JP2018164995A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Yoshiyuki Koike
佳之 小池
伊東 淳
Atsushi Ito
淳 伊東
慶吾 安藤
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Abstract

【課題】親水性成分を含有するインク受容層を有する被記録媒体に対して、耐湿性を向上可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】親水性成分を含有するインク受容層を含む被記録媒体へのインクジェット記録方法であって、反応性染料と水溶性有機溶剤と水とを含み、pHが7.5以上9.5未満であるインクを吐出させることにより、前記被記録媒体のインク受容層に付着させるインク付着工程と、アルカリを含有し、pHが9.5以上11.5以下であるアルカリ含有液を前記被記録媒体のインク受容層に付着させるアルカリ含有液付着工程と、を含むインクジェット記録方法。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
被記録媒体に、画像データ信号に基づき、画像を形成する記録方法として、インクジェット方式などがある。インクジェット方式は、安価な装置で、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。
インクジェット方式では、通常、各種の染料又は顔料などの色材と、該色材を溶解又は分散させるための水又は水溶性有機溶剤とを主成分とするインクが使用されることが多い。特に、透明感のある発色が得られる観点から、色材として水溶性の染料を含有するインクが好ましく使用される。しかし、色材として水溶性の染料を使用すると、耐水性や耐湿性が劣るという問題がある。この問題を解決するために、種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、耐水性及び耐湿性が改善されたインクジェット画像形成方式を提供することを目的として、水溶性有機溶剤、水、反応性染料、及び該反応性染料に対し所定量の水溶性キレート剤を含有するインクと、難水溶性の金属水酸化物又は金属酸化物を含有するインク吸収層を支持体上に有するインクジェット記録媒体とを組み合わせ、印字後にインクジェット記録媒体上にアルカリ雰囲気を発生させ、反応性染料と、インク吸収層中の化合物とを反応させることにより、反応性染料をインク吸収層に固着させるインクジェット画像形成方式が開示されている。
特開2000−85236号公報
近年、エマージング市場においては、インクジェット方式の被記録媒体として、低コストの観点から、ポリビニルアルコール(PVA)等の親水性樹脂がインク受容層に塗布されたインクジェット用記録メディアが使用されることが多い。しかし、該記録メディアと、水溶性の染料を含有するインクとを組み合わせた場合、吸湿性の高い親水性樹脂を含むインク受容層は、高湿条件下において、水分を多く含む。そのため、インク受容層に付着した水溶性の染料が親水性樹脂内部で移動(マイグレーション)を起こして滲みやすく、そのようなインク受容層は、上記の組み合わせにおいて耐湿性に問題がある。一方、特許文献1記載のインクジェット画像形成方式では、特定の被記録媒体に対しては耐湿性を改善できるが、親水性樹脂がインク受容層に塗布された記録メディアに対しては、耐湿性を改善できない。
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、親水性成分を含有するインク受容層を有する被記録媒体に対して、耐湿性を向上可能なインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、pHが所定範囲内にあり、反応性染料を含有するインクと、pHが所定範囲内にあり、アルカリを含有する液とを、それぞれ、親水性成分を含有するインク受容層を有する被記録媒体に付着させると、得られる記録物の耐湿性を向上できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のインクジェット記録方法は、親水性成分を含有するインク受容層を含む被記録媒体へのインクジェット記録方法であって、反応性染料と水溶性有機溶剤と水とを含み、pHが7.5以上9.5未満であるインクを吐出させることにより、前記被記録媒体のインク受容層に付着させるインク付着工程と、アルカリを含有し、pHが9.5以上11.5以下であるアルカリ含有液を前記被記録媒体のインク受容層に付着させるアルカリ含有液付着工程とを含む。
このようなインクジェット記録方法が、本発明の課題を解決できる要因は、下記のように考えている。ただし、要因は、これに限定されない。すなわち、インク付着工程に用いるインクのpHが上記の所定範囲内にあることを主因として、インクの保存安定性が優れる。そして、アルカリ含有液をインク受容層に付着させることを主因として、反応性染料のインク受容層に対する固着性が優れる。本発明のインクジェット記録方法では、インクの優れた保存安定性と、反応性染料のインク受容層に対する優れた固着性とを両立できるため、高湿条件下であっても、染料分子のインク受容層内部での移動が抑制され、滲みにくく、色相変化が抑制されると考えられる。
