JP2018162840A - 車両用ブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転部材を直動部材の直動方向の反対方向に押す反力、ひいては、該反力に起因するエネルギが大きくなるのが抑制されやすい新規な構成の車両用ブレーキを得る。【解決手段】車両用ブレーキは、例えば、支持部材に支持され、モータによって回転される回転部材と、回転部材の回転に伴って直動する直動部材と、回転部材に設けられた第一の接触面と、支持部材に設けられた第二の接触面と、直動部材の第一の方向への直動による制動力の発生に伴い生じ回転部材を第一の方向の反対の第二の方向に押す力が、閾値以下の場合には、第一の接触面と第二の接触面とが離間した状態となるよう、また、力が閾値を超えた場合には、第一の接触面と第二の接触面とが接触して当該両接触面間に摺動抵抗が生じるよう、当該両接触面の中心軸方向における相対位置を変更する相対位置変更機構と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用ブレーキに関する。
従来、モータによって回転される回転部材と、回転部材の回転に伴って直動することにより制動部材に車輪を制動させる直動部材と、を備えた車両用ブレーキが知られている(例えば、特許文献1)。
上記の車両用ブレーキでは、直動部材の直動に伴い、回転部材を直動部材の直動方向の反対方向に押す力(反力)が生じる。この種の車両用ブレーキでは、この反力、ひいては、該反力に起因するエネルギが大きくなるのが抑制されやすい新規な構成が得られれば、有意義である。
本発明の車両用ブレーキは、例えば、モータと、支持部材と、中心軸回りに回転可能に前記支持部材に支持され、前記モータによって回転される回転部材と、前記回転部材の回転に伴って前記中心軸に沿った第一の方向に直動することにより制動部材を車輪と一体回転するロータに押圧させて制動力を発生させる直動部材と、前記回転部材に設けられた第一の接触面と、前記支持部材に設けられ、前記第一の接触面と面した第二の接触面と、前記直動部材の前記第一の方向への直動による前記制動力の発生に伴い生じ前記回転部材を前記第一の方向の反対の第二の方向に押す力が、閾値以下の場合には、前記第一の接触面と前記第二の接触面とが離間した状態となるよう、また、前記力が前記閾値を超えた場合には、前記第一の接触面と前記第二の接触面とが接触して当該両接触面間に摺動抵抗が生じるよう、当該両接触面の前記中心軸方向における相対位置を変更する相対位置変更機構と、を備えている。よって、当該車両用ブレーキによれば、例えば、回転部材を第一の方向の反対の第二の方向に押す力が、閾値を超えた場合には、第一の接触面と第二の接触面とが接触するので、モータの駆動エネルギの一部が第一の接触面と第二の接触面との摺動エネルギ(摺動により消費される損失エネルギ)として消費される。この摺動エネルギの分、直動部材が回転部材を第一の方向の反対の第二の方向に押す力(反力)に起因する反力エネルギが大きくなるのが抑制される。したがって、この反力エネルギが抑制される分、例えば、支持部材の強度をそれに見合うものに抑えることができ、小型・軽量化などに寄与しうるようになる。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記相対位置変更機構は、前記支持部材と前記回転部材との間に介在し前記回転部材を前記第一の方向に押す弾性部材を備えている。よって、当該車両用ブレーキによれば、例えば、弾性部材によって、第一の接触面と第二の接触面とを離間させることができる。したがって、第一の接触面と第二の接触面との離間状態を安定させることができる。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記第一の接触面は、前記中心軸と前記中心軸の径方向に離間している。よって、当該車両用ブレーキによれば、例えば、第一の接触面が中心軸と離間していない態様(但し、第一の接触面の径方向幅が同じ場合)と比較して、第一の接触面と第二の接触面との摺動抵抗にかかるトルク(ロストルク)が大きくなりやすい。したがって、上述の摺動エネルギとして消費される分が大きくなりやすい。よって、上述の反力エネルギが大きくなるのが抑制されやすい。