JP2018163064A - 異なる担持方式で固定化した抗体担持不溶性担体粒子を用いる抗原測定法、抗原測定用試薬、及び、測定用キット - Google Patents

異なる担持方式で固定化した抗体担持不溶性担体粒子を用いる抗原測定法、抗原測定用試薬、及び、測定用キット Download PDF

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Abstract

【課題】抗体が担持された不溶性担体粒子の抗原測定における、測定範囲の拡大、及び、検出感度の向上、を課題とする。【解決手段】物理吸着により所定の標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子、及び、化学結合により当該標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子、の双方を含有する不溶性担体粒子の含有液を、前記標的抗原を含有し得る検体と接触させて、前記不溶性担体粒子に担持された抗体と、前記検体中の標的抗原との抗原抗体反応による前記不溶性担体粒子の凝集反応を検出して、前記標的抗原を測定することを特徴とする抗原測定方法、当該抗原測定方法を用いる測定用試薬、並びに、測定用キット、を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。【選択図】 なし

Description

本発明は、生体物質の測定方法に関する発明であり、更に具体的には異なる担持方式で固定化した抗体担持不溶性担体粒子、を混合して用いる抗原の測定手段に関する発明である。
現在不溶性担体粒子を用いた診断薬においては、特に免疫学的測定方法の1つとしてラテックス凝集法を用いる試薬が汎用されている。
ラテックス凝集法では、液相中において抗原又は抗体を担持させたラテックスを用い、抗体又は抗原を検出する測定系を形成する。免疫複合体の形成によりラテックス粒子が凝集する性質に基づき、凝集の程度を目視により確認するか、光学的に濁度の増加を吸光度又は散乱光強度の変化として測定を行うことができる(以下、ラテックス法ともいう:特許文献1)。
ラテックス法は、操作が簡便であり、自動分析装置にも比較的容易に適用でき、現在盛んに用いられている臨床検査方式の一つである。
特許文献2には、C反応性蛋白質(CRP)に対する抗体が特定のスペーサーを介して担持されたラテックスを用いた、CRP測定試薬が開示されている。
特開昭53−62826号公報 WO2007/063616
不溶性担体として最も汎用されているラテックスに抗体を担持させる場合、概ね物理吸着法又は化学結合法のいずれかの方式の担持方法が用いられる(これらの担持方法の内容については後述する)。物理吸着法は、担持工程が比較的単純であり、かつ、抗体の高密度担持も比較的容易であり高い反応性を得やすいという利点を有するが、その反面で標的抗原に対する広い測定範囲を得ることが難しい傾向が認められる。他方、化学結合法は、広い測定範囲を得ることが比較的容易であるが、担持に手間が掛かりコスト高であり、技術的には抗体の高密度担持が難しい傾向が認められる。
また、担持抗体として、通常はポリクローナル抗体が用いられているが、ポリクローナル抗体の場合は、これを産生する免疫動物の個体差が大きいためにロット差も大きく、一定性能の抗体の確保が難しく、歩留まりに問題が認められる。特に、測定範囲の確保のために抗体の反応特性を設定する必要がある場合、ポリクローナル抗体では、その調整は困難である。その点、ポリクローナル抗体に代えてモノクローナル抗体を、例えば、測定範囲確保のための担持抗体として用いれば、上記の問題を解決できる筈である。
しかしながら、ラテックス粒子にモノクローナル抗体を担持させて種々の検討を行ったところ、特に、「広い検出範囲と低濃度領域における優れた検出感度」が要求される測定対象において、実用化への困難性が認められることが明らかになった。
このような状況下で、本発明は、抗体が担持された不溶性担体粒子の抗原測定における、測定範囲の拡大、及び、検出感度の向上、を課題としてなされたものである。
初めに本発明者らは、より広い測定範囲と、より低濃度における高感度検出が望まれる生体関連物質を標的抗原として、当該標的抗原に対する抗体を、物理吸着法と化学結合法の2種類の方式により、不溶性担体に担持させて、当該標的抗原の検出性能を検討した。
その結果、これらの方式各々で標的抗原に対する抗体を不溶性担体に担持させた場合には、十分な実用性が認められなかった。しかしながら驚くべきことに、物理吸着法により抗体が担持された不溶性担体と、化学結合法により抗体が担持された不溶性担体を混合して用いた場合には、広い測定範囲と低濃度における高感度測定性を兼ね備えた標的抗原の測定が可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、物理吸着により所定の標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子(以下、物理吸着粒子ともいう)、及び、化学結合により当該標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子(以下、化学結合粒子ともいう)、の双方を含有する不溶性担体粒子の含有液(以下、本発明の含有液ともいう)を、前記標的抗原を含有し得る検体と接触させて、前記不溶性担体粒子に担持された抗体と、前記検体中の標的抗原との抗原抗体反応による前記不溶性担体粒子の凝集反応を検出して、前記標的抗原を測定することを特徴とする抗原測定方法(以下、本発明の測定方法ともいう)、である。
上記の「所定の標的抗原」における「所定の」とは、例えば、「選択された」と言い換えることができる。測定の対象として選択された標的抗原として「定められた」、又は、「選択された」、という意味であり、一旦定められ、又は、一旦選択されれば、当該標的抗原は一意的に確定する。
本発明において不溶性担体粒子に担持される「抗体」は、特に断らない限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、又は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれであっても良い。また、「抗体」、「モノクローナル抗体」又は「ポリクローナル抗体」は、それぞれの抗体の全体分子のみならず、標的抗原に結合する限り、抗体の断片又はその修飾物(結合性断片)であっても良い。さらに、これらの抗体は、二価抗体であっても、一価抗体であっても良い。抗体の結合性断片としては、Fab断片、F(ab')2断片、Fab'断片、Fv断片、1個のFabとFcを有するFab/c断片等が挙げられる。また、抗体として、キメラ抗体、例えば、相補性決定領域(CDR)又は可変部以外をヒト抗体由来構造に置換したマウス等とヒトとのキメラ抗体等が例示される。また、抗体のクラスは、IgG、IgM、又は、IgAであり、サブクラスは限定されない。さらに抗体は、公知の方法で作製されたものであっても、市販品でも良い。
