JP2018167627A - 車両空調用送風装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動アクチュエータの故障時に出力軸を所定時間以上回動させた場合であっても、リンク部材の破損を防止し、内外気切替ダンパを所定位置で保持できるようにする。【解決手段】アクチュエータ側リンク部材30が、外気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、ダンパ側リンク部材40をアクチュエータ側リンク部材30から離脱させる。アクチュエータ側リンク部材30から離脱したダンパ側リンク部材40を送風ケーシング10に係合させる。【選択図】図7

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載される車両空調用送風装置に関し、特に、電動アクチュエータによって駆動される内外気切替ダンパを備えた構造の技術分野に属する。
従来より、車両用空調装置には、空調用空気を熱交換器に送風するための送風装置が設けられている(例えば、特許文献1、2参照)。送風装置は、遠心式ファンと、ファンを収容する送風ケーシングと、ファンを駆動するモーターとを備えている。送風ケーシングの上部には、車室外の空気(外気)を送風ケーシングの内部に導入するための外気導入口と、車室内の空気(内気)を送風ケーシングの内部に導入するための内気導入口とが形成されている。送風ケーシングの内部には、外気導入口及び内気導入口の一方を開いて他方を閉じる内外気切替ダンパが設けられている。また、送風ケーシングには、電動アクチュエータが取り付けられている。
そして、内外気切替ダンパは、リンク部材を介して電動アクチュエータによって駆動されて、外気導入口を開いて内気導入口を閉じる外気導入モードと、外気導入口を閉じて内気導入口を開く内気循環モードとに切り替えることが可能に構成されている。
電動アクチュエータは、空調制御装置からの制御信号によって動作するように構成されており、一般的には、電動モーター、減速歯車、出力軸、ポテンションメータ(位置検出センサ)等を有している。ポテンションメータによって出力軸の回動角度を検出して、電動アクチュエータの出力軸が所定の回動角度となるように制御され、上記内外気切替ダンパを所定のモードとすることができるようになっている。
国際公開第2016/2142号 国際公開第2016/21128号
ところで、たとえば電動アクチュエータのポテンションメータが故障する場合が考えられる。ポテンションメータが故障すると、電動アクチュエータの出力軸の回動角度を検出することができなくなるので、内外気切替ダンパが外気導入モードと内気循環モードとのいずれの空気導入モードにあるか判定できなくなる。
そこで、電動アクチュエータの制御として、ポテンションメータの故障を検出した場合には、内外気切替ダンパを所定の位置まで回動させるべく、電動モーターに対して一定時間だけ電流を供給して出力軸を特定の方向に回動させておくことが考えられる。これにより、ポテンションメータの故障時には、故障前にどの空気導入モードであったかに関わらず、たとえば、外気導入モードとなるまで内外気切替ダンパを駆動して強制的に外気導入モードにし、車室内に外気を取り込んで乗員の安全性を確保することができる。
ところが、ポテンションメータの故障時には、電動アクチュエータの出力軸の回動角度を検出することができなくなっていることから、外気導入モードにする回動角度よりも大きく出力軸を回動させるように電流の供給時間を長めに設定する必要があり、このため、内外気切替ダンパと電動アクチュエータの出力軸との間に設けられているリンク部材に過度な負荷がかかり、リンク部材の破損を招く恐れがある。リンク部材が破損してしまうと、内外気切替ダンパが回動方向にフリーな状態になるので、内外気切替ダンパの回動位置を規制することができず、その結果、内外気切替ダンパを外気導入モードにしておくことができなくなる。
また、ポテンションメータの故障時に強制的に内気導入モードとするように制御する場合も同様な問題が発生する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動アクチュエータの故障時に出力軸を所定時間以上回動させた場合であっても、リンク部材の破損を防止し、内外気切替ダンパを所定位置で保持できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、アクチュエータ側リンク部材が、所定の空気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、ダンパ側リンク部材をアクチュエータ側リンク部材から離脱させ、離脱したダンパ側リンク部材を送風ケーシングに係合させることができるようにした。