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記回転部材は、前記中心軸と交差する方向に延びたフランジ部と、前記フランジ部の外周縁部から前記第二の方向に突出した突出部と、を有し、前記第一の接触面は、前記突出部の先端面である。よって、当該車両用ブレーキによれば、例えば、突出部がフランジ部の内周縁部に設けられている構成に比べて、第一の接触面と第二の接触面との摺動抵抗にかかるトルクが大きくなりやすい。したがって、上述の摺動エネルギとして消費される分が大きくなりやすい。よって、上述の反力エネルギが大きくなるのが抑制されやすい。
また、前記車両用ブレーキは、例えば、前記支持部材に設けられ、液圧室が設けられたシリンダと、前記シリンダ内に前記第一の方向および前記第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動して前記制動部材を押圧可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記制動部材を押圧可能であるピストンと、を備え、前記第二の接触面は、前記シリンダに設けられている。よって、例えば、シリンダおよびピストンを備えた車両用ブレーキにおいて、上述の反力エネルギが大きくなるのが抑制されやすい構成が得られる。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
図1,2に示されるように、本実施形態の車両用ブレーキ1は、車軸ハブ(図示省略の回転体)に組み付けられて車輪100(図2)と一体に回転するディスクロータ2と、ディスクロータ2の周縁部を跨いで配置されるキャリパ3と、を備えている。すなわち、車両用ブレーキ1は、ディスクブレーキである。なお、以下では、ディスクロータ2の中心軸(回転中心)の軸方向をロータ軸方向、ディスクロータ2の径方向をロータ径方向、ディスクロータ2の周方向をロータ周方向とも称する。ロータ周方向は、ロータ軸方向およびロータ径方向と交差する。ディスクロータ2は、ロータの一例である。
車両用ブレーキ1は、車両用電動ブレーキとも称されうる。
車両用ブレーキ1は、車両用電動ブレーキとも称されうる。
また、車両用ブレーキ1は、走行モードおよび駐車モードを含む複数のモードを有している。モードは、不図示の操作部によって切り替えられる。走行モードでは、車両用ブレーキ1は、キャリパ3の一対のブレーキパッド13A,13B(制動部材。図2参照。)をブレーキ液の液圧によってディスクロータ2に押し付けることにより制動力を生じる。駐車モードでは、車両用ブレーキ1は、一対のブレーキパッド13A,13Bをモータ21の駆動力によってディスクロータ2に押し付けることにより制動力を生じる。
図1,2に示されるように、キャリパ3は、車体に設けられた支持部材に固定されるマウンティング11と、ロータ軸方向に移動可能にマウンティング11に支持されたボディー12と、ロータ軸方向に移動可能にマウンティング11に支持された一対のブレーキパッド13A,13Bと、ロータ軸方向に移動可能にボディー12に支持されたピストン15と、ボディー12に支持された移動機構16と、を備えている。
図1に示されるように、ボディー12は、一対のスライドピン14によってマウンティング11に対してロータ軸方向に移動可能に取り付けられている。ボディー12は、車体側からディスクロータ2をロータ軸方向に跨いで延出している。図1,2に示されるように、ボディー12は、シリンダ12aと一対の爪12bとを有している。ボディー12は、例えば金属材料によって構成されている。ボディー12は、支持部材の一例である。ボディー12は、ハウジングとも称されうる。
シリンダ12aは、ディスクロータ2のロータ軸方向の一方側(図2の右側)に配置されている。シリンダ12aは、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。シリンダ12aは、筒面12cと端面12dとを有している。筒面12cは、中心軸Axを中心とした円筒状に構成されている。中心軸Axは、ロータ軸方向に沿って延びている。端面12dは、筒面12cのロータ軸方向の一方側の端部に接続されて、当該端部の開口を閉塞している。筒面12cは、内周面とも称されうる。