物理吸着粒子と化学結合粒子に担持されている抗体は、モノクローナル抗体であっても、ポリクローナル抗体であっても良いが、上述したように、ポリクローナル抗体を選択する場合には一定性能の抗体の確保が難しいという問題点が認められる。また、モノクローナル抗体を選択する利点として、標的抗原の特定のエピトープに対する抗体として選択することが可能であり、これによりラテックスの凝集性能のコントロールが容易になる点が挙げられる。
物理吸着粒子に担持されている抗体と、化学結合粒子に担持されている抗体は、標的抗原が同一であれば、互いに同一の種類の抗体であっても、異なる種類の抗体であっても良い。異なる種類の抗体としては、例えば、一方がモノクローナル抗体で、他方がポリクローナル抗体の場合が挙げられる。また、一方がマウス抗体であって、他方がヤギ抗体等、互いが異なる動物由来の抗体である場合が挙げられる。また、一方が全抗体であって、他方が結合性断片である場合が挙げられる。また、互いの抗体のクラス・サブクラスが異なる場合が挙げられる。
さらに、物理吸着粒子に担持されている抗体同士、又は、化学結合粒子に担持されている抗体同士が、上記の「異なる種類の抗体」であっても良い。
さらに本発明は、物理吸着粒子、及び、化学結合粒子、の双方を含有する不溶性担体粒子の含有液(以下、本発明の含有液ともいう)であることを特徴とする、抗原の測定用試薬(以下、本発明の測定用試薬ともいう)である。
本発明における物理吸着法は、不溶性担体粒子と抗体との静電的相互作用(疎水性相互作用)を利用して、直接的な接触により不溶性担体粒子に当該抗体を吸着させることにより担持させる手法である。
本発明における化学結合法は、不溶性担体粒子表面又は抗体のカルボキシル基とアミノ基をカルボジイミド等のカップリング試薬により共有結合させる方法、不溶性担体粒子表面のアルデヒド基やトシル基等と抗体のアミノ基とを結合させる方法等、により不溶性担体粒子に物質を結合させることにより担持させる手法である。
物理吸着粒子も化学結合粒子も、共にラテックスとして提供されることが好適である。その他、シリカコロイド、磁性粒子、金属コロイド等の不溶性担体粒子を用いることができる。本発明の含有液は、不溶性担体粒子を含有していれば、その含有状態は特に限定されない。すなわち、含有液としては、分散液、乳化液、浮遊液、沈殿液、多層分離液等が挙げられる。本発明の含有液は、緩衝液を基礎とした分散液が典型的である。また、含有液中の不溶性担体粒子は、必要に応じた表面処理が施されていてもよい。
物理吸着粒子は、上記の規定通りに物理吸着法により所定の抗体(モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体)が担持された不溶性担体粒子である。物理吸着粒子の平均粒径は特に限定されず、0.01μm−1.0μmが好適であり、さらに好適には0.05μm−0.35μmである。物理吸着粒子は、物理吸着法を行う対象となる不溶性担体粒子の含有液に、吸着対象抗体を接触させることにより作製することができる。
化学結合粒子は、上記の規定通りに化学結合法により所定の抗体(モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体)が担持された不溶性担体粒子である。化学結合粒子の平均粒径は特に限定されず、0.01μm−1.0μmが好適であり、さらに好適には0.05μm−0.35μmである。化学結合粒子は、化学結合法を行う対象となる不溶性担体粒子の含有液に、結合対象抗原を共有結合させる操作を行うことにより作製することができる。
本発明の含有液は、好適には、「物理吸着粒子の含有液」と「化学結合粒子の含有液」を混合することにより調製することができる。
物理吸着粒子と化学結合粒子の混合比(質量比)は、好適には10:1−1:10(物理吸着粒子:化学結合粒子)、さらに好適には5:1−1:5(物理結合粒子:化学結合粒子)、最も好適には3:1−1:3(物理結合粒子:化学結合粒子)である。
標的抗原は生体関連物質全般から広く選択することが可能であり、限定されず、蛋白質の他、糖鎖や脂質等も標的抗原とすることができる。例えば、多価抗原、すなわち、同一のサブユニットを複数有する多量体抗原、を標的抗原として選択することが好ましい。多価抗原としては、種々の酵素やヘモグロビン等の血色素が挙げられる。多価抗原の中でも、広い測定範囲が要求され、かつ、低濃度での測定が要求されるもの、例えば、CRP、FER(フェリチン)、D−ダイマー、免疫グロブリン等は、標的抗原として特に好ましい。多価抗原以外であっても、広い測定範囲が要求され、かつ、低濃度での測定が要求される抗原、例えば、SAA(血清アミロイドA)等は、好適な標的抗原として例示される。また、標的抗原量が測定範囲を超える検体は、通常希釈再検がなされるが、本発明により測定上限が拡大されることにより、この希釈再検率を低下させることが可能となり、「広い測定範囲が要求され、かつ、低濃度での測定が要求される抗原」以外であっても、本発明の適用は医療経済的に好適である。
なお、本発明における標的抗原を保有する動物の種類は限定されない。動物の種類は、本発明の抗原測定方法を用いるべき動物であり、ヒトの他、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ等の愛玩動物や家畜等として用いられている哺乳動物が主に例示される。上記において例示した標的抗原は、ヒトを想定した例示であるが、ヒト以外の動物の対応する標的抗原でもあり得る。例えば、CRPは、ヒト以外の動物、例えば、イヌにも存在しており、獣医学の分野で、イヌCRP(ヒトCRPと同一では無い)の測定が広く行われている。本明細書、特許請求の範囲において「CRP」と記載されている場合には、特に断らない限りヒトCRPである場合もイヌCRPである場合もあり、さらに他の動物のCRPでもあり得る。これは他の標的抗原においても同様である。なお、例えばヒトCRPと記載した場合は、ヒトCRPのみを意味する。
上記の本発明の含有液を、標的抗原を含有し得る検体と接触させて、当該含有液の不溶性担体粒子に担持された抗体と、検体中の標的抗原との抗原抗体反応による当該担体粒子の凝集反応の程度を検出することができる。
