JP2018162839A - 車両用ブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】運動変換機構に緩みが生じにくい新規な構成の車両用ブレーキを得る。【解決手段】車両用ブレーキは、回転部材の回転を直動部材の直動に変換する運動変換機構と、液圧室の圧力の作用によりシリンダ内を第一の方向に移動してブレーキパッドをディスクロータに押し付け可能であるとともに、第一の方向に移動する直動部材に押されてブレーキパッドをディスクロータに押し付け可能であるピストンと、液圧室の第二の方向の圧力を受ける第一の受部と、回転部材から第二の方向の力を受ける第二の受部と、を備え、ピストンが直動部材に押されてブレーキパッドをディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの第二の受部の第二の方向の変位量が、ピストンが液圧室の圧力の作用によりブレーキパッドをディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの第一の受部の第二の方向の変位量よりも大きい。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用ブレーキに関する。
従来、車両の走行時には液圧によってブレーキパッドをディスクロータに押し付けて車輪を制動し、車両の駐車時にはモータの駆動力によってブレーキパッドをディスクロータに押し付けて車輪を制動する車両用ブレーキが知られている。この種の車両用ブレーキは、例えば、モータによる回転部材の回転を直動部材の直動に変換する運動変換機構を備え、直動部材の直動によって制動力を生じるものがある。
しかしながら、従来の車両用ブレーキでは、車両の走行時の制動においてディスクロータとの摩擦によって熱膨張したブレーキパッドが、車両の駐車中に冷えて縮むという現象が生じることがある。このような現象が生じると、ブレーキパッドをディスクロータに押し付けて車両の駐車状態を維持している運動変換機構に緩みが生じる虞がある。そこで、この種の車両用ブレーキでは、例えば、運動変換機構に緩みが生じにくい新規な構成が得られれば、有意義である。
本発明の車両用ブレーキは、例えば、モータと、中心軸回りに回転可能な回転部材と、前記中心軸に沿った第一の方向及び前記第一の方向の反対の第二の方向に直動可能な直動部材と、を有し、前記モータによる前記回転部材の回転を前記直動部材の直動に変換する運動変換機構と、液圧室が設けられたシリンダを有したボディーと、前記シリンダ内に前記第一の方向及び前記第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動してブレーキパッドをディスクロータに押し付け可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押し付け可能であるピストンと、前記シリンダに設けられ、前記液圧室の前記第二の方向の圧力を受ける第一の受部と、前記ボディーに設けられ、前記回転部材から前記第二の方向の力を受け前記回転部材の前記第二の方向への移動を制限する第二の受部と、を備え、前記ピストンが前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの前記第二の受部の前記第二の方向の変位量が、前記ピストンが前記液圧室の圧力の作用により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの前記第一の受部の前記第二の方向の変位量よりも大きいことを特徴とする。
前記構成によれば、例えば、ピストンが直動部材に押されてブレーキパッドをディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの第二の受部の第二の方向の変位量が、ピストンが液圧室の圧力の作用によりブレーキパッドをディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの第一の受部の第二の方向の変位量と同じである構成に比べて、単位押圧力あたりの第二の受部の変位量が大きくなる。これにより、例えば、車両の走行時の制動においてディスクロータとの摩擦によって熱膨張したブレーキパッドが車両の駐車中に冷えて縮んだ場合、その縮みが第二の受部の変位によって吸収されやすい。よって、前記構成によれば、運動変換機構に緩みが生じにくい。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記ボディーは、前記シリンダ及び前記第一の受部を有した第一のボディー部材と、前記第二の受部を有し前記第一のボディー部材とは異なる第二のボディー部材と、を有している。
前記構成によれば、例えば、第二のボディー部材が第一のボディー部材とは異なる部材であるので、設計段階の第二のボディー部材の剛性の設定によって、第二の受部の変位量を設定することができる。
