間の距離は固定であるから、検知時間差そのものを劣化判定に利用してもよい。この場合、搬送速度取得部104が取得した検知時間差は、「搬送速度」の概念に含まれるものとする。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係るカード処理装置について、図9〜図15を参照しながら説明する。
(カード処理装置の機能構成)
図9は、第2の実施形態に係るカード処理装置の機能構成を示す図である。
また、図10は、第2の実施形態に係る故障予測用コンパレータの機能を説明する図である。
第2の実施形態に係るカード処理装置の構造は、第1の実施形態(図2)と同様であるため説明を省略する。
図9に示すように、第2の実施形態に係るカード処理装置1は、磁気ヘッド121と、検波用コンパレータ130と、制御部10とを備えている。
検波用コンパレータ130は、磁気ヘッド121から出力される電圧波形W(カードTの磁気ストライプT1(図2)から磁気データを読み出す際に出力される電圧波形。図10参照)を入力して、デジタル値(「0」又は「1」)に変換する。具体的には、検波用コンパレータ130は、入力される電圧が所定の閾値Vt1以上の場合に「1」に相当する電圧信号を出力し、入力される電圧が所定の閾値Vt1未満の場合に「0」に相当する電圧信号を出力する。制御部10(磁気データ取得部102(図3))は、検波用コンパレータ130から出力される電圧信号に示されるデジタル値を磁気データとして取得する。
なお、検波用コンパレータ130は、第1の実施形態で説明したカード処理装置1も含め、通常のカード処理装置に搭載される。
第2の実施形態に係るカード処理装置1は、上述の検波用コンパレータ130に加え、更に、故障予測用コンパレータ131を備えている。
故障予測用コンパレータ131は、検波用コンパレータ130と同様に、磁気ヘッド121から出力される電圧波形Wを入力してデジタル値(「0」又は「1」)に変換する。ただし、故障予測用コンパレータ131が有する閾値Vt2は、検波用コンパレータ130が有する閾値Vt1よりも高い値に設定されている(図10参照)。
制御部10は、故障予測用コンパレータ131から出力される電圧信号(デジタル値)に基づいて、電圧波形Wの電圧振幅Vmが閾値Vt2以上か否かを判断する。
(制御部の機能構成)
図11は、第2の実施形態に係る制御部の機能構成を示す図である。
図11に示すように、制御部10は、センサ情報取得部100、モータ制御部101、磁気データ取得部102、ICチップ処理部103、劣化評価部106、同一カード判定部107、電圧振幅取得部108及び電圧振幅情報記録処理部109としての機能を発揮する。
センサ情報取得部100、モータ制御部101、磁気データ取得部102及びICチップ処理部103の機能については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
電圧振幅取得部108は、故障予測用コンパレータ131を通じて、磁気ヘッド121から出力される電圧波形の振幅(電圧振幅)を取得する。
電圧振幅情報記録処理部109は、複数のカードTについての電圧振幅を記録して当該電圧振幅を含む電圧振幅情報テーブルEを生成する。
また、第2の実施形態に係る劣化評価部106は、記録媒体11に生成された電圧振幅情報テーブルEに含まれる複数の電圧振幅に基づいて磁気ヘッド121の劣化の度合いを評価する。また、劣化評価部106は、劣化の評価結果が所定の条件を満たした場合(劣化の度合いが所定値を上回った場合)に、そのことを係員に通報する通報機能を有している。
同一カード判定部107は、今回新たに挿入されたカードTが、過去に挿入されたカードであって既に電圧振幅を記録したカードと同一か否かを判定する。
次に、本実施形態に係る電圧振幅取得部108の機能について、図10を参照しながら具体的に説明する。
電圧振幅取得部108は、電圧波形Wを入力した故障予測用コンパレータ131から受け付ける電圧信号(デジタル値)に基づいてカードTの電圧振幅を取得する。例えば、故障予測用コンパレータ131から受け付ける電圧信号に「1」を示すもので含まれる場合、電圧振幅取得部108は、電圧振幅Vmが閾値Vt2以上であると判定する。また、故障予測用コンパレータ131から受け付ける電圧信号の全てが「0」を示すものであった場合、電圧振幅取得部108は、電圧振幅Vmが閾値Vt2未満であると判定する。
なお、上述した通り、故障予測用コンパレータ131が有する閾値Vt2は、実際に磁気データの読取を行う検波用コンパレータ130が有する閾値Vt1よりも高く設定されている(図10参照)。したがって、電圧波形Wの電圧振幅Vmが閾値Vt1以上であって、かつ、閾値Vt2よりも低かった場合は、電圧振幅取得部108は、電圧振幅Vmが閾値Vt2未満であると判定するものの、磁気データ取得部102は正しく磁気データを取得することができる。
