JP2018168227A - 接着剤組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン成形品と、ポリ塩化ビニル、サーモプラスチックポリオレフィン等のプラスチックシートを接着する場合、ウレタン系接着剤を使用し、ポリオレフィン成形品には表面処理が必要で、工数やコストが増加する。また、自動車用内装材に用いるために耐熱性も要求される。【解決手段】クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンの重合物に、アクリルモノマーがグラフト重合し、更にシランカップリング剤が含有された接着剤組成物とする。前記アクリルモノマーに対するクロロプレンゴムの質量比は、1から100が好ましく、前記シランカップリング剤に対するクロロプレンゴムの質量比は、2から100が好ましく、前記塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比は、2から100とするのが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン成形品と、ポリ塩化ビニル、サーモプラスチックポリオレフィン等のプラスチックシートを接着する場合に使用する接着剤組成物に関するもので、主に自動車の内装材として用いるものである。
現在、自動車にはインストルメントパネル、ドア、天井材、リアトレイ、ピラーの他、多数の内装材が使用されている。これらの内装材は一般に表皮材と成形品等で構成されており、中でもポリオレフィン成形品を表皮材に接着する場合、クロロプレンゴム系の接着剤又はスチレンブロック共重合体系の接着剤を使用して、成形品と表皮材の両面に接着剤を塗布して接着する 。ここで使用される表皮材とは、(A)ポリ塩化ビニル、サーモプラスチックポリオレフィン等のプラスチックシートや、(B)トリコット、布、不織布等の繊維材料等の表皮材と、ポリウレタン系発泡体とを接着、あるいは熱融着等によりラミネートしてなる材料である。表皮材の厚さは0.3mmから1.0mm程度、ポリウレタン系発泡体の厚さは1.0mmから5.0mm程度のものが一般的に用いられる。また、ここで使用されるポリオレフィン成形品とは、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン素材を使用したプラスチックの射出成形品や、シート、木質粉や合成繊維及び植物繊維等をポリオレフィン樹脂で熱プレス成形により固めた木質成形品等である。
一般的にポリプロピレンは接着しにくく、自動車用には耐熱性も要求される。ポリプロピレンに対する接着性を高め、耐熱性も有する接着剤組成物として、特許文献1の技術が開示されている。
自動車用内装材に使用される接着剤、中でもポリオレフィン成形品とポリウレタン表皮材の接着には、クロロプレンゴム系接着剤又はスチレンブロック共重合体系の接着剤が使用されてきた。しかし近年自動車用内装材では、原価低減のため、表皮材の構成を変更し、ポリウレタン系発泡体を抜いて、前記表皮材と、ポリオレフィン成形品を直接接着する手法が検討されている。トリコット、布、不織布等の繊維材料等の表皮材とポリオレフィン成形品の接着は、クロロプレンゴム系接着剤又はスチレンブロック共重合体系の接着剤を使用することで、充分な性能を得ることが可能である。
しかしながら、ポリ塩化ビニル、サーモプラスチックポリオレフィン等のプラスチックシートの表皮材とポリオレフィン成形品を接着する場合は、接着後に表皮材中の成分(ポリ塩化ビニルはフタル酸系の可塑剤、サーモプラスチックポリオレフィンはオイル成分)が経時的に接着剤に移行し、接着剤の成分と混ざることにより接着強度を下げることが知られている。
上述の可塑剤、又はオイル成分は、クロロプレンゴム、又はスチレンブロック共重合体と高温環境で混ざりやすく、接着剤と、プラスチックシートの表皮材又は成形品の剥離が生じやすくなるため、耐熱性を必要とする自動車内装用途では使用に適さない。そのため、ポリ塩化ビニル、サーモプラスチックポリオレフィン等のプラスチックシートをポリオレフィン成形品に接着する場合は、可塑剤やオイル成分に混ざりにくいウレタン系接着剤や、ニトリルゴム系を使用する。しかし、これらの接着剤は、極性が異なるポリオレフィン素材には接着にくく、ポリオレフィン成形品と接着するためには、ポリオレフィン成形品の表面処理が必須である。具体的には、コロナ処理、火炎処理、又はプライマー処理等が必要なため、工数やコストが増加する。
特許文献1の接着剤組成物は、ポリプロピレン製スピーカーフレームに用いるもので、屋内で使用されると考えられる。しかし、自動車用の部品には、熱帯や寒冷地帯での使用や、走行時の振動等の環境にさらされるため、従来の技術では十分ではなく、より高い信頼性が求められる。本発明の目的は、接着性と耐熱性を向上させた接着剤組成物を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明の接着剤組成物は以下の構成とする。
(1)接着剤組成物として、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンの重合物に、アクリルモノマーがグラフト重合し、更にシランカップリング剤が含有されている。
(2)(1)において、アクリルモノマーに対するクロロプレンゴムの質量比が、1から100とする。
(3)(1)において、シランカップリング剤に対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100とする。
(4)(1)において、塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100とする。
(5)クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンを混合した溶液中で、アクリルモノマーをグラフト重合して重合物を作製し、前記重合物にシランカップリング剤を配合して接着剤組成物を製造する。
