JP2018169146A - 床暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム型ヒーターを用いて既存建築物の床にも容易且つ経済的に設置することができ、しかも従来型の床暖房装置に比較して、より暖房効率を高めることができる上、床下の断熱材の使用量を増大せずとも床下への熱エネルギー損失を大幅に低減し、床下の結露をより確実に防止可能とする新たな床暖房技術を提供する。【解決手段】複数本の根太11間に断熱材13が充填され、複数本の根太上の下地板層12が設けられ、該下地板層12上の所望面積に、フィルム型ヒーター2,2,……の複数枚が、互いに重なり合わない配置となるよう敷設され、複数枚のフィルム型ヒーター2,2,……上には、床仕上げ材層16が、同床仕上げ材層16と当該下地板層12との上下間に、各フィルム型ヒーター2,2,……を挟み込み、積層状に敷設されてなるものとしたこと建築物10の床暖房装置1である。【選択図】図2
Description
この発明は、建築物の床面を通じて室内を暖める暖房技術に関連するものであり、特に、不凍液を使用せず、電力供給によって発熱するシート状、フィルム状、薄板状などの面状のものとしたヒーターを利用した床暖房装置を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
従来型の加熱した不凍液などの熱伝達用の流体を、床下に設置された配管中に循環させ、室内を加熱する床暖房装置は、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、根太間の下がわ寄りに断熱材層が設けられ、根太間の断熱材層上に、下地合板下に配するよう配管パイプが敷設されたものとしてあるが、こうした下地合板下から、下地合板および床仕上げ材を経て室内を加温するようにしたものは、下地合板および床仕上げ材を隔てるため、配管パイプからの熱を室内へ効率的に伝達するのが難しく、しかも配管パイプが線状に配されているから、面状の床仕上げ材を均質に暖め難く、暖房効率を高めるのが困難な上に、流体加熱用ボイラのメンテナンス、および配管パイプに循環する流体を、凡そ10年毎に定期的に交換しなければならないなど、燃料費や電力使用料の外に、維持管理費用の経済的負担が多く、さらにまた、断熱材層が薄い場合には、床下空間との気温差が大きくなって結露や黴を発生し易く、こうした場合には、その湿気や黴が高気密化された室内に進入し、快適な住環境を損ねてしまう虞があった。
従来型の加熱した不凍液などの熱伝達用の流体を、床下に設置された配管中に循環させ、室内を加熱する床暖房装置は、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、根太間の下がわ寄りに断熱材層が設けられ、根太間の断熱材層上に、下地合板下に配するよう配管パイプが敷設されたものとしてあるが、こうした下地合板下から、下地合板および床仕上げ材を経て室内を加温するようにしたものは、下地合板および床仕上げ材を隔てるため、配管パイプからの熱を室内へ効率的に伝達するのが難しく、しかも配管パイプが線状に配されているから、面状の床仕上げ材を均質に暖め難く、暖房効率を高めるのが困難な上に、流体加熱用ボイラのメンテナンス、および配管パイプに循環する流体を、凡そ10年毎に定期的に交換しなければならないなど、燃料費や電力使用料の外に、維持管理費用の経済的負担が多く、さらにまた、断熱材層が薄い場合には、床下空間との気温差が大きくなって結露や黴を発生し易く、こうした場合には、その湿気や黴が高気密化された室内に進入し、快適な住環境を損ねてしまう虞があった。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(2)に見られるような、後付床暖房施工方法に示されているシート状の発熱体を、根太と床下地材の捨て貼りコンパネとの間に配するものとしてあり、不凍液などの熱伝達用の流体、および流体加熱用ボイラなどの設備を不要とし、維持管理コストを大幅に削減することができるものとしているが、シート状の発熱体が発する熱は、床下地材および床仕上げ材を介して室内へと伝達されるものとなることから、床下へ熱が逃げ易く、エネルギー効率が低いという欠点を残すものとなっていた。
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(2)に見られるような、後付床暖房施工方法に示されているシート状の発熱体を、根太と床下地材の捨て貼りコンパネとの間に配するものとしてあり、不凍液などの熱伝達用の流体、および流体加熱用ボイラなどの設備を不要とし、維持管理コストを大幅に削減することができるものとしているが、シート状の発熱体が発する熱は、床下地材および床仕上げ材を介して室内へと伝達されるものとなることから、床下へ熱が逃げ易く、エネルギー効率が低いという欠点を残すものとなっていた。
また、下記の特許文献1(3)の温水式床暖房用パネルなどは、温水管が発する熱を床材を通じて室内に伝達できるから、熱効率に優れていると云えるが、床下地材(荒床)上と床仕上げ材下との間に、配管パイプが埋設された基板が敷設されたものになることから、例えば、既存の床に後付け設置するような場合には、基板が追加された分、床下地材(荒床)から床仕上げ材表面までの上下間寸法が厚くなり、相対的に室内の天井が低くなってしまうという欠点があった。
さらにまた、下記の特許文献1(4)の床暖房用ヒーターに示されるようなシート状ヒーターは、一側に複数個の貫通孔を有する根太取付け代部を有する耐熱性樹脂フィルムが設けられ、該耐熱性樹脂フィルムの片面に、櫛状の正電極と、負電極とが相互の隙間に嵌め合わせるようにスクリーン印刷で設けられ、その上にPTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)インクと呼ばれる正温度係数インクをスクリーン印刷して正温度係数インク層が設けられ、更にその上に耐熱性のある樹脂保護層が設けられたものとしてあり、建築物の根太間に断熱材を充填し、該根太に根太取付け代部を位置合わせするよう、断熱材上に当該シート状ヒーターを配し、シート状ヒーターの貫通孔を通じて根太上面に接着剤を塗布し、フローリング(床仕上げ材)を敷き、これによりローリング(床仕上げ材)が、貫通孔を通じて接着剤で根太に接着されるように施工可能なものとしてあり、前述のとおり、櫛状の正電極と、負電極とが相互の隙間に嵌め合わせるように配されてなるシート状ヒーターは、シートの全面に略均等な発熱が可能なことが知られている。
