JP2018167284A - 金属体及び通電加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化スケールの発生を抑制可能とすると共に、アーク放電の発生を抑制可能とする金属体を提供することを課題とする。【解決手段】酸化防止剤90が表面に塗布された塗布部Xと、酸化防止剤90が塗布されていない露出部Yと、を備えた金属体14とする。金属体14へ電力を電極17,18を介して供給し当該金属体14を通電加熱する場合、金属体14の酸化防止剤90が塗布されていない露出部Yに電極17,18を接触させることによって、露出部Yと当該露出部Yに接触する電極17,18との間でアーク放電の発生を抑制可能とする。また、金属体14の酸化防止剤90が塗布された塗布部Xにおいて酸化スケールの発生を抑制可能とする。【選択図】図3

Description

本発明は、金属体及び通電加熱方法に関する。
従来、金属体である金属パイプ材料を加熱すると共に当該金属パイプ材料内に気体を供給して金属パイプを成形する成形装置が知られている。このような成形装置として、例えば特許文献1には、一対の金型と、一対の金型間に配置される金属パイプ材料に接触し電気的に接続可能な電極と、電極が金属パイプ材料に電気的に接続された状態において、電極を介して金属パイプ材料に通電可能な電力供給部と、を備える成形装置が記載されている。この成形装置は、金属パイプ材料に通電することで生じるジュール熱によって、金属パイプ材料を加熱し、型成形する通電加熱装置である。
特開2015−112608号公報
ところで、上記のような通電加熱装置にあっては、加熱に伴って金属パイプ材料の表面から酸化スケールが発生してしまう。酸化スケールは、次工程の塗装工程において悪影響を及ぼすため、除去又は発生の防止が必要となる。ここで、酸化スケールの発生を抑制する手段としては、金属パイプ材料の表面に酸化防止剤を予め塗布しておくことが考えられる。酸化防止剤としては、例えば液状のアルミシリコン等が広く知られている。しかしながら、このような酸化防止剤を塗布すると、金属パイプ材料の表面に凹凸ができやすくなり、電極と金属パイプ材料との間に凹凸が介在することとなって、高電流が流れるとスパーク(アーキング;以下アーク放電と呼ぶ)が発生しやすくなる。このようなアーク放電が発生すると、電極、金属パイプ材料の損傷、電極と金属パイプ材料との間での溶着等が生じ、装置にダメージを与える虞がある。
そこで、本発明は、金属パイプ材料を始めとした金属体であって、酸化スケールの発生を抑制可能とすると共に、アーク放電の発生を抑制可能とする金属体及びこの金属体を用いた通電加熱方法を提供することを目的とする。
本発明による金属体は、酸化防止剤が表面に塗布された塗布部と、酸化防止剤が塗布されていない露出部と、を備えたことを特徴としている。
このような金属体によれば、金属体へ電力を電極を介して供給し当該金属体を通電加熱する場合、金属体の酸化防止剤が塗布されていない露出部に電極を接触させることによって、露出部と当該露出部に接触する電極との間でのアーク放電の発生が抑制可能となる。また、金属体の酸化防止剤が塗布された塗布部において酸化スケールの発生が抑制可能となる。
ここで、露出部は、少なくとも2箇所設けられていると、各露出部に対応させて各電極をそれぞれ接触させ好適に金属体に電流を流すことが可能となる。
また、露出部は、一端側と他端側にあると、一端側から電流を供給して他端側から取り出すことが可能となり、金属体の一端側から他端側に亘ってほぼ全体を均等に通電加熱可能となる。
また、本発明による通電加熱方法は、上記金属体を用い、金属体の露出部に電極を接触させて金属体へ電力を供給し通電加熱することを特徴としている。
このような通電加熱方法によれば、金属体の酸化防止剤が塗布されていない露出部と当該露出部に接触する電極との間でアーク放電の発生を抑制できると共に、金属体の酸化防止剤が塗布された塗布部において酸化スケールの発生を抑制できる。
ここで、金属体への通電加熱後に、塗布部から露出部を切断しても良い。塗布部は製品として必要な部分である一方で、露出部は通電加熱時に必要であるが製品として不要な部分とすれば、このような通電加熱後の切断により、酸化スケールの発生が抑制され製品として必要な部分を得ることができる。
このような本発明によれば、酸化スケールの発生を抑制可能となると共に、アーク放電の発生を抑制可能な金属体及びこの金属体を用いた通電加熱方法を提供できる。
本発明の実施形態に係る通電加熱方法を採用した通電加熱装置を示す概略構成図である。 電極周辺の拡大図であって、(a)は電極が金属パイプ材料を保持した状態を示す図、(b)は電極にシール部材を押し付けた状態を示す図、(c)は電極の正面図である。 金属パイプ材料の塗布部及び露出部を示す側面図である。
以下、本発明による通電加熱方法を採用した通電加熱装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
〈成形装置の構成〉