また、前記車両用ブレーキは、例えば、前記ボディーは、前記第一の受部を含む前記シリンダの一部及び前記第二の受部が設けられた受部側ボディー部材と、前記シリンダの他部が設けられ前記受部側ボディー部材の前記第一の方向に位置され前記受部側ボディー部材に対して相対的に前記第一の方向に変位可能に前記受部側ボディー部材と連結された他のボディー部材と、を有し、前記受部側ボディー部材及び前記他のボディー部材を互いに近づける方向に付勢するとともに所定の予荷重が設定された弾性部を備え、前記ピストンが前記液圧室の圧力の作用により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重以下の押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位せず、前記ピストンが前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重より大きい押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記弾性部の弾性力に抗して前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位する。
前記構成によれば、例えば、設計段階の弾性部の弾性(弾性変形のしやすさ)等の設定、及びディスクロータに対するブレーキパッドの押圧力の大きさを液圧室の圧力作用にてピストンを駆動する場合と直動部材にてピストンを駆動する場合とで異ならせることによって、第一及び第二の受部の変位量を設定することができる。
また、本発明の車両用ブレーキは、例えば、モータと、中心軸回りに回転可能な回転部材と、前記中心軸に沿った第一の方向及び前記第一の方向の反対の第二の方向に直動可能な直動部材と、を有し、前記モータによる前記回転部材の回転を前記直動部材の直動に変換する運動変換機構と、液圧室が設けられたシリンダを有したボディーと、前記シリンダ内に前記第一の方向及び前記第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動してブレーキパッドをディスクロータに押し付け可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押し付け可能であるピストンと、前記シリンダに設けられ、前記液圧室の前記第二の方向の圧力を受ける第一の受部と、前記ボディーに設けられ、前記回転部材から前記第二の方向の力を受け前記回転部材の前記第二の方向への移動を制限する第二の受部と、を備え、前記ボディーは、前記第一の受部を含む前記シリンダの一部及び前記第二の受部が設けられた受部側ボディー部材と、前記シリンダの他部が設けられ前記受部側ボディー部材の前記第一の方向に位置され前記受部側ボディー部材に対して相対的に前記第一の方向に変位可能に前記受部側ボディー部材と連結された他のボディー部材と、を有し、前記受部側ボディー部材及び前記他のボディー部材を互いに近づける方向に付勢するとともに所定の予荷重が設定された弾性部を備え、前記ピストンが前記液圧室の圧力の作用により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重以下の押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位せず、前記ピストンが前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重より大きい押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記弾性部の弾性力に抗して前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位することを特徴とする。
前記構成によれば、例えば、車両の走行時の制動においてディスクロータとの摩擦によって熱膨張したブレーキパッドが車両の駐車中に冷えて縮んだ場合、その縮みが第二の受部の変位によって吸収されやすい。よって、前記構成によれば、運動変換機構に緩みが生じにくい。
また、前記車両用ブレーキは、例えば、前記受部側ボディー部材と前記他のボディー部材との間に介在したシール部材を備えている。
前記構成によれば、例えば、受部側ボディー部材と他のボディー部材との間のシール性がシール部材によって確保される。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。また、本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
<第1実施形態>
図1,2に示されるように、本実施形態の車両用ブレーキ1は、車軸ハブ(図示省略の回転体)に組み付けられて車輪(不図示)と一体に回転するディスクロータ2と、ディスクロータ2の周縁部を跨いで配置されるキャリパ3と、を備えている。すなわち、車両用ブレーキ1は、ディスクブレーキである。なお、以下では、ディスクロータ2の中心軸(回転中心)の軸方向をロータ軸方向、ディスクロータ2の径方向をロータ径方向、ディスクロータ2の周方向をロータ周方向とも称する。ロータ周方向は、ロータ軸方向及びロータ径方向と交差する。車両用ブレーキ1は、車両用電動ブレーキとも称されうる。
