JP2018168304A - 粘着剤組成物、封止シート、及び封止体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い粘着力を有し、かつ、高湿条件下に置かれても十分な粘着力が維持される粘着剤組成物、この粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体を提供する。【解決手段】下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有する粘着剤組成物、この粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体。(A)成分:ゴム系樹脂(B)成分:粘着付与剤(C)成分:光硬化性樹脂(D)成分:光反応開始剤【選択図】 なし

Description

本発明は、高い粘着力を有し、かつ、高湿条件下に置かれても十分な粘着力が維持される粘着剤組成物、この粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体に関する。
近年、有機EL素子は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
しかし、有機EL素子には、時間の経過とともに、発光輝度、発光効率、発光均一性等の発光特性が低下し易いという問題があった。
この発光特性の低下の問題の原因として、酸素や水分等が有機EL素子の内部に浸入し、電極や有機層を劣化させることが考えられてきた。このため、この問題を解決するために、水分遮断性に優れる粘着シートを封止材として用いることが提案されてきた。
また、液晶ディスプレイ(LCD)やタッチパネル等の表示装置を製造する際は、光学部材を貼り合せる目的で粘着シートが用いられるが、近年、光学部材の機械的劣化を抑制するために、水分遮断性に優れる粘着シートが求められている。
このような特性を有する粘着シートとして、特許文献1には、ゴム系樹脂を主成分とする粘着シートであって、特定の粘着特性等を有するものが記載されている。
この文献には、その粘着シートが水蒸気透過度の低い粘着シートであって、湿熱経過時においても十分な粘着力を有し、かつ湿熱経過時の黄変が抑制されたものであることや、これらの特性を発現し易いことから、粘着シートは、ゴム系樹脂に加えてシランカップリング剤を含有するものが好ましいこと等が記載されている。
特開2016−53157号公報
特許文献1に記載されるように、ゴム系樹脂を主成分とする粘着剤組成物を用いることで、水分遮断性に優れる粘着シートが得られる傾向がある。
しかしながら、本発明者の検討によれば、ゴム系樹脂を主成分とし、かつ、シランカップリング剤を含有する粘着剤組成物であっても、高湿条件下に置かれた後に粘着力が大きく低下するものがあることが分かった。そして、そのような粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する封止シートは、高湿条件下に置かれたときに膨れや浮きが発生し易いことも分かった。
本発明は、これらの問題を解決することを目的としてなされたものであり、高い粘着力を有し、かつ、高湿条件下に置かれても十分な粘着力が維持される粘着剤組成物、この粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体を提供することを目的とする。
なお、本発明において、「高い粘着力を有する粘着剤組成物」や「粘着剤組成物の粘着力が維持される」とは、その粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層の特性を意味する。また、同様に、本明細書においては、粘着剤層に関する特性を、粘着剤組成物の特性として記載することがある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ゴム系樹脂と特定の添加剤を含有する粘着剤組成物は、高い粘着力を有し、かつ、高湿条件下に置かれても十分な粘着力が維持されるものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記〔1〕〜〔11〕の粘着剤組成物、〔12〕〜〔15〕の封止シート、及び〔16〕、〔17〕の封止体、が提供される。
〔1〕下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有する粘着剤組成物。
(A)成分:ゴム系樹脂
(B)成分:粘着付与剤
(C)成分:光硬化性樹脂
(D)成分:光反応開始剤
〔2〕前記(A)成分が、ブチルゴムである、〔1〕に記載の粘着剤組成物。
〔3〕前記(B)成分が、脂肪族系石油樹脂である、〔1〕又は〔2〕に記載の粘着剤組成物。
〔4〕前記(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔5〕前記(C)成分が、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する重合体である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔6〕前記(C)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔7〕前記(D)成分が、アルキルフェノン系光反応開始剤である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔8〕前記(D)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して0.01〜5質量部である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の接着剤組成物。
〔9〕さらに、下記の(E)成分を含有する、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(E)成分:シランカップリング剤