爪12bは、ディスクロータ2のロータ軸方向の他方側(図2の左側)に配置されている。一対の爪12bは、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。
図2に示されるように、ピストン15は、ディスクロータ2のロータ軸方向の一方側に配置され、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。ピストン15は、シリンダ12a内に第一の方向X1および第一の方向X1とは反対の第二の方向X2に移動可能に収容されている。第一の方向X1および第二の方向X2は、中心軸Axに沿っている。ピストン15は、液圧によってディスクロータ2に向けて(第一の方向X1に)移動して、ディスクロータ2との間に介在したブレーキパッド13Aをディスクロータ2に向けて押圧する。この押圧反力によってボディー12が第二の方向X2に移動して、ボディー12の爪12bが、ディスクロータ2と爪12bとの間に介在したブレーキパッド13Bをディスクロータ2に向けて押圧する。すなわち、一対のブレーキパッド13A,13Bは、それぞれ押圧部材であるピストン15および爪12bによってディスクロータ2に押し付けられる。
また、ピストン15の外周面15hとシリンダ12aの筒面12cとの間には、不図示の隙間が空けられている。また、ピストン15の外周面15hとシリンダ12aの筒面12cとの間には、円環状のシール部材20が介在している。シール部材20は、ゴム等によって構成され、弾性変形可能である。シール部材20は、シリンダ12aの筒面12cに設けられた凹部12fに入れられている。シール部材20は、ピストン15の中心軸Ax回りの回転を摩擦力によって制限する。
また、ピストン15の第一の方向X1の端面には、第二の方向X2に凹んだ凹部15jが設けられている。凹部15jには、ブレーキパッド13Aの裏板19に設けられた凸部19aが挿入されている。凸部19aは、裏板19の第二の方向X2の端面からピストン15に向けて突出している。凹部15jと凸部19aとの係合により、ピストン15の中心軸Ax回りの回転が制限される。すなわち、本実施形態では、ピストン15の中心軸Ax回りの回転の制限が、シール部材20の摩擦力の他に、凹部15jと凸部19aとの係合によっても行われる。なお、凹部15jと凸部19aとは、必須ではなく設けられていなくてもよい。
ピストン15には、収容室15aが設けられている。収容室15aは、ピストン15の第二の方向X2(端面12d側)の端面から、第一の方向X1に向かう凹状に構成されている。収容室15aの第二の方向X2の端部は、開放されている。すなわち、ピストン15は、第一の方向X1の端部が閉塞され第二の方向X2の端部が開放された円筒状に構成されている。また、図3に示されるように、ピストン15の内周面15fには、複数の凹部15d(第一の凹部)が設けられている。複数の凹部15dは、中心軸Axの周方向に互いに間隔を空けて配置されている。各凹部15dは、第一の方向X1に沿って延びている。各凹部15dには、中心軸Axの周方向で互いに間隔を空けて配置された一対の面15eが設けられている。面15eは、中心軸Axの周方向に臨んでいる。また、ピストン15の内周面15fにおける第一の方向X1の端部には、受部15bが設けられている。受部15bは、中心軸Axを中心とした環状の面状に構成されるとともに、第一の方向X1に向かうにつれて径が小さくなる面状(円錐面状)に構成されている。
シリンダ12aには、液圧室17が設けられている。液圧室17は、シリンダ12aの内部におけるピストン15の収容室15aとシリンダ12aの端面12dとの間に設けられている。液圧室17は、収容室15aを含む。液圧室17は、ボディー12に設けられたブレーキ液通路(不図示)と通じており、液圧室17には、ブレーキ液通路を介して油等のブレーキ液の流出入がなされる。
図2に示されるように、ブレーキパッド13Aは、ディスクロータ2とピストン15の間に配置され、ブレーキパッド13Bは、ディスクロータ2と爪12bとの間に配置されている。各ブレーキパッド13A,13Bは、ディスクロータ2に面した摩擦材18と、摩擦材18のディスクロータ2とは反対側に配置された裏板19とを有している。摩擦材18と裏板19とは、ロータ軸方向に互いに重ねられてかつ互いに固定されている。摩擦材18は、ディスクロータ2に接触して摩擦力を発生する。
