JP2014231586A - 粘着剤組成物およびそれを用いた粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】水蒸気透過性が低く、かつ高温多湿環境下であっても粘着力が低下しない粘着剤組成物を提供する。【解決手段】質量平均分子量が40万〜80万の範囲にあるポリイソブチレン樹脂Aと、質量平均分子量が10万以下のポリイソブチレン樹脂Bと、軟化温度が140℃以上の粘着付与剤と、シランカップリング剤と、を含んでなることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物に関し、より詳細には、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略す場合がある)等の電子デバイスの封止に好適に用いられる粘着剤組成物、およびそれを用いた粘着シートに関する。
有機EL素子は、アノードとカソードとの間に有機電荷輸送層及び有機発光層を積層させた有機発光層を設けた構造であり、低圧直流駆動による高輝度発光が可能は発光素子として、近年、画像表示装置や携帯情報端末等の種々の用途に用いられている。有機EL素子は、発光強度や発光効率等の発光特性が素子の使用時間に応じて劣化してしまうことが知られており、これは、素子内部に浸入した酸素や水蒸気等による電極の腐食や界面剥離、あるいは、素子の駆動による熱の発生による有機材料の酸化分解等が、その原因として考えられている。
そのため、有機EL素子を水蒸気や酸素等の接触から保護する封入技術が提案されている。例えば、特表2009−524705号公報には、水素添加環状オレフィン系ポリマーと重量平均分子量が50万以上のポリイソブチレン樹脂とを含む封止用組成物を用いた接着シートが提案されている。また、特開2011−231313号公報には、重量平均分子量が30万〜50万のポリイソブチレン系樹脂と、重量平均分子量が1、000〜25万のポリブテン樹脂と、特定の紫外線吸収剤および酸化防止剤とを含む、封止用粘着シートが提案されている。さらに、国際公開公報WO2013−002288号パンフレットには、重量平均分子量が27万〜48万のポリイソブチレン系樹脂と、重量平均分子量が10万〜25万のポリイソブチレン系樹脂と、水素化石油樹脂とを所定割合で配合した粘着性シートが提案されている。
特表2009−524705号公報 特開2011−231313号公報 国際公開公報WO2013−002288号パンフレット
上記した粘着シートは、水蒸気透過性が低くかつ優れた粘着力を有するものの、本発明者らは、有機EL素子を粘着シートで封止した状態においてモジュール耐久試験等を行うと、粘着シートの粘着性が急激に低下してしまうことに気付き、その原因が、有機LE素子モジュールを高温多湿環境下に置いた後に室温環境下に戻すと、粘着シートが水蒸気透過性が低いことに起因して、被着体である有機ELと粘着シートとの間に薄い水膜が形成されていることに基づくものであることが判明した。
そして、本発明者らは今般、所定の質量平均分子量を有する2種のポリイソブチレン樹脂と、140℃以上の軟化温度を有する粘着付与剤と、シランカップリング剤とを含有する粘着剤組成物とすることにより、水蒸気透過性が低く、かつ高温多湿環境下であっても粘着力が低下しない粘着剤組成物を実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、水蒸気透過性が低く、かつ高温多湿環境下であっても粘着力が低下しない粘着剤組成物、およびそれを用いた粘着シートを提供することである。
本発明による粘着剤組成物は、質量平均分子量が40万〜80万の範囲にあるポリイソブチレン樹脂Aと、質量平均分子量が10万以下のポリイソブチレン樹脂Bと、軟化温度が140℃以上の粘着付与剤と、シランカップリング剤と、を含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明の実施態様においては、前記ポリイソブチレン樹脂Aと前記ポリイソブチレン樹脂Bとが、質量基準で50:50〜90:10の割合で含まれてなることが好ましい。
また、本発明の実施態様においては、前記粘着付与剤が、前記ポリイソブチレン樹脂Aおよび前記ポリイソブチレン樹脂Bの総量に対して、10〜30質量%含まれてなることが好ましい。
また、本発明の実施態様においては、前記シランカップリング剤が、前記ポリイソブチレン樹脂Aおよび前記ポリイソブチレン樹脂Bの総量に対して、0.5〜2.0質量%含まれてなることが好ましい。
また、本発明の実施態様においては、酸化防止剤および/または酸化防止剤をさらに含んでなることが好ましい。
本発明の別の態様による粘着シートは、離型紙と、前記離型紙上に設けられた粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記粘着剤層が、上記着剤組成物からなるものである。
また、本発明の別の態様による貼合体の製造方法は、上記粘着シートを用いて貼合体を製造する方法であって、
前記粘着シートの粘着剤層側が対向するように、前記粘着シートを被着体に貼り合わせて、
前記被着体に貼り合わせた粘着シートから、離型紙を剥離し除去して粘着剤層を露出させ、次いで、