〔10〕
前記(E)成分が、下記式(1)で示される化合物である、〔9〕に記載の粘着剤組成物。
Figure 2018168304
(Rは炭素数3以上のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは反応性基を含有する基を表し、nは0又は1である。)
〔11〕前記(E)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して0.01〜7質量部である、〔9〕又は〔10〕に記載の粘着剤組成物。
〔12〕2枚の剥離フィルムと、これらの剥離フィルムに挟持された粘着剤層とからなる封止シートであって、前記粘着剤層が、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いて形成されたものである封止シート。
〔13〕剥離フィルム、ガスバリア性フィルム、及び、前記剥離フィルムとガスバリア性フィルムに挟持された粘着剤層からなる封止シートであって、前記粘着剤層が、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いて形成されたものである封止シート。
〔14〕前記ガスバリア性フィルムが、金属箔、樹脂製フィルム、又は薄膜ガラスである〔13〕に記載の封止シート。
〔15〕粘着剤層の厚みが1〜50μmである、〔12〕〜〔14〕のいずれかに記載の封止シート。
〔16〕被封止物が、〔12〕〜〔15〕のいずれかに記載の封止シートを用いて封止されてなる封止体。
〔17〕前記被封止物が、有機EL素子、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子である、〔16〕に記載の封止体。
本発明によれば、高い粘着力を有し、かつ、高湿条件下に置かれても十分な粘着力が維持される粘着剤組成物、この粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する封止シート、及び被封止物が前記封止シートで封止されてなる封止体が提供される。
以下、本発明を、1)粘着剤組成物、2)封止シート、及び、3)封止体、に項分けして詳細に説明する。
1)粘着剤組成物
本発明の粘着剤組成物は、下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有するものである。
(A)成分:ゴム系樹脂
(B)成分:粘着付与剤
(C)成分:光硬化性樹脂
(D)成分:光反応開始剤
〔(A)成分:ゴム系樹脂〕
本発明の粘着剤組成物は、(A)成分としてゴム系樹脂を含有する。
本発明の粘着剤組成物は、ゴム系樹脂を含有することで、水分遮断性に優れたものとなる。
ゴム系樹脂としては、例えば、天然ゴム、天然ゴムに(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレンおよび(メタ)アクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上の単量体をグラフト重合させた変性天然ゴム、ポリイソブチレン系樹脂、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンの共重合体(ニトリルゴム)、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、ウレタンゴム、スチレン−1,3−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体等が挙げられる。これらのゴム系化合物は1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ゴム系樹脂としては、ポリイソブチレン系樹脂を含むものが好ましい。
ポリイソブチレン系樹脂は、モノマー成分としてイソブチレンを含む重合体(共重合体の概念を含む)をいい、モノマー成分がイソブチレンのみからなる単独重合体であってもよいし、モノマー成分としてイソブチレンと他のモノマーを重合して得られる共重合体であってもよい。ポリイソブチレン系樹脂は、一部を臭素化又は塩素化したハロゲン化ポリイソブチレン系樹脂であってもよく、一部を水酸基、カルボキシル基等の官能基で置換したものであってもよい。
上記他のモノマーとしては、例えば、イソプレン、n−ブテン、ブタジエン、スチレン等が挙げられる。他のモノマーは単独で又は2種以上を併用して用いてもよい。なお、ポリイソブチレン系樹脂が共重合体である場合は、原料モノマー中、イソブチレンは主成分として最大量のモノマーである。
上記の中でも、ポリイソブチレン系樹脂は、水分遮断性に優れるという点から、モノマー成分がイソブチレンのみからなる単独重合体、モノマー成分としてイソブチレンとイソプレンとを重合して得られるイソブチレン−イソプレン共重合体(ブチルゴム)であることが好ましい。
ゴム系樹脂は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゴム系樹脂の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜3,000,000、より好ましくは20,000〜1,000,000である。
本発明において、質量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を行い、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
〔(B)成分:粘着付与剤〕
本発明の粘着剤組成物は、(B)成分として粘着付与剤を含有する。
本発明の粘着剤組成物は、粘着付与剤を含有することで、水分遮断性により優れ、かつ、粘着力が高いものとなる。