「標的抗原を含有し得る検体」は、標的抗原を含有する可能性がある生体からの分離物であれば特に限定されず、例えば、血液、血清、血漿、尿、リンパ液、 刺液、髄液、汗、唾液、胃液、肺洗浄液、糞便等が挙げられる。これらのうち、血液、血清、血漿が好適である。
凝集反応は、スライド凝集法、光学測定法、マイクロタイター法、フィルター分離法等を用いて、不溶性担体粒子の凝集を検出することにより、所望の標的抗原の測定を行うことができる。
本発明は、本発明の測定用試薬を含む測定用キット(以下、本発明のキットともいう)を提供する。本発明のキットは、さらに希釈液を含むことが好適である。
本発明により、広い測定範囲と共に、低濃度領域における高い検出感度を伴って標的抗原を測定する手段が提供される。
物理吸着法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を担持した、粒径が82nm、85nm、106nm、111nm、及び125nm(2種類)の6種類の小粒径ラテックス、並びに、粒径が200nm、及び204nmの2種類の大粒径ラテックスにおける、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 物理吸着法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を担持した、粒径が200nm、240nm、299nm、及び340nmの4種類の大粒径ラテックスにおける、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 物理吸着法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を、担持抗体量を変化させて担持した、粒径が200nmの大粒径ラテックスにおける、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 物理吸着法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を、担持抗体量を変化させて担持した、粒径が82nmの小粒径ラテックスにおける、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 物理吸着法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を担持した小粒径ラテックスと、大粒径ラテックスの混合系を用いて、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 化学結合法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を担持した、粒径が164nm、236nm、260nm、及び308nmの4種類の大粒径ラテックスにおけるヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を、ヒトCRPの低濃度領域において示す図面である。 化学結合法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を担持した、粒径が164nm、236nm、260nm、及び308nmの4種類の大粒径ラテックスにおける、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を、ヒトCRPの濃度領域の広い範囲において示す図面である。 化学結合法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体担持量を変化させた、粒径が79nmの小粒径ラテックスにおける、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 化学結合法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を、化学結合工程における加熱時間を変化させて所定量の抗体を担持した、小粒径ラテックスにおける、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 化学結合法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を、化学結合工程における加熱時間を変化させて所定量担持した小粒径ラテックスと、物理吸着法で抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を所定量担持した大粒径ラテックスの混合系を用いて、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 図8−2において、抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体を物理吸着法により担持したラテックスを用いた結果を加味した図面である。 第2試薬における化学結合ラテックス濃度を一定にしつつ、物理吸着ラテックス濃度を変化させた、化学結合ラテックスと物理吸着ラテックスの混合系を用いて、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 第2試薬における物理吸着ラテックス濃度を一定にしつつ、化学結合ラテックス濃度を変化させた、化学結合ラテックスと物理吸着ラテックスの混合系を用いて、ヒトCRP濃度による吸光度変化を検討した結果を示す図面である。 物理吸着ラテックスと化学結合ラテックスの混合系と、2種類の物理吸着ラテックスを用いた既存の検出試薬、との間におけるヒトCRPの測定値の相関を、ヒトCRP濃度が15mg/dL以下の測定範囲で検討した結果を示す図面である。
1.本発明の含有液
上述のように本発明の含有液は、物理吸着粒子、及び、化学結合粒子、の双方を含有する含有液である。
(1)不溶性担体粒子の調達
上述したように、物理吸着粒子も化学結合粒子も、共にラテックスとして提供されることが好適である。ラテックスは、水中にポリマーの微粒子(ラテックス粒子)が安定に分散したエマルジョンである。
ラテックスの作製方法は、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、シード重合法、ステージフィード乳化重合法、パワーフィード重合法、懸濁重合法等の常法を用いて行うことが可能である。粒径の調節も、これらのラテックスの調製方法の各々における常法を用いて行うことができる。例えば、乳化重合法であれば、モノマー、乳化剤、開始剤の種類と量、重合温度等を調節することにより、ラテックスの粒径の調節を行うことができる。ラテックスの市販品を用いることも当然に可能である。