図1,2に示されるように、本実施形態の車両用ブレーキ1は、車軸ハブ(図示省略の回転体)に組み付けられて車輪(不図示)と一体に回転するディスクロータ2と、ディスクロータ2の周縁部を跨いで配置されるキャリパ3と、を備えている。すなわち、車両用ブレーキ1は、ディスクブレーキである。なお、以下では、ディスクロータ2の中心軸(回転中心)の軸方向をロータ軸方向、ディスクロータ2の径方向をロータ径方向、ディスクロータ2の周方向をロータ周方向とも称する。ロータ周方向は、ロータ軸方向及びロータ径方向と交差する。車両用ブレーキ1は、車両用電動ブレーキとも称されうる。
また、車両用ブレーキ1は、走行モード及び駐車モードを含む複数のモードを有している。モードは、不図示の操作部によって切り替えられる。走行モードでは、車両用ブレーキ1は、キャリパ3の一対のブレーキパッド13A,13B(図2)をブレーキ液の液圧によってディスクロータ2に押圧させることにより制動力を生じる。駐車モードでは、車両用ブレーキ1は、一対のブレーキパッド13A,13Bをモータ21の駆動力によってディスクロータ2に押圧させることにより制動力を生じる。
図1,2に示されるように、キャリパ3は、車体に設けられた支持部材に固定されるマウンティング11と、ロータ軸方向に移動可能にマウンティング11に支持されたボディー12と、ロータ軸方向に移動可能にマウンティング11に支持された一対のブレーキパッド13A,13Bと、ロータ軸方向に移動可能にボディー12に支持されたピストン15と、ボディー12に支持された移動機構16と、を備えている。
図1に示されるように、ボディー12は、一対のスライドピン14によってマウンティング11に対してロータ軸方向に移動可能に取り付けられている。ボディー12は、車体側からディスクロータ2をロータ軸方向に跨いで延出している。図1,2に示されるように、ボディー12は、シリンダ12aと一対の爪12bとを有している。ボディー12は、例えば金属材料によって構成されている。ボディー12は、支持部材の一例である。ボディー12は、ハウジングとも称されうる。
シリンダ12aは、ディスクロータ2のロータ軸方向の一方側(図2の右側)に配置されている。シリンダ12aは、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。シリンダ12aは、筒面12cと端面12dとを有している。筒面12cは、中心軸Axを中心とした円筒状に構成されている。中心軸Axは、ロータ軸方向に沿って延びている。端面12dは、筒面12cのロータ軸方向の一方側の端部に接続されて、当該端部の開口を閉塞している。筒面12cは、内周面とも称されうる。
爪12bは、ディスクロータ2のロータ軸方向の他方側(図2の左側)に配置されている。一対の爪12bは、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。
また、図2に示されるように、ボディー12は、中心軸Axに沿って並んだ複数の壁部12h,12i,12jを有している。壁部12h,12i,12jは、中心軸Axと交差する方向に延びている。壁部12hは、シリンダ12aの端面12dを含む。
壁部12iは、壁部12hの第二の方向X2に配置されている。壁部12iの中心軸Axの軸方向の厚さは、壁部12hの中心軸Axの軸方向の厚さよりも薄い。壁部12iの中心軸Axの軸方向に関する剛性は、壁部12hの中心軸Axの軸方向に関する剛性よりも低い。すなわち、壁部12iは、壁部12hよりも中心軸Axの軸方向に変形しやすい(たわみやすい)。壁部12iは、低剛性部とも称され、壁部12hは、高剛性部とも称されうる。
また、壁部12jは、壁部12iの第二の方向X2に配置されている。
また、ボディー12は、壁部12hと壁部12iとの間に設けられた筒部12kと、壁部12iと壁部12jとの間に設けられた筒部12mと、を有している。筒部12k,12mは、中心軸Ax回りの環状に構成されている。
また、ボディー12には、収容室41,42が設けられている。収容室41は、壁部12h,12iと筒部12kとに囲まれている。収容室42は、壁部12i,12jと筒部12mとに囲まれている。収容室42には、減速機構22が収容されている。
また、ボディー12は、複数のボディー部材51〜54の組み合わせとして構成されている。ボディー部材52は、ボディー部材51の第二の方向X2に位置され、ボディー部材53は、ボディー部材52の第二の方向X2に位置され、ボディー部材54は、ボディー部材53の第二の方向X2に位置されている。ボディー部材51は、シリンダ12aの筒面12c及び端面12dと、壁部12hと、を含む。ボディー部材52は、壁部12iの少なくとも一部と筒部12kの少なくとも一部を含む。ボディー部材53は、筒部12mの少なくとも一部を含む。ボディー部材54は、壁部12jを含む。ボディー部材51〜53は、複数のボルト61によって結合されている。また、ボディー部材53,54は、例えば嵌め合いによって結合されている。ボディー部材51は、第一のボディー部材の一例であり、ボディー部材52は、第二のボディー部材の一例である。
