以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して第1の実施形態の生体情報管理システム1について説明する。図1は第1の実施形態に係る生体情報管理システム1の概略構成図である。
図1に示すように、生体情報管理システム1は、1つ以上の測定装置2と、生体情報管理装置3と、1つ以上の専門機関装置4とを備える。また、測定装置2と生体情報管理装置3とは通信ネットワークを介して互いに情報を送受信する。また、生体情報管理装置3と専門機関装置4とは通信ネットワークを介して互いに情報を送受信する。
測定装置2は、利用者が高い頻度で存在し、所定の時間(数秒程度)、直立して、静止する可能性が高いと考えられる場所、例えば、住宅内の洗面所に設置される。測定装置2は、撮像部20と、認証部21と、生体情報測定部22と、壁面温度測定部23と、算出部24と、記憶部25と、判定部26と、出力部27と、入力部28と、通信部29(第1通信部)を備える。
撮像部20は、被写体としての利用者を撮像して、該利用者の像を含む可視画像(静止画像及び動画像)を生成する。撮像部20は、被写体から放出された赤外線により、該利用者及び利用者周辺の壁面についての赤外画像を生成する。利用者周辺の壁面は、例えば、利用者の背面の壁としてもよい。
認証部21は、利用者を認証することによって該利用者の利用者IDを特定する。具体的には、認証部21は、撮像部20によって生成された可視画像に含まれる、利用者の顔の像を公知の認証技術により認証する。具体的には、認証部21は、利用者の顔の像から特徴量(認証情報)を検出し、検出した認証情報が記憶部25に記憶されていない場合、測定装置2において利用者を識別する利用者IDを認証情報に付与して記憶部25に記憶させる。認証部21は、検出した認証情報が記憶部25に記憶されている場合、撮像された利用者が該認証情報に付与されている利用者IDに係る利用者であると認証する。
また、認証部21は、撮像部20によって生成された可視画像に含まれる、利用者の顔の像に基づいて、公知の手法を用いて、該利用者の性別及び年齢を推定してもよい。この場合、認証部21は、推定された性別及び年齢を利用者IDに関連付けて記憶部25に記憶させる。なお、記憶部25には、利用者の操作による予めの設定により性別及び年齢が記憶されてもよい。
生体情報測定部22は、生体情報に関する測定値を複数回にわたって測定する。生体情報に関する測定値は、例えば、血圧、姿勢の歪みを示す姿勢値、体温を含む。
例えば、生体情報測定部22は、利用者の血圧を測定する。具体的には、生体情報測定部22は、撮像部20によって生成された可視画像(動画像)に含まれる利用者の肌を表す領域の輝度変化を検出する。さらに、生体情報測定部22は、輝度変化に基づいて脈拍の時間変化を算出し、該脈拍の時間変化に基づいて血圧(最高血圧及び最低血圧)を決定する。
また、生体情報測定部22は、例えば、利用者の身体の歪みを示す姿勢値を測定する。具体的には、生体情報測定部22のカメラは、撮像部20によって生成された可視画像に含まれる利用者の身体の少なくとも一部の像に基づいて、公知の方法により、利用者の肩水平ライン、背骨垂直ライン、背骨前傾ラインそれぞれに関する歪みを示す姿勢値を決定する。
生体情報測定部22は、例えば、利用者の体温を測定する。生体情報測定部22は、撮像部20によって生成された赤外画像における利用者の像を含む領域に基づいて公知の方法により利用者の体温を決定する。
壁面温度測定部23は、血圧、姿勢値、又は体温が測定されたときの、利用者の近傍に位置する壁面温度を測定する。具体的には、壁面温度測定部23は、撮像部20によって生成された赤外画像における壁面の像を含む領域に基づいて、公知の方法により、壁面温度を決定する。
算出部24は、複数回にわたって測定された測定値の差分である測定差分値を算出する。具体的には、算出部24は、初回の測定以外における測定値の、初回測定における測定値に対する差分である測定差分値を算出する。初回の測定における測定値は暗号化されて、後述するように記憶部25に記憶されている。
具体的には、算出部24は、生体情報測定部22によって血圧が測定される毎に、記憶部25に記憶されている初回の測定時の血圧に対する差分である血圧差分値を算出する。
また、算出部24は、生体情報測定部22によって姿勢値が測定される毎に、記憶部25に記憶されている初回の測定時の姿勢値に対する差分である姿勢差分値を算出する。さらに具体的には、生体情報測定部22によって測定された利用者の肩水平ラインの、初回の測定時に記憶部25に記憶された肩水平ラインに対する差分である肩水平差分値を算出する。同様にして、算出部24は、背骨垂直ライン及び背骨前傾ラインそれぞれについての背骨垂直差分値及び背骨前傾差分値を算出する。
記憶部25は、差分データを記憶する。差分データは利用者IDと、測定日時と、初回に測定され、暗号化された測定値とが含まれる。また、差分データには、生体情報測定部22による測定毎に算出部24によって算出された、初回の測定値との差である測定差分値が含まれる。さらに、各測定差分値に関連付けて、該測定差分値に係る測定値が測定されたときの壁面温度がさらに含まれてもよい。また、差分データには、初回に測定された測定値に関連付けて該測定値が測定されたときの壁面温度が含まれてもよい。なお、記憶部25は、初回の測定時に測定された測定値ではなく、任意の回で測定された少なくとも1回分の測定値とその差である測定差分値とを記憶してもよい。測定差分値は、例えば、血圧差分値、姿勢差分値、及び体温差分値である。