(1)接着剤組成物として、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンの重合物に、アクリルモノマーがグラフト重合し、更にシランカップリング剤が含有されている。
(2)(1)において、アクリルモノマーに対するクロロプレンゴムの質量比が、1から100とする。
(3)(1)において、シランカップリング剤に対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100とする。
(4)(1)において、塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100とする。
(5)クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンを混合した溶液中で、アクリルモノマーをグラフト重合して重合物を作製し、前記重合物にシランカップリング剤を配合して接着剤組成物を製造する。
以上のように本発明によれば、材料の組成比を適正化することで、接着性と耐熱性に優れた接着剤組成物を得ることができる。また、本発明によれば、現在主に使用されているウレタン系接着剤のように、ポリオレフィン成形品の表面処理が不要になり、工数、コストを削減できる。
以下、本発明の好ましい形態を詳細に説明する。
(クロロプレンゴム)
本発明のクロロプレンゴムとは、2−クロロ−1,3−ブタジエンの単独重合体(ホモポリマー)、又は、クロロプレンと共重合可能なモノマー(単量体)との共重合体(コポリマー)のことである。クロロプレンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸又はそのエステル類等が挙げられ、必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
本発明のクロロプレンゴムとは、2−クロロ−1,3−ブタジエンの単独重合体(ホモポリマー)、又は、クロロプレンと共重合可能なモノマー(単量体)との共重合体(コポリマー)のことである。クロロプレンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸又はそのエステル類等が挙げられ、必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
(塩素化ポリオレフィン)
本発明の塩素化ポリオレフィンとは、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキシル基やアクリル酸エステルで変性されているポリオレフィン樹脂等が挙げられる。 極性基を付与したもの、例えば、カルボキシル基を付加したカルボキシル基変性塩素化ポリオレフィンでも良い。極性の基付与により、極性材料であるポリ塩化ビニルへの接着性が更に向上する。
本発明の塩素化ポリオレフィンとは、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキシル基やアクリル酸エステルで変性されているポリオレフィン樹脂等が挙げられる。 極性基を付与したもの、例えば、カルボキシル基を付加したカルボキシル基変性塩素化ポリオレフィンでも良い。極性の基付与により、極性材料であるポリ塩化ビニルへの接着性が更に向上する。
(アクリルモノマー)
本発明のアクリルモノマーとは、後述するシランカップリング剤と反応し得る有機基を有するものであればよく、具体的には、アクリル酸及びアクリル酸エステル(例えばアクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等)、メタクリル酸及びメタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等)であって、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
本発明のアクリルモノマーとは、後述するシランカップリング剤と反応し得る有機基を有するものであればよく、具体的には、アクリル酸及びアクリル酸エステル(例えばアクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等)、メタクリル酸及びメタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等)であって、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
また、前記アクリルモノマー以外にも、酢酸ビニル、アクリルニトリル、スチレン、ブタジエン、アクリル酸及びアクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル等)、メタクリル酸及びメタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)など、シランカップリング剤と反応し得る有機基をもたないアクリルモノマーを併用することもできる。
(シランカップリング剤)
本発明のシランカップリング剤とは、前述のアクリルモノマーと反応性を持つ官能基を有するものであればよく、例えば、グラフト重合したアクリルモノマーがアクリル酸グリシジルの場合は、イソシアネートシラン、アミノシラン等が挙げられる。また、グラフト重合したアクリルモノマーがアクリル酸2−ヒドロキシエチルの場合は、イソシアネートシラン等が挙げられる。
本発明のシランカップリング剤とは、前述のアクリルモノマーと反応性を持つ官能基を有するものであればよく、例えば、グラフト重合したアクリルモノマーがアクリル酸グリシジルの場合は、イソシアネートシラン、アミノシラン等が挙げられる。また、グラフト重合したアクリルモノマーがアクリル酸2−ヒドロキシエチルの場合は、イソシアネートシラン等が挙げられる。