図2に示されるように、ピストン15は、ディスクロータ2のロータ軸方向の一方側に配置され、ロータ軸方向でディスクロータ2に間隔を空けて配置されている。ピストン15は、シリンダ12a内に第一の方向X1及び第一の方向X1とは反対の第二の方向X2に移動可能に収容されている。第一の方向X1及び第二の方向X2は、中心軸Axに沿っている。ピストン15は、液圧によってディスクロータ2に向けて(第一の方向X1に)移動して、ディスクロータ2との間に介在したブレーキパッド13Aをディスクロータ2に向けて押圧する。この押圧反力によってボディー12が第二の方向X2に移動して、ボディー12の爪12bが、ディスクロータ2と爪12bとの間に介在したブレーキパッド13Bをディスクロータ2に向けて押圧する。すなわち、一対のブレーキパッド13A,13Bは、それぞれ押圧部材であるピストン15及び爪12bによってディスクロータ2に押し付けられる。
また、ピストン15の外周面15hとシリンダ12aの筒面12cとの間には、不図示の隙間が空けられている。また、ピストン15の外周面15hとシリンダ12aの筒面12cとの間には、円環状のシール部材20が介在している。シール部材20は、ゴム等によって構成され、弾性変形可能である。シール部材20は、シリンダ12aの筒面12cに設けられた凹部12fに入れられている。シール部材20は、ピストン15の中心軸Ax回りの回転を摩擦力によって制限する。
また、ピストン15の第一の方向X1の端面には、第二の方向X2に凹んだ凹部15jが設けられている。凹部15jには、ブレーキパッド13Aの裏板19に設けられた凸部19aが挿入されている。凸部19aは、裏板19の第二の方向X2の端面からピストン15に向けて突出している。凹部15jと凸部19aとの係合により、ピストン15の中心軸Ax回りの回転が制限される。すなわち、本実施形態では、ピストン15の中心軸Ax回りの回転の制限が、シール部材20の摩擦力の他に、凹部15jと凸部19aとの係合によっても行われる。なお、凹部15jと凸部19aとは、必須ではなく設けられていなくてもよい。
ピストン15には、収容室15aが設けられている。収容室15aは、ピストン15の第二の方向X2(端面12d側)の端面から、第一の方向X1に向かう凹状に構成されている。収容室15aの第二の方向X2の端部は、開放されている。すなわち、ピストン15は、第一の方向X1の端部が閉塞され第二の方向X2の端部が開放された円筒状に構成されている。また、図3に示されるように、ピストン15の内周面15fには、複数の凹部15d(第一の凹部)が設けられている。複数の凹部15dは、中心軸Axの周方向に互いに間隔を空けて配置されている。各凹部15dは、第一の方向X1に沿って延びている。各凹部15dには、中心軸Axの周方向で互いに間隔を空けて配置された一対の面15eが設けられている。面15eは、中心軸Axの周方向に臨んでいる。また、ピストン15の内周面15fにおける第一の方向X1の端部には、受部15bが設けられている。受部15bは、中心軸Axを中心とした環状の面状に構成されるとともに、第一の方向X1に向かうにつれて径が小さくなる面状(円錐面状)に構成されている。
シリンダ12aには、液圧室17が設けられている。液圧室17は、シリンダ12aの内部におけるピストン15の収容室15aとシリンダ12aの端面12dとの間に設けられている。液圧室17は、収容室15aを含む。液圧室17は、ボディー12に設けられたブレーキ液通路(不図示)と通じており、液圧室17には、ブレーキ液通路を介して油等のブレーキ液の流出入がなされる。液圧室17に面した端面12dは、液圧室17の第二の方向X2の圧力(ブレーキ液の液圧)を受ける。端面12dは、第一の受部の一例である。
図2に示されるように、ブレーキパッド13Aは、ディスクロータ2とピストン15の間に配置され、ブレーキパッド13Bは、ディスクロータ2と爪12bとの間に配置されている。各ブレーキパッド13A,13Bは、ディスクロータ2に面した摩擦材18と、摩擦材18のディスクロータ2とは反対側に配置された裏板19とを有している。摩擦材18と裏板19とは、ロータ軸方向に互いに重ねられてかつ互いに固定されている。摩擦材18は、ディスクロータ2に接触して摩擦力を発生する。
図1,2に示されるように、移動機構16は、モータ21(図1)と、減速機構22(図2)と、運動変換機構23(図2)と、を備えている。モータ21、減速機構22、及び運動変換機構23は、ボディー12に取り付けられて、ボディー12に支持されている。モータ21、減速機構22、及び運動変換機構23は、ボディー12と一体にロータ軸方向に移動する。モータ21は、通電されることにより、駆動力(回転力)を発生する。モータ21の駆動力は、減速機構22によって減速されて、運動変換機構23に伝達される。モータ21は、不図示の制御部によって制御される。