第1の発明は、送風用ファンと、車室外の空気を導入するための外気導入口と車室内の空気を導入するための内気導入口とが形成され、上記送風用ファンを収容するように形成された送風ケーシングと、上記送風ケーシングの内部に回動可能に設けられ、回動動作によって上記外気導入口及び上記内気導入口を開閉して所定の空気導入モードに切り替える内外気切替ダンパと、上記内外気切替ダンパを駆動する電動アクチュエータと、上記電動アクチュエータが有する出力軸に連結されるアクチュエータ側リンク部材と、上記内外気切替ダンパが有する回動軸に連結され、上記アクチュエータ側リンク部材の回動力の伝達が可能に該アクチュエータ側リンク部材に係合するダンパ側リンク部材とを備えた車両空調用送風装置において、上記アクチュエータ側リンク部材が、上記所定の空気導入モード方向へ向けて上記所定の空気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、上記ダンパ側リンク部材を上記アクチュエータ側リンク部材から離脱させる離脱機構を備え、上記アクチュエータ側リンク部材から離脱した上記ダンパ側リンク部材が係合するリンク係合部が上記送風ケーシングに設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、電動アクチュエータの出力軸の回動力が、アクチュエータ側リンク部材を介してダンパ側リンク部材に伝達され、これにより、内外気切替ダンパが回動する。内外気切替ダンパの回動動作によって外気導入口及び内気導入口を開閉し、空気導入モードを、たとえば、外気導入口を開いて内気導入口を閉じる外気導入モードや、外気導入口を閉じて内気導入口を開く内気循環モードに切り替えることが可能になる。
ここで、たとえば電動アクチュエータに内蔵されているポテンションメータが故障した場合を想定すると、内外気切替ダンパを所定の位置まで回動させるべく、電動アクチュエータの電動モーターに対して一定時間だけ電流を供給して出力軸を特定の方向に回動させておくことが考えられる。この場合、時間に基づく制御を行うことになるので、アクチュエータ側リンク部材が、所定の空気導入モード方向へ向けて該所定の空気導入モードの回動位置を超えるまで回動する場合がある。このとき、ダンパ側リンク部材がアクチュエータ側リンク部材から離脱するので、ダンパ側リンク部材の破損が抑制される。そして、アクチュエータ側リンク部材から離脱したダンパ側リンク部材は、送風ケーシングの係合部に係合するので、ダンパ側リンク部材及び内外気切替ダンパの回動位置が保持されて、内外気切替ダンパを所定の空気導入モードとしておくことが可能になる。
第2の発明は、第1の発明において、上記アクチュエータ側リンク部材は、所定方向に長い形状とされ、長手方向一側が上記電動アクチュエータの上記出力軸に固定され、上記ダンパ側リンク部材は、所定方向に長い形状とされ、長手方向一側が上記内外気切替ダンパの上記回動軸に固定され、上記アクチュエータ側リンク部材の長手方向他側には、上記出力軸方向に突出するように突出部が設けられ、上記ダンパ側リンク部材の長手方向他側には、該ダンパ側リンク部材の長手方向に延びる係合溝が設けられ、上記突出部が上記係合溝に挿入された状態で、上記アクチュエータ側リンク部材及び上記ダンパ側リンク部材が係合し、上記離脱機構は上記突出部及び上記係合溝で構成され、該係合溝は上記ダンパ側リンク部材の長手方向他端部において開放されていることを特徴とする。
この構成によれば、アクチュエータ側リンク部材の突出部がダンパ側リンク部材の係合溝に挿入された状態で係合しているので、アクチュエータ側リンク部材が回動すると、突出部が係合溝の内部において相対的に移動しながら、該係合溝の縁部に対して回動力を作用させ、これにより、ダンパ側リンク部材が回動する。その結果、内外気切替ダンパが回動する。そして、アクチュエータ側リンク部材が所定の空気導入モードの回動位置を超えるまで回動すると、突出部が係合溝における他端部から出て、これにより、ダンパ側リンク部材がアクチュエータ側リンク部材から離脱する。