粘着付与剤としては、粘着剤層の粘着力を向上させるものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。粘着付与剤としては、脂環族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、テルペン樹脂、エステル系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、オレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びこれらの変性樹脂又は水素添加された樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、水分遮断性により優れ、かつ、粘着力が高い粘着剤組成物が得られ易いことから、脂肪族系石油樹脂が好ましい。
粘着付与剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着付与剤として、市販品をそのまま使用することもできる。例えば、市販品としては、エスコレッツ1000シリーズ(エクソン化学社製)、クイントンA、B、R、CXシリーズ(日本ゼオン社製)等の脂肪族系石油樹脂;アルコンP、Mシリーズ(荒川化学社製)、ESCOREZシリーズ(エクソン・ケミカル社製)、EASTOTACシリーズ(イーストマン・ケミカル社製)、IMARVシリーズ(出光興産社製)等の脂環族系石油樹脂;YSレジンP、Aシリーズ(安原油脂社製)、クリアロンPシリーズ(ヤスハラ・ケミカル製)、ピコライトA、Cシリーズ(ハーキュレス社製)等のテルペン系樹脂;フォーラルシリーズ(ハーキュレス社製)、ペンセルAシリーズ、エステルガム、スーパー・エステル、パインクリスタル(荒川化学工業社製)等のエステル系樹脂;等が挙げられる。
粘着付与剤の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、100〜10,000、より好ましくは500〜5,000である。
粘着付与剤の軟化点は、好ましくは、50〜160℃、より好ましくは60〜140℃、さらに好ましくは70〜130℃である。
粘着付与剤の含有量は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは5〜45質量部である。
粘着付与剤の含有量が、(A)成分100質量部に対して、1質量部以上であることで、粘着力により優れる粘着剤層を効率よく形成することができ、50質量部以下であることで、粘着剤層の凝集力の低下を避けることができる。
〔(C)成分:光硬化性樹脂〕
本発明の粘着剤組成物は、(C)成分として、光硬化性樹脂を含有する。
本発明の粘着剤組成物は、光硬化性樹脂を含有することで、高湿条件下に置かれても粘着力が低下し難いものとなる。
光硬化性樹脂とは、(D)成分の光反応開始剤がエネルギー線を受けて活性化されたときに、架橋構造を形成し得る官能基を2以上有する重合体をいう。
かかる官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のラジカル反応性の官能基が挙げられる。これらの中でも、反応性が高いことから、官能基としては(メタ)アクリロイル基が好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、例えば、両末端に水酸基を有する重合体に、その水酸基を利用して(メタ)アクリロイル基が導入されてなる重合体が挙げられる。
両末端に水酸基を有する重合体としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリジエンポリオール、水素化ポリジエンポリオール、両末端に水酸基を有するポリシリコーン等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基の導入方法は特に限定されない。例えば、両末端に水酸基を有する重合体、ジイソシアネート化合物、及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることにより、ウレタン結合が形成され、重合体の末端に(メタ)アクリロイル基が導入される。
また、両末端に水酸基を有する重合体と(メタ)アクリル酸を反応させることにより、エステル結合が形成され、重合体の末端に(メタ)アクリロイル基が導入される。
光硬化性樹脂は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、高湿条件下に置かれても粘着力が低下し難い粘着剤組成物が得られ易いことから、(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリジエン、又は、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する水素化ポリジエンが好ましい。
両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリジエンとしては、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン等が挙げられる。
両末端に(メタ)アクリロイル基を有する水素化ポリジエンとしては、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する水素化ポリブタジエン、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する水素化ポリイソプレン等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、市販品を使用することができる。
かかる市販品としては、日本曹達株式会社製のIH−1000(水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート)、TEAI−1000(水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート)、TE−2000(ポリブタジエン系ウレタンメタクリレート)や、大阪有機化学工業株式会社製のBAC−45(ポリブタジエン系ジアクリレート)等が挙げられる。
