JP2018163311A - 融着機 - Google Patents

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田邉 明夫
Akio Tanabe
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Abstract

【課題】 移動体を精密に一軸方向に移動させることが可能な融着機を提供する。【解決手段】 移動機構20は、主に、送りねじ21、駆動部23、ナット部25、弾性部材27、移動体29等から構成される。送りねじ21は、両端がベアリング39によって回転可能に支持される。送りねじ21は、移動体29を貫通する。移動体29には、孔41が設けられて、孔41に送りねじ21が挿通する。移動体29の外面にはピン35が固定される。移動体29のピン35の突出方向には、ナット部25が配置される。また、移動体29のナット部25とは反対側の面には、弾性部材27が配置される。ナット部25は、送りねじ21と螺合する。ナット部25には、溝33が形成される。溝33には、移動体29に固定されたピン35が挿通される。【選択図】図2

Description

本発明は、内部に移動機構を有し、光ファイバ同士を接続する融着機に関するものである。
従来、光ファイバ同士の接続には、融着機が用いられる。融着機は、一対のホルダに保持された光ファイバ同士を突き合わせて電極間に配置し、アークによって光ファイバ同士の先端を融着して、光ファイバ同士を接続するものである。
融着機には、一部の構成を精度よく移動させるための移動機構が用いられる。例えば、焦点の調整のためのカメラの移動や、光ファイバの先端同士を突き合せるための光ファイバホルダの移動のための移動機構が融着機内に設けられる。
このような移動機構としては、例えば、光ファイバを保持したホルダを光ファイバの接続端面同士を近接させる方向に移動させるステージが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、光ファイバを軸方向に移動させるステージの移動機構としては、移動台に配置された雌ねじ部材を送りねじである回転軸に螺合させ、モータを駆動して回転軸を回転させることで、移動台を回転軸に沿って移動させるものがある。(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−167152号公報 登録実用新案公報第3188934号
図5は、融着機における従来の移動機構100を示す概略図である。移動機構100は、ステージ111を精度よく一軸方向(図中X方向)に移動させるための機構である。送りねじ101は、両端部近傍がベアリング105で回転可能に支持される。送りねじ101は、駆動部103によってギアを介して回転する。
送りねじ101には、移動体109が螺合する。移動体109には、ステージ111が固定される。また、移動体109は、直動ベアリング107上で直線方向(図中X方向)に移動可能である。したがって、送りねじ101の回転にともなって、ステージ111は、直動ベアリング107上を一軸方向に移動する。
ここで、送りねじ101の軸方向と直動ベアリング107の移動方向は、一致する。したがって、送りねじ101と直動ベアリング107の距離は、移動体109の位置によらず一定となる。このため、移動体109が、その移動範囲内のいずれの位置にいても、送りねじ101の回転によって移動体109を確実に移動させることができる。
しかしながら、送りねじ101の回転軸と直動ベアリング107の移動方向とにずれがあり平行でない場合、移動体109の位置によって、送りねじ101と直動ベアリング107の距離が変化する。距離の変化が大きい場合、移動体109がその位置によって滑らかに移動しない場合や、移動不能となる場合がある。なお、機構部品の寸法精度の限界により、送りねじ101の回転軸と直動ベアリング107の移動方向を完全に一致させることは困難であり、高精度な調整を行った場合においても、実際には、送りねじ101の回転軸と直動ベアリング107の移動方向の平行度には30μm〜50μm程度の誤差が生じてしまう。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、移動体を精密に一軸方向に移動させることが可能な融着機を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために本発明は、内部に移動機構を有し、光ファイバ同士を接続する融着機であって、前記移動機構は、両端が回転可能に支持される送りねじと、前記送りねじを回転する駆動部と、前記送りねじと螺合するナット部と、前記ナット部へ弾性部材で押圧され、前記送りねじが貫通する移動体と、移動体の移動方向を一軸方向に規制する移動方向規制部と、を具備し、前記ナット部および前記移動体は、前記送りねじの回転方向への移動を規制する回転移動規制部を有することを特徴とする融着機である。