第3の発明は、第1または2の発明において、上記アクチュエータ側リンク部材及び上記ダンパ側リンク部材は、上記送風ケーシングの外部に配置され、上記リンク係合部は、上記送風ケーシングから該送風ケーシングの外部へ突出する突出片で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、送風ケーシングに形成した突出片によってリンク係合部を簡単に形成できる。
第4の発明は、第3の発明において、上記ダンパ側リンク部材には、上記突出片に係合する係合片が該ダンパ側リンク部材の回動方向に突出するように設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパ側リンク部材が所定以上回動することによってダンパ側リンク部材の係合片と、送風ケーシングの突出片とが係合し、ダンパ側リンク部材が保持される。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つに発明において、上記離脱機構は、上記アクチュエータ側リンク部材が、外気導入モード方向へ向けて外気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、上記ダンパ側リンク部材を上記アクチュエータ側リンク部材から離脱させることを特徴とする。
この構成によれば、電動アクチュエータが故障した場合に、内外気切替ダンパが外気導入モードで保持されるので、車室に外気を取り込むことが可能になる。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、上記電動アクチュエータは、上記出力軸の回動角度を検出するポテンションメータを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、電動アクチュエータのポテンションメータが故障して電動アクチュエータの電動モーターに対して一定時間だけ電流を供給して出力軸を特定の方向に回動させておく場合に、ダンパ側リンク部材の回動位置が保持されて内外気切替ダンパが他のモードとならないようにすることができる。
第1の発明によれば、アクチュエータ側リンク部材が、所定の空気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、ダンパ側リンク部材をアクチュエータ側リンク部材から離脱させることでダンパ側リンク部材の破損を抑制することができる。そして、離脱したダンパ側リンク部材を送風ケーシングに係合させることができるので、内外気切替ダンパを所定位置で保持できる。
第2の発明によれば、アクチュエータ側リンク部材の突出部と、ダンパ側リンク部材の係合溝とを係合させることによって電動アクチュエータの駆動力を内外気切替ダンパに伝達することができる。この場合に、アクチュエータ側リンク部材が所定の空気導入モードの回動位置を超えるまで回動すると、突出部が係合溝における他端部から出るので、ダンパ側リンク部材をアクチュエータ側リンク部材から確実に離脱させることができる。
第3の発明によれば、リンク係合部を突出片としたので簡単に形成することができる。
第4の発明によれば、ダンパ側リンク部材が所定以上回動することによってダンパ側リンク部材の係合片と、送風ケーシングの突出片とを確実に係合させることができる。
第5の発明によれば、電動アクチュエータが故障した場合に、内外気切替ダンパが外気導入モードで保持されるので、車室に外気を取り込むことができ、乗員の安全性を高めることができる。
第6の発明によれば、ポテンションメータの故障時に内外気切替ダンパを所定の空気導入モードで保持することができる。
実施形態に係る車両空調用送風装置の右側面図であり、内気循環モードとされている場合を示す。 外気導入モードとされている場合の車両空調用送風装置の縦断面図である。 外気導入モードとされている場合の車両空調用送風装置の右側面図である。 ダンパ側リンク部材の右側面図である。 ダンパ側リンク部材の底面図である。 ダンパ側リンク部材を前側から見た図である。 ダンパ側リンク部材が送風ケーシングに係合した状態を示す図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両空調用送風装置1の右側面図であり、内気循環モードとされている場合を示す。図1及び図2に示すように、車両空調用送風装置1は、送風用ファン2と、ファン駆動モーター3と、内外気切替ダンパ4と、フィルタ5と、送風ケーシング10と、電動アクチュエータ20と、アクチュエータ側リンク部材30と、ダンパ側リンク部材40とを少なくとも備えており、図示しない温度調節ユニット(空調ユニット)に空調用空気を送風するための装置である。