光硬化性樹脂の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜3,000、より好ましくは1,000〜2,000である。光硬化性樹脂の質量平均分子量(Mw)が上記範囲内であることで、粘着力により優れる粘着剤組成物が得られる。
光硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは5〜40質量部である。
光硬化性樹脂の含有量が、(A)成分100質量部に対して、1質量部以上であることで、粘着力により優れる粘着剤層を効率よく形成することができ、50質量部以下であることで、粘着剤層の凝集力の低下を避けることができる。
〔(D)成分:光反応開始剤〕
本発明の粘着剤組成物は、(D)成分として、光反応開始剤を含有する。
光反応開始剤を含有する粘着剤組成物に対してエネルギー線を照射することで、(C)成分等が関与する反応が開始され、架橋構造が形成される。このような架橋構造を有する粘着剤層は、凝集力が高く、高湿条件下に置かれても粘着力が低下し難いものである。
光反応開始剤としては、光を照射したときにラジカルを発生させる化合物が挙げられる。このような光反応開始剤としては、アルキルフェノン系光反応開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光反応開始剤、オキシムエステル系光反応開始剤等が挙げられる。
これらの中でも、粘着力により優れる粘着剤組成物が得られ易いことから、アルキルフェノン系光反応開始剤が好ましい。
アルキルフェノン系光反応開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のベンジルジメチルケタール系光反応開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系光反応開始剤;2−[4−(メチルチオ)ベンゾイル]−2−(4−モルホリニル)プロパン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン系光反応開始剤;等が挙げられる。
これらの中でも、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光反応開始剤が好ましく、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンがより好ましい。
アルキルフェノン系光反応開始剤としては、市販品を使用することができる。
かかる市販品としては、BASF社製のIRGACURE651(ベンジルジメチルケタール系光反応開始剤)、IRGACURE184、IRGACURE1173、IRGACURE2959、IRGACURE127(いずれもα−ヒドロキシアルキルフェノン系光反応開始剤)、IRGACURE907、IRGACURE369E、IRGACURE379EG(いずれもα−アミノアルキルフェノン系光反応開始剤)等が挙げられる。
光反応開始剤の含有量は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
光反応開始剤の含有量が上記範囲内であることで、架橋構造を十分に形成することができる。
〔その他の成分〕
本発明の粘着剤組成物は、前記(A)〜(D)成分に加えて、(E)成分としてシランカップリング剤を含有するものが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、シランカップリング剤を含有することで、常温及び高温高湿環境下における粘着力がさらに向上する傾向がある。
シランカップリング剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができ、特に限定されない。なかでも、下記式(1)で示されるシラン化合物が好ましい。
Figure 2018168304
式(1)中、Rは炭素数3以上のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは反応性基を含有する基を表し、nは0又は1である。
で表されるアルキレン基の炭素数は、3以上であり、3〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。
アルキレン基の炭素数が3以上であることで、架橋反応がより起こり易くなる。
で表されるアルキレン基としては、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
で表される1価の炭化水素基の炭素数は、1〜10であり、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。
で表される1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基、ブチニル基等のアルキニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;等が挙げられる。
で表されるアルキル基の炭素数は、1〜4であり、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。
で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
Zに含まれる反応性基は、架橋反応に寄与し得る基であれば特に限定されない。
反応性基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
Zがビニル基のとき、式(1)中の(Z−R−)で表される基としては、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を含有するZとしては、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等が挙げられる。
また、反応性基として、(C)成分中の官能基とは反応しないが、反応性基同士で反応し得るものを用いてもよい。かかる反応性基としては、エポキシ基が挙げられる。