前記回転移動規制部は、前記ナット部と前記移動体のいずれか一方に設けられた溝または長穴と、他方に設けられたピンであり、前記ピンが前記溝または前記長穴に挿入され、前記ピンは、前記溝または前記長穴によって、前記溝または前記長穴の短軸方向に対する移動が規制され、前記短軸方向と直交する長軸方向に対する移動が許容されることが望ましい。
前記移動方向規制部の移動軸方向と、前記送りねじの軸方向とが非平行であり、前記送りねじと、前記移動体の孔とのクリアランスが、前記移動体の移動範囲において、前記送りねじと前記移動体とが接しない大きさであることが望ましい。
本発明によれば、移動体を精密に一軸方向に移動させることが可能な融着機を提供することができる。
融着機1を示す斜視図。 移動機構20を示す図。 (a)は移動体29を送りねじ21の軸方向から見た図、(b)はナット部25を送りねじ21の軸方向から見た図。 送りねじ21が軸ずれしている場合を示す図であり、(a)は移動体29を送りねじ21の軸方向から見た図、(b)はナット部25を送りねじ21の軸方向から見た図。 従来の移動機構100を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、融着機1を示す斜視図である。融着機1は、光ファイバを保持するホルダが載置されるホルダ載置部9と、光ファイバの先端および電極棒7が配置されるベース部3と、ベース部3が保持される保持部材5と、蓋部15等を具備する。
融着機1は、内部に移動機構を有し、一対の光ファイバを融着によって接続するものである。図示を省略した一対のホルダによって光ファイバを保持し、ホルダ載置部9にホルダが載置される。光ファイバをベース部3上のV溝に保持し、光ファイバの先端を突き合わせた状態で、一対の電極棒7の間にアークを発生させることで、光ファイバの先端部を溶融して接合することができる。
光ファイバ同士を融着する際には、ホルダ載置部9に設置した一対のホルダを移動させて、光ファイバ同士を突き合せる。このとき、光ファイバ同士の光軸を一致させることで、より低損失な接続が可能となるため、高い位置精度が要求される。そのため、光ファイバを保持したホルダを精度よく移動させるために、融着機1には移動機構が内蔵される。
なお、光ファイバの先端位置は、内部に配置されたカメラによって確認することができる。したがって、融着機1には、光ファイバ移動用の移動機構に加えて、カメラの焦点位置を調整するためのカメラやレンズの移動機構も内蔵される。
図2は、融着機1に用いられる移動機構20を示す図である。移動機構20は、主に、送りねじ21、駆動部23、ナット部25、弾性部材27、移動体29等から構成される。移動機構20は、前述したように、例えば、一対のホルダ載置部9を互いに近づける方向に移動させるための機構であってもよく、図示を省略した焦点調整のためのカメラやレンズの移動のための機構であってもよい。
送りねじ21は、両端がベアリング39によって回転可能に支持される。送りねじ21は、軸方向の所定の範囲において外周に雄ねじが形成される。送りねじ21の一端は、ギアを介して駆動部23と接続される。送りねじ21は、モータなどの駆動部23によって正逆両方に回転する。
送りねじ21は、移動体29を貫通する。移動体29の上方には、ステージ31が固定される。また、移動体29は、直動ベアリング37に沿って移動可能である。すなわち、直動ベアリング37は、移動体29の移動方向を一軸方向に規制するものである。
図3(a)は、移動体29を送りねじ21の軸方向から見た図である。移動体29には、孔41が設けられて、孔41に送りねじ21が挿通される。なお、送りねじ21の外径に対して、孔41の内径は十分に大きい。したがって、孔41の内面と送りねじ21の外面との間には、クリアランスが形成される。
移動体29の外面にはピン35が固定される。ピン35は、移動体29の外面から、送りねじ21の軸方向に突出する。移動体29のピン35の突出方向には、ナット部25が配置される。また、移動体29のナット部25とは反対側の面には、弾性部材27が配置され、移動体29は、弾性部材27によってナット部25へ押圧される(図中矢印B方向)。したがって、移動体29は、常にナット部25と密着する。
図3(b)は、ナット部25を送りねじ21の軸方向から見た図である。ナット部25には雌ねじ部が設けられ、送りねじ21と螺合する。ナット部25には、溝33が形成される。溝33は、送りねじ21の中心から見て、放射方向が長軸(深さ)方向となるように形成される。
