JP2018164342A - 電機子鉄心及び電機子鉄心の製造方法 - Google Patents

電機子鉄心及び電機子鉄心の製造方法 Download PDF

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敏 松林
武明 小園
Takeaki Kozono
武明 小園
浩敏 間普
Hirotoshi Kanfu
浩敏 間普
光博 田村
Mitsuhiro Tamura
光博 田村
哲 高崎
Satoru Takasaki
哲 高崎
雅志 松本
Masashi Matsumoto
雅志 松本
啓友 河西
Keisuke Kasai
啓友 河西
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Abstract

【課題】エンドピースを鉄心本体の端面において一体成形して電機子鉄心を製造する際に、樹脂材料の漏れが生じ難い電機子鉄心と、電機子鉄心の製造方法を提供する。
【解決手段】鉄心片2を積層して構成されるとともに、円環状のヨーク4と、ヨーク4の内径側にあって円周方向に配列されてヨーク4から突出する複数個のティース5を備える鉄心本体3と、鉄心本体3の端面に一体成形されて、ティース5の端面を覆う樹脂製のエンドピース7を備える電機子鉄心1において、電機子鉄心1の平面形におけるエンドピース7の輪郭は、鉄心本体3の輪郭の内側にオフセットされた位置にあることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電機子鉄心と、電機子鉄心の製造方法に関する。
電機子鉄心は、電動機あるいは発電機の電機子を構成する部品であって、プレス型を使って電磁鋼板から打ち抜かれて製造される鉄心片を積層して構成される。一般的な電機子鉄心は、円環状のヨークと、ヨークの内径側にあって円周方向に配列されてヨークから突出する複数個のティースを備え、隣接するティースの間にスロットが形成されている。電機子鉄心が備えるティースにはコイルが巻き回されて、電機子が構成される。
このような電機子鉄心の両端面に樹脂製のエンドピースを取り付けて、ティースの端面をエンドピースで覆うことが知られている(特許文献1)。エンドピースは、特許文献1においては、樹脂被覆材と呼ばれている。エンドピースに相当する部材は、カフサポート(cuff support)あるいはカフサとも呼ばれる。ティースの端面にエンドピースを備えない場合、コイルを構成する導線がティースの断面の角部を支点にして折り曲げられて、その結果、導線の絶縁被膜が損傷して、コイルのティースに対する電気的な絶縁性が損なわれることがある。エンドピースを備えない場合に、導線の絶縁被膜が損傷しないように、導線をティースに巻き回そうとすれば、巻線作業の能率が低下する。また、ティースの角部を避けて導線を巻き回してコイルを形成しようとすると、コイルエンド、つまりコイルの電機子鉄心の端部から突出する部分が高くなる。コイルエンドが高くなると、電機子の寸法が大きくなり、電動機の寸法が大きくなるので好ましくない。
エンドピースは、このような問題を解消するために電機子鉄心の両端面に取り付けられる。電機子鉄心にエンドピースを備えれば、巻作業の作業性を改善することができる。また、コイルエンドの高さを抑制することができる。なお、以下においては、エンドピースを含む電機子鉄心の全体を「電機子鉄心」と呼び、電機子鉄心からエンドピースを除いた残りの部分、つまり鉄心片の積層体を「鉄心本体」と呼ぶことにする。
エンドピースは、鉄心本体とは別個に製造されて、鉄心本体に取り付けられることが多い。しかしながら、別個に製造されたエンドピースを鉄心本体に対して正確に位置決めして、電機子鉄心を組み立てることは難しいという問題がある。そこで、鉄心本体の端面に成形型を置いて、該成形型に樹脂材料を注入して、エンドピースを形成することが行われている。つまり、エンドピースを鉄心本体に一体成形することが行われている(特許文献1、第0020段落)。
特開平8−70544号公報