エポキシ基を含有するZとしては、エポキシ基、グリシジル基、エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)で示されるシランカップリング剤としては、7−オクテニルトリメトキシシラン、7−オクテニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、8−メタクリロキシオクチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、8−アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、8−アクリロキシオクチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着剤組成物がシランカップリング剤を含有するとき、シランカップリング剤の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜7質量部、より好ましくは0.01〜5質量部である。
シランカップリング剤の含有量がこの範囲内にある粘着剤組成物は高温時においても優れた粘着力を有する傾向がある。
本発明の粘着剤組成物に含まれる、(A)〜(D)成分やシランカップリング剤以外の成分としては、溶媒、各種添加剤が挙げられる。
溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量は、塗工性等を考慮して適宜決定することができる。
添加剤としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤、樹脂安定剤、充填剤、顔料、増量剤、軟化剤等の添加剤が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の粘着剤組成物がこれらの添加剤を含有する場合、その含有量は、目的に合わせて適宜決定することができる。
本発明の粘着剤組成物は、所定の成分を、常法に従って適宜混合・攪拌することにより調製することができる。
本発明の粘着剤組成物は、粘着力に優れるものである。特に、粘着後、高湿条件下に置かれた場合であっても、粘着力の低下が生じにくいという特徴を有する。
例えば、本発明の粘着剤組成物を用いて得られた試験片について180°剥離試験を行ったときに、下記式で算出されるx値が0.7以上であり、0.8以上が好ましい。
Figure 2018168304
式中、Aは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で180°剥離試験を行って得られた粘着力を表し、Bは、試験片を温度60℃、相対湿度90%の条件下に168時間、次いで、温度23℃、相対湿度50%の条件下に24時間静置させた後に、温度23℃、相対湿度50%条件下で180°剥離試験を行って得られた粘着力を表す。
Aの値は特に限定されないが、通常、5〜20N/25mm、好ましくは10〜15N/25mmである。
Bの値は特に限定されないが、通常、5〜20N/25mm、好ましくは5〜15N/25mmである。
これらの180°剥離試験の試験片は、実施例に記載の方法に従って調製することができる。
本発明の粘着剤組成物は、水分遮断性及び粘着力に優れるため、本発明の粘着剤組成物は、封止材を形成する際に好適に用いられる。
2)封止シート
本発明の封止シートは、下記の封止シート(α)又は封止シート(β)である。
封止シート(α):2枚の剥離フィルムと、これらの剥離フィルムに挟持された粘着剤層とからなる封止シートであって、前記粘着剤層が、本発明の粘着剤組成物を用いて形成されたものであることを特徴とするもの
封止シート(β):剥離フィルムと、ガスバリア性フィルムと、前記剥離フィルムと前記ガスバリア性フィルムに挟持された粘着剤層とからなる封止シートであって、前記粘着剤層が、本発明の粘着剤組成物を用いて形成されたものであることを特徴とするもの
なお、これらの封止シートは使用前の状態を表したものであり、本発明の封止シートを使用する際は、通常、剥離フィルムは剥離除去される。
封止シート(α)を構成する剥離フィルムは、封止シート(α)の製造工程においては支持体として機能するとともに、封止シート(α)を使用するまでの間は、粘着剤層の保護シートとして機能する。
剥離フィルムとしては、従来公知のものを利用することができる。例えば、剥離フィルム用の基材上に、剥離剤により剥離処理された剥離層を有するものが挙げられる。
剥離フィルム用の基材としては、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のプラスチックフィルム;等が挙げられる。
剥離剤としては、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
封止シート(α)における2枚の剥離フィルムは同一であっても、異なっていてもよいが、2枚の剥離フィルムは異なる剥離力を有するものが好ましい。2枚の剥離フィルムの剥離力が異なることで、封止シートの使用時に問題が発生し難くなる。すなわち、2枚の剥離フィルムの剥離力を異なるようにすることで、最初に剥離フィルムを剥離する工程をより効率よく行うことができる。
封止シート(α)の粘着剤層の厚みは特に限定されないが、通常、1〜50μmであり、好ましくは5〜30μmである。
厚みが上記範囲内にある粘着剤層は、封止材として好適に用いられる。
封止シート(α)の製造方法は特に限定されない。例えば、キャスト法を用いて、封止シート(α)を製造することができる。
キャスト法を用いる場合、例えば、以下の方法により封止シート(α)を製造することができる。
まず、公知の方法を用いて、本発明の粘着剤組成物を剥離フィルムの剥離処理面に塗工し、得られた塗膜を乾燥させた後、もう1枚の剥離フィルムをこの塗膜上に重ね、積層体を得る。
次いで、この積層体に対してエネルギー線を照射し、架橋反応を進行させて粘着剤層を形成することにより、封止シート(α)を得ることができる。