図2に示されるように、移動機構16は、モータ21と、減速機構22と、運動変換機構23と、を備えている。モータ21、減速機構22、および運動変換機構23は、ボディー12に取り付けられて、ボディー12に支持されている。モータ21、減速機構22、および運動変換機構23は、ボディー12と一体にロータ軸方向に移動する。モータ21は、通電されることにより、駆動力(回転力)を発生する。モータ21の駆動力は、減速機構22によって減速されて、運動変換機構23に伝達される。モータ21は、不図示の制御部によって制御される。
運動変換機構23は、回転部材24と直動部材25とを有している。運動変換機構23は、モータ21による回転部材24の回転を直動部材25の直動に変換する。
回転部材24は、一部がシリンダ12aに配置された状態で中心軸Axに沿って延びている。また、回転部材24は、ボディー12の端面12dを貫通した貫通孔12gに挿入された状態で、中心軸Ax回りに回転可能にボディー12に支持されている。回転部材24は、軸部24aと、雄ねじ部24cと、フランジ部24bと、突出部24dと、を有している。
軸部24aは、中心軸Axに沿って延び、中心軸Axを中心として回転する。軸部24aには、雄ねじ部24cが設けられている。雄ねじ部24cは、シリンダ12a内に配置されている。また、雄ねじ部24cの少なくとも一部は、ピストン15の収容室15a内に配置されている。また、軸部24aとボディー12との間には、シール部材31が設けられている。
フランジ部24bは、軸部24aから中心軸Axと交差(一例として直交)する方向に延びている。フランジ部24bは、中心軸Ax回りの環状に構成されている。
突出部24dは、フランジ部24bの外周縁部24eから第二の方向X2に突出している。突出部24dは、中心軸Ax回りの環状に構成されている。したがって、突出部24dの先端面24fは、中心軸Ax回りの環状に構成されている。突出部24dおよび先端面24fは、中心軸Axと中心軸Axの径方向に離間している。先端面24fは、シリンダ12aの端面12dと面している。先端面24fおよび当該先端面24fと面した端面12dの部分は、例えば、中心軸Axと直交する平面状に構成されている。突出部24dは、例えば、金属材料によって構成されている。また、突出部24dは、例えば、ボディー12と同じ材料によって構成されている。先端面24fは、第一の接触面の一例であり、端面12dは、第二の接触面の一例である。
また、フランジ部24bとシリンダ12aの端面12dとの間には、スラスト軸受29と弾性部材30とが介在している。スラスト軸受29は、突出部24dの内側に配置され、フランジ部24b、ひいては回転部材24を第二の方向X2から中心軸Axの軸方向に支持している。弾性部材30は、スラスト軸受29とシリンダ12aの端面12dとの間に配置されている。弾性部材30は、中心軸Ax回りの環状に構成されている。弾性部材30は、例えば、エラストマによって構成され、中心軸Axの軸方向に弾性的に変形可能である。弾性部材30は、弾性的に圧縮した状態では、回転部材24を第一の方向X1に押す。上記構成では、スラスト軸受29と弾性部材30とによって、回転部材24の第二の方向X2の移動が制限される。また、弾性部材30は、相対位置変更機構40を構成している。換言すると、相対位置変更機構40は、弾性部材30を含む。相対位置変更機構40は、相対位置変更部とも称され、スラスト軸受29と弾性部材30とは、移動制限部とも称されうる。
また、軸部24aにおけるボディー12から突出した部分には、ボディー12からの抜け止めのために止め輪27(クリップ)が嵌着されている。この止め輪27がボディー12と当接することによって、回転部材24の第一の方向X1の移動が制限される。止め輪27は、移動制限部とも称されうる。
また、軸部24aは、ボディー12外で減速機構22に連結されており、減速機構22を介して伝達されるモータ21の駆動力によって中心軸Ax回りに回転する。