具体的なシランカップリング剤として、(1)エポキシシラン(例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等)、(2)アミノシラン(例えばアミノメチルトリエトキシシラン、アミノメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等)、(3)メルカプトシラン(例えばγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等)、(4)イソシアネートシラン(例えばγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)があり、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
これらのアクリルモノマーとシランカップリング剤の組み合わせは、目的とする硬化速度等の諸物性に応じ、1組又は2組以上の組み合わせを選択して使用することができる。
(グラフト重合物)
本発明のグラフト重合物とは、アクリルモノマーに開始剤を用いて、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンをグラフト重合したものである。本発明における開始剤は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーベンゾエード、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等の過酸化物、硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物等からなるものを使用することができる。
本発明のグラフト重合物とは、アクリルモノマーに開始剤を用いて、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンをグラフト重合したものである。本発明における開始剤は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーベンゾエード、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等の過酸化物、硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物等からなるものを使用することができる。
開始剤の使用量は通常、上記グラフト重合前のクロロプレンゴム100質量部に対し、好ましくは0.01〜5質量部の範囲で添加する。反応温度及び反応時間は使用する開始剤等によって異なるが、例えば、温度:70〜110℃で、時間:1〜24時間、窒素置換可能な釜やフラスコ内で反応させればよい。グラフト重合反応の方法については特に限定するものではないが、たとえばトルエン等の有機溶剤の溶液中で行うことができる。
(アクリルモノマーに対するクロロプレンゴムの質量比)
前記グラフト重合した重合物中の、アクリルモノマーに対するクロロプレンゴムの質量比が、接着性の観点から1から100であることが好ましく、2から50がより好ましく、5から30が更に好ましい。前記質量比が1未満では、シランカップリング剤を多量に用いても十分な耐熱性が得られない。また、100を超える場合には、架橋密度が高くなりすぎ、接着剤の応力緩和性が悪くなるため、特に低温(−30℃)での接着性が低下する。
前記グラフト重合した重合物中の、アクリルモノマーに対するクロロプレンゴムの質量比が、接着性の観点から1から100であることが好ましく、2から50がより好ましく、5から30が更に好ましい。前記質量比が1未満では、シランカップリング剤を多量に用いても十分な耐熱性が得られない。また、100を超える場合には、架橋密度が高くなりすぎ、接着剤の応力緩和性が悪くなるため、特に低温(−30℃)での接着性が低下する。
アクリルモノマーをグラフト重合した重合物にシランカップリング剤を配合すると、アクリルモノマー中の官能基とシランカップリング剤の有機官能基が化学反応する。反応温度及び反応時間は、官能基の反応性によって異なるが、例えば、常温(20℃)〜110℃で、時間:1〜24時間、窒素置換下で反応させればよい。また、必要に応じて、反応促進のための触媒を添加することが可能である。
(シランカップリング剤に対するクロロプレンゴムの質量比)
前記グラフト重合した重合物中の、シランカップリング剤に対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100であることが好ましく、3から50がより好ましく、5から30が更に好ましい。前記質量比が2未満では、十分な耐熱性が得られない。また、100を超える場合には、架橋密度が高くなりすぎ、接着剤の応力緩和性が悪くなるため、特に低温(−30℃)での接着性が低下する。
前記グラフト重合した重合物中の、シランカップリング剤に対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100であることが好ましく、3から50がより好ましく、5から30が更に好ましい。前記質量比が2未満では、十分な耐熱性が得られない。また、100を超える場合には、架橋密度が高くなりすぎ、接着剤の応力緩和性が悪くなるため、特に低温(−30℃)での接着性が低下する。
(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比)
前記グラフト重合した重合物中の、塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100であることが好ましく、3から50がより好ましく、5から30が更に好ましい。前記質量比が2未満では、接着剤とポリオレフィン材料との接着性が低くなる。また100を超える場合には、樹脂成分が増えることにより粘着性が低下するため接着性が低くなる。