ラテックスの種類は、物理吸着粒子の作製に用いられる物理吸着法、又は、化学結合粒子の作製に用いられる化学結合法、を適用することができる限りにおいて特に限定されず、物理吸着法及び化学結合法のそれぞれに適した種類を選択することが好適である。
物理吸着法に適したラテックスとしては、ポリスチレンラテックス、極低カルボン酸ラテックス、親水基局在化ラテックス等が挙げられる。
化学結合法に適したラテックスとしては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アルデヒド基、トシル基、スルフヒドリル基、又は、エポキシ基等を表面に有するラテックス粒子を含有するラテックスが挙げられる。
物理吸着法に適したラテックスであっても、又は、化学結合法に適したラテックスであっても、着色が施された着色ラテックスや、蛍光物質が施された蛍光ラテックスを用いることも可能である。
前述のように、物理吸着を行うラテックス粒子も化学結合を行うラテックス粒子の粒径も特に限定されず、0.01μm−1.0μmが好適であり、さらに好適には0.05μm−0.35μmである。
さらにこれら双方の担持方式のラテックス粒子のそれぞれにおいて、担持モノクローナル抗体と標的抗原の性質に応じた適切な反応性と測定範囲を得るために、測定において用いるラテックス粒子の粒径の組合せを決定することができる。すなわち、免疫反応によるラテックスの凝集性を高めたい場合には大きな粒径(0.15−0.35μm)が必要となるが、当該凝集性が所望の程度であれば小さな粒径(0.15μm未満)を選択することも可能である。また、抗体の担持量によりラテックスの凝集性を調整することも可能である。すなわち、ラテックスが同一の粒径であれば、抗体の担持量が多い方が標的抗原に対する反応性は向上するが、測定範囲が狭まる傾向がある。抗体担持量の少ないラテックスの作製は、化学結合法に依ることが好ましい。
上述したように、ラテックス粒子以外の不溶性担体粒子として、シリカコロイド粒子、磁性粒子、金属コロイド粒子等が挙げられる。これらの不溶性担体粒子には、物理吸着又は化学結合に適した官能基を付加する粒子表面の改質を行うことにより、本発明において用いることが可能な不溶性担体粒子とすることが可能である。
ラテックス等の不溶性担体粒子の含有液には、必要に応じて不溶性担体粒子以外の成分、例えば、各種電解質、緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、増感剤等が含有されていてもよい。
(2)不溶性担体粒子への担持工程
(ア)担持抗体
不溶性担体粒子に対して担持させる抗体は、標的抗原に対して結合する抗体であり、標的抗原の種類、抗体のタイプ、サブタイプ、抗体分子の一部が用いられる結合性断片としての態様については、前述した通りである。
本発明における標的抗原に対する抗体の製造方法は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であっても、それぞれ常法に従って行うことが可能であり、免疫原は、標的抗原の全部又は一部、さらにその改変物である。当該免疫原は、天然に存在する成分(蛋白質、ペプチド、糖鎖、脂質等)であっても、組換え蛋白質であっても、化学合成ペプチドであっても良い。アミノ酸配列等が天然物の標的抗原から改変された改変物は、標的抗原に対するモノクローナル抗体を製造するための標的抗原となる限り許容される。また、必要に応じて免疫原性の向上のためにハプテンを用いることも可能である。ハプテンとしては、通常はハプテンとして用いられ得る物質を任意に選択することが可能であり、例えば、スカシガイヘモシアニン(KLH)、ニワトリ卵白アルブミン(OVA)、牛血清アルブミン(BSA)等をハプテンとして選択することができる。
免疫は一般的方法により、例えば、上記免疫原を、免疫の対象とする動物に静脈内、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内等で投与することにより行うことができる。
このように免疫を行って得られた抗血清として、ポリクローナル抗体を得ることができる。ポリクローナル抗体は市販品を用いることも可能である。
所望の標的抗原に対するモノクローナル抗体は、上記のように免疫した動物の免疫細胞と動物の骨髄腫細胞とのハイブリドーマを作出し、これにより標的抗原を認識する抗体を産生するクローンを選択し、このクローンを培養することにより製造することができる。
また、免疫される動物は特に限定されるものではなく、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ等を広く用いることができるが、モノクローナル抗体を製造する場合には、細胞融合に用いる骨髄腫細胞との適合性を考慮して選択することが望ましい。さらに、免疫される動物として、遺伝子組換え動物を用いることも可能である。遺伝子組換え動物は、特に、抗体の由来としてヒトを選択する場合に有用である。具体的には、ヒト抗体遺伝子導入マウス等を選択して、ヒト抗体からなるポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を作製することができる。
このようにして得られるモノクローナル抗体は、標的抗原に特異的に結合する抗体である。なお、本発明においては、モノクローナル抗体の市販品を用いることも可能であることは、上述した通りである。
(イ)抗原の担持工程
抗原の不溶性担体粒子への担持は、物理吸着法、化学結合法、それぞれ常法に従って行うことができる。
物理吸着法は、例えば、0.1−1質量%程度で不溶性担体粒子を含有する含有液を、担持しようとする抗体と混合し、不溶性担体粒子に当該モノクローナル抗体を担持させることができる。さらに遠心分離を用いて未吸着の抗体と、抗体担持担体粒子を分け、水性溶媒中に再分散させることにより、物理吸着粒子の含有液を作製することができる。
化学結合法は、不溶性担体粒子表面の官能基を利用し、担持しようとするモノクローナル抗体を共有結合で結合する。例えば、不溶性担体粒子表面の官能基が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基の場合は、それぞれ、カルボジイミド、ブロムシアン、グルタルアルデヒドを活性剤として利用することでモノクローナル抗体を不溶性担体粒子表面に共有結合させることが可能である。活性化剤で事前に不溶性担体粒子表面の官能基を活性化させてからモノクローナル抗体と接触させることも可能であり、活性化剤とモノクローナル抗体を同時に不溶性担体粒子と接触させてもよい。不溶性担体粒子表面の官能基が、アルデヒド基、トシル基である場合には、活性剤を用いる必要がない。さらに、不溶性担体粒子とモノクローナル抗体の間に、オリゴアミノ酸やアミノカルボン酸等のスペーサー分子を入れて共有結合を行うことも可能である。