(1)特開2005−61638号公報 (2)特開2007−224577号公報 (3)特開2000−39158号公報 (4)特開平10−73268号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案されてきている床下に温水パイプを配管する各種床暖房装置類は、何れも燃料や電力などのエネルギー使用に加え、熱伝達用の流体および流体加熱用ボイラなどの設備の設置、および設置後の維持管理に多くの経費を要し、利用者の経済的負担が大きい上、既存の床に設置する場合には、床面を嵩上げすることとなり、天井が低く室内空間を狭くしてしまうという欠点があり、また、こうした欠点を克服可能なものとして開発され、電力のみを使用するシート状ヒーターを床下に敷設する各種床暖房装置類は、温水パイプの配管を要するものに比較して上下間寸法を薄く抑えることができ、既存の建築物への設置も容易になるという利点を有しているが、根太間の床下地材である捨て貼りコンパネなどの下地板層の下面に配し、シート状ヒーターの下に断熱材を配するものとしてあり、シート状ヒーターの発する熱が、下地板層および該下地板層上に敷設したフローリングなどの床仕上げ材を介して室内に伝達されるものであって暖房効率が低く、床下に結露が生ずるのを防止するため、断熱材を厚く設置しなければならないなど、設置費用が嵩むという難点があった。
上述したとおり、従前までに提案されてきている床下に温水パイプを配管する各種床暖房装置類は、何れも燃料や電力などのエネルギー使用に加え、熱伝達用の流体および流体加熱用ボイラなどの設備の設置、および設置後の維持管理に多くの経費を要し、利用者の経済的負担が大きい上、既存の床に設置する場合には、床面を嵩上げすることとなり、天井が低く室内空間を狭くしてしまうという欠点があり、また、こうした欠点を克服可能なものとして開発され、電力のみを使用するシート状ヒーターを床下に敷設する各種床暖房装置類は、温水パイプの配管を要するものに比較して上下間寸法を薄く抑えることができ、既存の建築物への設置も容易になるという利点を有しているが、根太間の床下地材である捨て貼りコンパネなどの下地板層の下面に配し、シート状ヒーターの下に断熱材を配するものとしてあり、シート状ヒーターの発する熱が、下地板層および該下地板層上に敷設したフローリングなどの床仕上げ材を介して室内に伝達されるものであって暖房効率が低く、床下に結露が生ずるのを防止するため、断熱材を厚く設置しなければならないなど、設置費用が嵩むという難点があった。
(発明の目的)
そこで、この発明は、フィルム型ヒーターを用いて既存建築物の床にも容易且つ経済的に設置することができ、しかも従来型の床暖房装置に比較して、より暖房効率を高めることができる上、床下の断熱材の使用量を増大せずとも床下への熱エネルギー損失を大幅に低減し、床下の結露をより確実に防止可能とする新たな床暖房技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の床暖房装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
そこで、この発明は、フィルム型ヒーターを用いて既存建築物の床にも容易且つ経済的に設置することができ、しかも従来型の床暖房装置に比較して、より暖房効率を高めることができる上、床下の断熱材の使用量を増大せずとも床下への熱エネルギー損失を大幅に低減し、床下の結露をより確実に防止可能とする新たな床暖房技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の床暖房装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の床暖房装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、建築物に一体化された床暖房装置であって、複数本の根太を有し、複数本の根太間に断熱材が充填され、複数本の根太上に下地板層が敷設され、該下地板層上の所望面積に、フィルム型ヒーターの複数枚が、互いに重なり合わない配置となるよう敷設されると共に、各フィルム型ヒーターに電源用配線が接続された上、複数枚のフィルム型ヒーター上には、床仕上げ材層が、同床仕上げ材層と当該下地板層との上下間に、各フィルム型ヒーターを挟み込み、積層状に敷設されてなるものとした構成を要旨とする床暖房装置である。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の床暖房装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、建築物に一体化された床暖房装置であって、複数本の根太を有し、複数本の根太間に断熱材が充填され、複数本の根太上に下地板層が敷設され、該下地板層上の所望面積に、フィルム型ヒーターの複数枚が、互いに重なり合わない配置となるよう敷設されると共に、各フィルム型ヒーターに電源用配線が接続された上、複数枚のフィルム型ヒーター上には、床仕上げ材層が、同床仕上げ材層と当該下地板層との上下間に、各フィルム型ヒーターを挟み込み、積層状に敷設されてなるものとした構成を要旨とする床暖房装置である。
この基本的な構成からなる床暖房装置は、その表現を変えて示すならば、建築物に一体化された床暖房装置であって、複数本の根太を有し、複数本の根太間に断熱材が充填され、複数本の根太上に下地板層が敷設され、該下地板層上の所望面積に、緩衝・断熱マットを敷設すると共に、該緩衝・断熱マット上に、フィルム型ヒーターの複数枚が、互いに重なり合わない配置となるよう敷設されると共に、各フィルム型ヒーターに電源用配線が接続された上、複数枚のフィルム型ヒーター上には、床仕上げ材が、同床仕上げ材と当該下地板層との上下間に、前記緩衝・断熱マットおよび各フィルム型ヒーターを挟み込み、積層状に敷設されてなるものとした構成からなる床暖房装置となる。