前記グラフト重合した重合物中の、塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100であることが好ましく、3から50がより好ましく、5から30が更に好ましい。前記質量比が2未満では、接着剤とポリオレフィン材料との接着性が低くなる。また100を超える場合には、樹脂成分が増えることにより粘着性が低下するため接着性が低くなる。
(その他の配合物)
この他に、粘着付与樹脂として、例えば芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素等の石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、オレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びこれらの変性樹脂等から一種以上を選択し、適量を配合することもできる。また、求められる製品の必要性に応じ、安定剤、着色剤、触媒、充填剤等を配合することが可能である。
この他に、粘着付与樹脂として、例えば芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素等の石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、オレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、及びこれらの変性樹脂等から一種以上を選択し、適量を配合することもできる。また、求められる製品の必要性に応じ、安定剤、着色剤、触媒、充填剤等を配合することが可能である。
このようにして得られた本発明の接着剤組成物は、自動車用内装材の接着、特にポリオレフィン材料と、ポリ塩化ビニル、サーモプラスチックポリオレフィン等のプラスチックシートの接着に適している。前記内装材として、インストルメントパネル、ドア、天井材、リアトレイ、ピラー等にポリオレフィン成形品が用いられる。具体的なポリオレフィン成形品として、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系プラスチックの射出成形品やシート、並びに、木材チップや、木質粉、植物繊維等をポリオレフィン樹脂で熱プレス成形により固めた木質成形品や木質ボード等がある。前記プラスチックシートとして、ポリ塩化ビニル、サーモプラスチックポリオレフィン等のプラスチックの他に、これらの共重合体を主成分として製造される材料も好ましく用いることができる。
この他に、本発明の接着剤組成物は、アクリロニトリル・ブタジエン・ポリスチレン樹脂(以下ABS樹脂と略す)、ポリスチレン系樹脂、木質粉等をフェノール樹脂で熱プレス成形により固めた木質成形品等の樹脂成形品と、オレフィンシートやABS樹脂等のプラスチックシートや、布、不織布等の繊維材料との接着にも使用することができる。また、本発明の接着剤組成物は自動車用途に限定されず、家電製品、日用品等でも好ましく用いることができる。
次に、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の文中に物質名に続く部とあるのは、質量部を意味する。
(実施例1)
本発明の接着剤組成物の作製手順を図1のフローチャートに示す。まず、クロロプレンゴム(デンカ株式会社製デンカクロロプレンA−90:デンカクロロプレンは登録商標、以下同じ)100部と、塩素化ポリオレフィン(日本製紙株式社製スーパークロン822S:スーパークロンは登録商標、以下同じ)30部を、トルエン400部(溶媒)を入れたフラスコに撹拌しながら溶解し、窒素置換してオイルバスにより80±2℃まで加熱し、温度調節しながら撹拌し、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンをトルエンに溶解した。続いて、アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジル5部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/5=20)と、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5部とをトルエンに溶解し、滴下ロートを用いて前記フラスコ内に滴下してグラフト重合を行った。フラスコ内は80±2℃に保ったまま撹拌機で撹拌を続けながら3時間加熱した。続いて、停止剤としてハイドロキノン0.5部をメチルエチルケトン(Methyl ethyl ketone:以下MEKと略す)に溶解し、滴下ロートを用いて、前記フラスコ内に加え反応を停止させ、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンのグラフト重合物を得た。なお、反応終点は、東機産業製粘度測定器VISCOMETER TV−22を用いて、粘度が2000mPa・s(80℃)にまで低下した時点とした。
本発明の接着剤組成物の作製手順を図1のフローチャートに示す。まず、クロロプレンゴム(デンカ株式会社製デンカクロロプレンA−90:デンカクロロプレンは登録商標、以下同じ)100部と、塩素化ポリオレフィン(日本製紙株式社製スーパークロン822S:スーパークロンは登録商標、以下同じ)30部を、トルエン400部(溶媒)を入れたフラスコに撹拌しながら溶解し、窒素置換してオイルバスにより80±2℃まで加熱し、温度調節しながら撹拌し、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンをトルエンに溶解した。続いて、アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジル5部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/5=20)と、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5部とをトルエンに溶解し、滴下ロートを用いて前記フラスコ内に滴下してグラフト重合を行った。フラスコ内は80±2℃に保ったまま撹拌機で撹拌を続けながら3時間加熱した。続いて、停止剤としてハイドロキノン0.5部をメチルエチルケトン(Methyl ethyl ketone:以下MEKと略す)に溶解し、滴下ロートを用いて、前記フラスコ内に加え反応を停止させ、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンのグラフト重合物を得た。なお、反応終点は、東機産業製粘度測定器VISCOMETER TV−22を用いて、粘度が2000mPa・s(80℃)にまで低下した時点とした。