溝33には、移動体29に固定されたピン35が挿通される。溝33の短軸(幅)方向(長軸方向と直交する方向)の大きさは、ピン35の外径とほぼ一致する(溝33の幅が、ピン35が挿通可能な程度にわずかに大きい)。すなわち、ピン35に対して、ナット部25は、溝33の短軸方向に対する移動が緩やかに規制され、短軸方向と直交する長軸方向に対する移動が許容される。なお、溝33に代えて、長穴であってもよい。
次に、移動機構20の動作について詳細に説明する。駆動部23を動作させることで、ギアを介して送りねじ21が回転する。送りねじ21が回転しても、ナット部25はピン35によって回転が規制されているため、送りねじ21の回転に伴って、ナット部25が送りねじ21の軸方向(図中矢印A方向)に移動する。
なお、ナット部25が移動体29から離れる方向に移動すると、移動体29は、弾性部材27によってナット部25へ押圧されているため、ナット部25とともに移動体29が移動する。一方、ナット部25が移動体29側へ移動すると、移動体29は弾性部材27に対抗してナット部25とともに移動する。すなわち、移動体29は、送りねじ21の回転によって送りねじ21に沿って移動する。
また、移動体29は、直動ベアリング37によって移動方向が規制される。すなわち、直動ベアリング37は、移動体29の移動方向を一軸方向に規制する移動方向規制部として機能する。このため、移動体29は、ぶれることなく精度よく一軸方向にのみ移動する。
また、移動体29の上部にはステージ31が固定される。したがって、駆動部23を動作させることで、ステージ31を、精度よく確実に一軸方向(図中矢印C方向)にのみ往復動作させることができる。なお、移動体29の移動方向を一軸方向に規制可能であれば、移動方向規制部としては、直動ベアリング37でなくてもよい。
ここで、送りねじ21の軸方向と直動ベアリング37の移動軸方向とが完全に平行であれば、移動体29の位置によらず、送りねじ21と移動体29の位置関係は図3(a)の状態となる。すなわち送りねじ21と移動体29の孔41の中心がほぼ一致し、送りねじ21と移動体29の間に形成されるクリアランスの大きさが、送りねじ21の外周においてほぼ一定となる。一方、送りねじ21の軸方向と直動ベアリング37の移動軸方向とが完全に平行でない場合には、移動体29と送りねじ21との位置関係が、移動体29の位置によって変化する。
図4(a)、図4(b)は、図3(a)、図3(b)の状態に対して、送りねじ21の位置が変化した状態を示す図である。図4(a)、図4(b)における点線Dは、図3(a)、図3(b)における送りねじ21の位置を示し、図中Eは位置変化後の送りねじ21の位置を示す。
前述したように、送りねじ21の外径に対して移動体29の孔41の内径は十分に大きい。このため、送りねじ21の軸位置がずれても、送りねじ21が移動体29と接触することがない。したがって、送りねじ21と移動体29とが干渉して、移動不能となることがない。
なお、送りねじ21と移動体29との接触を確実に避けるためには、送りねじ21と、移動体29の孔41とのクリアランスを、送りねじ21の位置変化量よりも大きくしなければならない。すなわち、送りねじ21と、移動体29の孔41とのクリアランスを、移動体29の移動範囲における、直動ベアリング37の移動軸と送りねじ21の軸とのずれ量よりも大きくし、送りねじ21と移動体29とが接しない大きさとする必要がある。
一方、ナット部25は、送りねじ21の位置の変化に伴って、位置および姿勢が変化する。この際、ピン35は、溝33の長軸方向に移動し、短軸方向の移動が規制されている。このため、ナット部25は、わずかに傾きながら送りねじ21の軸方向と垂直方向への位置変化に追従する。また、送りねじ21が逆回転すると、ナット部25は、逆方向に傾きながら送りねじ21の位置変化に追従する。
なお、移動体29は、弾性部材27によってナット部25へ押圧されて接触している。したがって、仮にナット部25が移動体29に対して自由に移動可能であると、移動体29に対してナット部25の送りねじ21の軸方向と異なる方向(たとえば、送りねじ21の回転方向)への移動量が大きくなり、移動体29にも移動方向と異なる方向により大きな力がかかる。移動体29の移動方向と異なる方向に力が付与されると、ステージ31の移動位置の精度が悪くなる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、ナット部25は、移動体29に対して、ピン35と溝33とによって、最小限の位置変化に抑制される。