本発明のインクジェット記録方法は、前記アルカリ含有液付着工程において、前記アルカリ含有液を吐出させることにより、前記被記録媒体のインク受容層に付着させることが好ましい。また、本発明のインクジェット記録方法は、前記インク付着工程及び前記アルカリ含有液付着工程の後に、前記インク及び前記アルカリ含有液が付着したインク受容層を少なくとも加熱する加熱工程を含むことが好ましく、前記加熱工程における加熱温度は、40℃以上100℃以下であることが好ましい。前記親水性成分は、ポリビニルアルコールを含むことが好ましい。前記アルカリ含有液のpHは、前記インクのpHよりも2.0以上高いことが好ましい。本発明のインクジェット記録方法は、前記アルカリ含有液付着工程を、前記インク付着工程の前に含むことが好ましい。前記反応性染料は、分子中に反応基を複数含むことが好ましい。
本実施形態のインクジェット記録方法の一例を示すフローチャートである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本明細書にいう「記録物」とは、被記録媒体上にインクが付着されることにより画像が形成されたものをいう。また、本明細書にいう「インクの保存安定性」とは、インクに含まれる反応性染料の反応活性が良好に維持されている性質をいい、「固着性」とは、インクに含まれる反応性染料が、インク受容層に安定に固着されている性質をいい、「耐湿性」とは、記録物を、高湿条件(例えば、85%RH)に放置した際に、画像に滲みが生じることに起因して記録物の色相が変化する現象を抑制できる性質をいい、「短期色安定性」とは、CIE Lab(L***表色系)におけるL***について、画像を形成直後のL***が、インク乾燥などにより色が安定した(変化がなくなった)状態のL***と比較して色差が小さい性質をいう。
[インクジェット記録方法]
本実施形態のインクジェット記録方法は、親水性成分を含有するインク受容層(「親水性成分含有インク受容層」ともいう。)を含む被記録媒体へのインクジェット記録方法であって、反応性染料と水溶性有機溶剤と水とを含み、pHが7.5以上9.5未満であるインクを吐出させることにより、被記録媒体のインク受容層に付着させるインク付着工程と、アルカリを含有し、pHが9.5以上11.5以下であるアルカリ含有液を被記録媒体のインク受容層に付着させるアルカリ含有液付着工程とを含む。このようなインクジェット記録方法が、親水性成分含有インク受容層を有する被記録媒体に対して、耐湿性を向上できる要因は下記のように考えている。ただし、要因は、これに限定されない。すなわち、本実施形態のインクジェット記録方法は、まず、インク付着工程に用いるインクのpHが、上記範囲内であることを主因として、インクに含まれる反応性染料の反応活性が失活せず、維持されるため、インクの保存安定性が優れる。また、インク付着工程により、インクに含まれる反応性染料の反応基と、インク受容層に含まれる親水基(例えば、水酸基)とが反応する。ここで、本実施形態のインクジェット記録方法がアルカリ含有液付着工程を含むことを主因として、アルカリ含有液に含まれるアルカリが、上記インク受容層に含まれる親水基を活性化させ、反応性染料の反応基とインク受容層の親水基との反応が十分かつ速やかに進行するため、反応性染料のインク受容層に対する固着性が優れる。このように本実施形態のインクジェット記録方法は、インクの優れた保存安定性と、反応性染料のインク受容層に対する優れた固着性とを両立できるため、高湿条件下であっても、染料分子のインク受容層内部での移動が抑制され、滲みにくく、色相変化が抑制されると考えられる。
[被記録媒体]
本実施形態のインクジェット記録方法で用いられる被記録媒体は、親水性成分を含有するインク受容層(「親水性成分含有インク受容層」ともいう。)を含んでいればよい。より具体的には、被記録媒体は、例えば、基材と、該基材の少なくとも片面に形成された親水性成分含有インク受容層とを含む。なお、本明細書にいう「親水性成分」とは、例えば、アルカリ条件下で活性化し、反応性染料と反応可能な親水基を有する成分をいう。
(基材)
基材としては、特に限定されず、例えば、普通紙、合成紙、コート紙、及び樹脂シートが挙げられる。樹脂シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリエステル、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びエチレン−プロピレン共重合体)、ポリ塩化ビニル、及びポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂から形成されたシートが挙げられる。
(インク受容層)
インク受容層に含有される親水性成分としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレンオキサイドのような親水性樹脂、澱粉、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース)、カゼイン、及びゼラチンが挙げられる。これらの親水性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、インクに含まれる反応性染料との反応性が優れる観点から、親水性成分を有する樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