粘着剤組成物を塗工する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
塗膜を乾燥するときの乾燥条件としては、例えば80〜150℃で30秒〜5分間が挙げられる。
エネルギー線としては、紫外線や電子線等が挙げられる。なかでも取扱いが容易なことから紫外線が好ましい。
紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができる。紫外線の照射量は、50〜5000mJ/cmが好ましく、100〜2000mJ/cmがより好ましい。紫外線の照度は、50〜500mW/cmが好ましく、100〜400mW/cmがより好ましい。
封止シート(β)を構成する剥離フィルムと粘着剤層は、それぞれ、封止シート(α)を構成する剥離フィルムと粘着剤層として示したものと同様のものが挙げられる。
封止シート(β)を構成するガスバリア性フィルムは、水分遮断性を有するフィルムであれば特に限定されない。
ガスバリア性フィルムとしては、金属箔、樹脂製フィルム、薄膜ガラス等が挙げられる。
ガスバリア性フィルムは、温度40℃、相対湿度90%(以下、「90%RH」と略記する。)の環境下における水蒸気透過率が0.1g/m/day以下であることが好ましく、0.05g/m/day以下であることがより好ましく、0.005g/m/day以下であることがさらに好ましい。
ガスバリア性フィルムの温度40℃、90%RHの環境下における水蒸気透過率が0.1g/m/day以下であることで、透明基板上に形成された有機EL素子等の素子内部に酸素や水分等が浸入し、電極や有機層が劣化することを効果的に抑制することができる。
ガスバリア性フィルムの水蒸気等の透過率は、公知のガス透過率測定装置を使用して測定することができる。
封止シート(β)の製造方法は特に限定されない。例えば、先に説明した封止シート(α)の製造方法において、剥離フィルムの1枚をガスバリア性フィルムに置き換えることで封止シート(β)を製造することができる。
また、封止シート(α)を製造した後、その1枚の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層とガスバリア性フィルムとを貼着することにより、封止シート(β)を製造することもできる。この場合、封止シート(α)が、異なる剥離力を有する2枚の剥離フィルムを有する場合には、取扱い性の観点から、剥離力の小さい方の剥離フィルムを剥離するのが好ましい。
本発明の封止シートの粘着剤層は、粘着力及び水分遮断性に優れる。このため、本発明の封止シートを用いて有機EL素子を封止することで、その劣化を効率よく抑えることができる。
3)封止体
本発明の封止体は、被封止物が、本発明の封止シートを用いて封止されてなるものである。
「本発明の封止シートを用いて封止されてなる」とは、本発明の封止シートを構成する剥離フィルムを除去して粘着剤層を露出させ、その粘着剤層を被封止物に密着させて、被封止物を覆うことをいう。
本発明の封止体としては、例えば、透明基板と、該透明基板上に形成された素子(被封止物)と、該素子を封止するための封止材とを備えるものであって、前記封止材が、本発明の封止シートの粘着剤層であるものが挙げられる。
透明基板は、特に限定されるものではなく、種々の基板材料を用いることができる。特に可視光の透過率が高い基板材料を用いることが好ましい。また、素子外部から浸入しようとする水分やガスを阻止する遮断性能が高く、耐溶剤性や耐候性に優れている材料が好ましい。具体的には、石英やガラスなどの透明無機材料;ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、アセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、アラミド類、ポリイミド類、ポリスチレン類、ポリアリレート類、ポリスルホン類、ポリオレフィン類などの透明プラスチック、前述したガスバリア性フィルム;が挙げられる。
透明基板の厚みは特に制限されず、光の透過率や、素子内外を遮断する性能を勘案して、適宜選択することができる。
被封止物としては、有機EL素子、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、太陽電池素子等が挙げられる。
本発明の封止体の製造方法は特に限定されない。例えば、本発明の封止シートの粘着剤層を被封止物上に重ねて貼着することにより、封止シートの粘着剤層と被封止物を粘着させる。
本発明の封止体は、被封止物が、本発明の封止シートで封止されてなるものである。
したがって、本発明の封止体においては、長期にわたって被封止物の性能が維持される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
〔製造例1〕
(メタ)アクリレート系電離放射線硬化型化合物として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製、商品名:A−DPH)20部をメチルイソブチルケトン100部に溶解させた後、光重合開始剤(BASF社製、商品名:Irgacure127)を、プライマー層形成用溶液の固形分100部に対して、その量が3部になるように添加してプライマー層形成用溶液を調製した。
次いで、厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という。)(東洋紡社製、コスモシャインA−4300)上に、上記のプライマー層形成用溶液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることで、厚み1μmのプライマー層を形成した。
次いで、このプライマー層上にペルヒドロポリシラザンを主成分とするコーティング剤(メルクパフォーマンスマテリアルズ社製、「AZNN110−20」)を塗布し、得られた塗膜を120℃で2分間加熱することにより、厚み200nmのポリシラザン層を形成した。