前記露出した粘着剤層に他方の被着体を貼り合わせて、前記被着体と他方の被着体とを接着する、
ことを含んでなるものである。
本発明によれば、所定の質量平均分子量を有する2種のポリイソブチレン樹脂と、140℃以上の軟化温度を有する粘着付与剤と、シランカップリング剤とを含有する粘着剤組成物とすることにより、水蒸気透過性が低く、かつ高温多湿環境下であっても粘着力が低下しない粘着剤組成物を実現できる。
<粘着剤組成物>
本発明による粘着剤組成物は、質量平均分子量が異なる2種のポリイソブチレン樹脂と、軟化温度が140℃以上の粘着付与剤と、シランカップリング剤とを必須成分として含む。以下、粘着剤組成物を構成する各成分について説明する。
本発明による粘着剤組成物に含まれるポリイソブチレン樹脂AおよびBは、主鎖又は側鎖にポリイソブチレン骨格を有する樹脂であり、イソブチレンの単独重合体であるポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン、イソブチレンとn−ブテンあるいはイソブチレンとブタジエンの共重合体、これら共重合体を臭素化または塩素化したハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。
ポリイソブチレン樹脂AおよびBは、イソブチレンをルイス酸触媒、例えば塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などの存在下で重合させて調製することができる。ポリイソブチレン樹脂AおよびBは、合成してもよいが市販のものを使用してもよい。市販のものとしては、Oppanol(BASF社製)、Vistanex(Exxon Chemical社製)、Hycar(Goodrich社製)等が挙げられる。ポリイソブチレン樹脂AおよびBは、それぞれ、下記の質量平均分子量の範囲内にあるものであれば、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明においては、ポリイソブチレン樹脂Aとして、質量平均分子量が40万〜80万の範囲にあるポリイソブチレン樹脂を用い、ポリイソブチレン樹脂Bとして、質量平均分子量が10万以下のものを併用して用いる。質量平均分子量が40万〜80万の範囲にあるポリイソブチレン樹脂を用いることで、高温多湿環境下においても粘着性が劣化することなく、低い水蒸気透過性を維持することができる。ポリイソブチレン樹脂Aの質量平均分子量が40万未満であると粘着剤組成物の凝集力が不十分となる場合があり、質量平均分子量が80万を超えると硬くなりすぎて被着体との粘着力が低下する場合がある。
しかし、上記の凝集力や粘着性は、被着体表面が水膜等で濡れていない場合であり、被着体の表面が水膜で覆われているような場合には、たとえ質量平均分子量が40万〜80万の範囲にあるポリイソブチレン樹脂であっても被着体との密着性が著しく低下する。上記したように、ポリイソブチレン樹脂の水蒸気透過性が低い場合は、粘着シートの貼合体(例えば有機EL素子モジュール等)を高温多湿環境下におくと、貼り合わせ界面において水膜が形成されて粘着性が著しく低下する場合がある。本発明においては、質量平均分子量が10万以下のポリイソブチレン樹脂Bを併用することにより、水膜が形成されるような場合であっても粘着性を維持することができる。なお、本発明において、質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されるポリスチレン換算の値を意味するものとする。
本発明においては、ポリイソブチレン樹脂Aとポリイソブチレン樹脂Bとが、質量基準で50:50〜90:10の割合で含まれていることが好ましい。両者を上記割合で配合することにより、低い水蒸気透過性を維持しながら、常温での被着体との密着性と、高温多湿環境下での密着性とを両立させることができる。より好ましい配合割合は60:40〜90:10である。
本発明による粘着剤組成物には、軟化温度が140℃以上の粘着付与剤が含まれる。粘着付与剤は、ポリイソブチレン樹脂からなる粘着剤の粘着性を高める機能を有するものであり、軟化温度が低い方が常温での粘着性が向上するが、高温多湿環境下では、粘着付与剤が粘着剤組成物から分離ないし液状化してしまう場合がある。そのため、本発明においては、軟化温度が140℃以上の粘着剤付与剤を使用する。このような粘着付与剤としては、テルペン系樹脂、ロジン系およびその誘導体からなる天然樹脂、石油系炭化水素樹脂等の公知のものを使用することができ、例えば、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、ロジン、ロジンのグリセリンエステル、水添ロジン、水添ロジンのグリセリンエステル、ロジンのペンタエリストールエステル等のロジン誘導体、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、水添変性脂環族系炭化水素樹脂、ポリブテン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。また、上記した粘着付与剤のなかでも、極性の極めて低いポリイソブチレンに添加して均一に分散させることができること、また、熱および光によって劣化や着色が起こりにくいという観点から、水添脂肪族系炭化水素樹脂、水添脂環族系石油樹脂等を使用することが好ましい。なお、本発明において、軟化温度とは、JIS K5902に準拠した環球法による軟化点測定方法によって測定される温度を意味する。