前述したように、電機子鉄心を構成する鉄心片は、プレス型を使って電磁鋼板を打ち抜いて製造される。鉄心片がプレス型によって打ち抜かれる時、鉄心片の切断面の一部はプレス型によって押し下げられて、「抜きダレ」あるいは「ダレ」と呼ばれる部分が形成される。つまり、鉄心片の端部は傾斜していて、他の部分に比べて低くなっている。そのため、鉄心本体の端面に成形型を置いて、ティース部の幅一杯にエンドピースを形成しようとすれば、つまり、特許文献1の図1,3に示されているようなエンドピース(樹脂被覆材10)を成形しようとすると、ティース部の端部において、成形型と鉄心本体の間に隙間が生じる。その結果、成形型に注入された樹脂材料が、該隙間から流れ落ちて、スロットの内部で固化することがある。スロットの内部で固化した樹脂はコイルを巻装する際の障害になるので、除去する必要がある。
このように、エンドピースを、鉄心本体の端面において一体成形しようとすると、樹脂材料の一部が成形型と鉄心本体の間の隙間から流れ落ちて、スロットの内部で固化するという問題がある。また、スロットの内部で固化した樹脂を除去するためのコストが増加するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、樹脂製のエンドピースを鉄心本体の端面において一体成形して電機子の電機子鉄心を製造する際に、樹脂材料の漏れが生じ難い電機子鉄心と、電機子鉄心の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る電機子鉄心は、鉄心片を積層して構成されるとともに、円環状のヨークと、ヨークの内径側にあって円周方向に配列されてヨークから突出する複数個のティースを備える鉄心本体と、鉄心本体の端面に一体成形されて、ティースの端面を覆う樹脂製のエンドピースを備える電機子鉄心において、電機子鉄心の平面形におけるエンドピースの輪郭は、鉄心本体の輪郭の内側にオフセットされた位置にあることを特徴とするものである。
鉄心本体の輪郭に対するエンドピースの輪郭のオフセット量は、鉄心片の周縁部の抜きダレが生じている範囲よりも大きくされているものであっても良い。
鉄心本体の端部に積層された単数又は複数個の鉄心片に、鉄心片を貫通する係着孔を備え、エンドピースを形成する樹脂材料の一部が係着孔内に充填されているようにしても良い。
係着孔は、鉄心本体の端部に積層された複数個の鉄心片の、電機子鉄心の平面形において、互いに重なる位置に形成されていて、鉄心本体の最外端部から離れた層に積層された鉄心片に形成された係着孔の断面形は、鉄心本体の最外端部に積層された鉄心片に形成された係着孔の断面形よりも大きくされていても良い。
鉄心本体の端部に積層された単数又は複数個の鉄心片は、ティースの幅が他の鉄心片のティースの幅よりも小さくされていて、ティースの幅が小さくされた鉄心片のティースは、エンドピースを構成する樹脂材料の中に鋳込まれているようにしても良い。
エンドピースは、ティースの端面を個別に覆う複数個のティース被覆部と、複数個のティース被覆部を互いに連結する連結部を備えていて、鉄心本体の端面に、複数個のエンドピースが一体成形されているようにしても良い。
鉄心本体の端面に、鉄心本体が備えるティースと同数のエンドピースが一体成形されていて、全てのエンドピースは、互いに形態的に独立しているようにしても良い。
本発明に係る電機子鉄心の製造方法は、鉄心片を積層して構成されるとともに、円環状のヨークと、ヨークの内径側にあって円周方向に配列されてヨークから突出する複数個のティースを備える鉄心本体と、鉄心本体の端面に一体成形されて、ティースの端面を覆う樹脂製のエンドピースを備える電機子鉄心であって、電機子鉄心の平面形におけるエンドピースの輪郭が、鉄心本体の輪郭の内側にオフセットされた位置にある電機子鉄心を製造する方法であって、鉄心本体の端面に成形型を載置して、成形型に樹脂材料を注入してエンドピースを形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、電機子鉄心の平面形におけるエンドピースの輪郭が、鉄心本体の輪郭の内側にオフセットされた位置にあるので、鉄心本体の端面に成形型を載置した場合に、成形型と鉄心本体の間に隙間が生じ難い。そのため、成形型と鉄心本体の間に隙間からの樹脂材料の漏洩が抑制され、スロット内で樹脂材料が固化することが少なくなり、電機子鉄心製造の能率が向上する。