以上のとおり、この発明の床暖房装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、フィルム型ヒーターを用いて新築は勿論のこと既存建築物の床にも、設置スペースの確保に悩ませることなく、容易且つ経済的に設置することができ、しかも床仕上げ材層の直下にフィルム型ヒーターが敷設されたものとしているから、捨て貼りコンパネなどの下地板層下にヒーターを配した従来型の床暖房装置に比較して、暖房効率を格段に高めることができる上、フィルム型ヒーター下に下地板層を配しているから、床下の断熱材の使用量を増大せずとも床下への熱エネルギー損失を大幅に低減し、床下の結露および黴の発生をより確実に防止することができるという秀でた特徴が得られるものである。
加えて、下地板層上の所望面積に、緩衝・断熱マットが敷設されると共に、該緩衝・断熱マット上に、フィルム型ヒーターの複数枚が敷設されたものとしてあるから、該緩衝・断熱マットが下地板層下への熱損失を大幅に低減し、より一層優れた熱効率を達成可能とすることができる上、該緩衝・断熱マットが、緩衝機能を発揮して床仕上げ材層を介してフィルム型ヒーターに加わる圧力や衝撃力を、フィルム型ヒーターの直下から分散および緩衝し、フィルム型ヒーターを保護するものとなり、格段に秀でた耐久強度を確保し、高効率、長寿命、高耐久性を発揮し、メンテナンスフリーの優れた経済性を実現化することができる。
さらに、この発明の互いに噛合状に配された一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターンが、ヒーター帯膜に積層され、ヒーター回路とされたフィルム型ヒーターが組み合わされてなる床暖房装置によれば、温水パイプが敷設されたものは勿論のこと、一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターンを持たないシート状、フィルム状、薄板状などの面状のヒーターなどが用いられた従来型の床暖房装置に比較して、室内に面する床仕上げ材表面を、格段に均質に加温することができ、よりムラのない床暖房を実現化することができる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
この発明の床暖房装置を設置可能な建築物は、室内に床を有する建築物ということができ、室内の床が、少なくとも下地板層および床仕上げ材層を有するものとしなければならず、例えば、土台を有する1階の床の外、2階以上の床にも設置することが可能であり、後述する実施例にも示しているように、複数本の根太を有し、複数本の根太間に断熱材が充填され、複数本の根太上に下地板層が敷設されてなるものとすることが可能である。
この発明の床暖房装置を設置可能な建築物は、室内に床を有する建築物ということができ、室内の床が、少なくとも下地板層および床仕上げ材層を有するものとしなければならず、例えば、土台を有する1階の床の外、2階以上の床にも設置することが可能であり、後述する実施例にも示しているように、複数本の根太を有し、複数本の根太間に断熱材が充填され、複数本の根太上に下地板層が敷設されてなるものとすることが可能である。
根太は、建築物の1階、および2階以上、各階の床の下地板層を、建築物の土台や梁、その他の骨格部分に対して下支えするよう支持可能とする機能を担っており、充分な強度を有する木製や金属製などの骨格素材製のものとしなければならず、横架材からなるものとすることができる外、ブロック状スペーサーや昇降調節機能を有する脚金具などに置き換えたものとすることができる。
断熱材は、複数本の根太および下地板層よりも下がわを断熱可能とする機能を担い、充分な断熱性、保温性を有するものとしなければならず、予め所定形状に成形されたものを根太間に充填されてなるものとしたり、不定形の柔軟性素材を根太間に充填されてなるものとしたりすることができる外、根太間に未硬化流体状の素材が充填され、瞬時または経時的に硬化されてなるものとすることが可能であり、さらにまた、伸縮自在または否伸縮性の袋または筐体などの内部に断熱性の素材が充填されてなるものとすることができ、例えば、グラスウール、ロックウール、古紙利用セルロースファイバー、セルローズファイバー、羊毛断熱材、フェルト、ポリエステル断熱材、ポリエチレンフォーム(押出、ビーズ法)、ウレタンフォーム(ボード、吹付)、フェノールフォーム、発泡ポリカーボネート、パーティクルボード、パルプセメント板、炭化コルク、木片セメント板、繊維板、木質複合床材、石膏ボード、木毛セメント板、木材、集成材、セラミックス、レンガ、土、コンクリート、または、それらの組み合わせからなるものとすることが可能である。
下地板層は、複数本の根太上にあって、フィルム型ヒーター、および該フィルム型ヒーター上に積層状に配される床仕上げ材層を下がわから支持可能とする機能を担うもので、充分な強度を有する板状のものとしなければならず、例えば、パーティクルボード、パルプセメント板、木片セメント板、繊維板、木質複合床材、発泡ポリエチレン、ウレタンフォーム、石膏ボード、木毛セメント板、木材、集成材、または、それらの組み合わせからなるものとすることができる。
緩衝・断熱マットは、床仕上げ材がわから加わる外部入力や荷重からフィルム型ヒーターを緩衝、保護すると共に、フィルム型ヒーターが発する熱を、下地板層がわに逃がさないよう断熱する機能を担っており、断熱性に優れ、肉厚方向の圧縮を受けた場合にも、柔軟に変形して緩衝すると共に、圧力が除去された後には、元の肉厚まで復帰可能な程度に充分な弾性(緩衝性)を有する素材を選択すべきであり、肉厚方向の圧縮力を受けた場合にもフィルム型ヒーターの許容を超えるような大きな変形を生じないよう、出来るだけ薄いシート状素材を選択するのが望ましく、フィルム型ヒーターが発する熱を、床仕上げ材および建築物室内がわへ反射する機能を有するものとすることができ、緩衝性、断熱性、耐油性、柔軟性、軽量性に優れた素材を選択するのが良く、紙、布、木、樹脂、金属、セラミックス、それらの組み合わせなどからなるシート状のものとするのが良く、金属箔を積層するようにしたり、金属膜を有するものとすることが可能であって、例えば、独立発泡軟質樹脂製のマットとすることができ、機能性および経済性を考慮すると、発泡ポリエチレンシートとするのが良く、発泡ポリエチレンシートの下面に金属薄膜層を積層状に一体化されたものとすることができる。