直動部材25は、第一の方向X1および第二の方向X2に移動可能にピストン15の収容室15aに収容されている。直動部材25は、中心軸Axを中心とした略円筒状(環状)に構成されている。直動部材25の内周面には、雌ねじ部25aが設けられている。雌ねじ部25aは、回転部材24の雄ねじ部24cと結合されている。また、図3に示されるように、直動部材25の外周面25fには、中心軸Axの径方向に突出した複数の凸部25bが設けられている。複数の凸部25bは、中心軸Axの周方向に互いに間隔を空けて配置されている。凸部25bは、第一の方向X1に沿って延びている。凸部25bにおける中心軸Axの周方向の両側の部分には、一対の面25cが設けられている。面25cは、中心軸Axの周方向に臨んでいる。凸部25bは、ピストン15の凹部15dに挿入されている。凸部25bの面25cは、凹部15dの面15eと、中心軸Axの周方向で面している。これらの面25cと面15eとが接触することにより、直動部材25が回転部材24の回転軸である中心軸Ax回りに回転するのが制限される。面25cと面15eとは、回転制限機構26を構成している。凸部25bは、第二の凸部の一例であり、面25cは、第二の面の一例である。直動部材25は、ナット部材とも称されうる。
回転制限機構26によって直動部材25の回転が制限された状態で回転部材24が回転すると、雄ねじ部24cと雌ねじ部25aによって、モータ21による回転部材24の回転が直動部材25の直動に変換される。モータ21(回転部材24)が一方向(正方向)に回転することにより、直動部材25が第一の方向X1に移動され、モータ21(回転部材24)が一方向の反対方向(逆方向)に回転することにより、直動部材25が第二の方向X2に移動される。
また、図2に示されるように、直動部材25には、押部25dが設けられている。押部25dは、直動部材25の部分の第一の方向X1の端部に設けられている。押部25dは、中心軸Axを中心とした環状の面状であって、第一の方向X1に向かうにつれて径が小さくなる面状(円錐面状)に構成されている。押部25dは、ピストン15の受部15bに面しており、第一の方向X1に受部15b(ピストン15)を押す。
上記構成では、走行モードの場合、ピストン15が非制動位置(初期位置、図2)に配置された状態から、不図示のブレーキペダルの押し込み操作がされると、液圧室17の圧力が上昇され、ピストン15は、液圧室17の圧力の作用によりシリンダ12a内を第一の方向X1に移動してブレーキパッド13Aを押す。これにより、ブレーキパッド13A,13Bがディスクロータ2を挟み込み、ディスクロータ2に対する制動力が生じる。このとき、シール部材20がピストン15との間の摩擦力によって弾性変形する。また、ブレーキペダルの押し込み操作が解除されると、液圧室17の圧力が低下され、ピストン15は、シール部材20の復元力によってシリンダ12a内を第二の方向X2に移動して非制動位置に戻る(図2)。これにより、ピストン15はブレーキパッド13Aを押さなくなる。この走行モードでは、ピストン15の受部15bと、直動部材25の押部25dと、は互いに離間している。よって、走行モードにおいて、直動部材25がピストン15の動きを妨げることがない。
また、例えば、上記の走行モードから駐車モードに変更された場合、モータ21が一方向に回転することにより、回転部材24が一方向に回転して、直動部材25が第一の方向X1に移動する。この移動の過程で直動部材25の押部25dがピストン15の受部15bと接触し、ピストン15は、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aを押す。これにより、ブレーキパッド13A,13Bがディスクロータ2を挟み込み、ディスクロータ2に対する制動力が生じる。すなわち、直動部材25は、回転部材24の回転に伴って中心軸Axに沿った第一の方向X1に直動することによりブレーキパッド13A,13Bを車輪100と一体回転するディスクロータ2に押圧させて制動力を発生させる。このとき、シール部材20がピストン15との間の摩擦力によって弾性変形する。また、このとき、押部25dが受部15bを押すことによりピストン15の中心軸Axの径方向の位置調整がなされる。そして、ブレーキパッド13A、ピストン15、および直動部材25の第一の方向X1への移動がディスクロータ2によって制限されると、モータ21の負荷(消費電力)が増える。モータ21の消費電力が規定量になった場合、モータ21の回転が停止する。また、駐車モードから走行モードに変更された場合、モータ21が他方向に所定量だけ回転することにより、回転部材24が他方向に所定量だけ回転して、直動部材25が第二の方向X2に移動して非制動位置(初期位置、図2)に戻る。このとき、ピストン15は、シール部材20の復元力によってシリンダ12a内を第二の方向X2に移動して非制動位置に戻る(図2)。