(電圧振幅情報記録処理部の機能)
図12は、第2の実施形態に係る電圧振幅情報記録処理部の機能を説明する図である。
次に、図12を参照しながら、電圧振幅情報記録処理部109の機能について具体的に説明する。
挿入口IからカードTが挿入され、所定の条件(図13の処理フローを参照)が満たされた場合、電圧振幅情報記録処理部109は、カードTについて取得された電圧振幅等を示す各種情報を記録媒体11(図2、図3)に追加記録していき、図12に示すような電圧振幅情報テーブルEを生成する。
具体的には、電圧振幅情報記録処理部109は、磁気データ取得部102が取得した磁気データ(磁気ストライプT1に記録された磁気データ)のハッシュ値と、電圧振幅取得部108が取得した電圧振幅(電圧振幅Vmが閾値Vt2以上か、閾値Vt2未満かの判定結果)を示す情報とを収集する。そして、電圧振幅情報記録処理部109は、カードTについて収集されたこれらの各種情報を、カードTの挿入時刻とともに関連付けて記録媒体11に記録する。
その結果、電圧振幅情報テーブルEには、カードTの挿入時刻、磁気データのハッシュ値、及び、電圧振幅についての情報の各々が記録される(図12参照)。
なお、磁気ストライプT1に記録されている磁気データが破損している場合、又は、カードTが磁気ストライプT1そのものを具備しないタイプのものであった場合、磁気データ取得部102は、当該カードTから磁気データを取得することができない。この場合、電圧振幅情報記録処理部109は、磁気データを読み取れないカードTについての電圧振幅を記録しないものとする。
(制御部の処理フロー)
図13、図14は、それぞれ、第2の実施形態に係る制御部の処理フローを示す第1の図、第2の図である。
図13に示す処理フローは、挿入口I(図2)にカードTが挿入された時点から開始される。
制御部10のセンサ情報取得部100が検知センサS1(図2)によってカードTの挿入が検知されると、制御部10のモータ制御部101は、DCモータM(図2)を制御して搬送機構120による搬送を開始する(ステップST20)。
磁気データ取得部102は、搬送機構120がカードTを搬送している間に、磁気ヘッド121及び検波用コンパレータ130を通じて取得された電圧信号(デジタル値)を読み取って磁気データの読取処理を行う(ステップST21)。
また、電圧振幅取得部108は、搬送機構120がカードTを搬送している間に、磁気ヘッド121及び故障予測用コンパレータ131を通じて取得された電圧信号(デジタル値)を読み取って電圧振幅(電圧振幅Vmが閾値Vt2以上か否かを示す情報)を取得する(ステップST22)。
ステップST02の読取処理の結果、カードT(磁気ストライプT1)から正しく磁気データを読み取れた場合(ステップST23:YES)、同一カード判定部107は、記録媒体11の電圧振幅情報テーブルEから過去に記録されている複数の磁気データのハッシュ値を参照する。そして、同一カード判定部107は、当該読み取った磁気データのハッシュ値を算出するとともに、電圧振幅情報テーブルEに、今回新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データのハッシュ値と一致する磁気データのハッシュ値が既に記録されているか否かを判定する(ステップST24)。
電圧振幅情報テーブルEに、今回読み取った磁気データのハッシュ値と一致する磁気データのハッシュ値がなかった場合(ステップST24:NO)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に電圧振幅が記録されたカードのいずれとも同一でないと判定する。
この場合、電圧振幅情報記録処理部109は、同一カード判定部107による“同一でない”との判定結果に基づき、ステップST22で取得した新たな電圧振幅と、ステップST21で取得した新たな磁気データのハッシュ値とを、カードTの挿入時刻とともに関連付けて、記録媒体11の電圧振幅情報テーブルEに追加記録する(ステップST25)。
他方、電圧振幅情報テーブルEに、今回読み取った磁気データのハッシュ値と一致する磁気データのハッシュ値があった場合(ステップST24:YES)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に電圧振幅が記録されたカードのいずれかと同一であると判定する。電圧振幅情報記録処理部109は、同一カード判定部107による“同一である”との判定結果に基づき、今回挿入されたカードTについて取得された電圧振幅等の記録を行うことなく処理を終了する。
また、ステップST21の読取処理の結果、カードTから正しく磁気データを読み取れなかった場合(ステップST23:NO)、今回挿入されたカードTには磁気ストライプT1が付されていないものとみなし、取得された電圧振幅等の記録を行うことなく処理を終了する。