運動変換機構23は、回転部材24と直動部材25とを有している。運動変換機構23は、モータ21による回転部材24の回転を直動部材25の直動に変換する。
回転部材24は、一部がシリンダ12aに配置された状態で中心軸Axに沿って延びている。また、回転部材24は、ボディー12の壁部12h(端面12d)を貫通した貫通孔12gに挿入された状態で、中心軸Ax回りに回転可能にボディー12に支持されている。回転部材24の一部は、収容室41,42に収容されている。
回転部材24は、軸部24aと、フランジ部24bと、雄ネジ部24cと、を有している。
軸部24aは、中心軸Axに沿って延び、中心軸Axを中心として回転する。軸部24aには、雄ネジ部24cが設けられている。雄ネジ部24cは、シリンダ12a内に配置されている。また、雄ネジ部24cの少なくとも一部は、ピストン15の収容室15a内に配置されている。また、軸部24aとボディー12の壁部12hとの間には、シール部材31が設けられている。
フランジ部24bは、収容室41に収容されている。フランジ部24bは、軸部24aから中心軸Axと交差(一例として直交)する方向に延びている。フランジ部24bは、中心軸Ax回りの環状に構成されている。
また、フランジ部24bと壁部12iとの間には、スラスト軸受29が介在している。壁部12iには、第一の方向X1を向いた受面12nが設けられており、この受面12nがスラスト軸受29を中心軸Axの軸方向に支持している。受面12nは、中心軸Axの軸方向と交差(一例として直交)する方向に広がっている。上記構成では、受面12nは、スラスト軸受29を介して回転部材24から第二の方向X2の力を受け、回転部材24の第二の方向X2への移動を制限する。回転部材24からの第二の方向X2の力は、直動部材25の第一の方向X1への直動に伴って、回転部材24を第一の方向X1の反対の第二の方向X2に押す力(反力)である。受面12nは、第二の受部の一例である。
また、軸部24aの一部は、収容室41,42に収容されている。軸部24aにおける収容室42に収容された部分には、止め輪27(クリップ)が嵌着されている。この止め輪27が壁部12iと当接することによって、回転部材24の第一の方向X1の移動が制限される。止め輪27は、移動制限部とも称されうる。
また、軸部24aは、減速機構22に連結されており、減速機構22を介して伝達されるモータ21の駆動力によって中心軸Ax回りに回転する。
直動部材25は、第一の方向X1及び第二の方向X2に移動可能にピストン15の収容室15aに収容されている。直動部材25は、中心軸Axを中心とした略円筒状(環状)に構成されている。直動部材25の内周面には、雌ネジ部25aが設けられている。雌ネジ部25aは、回転部材24の雄ネジ部24cと結合されている。また、図3に示されるように、直動部材25の外周面25fには、中心軸Axの径方向に突出した複数の凸部25bが設けられている。複数の凸部25bは、中心軸Axの周方向に互いに間隔を空けて配置されている。凸部25bは、第一の方向X1に沿って延びている。凸部25bにおける中心軸Axの周方向の両側の部分には、一対の面25cが設けられている。面25cは、中心軸Axの周方向に臨んでいる。凸部25bは、ピストン15の凹部15dに挿入されている。凸部25bの面25cは、凹部15dの面15eと、中心軸Axの周方向で面している。これらの面25cと面15eとが接触することにより、直動部材25が回転部材24の回転軸である中心軸Ax回りに回転するのが制限される。面25cと面15eとは、回転制限機構26を構成している。直動部材25は、ナット部材とも称されうる。
回転制限機構26によって直動部材25の回転が制限された状態で回転部材24が回転すると、雄ネジ部24cと雌ネジ部25aによって、モータ21による回転部材24の回転が直動部材25の直動に変換される。モータ21(回転部材24)が一方向(正方向)に回転することにより、直動部材25が第一の方向X1に移動され、モータ21(回転部材24)が一方向の反対方向(逆方向)に回転することにより、直動部材25が第二の方向X2に移動される。
また、図2に示されるように、直動部材25には、押部25dが設けられている。押部25dは、直動部材25の部分の第一の方向X1の端部に設けられている。押部25dは、中心軸Axを中心とした環状の面状であって、第一の方向X1に向かうにつれて径が小さくなる面状(円錐面状)に構成されている。押部25dは、ピストン15の受部15bに面しており、第一の方向X1に受部15b(ピストン15)を押す。