このようにして、物理吸着粒子と化学結合粒子を作製することができる。物理吸着粒子と化学結合粒子は、水性溶媒中で不溶性担体粒子の含有液として保存される。
(3)本発明の含有液の作製
本発明の含有液は、上記の物理吸着粒子の含有液と、化学結合粒子の含有液を混合することにより作製できる。
本発明の含有液中における、それぞれの抗体担持担体粒子の含有比(質量比)は、所望する測定範囲と反応性によっても異なるが、好適には10:1−1:10(物理吸着粒子:化学結合粒子)、さらに好適には5:1−1:5(物理結合粒子:化学結合粒子)、最も好適には3:1−1:3(物理結合粒子:化学結合粒子)である。
本発明の含有液には、必要に応じて、例えば、各種電解質、緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、増感剤等が含有されていてもよいことは、前述した通りである。
(4)本発明の測定用試薬
本発明の含有液は、本発明の測定用試薬として使用される。
2.抗体による測定
本発明の測定方法では、上述した本発明の含有液を用いて標的抗原の測定を行う。すなわち、本発明の含有液を、標的抗原を含有し得る検体と接触させて、当該含有液の不溶性担体粒子に担持された抗体と、検体中の標的抗原との抗原抗体反応による当該微粒子の凝集反応を検出することができる。
「標的抗原を含有し得る検体」は、被測定抗体を含有する可能性があるものであれば特に限定されないことは、前述の通りである。
3.本発明のキット
本発明のキットは、本発明の測定方法を行うための測定用キットであり、本発明の含有液を構成要素として含むものである。
本発明の含有液以外の本発明のキットにおける構成要素としては、例えば、測定対象となる標的抗原の標準品、精度管理用試料、希釈液等が挙げられる。希釈液は、本発明の含有液を希釈して測定を行うための液体であり、標的抗原の測定を実質的に阻害しない限り、特に限定されない。希釈液には、例えば、各種電解質、緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、増感剤等が含有されていてもよい。
本発明の含有液と同様、希釈液は、緩衝液を基礎とした水性液体が典型的である。本発明の含有液が、緩衝液を基礎とした分散液である場合、希釈液において、含有液の緩衝液と同一または類似の緩衝液を用いることが好ましい。
後述する実施例においては、用時希釈液である第1試薬が上記の希釈液であり、ラテックス分散液である第2試薬が本発明の含有液である。これらの第1試薬と第2試薬を構成要素として含むものが、本発明のキットの具体例の一つである。
以下、本発明の実施例を記載する。%は、特に断らない限り質量/容量%である。例えば、化学結合ラテックス濃度0.110%、物理吸着ラテックス濃度0.030%の場合、溶液1000mL当たり、化学結合粒子1.10g、物理吸着粒子0.3gを含む。
また、「表1−9の反応性の単位」と「図1−9の縦軸の単位」は、吸光度変化量(Dabs)を10000倍したものである。
[製造例]
1.ラテックス
本実施例において用いたラテックスは下記の通りである。ここに示した粒径表示は、上記の記載に合わせてμm単位であるが、本実施例における粒径表示はnm単位を用いている。
(1)物理吸着法を行うラテックス
・0.082μmポリスチレンラテックス(高親水性、以下、物理ラテックス1という)
・0.085μmポリスチレンラテックス(以下、物理ラテックス2という)
・0.106μmポリスチレンラテックス(高親水性、以下、物理ラテックス3という)
・0.111μmポリスチレンラテックス(以下、物理ラテックス4という)
・0.125μmポリスチレンラテックス(以下、物理ラテックス5という)
・0.125μmポリスチレンラテックス(高親水性、以下、物理ラテックス6という)
・0.200μmポリスチレンラテックス(以下、物理ラテックス7という)
・0.204μmポリスチレンラテックス(高親水性、以下、物理ラテックス8という)
・0.240μmポリスチレンラテックス(以下、物理ラテックス9という)
・0.299μmポリスチレンラテックス(以下、物理ラテックス10という)
・0.340μmポリスチレンラテックス(以下、物理ラテックス11という)
(2)化学結合法を行うラテックス
・0.079μmカルボキシラテックス(以下、化学ラテックス1という)
・0.164μmカルボキシラテックス(以下、化学ラテックス2という)
・0.236μmカルボキシラテックス(以下、化学ラテックス3という)
・0.260μmカルボキシラテックス(以下、化学ラテックス4という)
・0.308μmカルボキシラテックス(以下、化学ラテックス5という)
2.使用した抗体
(1)担持モノクローナル抗体
抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体:前述したモノクローナル抗体の製造方法に準じて作製した。すなわち、マウスを免疫対象動物として、ヒトCRPで免疫を行い、当該ヒトCRP免疫マウスのB細胞とマウスミエローマ細胞を融合したハイブリドーマを作製し、限界希釈法によるクローニングで樹立した当該ハイブリドーマをマウス腹腔に投与して腹水化を行った。得られた腹水を回収して、遠心分離を行い、不溶物を除去後、さらに硫安沈殿を行い、抗体を回収し、その後、QAEカラムにて当該抗体の精製を行って、所望の抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を得た。
(2)比較用ポリクローナル抗体: 抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体(株式会社日本バイオテスト研究所製)を用いた。
3.ラテックスの担持工程
(1)物理吸着法による担持
10mg/mLの上記の抗体の0.01M HEPES緩衝液(pH7.4)溶液の所定量を、精製水で全量2.0mLに希釈した後、前記希釈溶液に0.25%ポリスチレンラテックス溶液16mLを混合した。混合液を室温で10分間攪拌した後、10%BSA溶液の所定量を添加し精製水で全量を20mLとした。さらに、56℃で4時間加熱処理した後、遠心分離で未吸着抗体を除去した。遠心分離にて未吸着抗体を除去したラテックスを0.01M HEPES緩衝液(pH7.4)に再分散させ、10%BSA0.4mLを添加し、同緩衝液で全量8.0mLとした後、56℃で2時間加熱した。加熱後の抗体吸着ラテックス含有液を濾過し、ラテックス濃度0.5%の物理吸着ラテックスを作製した。