車両空調用送風装置1は、温度調節ユニットと共に車両用空調装置を構成するものである。車両用空調装置には、図1に示すように、制御装置100が設けられている。また、温度調節ユニットは、空気冷却用熱交換器及び空気加熱用熱交換器を有し、これら熱交換器を通過する空気量を変更することによって所望温度の調和空気を生成した後、車室の各部に供給することができるように構成されている。
車両空調用送風装置1及び温度調節ユニットは、自動車の車室の前端部に設けられたインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。車両空調用送風装置1及び温度調節ユニットは、インストルメントパネルの内部において車幅方向に並ぶように配設することができる。また、車両空調用送風装置1及び温度調節ユニットは、車両のダッシュパネル(図示せず)等に固定することができる。
車両空調用送風装置1は、インストルメントパネルの内部において助手席側に配置される一方、温度調節ユニットは車幅方向中央部に配置される。この実施形態では、車両空調用送風装置1が車両右側に配設される場合について説明する。
尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」
というものとする。
図2に示すように、送風ケーシング10の上部の前側には、車室外の空気(外気)を送風ケーシング10の内部に導入するための外気導入口11が形成されている。外気導入口11は左右方向に長い形状となっている。外気導入口11の周縁部には、前側かつ上方へ突出するように外気導入ダクト12が一体に形成されている。外気導入ダクト12の上流端部は、車両にもうけられたカウル(図示せず)に形成された開口部(図示せず)に接続されており、カウルの開口部を介して車室外と連通している。
送風ケーシング10の上部の後側には、車室内の空気(内気)を送風ケーシング10の内部に導入するための内気導入口13が形成されている。内気導入口13は左右方向に長い形状となっている。また、図1に示すように、内気導入口13は送風ケーシング10の側壁部の上部にも形成されている。
送風ケーシング10には、外気導入口11及び内気導入口13よりも下側に、フィルタ収容部14が設けられている。フィルタ収容部14は、送風ケーシング10の上下方向中間部に位置しており、外気導入口11及び内気導入口13に連通している。フィルタ収容部14には、フィルタ5が収容されている。フィルタ5は、従来から周知の濾過材をプリーツ成形してなるものであり、その周縁部が送風ケーシング10の内部で保持されている。フィルタ5の空気通過面は、略前後方向、及び左右方向に延びている。
送風ケーシング10のフィルタ収容部14よりも下側には、スクロール部15が設けられている。スクロール部15は、上下方向に延びる中心線を有する略円筒状に形成されており、その内部がフィルタ収容部14と連通している。このスクロール部15の内部に送風用ファン2が配置されている。図示しないが、スクロール部15の左側に空気の吹き出し部が設けられていて、この吹き出し部が温度調節ユニットに接続されている。
スクロール部15の上壁部15aには、略円形のベルマウス開口部15bが形成されている。ベルマウス開口部15bは、フィルタ収容部14の直下方に配置されている。また、スクロール部15の下壁部15cには、略円形のモーター取付口15dが形成されている。
送風用ファン2は、シロッコファン(遠心式ファン)であり、その回転中心線が上下方向に延びる姿勢とされてスクロール部15の内部に配置されている。送風用ファン2は、多数のブレード2aと、ブレード2aの下端部が連結される下板部2bとを備えている。下板部2bには、上方へ膨出するように形成されたコーン部2cが設けられている。コーン部2cの中心部には、上下方向に延びるボス部2dが設けられている。
ファン駆動モーター3は、送風用ファン2を回転駆動するためのものであり、制御装置100によって制御される。ファン駆動モーター3は、ロータやステータ等を内蔵したモーター本体3aと、モーター本体3aから上方へ突出する回転軸3bと、モーター本体3aから回転軸3bの径方向に延びるフランジ3cとを備えている。フランジ3cは、スクロール部15の下壁部15cに固定され、モーター取付口15dを閉塞している。フランジ3cを下壁部15cに固定した状態で、回転軸3bがモーター取付口15dからスクロール部15の内方へ突出するようになっている。回転軸3bの上側は、送風用ファン2のボス部2dに圧入された状態で固定されている。