床仕上げ材は、床の室内に面して露出する最上(表)層を成す機能を担い、例えば、フローリング材、床暖房用フローリング材、薄ベニヤ、畳、床暖房専用畳、CFシート、タイル、コルクタイル、カーペット、石板などとすることができる。
フィルム型ヒーターの下面外装フィルムは、ヒーター回路の下面がわが防水、絶縁するよう被覆され、他物との接触による破損を防止可能とする機能を担うものであり、可撓性を有するフレキシブル下面外装フィルムとされたものとするのが望ましく、ラミネート加工が可能な素材製のものとするのが良く、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリイミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリパラキシレン、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、水素添加型スチレン・ブタヂエンランダム共重合、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキド・メラミン系樹脂、および、それら以外の素材の中から適宜選択されたフィルムとすることができる。
フィルム型ヒーターの上面外装フィルムは、ヒーター回路の上面がわが防水、絶縁するよう被覆され、他物との接触による破損を防止可能とする機能を担っており、可撓性を有するフレキシブル上面外装フィルムとされたものとするのが望ましく、前記下面外装フィルムと同様、前記何れかのフィルム素材からなるものとすることができる。
フィルム型ヒーターのヒーター回路は、外部電力の供給を受け、上・下面外装フィルムの間から発熱可能とする機能を担い、一側櫛状電極パターンと対峙櫛状電極パターンとの間にヒーター帯膜が掛け渡し状に配され、電気的に接続されて一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターン間に電力が供給され、ヒーター帯膜が発熱するようにされてなるものとしなければならず、下面外装フィルム上一側に延伸された一側経線パターン部、および、該一側経線パターン部から枝別れされた複数本の一側枝線パターン部からなる一側櫛状電極パターンが設けられ、当該下面外装フィルム上他側に延伸された対峙経線パターン部、および、該対峙経線パターン部から、前記一側枝線パターン部間に平行するよう枝別れされた複数本の対峙枝線パターン部からなる対峙櫛状電極パターンが設けられ、緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部と各対峙枝線パターン部との経線方向端間に渡り、1または複数本の何れか一方のヒーター帯膜が配されてなるものとすることができる。
これは、後述する実施例にも示してあるとおり、経線方向所定長、緯線方向所定幅のフレキシブル下面外装フィルム上面上に、緯線方向一方端寄りの経線方向に延伸された導電性一側経線パターン部、および、該一側経線パターン部の経線方向一定間隔置き毎となる複数箇所から枝別れされ、当該フレキシブル下面外装フィルム上面上の、緯線方向他方端寄りとなる位置まで延伸された複数本の導電性一側枝線パターン部からなる一側櫛状電極パターンが設けられ、当該フレキシブル下面外装フィルム上面上の、一側経線パターン部とは反対がわであって、緯線方向他方端寄りの経線方向に延伸され、前記各一側枝線パターン部先端から電気的に隔絶された導電性対峙経線パターン部、および該対峙経線パターン部経線方向の、前記各一側枝線パターン部間の中間位置に対応する複数箇所から枝別れされ、当該フレキシブル下面外装フィルム上面上の、緯線方向一方端寄りの、前記一側経線パターン部近傍であって電気的に隔絶する位置まで延伸された複数本の導電性対峙枝線パターン部からなる対峙櫛状電極パターンが設けられ、経線方向に等間隔を隔てて緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部と各対峙枝線パターン部との経線方向端間に渡り、フレキシブル下面外装フィルム上面上の緯線方向適宜間隔置き毎に配された複数本のヒーター帯膜が経線状に配列され、経線方向に交互に配された各一側枝線パターン部、各対峙枝線パターン部、およびそれらに経線方向に跨る各ヒーター帯膜とが、互いの交叉箇所で電気的に接続するよう積層され、当該一側櫛状電極パターンの一側経線パターン部、および対峙櫛状電極パターンの対峙経線パターン部の適所から、夫々フレキシブル下面外装フィルム上面上より経緯方向何れかの外側に電源供給用ハーネス部が導出されてなるものとすることができることになる。
また、フィルム型ヒーターのヒーター回路は、一側櫛状電極パターンの一側枝線パターン部、対峙櫛状電極パターンの対峙枝線パターン部、およびヒーター帯膜の積層上下関係を互いに入れ替え配置されたものとすることが可能であり、例えば、一側櫛状電極パターンの一側枝線パターン部上にヒーター帯膜が積層され、該ヒーター帯膜上に対峙櫛状電極パターンの対峙枝線パターン部が積層するよう配されたものとすることができる外、対峙櫛状電極パターンの対峙枝線パターン部上にヒーター帯膜が積層され、該ヒーター帯膜上に一側櫛状電極パターンの一側枝線パターン部が積層するよう配されたものや、ヒーター帯膜上に一側櫛状電極パターンの一側枝線パターン部および対峙櫛状電極パターンの対峙枝線パターン部が積層するよう配されたものとすることが可能である
フィルム型ヒーターの一側櫛状電極パターンは、対峙櫛状電極パターンとの間に電力が供給されると、ヒーター帯膜が発熱して暖房可能とする機能を担うものであり、電気伝導率に優れた素材製のものとしなければならず、例えば、銅、金、銀、鉛、亜鉛、錫、鉄、アルミニウム、その他、および何れかの合金、複合素材製とされたものとすることが可能であり、それら何れかの素材からなる箔、薄膜、薄板からなるものとすることができ、フレキシブル上・下面外装フィルムと共に、柔軟に変形可能とするよう弾性変形可能なものとするのが良く、一側経線パターン部および一側枝線パターン部を、エッチング、切削、プレス加工、レーザー加工などの適宜加工によって形造られたものとすることが可能である。
フィルム型ヒーターの一側経線パターン部は、外部電力の供給を受け、一側枝線パターン部に対して高効率で電力供給可能とする機能を担っていて、下面外装フィルム上一側に沿って延伸され、枝別れされた複数本の一側枝線パターン部に、略均質に電力供給可能とされたものとすべきであり、後述する実施例にも示すように、電流の流れ方向の断面積を、1つの一側枝線パターン部の電流の流れ方向の断面積よりも大きく設定されたものとすることができる。