本発明の実施形態に係る電機子鉄心の外形を示す斜視図である。 図1に記載の電機子鉄心の平面図である。 図1に記載の電機子鉄心の一部を拡大して示す部分拡大平面図である。 図1に記載の電機子鉄心の一部を拡大して示す部分拡大斜視図である。 (A)は図3においてA−A’線で示す平面で電機子鉄心を切断してなる断面図であり、(B)は(A)において符号aで示す部分を拡大して示す部分拡大断面図である。 図1に記載の電機子鉄心が備える鉄心片の平面図である。 (A)〜(D)は、図5(A)に対応する断面図であって、本発明の実施形態に係る電機子鉄心の製造方法を時系列に沿って示す図である。 本発明の変形例を示す図であって、図5(A)に対応する断面図である。 本発明の変形例に係る電機子鉄心の外形を示す斜視図である。
(実施形態)
以下、適宜、図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電機子鉄心1の外形を示す斜視図であり、図2は、電機子鉄心1の平面図である。図1に示すように、電機子鉄心1は、複数枚の鉄心片2を積層して構成される鉄心本体3を備えている。図2に示すように、鉄心本体3は、略円環状をなすヨーク4と、円周方向に配列されてヨーク4の内径側に突出するティース5を備えている。鉄心本体3は、合計48本のティース5を備えていて、互いに隣接する2本のティース5の間の隙間はスロット6と呼ばれる。したがって、鉄心本体3には、合計48箇所のスロット6が形成されている。なお、鉄心本体3の構成する複数枚の鉄心片2は、カシメ加工、溶接、接着及びその他の公知の結合手段によって互いに結合される。
図1及び図2に示すように、電機子鉄心1はエンドピース7を備えている。図1及び図2における鉄心本体3の最上端に積層された鉄心片2の上面に、8個のエンドピース7が配置されている。エンドピース7はティース5の最外端面を覆う樹脂製の部品であって、鉄心本体3の最上端に積層された鉄心片2の表面に、一体成形されている。エンドピース7を一体成形する具体的な方法については後述する。なお、図1及び図2においては、鉄心本体3の最上端に配置されたエンドピース7を図示しているが、エンドピース7は、鉄心本体3の両端面に配置される。つまり、鉄心本体3の最下端面にも、8個のエンドピース7が配置されている。
図3は、図1及び図2に示した電機子鉄心1の一部を拡大して示す部分拡大平面図であり、図4は、図3と同じ部位を示す斜視図である。図3及び図4に示すように、エンドピース7はティース5の端面を覆う6個のティース被覆部7aと、ヨーク4の端面に置かれて6個のティース被覆部7aを互いに連結する連結部7bを備えている。このように、エンドピース7は6個のティース被覆部7aを備えているので、6個のティース5を覆うことができる。そのため、鉄心本体3の最外端面に8個のエンドピース7を配置すれば、鉄心本体3が備える48個のティース5を覆うことができる。また、電機子鉄心1の平面形におけるエンドピース7の輪郭、つまり図3において現われるエンドピース7の輪郭Lは、鉄心本体3の輪郭Lの内側にオフセットされた位置にある。オフセットの大きさと、輪郭をオフセットすることによって生じる効果については、後述する。
また、電機子鉄心1は、8個のエンドピース7で48個のティース5を覆っているので、1個のエンドピース7で48個のティース5を覆う場合に比べて、つまり、48個のティース被覆部7aを連結部7bで連結にして1個のエンドピース7を構成する場合に比べて、エンドピース7の成形過程で生じる容積変化の影響を受けにくい。成形過程で容積が変化することによってエンドピース7が変形する場合に、エンドピース7の変形に引っ張られて、鉄心本体3が変形することを抑制できる。また、エンドピース7の変形が鉄心本体3によって拘束されて、エンドピース7の内部に大きな応力が生じることが抑制される。内部応力が生じた結果、エンドピース7が破損したり、鉄心本体3から剥離したりすることを抑制できる。