続いて、フラスコ内の温度を約40℃±5℃まで放冷後、前記グラフト重合物にシクロヘキサン200部と、石油樹脂(荒川化学工業株式会社製脂環族飽和炭化水素樹脂アルコンP−100:アルコンは登録商標)100部を固体のまま直接加え、2時間撹拌機で攪拌溶解した。石油樹脂は、粘着剤付与樹脂として作用し、クロロプレンゴムに耐熱性・粘着性・接着力を付与するために添加する。
更にシランカップリグ剤として、アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製3−アミノプロピルトリメトキシシランKBE−903:3−アミノプロピルトリメトキシシランは化学名、KBE−903は製品名)固形分5部(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/5=20)を加え、約1時間撹拌機で撹拌混合して、40±5℃に保持したまま、シランカップリング反応をさせた。なお、3−アミノプロピルトリメトキシシランは液状であるが、有機溶剤のように揮発しないため、不揮発成分を固形分とした。以下の固形分の記述も同様である。最後に、粘度測定機で前記組成物の粘度を測定し、200mPa・s(25℃)まで低下したときにフラスコ内から取り出し、接着剤組成物(1)を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして、クロロプレンゴム(デンカ株式会社製デンカクロロプレンA−90)50部と、酸変性クロロプレンゴム(昭和電工株式会社製ショープレンAF:ショープレンは登録商標)50部と、塩素化ポリオレフィン(日本製紙株式会社製スーパークロン822S)30部をトルエン400部に撹拌溶解し、窒素置換したフラスコ内で、オイルバスにより80±2℃まで加熱し、撹拌機で撹拌し溶解した。その後、メタクリル酸グリシジル5部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/5=20)を、滴下ロートを用いてフラスコ内に滴下し、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5部の溶解液(溶媒:トルエン)を滴下してグラフト重合を行った。フラスコ内は80±2℃に保ったままで3時間加熱し、撹拌機で撹拌し、停止剤としてハイドロキノン0.5部(溶媒:MEK)を加えて反応を停止させた。
実施例1と同様にして、クロロプレンゴム(デンカ株式会社製デンカクロロプレンA−90)50部と、酸変性クロロプレンゴム(昭和電工株式会社製ショープレンAF:ショープレンは登録商標)50部と、塩素化ポリオレフィン(日本製紙株式会社製スーパークロン822S)30部をトルエン400部に撹拌溶解し、窒素置換したフラスコ内で、オイルバスにより80±2℃まで加熱し、撹拌機で撹拌し溶解した。その後、メタクリル酸グリシジル5部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/5=20)を、滴下ロートを用いてフラスコ内に滴下し、開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5部の溶解液(溶媒:トルエン)を滴下してグラフト重合を行った。フラスコ内は80±2℃に保ったままで3時間加熱し、撹拌機で撹拌し、停止剤としてハイドロキノン0.5部(溶媒:MEK)を加えて反応を停止させた。
続いて、フラスコ内の温度を40±5℃まで放冷後、シクロヘキサン200部、石油樹脂(荒川化学工業株式会社製脂環族飽和炭化水素樹脂アルコンP−100)100部を加え、2時間撹拌溶解した。更にアミノプロピルトリエトキシシラン固形分5部(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:50/5=10)を加え、約1時間撹拌機で撹拌混合して接着剤組成物(2)を得た。
(実施例3)
アミノプロピルトリエトキシシラン固形分を5部から50部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/50=2)、接着剤組成物(3)を得た。
アミノプロピルトリエトキシシラン固形分を5部から50部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/50=2)、接着剤組成物(3)を得た。
(実施例4)
アミノプロピルトリエトキシシラン固形分を5部から1部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/1=100)、接着剤組成物(4)を得た。
アミノプロピルトリエトキシシラン固形分を5部から1部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/1=100)、接着剤組成物(4)を得た。
(実施例5)
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジルを5部から1部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/1=100)、接着剤組成物(5)を得た。
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジルを5部から1部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/1=100)、接着剤組成物(5)を得た。