カード処理装置1は、制御部10の以上のような処理フローにより、同一のカードTについての電圧振幅が電圧振幅情報テーブルEに複数個記録されることを防止する。
次に、図14を参照しながら、制御部10の劣化評価部106の処理フローについて詳細に説明する。
図14に示す処理フローは、例えば、電圧振幅情報記録処理部109によって新たな電圧振幅等の情報が記録媒体11に記録される度に実行される。ただし、他の実施形態においてはこの態様に限定されず、例えば、図14に示す処理フローは、予め定められた規定時間の経過ごとに実行される態様であってもよい。
劣化評価部106は、記録媒体11に記録された電圧振幅情報テーブルEの挿入時刻を参照して、最近に挿入されたカードTのうち、予め規定された複数枚分(例えば、10枚分)のカードTについての電圧振幅(電圧振幅Vmが閾値Vt2以上か否かを示す情報)を参照する(ステップST31)。そして、劣化評価部106は、電圧振幅Vmが閾値Vt2未満となっているカードTの枚数をカウントする(ステップST32)。
劣化評価部106は、ステップST32で求めた枚数が予め規定された規定枚数以上か否かを判定する(ステップST33)。
ステップST32で求めた枚数が予め規定された規定枚数以上であった場合(ステップST33:YES)、異なる複数の(10枚の)カードT全てについて、電圧振幅が低下していると判断できる。したがって、この場合は、磁気ヘッド121(図2)がカードTとの摩擦で摩耗し、その読取感度が低下したことに起因して電圧振幅が全体的に低下していると推察される。そこで、劣化評価部106は、磁気ヘッド121の摩耗(劣化)に起因する機器故障の予兆があることを示す通報処理(遠隔の係員等に通報する処理)を行う(ステップST34)。
他方、ステップST32で求めた枚数が予め規定枚数未満であった場合(ステップST33:NO)、通報処理を行うことなく処理を終了する。
(作用、効果)
以上の通り、第2の実施形態に係るカード処理装置1は、カードTから磁気データを読み取る磁気ヘッド121から出力される電圧波形Wの振幅(電圧振幅)を取得する電圧振幅取得部108と、複数のカードTについての電圧振幅を記録して電圧振幅情報テーブルEを生成する電圧振幅情報記録処理部109と、生成された電圧振幅情報テーブルEに含まれる複数の電圧振幅の代表値(電圧振幅Vmが閾値Vt2未満となったカードTの枚数)に基づいて磁気ヘッド121の劣化の度合いを評価する劣化評価部106と、を備えている。
ここで、磁気ヘッド121がカードTの磁気ストライプT1の読取処理を継続すると、徐々に端子が摩耗して読取感度が低下し、電圧波形Wの電圧振幅が低下する。この相関性を利用して、電圧波形Wの電圧振幅の計測結果に基づいて、磁気ヘッド121の摩耗の度合いを推量することができる。
しかしながら、磁気ヘッド121から出力される電圧波形Wの電圧振幅は、磁気ヘッド121の摩耗ばかりでなく、磁気ストライプT1固有の特性や、カードTの搬送機構120による搬送速度等にも起因して変化し得る。ここで、第1の実施形態で説明した通り、搬送機構120によるカードTの搬送速度は、当該カードT固有の形状(歪み、反りなど)に応じて変化する。
そこで、上記のような態様を有するカード処理装置1によれば、複数のカードTの電圧振幅の代表値(電圧振幅Vmが閾値Vt2未満であるカードTの枚数)を用いて搬送機構120の劣化の度合いを判定する。これにより、特異な形状を有し(例えば、反りが大きく)搬送速度が極端に遅い一つのカードTの電圧振幅の影響を受けにくくなり、磁気ヘッド121の摩耗に起因する故障の予兆を精度良く検出することができる。
以上より、第2の実施形態に係るカード処理装置1によれば、磁気ヘッド121の劣化に起因する故障を予測できる。
また、第2の実施形態に係るカード処理装置1は、磁気ヘッド121を通じて磁気データを読み取られたカードTが、過去に電圧振幅を記録したカードと同一か否かを判定する同一カード判定部107を更に備えている。そして、劣化評価部106は、異なる複数のカードTについての電圧振幅に基づいて搬送機構120の劣化の度合いを評価する。
ここで、カード処理装置1は、利用者により同一のカードTが複数回挿入される場合がある。
一つのカードTがカード処理装置1に複数回挿入され、当該カードTの電圧振幅が複数個記録されると、その複数の電圧振幅の代表値は、複数回挿入された一つのカードT固有の特性(磁気ストライプT1固有の特性、当該カードT固有の形状など)に対する依存度が大きくなる。そうすると、磁気ヘッド121における電圧波形Wの電圧振幅の低下が、磁気ヘッド121の摩耗に起因するものか、単に(複数回挿入された)カードT固有の特性に依存するものか、を判別できなくなり、劣化評価の信頼性の低下を招く。