粘着付与剤は、ポリイソブチレン樹脂Aおよび前記ポリイソブチレン樹脂Bの総量に対して、10〜40質量%の割合で含まれていることが好ましい。粘着付与剤の含有量が多くなり過ぎると、高温多湿環境下での密着性は向上するものの、アウトガスの発生のおそれがある。また、ポリイソブチレン樹脂に相溶せずにブリードアウトしてしまうことがある。好ましい粘着付与剤の配合量は、10〜30質量%である。
本発明による粘着剤組成物には、シランカップリング剤が含まれる。上記した粘着付与剤に加えて、シランカップリング剤を含むことにより、低い水蒸気透過性を維持しながら、高温多湿環境下であっても優れた粘着性を維持することができる。この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。即ち、従来のアクリル系粘着剤などに比べ、ポリイソブチレン樹脂は水を吸収ないし透過し難い性質を有しているため、ポリイソブチレン樹脂と粘着付与剤とからなる粘着剤組成物は、被着体の表面に微量の水分が存在しているだけで粘着性が急激に低下し、粘着付与剤により発現される粘着性機能のみによっては、粘着性を担保できなくなる。被着体と粘着剤との間に微量の水分が浸入して一旦粘着性が低下すると水分が順次層間へ浸入していくが、この際、ポリイソブチレン樹脂の疎水性が高いため、浸入した水分は、樹脂中へ吸収されにくく、また透過しにくい。その結果、被着体と粘着剤との界面に水分の層(水膜)が形成されてしまい、粘着剤が粘着付与剤を含んでいても全く密着しない状態になるものと考えられる。多湿かつ高温の環境であるほどこの傾向は顕著であり、樹脂が加温によって軟化しているところへ水分が浸入し粘着性が急激に低下するものと考えられる。本発明による粘着剤組成物は、ポリイソブチレン樹脂および粘着付与剤に加え、さらにシランカップリング剤が含まれているため、微量の水分に対して粘着剤中のシランカップリング剤が反応し、被着体との粘着性を確保できるものと考えられる。
シランカップリング剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのインシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらのなかでも、ブチルゴムやイソプレンゴム等のゴム用途の接着性改善に使用される、メルカプト基を有するシランカップリング剤を好適に使用することができる。このようなシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、およびこれらの構造を有するアルコキシオリゴマー、メルカプト基とエポキシ基、メルカプト基とアミノ基などの組み合わせなど複数の官能基を有するアルコキシオリゴマー等が挙げられる。
シランカップリング剤は、ポリイソブチレン樹脂Aおよび前記ポリイソブチレン樹脂Bの総量に対して、0.5〜2.0質量%含まれることが好ましい。シランカップリング剤の配合量が0.5質量%未満であると、高温多湿環境下での粘着性が劣る場合ある。一方、シランカップリング剤の添加量が2.0質量%を超えても高温多湿環境下での粘着性は改善されない場合がある。この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。即ち、シランカップリング剤は、加水分解されてシラノールとなり部分的に縮合してオリゴマーを生成する反応と、続いて、生成したオリゴマーが無機質表面(例えば被着面であるガラス等)と脱水縮合により吸着する反応との両方において、反応副生成物として水が生じる。そのため、シランカップリング剤の添加量が多すぎると、生成した水によって粘着剤と被着体との界面に水分の層(水膜)が形成されてしまい、シランカップリング剤を添加することによる被着体とのアンカー効果を喪失させてしまうためと考えられる。
本発明による粘着剤組成物は、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、公知の化合物を使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、ベンゾエート系等の有機系紫外線吸収剤や、無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
また、粘着剤組成物に酸化防止剤を含ませることにより、可視光領域の色変化および近赤外領域の色変化をより抑制し、透明性を維持することができる。紫外線や温度により、粘着剤組成物(アクリル系粘着剤)が劣化してしまう恐れがあり、酸化防止剤によりアクリル系粘着剤の酸化を抑制することができるため、透明性を維持することができる。酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系の酸化防止剤が挙げられる。