(実施例6)
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジルを5部から100部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/100=1)、接着剤組成物(6)を得た。
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジルを5部から100部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/100=1)、接着剤組成物(6)を得た。
(実施例7)
塩素化ポリオレフィンを30部から1部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/1=100)、接着剤組成物(7)を得た。
塩素化ポリオレフィンを30部から1部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/1=100)、接着剤組成物(7)を得た。
(実施例8)
塩素化ポリオレフィンを30部から50部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/50=2)、接着剤組成物(8)を得た。
塩素化ポリオレフィンを30部から50部に置き変えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/50=2)、接着剤組成物(8)を得た。
(比較例1)
シランカップリグ剤としてアミノプロピルトリエトキシシランの固形分を0.1部(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/0.1=1000)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(9)を得た。
シランカップリグ剤としてアミノプロピルトリエトキシシランの固形分を0.1部(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/0.1=1000)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(9)を得た。
(比較例2)
シランカップリグ剤としてアミノプロピルトリエトキシシランの固形分を60部(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/60=1.67)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(10)を得た。
シランカップリグ剤としてアミノプロピルトリエトキシシランの固形分を60部(アミノプロピルトリエトキシシランに対するクロロプレンゴムの質量比:100/60=1.67)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(10)を得た。
(比較例3)
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジル添加量を0.1部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/0.1=1000)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(11)を得た。
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジル添加量を0.1部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/0.1=1000)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(11)を得た。
(比較例4)
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジル添加量を120部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/120=0.83)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(12)を得た。
アクリルモノマーとしてメタクリル酸グリシジル添加量を120部(メタクリル酸グリシジルに対するクロロプレンゴムの質量比:100/120=0.83)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(12)を得た。
(比較例5)
塩素化ポリオレフィン添加量を0.1部(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/0.1=1000)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(13)を得た。
塩素化ポリオレフィン添加量を0.1部(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/0.1=1000)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(13)を得た。
(比較例6)
塩素化ポリオレフィン添加量を100部(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/100=1)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(14)を得た。
塩素化ポリオレフィン添加量を100部(塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比:100/100=1)に置き換えた以外は、実施例1と同様の手法で作製し、接着剤組成物(14)を得た。
(接着性試験)