図4に示すように、エンドピース7は、ティース被覆部7aの先端にある先端部7cと、連結部7bにある基部7dにおいて高く隆起している。先端部7cと基部7dの間にある中間部7eは低くされている。電機子鉄心1に図示しないコイルを巻き回す時、コイルは中間部7eに巻き回される。中間部7eに巻き回されたコイルは先端部7cと基部7dの間に挟まれる。そのため、先端部7cと基部7dはコイルの移動を規制して、コイルを安定して保持する一種の「鍔」として機能する。
図5(A)は、電機子鉄心1を図3においてA−A’線で示す平面で切断してなる断面図である。つまり、図5(A)は、電機子鉄心1のティース5の断面図である。図5(A)に示すように、エンドピース7の中間部7eは断面形において略半円形をなしていて、エンドピース7を含むティース5の断面には角部が存在しない。そのため、ティース5と中間部7eの周囲にコイル8が巻き回される時、コイル8を構成する導線は角部を支点にして屈曲することがないので、導線の絶縁被覆の損傷が抑制される。万一、仮に、絶縁被覆が損傷することがあっても、コイル8を構成する導線と鉄心本体3を構成する鉄心片2との間には、エンドピース7が介在されるので、両者の間の電気的絶縁性が損なわれることはない。
図5(A)に示すように、鉄心本体3を構成する鉄心片2の内、最外層に積層される3枚の鉄心片2aと、鉄心片2aの下層に積層される3枚の鉄心片2bには、係着孔9a,9bが形成されている。なお、図6に示すように、係着孔9a,9bは鉄心片2a,2bの各ティース5に3個ずつ形成された丸穴であって、鉄心片2a,2bを貫通している。係着孔9a,9bは、鉄心本体3の平面形において、同じ位置に形成されているので、鉄心片2aと鉄心片2bを積層すると、係着孔9aと係着孔9bは上下に並んで、互いに連通する。また、係着孔9bの径は係着孔9aの径より大きくされている。つまり、係着孔9bの断面形は係着孔9aの断面形より大きくされている。そして、係着孔9a,9bにはエンドピース7を構成する樹脂材料の一部が充填される。このように、エンドピース7を構成する樹脂材料の一部は係着孔9内に充填されて、固化されて、エンドピース7の他の部分と一体に成形されているので、エンドピース7は鉄心本体3に強固に固着される。
図5(B)は、電機子鉄心1の断面形の内、図5(A)において、符号aで示す部分を拡大して示す部分拡大図である。前述したように、平面形におけるエンドピース7の輪郭は、電機子鉄心1の輪郭の内側にオフセットしている。図5(B)に示すように、エンドピース7のオフセット量Fは、鉄心片2の端部において抜きダレが形成される範囲dよりも大きくされている。つまり、オフセット量Fは、抜きダレが形成される範囲dに若干のマージンを加えた大きさにされている。同様に、電機子鉄心1の平面形のどの部位においても、エンドピース7の輪郭の鉄心片2の輪郭に対するオフセット量Fは、鉄心片2の端部において抜きダレが形成される範囲dよりも大きくされている。なお、抜きダレが形成される範囲dは鉄心片2の試作品を実測して求めることができるが、理論計算によって推定されても良い。つまり、オフセット量Fは実測あるいは推測された範囲dの大きさに基づいて決定される。
次に、電機子鉄心1を製造する手順を、図7(A)〜(D)を参照して説明する。電機子鉄心1を製造するに当たっては、まず、図7(A)に示すように、鉄心片2(2a,2b)を積層して鉄心本体3を製造する。次に、図7(B)に示すように、鉄心本体3の上に成形型10を載置して、図示しない加圧手段を動作させて、成形型10を鉄心本体3に密着させる。そして、図7(C)に示すように、成形型10の内部に樹脂材料11を注入する。前述したように、平面形におけるエンドピース7の輪郭の鉄心片2aの輪郭に対するオフセット量は、鉄心片2aの端部において抜きダレが形成される範囲よりも大きくされているので、成形型10は、鉄心片2aの抜きダレが形成されていない部位に当接する。つまり、鉄心片2aを打ち抜き加工する際に変形が生じていない平坦な部位に当接する。そのため、成形型10と鉄心片2aの間に隙間は生じない。そのため、成形型10と鉄心片2aの間から樹脂材料11が流れ出すことがない。樹脂材料11が固化して、エンドピース7が形成されたら、図7(D)に示すように、成形型10を取り外す。その後、仕上げ加工を行って、エンドピース7から図示しないゲートとランナーを除去する。以上によって、電機子鉄心1が完成する。