さらに、粘着剤組成物には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を添加してもよい。また、必要に応じて、さらにシラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。
本発明による粘着剤組成物は、上記した各成分を混合し、必要に応じて混練、分散して、調製することができる。混合ないし分散方法は、特に限定されるものではなく、通常の混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。また、粘着剤塗工液の粘度調整のため、希釈溶剤を加えて各成分を混合してもよい。
<粘着シート>
本発明による粘着シートは、離型紙と、前記離型紙上に設けられた粘着剤層とを備えたものであり、粘着剤層が上記した粘着剤組成物からなるものである。本実施形態では、粘着剤層の片面にのみ離型紙が設けられた層構成を有しているが、粘着剤層の両面に第1離型紙および第2離型紙が設けられている層構成を有する実施形態であってもよい。なお、本明細書では、第1離型紙と第2離型紙とを合わせて離型紙と呼称する。
粘着シートは、後記する第1離型紙に、粘着剤組成物を塗布し乾燥させた後、塗布面に第2離型紙を貼り合わせることにより、粘着シートを得ることができる。粘着剤層の厚みは、100μm〜200μm程度であることが好ましい。粘着剤層の厚み(粘着剤組成物の塗布量)が薄すぎると、被着体の凹凸(例えば、タッチセンサー部材の周縁に設けられる枠印刷の段差)を粘着剤組成物が吸収することができない場合がある。一方、厚みが200μmを超えても接着強度等は向上せず、コストの上昇を招く。
離型紙への粘着剤組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。粘着剤組成物を、第1離型紙の離型面へ、上記のコーティング法で塗布して乾燥した後に、第2離型紙を貼り合わせればよい。
第1離型紙と第2離型紙は同じものでも異なったものを用いてもよい。離型紙としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のものを好適に使用できる。また、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面または両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
第一および第二離型紙の剥離力は、粘着シートに対し、1〜2000mN/cm程度、さらに100〜1000mN/cmであることが好ましい。離形層の剥離力が1mN/cm未満の場合は、粘着シートや被着材との剥離力が弱く、剥がれたり部分的に浮いたりする。また、2000mN/cmより大きい場合は、離形層の剥離力が強く、剥離しにくい。安定した離形性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加および/または重縮合型の剥離紙用硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
本発明によれば、上記した粘着シートを用いて、被着体を他の被着体に粘着剤層を介して貼り合わせて積層体とすることができる。例えば、有機EL素子は、一対の対向する電極、アノード及びカソード、及びこれら電極の間に配置された少なくとも有機発光層を有する発光ユニットを含む積層体であり、本発明による粘着シートを介して積層体とバリアフィルム等を貼合した有機EL素子モジュールとすることができる。
本発明による粘着剤組成物は、上記したような各成分を含有するため、40℃、90%RH環境下における水蒸気透過度が5g/m・day以下とすることができるとともに、85℃、85%RH環境下に50時間以上保管した後であっても、水蒸気透過度を維持しながら、被着体との密着性を10N/25mm以上とすることができる。
本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例の内容に限定されるものではない。
実施例1
<粘着剤組成物の調製>
ポリイソブチレン樹脂(A)として、粘度平均分子量40万のポリイソブチレン樹脂(Oppanol B50SF、BASF社製)を60質量部と、ポリイソブチレン樹脂(B)として、粘度平均分子量8.5万のポリイソブチレン樹脂(Oppanol B15SFN、BASF社製)を20質量部と、粘着付与剤として、軟化点が140℃の水素添加系石油樹脂(I−MARV P−140、出光興産社製、)を10質量部と、UV吸収剤(TINUVIN 326、BASF社製)を1質量部と、酸化防止剤(TINUVIN 770DF、およびIRGANOX 1010、いずれもBASF社製)を各1質量部と、をトルエン450質量部に溶解させ、粘度4300mPa・sの粘着剤組成物を調製した。
続いて、混合した粘着剤組成物にシランカップリング剤(X−41−1810、信越シリコーン社製)を2質量部添加し、均一になるよう撹拌した。高粘体であるため液を十分に減圧脱泡し、これを乾燥厚さ50μmとなるようシリコーン塗布重剥離フィルム(PET75×1−V3、ニッパ社製)に塗布し、130℃オーブンにて5分乾燥後、更に140℃オーブンにて5分乾燥させた。溶剤を除去した粘着剤表面に、シリコーン塗布軽剥離フィルム(PET50×1−J0、ニッパ社製)をラミネートし、透明な粘着シートを作製した。