そこで、上記のような態様とすることで、カード処理装置1は、異なる複数のカードTについての電圧振幅の代表値(電圧振幅Vmが閾値Vt2未満であるカードTの枚数)に基づいて磁気ヘッド121の摩耗(劣化)の度合いを評価する。これにより、電圧振幅の代表値に対する、カードT固有の特性(カードT固有の形状等)の影響度を低減することができる。したがって、電圧振幅の代表値に基づいて、磁気ヘッド121の摩耗の度合いを一層精度よく評価することができる。
また、第2の実施形態に係るカード処理装置1によれば、同一カード判定部107は、カードTに対し磁気データの読取処理を行った結果に基づいて、今回新たに挿入されたカードTが、過去に電圧振幅を記録したカードと同一か否かを判定する(図13のステップST24参照)。
今回取得された磁気データが、既に電圧振幅情報テーブルEに記録されている磁気データのいずれかと一致するか否かを判定することで、今回新たに挿入されたカードTが、過去に電圧振幅(電圧振幅Vmが閾値Vt2以上か否かを示す判定結果)を記録したカードと同一か否かを判定することができる。
以上、第2の実施形態に係るカード処理装置1について詳細に説明したが、カード処理装置1の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
(変形例に係る搬送速度取得部の機能)
図15は、第2の実施形態の変形例に係る制御部の処理フローを示す図である。
第2の実施形態の変形例に係る制御部10(劣化評価部106)は、電圧振幅情報テーブルEに記録された複数のカードTについての電圧振幅のうち、搬送速度が所定の範囲(規定搬送速度範囲)から外れたカードTの電圧振幅を除外して、磁気ヘッド121の劣化の度合いを評価する。
具体的には、制御部10は、図14に示す処理フローに代えて、図15に示す処理フローを実行する。なお、図15に示す処理フローのうち、図14に示す処理フローと同一の処理については、同じ符号を付してその説明を省略する。
ステップST20(搬送機構120によるカードTの搬送開始)の後、制御部10(搬送速度取得部104)は、カードTの搬送速度を取得する(ステップST20’)。ここで、搬送速度取得部104は、第1の実施形態と同様の手法で搬送速度を取得してもよい。
また、電圧振幅情報テーブルEに、今回読み取った磁気データのハッシュ値と一致する磁気データのハッシュ値がなかった場合(ステップST24:NO)、同一カード判定部107は、今回挿入されたカードTが、過去に電圧振幅が記録されたカードのいずれとも同一でないと判定する。
この場合、第2の実施形態の変形例に係る電圧振幅情報記録処理部109は、ステップST20’で取得されたカードTの搬送速度を参照する。そして、当該搬送速度が予め定められた規定搬送速度範囲内に属しているか否かを判定する(ステップST24’)。
カードTの搬送速度が規定搬送速度範囲内に属している場合(ステップST24’:YES)、電圧振幅情報記録処理部109は、ステップST22で取得した新たな電圧振幅と、ステップST21で取得した新たな磁気データのハッシュ値とを、カードTの挿入時刻とともに関連付けて、記録媒体11の電圧振幅情報テーブルEに追加記録する(ステップST25)。
他方、カードTの搬送速度が規定搬送速度範囲内に属していない場合(ステップST24’:NO)、電圧振幅情報記録処理部109は、このカードTについての電圧振幅等の情報を記録しない。
ここで、磁気ヘッド121による磁気ストライプT1からの情報を読み出しには電磁誘導の技術が利用されている。そのため、上述したように、磁気ヘッド121から取得される電圧波形W(図10)の電圧振幅Vmは、カードTの搬送速度にも依存して増減する。具体的には、磁気ストライプT1が磁気ヘッド121を通過する速度が速いと、当該磁気ヘッド121から出力される電圧振幅が大きくなり、また、磁気ストライプT1が磁気ヘッド121を通過する速度が遅いと、電圧振幅が小さくなる。
このような特性により、搬送速度が極端に遅い、又は、極端に早いカードTの電圧振幅は、磁気ヘッド121の劣化の度合いを評価するための指標に適さないことが想定される。そこで、本変形例のように、電圧振幅情報記録処理部109は、計測された搬送速度が予め規定された所定の範囲(規定搬送速度範囲)内に属していなかった場合は、そのカードTの電圧振幅を除外して、磁気ヘッド121の劣化の度合いを評価する。このようにすることで、搬送速度に起因する電圧振幅のばらつきの要素を排することができ、磁気ヘッド121の劣化の度合いを精度よく推定することができる。
また、第2の実施形態においては、「代表値」とは、電圧振幅Vmが予め規定された閾値Vt2を下回った(若しくは、上回った)カードTの枚数であるものとして説明したが、他の実施形態ではこの態様に限定されない。