上記構成では、走行モードの場合、ピストン15が非制動位置(初期位置、図2)に配置された状態から、不図示のブレーキペダルの押し込み操作がされると、液圧室17の圧力が上昇され、ピストン15は、液圧室17の圧力の作用によりシリンダ12a内を第一の方向X1に移動してブレーキパッド13Aを押す。これにより、ブレーキパッド13A,13Bがディスクロータ2を挟み込み、ディスクロータ2に対する制動力が生じる。このとき、シール部材20がピストン15との間の摩擦力によって弾性変形する。また、ブレーキペダルの押し込み操作が解除されると、液圧室17の圧力が低下され、ピストン15は、シール部材20の復元力によってシリンダ12a内を第二の方向X2に移動して非制動位置に戻る(図2)。これにより、ピストン15はブレーキパッド13Aを押さなくなる。この走行モードでは、ピストン15の受部15bと、直動部材25の押部25dと、は互いに離間している。よって、走行モードにおいて、直動部材25がピストン15の動きを妨げることがない。
また、例えば、上記の走行モードから駐車モードに変更された場合、モータ21が一方向に回転することにより、回転部材24が一方向に回転して、直動部材25が第一の方向X1に移動する。この移動の過程で直動部材25の押部25dがピストン15の受部15bと接触し、ピストン15は、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aを押す。これにより、ブレーキパッド13A,13Bがディスクロータ2を挟み込み、ディスクロータ2に対する制動力が生じる。すなわち、直動部材25は、回転部材24の回転に伴って中心軸Axに沿った第一の方向X1に直動することによりブレーキパッド13A,13Bに車輪を制動させる。このとき、シール部材20がピストン15との間の摩擦力によって弾性変形する。また、このとき、押部25dが受部15bを押すことによりピストン15の中心軸Axの径方向の位置調整がなされる。そして、ブレーキパッド13A、ピストン15、及び直動部材25の第一の方向X1への移動がディスクロータ2によって制限されると、モータ21の負荷(消費電力)が増える。モータ21の消費電力が規定量になった場合、モータ21の回転が停止する。また、駐車モードから走行モードに変更された場合、モータ21が他方向に所定量だけ回転することにより、回転部材24が他方向に所定量だけ回転して、直動部材25が第二の方向X2に移動して非制動位置(初期位置、図2)に戻る。このとき、ピストン15は、シール部材20の復元力によってシリンダ12a内を第二の方向X2に移動して非制動位置に戻る(図2)。
また、本実施形態では、駐車モードにおいてピストン15が直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の単位押圧力あたりの受面12nの第二の方向X2の変位量が、走行モードにおいてピストン15が液圧室17の圧力の作用によりブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の端面12dの第二の方向X2の変位量よりも大きい。すなわち、本実施形態では、駐車モードにおいてピストン15が直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押し付けた場合の受面12nの第二の方向X2の変位量(最大変位量)が、走行モードにおいてピストン15が液圧室17の圧力の作用によりブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押し付けた場合の端面12dの第二の方向X2の変位量(最大変位量)よりも大きい。ここで、図4には、ブレーキパッド13Aを押す単位押圧力とボディー12の変位量との関係が示されている。図4中の破線L1は、駐車モードにおいてピストン15が直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の単位押圧力あたりの受面12nの第二の方向X2の変位量を示している。また、図4中の実線L2は、走行モードにおいてピストン15が液圧室17の圧力の作用によりブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の端面12dの第二の方向X2の変位量を示している。図4から分かるように、ブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の単位押圧力が同じ場合、受面12nの変位量の方が、端面12dの変形量よりも大きい。なお、上記の変位量は、たわみ量ということもできる。