インク受容層は、親水性成分を含有していればよく、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、共役ジエン系共重合体ラテックス(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体)、ビニル系共重合体ラテックス(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、及びアクリル系共重合体(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体)が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
被記録媒体の具体例としては、特に限定されないが、例えば、バックリットフィルムが例示できる。
以下、本実施形態の各工程についてさらに詳細に説明する。図1は、本実施形態のインクジェット記録方法の一例を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録方法は、インク付着工程及びアルカリ含有付着工程に加えて、加熱工程をさらに含んでもよい。なお、本実施形態のインクジェット記録方法における、インク付着工程及びアルカリ含有付着工程の順序は、後述するように、図1に示す順序に限定されない。
[インク付着工程]
本実施形態のインク付着工程は、インクを吐出させることにより、上記被記録媒体のインク受容層に付着させる。インクを吐出させる方法としては、例えば、インクジェット方式によりヘッドからインクを吐出させる方法が挙げられる。インクジェット方式としては、例えば、圧電素子の機械的堆積変化によりインク滴を形成し、吐出させるピエゾヘッド型インクジェット方式、及びインクに熱エネルギーを加えることによる体積膨張を利用してインク滴を形成し、吐出させるバブルジェット(登録商標)型インクジェット方式が挙げられる。
(インク)
本実施形態のインク付着工程に用いるインクは、反応性染料、水溶性有機溶剤、及び水を含んでいればよい。
(反応性染料)
本明細書にいう「反応性染料」とは、例えば、ヒドロキシル基又はアミノ基に対し、共有結合性を有する反応基を含有する染料をいう。反応基としては、例えば、モノクロロトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、カルボキシピリジニオトリアジン基、ジクロロトリアジン基、ビニルスルホン基、スルファトエチルスルホン基、フルオロクロロピリミジン基、トリクロロピリミジン基、及びブロモアクリルアミド基からなる群より選択される少なくとも一種の反応基が挙げられる。これらの反応基の中でも、インク受容層に含まれる親水性成分との反応性が特に高い観点から、モノトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、カルボキシピリジニオトリアジン基、及びジクロロトリアジン基からなる群より選択される少なくとも一種の反応基が好ましい。
反応性染料は、分子中に、上記反応基を少なくとも1つ含んでいればよいが、低温条件下であっても、親水性成分との反応がより一層速やかにかつ十分に進行する観点から、分子中に反応基を複数含むことが好ましい。分子中に反応基を複数含む場合、同一の反応基を2つ以上含んでいてもよく、異なる反応基を2つ以上含んでいてもよく、同一の反応基及び異なる反応基を2つ以上含んでいてもよい。
具体的な反応性染料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.Reactive Black5、8、13、14、31、34、39;C.I.Reactive Yellow2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176;C.I.Reactive Orange1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107;C.I.Reactive Red2、3、3:1、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、226、228、235;C.I.Reactive Violet1、2、4、5、6、22、23、33、36、38;C.I.Reactive Blue2、3、4、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236;C.I.Reactive Green8、12、15、19、21;C.I.Reactive Brown2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46が挙げられる。これらの反応性染料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性染料の含有量は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク全体(100質量%)に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、通常、保湿剤又は浸透剤として用いられる有機溶剤が挙げられる。保湿剤として用いられる有機溶剤の具体例としては、多価アルコール化合物(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、及びチオジグリコール)、複素環化合物(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、スルホキシド化合物(例えば、ジメチルスルホキシド)が挙げられ、浸透剤として用いられる有機溶剤の具体例としては、グリコールエーテル化合物(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル)が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、1種を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