例えば、図2に示すように、記憶部25は、血圧差分データを記憶する。血圧差分データには、利用者IDと、測定日時と、生体情報測定部22によって初回に測定され、暗号化された血圧とが含まれる。また、血圧差分データには、生体情報測定部22による測定毎に算出部24によって算出された血圧差分値が含まれる。さらに、血圧差分データには、各血圧差分値に関連付けて、該血圧差分値に係る血圧が測定されたときの壁面温度が含まれてもよい。また、血圧差分データには、初回に測定された血圧に関連付けて該血圧が測定されたときの壁面温度が含まれてもよい。図2に示す例では、記憶部25が、最低血圧と、最低血圧差分値とを記憶する例を示しているが、記憶部25は、最高血圧と、最高血圧差分値とを記憶してもよい。
同様にして、記憶部25は、姿勢差分値データを記憶する。姿勢差分値データには、利用者IDと、測定日時と、生体情報測定部22によって初回に測定され、暗号化された姿勢値とが含まれる。また、姿勢差分値データには、生体情報測定部22による測定毎に算出部24によって算出された姿勢差分値が含まれる。さらに、各姿勢差分値に関連付けて、該姿勢差分値に係る姿勢が測定されたときの壁面温度が含まれてもよい。
同様にして、記憶部25は、体温差分データを記憶する。体温差分データには、利用者IDと、測定日時と、生体情報測定部22によって初回に測定され、暗号化された体温とが含まれる。また、体温差分データには、生体情報測定部22による測定毎に算出部24によって算出された体温差分が含まれる。さらに、体温差分データには、各体温差分値に関連付けて、該体温差分値に係る体温が測定されたときの壁面温度が含まれてもよい。
判定部26は、記憶部25に記憶されている複数の測定差分値に基づいて、利用者の健康状態を判定する。具体的には、判定部26は、所定期間内における測定差分値の変化量と所定閾値とに基づいて、健康に注意を要する状態である旨、及び健康へのアドバイスを示す要注意情報を出力部27に出力する。
例えば、判定部26は、血圧差分値が1週間以内に第1の閾値以上、上昇したか否かを判定する。そして、判定部26は、血圧差分値が1週間以内に第1の閾値以上に上昇した場合、食事制限を提案する旨の要注意情報を出力部27に出力する。
他の例では、判定部26は、姿勢差分値が1ヶ月以内に第2の閾値以上、変化したか否かを判定する。そして、判定部26は、姿勢差分値が1ヶ月以内に第2の閾値以上、変化した場合、通院による治療を提案する旨の要注意情報を出力部27に出力する。
さらに他の例では、判定部26は、体温差分値が1日以内に第3の閾値以上、変化したか否かを判定する。そして、判定部26は、体温差分値が1日以内に第3の閾値以上、変化した場合、市販の医薬品を服用すること、安静にしていることを提案する旨の要注意情報を出力部27に出力する。
なお、判定部26は、測定差分値と、壁面温度測定部23によって測定された壁面温度とに基づいて利用者の健康について判定してもよい。例えば、血圧差分値が1週間以内に第1の閾値以上、上昇した場合であっても、当該1週間において壁面温度が第4の閾値以上、低下した場合、要注意情報を出力しない。壁面温度の低下によって利用者を取り巻く環境は寒くなったことが推測される。一般に、疾患を有していなくても、寒くなると血圧は上がる傾向にある。このため、判定部26は、単に血圧差分値のみに基づくより、血圧差分値と壁面温度とに基づく方が、健康について適切な判定を行うことができると見込まれる。
同様にして、判定部26は、例えば、姿勢差分値が1カ月以内に第2閾値以上、変化した場合であっても、当該1週間において壁面温度が第5閾値以上、低下した場合、要注意情報を出力しない。一般に、骨盤に大きな以上が含まれていなくても、寒くなると体が縮こまることによって姿勢差分値が大きく変化する傾向にある。このため、判定部26は、単に姿勢差分値のみに基づくより、姿勢差分値と壁面温度とに基づく方が、健康について適切な判定を行うことができると見込まれる。
出力部27は、記憶部25に記憶されている測定差分値を該測定差分値に係る測定値が測定された日時に対応して視覚情報としてディスプレイに出力する。例えば、図3(a)に示すように、出力部27は、記憶部25に記憶されている複数の最低血圧差分値を縦軸に、該最低血圧差分値に係る最低血圧が計測された日時を横軸に取ったグラフを視覚情報としてディスプレイに出力する。出力部27は、最高血圧差分値、姿勢差分値、体温差分値をディスプレイに表示してもよい。
また、出力部27は、判定部26から要注意情報が出力されると、該要注意情報を視覚情報としてディスプレイに出力することによって、当該ディスプレイに表示する。また、出力部27は、判定部26から要注意情報が出力されると、該要注意情報が示す内容を音声情報としてスピーカーに出力してもよい。なお、ディスプレイ又はスピーカーは、出力部27が備えるものであってもよいし、測定装置2と別体としてもよい。
入力部28は、利用者の入力操作により各種情報を入力する。具体的には、入力部28は、利用者による入力操作に基づいて医療機関の予約申請を入力する。
通信部29は、差分データと該差分データに係る測定値を測定した測定装置2を識別するための測定装置IDを生体情報管理装置3に通信ネットワークを介して送信する。利用者IDが各測定装置2において利用者を識別するための識別情報ではなく、複数の測定装置2から生体情報管理装置3に送信される差分データの利用者を一意に識別するための識別情報である場合、測定装置IDは送信されなくてもよい。
通信部29は、算出部24によって測定差分値が算出されたときに、リアルタイムで差分データを生体情報管理装置3に送信することができる。また、通信部29は、記憶部25に記憶されている差分データを、所定の期間、例えば、1日ごと、1週間ごとにバッチで生体情報管理装置3に送信してもよい。
また、通信部29は、入力部28によって入力された、利用者IDを含む予約申請を生体情報管理装置3に送信する。また、通信部29は、生体情報管理装置3から送信された予約完了通知を予約申請に基づいて対応する専門機関装置4に送信する。