遠心分離による未吸着抗原除去後にラテックスの再分散に用いる0.01M HEPES緩衝液(pH7.4)の容量を適宜変更することにより、作製する物理吸着ラテックスの濃度を適宜調整することができる(化学結合についても同様)。
(2)化学結合法による担持
5.3%カルボキシラテックス含有液0.943mLを精製水で全量1.11mLに希釈した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩をカルボキシル基の1モル等量添加し、15分攪拌反応させカルボキシル基を活性化した。カルボキシル基を活性化させたラテックス含有液に、0.5M MES緩衝液(pH6.6)2.0mL及び精製水の所定量を添加した後、10mg/mLの上記の抗体の0.01M HEPES緩衝液(pH7.4)溶液の所定量を添加し、室温で4時間反応させた。反応終了後、10%BSA溶液0.72mLを添加し、更に室温で1時間反応させた後、56℃で4時間加熱処理した。遠心分離にて未結合抗体を除去したラテックスを0.01M HEPES緩衝液(pH7.4)に再分散させ、10%BSA溶液0.25mLを添加し、「56℃で4時間加熱処理」した。加熱後の抗体結合ラテックス含有液を濾過し、ラテックス濃度1.0%の化学結合ラテックスを作製した。
(3)ラテックス分散液の調製
2.0M LiCl、0.76M又は1.14M L−アルギニン塩酸塩及び0.2%NaN3を含む0.1M HEPES緩衝液(pH7.4)2.5mLに、前記(1)で調製した所定容量の物理吸着ラテックス及び前記(2)で調製した所定容量の化学結合ラテックスを添加し、精製水にて全量5.0mLとして、物理吸着ラテックスと化学結合ラテックスを所定比率で含むラテックス分散液を調製した。
物理吸着ラテックスと化学結合ラテックスの添加量を適宜選択することで、種々の混合比率とすることができる。
4.測定系
本実施例における測定は、濁度法を用いて行った。
第1試薬は、用時希釈液であって、0.05M HEPES、1.0M LiCl、0.25M Na2SO3、0.38M又は0.57M L−Arg・HCl、0.1% NaN3 pH7.4、残量は精製水である。
第2試薬は、ラテックス分散液であって、0.05M HEPES、1.0M LiCl、0.38M L−Arg・HCl、0.1% NaN3、Latex所定量 pH7.4、残量は精製水である(参考例2(1)、実施例1(1)、実施例2を除く)。
測定は、TBA−120FR(東芝メディカルシステムズ社製)を用いて行った。
試料は、ヒトCRP(ロッシュ社製)を、ヒトCRPが存在しない血清で倍々希釈を行ったものを用いた。
なお、以下に言及する図と表における「CRP」は、「ヒトCRP」を意味している。また、「ヤギ抗体」とは、「抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体」を意味している。
[参考例1] 物理吸着法でモノクローナル抗体を担持したラテックスについての検討
(1)粒径が82−125nmの小粒径ラテックス及び粒径が200−204nmの大粒径ラテックスにおける検討
抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を1.25mg/m2で担持させた物理ラテックス1−8を用いた測定系における、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表1、図1)。なお、第2試薬のラテックスの含有量は0.1%である。表1中の「+」は、ラテックスの親水性の程度を示し、+数が多いほど親水性である。
Figure 2018163064
物理吸着法単独で、ラテックスの粒径(82nm−204nm)と親水性を試したいずれの例も、低濃度領域で一気に吸光度が上昇して、最大2000Dabs程度で頭打ちになってしまった。従って、低濃度から高濃度までの広い測定範囲でのヒトCRPの定量的な測定はできず、低濃度域のみの定量測定のみが可能であることが明らかになった。
(2)粒径が200nm−340nmの大粒径ラテックスにおける検討
抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を1.75mg/m2で担持させた物理ラテックス7、物理ラテックス9−11を用いた測定系における、ヒトCRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表2、図2)。なお、第2試薬のラテックスの含有量は0.1%である。
Figure 2018163064
物理吸着法単独で、ラテックスの粒径(200nm−340nm)を試したいずれの例も、上記(1)と実質的には同様の結果が認められた。従って、上記(1)と併せて、粒径に依らず、物理吸着ラテックス単独では十分に広い測定範囲を確保できないことが確認された。
(3)大粒径ラテックスを用いた担持抗体量についての検討
大粒径ラテックス(物理ラテックス7)に対して、抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の担持量を0.25−2mg/m2の範囲で変化させた測定系における、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表3、図3)。なお、第2試薬のラテックスの含有量は0.1%である。
Figure 2018163064
物理吸着法単独の場合、担持抗体量が少ないほど定量可能範囲は広くなるが、担持抗体量減量に伴い反応性も低下することが明らかになった。
(4)小粒径ラテックスを用いた担持抗体量についての検討
小粒径ラテックス(物理ラテックス1)に対して、抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の物理吸着に依る担持量を0.2−1.2mg/m2の範囲で変化させた測定系における、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表4−1、図4)。比較のために、抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体を物理ラテックス1に1.06mg/m2を、物理吸着に依り担持させた例の検証も行った(表4−2、図4)。なお、本例における第2試薬のラテックスの含有量は、この比較系を含めて0.25%である。
Figure 2018163064
Figure 2018163064