フィルム型ヒーターの一側枝線パターン部は、対峙櫛状電極パターンの対峙枝線パターン部との間に配するヒーター帯膜に電流を供給可能とする機能を担うものであり、一側櫛状電極パターンの一部であって、一側経線パターン部と一体化されて低電気抵抗に電流を供給可能とするものとすべきであり、下面外装フィルム上一側に沿って延伸された一側経線パターン部から枝別れされた複数本の電気回路パターン部分であるということができ、後述する実施例にも示してあるとおり、経線方向所定長、緯線方向所定幅の下面外装フィルム上面上に、緯線方向一方端寄りの経線方向に延伸された導電性一側経線パターン部の経線方向一定間隔置き毎となる複数箇所から枝別れされ、当該下面外装フィルム上面上の、緯線方向他方端寄りとなる位置まで延伸された複数本の導電性回路パターンとすることができる。
フィルム型ヒーターの対峙櫛状電極パターンは、一側櫛状電極パターンと、互いの、一側・対峙枝線パターン部同士が噛み合わせ状且つ非接触状態に対峙され、それら一側・対峙枝線パターン部同士間に掛け渡しされたヒーター帯膜に電流を供給可能とする機能を担い、下面外装フィルム上他側に沿って延伸された対峙経線パターン部、および、該対峙経線パターン部から前記一側枝線パターン部間に平行するよう枝別れされた複数本の対峙枝線パターン部からなるものとするのが望ましく、材質は前記一側櫛状電極パターンと同一のものとすると好都合のものとなる。
フィルム型ヒーターの対峙経線パターン部は、外部電力の供給を受け、対峙枝線パターン部に対して効率良く電力供給可能とする機能を担うもので、下面外装フィルム上一側に沿って延伸された一側経線パターン部に対し、一側・対峙枝線パターン部の配設範囲を挟み、該下面外装フィルム上他側に沿って延伸され、一側経線パターン部に対して平行状に対峙するよう配されたものとすべきであり、後述する実施例にも示すように、前記一側経線パターン部と同様、電流の流れ方向の断面積が、1つの対峙枝線パターン部の電流の流れ方向の断面積よりも大きく設定されたものとすることができる。
フィルム型ヒーターの対峙枝線パターン部は、一側櫛状電極パターンの一側枝線パターン部との間に配されたヒーター帯膜に電流を供給可能とする機能を担うものとし、対峙櫛状電極パターンの一部であって、対峙経線パターン部と一体化され、電流を効率良く供給可能とされたものとすべきであり、下面外装フィルム上他側に沿って延伸された一側経線パターン部から枝別れされた複数本の電気回路パターン部分であると言うことができ、後述する実施例にも示しているとおり、経線方向所定長、緯線方向所定幅の下面外装フィルム上面上に、緯線方向他方端寄りの経線方向に延伸された導電性対峙経線パターン部の経線方向一定間隔置き毎となる複数箇所から枝別れされ、当該下面外装フィルム上面上の、緯線方向一方端寄りとなる位置まで延伸された複数本の導電性回路パターンとされ、各先端部分は、一側櫛状電極パターンに短絡しない形状および配置とされたものとするのが良い。
前記の一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターンは、何もフレキシブル上・下面外装フィルムと同等か、またはそれ以上に柔軟な素材製のものなどとすることが可能である。
前記の一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターンは、何もフレキシブル上・下面外装フィルムと同等か、またはそれ以上に柔軟な素材製のものなどとすることが可能である。
フィルム型ヒーターのヒーター帯膜は、外部から電流の供給を受け、上・下面外装フィルムの間から発熱可能とする機能を担っており、シート状の発熱体とされたものとしなければならず、ニクロム線や炭素繊維からなるものとすることができ、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有する発熱体からなるものとするのが望ましく、炭素繊維やグラファイトからなるもの、または、耐熱性基材に対して炭素繊維やグラファイトを塗布および含浸の少なくとも何れか一方の処理によって製造されたものなどとすることができ、後述する実施例にも示してあるとおり、フレキシブル上・下面外装フィルムと同等か、またはそれ以上に柔軟な素材製のものとするのが良い。
フィルム型ヒーターの電源供給用ハーネス部は、上・下面外装フィルム間のヒーター回路に対して外部電力を供給可能とする機能を担っており、一側櫛状電極パターン、および、これに対をなす対峙櫛状電極パターンに夫々接続され、交流電源または直流電源の何れか一方を供給可能とされたものとすべきであり、後述する実施例にも示すとおり、銅製の電線コードからなるものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の床暖房装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
建築物の床暖房装置を示す断面図である。
建築物の床暖房装置を示す斜視図である。
フィルム型ヒーターを示す平面図である。
フィルム型ヒーターの分解状態を示す平面図である。
図1および図2に示すように、床仕上げ材層16と下地板層12との上下間に、各フィルム型ヒーター2,2,……を挟み込み、積層状に敷設されてなるものとした、この発明のフィルム型ヒーター2を利用した建築物10の床暖房装置1における代表的な一実施例を示すものである。