生体情報管理装置3は、複数の利用者に係る生体情報を管理する。生体情報管理装置3は、通信部31(第2通信部)と、変換部32と、記憶部33と、相関推定部34と、サービス提供部35とを備える。
通信部31は、1つ以上の測定装置2の通信部29からそれぞれ送信された差分データを受信する。1つ以上の測定装置2の通信部29からそれぞれ送信された予約申請を受信する。
また、通信部31は、専門機関が所有する専門機関装置4とデータを送受信する。専門機関は、例えば、医師等により医療を提供する医療機関である。具体的には、通信部31は、専門機関装置4から差分データ要求を受信すると、該差分データ要求に含まれる利用者IDを有する、記憶部33に記憶されている差分データを専門機関装置4に送信する。また、通信部31は、専門機関装置4から利用者ID、症状識別情報、医薬品識別情報が含まれるカルテを画像化したカルテ情報を受信する。症状識別情報は利用者の症状を識別するための情報であり、例えば、症状識別番号、症状名とすることができる。医薬品識別情報は、医師が利用者に処方した医薬品を識別するための情報であり、例えば、医薬品識別番号、医薬品名とすることができる。
また、通信部31は、測定装置2から受信した予約申請に基づき、専門機関装置4に予約申請を送信したり、専門機関装置4から予約完了通知を受信したりする。
変換部32は、通信部31が受信したカルテ情報に係る画像に含まれる利用者ID、利用者の症状識別情報、及び医薬品識別情報を、テキスト化又は数値化する。
記憶部33は、通信部31によって受信された差分データを記憶する。これにより、記憶部33は、図4に示すように、1つ以上の測定装置2からそれぞれ送信された1人以上の利用者の差分データをそれぞれ測定装置ID及び利用者IDに関連付けて記憶する。また、記憶部33は、変換部32によってテキスト化又は数値化された利用者ID、症状識別情報、医薬品識別情報を記憶する。
相関推定部34は、記憶部33に記憶されている、複数の利用者それぞれについての差分データと、複数の当該利用者のカルテ情報とによって構成される複数のデータをビッグデータとして、差分データの変化の傾向と症状との間に表れる相関を推定する。すなわち、相関推定部34は、同様の変化の傾向が見られる差分データの集合を形成し、該集合に含まれる差分データの利用者が多く診断された症状を特定する。なお、相関推定部34が相関を特定されるためのビッグデータには、利用者IDは含まれない。
相関推定部34によって相関が推定されると、通信部31は、該相関を示す相関データを予め設定された宛先へ通信ネットワークを介して送信してもよい。また、相関推定部34によって相関が推定されると、記憶部33は、相関データを記憶してもよい。通信部31は、専門機関装置4からの相関データ要求に基づいて相関データを送信してもよい。相関データ要求とは、各利用者についての差分データを含む情報であり、該差分データと同様の変化の傾向を示す差分データに関する相関データを要求するための情報である。
相関推定部34は、記憶部33に記憶されている、差分データと該差分データに係る利用者に提供されたアドバイスの内容とによって構成される複数のデータをビッグデータとして、差分データの変化の傾向とアドバイスの内容との間に表れる相関を推定する。例えば、相関推定部34は、利用者に提供されたアドバイス対応する差分データにつき健康状態の改善が見られる傾向にあれば、該アドバイスが有効であると判定し、健康状態の改善が見られない傾向にあれば、該アドバイスが有効でないと判定することができる。
サービス提供部35は、記憶部33に記憶されている各利用者の差分データに基づいて、各利用者に医療の受診を提案する。医療の受診の提案には、医療機関及び診療科の提案が含まれる。
具体的には、サービス提供部35は、差分データに基づいて利用者に提案する医療機関を抽出する。また、サービス提供部35は、差分データに係る利用者の測定装置2に医療の受診の提案を含む医療機関提案情報を送信するよう通信部31を制御する。さらにサービス提供部35は、測定装置2から送信される利用者IDを含む予約申請に基づき、該利用者IDについての受信の予約申請を専門機関装置4に送信するよう通信部31を制御する。そして、専門機関装置4から利用者IDを含む予約完了通知が送信されると、該利用者IDに係る測定装置2に予約完了通知を送信するよう通信部31を制御する。
専門機関装置4は、通信部41と、入力部42と、制御部43と、表示部44とを備える。
通信部41は、差分データ要求を生体情報管理装置3に送信する。また、通信部41は、差分データ要求に基づき生体情報管理装置3から送信された差分データを受信する。また、通信部41は、相関データ要求を生体情報管理装置3に送信する。
入力部42は、専門機関である医療機関にて測定された利用者の測定値を入力する。また、入力部42は、医療機関の医師によって作成された、利用者ID、利用者の症状識別情報、医薬品識別情報が含まれるカルテを画像情報化したカルテ情報を入力する。カルテ情報が入力されると、上述の通信部41は、入力部42によって入力されたカルテ情報を生体情報管理装置3に送信する。
制御部43は、利用者を識別するための利用者IDを含む差分データ要求を生体情報管理装置3に送信するよう通信部41を制御する。また、制御部43は、差分データ要求に基づいて生体情報管理装置3から送信された差分データと、入力部42が入力した最低血圧とに基づいて、差分データに含まれる最低血圧差分値に係る最低血圧を算出する。図3に示す例を用いて説明すると、制御部43は、3月9日に測定された「80.5」という値の最低血圧と、図3(a)に示すような3月1日から3月9日までに測定された最低血圧差分値の時系列変化を示す差分データとに基づいて、図3(b)に示すような最低血圧の時系列変化を算出する。