例えば、他の実施形態において、「代表値」は、例えば、複数の電圧の平均値、中央値、又は、最頻値などであってもよい。ただし、この場合、第2の実施形態に係るカード処理装置1は、故障予測用コンパレータ131の代わりに、A/Dコンバータを有しているのが好ましい。そして、電圧振幅情報記録処理部109は、A/Dコンバータを通じて取り込まれた電圧振幅値そのものを電圧振幅情報テーブルEに記録するものとする。
また、第1、第2の実施形態において、搬送速度情報記録処理部105は、新たに挿入されたカードTの搬送速度と、当該カードTから読み取った磁気データのハッシュ値とを、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDに追加記録するものとして説明した。また、同一カード判定部107は、新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データのハッシュ値を算出し、当該ハッシュ値と搬送速度情報テーブルDに既に登録されているハッシュ値とを比較するものとして説明した。しかし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、他の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部105は、新たに挿入されたカードTの搬送速度と、当該カードTから読み取った磁気データのハッシュ値の一部(例えば、上位側7バイト)とを、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDに追加記録するものとしてもよい。また、この場合、他の実施形態に係る同一カード判定部107は、新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データのハッシュ値を算出し、当該ハッシュ値の一部(上位側7バイト)と搬送速度情報テーブルDに既に登録されているハッシュ値の一部(上位側7バイト)とを比較するものとしてもよい。
また、他の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部105は、新たに挿入されたカードTの搬送速度と、当該カードTから読み取った磁気データのCRC(Clinical Research Coordinator)値とを、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDに追加記録するものとしてもよい。また、この場合、他の実施形態に係る同一カード判定部107は、新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データのCRC値を算出し、当該CRC値と搬送速度情報テーブルDに既に登録されているCRC値とを比較するものとしてもよい。
また、他の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部105は、新たに挿入されたカードTの搬送速度と、当該カードTから読み取った磁気データのうち予め定められた一部(例えば、磁気データのデータ配列から抽出した所定の4ケタのデータ配列)とを、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDに追加記録するものとしてもよい。また、この場合、他の実施形態に係る同一カード判定部107は、新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データの一部(所定の4ケタのデータ配列)と、搬送速度情報テーブルDに既に登録されている磁気データの一部(所定の4ケタのデータ配列)とを比較するものとしてもよい。この場合、実際には異なるカードでもあるにかかわらず“同一”と判定されてしまう可能性が上がるが、劣化判定に使う枚数(10枚程度)に比べて十分に確率が低いので、実用上の問題は生じない。
また、他の実施形態に係る搬送速度情報記録処理部105は、新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データを、カード処理装置1の上位装置(別装置)に記録するものとし、記録媒体11の搬送速度情報テーブルDには、上位装置における当該磁気データの参照先(アドレス)のみを記録する態様としてもよい。この場合、他の実施形態に係る同一カード判定部107は、搬送速度情報テーブルDに記録された“参照先”に基づいて、既に上位装置に記録されている磁気データを読み出すとともに、当該上位装置から読み出した磁気データと、新たに挿入されたカードTから読み取った磁気データとを比較するものとしてもよい。