以上、説明したように、本実施形態では、例えば、運動変換機構23は、中心軸Ax回りに回転可能な回転部材24と、中心軸Axに沿った第一の方向X1及び第一の方向X1の反対の第二の方向X2に直動可能な直動部材25と、を有し、モータ21による回転部材24の回転を直動部材25の直動に変換する。また、ボディー12は、液圧室17が設けられたシリンダ12aを有している。また、ピストン15は、シリンダ12a内に第一の方向X1及び第二の方向X2に移動可能に収容され、液圧室17の圧力の作用によりシリンダ12a内を第一の方向X1に移動してブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押し付け可能であるとともに、第一の方向X1に移動する直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押し付け可能である。また、端面12d(第一の受部)は、シリンダ12aに設けられ、液圧室17の第二の方向X2の圧力を受ける。また、受面12n(第二の受部)は、ボディー12に設けられ、回転部材24から第二の方向X2の力を受け回転部材24の第二の方向X2への移動を制限する。そして、ピストン15が直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の単位押圧力あたりの受面12nの第二の方向X2の変位量が、ピストン15が液圧室17の圧力の作用によりブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の端面12dの第二の方向X2の変位量よりも大きい。
よって、本実施形態によれば、例えば、ピストン15が直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の受面12nの第二の方向X2の変位量が、ピストン15が液圧室17の圧力の作用によりブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させた場合の端面12dの第二の方向X2の変位量と同じである構成に比べて、受面12nの変位量が大きくなる。これにより、例えば、車両の走行時の制動においてディスクロータ2との摩擦によって熱膨張したブレーキパッド13Aが車両の駐車中に冷えて縮んだ場合、その縮みが受面12nの変位によって吸収されやすい。よって、本実施形態によれば、運動変換機構23において、雄ネジ部24cと雌ネジ部25aとの緩みが生じにくい。
また、本実施形態では、例えば、ボディー12は、シリンダ12a及び端面12dを有したボディー部材51と、受面12nを有しボディー部材51とは異なるボディー部材52と、を有している。よって、本実施形態によれば、例えば、ボディー部材52がボディー部材51とは異なる部材であるので、設計段階のボディー部材52の剛性の設定によって、受面12nの変位量を設定することができる。
<第2の実施形態>
図5に示される本実施形態の車両用ブレーキ1Aは、第1の実施形態の車両用ブレーキ1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。以下では、第1の実施形態に対して異なる構成を主に説明する。
図5に示される本実施形態の車両用ブレーキ1Aは、第1の実施形態の車両用ブレーキ1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。以下では、第1の実施形態に対して異なる構成を主に説明する。
図5に示されるように、本実施形態では、シリンダ12aの端面12dが壁部12iに設けられている。すなわち、ボディー部材52に端面12dが設けられている。また、フランジ部24bとスラスト軸受29とがシリンダ12aの液圧室17内に収容されている。フランジ部24bと端面12dとの間に、スラスト軸受29が介在している。端面12dがスラスト軸受29を中心軸Axの軸方向に支持している。上記構成では、端面12dは、スラスト軸受29を介して回転部材24から第二の方向X2の力を受け、回転部材24の第二の方向X2への移動を制限する。なお、本実施形態では、壁部12h(図2)及び収容室41(図2)は設けられていない。端面12dは、第一の受部及び第二の受部の一例である。
また、本実施形態では、ボディー12は、第1の実施形態と同様に複数のボディー部材51〜54の組み合わせによって構成されている。ボディー部材51は、シリンダ12aの筒面12cの少なくとも一部を含む。ボディー部材52は、端面12dを含み、ボディー部材51の第二の方向X2に位置されている。換言すると、ボディー部材51は、ボディー部材52の第一の方向X1に位置されている。ボディー部材52の第一の方向X1の端面52aは、ボディー部材51の第二の方向X2の端面51aと重ねられており、端面51a,52aは、接触している。ボディー部材52は、ボディー部材51とボディー部材53とに中心軸Axの軸方向に挟まれた状態で、ボルト61によってボディー部材51,53と連結されている。本実施形態では、ボディー部材51は、ボディー部材52に対して相対的に第一の方向X1に変位可能にボディー部材52と連結されている。すなわち、ボディー部材52は、ボディー部材51に対して相対的に第二の方向X2に変位可能にボディー部材51と連結されている。ボディー部材51は、他のボディー部材の一例であり、ボディー部材52は、受部側ボディー部材の一例である。