(変形例)
図8に示すように、鉄心本体3の最外端に積層される3枚の鉄心片2aのティース5の幅W’を他の鉄心片2,2bのティース5の幅Wよりも小さくしても良い。そして、鉄心片2aのティース5がエンドピース7の中に鋳込まれるようにしても良い。このように構成すれば、エンドピース7が更に強固に鉄心本体3に固定される。
上記実施形態においては、6個のティース被覆部7aを連結部7bで連結してエンドピース7を構成する例を示した。つまり、6個のティース被覆部7aを束にして、1個のエンドピース7を構成する例を示した。しかしながら、エンドピース7はこのようなものには限定されない。エンドピース7は、更に細かく分割されても良い。1個のエンドピース7が1個のティース被覆部7aを備えるようにしても良い。つまり、図9に示すように、鉄心本体3の最外端に48個のエンドピース7を配置して、ティース5のそれぞれが、1個の独立したエンドピース7で覆われるようにしても良い。このように構成すれば、電機子鉄心1は、エンドピース7の成形後に生じる容積変化の影響を更に受け難くなる。エンドピース7の成形後に鉄心本体3に歪みが生じる可能性が更に効果的に抑制される。エンドピース7の成形後にエンドピース7の内部に応力が生じる可能性が更に効果的に抑制される。
以上、説明したように上記実施形態によれば、電機子鉄心1の平面形におけるエンドピース7の輪郭が、鉄心本体3の輪郭の内側にオフセットされた位置にあるようにしているので、エンドピース7を成形する成形型10と鉄心本体3の間に隙間が生じ難くなる。そのため、エンドピース7を成形する際に樹脂材料11が成形型10から漏れ難くなる。その結果、成形型10から漏れてスロット6内で固化した樹脂材料11の除去等の手間が削減されるので、電機子鉄心1の製造の能率が向上する。
しかしながら、本発明の技術的範囲は、上記実施形態によっては限定されない。本発明は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲において、自由に、応用、変形、あるいは改良して実施することができる。
上記実施形態において示された、電機子鉄心1、鉄心片2、鉄心本体3及びエンドピース7の形態や構成は本発明の具体的な実施態様の例示であって、本発明の技術的範囲はこれらによっては限定されない。特に、鉄心本体3が備えるティース5の形状や個数、鉄心本体3を構成する鉄心片2の枚数は、図1,2に図示されたものには限定されない。エンドピース7の具体的な形状は、図1〜図4、図9等に図示されたものには限定されない。特に、エンドピース7が備えるティース被覆部7aの数は任意に選択できる。
上記実施形態においては、係着孔9a,9bをそれぞれ備える鉄心片2a,2bをそれぞれ3枚ずつ積層する例を示したが、鉄心片2a,2bの積層枚数は、任意に選択できる。積層枚数は、1枚、2枚、あるいは4枚以上であっても良いし、0枚であっても良い。鉄心片2a,2bのいずれか一方のみが積層されていても良い。つまり、鉄心本体3が備える係着孔9は深さ方向、つまり積層方向において、形状や寸法が変化しないストレート穴であっても良い。また、鉄心片2a,2bの両方が積層されていなくても良い。つまり、鉄心本体3は係着孔9を備えなくても良い。
上記実施形態においては、ティース5の幅を小さくした鉄心片2を3枚積層する例を示したが、ティース5の幅を小さくした鉄心片2の積層枚数は任意に選択できる。また、ティース5の幅を小さくした鉄心片2の積層枚数と、断面積が小さい係着孔9、つまり係着孔9aを備える鉄心片2の積層枚数は異なっていても良い。
上記実施形態においては、係着孔9a,9bの平面形を円形とする例、つまり、係着孔9a,9bを丸穴とする例を示したが、係着孔9a,9bは丸穴には限定されない。係着孔9a,9bは角穴であっても良いし、その他の形状を備えていても良い。