また、カード処理装置1は、第1の実施形態に係る構成と第2の実施形態に係る構成との両方を具備するものであってもよい。即ち、カード処理装置1は、搬送速度取得部104、搬送速度情報記録処理部105及び搬送速度情報テーブルDの組み合わせ(図3参照)と、電圧振幅取得部108、電圧振幅情報記録処理部109及び電圧振幅情報テーブルEの組み合わせ(図11参照)と、の両方を具備する態様であってもよい。これにより、カード処理装置1は、搬送機構120の劣化に起因する故障予測と、磁気ヘッド121の劣化に起因する故障予測と、の両方が可能となる。
なお、上述の各実施形態においては、上述した制御部10の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。更に、制御部10は、それぞれ、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A 料金収受機
1 カード処理装置
10 制御部
100 センサ情報取得部
101 モータ制御部
102 磁気データ取得部
103 ICチップ処理部
104 搬送速度取得部
105 搬送速度情報記録処理部
106 劣化評価部
107 同一カード判定部
108 電圧振幅取得部
109 電圧振幅情報記録処理部
11 記録媒体
120 搬送機構
121 磁気ヘッド
122 ICコンタクト
130 検波用コンパレータ
131 故障予測用コンパレータ
I 挿入口
M DCモータ
R1、R2、R3 搬送ローラ
Rp 押さえローラ
B1、B2 搬送ベルト
P プーリ
S1、S2、S3、S4 検知センサ
T カード
T1 磁気ストライプ
T2 ICチップ
D 搬送速度情報テーブル
E 電圧振幅情報テーブル

Claims (9)

  1. 搬送機構によって搬送されるカードの搬送速度を取得する搬送速度取得部と、
    複数の前記カードについての前記搬送速度を記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブルを生成する搬送速度情報記録処理部と、
    生成された前記搬送速度情報テーブルに含まれる複数の前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する劣化評価部と、
    を備えるカード処理装置。
  2. 前記搬送機構によって搬送されたカードが、過去に搬送速度を記録したカードと同一か否かを判定する同一カード判定部を更に備え、
    前記劣化評価部は、異なる複数のカードについての前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する
    請求項1に記載のカード処理装置。
  3. 前記同一カード判定部は、前記カードに対し磁気データの読取処理を行った結果に基づいて、前記判定を行う
    請求項2に記載のカード処理装置。
  4. 前記同一カード判定部は、前記カードから前記磁気データを読み取れなかった場合に、ICチップに基づく判定結果に基づいて、前記判定を行う
    請求項3に記載のカード処理装置。
  5. 前記劣化評価部は、複数のカードについての前記搬送速度のうち、所定の範囲から外れた搬送速度を除外して前記搬送機構の劣化の度合いを評価する
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載のカード処理装置。
  6. 前記搬送速度取得部は、前記カードが前記搬送機構の搬送経路のうちの特定領域を搬送されている間における搬送速度を取得し、
    前記特定領域は、利用者が挿入口から前記カードに触ることができない領域である
    請求項1から請求項5の何れか一項に記載のカード処理装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載のカード処理装置を備える料金収受機。
  8. 搬送機構によって搬送されるカードの搬送速度を取得する搬送速度取得ステップと、
    複数の前記カードについての前記搬送速度を記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブルを生成する搬送速度情報記録処理ステップと、
    生成された前記搬送速度情報テーブルに含まれる複数の前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する劣化評価ステップと、
    を有するカード処理装置評価方法。
  9. カード処理装置のコンピュータを、
    搬送機構によって搬送されるカードの搬送速度を取得する搬送速度取得部、
    複数の前記カードについての前記搬送速度を記録して当該搬送速度を含む搬送速度情報テーブルを生成する搬送速度情報記録処理部、
    生成された前記搬送速度情報テーブルに含まれる複数の前記搬送速度の代表値に基づいて前記搬送機構の劣化の度合いを評価する劣化評価部、
    として機能させるプログラム。
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