水溶性有機溶剤の含有量は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク全体(100質量%)に対し、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。
(水)
水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水、超純水、及び紫外線照射又は過酸化水素等により滅菌した水が挙げられる。
(pH調整剤)
本実施形態のインクは、pHを上記範囲内とするためにpH調整剤を含むことが好ましい。pH調整剤としては、例えば、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、及びコハク酸)が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
pH調整剤の含有量は、本発明の効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク全体(100質量%)に対し、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
(他の添加剤)
本実施形態のインクは、さらに他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤及び防腐剤が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物(例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン)であることが好ましく、公知の方法に準じて合成されたものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤は、公知の方法に準じて合成されたものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)が挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、公知の方法に準じて合成されたものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、ペレックスSS−H、SS−L、ラテムルWX、E−150、ネオペレックスGS、G−15、G−25、G−35(以上全て商品名、花王株式会社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、公知の方法に準じて合成されたものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、例えばS−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク全体(100質量%)に対し、0.1質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
(防腐剤)
防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンゾイソチアゾリン−3−オン(ゼネカ社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL2、プロキセルTN、プロキセルLV)、及び4−クロロ−3−メチルフェノール(バイエル社のプリベントールCMK)が挙げられる。
防腐剤の含有量は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク全体(100質量%)に対し、0.1質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
(インクのpH)
インクのpHは、インクの保存安定性が優れる観点から、7.5以上9.5未満であり、7.8以上9.3以下であることが好ましく、8.0以上9.0以下であることがより好ましい。インクのpHが上記範囲内であることにより、インクが保存安定性に優れる要因は下記のように考えている。ただし、要因は、これに限定されない。すなわち、インクのpHが塩基性側にあることにより、反応性染料の反応活性を良好に維持できるが、インクのpHが高すぎると、インクに含まれる水及び/又は水溶性有機溶剤の反応基(例えば、水酸基)が活性化し、活性化した反応基が、反応性染料の反応基と反応することにより、反応性染料の反応活性が失活する傾向にある。これに対し、本実施形態では、インクのpHの下限値を7.5以上とし、上限値を9.5未満とすることにより、水及び/又は水溶性有機溶剤の反応基が活性化しにくいため、反応性染料の反応活性が失活せずに安定に維持されていると考えられる。
[アルカリ含有液付着工程]