また、制御部43は、最低血圧が測定されたとき以降に、測定装置2による測定に基づき算出された差分データに基づいて最低血圧の時系列変化を算出することもできる。例えば、3月9日に「79」という値の最低血圧が測定された後の3月17日に、3月10日から3月17日までの差分データを要求する差分データ要求を測定装置2に送信するよう通信部29を制御してもよい。この場合、制御部43は、通信部29が受信した3月10日から3月17日までの差分データと、3月9日の最低血圧とに基づいて、3月10日から3月17日までの最低血圧の時系列変化を算出する。
同様にして、制御部43は、差分データに含まれる、最高血圧差分値に係る最高血圧、姿勢差分値に係る姿勢値、及び体温差分値に係る体温を算出する。
表示部44は、制御部43によって算出された測定値を、対応する日付とともに表示する。例えば、表示部44は、図3(b)に示したように、制御部43によって算出された血圧を、対応する日付とともに表示する。同様にして、表示部44は、制御部43によって算出された姿勢値を対応する日時とともに表示する。
次に、生体情報管理システム1による生体情報管理方法の差分データ処理について、図5を参照して説明する。図5は、生体情報管理方法の差分データ処理を示すシーケンス図である。
まず、認証部21は利用者を認証することによって利用者IDを特定する(ステップS11)。
ステップS11で利用者が認証されると、生体情報測定部22が利用者の生体情報の測定値を測定する(ステップS12)。
ステップS12で利用者の測定値が測定されると、壁面温度測定部23は壁面温度を測定する(ステップS13)。なお、ステップS12及びステップS13の処理は、いずれが先に行われてもよい。
ステップS12で測定値が測定され、ステップS13で壁面温度が測定されると、算出部24は、既に記憶部25に記憶されている、初回に測定された測定値に基づいて、測定差分値を算出する(ステップS14)。
ステップS14で測定差分値が算出されると、判定部26は、測定差分値に基づく判定を行い、該判定の結果に応じた要注意情報を出力部27に出力する(ステップ15)。
ステップS15で要注意情報が出力されると、出力部27はディスプレイに要注意情報を表示するか、スピーカーにより音声で出力する(ステップS16)。
一方、ステップS14で測定差分値が算出されると、記憶部17は、利用者ID、初回の測定値、測定差分値等を含む差分データを記憶する(ステップS17)。
また、ステップS15で測定差分値が算出されると、通信部29は、差分データを生体情報管理装置3に送信する(ステップS18)。
ステップS18で差分データが送信されると、生体情報管理装置3の通信部31が差分データを受信し、記憶部33が受信された差分データを記憶する(ステップS19)。
一方、専門機関装置4の入力部42は、専門機関である医療機関で測定された生体情報の測定値、及び利用者IDを入力する(ステップS20)。
ステップS20で測定値及び利用者IDが入力されると、制御部43の制御に基づき、通信部41が利用者IDを含む差分データ要求を生体情報管理装置3に送信する(ステップS21)。
ステップS21で差分データ要求が送信されると、生体情報管理装置3の通信部31は、当該利用者IDを含む差分データを専門機関装置4に送信する(ステップS22)。
ステップS22で差分データが送信されると、通信部41が該差分データを受信する。そして、制御部43は、差分データと、ステップS20で入力された測定値とに基づいて、差分データに含まれる差分値に係る測定値を算出する(ステップS23)。
ステップS23で複数の測定値が算出されると、各測定値を、各測定値を測定した日付とともに表示することによって、測定値の時系列変化を表示する(ステップS24)。
次に、生体情報管理システム1による生体情報管理方法の相関データ処理について、図6を参照して説明する。図6は、生体情報管理方法の相関データ処理を示すシーケンス図である。本相関データ処理が開始されるときには、既に上述の差分データ処理が行われ、複数の利用者に係る差分データが記憶部33に記憶されている。
まず、専門機関装置4の入力部42は、医療機関の医師によって作成されたカルテを画像情報化したカルテ情報を入力する(ステップS31)。
ステップS31でカルテ情報が入力されると、通信部41は、生体情報管理装置3にカルテ情報を送信する(ステップS32)。
ステップS32でカルテ情報が送信されると、変換部32は、カルテ情報をテキスト化又は数値化する(ステップS33)。
ステップS33でカルテ情報がテキスト化又は数値化されると、記憶部33は、テキスト化又は数値化されたカルテ情報を記憶する(ステップS34)。
ステップS34でカルテ情報が記憶されると、相関推定部34は、記憶部33に記憶されている、差分データと該差分データに係る利用者のカルテ情報とによって構成される複数のデータをビッグデータとして、差分データの変化の傾向と症状との間に表れる相関を推定する(ステップS35)。
ステップS35で相関が推定されると、記憶部33は、相関を示す相関データを記憶する(ステップS36)。
一方、専門機関装置4の通信部41は、生体情報管理装置3に相関データ要求を送信する(ステップS37)。
ステップS37で相関データ要求が送信されると、相関推定部34は、相関データ要求に含まれる差分データ群と同様の時系列変化を示す差分データと症状との間に推定された相関を表す相関データを記憶部33から抽出する(ステップS38)。
ステップS38で相関データが抽出されると、通信部31は抽出された相関データを専門機関装置4に送信する(ステップS39)。