得られた接着剤組成物それぞれをスプレーガン(アネスト岩田株式会社製大形スプレーガン 吸上式W−200)に充填し、長さ100mm×幅25mm×厚み2mmのポリプロピレン成形品シート、及び長さ100mm×幅25mm×厚み1mmのポリ塩化ビニルシート上にそれぞれ30cm上から噴霧し、塗布量が150g/m2(湿潤状態)になるように塗布する。続いて、80℃に設定した熱風循環式乾燥炉に、塗布面が上になるように載置して2分間乾燥した。前記乾燥炉から取り出したシートを、20℃雰囲気中に5分間放置した後に、それぞれの塗布面が対向するように当接し、低圧プレス機(東邦試験機社製機種名低圧プレスでプレス(プレス条件:0.1MPa)し接着した。前記接着品を恒温恒湿槽に載置し、20℃・65%RH(相対湿度)雰囲気中で1日載置し養生した。続いて、接着品を恒温槽に移し、80℃雰囲気中に400時間放置後、恒温恒湿槽に移し、20℃・65%RH雰囲気中で1日養生した。この接着品を、20℃雰囲気中での引張試験機(株式会社東洋精機製作所製卓上型引張万能試験機 ストログラフT)で以下の試験に供した。
得られた接着剤組成物それぞれをスプレーガン(アネスト岩田株式会社製大形スプレーガン 吸上式W−200)に充填し、長さ100mm×幅25mm×厚み2mmのポリプロピレン成形品シート、及び長さ100mm×幅25mm×厚み1mmのポリ塩化ビニルシート上にそれぞれ30cm上から噴霧し、塗布量が150g/m2(湿潤状態)になるように塗布する。続いて、80℃に設定した熱風循環式乾燥炉に、塗布面が上になるように載置して2分間乾燥した。前記乾燥炉から取り出したシートを、20℃雰囲気中に5分間放置した後に、それぞれの塗布面が対向するように当接し、低圧プレス機(東邦試験機社製機種名低圧プレスでプレス(プレス条件:0.1MPa)し接着した。前記接着品を恒温恒湿槽に載置し、20℃・65%RH(相対湿度)雰囲気中で1日載置し養生した。続いて、接着品を恒温槽に移し、80℃雰囲気中に400時間放置後、恒温恒湿槽に移し、20℃・65%RH雰囲気中で1日養生した。この接着品を、20℃雰囲気中での引張試験機(株式会社東洋精機製作所製卓上型引張万能試験機 ストログラフT)で以下の試験に供した。
(1)180°はく離接着強度
前記接着品を引張試験機で180°方向にはく離速度200mm/分(23℃雰囲気中)ではく離し、接着面積の50%が剥離した時に、25mm平方に換算した時の強度(N/25mm)を測定した。
前記接着品を引張試験機で180°方向にはく離速度200mm/分(23℃雰囲気中)ではく離し、接着面積の50%が剥離した時に、25mm平方に換算した時の強度(N/25mm)を測定した。
(2)クリープ強度
前記接着品を100mm×25mmに裁断し、長辺の端からシートを15mm剥がす。その剥がしたシートの長辺の端から10mmの部分に100g/25mmの分銅を掛ける。恒温槽に載置し、80℃雰囲気中で、垂直方向に分銅の荷重をかけ、24時間加圧しクリープ試験を行う。加圧を解除した接着品に定規を使用して測定し、剥離した長さを測定した。それぞれの試験結果を表1に示す。
前記接着品を100mm×25mmに裁断し、長辺の端からシートを15mm剥がす。その剥がしたシートの長辺の端から10mmの部分に100g/25mmの分銅を掛ける。恒温槽に載置し、80℃雰囲気中で、垂直方向に分銅の荷重をかけ、24時間加圧しクリープ試験を行う。加圧を解除した接着品に定規を使用して測定し、剥離した長さを測定した。それぞれの試験結果を表1に示す。
本発明による実施例1〜8は、180°剥離接着強度が比較例1〜6より大幅に向上した。これは、クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンがアクリルモノマーとのグラフト重合反応により特異な接着性能が得られたためと考えられる。また、クリープ試験後の剥離長さも実施例1〜3は比較例1〜4よりも大幅に短くなった。これは前記グラフト重合物成分中のアクリルモノマーとシランカップリング剤が反応し、シランカップリング剤同士が湿気硬化により架橋反応したためと考えられる。
クロロプレンゴムに対してアミノプロピルトリエトキシシラン(シランカップリング剤)が少ない比較例1は、架橋密度が低いため、耐熱性が低くなり、接着強度が低下した。同様にアミノプロピルトリエトキシシランが多い比較例2は、架橋密度が高すぎるため、接着剤の粘着力が低下して接着強度が低下した。クロロプレンゴムに対してメタクリル酸グリシジル(アクリルモノマー)が少ない比較例3は、比較例1と同様に、架橋密度が低いため耐熱性が低いので、接着強度が低下した。同様にメタクリル酸グリシジルが多い比較例4は、比較例2と同様に架橋密度が高すぎるため、接着剤の粘着力が低下して接着強度が低下した。クロロプレンゴムに対して塩素化ポリオレフィンが少ない比較例5は、オレフィンへの接着力が低下して接着強度が低下した。同様に塩素化ポリオレフィンが多い比較例6は、樹脂比率が高くなることで接着剤の粘着力が低下して接着強度が低下した。
Claims (5)
- クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンの重合物に、アクリルモノマーがグラフト重合し、更にシランカップリング剤を含有した接着剤組成物。
- 前記アクリルモノマーに対するクロロプレンゴムの質量比が、1から100である請求項1記載の接着剤組成物。
- 前記シランカップリング剤に対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100である請求項1記載の接着剤組成物。
- 前記塩素化ポリオレフィンに対するクロロプレンゴムの質量比が、2から100である請求項1記載の接着剤組成物。
- クロロプレンゴムと塩素化ポリオレフィンを混合した溶液中で、アクリルモノマーをグラフト重合して重合物を作製し、前記重合物にシランカップリング剤を配合する接着剤組成物の製造方法。
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