図1は、通電加熱装置としての成形装置の概略構成図である。図1に示されるように、金属パイプを成形する成形装置10は、上型12及び下型11からなるブロー成形金型(金型)13と、上型12及び下型11の少なくとも一方を移動させる駆動機構80と、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14を保持するパイプ保持機構30と、パイプ保持機構30で保持されている金属パイプ材料14に通電して加熱する加熱機構50と、上型12及び下型11の間に保持され加熱された金属パイプ材料14内に高圧ガス(気体)を供給するための気体供給部60と、パイプ保持機構30で保持された金属パイプ材料14内に気体供給部60からの気体を供給するための一対の気体供給機構40,40と、ブロー成形金型13を強制的に水冷する水循環機構72とを備えると共に、上記駆動機構80の駆動、上記パイプ保持機構30の駆動、上記加熱機構50の駆動、及び上記気体供給部60の気体供給をそれぞれ制御する制御部70と、を備えて構成されている。
ブロー成形金型13の一方である下型11は、基台15に固定されている。下型11は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、その上面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)16を備える。下型11には冷却水通路19が形成され、略中央に下から差し込まれた熱電対21を備えている。この熱電対21はスプリング22により上下移動自在に支持されている。
更に、下型11の左右端(図1における左右端)近傍にはスペース11aが設けられており、当該スペース11a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(下側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置されることで、下側電極17,18は、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14に接触する。これにより、下側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
下型11と下側電極17との間及び下側電極17の下部、並びに下型11と下側電極18との間及び下側電極18の下部には、通電を防ぐための絶縁材91がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材91は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータ(不図示)の可動部である進退ロッド95に固定されている。このアクチュエータは、下側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、下型11と共に基台15側に保持されている。
ブロー成形金型13の他方である上型12は、駆動機構80を構成する後述のスライド81に固定されている。上型12は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、内部に冷却水通路25が形成されると共に、その下面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)24を備える。このキャビティ24は、下型11のキャビティ16に対向する位置に設けられる。
上型12の左右端(図1における左右端)近傍には、下型11と同様に、スペース12aが設けられており、当該スペース12a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(上側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置された状態において、上側電極17,18は、下方に移動することで、上型12と下型11との間に配置された金属パイプ材料14に接触する。これにより、上側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
上型12と上側電極17との間及び上側電極17の上部、並びに上型12と上側電極18との間及び上側電極18の上部には、通電を防ぐための絶縁材101がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材101は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータの可動部である進退ロッド96に固定されている。このアクチュエータは、上側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、上型12と共に駆動機構80のスライド81側に保持されている。
パイプ保持機構30の右側部分において、電極18,18が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝18aが形成されていて(図2参照)、当該凹溝18aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の右側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極18の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面18bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の右側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の右側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
