JP2018168313A - 積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物および積層フレキシブルプリント配線板 - Google Patents

積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物および積層フレキシブルプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の接着剤組成物では積層フレキシブルプリント配線板の高密度化へ対応できない問題があった。
【解決手段】エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填剤、難燃助剤および官能基を含む高分子量エラストマを含む積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物であって、前記無機充填剤として水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのどちらか1種以上を用い、前記無機充填剤の重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が0.75〜1.5umの範囲であり、含有量が前記の官能基を含む高分子量エラストマ50質量部に対し40〜100質量部の範囲であることが特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板を接着剤組成物を介して積層することができ、積層されたフレキシブルプリント配線板間を接続するためのビアホールを、レーザーにてひさしがないように形成できる積層フレキシブルプリント配線板用接着剤組成物に関する。
携帯電話機等の電子機器の内部には、用途に合わせて様々なフレキシブルプリント配線板が配設されている。近年、電子機器の小型化および高性能化に伴い、内装される電子部品も高密度化への対応が必要となっている。フレキシブルプリント配線板には高密度化が可能な両面フレキシブルプリント配線板が多用されている。
このような両面又は従来方式の片面フレキシブルプリント配線板を更に高密度化するため、これらのフレキシブルプリント配線板を接着剤層を介して積層する方法が提案されている。
フレキシブルプリント配線板は、絶縁性の樹脂からなる基材層と基材層上に銅などの導電層で構成されている。これらを積層するためには上下の基材の固定および導電層が短絡しないように絶縁層として接着剤層を設ける必要がある。この接着剤層に求められる性能は、はんだ耐熱性、基材層と導電層との接着力および難燃性の他に、ビアホール形成性が挙げられる。
特開2012−180472号公報
同一の基板層に作製される導電層の配置間隔も高密度化に伴い年々狭くなっている。また、これに伴い上下のフレキシブルプリント基板を接続するためのビアホール径も小径化してきている。
特許文献1に示される従来方式の片面フレキシブルプリント配線板用の表面を保護するためのカバーレイ用接着剤組成物は、はんだ耐熱性、基材層と導電層との接着力、難燃性については従来の市場要求を満たしていたが、無機充填剤の粒子径が大きいため、レーザーでビアホールを形成した際、断面に無機充填剤粒子が剥き出しになる。この場合、後工程で無機充填剤の粒子が樹脂から脱落し、導電層上を汚染することによる導電不具合が懸念され、従来の接着剤組成物では積層フレキシブルプリント配線板の高密度化へ対応できない問題が内在している。
前記の課題を解決するため、本発明は、[1]エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填剤、難燃助剤および官能基を含む高分子量エラストマを含む積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物であって、前記無機充填剤として水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのどちらか1種以上を用い、前記無機充填剤の重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が0.75〜1.5umの範囲であり、含有量が前記の官能基を含む高分子量エラストマ50質量部に対し40〜100質量部の範囲であることが特徴の積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物を提供するものである。
また、[2]前記エポキシ樹脂は、加水分解塩素の含有量が500ppm以下で、エポキシ樹脂の含有量は樹脂成分100質量部に対し10質量部以上である[1]に記載の積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物を提供するものである。
加えて、[3][1]または[2]に記載の積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物を基材の表面または裏面に塗布して積層した積層フレキシブルプリント配線板を提供するものである。
本発明の接着剤組成物を用いることによって、フレキシブルプリント配線板で要求される性能を満足できる。また、積層フレキシブルプリント配線板の高密度化に対応することができる。加えて、レーザー加工によるビアホール形成性に優れる接着部材を製造することが可能となる。
すなわち、本発明の接着剤組成物を用いることによって、埋め込み性、接着性、はんだ耐熱性、難燃性およびビアホール形成性に優れた接着剤組成物を提供できる。