ステップS39で相関データが送信されると、通信部41が相関データを受信し、表示部44が相関データをディスプレイに表示する(ステップS40)。
次に、生体情報管理システム1による生体情報管理方法のサービス提供支援処理について、図7を参照して説明する。図7は、生体情報管理方法のサービス提供支援処理を示すシーケンス図である。
まず、通信部31は、測定装置2に医療機関の提案打診を送信する(ステップS51)。
ステップS51で医療機関の提案打診が送信されると、測定装置2は利用者の入力操作により、生体情報管理装置3に提案を依頼する(ステップS52)。
ステップS52で提案が依頼されると、生体情報管理装置3は、提案依頼にかかる利用者に対して医療機関を提案する(ステップS53)。
ステップS53で医療機関が提案されると、測定装置2は利用者の入力により医療機関を決定する(ステップS54)。
ステップS54で医療機関が決定されると、生体情報管理装置3は、医療機関への受診の予約申請を専門機関装置4に送信する(ステップS55)。
ステップS55で予約申請が送信されると、専門機関装置4は予約処理を行う(ステップS56)。
ステップS56で予約処理が行われると、専門機関装置4は予約完了通知を生体情報管理装置3へ送信する(ステップS57)。
ステップS57で予約完了通知が送信されると、生体情報管理装置3の通信部31は受診した予約完了通知を測定装置2に送信する(ステップS58)。
ステップS58で予約完了通知が送信されると、測定装置2の通信部29は予約完了通知を受信し、出力部27がディスプレイに予約完了通知を出力することにより、当該予約完了通知を表示する(ステップS59)。
以上のように、第1の実施形態では、測定装置2は、生体情報が測定される毎に、記憶部25に記憶されている初回の測定値に対する差分である差分値を算出する。そして、測定装置2は、算出された差分値を生体情報管理装置3に送信する。そのため、仮に悪意のある者が不正に生体情報を入手しようとして不正アクセス又は盗聴を試みても、差分値のみが漏洩されることになる。したがって、個人にとって重要な秘匿すべき生体情報を他者に取得されるのを防ぐことができる。
また、第1の実施形態では、認証部21はカメラが利用者を撮像した画像を用いて利用者を認証する。このため、利用者が操作を行ったり、認証装置に接触したりする必要がなく、利用者の負荷を低減することができる。また、生体情報測定部22、生体情報測定部22、壁面温度測定部23はカメラが利用者を撮像した画像を用いて、それぞれ血圧、姿勢値、体温を測定する。このため、利用者が測定装置2に接触することなく、衣服を脱着することなく、血圧、姿勢値、体温をそれぞれ測定することができ、測定に係る利用者の手間、心理的負担といった負荷を軽減することができる。
また、第1の実施形態では、判定部26は、血圧及び姿勢値の変化量に加えて、壁面温度を用いて、利用者の健康状態を判定する。一般に、利用者の生体情報が測定される環境の温度は、該生体情報へ影響を与えることがある。特に、洗面所内で生体情報が測定される場合、洗面所は他の部屋に比べて小さいため、環境の温度は壁面からの放射の影響を受けやすい。また、壁面温度は空気温度に比べて安定している。そのため、環境の温度に相関が高いと見込まれる壁面温度に基づくことによって、より適切に健康状態を判定することができる。また、判定部26が壁面温度を利用する代わりに、空気温度を利用しないため、測定装置2は温度センサーを備える必要がなく、簡易な構成とすることができる。
また、第1の実施形態では、利用者が高い頻度で存在する場所に測定装置2が設置されるため、利用者のストレスを伴わずに高い頻度で生体情報が測定される。そのため、利用者の健康に異変が生じた場合に、早期に異変を認識することができる可能性が高まる。また、利用者は、健康への異変を発見するために定期的に通院することによる時間拘束を回避することができる。また、早期に異変を認識することによって、痛み等の実害を回避でき、自らの健康に関する悩みを減少させることができることがある。また、未病領域の情報が充実することによって、予防医療の発展に寄与することができる。また、利用者が早期に異変を認識して適切な対応をとることによって、利用者の家族の心理的負担、経済的負担、時間的拘束を減少させることができる。
また、第1の実施形態では、専門機関装置4は、利用者が医療機関で初めて診察を受ける前までの体温、血圧、姿勢値を取得することができる。これまでは、専門機関の医者等が、利用者の、現在の症状に至るまでの経緯を知る方法は、患者へのヒアリング調査に限られていた。しかし、このように専門機関装置4が測定値と差分データとに基づいて、過去の生体情報を算出することによって、医者は不具合の原因となった時期、変化の状況、治療の効果確認を知ることができ、より一層適切に対応することができる。
また、第1の実施形態では、専門機関装置4は、各利用者について測定装置2から送信され、生体情報管理装置3に記憶されている差分データを受信することができるため、専門機関装置4を所有する医療機関の医師は、診察または治療後の経過を確認するために、利用者が医療機関を訪れなくても生体情報の差分データを認識することができる。そのため、医師、利用者及びその家族の負担を低減することができる。すなわち、本生体情報管理システム1は遠隔診断のツールとして利用され得る。
また、第1の実施形態では、生体情報管理装置3の相関推定部34は、差分データの変化の傾向と症状との間に表れる相関を推定し、推定された相関を示す相関データを記憶する。すなわち、病気に至る経過を把握するビッグデータが構築されることになり、予防医療発展に貢献することができる。また、差分データに基づいて、相関データを用いることにより、医者は、生体情報について迅速かつ適切に判断することができ、医師の不足による多忙な状況の回避策の一つになり得る。