本実施形態のアルカリ含有液付着工程は、アルカリ含有液を被記録媒体のインク受容層に付着させる。
アルカリ含有液を被記録媒体のインク受容層に付着させる方法としては、特に限定されず、例えば、アルカリ含有液をローラーやスプレーによりインク受容層に塗布させる方法、及びアルカリ含有液を吐出させる方法(吐出方法)が挙げられる。これらの中では、アルカリ含有液を吐出させる方法が好ましい。アルカリ含有液をインク受容層に付着させるために吐出方法を用いることにより、例えば、インクジェット方式で、ヘッドからインク及びアルカリ含有液を連続的に吐出させることができるため、生産効率が優れる。インクジェット方式としては、例えば、インクの吐出方法の項で例示したインクジェット方式が挙げられる。
(アルカリ含有液)
アルカリ含有液は、アルカリを少なくとも含んでいればよい。
(アルカリ)
本実施形態のアルカリ含有液は、pHを上記範囲内とするためにアルカリを含む。アルカリとしては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、及び第三リン酸ナトリウムが挙げられる。これらのアルカリは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリの含有量は、本発明の効果をより有効かつ確実に奏する観点から、アルカリ含有液100質量%に対して、0.01質量%以上0.1質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上0.08質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上0.05質量%以下であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
本実施形態のアルカリ含有液は、さらに有機溶剤、水、及びその他の添加剤(例えば、界面調整剤及び防腐剤)を含んでもよい。有機溶剤、水、及びその他の添加剤としては、それぞれ、インクに含まれる有機溶剤、水、及びその他の添加剤として例示したものが挙げられる。有機溶剤、水、及びその他の添加剤の各含有量もまた、インクに含まれる有機溶剤、水、及びその他の添加剤として例示した数値範囲が挙げられる。
(アルカリ含有液のpH)
アルカリ含有液のpHは、9.5以上11.5以下であり、9.7以上11.3以下であることが好ましく、10.0以上11.0以下であることがさらに好ましい。アルカリ含有液のpHが上記範囲内であると、反応性染料のインク受容層に対する固着性を優れたものとすることができ、耐湿性が向上する。
アルカリ含有液のpHは、インクのpHよりも2.0以上高いことが好ましく、2.2以上高いことがより好ましく、2.4以上高いことがさらに好ましい。アルカリ含有液のpHが、インクのpHよりも2.0以上高くすると、反応性染料のインク受容層に対する固着性をより一層優れたものとすることができ、耐湿性がより一層向上する。
本実施形態のインクジェット記録方法は、アルカリ含有液付着工程を、インク付着工程と同時に含んでもよく、インク付着工程の前後に含んでもよいが、インク付着工程の前に含むことが、耐湿性をより一層向上できる観点から、好ましい。この要因は、以下のように考えられる。すなわち、インク付着工程の前に、アルカリ含有液付着工程を経ると、アルカリ含有液に含まれるアルカリによりインク受容層の親水基が活性化された状態となる。この状態で、インク付着工程を経ると、親水基がすでに活性化されているため、反応性染料の反応基と、インク受容層に含まれる親水基とがより一層十分かつ速やかに反応するため、反応性染料のインク受容層に対する固着性がより一層向上すると考えられる。ただし、要因はこれに限定されない。
[加熱工程]
本実施形態のインクジェット記録方法は、インク付着工程及びアルカリ含有液付着工程の後に、インク及びアルカリ含有液が付着したインク受容層を少なくとも加熱する加熱工程を含んでもよい。加熱工程を含むことにより、短期色安定性及び耐湿性がより一層向上する。この要因は以下のように考えられる。すなわち、インク及びアルカリ含有液が付着したインク受容層を加熱すると、インクに含まれる反応性染料の反応基と、インク受容層に含まれる親水基との反応が加速し、比較的短時間で反応性染料をインク受容層に固着できるため、短期色安定性及び耐湿性がより一層向上すると考えられる。ただし、要因はこれに限定されない。
加熱工程における加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、オーブン乾燥法(コンベアオーブン、バッチオーブン等のプレスをしない方法)が挙げられる。また、本実施形態の加熱工程では、被記録媒体上のインク及びアルカリ含有液付着面に加圧処理を行ってもよく、加圧処理を伴う加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、ヒートプレス、及びウェットオンドライが挙げられる。なお、本明細書にいう「加圧」とは、被記録媒体に対して、固体を接触させることにより圧をかけることをいう。
加熱工程における加熱温度は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは40℃以上100℃、より好ましくは40℃以上80℃、さらに好ましくは40℃以上60℃以下である。
加熱工程における加熱時間は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは1分以上60分以内、より好ましくは5分以上30分以内、さらに好ましくは10分以上20分以内である。