当該フィルム型ヒーター2は、住宅などの建築物10の1階および2階以上の何れの床にも敷設可能なものであり、建築物10の1階の床に当該フィルム型ヒーター2,2,……が複数枚敷設された床暖房装置1は、同図1および図2に示しているように、1階の土台、大引上に配設された複数本の根太11,11,……を有し、複数本の根太11,11,……間に、現場吹付け後に硬質するタイプの発泡樹脂製の断熱材13,13,……が充填され、複数本の根太11,11,……上に、構造用合板製の下地板層12,12,……が敷設され、該下地板層12,12,……上の当該フィルム型ヒーター2,2,……が敷設される所望面積に、緩衝・断熱マット14,14,……を敷設すると共に、各フィルム型ヒーター2,2,……の外周縁部分の適所数個所が釘打ち機などによる釘により、該緩衝・断熱マット14,14,……および下地板層12,12,……に固定したものとされ、各フィルム型ヒーター2,2,……に電源用配線15,15,……が接続された上、隣接する各フィルム型ヒーター2,2,……の外周縁部間に跨るよう配した養生テープ(粘着テープ)などによって固定され、さらに、複数枚のフィルム型ヒーター2,2,……上には、床暖房対応フローリング、床暖房専用畳、CFシート、コルクタイル、カーペット、石板などの床仕上げ材16,16,……が、同床仕上げ材16,16,……と当該下地板層12,12,……との上下間に、発泡ポリエチレンシート製の前記緩衝・断熱マット14,14,…および各フィルム型ヒーター2,2,……が挟み込まれ、積層状に敷設されてなるものである。
前記下地板層12の上下間厚さは、床仕上げ材16がフローリング、畳の場合12mm、床仕上げ材16がCF、タイル、コルクタイルの場合9mm、床仕上げ材16が石板の場合5.5mm、断熱材13の上下間厚さが45mm以上とされたものとするのが望ましく、緩衝・断熱マット14は、発泡ポリエチレンシート製の場合1mm、床仕上げ材16が畳15mmの場合は、薄いベニヤ2.5mmが、フィルム型ヒーター2上に積層状に敷設され、さらに、該薄いベニヤ2.5mm上に、畳15mmが積層状に敷設されてなるものとするのが良い。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のフィルム型ヒーター2,2,……が利用された建築物10の床暖房装置1によれば、下地板層12,12,……から床仕上げ材16,16,……までの上下間厚さを薄く制限することができ、しかも既存の建築物10に設置する場合には、床仕上げ材16,16,……に従来のフローリング材をそのまま再利用し、発熱温度を低く抑制して利用すれば、室内を充分に暖房できる上、床仕上げ材16,16,……の反りや隙間の発生を抑制して、格段に経済的に設置、利用することが可能となり、しかも、フィルム型ヒーター2,2,……下に、緩衝・断熱マット14,14,……が敷設されたものとしたから、下地板層12,12,……から床下に熱を逃がすことなく、一段と効率良く室内を暖房することができるという利点が得られる。
以上のとおりの構成からなるこの発明のフィルム型ヒーター2,2,……が利用された建築物10の床暖房装置1によれば、下地板層12,12,……から床仕上げ材16,16,……までの上下間厚さを薄く制限することができ、しかも既存の建築物10に設置する場合には、床仕上げ材16,16,……に従来のフローリング材をそのまま再利用し、発熱温度を低く抑制して利用すれば、室内を充分に暖房できる上、床仕上げ材16,16,……の反りや隙間の発生を抑制して、格段に経済的に設置、利用することが可能となり、しかも、フィルム型ヒーター2,2,……下に、緩衝・断熱マット14,14,……が敷設されたものとしたから、下地板層12,12,……から床下に熱を逃がすことなく、一段と効率良く室内を暖房することができるという利点が得られる。
図3および図4に示す事例は、下面外装フィルム3上一側に沿って延伸された一側経線パターン部60、および該一側経線パターン部60から枝別れされた複数本の一側枝線パターン部61,61,……からなる一側櫛状電極パターン6が設けられ、当該下面外装フィルム3上他側に沿って延伸された対峙経線パターン部70、および該対峙経線パターン部70から、前記一側枝線パターン部61,61,……間に平行するよう枝別れされた複数本の対峙枝線パターン部71,71,……からなる対峙櫛状電極パターン7が設けられ、緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部61,61,……と各対峙枝線パターン部71,71,……との経線方向端間に渡り、1または複数本の何れか一方のヒーター帯膜8が配されてヒーター回路5とされた上、当該一側櫛状電極パターン6および対峙櫛状電極パターン7の適所から電源供給用ハーネス部9が導出され、当該下面外装フィルム3と上面外装フィルム4との間に、前記ヒーター回路5が積層、密閉状に封止、一体化されてなるものとした、この発明のフィルム型ヒーターにおける代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のフィルム型ヒーター2は、経線方向所定長(70cm)、緯線方向所定幅(29cm)の無色透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)製フレキシブル下面外装フィルム3上面上に、緯線方向一方端寄りの経線方向に延伸された導電性(銅箔製)一側経線パターン部60、および、該一側経線パターン部60の経線方向一定間隔(10cm)置き毎となる複数箇所(5箇所)から枝別れされ、当該フレキシブル下面外装フィルム3上面上の、緯線方向他方端寄りとなる位置まで延伸された複数本の導電性(銅箔製)一側枝線パターン部61,61,……からなる一側櫛状電極パターン6が設けられたものである。
当該フレキシブル下面外装フィルム3上面上の、一側経線パターン部60とは反対がわであって、緯線方向他方端寄りの経線方向に延伸され、前記各一側枝線パターン部61,61,……先端から電気的に隔絶した導電性(銅箔製)対峙経線パターン部70、および、該対峙経線パターン部70経線方向の、前記各一側枝線パターン部61,61,……間の中間位置に対応する複数箇所から枝別れされ、当該フレキシブル下面外装フィルム3上面上の、緯線方向一方端寄りの、前記一側経線パターン部60近傍であって電気的に隔絶する位置まで延伸された複数本の導電性(銅箔製)対峙枝線パターン部71,71,……からなる対峙櫛状電極パターン7が設けられたものである。