したがって、本生体情報管理システム1は、超高齢社会に重要な役割をもつといえる。若年層が減少している日本において、高齢者のみならず、働き盛りの世代が健康な状態を長く維持することは、若年者の負担軽減に直結する。現在の高齢者や10年後の高齢者の医療費負担、医療機関の人的負担、経済的負担が若年者の年金にのしかかる可能性が大きいからである。高齢者への介護や付添に割かれる時間、金銭を低減することは若年者へのメリットとなる。当然、健康な状態が維持できれば就業できる中高齢者が増え労働人口減少の抑制に寄与する。
また、第1の実施形態では、生体情報管理装置3は、差分データの変化の傾向とアドバイスの内容との間に表れる相関を推定する。このため、予防医療について、生活上のアドバイスとその効果を確認することができる。例えば、「運動をせよ」というアドバイスに対し、効果が出ていなければこのアドバイス自体に意味がないことを知ることができる。したがって、判定部26が出力する要注意情報に示されるアドバイスを改善することができる。
また、第1の実施形態では、生体情報測定部22は、血圧及び姿勢値を測定する。一般に、糖尿病は万病に通じるとされ、警戒の必要性が高い。糖尿病に対し関連が強いとされるのは、高血圧である。高血圧は、循環器系の障害の原因にもなるため、投薬が必要になる前に兆候を探ることが望まれる。また、体の歪みから、肩こり、頭痛などの症状を起こすことや、うつ病につながるケースがあることが知られている。内臓の疾患から体がゆがむこともあり、体のゆがみを早期に把握することは、健康維持に有効である。したがって、生体情報測定部22が血圧及び姿勢値に基づいて要注意情報を出力することは、健康の維持に大きく寄与すると考えられる。
また、第1の実施形態では、相関推定部34は、複数の利用者にかかる複数の差分データと症状との間に表れる相関を推定する。このとき、相関推定部34は、利用者IDを用いずに相関を推定し、記憶部33は、利用者IDを用いずに相関データを記憶する。このため、相関データについての不正アクセス、盗聴があった場合にも生体情報及び症状に対応する利用者を識別するための情報が漏洩することはない。したがって、秘匿を要求される個人の病気等に関する情報の漏洩を防ぐことができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
第2の実施形態における生体情報管理システム5は、第1の実施形態の生体情報管理システム1と同様に、1つ以上の測定装置2と、生体情報管理装置3と、1つ以上の専門機関装置4とを備える。また、測定装置2と生体情報管理装置3とは通信ネットワークを介して互いに情報を送受信する。また、生体情報管理装置3と専門機関装置4とは通信ネットワークを介して互いに情報を送受信する。なお、第1の実施形態における生体情報管理システム1と同様の構成ブロックについては同一の参照符号を付して、適宜、説明を省略する。
第2の実施形態においては、専門機関装置4を所有する専門機関は食サービス提供機関であるという点が第1の実施形態と異なる。
生体情報管理装置3の通信部31は、サービス提供部35による制御に基づいて各種情報を測定装置2及び専門機関装置4に送信する。また、通信部31は、測定装置2及び専門機関装置4から各種情報を受信する。
記憶部33は差分データの変化量に、食サービスの提案を示す食サービス提案情報を対応付けた食サービス提案テーブルを記憶する。
サービス提供部35は、測定装置2の利用者に対して食生活提案を行う。
具体的には、サービス提供部35は、記憶部33に記憶されている差分データに係る利用者の測定装置2に対して、食サービス提案を打診する。食サービス提案とは、利用者の健康に適する食生活に関する提案であり、例えば、食事のメニュー、摂取すべき栄養等の提案である。
さらに具体的には、サービス提供部35は測定装置2に、食生活提案打診情報を送信するよう通信部31を制御する。サービス提供部35が食生活提案打診を送信するタイミングは適宜設計され、例えば、通信部31が差分データの変化量が所定閾値以上であるときとすることができる。また、サービス提供部35が食生活提案打診を送信するタイミングは、所定の期間おきであってもよいし、通信部31が測定装置2から差分データを受信したときでもよい。
サービス提供部35は、通信部31が測定装置2から提案依頼を受信すると、食サービスを提案する。例えば、サービス提供部35は、提案依頼に含まれる利用者IDに対応して記憶部33に記憶されている差分データの変化量に対応付けられている食サービス提案情報を抽出する。そして、サービス提供部35は、抽出された食サービス提案情報を測定装置2に送信するよう通信部31を制御する。
また、サービス提供部35は、通信部31が食サービス決定情報を受信すると、食品を提案する。例えば、サービス提供部35は、食サービス決定情報に含まれる食品サービスに基づいて食品を抽出する。そして、サービス提供部35は、食品を示す食品提案情報を測定装置2に送信するよう通信部31を制御する。
また、サービス提供部35は、通信部31が食品決定情報を受信すると、該食品決定情報に含まれる食品の配送を手配する。さらに具体的には、サービス提供部35は、食品の配送指示を専門機関装置4に送信するよう通信部31を制御する。サービス提供部35は、通信部31が配送指示の受付を示す予約受付情報を専門機関装置4から受信してもよく、この場合、予約完了報告を測定装置2に送信するよう通信部31を制御する。また、サービス提供部35は、通信部31が専門機関装置4から請求情報を受信すると、サービス提供部35は、該請求情報に含まれる請求金額を集計して合計金額を算出する。そして、通信部31は、サービス提供部35の制御により、該合計金額を示す請求情報を測定装置2に送信する。