また、上記駐車モードにおいては、直動部材25の第一の方向X1への直動による制動力の発生に伴って、回転部材24を第一の方向X1の反対の第二の方向X2に押す力が生じる。この力を軸方向反力とも称する。本実施形態では、軸方向反力は、回転部材24のフランジ部24bおよびスラスト軸受29を介して弾性部材30に作用する。弾性部材30は、軸方向反力により弾性的に圧縮する。そして、直動部材25における突出部24dの先端面24fとシリンダ12aの端面12dとが離間した状態から(図4)、弾性部材30の圧縮に伴い、先端面24fが端面12dに近づき最終的にシリンダ12aの端面12dと接触する(図5)。このように先端面24fと端面12dとが接触した状態で、回転部材24が回転することにより、先端面24fが端面12dを摺動し、先端面24fと端面12dとの間に摺動抵抗(摩擦抵抗)が生じる。これにより、モータ21の駆動エネルギの一部が、先端面24fと端面12dとの間の摺動エネルギ(摺動により消費される損失エネルギ)として消費される。以下、先端面24fと端面12dとの摺動抵抗にかかるトルクをロストルクとも称する。図6には、弾性部材30の弾性変形量とロストルクとの関係が示されている。図6中の線L1は、ロストルクを示し、弾性変形量S1は、先端面24fと端面12dとが接触した状態での弾性部材30の弾性変形量である。図6から分かるように、先端面24fと端面12dとが接触していない状態(図6の領域I)では、弾性部材30の弾性変形量に関わらず、先端面24fと端面12dとによるロストルクは零である。一方、先端面24fと端面12dとが接触した状態(図6の領域II)では、弾性部材30の弾性変形量の増加に応じて、先端面24fと端面12dとによるロストルクが増加する。
本実施形態では、軸方向反力が、閾値以下の場合には、先端面24fと端面12dとが離間し、軸方向反力が閾値を超えた場合には、先端面24fと端面12dとが接触する。閾値は、適宜設定される規定の値(力の大きさ)である。閾値は、第一の値や第一の大きさとも称されうる。
また、駐車モードから走行モードに変更された場合には、上記のとおり、モータ21が他方向に所定量だけ回転することにより、回転部材24が他方向に所定量だけ回転して、直動部材25が第二の方向X2に移動して非制動位置(初期位置、図2)に戻る。この際、弾性部材30の弾性力によって、回転部材24が第一の方向X1に押され、先端面24fが端面12dから離間する(図4)。
以上のように、本実施形態では、相対位置変更機構40は、軸方向反力が、閾値以下の場合には、先端面24fと端面12dとが離間した状態となり、軸方向反力が閾値を超えた場合には、先端面24fと端面12dとが接触して先端面24fおよび端面12d間に摺動抵抗が生じるよう、先端面24fおよび端面12dの中心軸Ax方向における相対位置を変更する。
以上、説明したように、本実施形態では、例えば、相対位置変更機構40は、直動部材25の第一の方向X1への直動による制動力の発生に伴い生じ回転部材24を第一の方向X1の反対の第二の方向X2に押す力が、閾値以下の場合には、先端面24f(第1の接触面)と端面12d(第二の接触面)とが離間した状態となるよう、また、直動部材25の第一の方向X1への直動による制動力の発生に伴い生じ回転部材24を第一の方向X1の反対の第二の方向X2に押す力が閾値を超えた場合には、先端面24fと端面12dとが接触して先端面24fおよび端面12d間に摺動抵抗が生じるよう、先端面24fおよび端面12dの中心軸Ax方向における相対位置を変更する。よって、本実施形態によれば、例えば、回転部材24を第一の方向X1の反対の第二の方向X2に押す力が、閾値を超えた場合には、先端面24fと端面12dとが接触するので、モータ21の駆動エネルギの一部が先端面24fと端面12dとの摺動エネルギとして消費される。この摺動エネルギの分、直動部材25が回転部材24を第一の方向X1の反対の第二の方向X2に押す力(反力)に起因する反力エネルギが大きくなるのが抑制される。したがって、この反力エネルギが抑制される分、例えば、ボディー12(支持部材)の強度をそれに見合うものに抑えることができ、小型・軽量化などに寄与しうるようになる。