さらに、当該フレキシブル下面外装フィルム3上面上の、経線方向に等間隔(5cm)を隔てて緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部61,61,……と各対峙枝線パターン部71,71,……との経線方向端間に渡り、フレキシブル下面外装フィルム3上面上の緯線方向適宜間隔(3mm)置き毎に配された、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有する複数本のヒーター帯膜8,8,……が経線状に配列され、経線方向に交互に配された各一側枝線パターン部61,61,……、各対峙枝線パターン部71,71,……、および、それらに経線方向に跨る各ヒーター帯膜8,8,……とが、互いの交叉箇所で電気的に接続するよう積層され、当該一側櫛状電極パターン6の一側経線パターン部60、および、対峙櫛状電極パターン7の対峙経線パターン70の適所から、夫々フレキシブル下面外装フィルム3上面上より経線方向外側に電源供給用ハーネス部9が導出され、当該フレキシブル下面外装フィルム3上面上の、一側櫛状電極パターン6と対峙櫛状電極パターン7、およびそれに積層したヒーター帯膜8,8,……からなるヒーター回路5上面上に、PET(ポリエチレンテレフタレート)製フレキシブル上面外装フィルム4が積層状に一体化されるようにし、該フレキシブル下面外装フィルム3とフレキシブル上面外装フィルム4との間に、前記ヒーター回路5を密閉状にラミネート封止、一体化されて、全厚さ0.4cmのフィルム型ヒーター2とされたものである。
(実施例2の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のフィルム型ヒーター2は、図3および図4からも明確に理解できる通り、経線方向所定長(60cm)、緯線方向所定幅(29cm)の無色透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)製フレキシブル下面外装フィルム3、およびフレキシブル上面外装フィルム4との間に、ヒーター回路5を密閉状にラミネート封止して全厚さ0.4cmのシート状にされたものとしたから、1枚単位の重量を大幅に軽量化し、運搬および取扱い性に優れており、図1および図2に示すように、下地板層12上に敷設された緩衝・断熱マット14上に、当該フィルム型ヒーター2の複数枚を互いに重なり合わない配置とするよう敷き詰め、ヒーター回路5より外側となるフレキシブル下・上面外装フィルム3,4の外周縁数個所が、タッカー釘などを用いて仮固定され、各電源供給用ハーネス部9が下地板層12下に貫通した状態に床下配線され、室内壁適所に設けたコントローラーに接続され、各フィルム型ヒーター2,2,……の周囲、および各フィルム型ヒーター2,2,……の間を養生粘着テープで固定され、その上にフローリングやクッションフロアなどの仕上げ材が施工されたものとすることが可能であり、新設の床面だけでなく、既設の床面にも容易に設置することができるという大きな利点を有している。
以上のとおりの構成からなるこの発明のフィルム型ヒーター2は、図3および図4からも明確に理解できる通り、経線方向所定長(60cm)、緯線方向所定幅(29cm)の無色透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)製フレキシブル下面外装フィルム3、およびフレキシブル上面外装フィルム4との間に、ヒーター回路5を密閉状にラミネート封止して全厚さ0.4cmのシート状にされたものとしたから、1枚単位の重量を大幅に軽量化し、運搬および取扱い性に優れており、図1および図2に示すように、下地板層12上に敷設された緩衝・断熱マット14上に、当該フィルム型ヒーター2の複数枚を互いに重なり合わない配置とするよう敷き詰め、ヒーター回路5より外側となるフレキシブル下・上面外装フィルム3,4の外周縁数個所が、タッカー釘などを用いて仮固定され、各電源供給用ハーネス部9が下地板層12下に貫通した状態に床下配線され、室内壁適所に設けたコントローラーに接続され、各フィルム型ヒーター2,2,……の周囲、および各フィルム型ヒーター2,2,……の間を養生粘着テープで固定され、その上にフローリングやクッションフロアなどの仕上げ材が施工されたものとすることが可能であり、新設の床面だけでなく、既設の床面にも容易に設置することができるという大きな利点を有している。
(結 び)
叙述の如く、この発明床暖房装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易である上、従前からの床暖房技術と違い、フィルム型ヒーターを採用した新構造により、配管パイプの敷設および流体加熱用ボイラの屋外設置を不要として部品点数を大幅削減できて床構造全体を一段と薄形化したものとすることができるだけではなく、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができから、設置および維持経費を削減したいと希望するユーザーは勿論のこと、床下暖房を、より経済的に提供、設置出来る新技術の開発に期待を寄せる建設業界、建具業界および内装業界等においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
叙述の如く、この発明床暖房装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易である上、従前からの床暖房技術と違い、フィルム型ヒーターを採用した新構造により、配管パイプの敷設および流体加熱用ボイラの屋外設置を不要として部品点数を大幅削減できて床構造全体を一段と薄形化したものとすることができるだけではなく、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができから、設置および維持経費を削減したいと希望するユーザーは勿論のこと、床下暖房を、より経済的に提供、設置出来る新技術の開発に期待を寄せる建設業界、建具業界および内装業界等においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 床暖房装置
10 同 建築物
11 同 根太
12 同 下地板層
13 同 断熱材
14 同 緩衝・断熱マット
15 同 電源用配線
16 同 床仕上げ材
2 フィルム型ヒーター
3 フレキシブル下面外装フィルム(下面外装フィルム)
4 フレキシブル上面外装フィルム(上面外装フィルム)
5 ヒーター回路
6 一側櫛状電極パターン
60 同 一側経線パターン部
61 同 一側枝線パターン部
7 対峙櫛状電極パターン
70 同 対峙経線パターン部
71 同 対峙枝線パターン部
8 ヒーター帯膜
9 電源供給用ハーネス部
10 同 建築物
11 同 根太
12 同 下地板層
13 同 断熱材