よって、本発明の接着剤組成物から製造される接着フィルム、積層フレキシブルプリント配線板装置は高い信頼性を有する。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
〈エポキシ樹脂〉
本発明のエポキシ樹脂は、特に限定されるものではないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等の多官能性グリシジルアミン樹脂;テトラフェニルグリシジルエーテルエタン等の多官能性グリシジルエーテル樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、ナフトール等のフェノール化合物と、フェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応により得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酸でエポキシ化したもの;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環を有するエポキシ樹脂;等が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂の2分子以上を、多塩基酸、ポリフェノール化合物、多官能アミノ化合物あるいは多価チオール等の鎖延長剤との反応によって結合して鎖延長したものを使用してもよい。
エポキシ樹脂の成分としてビスフェノールF型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の併用が好ましく、接着剤組成物を100質量部とした場合、10質量部以上であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。エポキシ樹脂成分の含有量が10質量部より少ないと接着性が不足し、50質量部より多いと貯蔵弾性率が高くなり埋め込み性が低下する。
〈フェノール樹脂〉
本発明のフェノール樹脂は、特に限定されるものではなく、レゾール型フェノール樹脂またはノボラック型フェノール樹脂のいずれであってもよいが、熱可塑性樹脂との密着性および配線板間の密着性を高める観点から、レゾール型フェノール樹脂を含むものが好ましい。
レゾール型フェノール樹脂としては、特に限定されるものではなく、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等をフェノール源として、苛性ソーダ、水酸化バリウム、消石灰等の塩基性触媒や酢酸亜鉛等の二価金属塩触媒の存在下でアルデヒド源と反応して得られるメチロールレゾール型フェノール樹脂及びジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂、あるいは桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、フレキシブルプリント配線板間の密着性を高める観点から、フェノールをフェノール源としたジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂が特に好ましく、接着剤組成物100質量部に対して10質量部以上が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。10質量部より少ないと接着性が低下し、50質量部より多いと弾性率が高くなるため埋め込み性が低下する。
フェノール樹脂の形態、形状としては、特に限定されるものではなく、固形、粉末、液状いずれの状態であっても良い。また、これらは1種類以上を組み合わせて用いてよい。また、フェノール樹脂としては、樹脂単独だけでなく、他の成分との混合組成物、複合化物として用いてもよい。
〈無機充填剤〉
無機充填剤としては、金属水酸化物、シリカ化合物、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、チタン群等からなる金属元素を含む複合金属化合物を使用することができるが、ハロゲンフリーで優れた難燃性を発現するための無機充填剤としては、金属水酸化物が好適であり、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。本発明の無機充填剤は、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのどちらか1種以上を用いる。水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのどちらか1種以上を用いることで、ハロゲンフリーで、優れた難燃性を発現する。
水酸化マグネシウムは熱分解温度350℃であるため耐熱性の点で好適である。また、水酸化アルミニウムは熱分解温度300℃であり、燃焼熱で速やかに分解するため、少ない量で難燃性を得るために好適である。これらを1種以上用いることで、優れた難燃性を発揮することができる。
さらに本発明の無機充填剤の重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が0.75〜1.5umの範囲であり、配合量が高分子量エラストマ50質量部に対し40〜100質量部である。
無機充填剤の粒子径D50が0.75μmよりも小さいと無機充填剤の表面積の増大により貯蔵弾性率が高くなり、埋め込み性が劣る。一方、粒子径D50が1.5μm以上だと無機充填剤の表面積が減少するため、難燃性を得るための配合量が増加する、また、積層フレキシブルプリント配線版を接合するためのビアホール形成性が低下し、ビアホール壁面にひさしができる。なお、無機充填剤の好ましい粒子径D50は1.0〜1.5μmの範囲である。