また、本実施形態では、例えば、相対位置変更機構40の弾性部材30は、ボディー12と回転部材24との間に介在し回転部材24を第一の方向X1に押す。よって、本実施形態によれば、例えば、弾性部材30によって、先端面24fと端面12dとを離間させることができる。また、先端面24fと端面12dとの離間状態を安定させることができる。
また、本実施形態では、例えば、先端面24fは、中心軸Axと中心軸Axの径方向に離間している。よって、本実施形態によれば、例えば、よって、当該車両用ブレーキによれば、例えば、先端面24fが中心軸Axと離間していない態様(但し、先端面24fの径方向幅が同じ場合)と比較して、先端面24fと端面12dとの摺動抵抗にかかるトルク(ロストルク)が大きくなりやすい。したがって、上述の摺動エネルギとして消費される分が大きくなりやすい。よって、上述の反力エネルギが大きくなるのが抑制されやすい。
また、本実施形態では、例えば、回転部材24は、中心軸Axと交差する方向に延びたフランジ部24bと、フランジ部24bの外周縁部24eから第二の方向X2に突出した突出部24dと、を有している。そして、第一の接触面は、突出部24dの先端面24fである。よって、本実施形態によれば、例えば、突出部24dがフランジ部24bの内周縁部に設けられている構成に比べて、先端面24fと端面12dとの摺動抵抗にかかるトルクが大きくなりやすい。したがって、上述の摺動エネルギとして消費される分が大きくなりやすい。よって、上述の反力エネルギが大きくなるのが抑制されやすい。
また、車両用ブレーキ1は、例えば、ボディー12に設けられ、液圧室17が設けられたシリンダ12aと、シリンダ12a内に第一の方向X1および第二の方向X2に移動可能に収容され、液圧室17の圧力の作用によりシリンダ12a内を第一の方向X1に移動してブレーキパッド13Aを押圧可能であるとともに、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aを押圧可能であるピストン15と、を備え、端面12dは、シリンダ12aに設けられている。よって、シリンダ12aおよびピストン15を備えた車両用ブレーキ1において、上述の反力エネルギが大きくなるのが抑制されやすい構成が得られる。
また、本実施形態では、先端面24fおよび当該先端面24fと接触する端面12dの部分とが、環状である。よって、それらが、環状でない構成に比べて、先端面24fと端面12dとの発生する面圧を低く抑えやすい。よって、先端面24fと端面12dとが摺動しても先端面24fと端面12dとの摩耗が抑制されやすい。
また、本実施形態では、例えば、突出部24d(先端面24f)と、ボディー12(シリンダ12aの端面12d)とは、同じ材料によって構成されている。よって、先端面24fと端面12dとが摺動しても先端面24fと端面12dとの摩耗が抑制されやすい。
なお、本実施形態では、先端面24fおよび端面12dの接触状態と離間状態との変更に、主に弾性部材30の弾性的な変形を用いたが、これに限られない。例えば、弾性部材30を設けずに、回転部材24とボディー12との間に介在するスラスト軸受29等の介在部材の弾性的な変形を、先端面24fおよび端面12dの接触状態と離間状態との変更に用いてもよい。なお、介在部材は、例えばワッシャーであってもよい。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、車両用ブレーキ1は、制動部材としてブレーキシューを備えたドラムブレーキであってもよい。また、例えば、第一の接触面および第二の接触面は、テーパ形状であってもよい。また、突出部(第一の接触面)は、中心軸回りに互いに間隔を空けて複数設けられていてもよい。また、弾性部材は、ばねであってもよい。また、突出部が弾性部材によって構成されていてもよい。