このようにして、被記録媒体のインク受容層に、上記のインクに由来する画像が形成された記録物を得ることができる。
本実施形態によれば、親水性成分を含有するインク受容層を有する被記録媒体に対して、耐湿性を向上可能なインクジェット記録方法を提供できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
[1.インク及びアルカリ含有液の調製]
表1に示す材料及び組成となるように、各材料を十分に混合撹拌した後、孔径5.0μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、表1に示すインク及びアルカリ含有液を調製した。
Figure 2018164995
[2.アルカリ含有液付着工程]
インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製品)にアルカリ含有液を充填し、ヘッドからアルカリ含有液を吐出させることにより、バックリットフィルム(徳士威製社製品、PVA含有インク受容層を有する被記録媒体)のインク受容層に付着させた。
[3.インク付着工程]
インクジェットプリンターPX−G930にインクを充填し、ヘッドからインクを吐出させることにより、アルカリ含有液が付着したインク受容層の領域にインクを付着させた。
[4.加熱工程]
アルカリ含有液及びインクが付着したインク受容層を40℃で10分間オーブン乾燥させることにより記録物を得た。
[実施例2]
アルカリ含有液付着工程をインク付着工程の後に行った以外は実施例1と同様に行った。
[実施例3]
加熱工程を行わず、アルカリ含有液及びインクが付着したインク受容層を常温で10分間乾燥させることにより記録物を得た以外は実施例1と同様に行った。
[比較例1]
着色剤を、C.I. Reactive Red 141に変えてC.I. Acid Red 52を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
[比較例2]
pH調整剤をアジピン酸に変えて水酸化ナトリウムを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
[評価試験]
[耐湿性評価1]
得られた記録物を40℃、85%RHの環境下に24時間放置した後、下記計算式から、色相変化度(ΔE)を求め、下記の評価基準に従い、耐湿性評価1を行った。耐湿性評価1の結果を表1に示す。

ΔE={(L1−L0)2+(a1+a0)2+(b1−b0)20.5
(式中、L0,a0,及びb0は、放置前の記録物の色相を表し、L1,a1,及びb1は、放置後の記録物の色相を表す。)

A:ΔE≦3 (変化を感じないレベル)
B:3<ΔE≦7 (離れたパッチでは識別できないレベル)
C:ΔE>7 (色の違いを感じるレベル)
[耐湿性評価2(インク保存安定性評価)]
インク保存安定性評価として、上記「1.インク及びアルカリ含有液の調製」の項で調製したインクを、70℃で1週間放置した後のインクを用いること以外は、上記「耐湿性評価1」と同様の評価方法及び評価基準にて、耐湿性評価2を行った。耐湿性評価2の評価結果を表1に示す。

Claims (8)

  1. 親水性成分を含有するインク受容層を含む被記録媒体へのインクジェット記録方法であって、
    反応性染料と水溶性有機溶剤と水とを含み、pHが7.5以上9.5未満であるインクを吐出させることにより、前記被記録媒体のインク受容層に付着させるインク付着工程と、
    アルカリを含有し、pHが9.5以上11.5以下であるアルカリ含有液を前記被記録媒体のインク受容層に付着させるアルカリ含有液付着工程と、を含む、インクジェット記録方法。
  2. 前記アルカリ含有液付着工程において、前記アルカリ含有液を吐出させることにより、前記被記録媒体のインク受容層に付着させる、請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク付着工程及び前記アルカリ含有液付着工程の後に、前記インク及び前記アルカリ含有液が付着したインク受容層を少なくとも加熱する加熱工程を含む、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記加熱工程における加熱温度が40℃以上100℃以下である、請求項3記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記親水性成分がポリビニルアルコールを含む、請求項1〜4のいずれかに一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記アルカリ含有液のpHが前記インクのpHよりも2.0以上高い、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記アルカリ含有液付着工程を、前記インク付着工程の前に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記反応性染料が分子中に反応基を複数含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
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