また、無機充填剤の配合量は、高分子量エラストマ50質量部に対し40質量部以上であれば、優れた難燃性を得ることができ、ハロゲンフリーによる難燃化が可能である。一方、配合量は、高分子量エラストマ50質量部に対し100質量部を超えると貯蔵弾性率が高くなる傾向で、埋め込み性に劣る傾向となる。
なお、重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50はレーザー散乱法により粒子径粒子分布を測定したものである。
粒子径粒子分布の測定は、レーザー散乱式粒子径粒子分布測定器(株式会社堀場製作所製LA−700)を使用し、セルにテンパックスガラス、標準溶液にMEK(メチルエチルケトン)を使用し、スターラにて攪拌しながら測定を行った。
〈難燃助剤〉
難燃助剤としては、塩素化合物、臭素化合物、りん化合物等が挙げられる。
本発明の難燃助剤としては、ノンハロゲン系に限定され、例えばホスフィン酸金属塩、ポリホスファゼン、ホスファフェナントレン、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、リン酸エステル等が挙げられ、ホスフィン酸金属塩が好ましい。
ホスフィン酸金属塩としては、例えば下記式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018168313
[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1以上6以下のアルキル基又は炭素数12以下のアリール基である。Mは、カルシウム、アルミニウム又は亜鉛である。aは2又は3の整数で、Mがアルミニウムの場合はa=3、Mがカルシウム又は亜鉛の場合はa=2である。]
ホスフィン酸金属塩としてはホスフィン酸アルミニウム塩が好ましく、接着剤組成物100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。
〈官能基を含む高分子エラストマ〉
官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量エラストマ成分としては、エポキシ樹脂と非相溶であるヒドロキシル基含有アクリル共重合体であることが好ましい。
ヒドロキシル基含有アクリル共重合体の重量平均分子量が10万以上である高分子量成分に関して特に制限は無いが、官能基がエポキシ、イソシアネートタイプの(メタ)アクリル高分子量化合物を用いると、橋架け反応が進行しやすく、Bステージ状態での硬化度の上昇によるフレキシブルプリント配線板の配線への埋め込み性の低下等の問題があるため好ましくない。また、Tは−10℃以上であることが好ましい。Tが−10℃未満であるとBステージ状態での接着剤層のタック性が大きくなり、取り扱い性が悪化する可能性がある。
重合方法は特に制限が無く、パール重合、溶液重合、懸濁重合等を使用することができる。
ヒドロキシル基含有アクリル共重合体の重量平均分子量は10〜200万であることが好ましく、30〜100万であることがより好ましい。
ヒドロキシル基含有アクリル共重合体の重量平均分子量が10万より少ないと、はんた耐熱性でフローする可能性がある。一方、重量平均分子量が200万を超えると、貯蔵弾性率が高くなり、配線への充填性が低下することではんだ耐熱評価で膨れ・はがれの可能性がある。
ヒドロキシル基含有アクリル共重合体の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して50か〜400質量部である。この配合量が50質量部未満だと弾性率が高くなり、フレキシブルプリント配線板の配線への充填性が低下する傾向がある。一方、400質量部を超えると耐熱性、接着力が低下することで、はんだ耐熱性が低下する傾向がある。
また、本発明の接着剤組成物の硬化するために使用する硬化剤は、公知のエポキシ樹脂に用いられる硬化剤を使用することができ、アミン類、ポリアミド樹脂、酸無水物、ポリメルカプタン樹脂、ノボラック樹脂、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素のアミン錯体等が含まれる。ここで、アミン類としては、以下のものが含まれる。ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メンセンジアミン、メタキシリレンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂肪族ポリアミン及び前記脂肪族ポリアミンと公知のエポキシ化合物とのアダクト、アクリロニトリルとの反応物、ケトンとの反応物。メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルフイド等の芳香族ポリアミン及び前記芳香族ポリアミンと公知のエポキシ化合物とのアダクト。トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ピペリジン、イミダゾール及びその誘導体等の第2、第3アミン及びその塩。及び前記アミン類の混合物が挙げられ、ジシアンジアミドが好ましい。
硬化剤の成分であるジシアンジアミドは、これら接着剤組成物に対して0.05〜2.0質量部、特に好ましくは0.1〜1.0質量部である。添加量が0.05質量部より少ないと硬化性が劣る傾向がある。一方、2.0質量部より多いとハンドリングが低下する傾向にある。
また、本発明の接着剤組成物には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を併用することができる。