次いで、このポリシラザン層に、プラズマイオン注入装置を用いて、下記条件にてプラズマイオン注入を行い、ポリシラザン層の表面を改質し、ガスバリア性フィルムを得た。
このガスバリア性フィルムの水蒸気透過率は、0.02g/m/dayであった。
[プラズマイオン注入の処理条件]
プラズマ生成ガス:アルゴン
ガス流量:100sccm
Duty比:0.5%
繰り返し周波数:1000Hz
印加電圧:−10kV
RF出力:1000W
RF電源:(周波数)13.56MHz、(印加電力)1000W
チャンバー内圧:0.2Pa
パルス幅:5μsec
処理時間(イオン注入時間):5分間
搬送速度:0.2m/min
〔実施例又は比較例で用いた化合物〕
実施例又は比較例においては、以下の化合物を使用した。
ゴム系樹脂(1):ブチルゴム、質量平均分子量(Mw):34,000、JSR株式会社製、商品名:JSR BUTYL268
ゴム系樹脂(2):ブチルゴム、質量平均分子量(Mw):28,000、JSR株式会社製、商品名:JSR BUTYL365
粘着付与剤(1):脂肪族系石油樹脂、日本ゼオン株式会社製、商品名:クイントンA−100
光硬化性樹脂(1):水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート、日本曹達株式会社製、商品名:IH−1000
光硬化性樹脂(2):水素添加ポリブタジエン系ウレタンアクリレート、日本曹達株式会社製、商品名:TEAI−1000
硬化性樹脂(1):水素化ポリブタジエンポリオール、Cray Valley社製、商品名:Krasol HLBH−P2000
光反応開始剤(1):1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製、商品名:IRGACURE 184
架橋剤(1):ペンタメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、三井化学株式会社製、商品名:スタビオ D−370N
シランカップリング剤(1):7−オクテニルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM1083
シランカップリング剤(2):8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM4803
シランカップリング剤(3):8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM5803
〔実施例1〕
ゴム系樹脂(1)80部、ゴム系樹脂(2)20部、粘着付与剤(1)20部、光硬化性樹脂(1)25部、光反応開始剤(1)0.25部、及び、シランカップリング剤(1)0.1部をトルエンに溶解し、固形分濃度16%の粘着剤組成物(1)を調製した。
この粘着剤組成物(1)を剥離フィルム(リンテック社製、商品名:SP−PET382150)の剥離処理面上に厚みが20μmとなるように塗工し、得られた塗膜を100℃で1分間乾燥させた後、その上に、もう1枚の剥離フィルム(リンテック社製、商品名:SP−PET381031)の剥離処理面を貼り合わせた。次いで、このものに対して、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、商品名:US2−0801〈2〉)を用いて、280.2mJ/cm、199.6mW/cmの条件で紫外線を照射し、2枚の剥離フィルムと、これらの剥離フィルムに挟持された粘着剤層とからなる封止シート(1)を得た。
〔実施例2〜8〕
第1表に記載の組成に変更して粘着剤組成物(2)〜(8)を調製し、これらの粘着剤組成物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、封止シート(2)〜(8)を得た。
〔比較例1〕
ゴム系樹脂(1)80部、ゴム系樹脂(2)20部、粘着付与剤(1)20部、硬化性樹脂(1)25部、架橋剤(1)2.1部、及び、シランカップリング剤(1)0.1部をトルエンに溶解し、固形分濃度17%の粘着剤組成物(9)を調製した。
この粘着剤組成物(9)を剥離フィルム(リンテック社製、商品名:SP−PET382150)の剥離処理面上に塗工し、得られた塗膜を100℃で1分間乾燥し、厚みが20μmの粘着剤層を形成し、その上に、もう1枚の剥離フィルム(リンテック社製、商品名:SP−PET381031)の剥離処理面を貼り合わせて封止シート(1)を得た。
実施例1〜8、比較例1で得た封止シート(1)〜(9)について、以下の試験を行った。
〔粘着力測定〕
幅が25mmの封止シートの剥離フィルムを1枚剥がして露出させた粘着剤層を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、製品名:コスモシャインPET50A4100)に重ねた。次いで、もう1枚の剥離フィルムを剥がして露出させた粘着剤層を無アルカリガラスに重ね、圧着ロールで圧着させることにより、試験片を得た。
剥離試験(a)として、試験片を、温度23℃、相対湿度50%の条件下で180°剥離試験を行った。
剥離試験(b)として、試験片を、温度60℃、相対湿度90%の条件下に168時間、次いで、温度23℃、相対湿度50%の条件下に24時間静置させた後に、温度23℃、相対湿度50%条件下で180°剥離試験を行った。
この剥離試験において、上述した試験条件以外は、JIS Z0237:2000に記載の粘着力の測定方法に準じて行った。
〔ブリスター性評価〕
1辺125mmの正方形状の封止シートの剥離フィルムを1枚剥がして露出させた粘着剤層を、製造例1で得られたガスバリア性フィルムに重ねた。次いで、もう1枚の剥離フィルムを剥がして露出させた粘着剤層を無アルカリガラスに重ね、ロールラミネーターを用いてこれらを貼着した。その後、加熱加圧オーブン(リンテック社製、型番:RAD−9100)にて、温度40℃、圧力0.5MPa条件下で20分処理することで試験片を得た。この試験片を、恒温恒湿器(エスペック社製、型番:PL−2KT)に入れ、温度85℃、相対湿度85%の環境下に72時間静置した後、目視観察を行い、以下の基準によりブリスター性を評価した。