エンドピース7を形成する樹脂材料11の種類は限定されない。樹脂材料11は熱可塑性樹脂であっても良いし、熱硬化性樹脂であっても良い。
1 電機子鉄心
2(2a,2b) 鉄心片
3 鉄心本体
4 ヨーク
5 ティース
6 スロット
7 エンドピース
7a ティース被覆部
7b 連結部
7c 先端部
7d 基部
7e 中間部
8 コイル
9(9a,9b) 係着孔
10 成形型
11 樹脂材料
d 抜きダレが生じる範囲
F オフセット量
鉄心本体3の輪郭
エンドピース7の輪郭

Claims (8)

  1. 鉄心片を積層して構成されるとともに、
    円環状のヨークと、前記ヨークの内径側にあって円周方向に配列されて前記ヨークから突出する複数個のティースを備える鉄心本体と、
    前記鉄心本体の端面に一体成形されて、前記ティースの端面を覆う樹脂製のエンドピースを備える電機子鉄心において、
    前記電機子鉄心の平面形における前記エンドピースの輪郭は、前記鉄心本体の輪郭の内側にオフセットされた位置にあることを特徴とする、
    電機子鉄心。
  2. 前記鉄心本体の輪郭に対する前記エンドピースの輪郭のオフセット量は、前記鉄心片の周縁部の抜きダレが生じている範囲よりも大きくされていることを特徴とする、
    請求項1に記載の電機子鉄心。
  3. 前記鉄心本体の端部に積層された単数又は複数個の前記鉄心片に、前記鉄心片を貫通する係着孔を備え、
    前記エンドピースを形成する樹脂材料の一部が前記係着孔内に充填されていることを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載の電機子鉄心。
  4. 前記係着孔は、前記鉄心本体の端部に積層された複数個の前記鉄心片の、前記電機子鉄心の平面形において、互いに重なる位置に形成されていて、
    前記鉄心本体の最外端部から離れた層に積層された前記鉄心片に形成された前記係着孔の断面形は、前記鉄心本体の最外端部に積層された前記鉄心片に形成された前記係着孔の断面形よりも大きくされていることを特徴とする、
    請求項3に記載の電機子鉄心。
  5. 前記鉄心本体の端部に積層された単数又は複数個の前記鉄心片は、前記ティースの幅が他の前記鉄心片の前記ティースの幅よりも小さくされていて、
    前記ティースの幅が小さくされた前記鉄心片の前記ティースは、前記エンドピースを構成する樹脂材料の中に鋳込まれている、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電機子鉄心。
  6. 前記エンドピースは、前記ティースの端面を個別に覆う複数個のティース被覆部と、複数個の前記ティース被覆部を互いに連結する連結部を備えていて、
    前記鉄心本体の端面に、複数個の前記エンドピースが一体成形されている、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電機子鉄心。
  7. 前記鉄心本体の端面に、前記鉄心本体が備える前記ティースと同数の前記エンドピースが一体成形されていて、
    全ての前記エンドピースは、互いに形態的に独立している、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電機子鉄心。
  8. 鉄心片を積層して構成されるとともに、
    円環状のヨークと、前記ヨークの内径側にあって円周方向に配列されて前記ヨークから突出する複数個のティースを備える鉄心本体と、
    前記鉄心本体の端面に一体成形されて、前記ティースの端面を覆う樹脂製のエンドピースを備える電機子鉄心であって、
    前記電機子鉄心の平面形における前記エンドピースの輪郭が、前記鉄心本体の輪郭の内側にオフセットされた位置にある電機子鉄心を製造する方法であって、
    前記鉄心本体の端面に成形型を載置して、
    前記成形型に樹脂材料を注入して前記エンドピースを形成することを特徴とする、
    電機子鉄心の製造方法。
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