送風用ファン2がファン駆動モーター3によって回転駆動されると、上方から吸い込まれた空気がブレード2aの間から送風用ファン2の径方向外方へ流出してスクロール部15の内部で集合し、送風ケーシング10の吹き出し部から温度調節ユニットに送られる。
(内外気切替ダンパ4の構成)
内外気切替ダンパ4は、送風ケーシング10の内部に回動可能に設けられ、回動動作することによって送風ケーシング10の外気導入口11及び内気導入口13を開閉して所定の空気導入モードに切り替えるためのダンパである。すなわち、内外気切替ダンパ4は、外気導入口11及び内気導入口13の一方を閉じ、他方を開く閉塞板部4aと、端板部4bと、回動軸4c(図1に示す)とを備えており、閉塞板部4a、端板部4b及び回動軸4cは樹脂材によって一体成形されている。
閉塞板部4aは送風ケーシング10の上部において左右方向に延びている。閉塞板部4aの右端部は、送風ケーシング10の右側壁部の内面近傍に配置され、閉塞板部4aの左端部は、送風ケーシング10の左側壁部の内面近傍に配置されている。閉塞板部4aの形状は、外気導入口11や内気導入口13を送風ケーシング10の内部から覆うことができるように設定されている。
端板部4bは、閉塞板部4aの左縁部及び右縁部からそれぞれ内外気切替ダンパ4の回動中心部へ向かって延びている。左側の端板部4bは、送風ケーシング10の左側壁部の内面近傍に配置されている。右側の端板部4bは、送風ケーシング10の右側壁部の内面近傍に配置されている。左側の端板部4b及び右側の端板部4bにより、送風ケーシング10の側壁部の内気導入口13も開閉することができるようになっている。また、左側の端板部4bと右側の端板部4bとは略平行とされている。
左側の端板部4bには回動軸4cが設けられている。左側の端板部4bの回動軸4cは、左側の端板部4bから左側へ突出して、送風ケーシング10の左側壁部の上部を貫通した状態で該左側壁部に対して回動可能に支持されている。
また、右側の端板部4bにも回動軸4cが設けられている。右側の端板部4bの回動軸4cは、右側の端板部4bから右側へ突出して、送風ケーシング10の右側壁部の上部を貫通した状態で該右側壁部に対して回動可能に支持されている。
内外気切替ダンパ4が図1に示すように前側へ回動すると、閉塞板部4aによって外気導入口11が閉じられ、内気導入口13が開かれて内気のみが送風ケーシング10の内部に導入される内気循環モードになる。一方、図2や図3に示すように、内外気切替ダンパ4が後側へ回動すると、閉塞板部4aによって外気導入口11が開かれ、内気導入口13が閉じられて外気のみが送風ケーシング10の内部に導入される外気導入モードになる。このようにして空気導入モードが切り替えられる。
(ダンパ側リンク部材40の構成)
図4等に示すように、ダンパ側リンク部材40は、所定方向(図4における上下方向)に長く形成された樹脂製部材であり、送風ケーシング10の外部に配置されている。ダンパ側リンク部材40の長手方向一側が内外気切替ダンパ4の右側の回動軸4cに固定されている。具体的には、ダンパ側リンク部材40の長手方向一側の端部近傍には、左右方向に貫通する固定孔41が形成されている。この固定孔41に、内外気切替ダンパ4の右側の回動軸4cが相対的な回動が起こらないように嵌合している。また、固定孔41から回動軸4cが抜けないようになっている。
ダンパ側リンク部材40の長手方向他側には、該ダンパ側リンク部材40の長手方向に延びる係合溝42が設けられている。係合溝42は、ダンパ側リンク部材40の長手方向に延びている。係合溝42は、略同一幅で延びている同一幅部42aと、ダンパ側リンク部材40の長手方向他側へ向かって次第に幅が広がるように延びている拡幅部42bとからなり、同一幅部42aと拡幅部42bとが連続して1つの係合溝42を構成している。係合溝42の拡幅部42bは、ダンパ側リンク部材40の長手方向他端部において開放されている。