専門機関装置4の通信部41は生体情報管理装置3から各種情報を受信する。また、通信部41は、制御部43の制御に基づいて生体情報管理装置3に各種情報を送信する。
制御部43は、通信部41が生体情報管理装置3から配送指示を受信すると、受信した配送指示に基づいて依頼品を配送するために、予め定められた宛先に配送依頼をしたり、ディスプレイに配送指示に係る情報を表示するよう表示部44を制御したりする。また、制御部43は、依頼品の配送が完了すると、該依頼品及び配送に係る金額を示す請求情報を生体情報管理装置3に送信するよう通信部41を制御する。
ここで、生体情報管理システム5による生体情報管理方法のサービス提供支援処理について説明する。図8は、サービス提供支援処理の一例を示すフローチャートである。
まず、通信部31は、測定装置2に食生活の提案打診を送信する(ステップS71)。
ステップS71で提案打診が送信されると、測定装置2は利用者の入力操作により、生体情報管理装置3に提案を依頼する(ステップS72)。
ステップS72で、提案が依頼されると、生体情報管理装置3は、提案の依頼にかかる利用者に対して食サービスを提案する(ステップS73)。
ステップS73で食サービスが提案されると、測定装置2は利用者の入力により食サービスを決定する(ステップS74)。
ステップS74で、食サービスが決定されると、生体情報管理装置3は、利用者に対して食サービスに対応する食品を提案する(ステップS75)。
ステップS75で食品が提案されると、測定装置2は利用者の入力により食品を決定する(ステップS76)。
ステップS76で食品が決定されると、生体情報管理装置3は、食品の配送を手配する(ステップS77)。
ステップS77で食品の配送が手配されると、専門機関装置4は配送処理を行う(ステップS78)。
ステップS78で配送処理が行われると、専門機関装置4は請求処理を行う(ステップS79)。
ステップS79で請求処理が行われると、生体情報管理装置3は、請求情報に含まれる請求金額を集計して合計金額を算出する(ステップS80)。
ステップS80で合計金額が算出されると、生体情報管理装置3は、該合計金額を示す請求情報を測定装置2に送信する(ステップS81)。
ステップS81で請求情報が送信されると、測定装置2の出力部27は、請求情報をディスプレイに表示する(ステップS82)。
以上のように、第2の実施形態では、利用者が高い頻度で存在する場所に測定装置2が設置されるため、利用者のストレスを伴わずに高い頻度で健康状態が測定される。また、健康状態の変化を示す差分データに基づいて適切なタイミングで食サービスを提案することにより、利用者は早期に健康状態に応じた食サービスを受けることができる。また、提案された食サービスに係る食品等が専門機関である食サービス提供機関から配送されるための処理が行われるため、利用者にとっての負担を増加させずに、該利用者の健康に適する食生活を送ることができる。
また、第2の実施形態では、生体情報管理装置3は利用者の差分データに、利用者への提案内容、利用者に提供した食品等の情報を紐づけて管理することができる。また、生体情報管理装置3が利用者の決定に基づき、食サービス提供機関に食品の配送を手配するため、食サービス提供機関は安定して顧客を確保することができる。また、利用者は、安定して食材の供給を受けることができる。また、利用者は、自身の体調に基づき自己判断で食事を決めるのではなく、差分データに基づく健康状態に応じたメニューの提案を受けることができる。これに伴い、利用者は食事のメニューを考える手間を省くことができる。
続いて、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。
第3の実施形態における生体情報管理システム6は、第1の実施形態の生体情報管理システム1と同様に、1つ以上の測定装置2と、生体情報管理装置3と、1つ以上の専門機関装置4とを備える。また、測定装置2と生体情報管理装置3とは通信ネットワークを介して互いに情報を送受信する。また、生体情報管理装置3と専門機関装置4とは通信ネットワークを介して互いに情報を送受信する。なお、第1の実施形態における生体情報管理システム1と同様の構成ブロックについては同一の参照符号を付して、適宜、説明を省略する。
第3の実施形態においては、専門機関装置4を所有する専門機関は、スポーツクラブ等の運動指導機関であるという点が第1の実施形態と異なる。
生体情報管理装置3の通信部31は、各種情報を測定装置2及び専門機関装置4に送信する。また、通信部31は、測定装置2及び専門機関装置4から各種情報を受信する。
記憶部33は、差分データの変化量に、運動メニューを示す運動メニュー情報を対応付けた運動メニューテーブルを記憶する。
サービス提供部35は、測定装置2に食生活提案打診を送信するよう通信部31を制御する。サービス提供部35が食生活提案打診を送信するタイミングは適宜設計され、例えば、通信部31が差分データの変化量が所定閾値以上であるときとすることができる。また、サービス提供部35が食生活提案打診を送信するタイミングは、所定の期間おきであってもよいし、通信部31が測定装置2から差分データを受信したときでもよい。
また、サービス提供部35は、通信部31が運動提案打診に対応する応諾提案依頼を受信した場合、応諾提案依頼に含まれる利用者IDに関連付けて記憶部33に記憶されている差分データの変化量に基づいて運動メニューを提案する。具体的には、サービス提供部35は、運動メニューテーブルにおいて差分データの変化量に対応付けられている運動メニュー情報を測定装置2に送信するよう通信部31を制御する。