パイプ保持機構30の左側部分において、電極17,17が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝17aが形成されていて(図2参照)、当該凹溝17aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の左側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極17の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝17aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の左側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の左側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
図1に示されるように、駆動機構80は、上型12及び下型11同士が合わさるように上型12を移動させるスライド81と、上記スライド81を移動させるための駆動力を発生するシャフト82と、該シャフト82で発生した駆動力をスライド81に伝達するためのコネクティングロッド83とを備えている。シャフト82は、スライド81上方にて左右方向に延在していると共に回転自在に支持されており、その軸心から離間した位置にて左右端から突出して左右方向に延在する偏心クランク82aを有している。この偏心クランク82aと、スライド81の上部に設けられると共に左右方向に延在している回転軸81aとは、コネクティングロッド83によって連結されている。駆動機構80では、制御部70によってシャフト82の回転を制御することにより偏心クランク82aの上下方向の高さを変化させ、この偏心クランク82aの位置変化をコネクティングロッド83を介してスライド81に伝達することにより、スライド81の上下動を制御できる。ここで、偏心クランク82aの位置変化をスライド81に伝達する際に発生するコネクティングロッド83の揺動(回転運動)は、回転軸81aによって吸収される。なお、シャフト82は、例えば制御部70によって制御されるモータ等の駆動に応じて回転又は停止する。
加熱機構50は、電力供給部55と、電力供給部55と電極17,18とを電気的に接続するブスバー52と、を備える。電力供給部55は、直流電源及びスイッチを含み、電極17,18が金属パイプ材料14に電気的に接続された状態において、ブスバー52、電極17,18を介して金属パイプ材料14に通電可能とされている。なお、電力供給部55は、約10000A20V以上の電力を供給し、ブスバー52は、ここでは、下側電極17,18に接続されている。
この加熱機構50では、電力供給部55から出力された直流電流は、ブスバー52によって伝送され、電極17に入力される。そして、直流電流は、金属パイプ材料14を通過して、電極18に入力される。そして、直流電流Cは、ブスバー52によって伝送されて電力供給部55に入力される。
一対の気体供給機構40の各々は、シリンダユニット42と、シリンダユニット42の作動に合わせて進退動するシリンダロッド43と、シリンダロッド43におけるパイプ保持機構30側の先端に連結されたシール部材44とを有する。シリンダユニット42はブロック41上に載置固定されている。シール部材44の先端には先細となるようにテーパー面45が形成されており、電極17,18のテーパー凹面17b,18bに合わさる形状に構成されている(図2参照)。シール部材44には、シリンダユニット42側から先端に向かって延在し、詳しくは図2(a),(b)に示されるように、気体供給部60から供給された高圧ガスが流れるガス通路46が設けられている。
気体供給部60は、ガス源61と、このガス源61によって供給されたガスを溜めるアキュムレータ62と、このアキュムレータ62から気体供給機構40のシリンダユニット42まで延びている第1チューブ63と、この第1チューブ63に介設されている圧力制御弁64及び切替弁65と、アキュムレータ62からシール部材44内に形成されたガス通路46まで延びている第2チューブ67と、この第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68及び逆止弁69とからなる。圧力制御弁64は、シール部材44の金属パイプ材料14に対する押力に適応した作動圧力のガスをシリンダユニット42に供給する役割を果たす。逆止弁69は、第2チューブ67内で高圧ガスが逆流することを防止する役割を果たす。第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68は、制御部70の制御により、金属パイプ材料14を膨張させるための作動圧力を有するガスを、シール部材44のガス通路46に供給する役割を果たす。
制御部70は、気体供給部60の圧力制御弁68を制御することにより、金属パイプ材料14内に所望の作動圧力のガスを供給することができる。また、制御部70は、図1に示す(A)から情報が伝達されることによって、熱電対21から温度情報を取得し、駆動機構80及び電力供給部55等を制御する。
水循環機構72は、水を溜める水槽73と、この水槽73に溜まっている水を汲み上げ、加圧して下型11の冷却水通路19及び上型12の冷却水通路25へ送る水ポンプ74と、配管75とからなる。省略したが、水温を下げるクーリングタワーや水を浄化する濾過器を配管75に介在させることは差し支えない。