カップリング剤の添加量は、その効果や耐熱性及びコストの観点から、接着剤組成物の合計量100質量部に対し0.1〜10質量部とするのが好ましい。
また、本接着剤樹脂組成物には、熱劣化防止材として酸化防止剤等も適宜使用することができ、酸化防止剤としては、主にフェノール系酸化防止剤やりん系酸化防止剤挙げられ、これらから1種類以上を選択して使用することができる。
酸化防止剤の添加量は、その効果およびコストの観点から、接着剤組成物の合計量100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましい。
本発明の接着剤組成物は、本発明の接着剤組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、支持体フィルム上に塗布、加熱して、溶剤成分を揮発除去させることによってフィルム状の接着剤層を得ることができる。
前記支持体フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムを使用することができ、これらプラスチックフィルムは表面を離型処理して使用しることもできる。支持体フィルムは、使用時に剥離して接着剤層のみを使用することもできるし、支持体フィルムとともに使用し、後で除去することもできる。
前記ワニス化の溶剤としては、特に制限は無いが、フィルム作製時の揮発性等を考慮し、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、キシレン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなど比較的低沸点の溶媒を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等、比較的高沸点の溶剤を加えることもできる。
本発明の接着剤組成物の製造には、無機充填剤の分散性を考慮して、あらかじめ無機填剤と溶剤で分散させた溶液を使用するのが好ましく、後に高分子量物を配合することによって、混合する時間を短縮することも可能となる。また、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
支持体フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
接着剤層の厚みは、5〜50μmが好ましいは、これに制限されるものでは無い。5μmより薄いと配線板の埋め込み性効果が乏しくなる傾向があり、50μmより厚いと経済的でない。
また、本発明の接着部材における接着剤層は、所望の厚さを得るために、2枚以上を貼り合わせることもできる。この場合には、接着剤層同士の剥離が発生しない貼合条件が必要である。
以上の構成とすることで、本発明の接着剤組成物を用いることによって、フレキシブルプリント配線板で要求される性能を満足できる。また、レーザー加工によるビアホール形成性に優れるため、接着剤層を有した積層フレキシブルプリント配線板の高密度化に対応することができ、また、これを製造することが可能となる。
すなわち、本発明の接着剤組成物を用いることによって、フレキシブルプリント配線板の埋め込み性、接着性、はんだ耐熱性、難燃性、ビアホール形成性に優れた接着剤組成物を提供できる。
よって、本発明の接着剤組成物から製造される接着フィルム、積層フレキシブルプリント配線板は高い信頼性を有する。
本発明の積層フレキシブルプリント配線板用接着剤組成物は、Bステージの170℃での貯蔵弾性率が0.15MPaよりも低い場合、フレキシブルプリント配線板と接着する際に接着剤層のフローが発生する。また、170℃での貯蔵弾性率が0.4MPaよりも高い場合は、埋め込み性および接着性が低下する問題がある。
Bステージフィルムとは、100℃で2分間乾燥させることにより得られたフィルムのことである。貯蔵弾性率の測定は、回転式レオメータ(ティー・エイ・インスツルメント社製)を使用し、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで25℃〜170℃まで測定する温度依存性モードで行う。
フレキシブルプリント配線板の配線の埋め込み性が良好であり、さらにフレキシブルプリント配線板の基材となるポリイミド(PI)と配線の導電材料として使用されている銅との接着力が5N/mm以上である。PIと銅の接着力は、接着剤層をPIフィルム上に形成した後に銅箔とラミネートしたものを試験片とした接着力が5N/mm以上である。接着力の試験片形状は、10mm幅×20cm(接着剤層厚み30μm、PI厚み25μm、銅箔厚み50μm)、試験機にオートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用し、測定角度90゜、測定速度50mm/minで測定した。
このように測定して、PIフィルム上に形成された接着剤層を銅箔とラミネートした試験片を使用した接着力が5N/mm未満の場合は、積層されたフレキシブルプリント配線板の保持力が低下しはがれ等の問題か発生する、銅配線の腐食等を生じる、が懸念される。
また、本発明の接着剤組成物は、はんだ耐熱性が260℃で10秒間のはんだ浸漬試験後に、はがれや膨れがなく、生産工程中に必要とされる耐熱性を兼ね備えるものである。
試験片形状は、25mm角(接着剤層厚み30μm、PI厚み25μm、銅厚み50μm)とする。
260℃で10秒のはんだ浸漬試験後に、はがれや膨れが発生した場合、信頼性が低下する懸念を有する。
本発明の接着剤組成物は、ノンハロゲンで難燃性に優れる。難燃性は、試験片125×13mmをクランプに垂直に取付け、炎の高さ20mmに10秒間接触を2回行い評価した。