また、サービス提供部35は、通信部31が運動指導機関推奨依頼を受信すると、該運動指導機関推奨依頼に基づいて運動指導を提供するスポーツクラブ等を示す運動指導機関情報を測定装置2に送信するよう通信部31を制御する。サービス提供部35は、運動指導機関情報から選択された運動指導機関を示す決定情報を測定装置2から受信すると、利用者IDを含む加入申請情報又は予約申請情報を専門機関装置4に送信する。
サービス提供部35は、通信部31が加入申請又は予約申請の受付を示す受付情報を専門機関装置4から受信すると、完了報告を測定装置2に送信するよう通信部31を制御する。また、サービス提供部35は、通信部31が専門機関装置4から請求情報を受信すると、該請求情報に含まれる請求金額を集計して合計金額を算出し、該合計金額を含む請求情報を測定装置2に送信する。
専門機関装置4の通信部41は生体情報管理装置3から各種情報を受信する。また、通信部41は、制御部43の制御に基づいて生体情報管理装置3に各種情報を送信する。
制御部43は、通信部41が生体情報管理装置3から加入申請情報又は予約申請情報を受信すると、受信した加入申請情報又は予約申請情報をディスプレイに表示するよう表示部44を制御する。
ここで、生体情報管理システム6による生体情報管理方法について図9を参照して説明する。図9は、生体情報管理の一例を示すフローチャートである。
まず、通信部31は、測定装置2に運動メニューの提案打診を送信する(ステップS91)。
ステップS91で運動メニューの提案打診が行われると、測定装置2は利用者の入力操作により、運動メニューの提案打診に対する生体情報管理装置3に提案を依頼する(ステップS92)。
ステップS92で、提案が依頼されると、生体情報管理装置3は、提案依頼にかかる利用者に対して運動メニューを提案する(ステップS93)。
ステップS93で運動メニューが提案されると、測定装置2は利用者の入力による運動指導機関推奨依頼に基づいて運動メニューを決定する(ステップS94)。
ステップS94で、運動メニューが決定されると、生体情報管理装置3は、利用者に対して運動メニューを提供する運動指導機関を提案する(ステップS95)。
ステップS95で運動指導機関が提案されると、測定装置2は利用者の入力により運動指導機関を決定する(ステップS96)。
ステップS96で運動指導機関が決定されると、生体情報管理装置3は、運動指導機関への加入又は参加の申請を専門機関装置4に送信する(ステップS97)。
ステップS97で運動指導機関への加入又は参加の申請が送信されると、専門機関装置4は加入又は参加の手続きを行う(ステップS98)。
ステップS98で加入又は参加の手続きが行われると、専門機関装置4は請求処理を行う(ステップS99)。
ステップS99で請求処理が行われると、生体情報管理装置3は、請求情報に含まれる請求金額を集計して合計金額を算出する(ステップS100)。
ステップS100で合計金額が算出されると、生体情報管理装置3は、該合計金額を示す請求情報を測定装置2に送信する(ステップS101)。
ステップS101で請求情報が送信されると、測定装置2の出力部27は、請求情報をディスプレイに表示する(ステップS102)。
以上のように、第3の実施形態では、利用者が高い頻度で存在する場所に測定装置2が設置されるため、利用者のストレスを伴わずに高い頻度で生体情報が測定される。また、健康状態の変化を示す差分データに基づいて適切なタイミングで運動メニューを提案することにより、利用者は早期に健康状態に応じた運動することができる。また、提案された運動メニューに係る運動を行うことができる専門機関が提案され、簡易な操作で専門機関の利用を予約することができる。そのため、利用者にとっての負担を増加させずに、該利用者の健康に適する運動を行うことができる。
また、第3の実施形態では、生体情報管理装置3は利用者の差分データに、利用者への提案内容、利用者に提供した運動メニュー等の情報を紐づけて管理することができる。また、生体情報管理装置3が利用者の決定に基づき、運動指導機関に加入及び参加の手続きを行うため、運動指導機関は安定して顧客を確保することができる。また、利用者は、差分データに基づく自身の健康状態に応じて、すぐに運動を開始することができる。また、利用者は、自身の体調に基づき自己判断で運動メニューを決めるのではなく、差分データに基づく健康状態に応じた、適切な運動メニューの提案を受けることができる。また、これに伴い、利用者は運動メニューを考える手間を省くことができる。
また、上述の実施形態では、測定装置2の判定部26が算出部24によって算出された差分データに基づいて利用者の健康状態について判定したが、この限りではない。例えば、生体情報管理装置3が判定部を備えてもよい。この場合、生体情報管理装置3の判定部が差分データに基づいて健康状態を判定してもよい。また、生体情報管理装置3の通信部31が、健康状態に対応する要注意情報を測定装置2に送信してもよい。
また、上述の実施形態では、専門機関が医療機関、食サービス提供機関、運動指導機関であるとしたが、これに限られない。例えば、専門機関は生命保険機関であってもよい。この場合、サービス提供部35は、測定装置2によって測定され、記憶部33に記憶されている差分データの変化量に基づいて保険プランを測定装置2に送信するよう通信部31を制御することができる。
また、上述の実施形態では、測定装置2が出力部27を備えるとしたが、この限りではない。例えば、測定装置2は、出力部27を備えず、生体情報管理システム1は、測定装置2と別体でディスプレイ又はスピーカーを含む出力装置を備えてもよい。この場合、出力装置は、上述の出力部27の機能を実行する。
上述の実施形態及び実施例は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態及び実施例に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。