得られた結果は、大粒径ラテックスを用いた上記(3)と実質的に同様であった。これに比べて抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体の系は、反応性と定量可能範囲の広さ、共に、比較的中低濃度領域において良好であった。
(5)小粒径と大粒径のラテックスを混合した場合の検討
物理吸着法に依る小粒径ラテックス(物理ラテックス1)と大粒径ラテックス(物理ラテックス7)とを、0.125%の物理ラテックス1と、0.05%の物理ラテックス7を含有する第2試薬を用いた測定系において、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表5、図5)。なお、大粒径ラテックスの抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の担持量は、1.75mg/m2であり、小粒径ラテックスの当該担持量は0.20−1.20mg/m2の間で変化させた。比較のために、抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体を1.06mg/m2で、小粒径ラテックス(物理ラテックス1)に、物理吸着法で担持させた例(第2試薬中のラテックス濃度は0.15%)の検証も併せて行った。
Figure 2018163064
得られた結果は、上記(4)と同様であった。抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体を用いた例は、検出反応性、測定範囲の広さ、共に良好であったが、抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体担持の場合は、小粒子と大粒子の混合系においても十分な測定範囲が得られなかった。
[参考例2] 化学結合法でモノクローナル抗体を担持したラテックスについての検討
(1)大粒径のラテックスにおける検討
抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の担持量が2.5mg/m2の4種の大粒径のラテックス(化学ラテックス2−5)を用いた測定系において、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表6、図6−1(2.00mg/dLまでの低濃度領域の抜粋拡大図)、図6−2(100mg/dLまでの濃度領域))。比較のために、抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の担持量が1.75mg/m2の物理ラテックス7を用いた測定系を用いた。
なお、この例において用いられた第2試薬(ラテックス分散液)は、0.05M HEPES、1.0M LiCl、0.38M L−Arg・HCl、5mM CaCl2、0.1% NaN3、0.025%Latex pH7.4、であり、残量は精製水である。
Figure 2018163064
いずれの例も、CRPが低濃度領域における反応性は良好であったが、高濃度領域を含めた広い測定範囲は認められなかった。
(2)小粒径のラテックスにおける検討
抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体を0.300、0.325、0.350、0.400mg/m2で担持した化学ラテックス1を用いた4種の測定系において、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表7−1、図7)。比較のために、抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体を1.06mg/m2で、小粒径ラテックス(物理ラテックス1)に、物理吸着法で担持させた例の検証も併せて行った(表7−2、図7)。なお、本例における第2試薬のラテックスの含有量は、この比較系を含めて0.15%である。
Figure 2018163064
Figure 2018163064
化学結合では、高いプロゾーン性能を有する小粒径ラテックスを作製可能であるが、低濃度領域の反応性が低いことが明らかになった。また、抗体の担持量に応じて反応性が向上し、抗体担持量により反応性を調製できることが確認された。
[実施例1] 物理吸着ラテックスと化学結合ラテックスの混合系の検討
(1)化学結合単独系との比較検討
化学結合ラテックスは、抗体を担持する際の仕上げの加熱時間(上記3(2)の「56℃で4時間加熱処理」の「4時間」が該当する)の長短が、標的抗原に対する反応性が異なることが知られている。本例では、当該加熱時間を原則の4時間の他、6時間及び8時間の系を設定し、当該加熱時間の相違により異なる反応性を有する化学結合ラテックス(化学ラテックス1に担持)単独(表8−1、図8−1)と、当該化学結合ラテックスと物理吸着ラテックスを組み合わせて用いた場合の相違を検討した(表8−1、図8−2)。ここで用いた物理吸着ラテックスは、物理ラテックス7に対して、抗体の担持量を1.5mg/m2として吸着させたものである。ここで用いられた化学結合ラテックスの抗体結合量、結合pH、仕上げの加熱温度、当該加熱時間、各系のラテックスの第2試薬中の濃度は、表8−1に示した通りである。
さらに比較のために、抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体を1.06mg/m2担持した小粒径の物理ラテックス(物理ラテックス1)(第2試薬中0.125%)と抗ヒトCRPマウスポリクローナル抗体を1.5mg/m2担持した大粒径の物理ラテックス(物理ラテックス7)(第2試薬中0.035%)の混合系における反応性を検討した(表8−2、図8−3)。
なお、この実施例1(1)において用いられた第2試薬(ラテックス分散液)は、0.05M HEPES、1.0M LiCl、0.57M L−Arg・HCl、0.1% NaN3、所定量のLatex pH7.4、であり、残量は精製水である。
Figure 2018163064
Figure 2018163064
化学結合ラテックス単独の系では、仕上げの加熱時間を4時間から8時間まで延長することにより、反応性が低下したが、物理・化学ラテックス混合系では、化学結合ラテックス自体の反応性の差異が吸収され、系同士の反応性の差異が縮小した。しかも、化学結合ラテックス単独の系との比較のみならず、モノクローナル抗体を用いた大粒径物理吸着ラテックスとモノクローナル抗体を用いた小粒径化学結合ラテックスの混合系は、モノクローナル抗体を用いた大粒径物理吸着ラテックスとポリクローナル抗体を用いた小粒径物理吸着ラテックスの混合系よりも、低濃度領域での検出感度が高く、広い測定範囲であった。