〈成形装置を用いた金属パイプの成形方法〉
次に、成形装置10を用いた金属パイプの成形方法について説明する。最初に、焼入れ可能な鋼種の円筒状の金属パイプ材料14を準備する。
金属パイプ材料14は、図3に示されるように、両端部を除く表面に酸化防止剤90が塗布された塗布部Xと、塗布部Xより軸線方向外側の両端部の酸化防止剤90が塗布されていない露出部Yと、を備える。露出部Yは、その軸線方向内側部分が、仮想線で示す電極17,18に挟持される(接触する)部分となっており、塗布部Xに近接する配置となっている。また、露出部Yにおいて、仮想線で示す電極17,18に挟持されることになる部分より軸線方向外側部分は、シール部材44に押し付けられる部分となっている。そして、塗布部Xは製品として必要な部分であり、露出部Yは、製品としては不要な部分である。
塗布部Xに塗布される酸化防止剤90は、酸化スケールの発生を抑制するためのものであり、ここでは、液状のアルミシリコンが用いられているが、それ以外の例えば亜鉛メッキ等を用いることも考えられる。酸化防止剤90の塗布の方法としては、例えば、金属パイプ材料14の露出部Yをマスキングしておいて、液状の酸化防止剤90が収容された槽内に金属パイプ材料14を浸漬して塗布する所謂ドブづけや、金属パイプ材料14の露出部Yを避けて酸化防止剤90をスプレー等の噴霧により塗布する方法等が挙げられる。スプレー等の噴霧による塗布の場合、露出部Yをマスキングしても勿論良い。なお、金属パイプ材料14の内周面には、酸化防止剤90が塗布されていても、いなくても良い。金属パイプ材料14をドブづけする場合には、内周面には酸化防止剤90が塗布されることになり、酸化防止剤90をスプレー等の噴霧により塗布する場合には、内周面には酸化防止剤90を塗布しない場合もある。因みに、露出部Yを、金属パイプ材料14が絶縁材91,101に接触する部分まで軸線方向内側へ広げるようにしても良い。
そして、このような酸化防止剤90が塗布された塗布部Xと塗布されていない露出部Yを有する金属パイプ材料14を、例えばロボットアーム等を用いて、下型11側に備わる電極17,18上に載置(投入)する。電極17,18には凹溝17a,18aが形成されているので、当該凹溝17a,18aによって金属パイプ材料14が位置決めされる。
次に、制御部70は、駆動機構80及びパイプ保持機構30を制御することによって、当該パイプ保持機構30に金属パイプ材料14を保持させる。具体的には、駆動機構80の駆動によりスライド81側に保持されている上型12及び上側電極17,18等が下型11側に移動すると共に、パイプ保持機構30に含まれる上側電極17,18等及び下側電極17,18等を進退動可能としているアクチュエータを作動させることによって、金属パイプ材料14の両方の端部付近を上下からパイプ保持機構30により挟持する。この挟持は電極17,18に形成される凹溝17a,18a、及び絶縁材91,101に形成される凹溝の存在によって、金属パイプ材料14の両端部付近の全周に渡って挟持されることとなる。具体的には、金属パイプ材料14の一端側の露出部Y、他端側の露出部Yと、電極17,18とがそれぞれ密着するような態様で挟持されることとなる。
なお、このとき、図2(a)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部(露出部Yの端部)は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している。また、上側電極17,18の下面と下側電極17,18の上面とは、それぞれ互いに接触している。ただし、金属パイプ材料14の両端部全周に渡って密着する構成に限られず、金属パイプ材料14の周方向における一部に電極17,18が当接するような構成であってもよい。
続いて、制御部70は、加熱機構50を制御することによって、金属パイプ材料14を加熱する。具体的には、制御部70は、加熱機構50の電力供給部55を制御し電力を供給する。すると、ブスバー52を介して下側電極17,18に伝達される電力が、金属パイプ材料14を挟持している上側電極17,18及び金属パイプ材料14の露出部Yに供給され、金属パイプ材料14に存在する抵抗により、金属パイプ材料14自体がジュール熱によって発熱する。すなわち、金属パイプ材料14は通電加熱状態となる。
そして、この通電加熱状態にあっては、電極17,18は、金属パイプ材料14の酸化防止剤90が塗布されていない露出部Yに接触しているため、アーク放電の発生が抑制された状態となっている。
続いて、制御部70による駆動機構80の制御によって、加熱後の金属パイプ材料14に対してブロー成形金型13を閉じる。これにより、下型11のキャビティ16と上型12のキャビティ24とが組み合わされ、下型11と上型12との間のキャビティ部内に金属パイプ材料14が配置密閉される。
その後、気体供給機構40のシリンダユニット42を作動させることによってシール部材44を前進させて金属パイプ材料14の両端をシールする。このとき、図2(b)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面18bに沿うように漏斗状に変形する。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面17bに沿うように漏斗状に変形する。シール完了後、高圧ガスを金属パイプ材料14内へ吹き込んで、加熱により軟化した金属パイプ材料14をキャビティ部の形状に沿うように成形する。