ハロゲン系難燃剤による難燃化は、廃棄処理など燃焼させた場合にダイオキシン(毒物)を発生させる懸念を有する。
本発明の接着剤組成物は、積層フレキシブルプリント配線板を接合する際のレーザー加工にてひさしのないビアホールを形成できる、積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤に関する。
ビアホールは、HITACHI CO2 LASER(LC−2F 21B/C)レーザー加工機で、パルス周期0.5ms、アパーチャ径4μmの条件で、φ90μmのビアホールを作製した。作製した試料は、デスミア処理した後に無電解ニッケルメッキで表面処理し、観察用試料を得た。試料をエポキシ樹脂で注型した後にダイヤモンドカッターで切断し、表面を磨いた後、光学顕微鏡で観察した。
レーザー加工にてひさしのあるビアホールが形成された場合、ひさしとなっている部材が脱落することで、銅配線上の導電性を妨げ、製品不具合が発生する懸念を有する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
溶剤成分としてメチルエチルケトン、アセトン、トルエンの混合液に水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名C−301CN、D50:1.5μm)100質量部と、難燃剤としてりん酸金属塩(クラリアントジャパン株式会社製、商品名EXOLIT OP935)7質量部を加え60分間攪拌した。分散剤としてシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名KBM−502)1.5質量部を添加し、さらに60分間の分散処理を行った。これにクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(長春人造樹脂廠股ぶん有限公司製、商品名CNE195XL−16)20質量部、(DIC株式会社製、商品名N665EXP)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名YL983U)15質量部、グリシジルアミン樹脂(三菱ガス化学株式会社製、商品名TETRAD−X)0.001質量部、フェノール樹脂としてレゾールフェノール樹脂(昭和電工株式会社製、商品名CKM−916)15質量部、接着性向上剤としてピロガロール(ディー・エス・エス株式会社製、商品名ピロガロール)2.0質量部を混合し14時間攪拌混合した。得られたワニスにアミン系硬化剤(エアープロダクツジャパン株式会社製、商品名CG325)0.03質量部添加した。
〈実施例2〉
実施例1の水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名C−301CN、D50:1.5μm)100質量部の代わりに水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、商品名BF013S、D50:1.0μm)100質量部使用した以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
〈実施例3〉
実施例2の水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名C−301CN、D50:1.5μm)100質量部の代わりに水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名H−43、D50:0.75μm)80質量部使用した以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
〈比較例1〉
実施例2の水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名C−301CN、D50:1.5μm)100質量部を50質量部へ変更した以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
〈比較例2〉
比較例1の水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名C−301CN、D50:1.5μm)50質量部を150質量部へ変更した以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
〈比較例3〉
実施例3の水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名H−43、D50:0.75μm)100質量部を70質量部へ変更した以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
〈比較例4〉
比較例3の水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名H−43、D50:0.75μm)70質量部を水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、商品名B1403、D50:2.0μm)100質量部へ変更した以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
〈比較例5〉
比較例4の水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、商品名B1403、D50:2.0μm)100質量部を水酸化アルミニウム(日本軽金属式会社製、商品名BE023、D50:2.2μm)質量部へ変更した以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