14 同 緩衝・断熱マット
15 同 電源用配線
16 同 床仕上げ材
2 フィルム型ヒーター
3 フレキシブル下面外装フィルム(下面外装フィルム)
4 フレキシブル上面外装フィルム(上面外装フィルム)
5 ヒーター回路
6 一側櫛状電極パターン
60 同 一側経線パターン部
61 同 一側枝線パターン部
7 対峙櫛状電極パターン
70 同 対峙経線パターン部
71 同 対峙枝線パターン部
8 ヒーター帯膜
9 電源供給用ハーネス部
Claims (5)
- 建築物に一体化された床暖房装置であって、複数本の根太を有し、複数本の根太間に断熱材が充填され、複数本の根太上に下地板層が敷設され、該下地板層上の所望面積に、フィルム型ヒーターの複数枚が、互いに重なり合わない配置となるよう敷設されると共に、各フィルム型ヒーターに電源用配線が接続された上、複数枚のフィルム型ヒーター上には、床仕上げ材層が、同床仕上げ材層と当該下地板層との上下間に、各フィルム型ヒーターを挟み込み、積層状に敷設されてなるものとしたことを特徴とする床暖房装置。
- 建築物に一体化された床暖房装置であって、複数本の根太を有し、複数本の根太間に断熱材が充填され、複数本の根太上に下地板層が敷設され、該下地板層上の所望面積に、緩衝・断熱マットが敷設され、該緩衝・断熱マット上に、フィルム型ヒーターの複数枚が、互いに重なり合わない配置となるよう敷設されると共に、各フィルム型ヒーターに電源用配線が接続された上、複数枚のフィルム型ヒーター上には、床仕上げ材が、同床仕上げ材と当該下地板層との上下間に、前記緩衝・断熱マットおよび各フィルム型ヒーターを挟み込み、積層状に敷設されてなるものとしたことを特徴とする床暖房装置。
- フィルム型ヒーターが、下面外装フィルム上一側に沿って延伸された一側経線パターン部、および、該一側経線パターン部から枝別れされた複数本の一側枝線パターン部からなる一側櫛状電極パターンが設けられ、当該下面外装フィルム上他側に沿って延伸された対峙経線パターン部、および、該対峙経線パターン部から、前記一側枝線パターン部間に平行するよう枝別れされた複数本の対峙枝線パターン部からなる対峙櫛状電極パターンが設けられ、緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部と各対峙枝線パターン部との経線方向端間に渡って1または複数本の何れか一方のヒーター帯膜が配されてヒーター回路とされた上、当該一側櫛状電極パターンおよび対峙櫛状電極パターンの適所から電源供給用ハーネス部が導出され、当該下面外装フィルムと上面外装フィルムとの間に、前記ヒーター回路が積層、密閉状に封止、一体化されてなるものとした、請求項1および2何れか一方記載の床暖房装置。
- フィルム型ヒーターが、経線方向所定長、緯線方向所定幅のフレキシブル下面外装フィルム上面上に、緯線方向一方端寄りの経線方向に延伸され導電性一側経線パターン部、および、該一側経線パターン部の経線方向一定間隔置き毎となる複数箇所から枝別れされ、当該フレキシブル下面外装フィルム上面上の、緯線方向他方端寄りとなる位置まで延伸され複数本の導電性一側枝線パターン部からなる一側櫛状電極パターンが設けられ、当該フレキシブル下面外装フィルム上面上の、一側経線パターン部とは反対がわであって、緯線方向他方端寄りの経線方向に延伸され、前記各一側枝線パターン部先端から電気的に隔絶した導電性対峙経線パターン部、および、該対峙経線パターン部経線方向の、前記各一側枝線パターン部間の中間位置に対応する複数箇所から枝別れされ、当該フレキシブル下面外装フィルム上面上の、緯線方向一方端寄りの、前記一側経線パターン部近傍であって電気的に隔絶する位置まで延伸された複数本の導電性対峙枝線パターン部からなる対峙櫛状電極パターンが設けられ、経線方向に等間隔を隔てて緯線噛合状に配された各一側枝線パターン部と各対峙枝線パターン部との経線方向端間に渡り、フレキシブル下面外装フィルム上面上の緯線方向適宜間隔置き毎に配された、複数本のヒーター帯膜が経線状に配列され、経線方向に交互に配された各一側枝線パターン部、各対峙枝線パターン部、および、それらに経線方向に跨る各ヒーター帯膜とが、互いの交叉箇所で電気的に接続するよう積層され、当該一側櫛状電極パターンの一側経線パターン部、および、対峙櫛状電極パターンの対峙経線パターンの適所から、夫々フレキシブル下面外装フィルム上面上より経緯方向何れかの外側に電源供給用ハーネス部が導出され、当該フレキシブル下面外装フィルム上面上の、一側櫛状電極パターンと対峙櫛状電極パターン、およびそれに積層したヒーター帯膜からなるヒーター回路上面上に、フレキシブル上面外装フィルムが積層状に一体化され、該フレキシブル下面外装フィルムとフレキシブル上面外装フィルムとの間に、前記ヒーター回路を密閉状にラミネート封止、一体化されなるものとした、請求項1および2何れか一方記載の床暖房装置。
- フィルム型ヒーターのヒーター帯膜が、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有する発熱体である、請求項3および4何れか一記載の床暖房装置。
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JP2017069321A JP2018169146A (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 床暖房装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102564307B1 (ko) * | 2022-02-10 | 2023-08-04 | 현대건설(주) | 천장고 확보가 용이한 층간 소음 저감형 온돌층 시공 방법 |
-
2017
- 2017-03-30 JP JP2017069321A patent/JP2018169146A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102564307B1 (ko) * | 2022-02-10 | 2023-08-04 | 현대건설(주) | 천장고 확보가 용이한 층간 소음 저감형 온돌층 시공 방법 |
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