したがって、送りねじ21と直動ベアリング37の軸ずれがあった場合でも、ナット部25の移動方向と異なる方向への移動が抑制され、移動体29に対する移動方向以外の力が加わることを抑制することができる。このため、移動の位置精度を高めることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、移動体29に固定されたピン35が、送りねじ21と螺合するナット部25に形成された溝または長穴に挿入される。また、ピン35は、溝33または長穴によって、溝33等の短軸方向に対する移動が緩やかに規制され、短軸方向と直交する長軸方向に対する移動が許容される。これにより、移動体29の移動方向を規制する移動方向規制部である直動ベアリング37と送りねじ21の軸方向とがずれている場合でも、ステージ31の移動が妨げられることがなく、移動体29を、移動方向と異なる方向への微細な変動をさせることなく精密に前後進させることができる。
なお、融着接続における光ファイバの軸合わせには、0.1μm単位の調整が必要であるが、本実施の形態によれば、このような精密な移動を実現できる。
このように、ナット部25および移動体29は、送りねじ21の回転方向(軸方向と異なる方向)への移動を規制する回転移動規制部を有するため、直動ベアリング37と送りねじ21の軸方向とが非平行である場合でも、ステージ31の移動が妨げられることがない。
なお、上述した実施形態では、ナット部25に溝33又は長穴を形成し、移動体29にピン35を設けたが本発明はこれに限られない。例えば、ナット部25にピン35を形成し、移動体29に溝33又は長穴を形成してもよい。すなわち、回転移動規制部は、ナット部25と移動体29のいずれか一方に設けられた溝33または長穴と、他方に設けられたピン35とで構成され、ピン35が溝33等に挿入されればよい。
また、送りねじ21と、移動体29の孔41とのクリアランスが、移動体29の移動範囲における、直動ベアリングの移動軸と送りねじの軸とのずれ量より大きいため、移動体29の孔41の内面と送りねじ21の外周面との接触を防ぐことができ、移動体29を滑らかに移動させることができる。
例えば、ステージ31が光ファイバを突き合せる際の移動部であれば、精度よく光ファイバを移動させることができる。また、ステージ31が光ファイバの接続部を撮像するカメラであれば、精度よく焦点を合わせることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、弾性部材27、ナット部25、移動体29の位置関係は図示した例には限られない。移動体29に対するナット部25と弾性部材27の位置関係が逆側であってもよい。
1………融着機
3………ベース部
5………保持部材
7………電極棒
9………ホルダ載置部
15………蓋部
20………移動機構
21………送りねじ
23………駆動部
25………ナット部
27………弾性部材
29………移動体
31………ステージ
33………溝
35………ピン
37………直動ベアリング
39………ベアリング
41………孔
100………移動機構
101………送りねじ
103………駆動部
105………ベアリング
107………直動ベアリング
109………移動体
111………ステージ

Claims (3)

  1. 内部に移動機構を有し、光ファイバ同士を接続する融着機であって、
    前記移動機構は、
    両端が回転可能に支持される送りねじと、
    前記送りねじを回転する駆動部と、
    前記送りねじと螺合するナット部と、
    前記ナット部へ弾性部材で押圧され、前記送りねじが貫通する移動体と、
    前記移動体の移動方向を一軸方向に規制する移動方向規制部と、を具備し、
    前記ナット部および前記移動部は、前記送りねじの回転方向への移動を規制する回転移動規制部を有することを特徴とする融着機。
  2. 前記回転移動規制部は、前記ナット部と前記移動体のいずれか一方に設けられた溝または長穴と、他方に設けられたピンであり、前記ピンが前記溝または前記長穴に挿入され、
    前記ピンは、前記溝または前記長穴によって、前記溝または前記長穴の短軸方向に対する移動が規制され、前記短軸方向と直交する長軸方向に対する移動が許容されることを特徴とする請求項1記載の融着機。
  3. 前記移動方向規制部の移動軸方向と、前記送りねじの軸方向とが非平行であり、
    前記送りねじと、前記移動体の孔とのクリアランスが、前記移動体の移動範囲において、前記送りねじと前記移動体とが接しない大きさであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の融着機。
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