金属パイプ材料14は高温(950℃前後)に加熱されて軟化しているので、金属パイプ材料14内に供給されたガスは、熱膨張する。このため、例えば供給するガスを圧縮空気とし、950℃の金属パイプ材料14を熱膨張した圧縮空気によって容易に膨張させることができる。
ブロー成形されて膨らんだ金属パイプ材料14の外周面が下型11のキャビティ16に接触して急冷されると同時に、上型12のキャビティ24に接触して急冷(上型12と下型11は熱容量が大きく且つ低温に管理されているため、金属パイプ材料14が接触すればパイプ表面の熱が一気に金型側へと奪われる。)されて焼き入れが行われる。このような冷却法は、金型接触冷却又は金型冷却と呼ばれる。急冷された直後はオーステナイトがマルテンサイトに変態する(以下、オーステナイトがマルテンサイトに変態することをマルテンサイト変態とする)。冷却の後半は冷却速度が小さくなったので、復熱によりマルテンサイトが別の組織(トルースタイト、ソルバイト等)に変態する。従って、別途焼戻し処理を行う必要がない。また、本実施形態においては、金型冷却に代えて、あるいは金型冷却に加えて、冷却媒体を例えばキャビティ24内に供給することによって冷却が行われてもよい。例えば、マルテンサイト変態が始まる温度までは金型(上型12及び下型11)に金属パイプ材料14を接触させて冷却を行い、その後型開きすると共に冷却媒体(冷却用気体)を金属パイプ材料14へ吹き付けることにより、マルテンサイト変態を発生させてもよい。
上述のように金属パイプ材料14に対してブロー成形を行った後に冷却を行い、型開きを行うことにより、例えば略矩形筒状の本体部を有する金属パイプを得る。この後、金属パイプ材料14の露出部Yは、製品としては不要なため、後工程で切断される。
以上述べたように、本実施形態の金属パイプ材料14によれば、酸化防止剤90が表面に塗布された塗布部Xと、酸化防止剤90が塗布されていない露出部Yと、を備えているため、金属パイプ材料14の酸化防止剤90が塗布されていない露出部Yに電極17,18を接触させることによって、露出部Yと当該露出部Yに接触する電極17,18との間でのアーク放電の発生が抑制可能となっている。また、酸化防止剤90が塗布された塗布部Xにおいて酸化スケールの発生が抑制可能となっている。
また、露出部Yは、2箇所設けられているため、各露出部Yに対応させて各電極17,18をそれぞれ接触させ好適に金属パイプ材料14に電流を流すことが可能となっている。
また、露出部Yは、一端側と他端側にあるため、一端側から電流を供給して他端側から取り出すことが可能であり、金属パイプ材料14の一端側から他端側に亘ってほぼ全体を均等に通電加熱可能となっている。
また、本実施形態の通電加熱方法によれば、上記金属パイプ材料14を用い、金属パイプ材料14の露出部Yに電極17,18を接触させて金属パイプ材料14へ電力を供給し通電加熱するため、露出部Yと当該露出部Yに接触する電極17,18との間でアーク放電の発生を抑制できると共に、塗布部Xにおいて酸化スケールの発生を抑制できる。
また、塗布部Xは製品として必要な部分である一方で、露出部Yは通電加熱時に必要であるが製品として不要な部分のため、金属パイプ材料14への通電加熱後に、塗布部Xから露出部Yを切断することによって、酸化スケールの発生が抑制され製品として必要な部分を得ることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態では、電極17,18が接触する露出部Yを、金属パイプ材料14に電流を好適に流すべく2箇所としているが、電極17,18より軸線方向内側へ電極を追加して電極を3つ以上とし、これらの電極に対応させて露出部Yを3箇所以上としても良い。因みに、金属パイプ材料14の露出部Yを、例えば、一端側及び他端側、並びに、一端側と他端側とを繋ぐ細長い範囲から成る1箇所としても、本発明を妨げるものではない。
また、上記実施形態においては、成形対象を金属パイプ材料14としているが、金属パイプ材料14に限定されるものではなく、金属棒状体や金属板状体等に対しても適用でき、要は、ある程度延びる金属体に対して適用できる。棒状や板状の金属体を用いた場合には、金属体の端面に電極を当接させる構成も挙げられる。この場合には、端面に酸化防止剤90を塗布しない構成を採用できる。また、成形装置も、気体供給を行わずに通電加熱を行う鍛造装置等とすることもできる。
10…通電加熱装置、14…金属パイプ材料(金属体)、17,18…電極、90…酸化防止剤、X…塗布部、Y…露出部。

Claims (5)

  1. 酸化防止剤が表面に塗布された塗布部と、
    前記酸化防止剤が塗布されていない露出部と、を備えたことを特徴とする金属体。
  2. 前記露出部は、少なくとも2箇所設けられていることを特徴とする請求項1記載の金属体。
  3. 前記露出部は、一端側と他端側にあることを特徴とする請求項1又は2記載の金属体。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の金属体を用い、
    前記金属体の前記露出部に電極を接触させて前記金属体へ電力を供給し通電加熱する通電加熱方法。
  5. 前記金属体への通電加熱後に、前記塗布部から前記露出部を切断することを特徴とする請求項4記載の通電加熱方法。
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