1…車両用ブレーキ、2…ディスクロータ(ロータ)、12…ボディー(支持部材)、12a…シリンダ、12d…端面(第二の接触面)、13A,13B…ブレーキパッド(制動部材)、15…ピストン、17…液圧室、21…モータ、24…回転部材、24b…フランジ部、24d…突出部、24e…外周縁部、24f…先端面(第一の接触面)、25…直動部材、30…弾性部材、40…相対位置変更機構、100…車輪、X1…第一の方向、X2…第二の方向、Ax…中心軸。
Claims (5)
- モータと、
支持部材と、
中心軸回りに回転可能に前記支持部材に支持され、前記モータによって回転される回転部材と、
前記回転部材の回転に伴って前記中心軸に沿った第一の方向に直動することにより制動部材を車輪と一体回転するロータに押圧させて制動力を発生させる直動部材と、
前記回転部材に設けられた第一の接触面と、
前記支持部材に設けられ、前記第一の接触面と面した第二の接触面と、
前記直動部材の前記第一の方向への直動による前記制動力の発生に伴い生じ前記回転部材を前記第一の方向の反対の第二の方向に押す力が、閾値以下の場合には、前記第一の接触面と前記第二の接触面とが離間した状態となるよう、また、前記力が前記閾値を超えた場合には、前記第一の接触面と前記第二の接触面とが接触して当該両接触面間に摺動抵抗が生じるよう、当該両接触面の前記中心軸方向における相対位置を変更する相対位置変更機構と、
を備えた、車両用ブレーキ。 - 前記相対位置変更機構は、前記支持部材と前記回転部材との間に介在し前記回転部材を前記第一の方向に押す弾性部材を備えた、請求項1に記載の車両用ブレーキ。
- 前記第一の接触面は、前記中心軸と前記中心軸の径方向に離間した請求項1または2に記載の車両用ブレーキ。
- 前記回転部材は、
前記中心軸と交差する方向に延びたフランジ部と、
前記フランジ部の外周縁部から前記第二の方向に突出した突出部と、
を有し、
前記第一の接触面は、前記突出部の先端面である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両用ブレーキ。 - 前記支持部材に設けられ、液圧室が設けられたシリンダと、
前記シリンダ内に前記第一の方向および前記第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動して前記制動部材を押圧可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記制動部材を押圧可能であるピストンと、
を備え、
前記第二の接触面は、前記シリンダに設けられた、請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両用ブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017060217A JP2018162840A (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 車両用ブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017060217A JP2018162840A (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 車両用ブレーキ |
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JP2018162840A true JP2018162840A (ja) | 2018-10-18 |
Family
ID=63859166
Family Applications (1)
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JP2017060217A Pending JP2018162840A (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 車両用ブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018162840A (ja) |
-
2017
- 2017-03-24 JP JP2017060217A patent/JP2018162840A/ja active Pending
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