○:膨れの発生個数が5個未満
×:膨れの発生個数が5個以上
〔有機EL素子の評価試験〕
酸化インジウムスズ(ITO)膜(厚み:100nm、シート抵抗:50Ω/□)が成膜されたガラス基板を陽極として有する有機EL素子を、以下の方法により作製した。
まず、前記ガラス基板のITO膜上に、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン)(Luminescence Technology社製)を50nm、トリス(8−ヒドロキシ−キノリネート)アルミニウム(Luminescence Technology社製)を50nm、0.1〜0.2nm/分の速度で順次蒸着させ、発光層を形成した。
得られた発光層上に、電子注入材料として、フッ化リチウム(LiF)(高純度化学研究所社製)を0.1nm/分の速度で4nm、次いでアルミニウム(Al)(高純度化学研究所社製)を0.1nm/分の速度で100nm蒸着させて陰極を形成し、有機EL素子を得た。
なお、蒸着時の真空度は、全て1×10−4Pa以下であった。
実施例又は比較例で得た封止シートの剥離フィルムを1枚剥がし、露出した粘着剤層を、製造例1で得られたガスバリア性フィルム上に重ね、ロールラミネーターを用いてこれらを貼着した。次いで、もう1枚の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を、ガラス基板上に形成された有機EL素子を覆うように重ね、ロールラミネーターを用いてこれらを貼着し、有機EL素子が封止されたボトムエミッション型の電子デバイスを得た。
この電子デバイスを、温度60℃、相対湿度90%の環境下に250時間静置させた後、有機EL素子を起動させ、ダークスポット(非発光箇所)の有無を観察し、全体に対するダークスポットの面積の割合を算出した。
Figure 2018168304
第1表から以下のことがわかる。
実施例1〜8の封止シート(1)〜(8)は、いずれも、剥離試験(a)において10.0N/25mm以上の粘着力を有し、かつ、高湿条件静置後においてもそれほど粘着力が低下しておらず、B/Aの値は、0.70以上である。
一方、比較例1の封止シート(9)は、高湿条件に置くと、粘着力が大きく低下する。そして、封止シート(9)は、封止性に劣っている。

Claims (17)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有する粘着剤組成物。
    (A)成分:ゴム系樹脂
    (B)成分:粘着付与剤
    (C)成分:光硬化性樹脂
    (D)成分:光反応開始剤
  2. 前記(A)成分が、ブチルゴムである、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記(B)成分が、脂肪族系石油樹脂である、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  5. 前記(C)成分が、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
  6. 前記(C)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部である、請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物。
  7. 前記(D)成分が、アルキルフェノン系光反応開始剤である、請求項1〜6のいずれかに記載の接着剤組成物。
  8. 前記(D)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して0.01〜5質量部である、請求項1〜7のいずれかに記載の接着剤組成物。
  9. さらに、下記の(E)成分を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の粘着剤組成物。
    (E)成分:シランカップリング剤
  10. 前記(E)成分が、下記式(1)で示される化合物である、請求項9に記載の粘着剤組成物。
    Figure 2018168304
    (Rは炭素数3以上のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは反応性基を含有する基を表し、nは0又は1である。)
  11. 前記(E)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して0.01〜7質量部である、請求項9又は10に記載の粘着剤組成物。
  12. 2枚の剥離フィルムと、これらの剥離フィルムに挟持された粘着剤層とからなる封止シートであって、
    前記粘着剤層が、請求項1〜11のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いて形成されたものである封止シート。
  13. 剥離フィルム、ガスバリア性フィルム、及び、前記剥離フィルムとガスバリア性フィルムに挟持された粘着剤層からなる封止シートであって、
    前記粘着剤層が、請求項1〜11のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いて形成されたものである封止シート。
  14. 前記ガスバリア性フィルムが、金属箔、樹脂製フィルム、又は薄膜ガラスである請求項13に記載の封止シート。
  15. 粘着剤層の厚みが1〜50μmである、請求項12〜14のいずれかに記載の封止シート。
  16. 被封止物が、請求項12〜15のいずれかに記載の封止シートを用いて封止されてなる封止体。
  17. 前記被封止物が、有機EL素子、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子である、請求項16に記載の封止体。
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