(2)物理吸着ラテックスと化学結合ラテックスの混合比率の検討
物理ラテックス7に対して、抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の担持(担持量:1.5mg/m2)を行い、物理吸着ラテックスとし、かつ、化学ラテックス1に対して所定の抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の担持(担持量:0.4mg/m2)を行い、化学結合ラテックスとした。
(ア) 化学結合ラテックス濃度を第2試薬中0.110%に固定して、物理吸着ラテックス濃度を同0.030−0.050%とした場合の測定系における、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表9−1、図9−1)。
Figure 2018163064
(イ) 物理吸着ラテックス濃度を第2試薬中0.040%に固定して、化学結合ラテックス濃度を同0.110−0.140%とした場合の測定系における、CRP濃度範囲が100mg/dLまでの572/804nmでの吸光度の変化を検証した(表9−2、図9−2)。
Figure 2018163064
検討された物理・化学ラテックス混合系は、いずれも低濃度での高い検出感度が認められ、高濃度での優れたプロゾーン性能が認められた。また、大粒径と小粒径の混合比率を調整することにより、感度域における反応性や高濃度域の測定範囲を調整できることが分かった。
[実施例2] CRP相関性
モノクローナル抗体を担持した物理・化学ラテックス混合系と、抗ヒトCRPヤギポリクローナル抗体を1.06mg/m2担持した小粒径の物理ラテックス(物理ラテックス1)(第2試薬中0.125%)と抗ヒトCRPマウスポリクローナル抗体を1.5mg/m2担持した大粒径の物理ラテックス(物理ラテックス7)(第2試薬中0.035%)の混合系との相関性の検討を行い、モノクローナル抗体を担持した物理・化学ラテックス混合系の特異性を確認した。
物理・化学ラテックス混合系における物理吸着ラテックスは「物理ラテックス7」を用い、抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体の担持量を1.5mg/m2として吸着させたものである。また当該ラテックス混合系における化学結合ラテックスは「化学ラテックス1」を用い、抗体担持量は0.40mg/m2、仕上げの加熱温度は56℃、加熱時間は8時間である。また、当該ラテックス混合系第2試薬における物理吸着ラテックス濃度は0.04%であり、化学結合ラテックス濃度は0.110%である。
なお、この実施例2の物理・化学混合系において用いられた第2試薬(ラテックス分散液)は、0.05M HEPES、1.0M LiCl、0.57M L−Arg・HCl、0.1% NaN3、所定量のLatex pH7.4、であり、残量は精製水である。
検体は、ヒト血清検体50例を用いた。
結果を表10と図10に示す。個々の検体における具体的な測定値は表10に示した。図10は、表10に示された結果をプロットして得た相関図であり、横軸が上記対照系を用いた比較例において得られた測定値(mg/dL)であり、縦軸が物理・化学混合系において得られた測定値(mg/dL)である。
Figure 2018163064
この結果より、本発明の物理・化学混合系のヒトCRPの低濃度領域における測定値は、対照品の測定値と、ほぼ傾き1の正の相関を示すことが明らかになった。

Claims (13)

  1. 物理吸着により所定の標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子、及び、化学結合により当該標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子、の双方を含有する不溶性担体粒子の含有液を、前記標的抗原を含有し得る検体と接触させて、前記不溶性担体粒子に担持された抗体と、前記検体中の標的抗原との抗原抗体反応による前記不溶性担体粒子の凝集反応を検出して、前記標的抗原を測定することを特徴とする、抗原測定方法。
  2. 化学結合により不溶性担体粒子に担持された抗体は、モノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項1に記載の抗原測定方法。
  3. 物理吸着により不溶性担体粒子に担持された抗体は、モノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗原測定方法。
  4. 不溶性担体粒子は、ラテックス粒子であることを特徴とする、請求項1−3のいずれか1項に記載の抗原測定方法。
  5. 標的抗原は、多価抗原であることを特徴とする、請求項1−4のいずれか1項に記載の抗原測定方法。
  6. 標的抗原は、C反応性蛋白質(CRP)であることを特徴とする、請求項1−5のいずれか1項に記載の抗原測定方法。
  7. 検体中の所定の標的抗原との抗原抗体反応による不溶性担体粒子の凝集反応を検出する、抗原の測定用試薬であって、物理吸着により前記所定の標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子、及び、化学結合により前記所定の標的抗原に対する抗体が担持された不溶性担体粒子、の双方を含有する不溶性担体粒子の含有液であることを特徴とする、抗原の測定用試薬。
  8. 化学結合により不溶性担体粒子に担持された抗体は、モノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項7に記載の測定用試薬。
  9. 物理吸着により不溶性担体粒子に担持された抗体は、モノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項8に記載の測定用試薬。
  10. 不溶性担体粒子は、ラテックス粒子であることを特徴とする、請求項7−9のいずれか1項に記載の測定用試薬。
  11. 標的抗原は、多価抗原であることを特徴とする、請求項7−10のいずれか1項に記載の抗原測定方法。
  12. 標的抗原は、C反応性蛋白質(CRP)であることを特徴とする、請求項7−11のいずれか1項にに記載の測定用試薬。
  13. 請求項7−12のいずれか1項に記載の測定用試薬及び希釈液を含むことを特徴とする、測定用キット。
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