ダンパ側リンク部材40には、係合片43が該ダンパ側リンク部材40の回動方向に突出するように設けられている。係合片43は、ダンパ側リンク部材40に一体成形されている。係合片43は、ダンパ側リンク部材40における固定孔41から他側に離れた部分から回動方向に突出する基部43aと、基部43aの先端部からダンパ側リンク部材40の長手方向一側へ向けて突出する凸部43bとで構成されている。係合片43は、樹脂材が持つ弾性によって弾性変形可能となっている。
また、ダンパ側リンク部材40は、後述するように、アクチュエータ側リンク部材30の回動力の伝達が可能に該アクチュエータ側リンク部材30に係合するように構成されている。
(電動アクチュエータ20の構成)
図1に示すように、電動アクチュエータ20は、送風ケーシング10の右側壁部に固定されていて、内外気切替ダンパ4を駆動するためのものである。電動アクチュエータ20は、電動モーター21と、減速歯車22と、出力軸23と、ポテンションメータ24と、これらを収容するケース部材25とを備えた周知のものである。ケース部材25が送風ケーシング10の右側壁部に締結されている。ケース部材25と送風ケーシング10の右側壁部との間には、アクチュエータ側リンク部材30及びダンパ側リンク部材40を配置可能な隙間が形成されている。また、出力軸23は、ケース部材25から左側、即ち、送風ケーシング10の右側壁部へ向かって突出している。
電動モーター21の出力は、減速歯車22を介して出力軸23に伝達される。出力軸23の回動角度は、ポテンションメータ24によって検出される。電動モーター21及びポテンションメータ24は、制御装置100に接続されている。制御装置100から電流が供給されることによって電動モーター21が停止、正転、逆転する。
(アクチュエータ側リンク部材30の構成)
アクチュエータ側リンク部材30は、所定方向に長く形成された樹脂製部材であり、送風ケーシング10の外部に配置されている。アクチュエータ側リンク部材30と、ダンパ側リンク部材40との相対的な位置関係は、アクチュエータ側リンク部材30がダンパ側リンク部材40の右側に位置し、かつ、アクチュエータ側リンク部材30の長手方向一側がダンパ側リンク部材40の長手方向一側よりも下側に位置する関係となっている。また、内外気切替ダンパ4が外気導入モードと内気循環モードとの回動範囲内であれば、アクチュエータ側リンク部材30の長手方向他側と、ダンパ側リンク部材40の長手方向他側とが左右方向から見たときに互いに重複する位置関係となる。
アクチュエータ側リンク部材30の長手方向一側が電動アクチュエータ20の出力軸23に固定されている。具体的には、アクチュエータ側リンク部材30の長手方向一側の端部近傍には、左右方向に貫通する固定孔31が形成されている。この固定孔31に、電動アクチュエータ20の出力軸23が相対的な回動が起こらないように嵌合している。また、固定孔31から出力軸23が抜けないように固定されている。
アクチュエータ側リンク部材30の長手方向他側には、出力軸23方向(この実施形態では左側)に突出するように円柱状の突出部32が設けられている。突出部32の外径は、ダンパ側リンク部材40の係合溝42における同一幅部42aの幅寸法よりも小さめに設定されている。突出部32がダンパ側リンク部材40の係合溝42に挿入された状態で、アクチュエータ側リンク部材30及びダンパ側リンク部材40が係合して、アクチュエータ側リンク部材30の回動力がダンパ側リンク部材40に伝達可能になる。
アクチュエータ側リンク部材30が回動すると、アクチュエータ側リンク部材30の突出部32が、ダンパ側リンク部材40の係合溝42内をその長手方向に相対的に移動することによってアクチュエータ側リンク部材30及びダンパ側リンク部材40の回動が可能になる。すなわち、図1に示すように、内外気切替ダンパ4が内気循環モードの回動位置にあるときには、アクチュエータ側リンク部材30の突出部32が、ダンパ側リンク部材40の係合溝42の拡幅部42b内に位置する。一方、図3に示すように、内外気切替ダンパ4が外気導入モードの回動位置にあるときには、アクチュエータ側リンク部材30の突出部32が、ダンパ側リンク部材40の係合溝42の拡幅部42b内に位置する。
(制御装置100の構成)
制御装置100は、電動アクチュエータ20のポテンションメータ24が故障したか否かを検出し、ポテンションメータ24が故障していない通常時には、ポテンションメータ24からの出力信号に基づいて、電動モーター21に電流を供給し、内外気切替ダンパ4が内気循環モードの回動位置と、外気導入モードの回動位置との間で回動するように制御する。