実施例2〜5
シランカップリング剤を下記表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様に粘着シートを作製した。
実施例6
ポリイソブチレン樹脂(A)および(B)の配合量を下記表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様に粘着シートを作製した。
比較例1
シランカップリング剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様に粘着シートを作製した。
比較例2
ポリイソブチレン樹脂(A)として、粘度平均分子量40万のポリイソブチレン樹脂(Oppanol B50SF、BASF社製)を100質量部、ポリイソブチレン樹脂(B)として、粘度平均分子量20万のポリイソブチレン樹脂(Oppanol B30、BASF社製)を10質量部、粘着付与剤として、軟化点が125℃の水素化石油樹脂(アルコン P−125、荒川化学社製)を20質量部に変更し、これらをトルエン650gに溶解させて粘着剤組成物とした以外は、実施例1と同様の方法にて、粘着シートを作製した。
比較例3
ポリイソブチレン樹脂(A)として、粘度平均分子量260万のポリイソブチレン樹脂(Oppanol B150、BASF社製)80重量部に変更し、ポリイソブチレン樹脂(B)を用いなかった以外は、実施例1と同様に粘着シートを作製した。
<剥離強度の評価>
実施例および比較例で作製した粘着シートを、100μmPETフィルム(コスモシャインA4100、東洋紡エステル社製)の片面易接着処理面に貼合し、25mm幅にカットし剥離試験用サンプルを作製した。このサンプルを板ガラス(フロート板ガラス FL2、旭硝子社製)のスズ化合物非コート面に、JIS Z 0237に従い、2kgローラーの自重にて1往復し貼合した。この試験サンプルを24時間静置し、剥離試験機(テンシロンRTG−1250、エーアンドディー社製)にて300mm/分、剥離角度180°の条件で剥離試験を行った。評価結果は下記の表1に示される通りであった。
上記と同じ条件にて貼合したサンプル片つき板ガラスを、85℃85%RHの恒温恒湿槽に70時間保管し、取り出した後23℃100%RH環境下に移し、高湿度環境でサンプル温度が常温に戻ったことを確認してから同様に剥離強度を測定した。評価結果は下記の表1に示される通りであった。
<水蒸気透過性の評価>
実施例および比較例で作製した粘着シートから軽剥離フィルムを剥離し、開口径200μmのステンレスメッシュに貼合して測定用シートとした。次いで重剥離フィルムを剥離し、メッシュ面が下になるよう水蒸気透過度測定器(Lyssy水蒸気・ガス透過度計 L80−5000、Systech Instruments社製)を用い、40℃90%RH環境下にて水蒸気透過率を測定した。評価結果は下記の表1に示される通りであった。
Figure 2014231586

Claims (7)

  1. 質量平均分子量が40万〜80万の範囲にあるポリイソブチレン樹脂Aと、質量平均分子量が10万以下のポリイソブチレン樹脂Bと、軟化温度が140℃以上の粘着付与剤と、シランカップリング剤と、を含んでなることを特徴とする、粘着剤組成物。
  2. 前記ポリイソブチレン樹脂Aと前記ポリイソブチレン樹脂Bとが、質量基準で50:50〜90:10の割合で含まれてなる、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記粘着付与剤が、前記ポリイソブチレン樹脂Aおよび前記ポリイソブチレン樹脂Bの総量に対して、10〜30質量%含まれてなる、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記シランカップリング剤が、前記ポリイソブチレン樹脂Aおよび前記ポリイソブチレン樹脂Bの総量に対して、0.5〜2.0質量%含まれてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. 酸化防止剤および/または酸化防止剤をさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  6. 離型紙と、前記離型紙上に設けられた粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記粘着剤層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物からなる、粘着シート。
  7. 請求項6に記載の粘着シートを用いて貼合体を製造する方法であって、
    前記粘着シートの粘着剤層側が対向するように、前記粘着シートを被着体に貼り合わせて、
    前記被着体に貼り合わせた粘着シートから、離型紙を剥離し除去して粘着剤層を露出させ、次いで、
    前記露出した粘着剤層に他方の被着体を貼り合わせて、前記被着体と他方の被着体とを接着する、
    ことを含んでなる、方法。
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