〈比較例6〉
実施例1の水酸化アルミニウムを0質量部(配合せず)とした以外は全く同様の操作を行い、試料を作製した。
得られた試料を乾燥後厚み20μmになるように離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、100℃で2分間加熱乾燥して、Bステージ状の塗膜を形成し接着フィルムを得た。
基板(PI/銅)接着力、はんだ耐熱性、難燃性、レーザー加工性評価に関しては、ワニスを乾燥後厚み20μmになるようにPIフィルム上に塗布し、100℃で2分間加熱乾燥して、Bステージ状態のキャリアフィルムを備えた接着フィルムを作製し、配線の導電材料となる銅箔へ、真空ラミネータを使用して170℃、圧力1.9MPaで120秒間ラミネートし、150℃で2時間の硬化処理を行い、測定用試料とした。
Bステージフィルムの貯蔵弾性率測定は、回転式レオメータ(ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いてφ8mmパラレルプレート、周波数1Hz、測定温度25〜170℃、昇温速度5℃/mmで測定した。貯蔵弾性率0.1〜0.4MPaを”○”、0.1MPaより低い試料は“△”、0.4MPaよりも高い試料は”×”とした。
接着力は、試験片幅10mm、測定角度90°、オートグラフ(島津製作所株式会社製)を用いて、試験速度50mm/minで測定した。5N/mm以上の試料を”○”、5N/mm未満を”×”とした。
はんだ耐熱性は、試験片サイズ25mm角を260℃のはんだ層へ10秒間浸漬させた後、はがれ・膨れの有無を確認した。膨れ・はがれが観察されなかった試料は”○”、膨れ・はがれが観察された試料は”×”とした。
難燃性は、試験片125×13mmをクランプに垂直に取付け、炎の高さ20mmに10秒間接触を2回行い評価した。炎から離し1秒以内に火が消えるものを”○”、1秒以上燃焼しているものを”×”とした。
レーザー加工性に関しては、HITACHI CO2 LASER(LC−2F 21B/C)レーザー加工機で、パルス周期0.5ms、アパーチャ径4μmの条件で、φ90μmのビアホールを作製しエポキシ注型した後にダイヤモンドカッターで切断し、断面観察によりひさしの有無を評価した。ひさしが観察されなかった試料は”○”、ひさしが観察された試料は”×”とした。
結果を表1に示す。
Figure 2018168313
実施例1〜3は、水酸化アルミニウム(D50:0.75〜1.5μm)の接着剤組成物である。これらの接着剤組成物を用いた積層フレキシブルプリント配線板は、接着力、はんだ耐熱、難燃性およびビアホール形成性ともに良好である。
比較例1は、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名C−301CN、D50:1.5μm)50質量部を用いており、難燃性が「×」で劣る。
比較例2は、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、商品名C−301CN、D50:1.5μm)150質量部を用いており、Bステージ弾性率、接着力、はんだ耐熱およびビアホール形成性の各項目で劣る結果となった。
比較例3は、水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名H−43、D50:0.75μm)100質量を70質量部用いており、難燃性に劣る。
比較例4は、酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、商品名B1403、D50:2.0μm)100質量部を用いており、ビアホール形成性に劣る。
比較例5は、水酸化アルミニウム(日本軽金属式会社製、商品名BE023、D50:2.2μm)150質量部を用いており、接着力、はんだ耐熱およびビアホール形成性が劣る。

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填剤、難燃助剤および官能基を含む高分子量エラストマを含む積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物であって、
    前記無機充填剤として水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのどちらか1種以上を用い、前記無機充填剤の重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が0.75〜1.5umの範囲であり、含有量が前記の官能基を含む高分子量エラストマ50質量部に対し40〜100質量部の範囲であることが特徴の積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂は、加水分解塩素の含有量が500ppm以下で、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂成分100質量部に対し10質量部以上である請求項1に記載の積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の積層フレキシブルプリント配線板用層間接着剤組成物を基材の表面または裏面に塗布して積層した積層フレキシブルプリント配線板。
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