制御装置100は、ポテンションメータ24が故障した異常時には、電動モーター21に対して一定時間だけ電流を供給して出力軸23を特定の方向に回動させておく。具体的には、内外気切替ダンパ4が仮に内気循環モードの回動位置にあったとしても、外気導入モードの回動位置となるまでの時間よりも長く電動モーター21に対して電流を供給するように構成されている。これにより、どの空気導入モードにあったとしても、内外気切替ダンパ4が外気導入モードになる。
(離脱機構60の構成)
ポテンションメータ24が故障した異常時には、制御装置100の制御により、内外気切替ダンパ4が送風ケーシング10の内部において外気導入モードの回動位置まで回動して該送風ケーシング10の各部に当たって停止する。ところが、アクチュエータ側リンク部材30は、電動モーター21のトルクが減速歯車22によって増大した状態で伝達されているので停止することなく、前側へ向けて回動し続けようとする。
すると、図7に示すように、アクチュエータ側リンク部材30の突出部32が、ダンパ側リンク部材40の係合溝42の開放部分から出て、ダンパ側リンク部材40がアクチュエータ側リンク部材30から離脱する。つまり、この実施形態では、アクチュエータ側リンク部材30が、外気導入モード方向へ向けて外気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、ダンパ側リンク部材40をアクチュエータ側リンク部材30から離脱させる離脱機構60を車両空調用送風装置1が備えている。離脱機構60は、アクチュエータ側リンク部材30の突出部32及びダンパ側リンク部材40の係合溝42で構成されている。
ダンパ側リンク部材40がアクチュエータ側リンク部材30から離脱することで、アクチュエータ側リンク部材30が大きなトルクで外気導入モードを超えて回動したとしても、ダンパ側リンク部材40及びアクチュエータ側リンク部材30には無理な負荷がかからないようにすることができる。同様に、内外気切替ダンパ4にも無理な負荷がかからないようにすることができる。
(リンク係合部70の構成)
送風ケーシング10には、離脱機構60によってアクチュエータ側リンク部材30から離脱したダンパ側リンク部材40が係合するリンク係合部70が設けられている。リンク係合部70は、送風ケーシング10の右側壁部から該送風ケーシング10の外部(右側)へ突出する突出片で構成されている。このリンク係合部70は、厚肉部70aと、薄肉部70bとで構成されている。薄肉部70bは、厚肉部70aの後端部から下方へ突出している。
図7に示すように、ダンパ側リンク部材40が前側へ回動してアクチュエータ側リンク部材30から離脱するときには、ダンパ側リンク部材40の係合片43及びリンク係合部70が当接してダンパ側リンク部材40の係合片43がリンク係合部70に押圧される。これにより、ダンパ側リンク部材40の係合片43及びリンク係合部70が互いに弾性変形して係合片43の凸部43bとリンク係合部70の薄肉部70bとが係合する。これにより、内外気切替ダンパ4が外気導入モードの回動位置で保持される。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る車両空調用送風装置1によれば、アクチュエータ側リンク部材30が外気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、ダンパ側リンク部材40をアクチュエータ側リンク部材30から離脱させることでダンパ側リンク部材40の破損を抑制することができる。そして、離脱したダンパ側リンク部材40を送風ケーシング10に係合させることができるので、内外気切替ダンパ10を所定位置で保持できる。
また、アクチュエータ側リンク部材30の突出部32と、ダンパ側リンク部材40の係合溝42とを係合させることによって電動アクチュエータ20の駆動力を内外気切替ダンパ4に伝達することができる。この場合に、アクチュエータ側リンク部材30が外気導入モードの回動位置を超えるまで回動すると、突出部32が係合溝42における他端部から出るので、ダンパ側リンク部材40をアクチュエータ側リンク部材30から確実に離脱させることができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
たとえば、アクチュエータ側リンク部材30が内気循環モードの回動位置を超えるまで回動したときに、ダンパ側リンク部材40をアクチュエータ側リンク部材30から離脱させるようにしてもよい。この場合、離脱したダンパ側リンク部材40が送風ケーシング10に係合するように、リンク係合部を送風ケーシング10に設ければよい。
以上説明したように、本発明に係る車両空調用送風装置は、たとえば内外気切替機構を有する送風ユニットに適用することができる。
1 車両空調用送風装置
2 送風用ファン
4 内外気切替ダンパ
4c 回動軸
10 送風ケーシング
11 外気導入口
13 内気導入口
20 電動アクチュエータ
23 出力軸
24 ポテンションメータ
30 アクチュエータ側リンク部材
32 突出部
40 ダンパ側リンク部材
42 係合溝
60 離脱機構
70 リンク係合部

Claims (6)

  1. 送風用ファンと、
    車室外の空気を導入するための外気導入口と車室内の空気を導入するための内気導入口とが形成され、上記送風用ファンを収容するように形成された送風ケーシングと、
    上記送風ケーシングの内部に回動可能に設けられ、回動動作によって上記外気導入口及び上記内気導入口を開閉して所定の空気導入モードに切り替える内外気切替ダンパと、
    上記内外気切替ダンパを駆動する電動アクチュエータと、
    上記電動アクチュエータが有する出力軸に連結されるアクチュエータ側リンク部材と、
    上記内外気切替ダンパが有する回動軸に連結され、上記アクチュエータ側リンク部材の回動力の伝達が可能に該アクチュエータ側リンク部材に係合するダンパ側リンク部材とを備えた車両空調用送風装置において、
    上記アクチュエータ側リンク部材が、上記所定の空気導入モード方向へ向けて上記所定の空気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、上記ダンパ側リンク部材を上記アクチュエータ側リンク部材から離脱させる離脱機構を備え、
    上記アクチュエータ側リンク部材から離脱した上記ダンパ側リンク部材が係合するリンク係合部が上記送風ケーシングに設けられていることを特徴とする車両空調用送風装置。
  2. 請求項1に記載の車両空調用送風装置において、
    上記アクチュエータ側リンク部材は、所定方向に長い形状とされ、長手方向一側が上記電動アクチュエータの上記出力軸に固定され、
    上記ダンパ側リンク部材は、所定方向に長い形状とされ、長手方向一側が上記内外気切替ダンパの上記回動軸に固定され、
    上記アクチュエータ側リンク部材の長手方向他側には、上記出力軸方向に突出するように突出部が設けられ、
    上記ダンパ側リンク部材の長手方向他側には、該ダンパ側リンク部材の長手方向に延びる係合溝が設けられ、
    上記突出部が上記係合溝に挿入された状態で、上記アクチュエータ側リンク部材及び上記ダンパ側リンク部材が係合し、
    上記離脱機構は上記突出部及び上記係合溝で構成され、該係合溝は上記ダンパ側リンク部材の長手方向他端部において開放されていることを特徴とする車両空調用送風装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両空調用送風装置において、
    上記アクチュエータ側リンク部材及び上記ダンパ側リンク部材は、上記送風ケーシングの外部に配置され、
    上記リンク係合部は、上記送風ケーシングから該送風ケーシングの外部へ突出する突出片で構成されていることを特徴とする車両空調用送風装置。
  4. 請求項3に記載の車両空調用送風装置において、
    上記ダンパ側リンク部材には、上記突出片に係合する係合片が該ダンパ側リンク部材の回動方向に突出するように設けられていることを特徴とする車両空調用送風装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の車両空調用送風装置において、
    上記離脱機構は、上記アクチュエータ側リンク部材が、外気導入モード方向へ向けて外気導入モードの回動位置を超えるまで回動したときに、上記ダンパ側リンク部材を上記アクチュエータ側リンク部材から離脱させることを特徴とする車両空調用送風装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の車両空調用送風装置において、
    上記電動アクチュエータは、上記出力軸の回動角度を検出するポテンションメータを備えていることを特徴とする車両空調用送風装置。
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