ボルト61は、頭部61aと軸部61bとを有している。軸部61bは、中心軸Axの軸方向に延びている。軸部61bは、頭部61aに接続された非ネジ部61cと、非ネジ部61cに接続された雄ネジ部61dと、を有している。頭部61aは、ボディー部材53に設けられたフランジ部53aと重ねられている。非ネジ部61cは、ネジ(雄ネジ部61d)が形成されていない部分である。非ネジ部61cは、ボディー部材52,53に形成された非ネジ孔52d,53dに入れられている。雄ネジ部61dは、ボディー部材51に設けられた雌ネジ部51bと結合している。ボルト61には、予荷重(軸方向の力)が付与されている。この予荷重により、非ネジ部61cが中心軸Axの軸方向に弾性的に伸びた状態で、設けられている。すなわち、非ネジ部61cに予荷重が設定されている。非ネジ部61cは、ボディー部材51及びボディー部材52を互いに近づける方向に付勢する。非ネジ部61cは、弾性部の一例である。
また、ボディー部材51とボディー部材52との間には、シール部材62が介在している。シール部材62は、端面51a,52aの間に介在している。シール部材62は、端面51a,52a間の距離の変化に応じて弾性的に伸縮(変形)して、端面51a,52a間をシールする。シール部材62は、例えばOリングである。また、ボディー部材52とボディー部材53との間には、シール部材63が介在している。シール部材63は、例えばOリングである。
本実施形態では、走行モードでの制動は、シリンダ12aの端面12dが受ける中心軸Axの軸方向の力がボルト61の予荷重以下の範囲で行われる。これにより、ボディー部材51とボディー部材51とが相対的に移動することが無く、ボディー部材51の端面51aとボディー部材52の端面52aとの接触状態が維持される。
一方、駐車モードでの制動は、シリンダ12aの端面12dが受ける中心軸Axの軸方向の力がボルト61の予荷重を超えた範囲を含む範囲で行われる。シリンダ12aの端面12dが受ける中心軸Axの軸方向の力がボルト61の予荷重を超えると、ボディー部材51に対してボディー部材52が第二の方向X2に相対的に移動する。これにより、ボディー部材51の端面51aとボディー部材52の端面52aとの間に隙間が生じる。この場合でも、シール部材62は、端面51a,52aに接触して、端面51a,52aの間をシールしている。この際、ボディー部材52は、非ネジ部61cの弾性力に抗してボディー部材51に対して第二の方向X2に相対的に移動する。すなわち、非ネジ部61cは、中心軸Axの軸方向に伸びて、ボディー部材51とボディー部材52とが近づく方向の弾性力をボディー部材51とボディー部材52とに作用させる。制動が解除されると、非ネジ部61cの弾性力によって、ボディー部材51とボディー部材52とが近づく方向にボディー部材51とボディー部材52とが相対的に移動して、ボディー部材51の端面51aとボディー部材52の端面52aとが接触し、それらの間の隙間が無くなる。
図6には、ブレーキパッド13Aを押す押圧力とボディー12の端面12dの変位量との関係が実線L3によって示されている。図6中の第一の押圧力F1は、ボルト61の予荷重と同じ大きさである。図6から分かるように、押圧力の増加量に対する端面12dの変位量の増加量は、押圧力が第一の押圧力F1未満の場合に比べて、押圧力が第一の押圧力F1を超えた場合の方が大きい。すなわち、押圧力が第一の押圧力F1未満の場合に比べて、押圧力が第一の押圧力F1を超えた場合の方が、端面12dが変位しやすい(たわみやすい)。つまり、ボディー12及びボルト61を含む構造において、第一の押圧力F1を境にして剛性の変化(切り替え)が生じると言える。当該剛性は、押圧力が第一の押圧力F1未満の場合に比べて、押圧力が第一の押圧力F1を超えた場合の方が、低い。本実施形態では、図6における第一の押圧力F1未満の領域Iで走行モードの制動が行われた後、図6における第一の押圧力F1を超えた領域IIで、駐車モードの制動が行われる。ボルト61は、剛性切替部や低剛性部とも称される。また、第一の押圧力F1は、閾値とも称される。
以上の構成では、ピストン15が液圧室17の圧力の作用によりブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させる場合には、所定の予荷重(ボルト61の予荷重)以下の押圧力にてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させることでボディー部材52が他のボディー部材51に対して相対的に第二の方向X2に変位しない。また、ピストン15が直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させる場合には、所定の予荷重(ボルト61の予荷重)より大きい押圧力にてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させることでボディー部材52が非ネジ部61cの弾性力に抗してボディー部材51に対して相対的に第二の方向X2に変位する。
以上のように、本実施形態では、ボディー12は、第一の受部としての端面12dを含むシリンダ12aの一部及び第二の受部としての端面12dが設けられたボディー部材52(受部側ボディー部材)と、シリンダ12aの他部が設けられボディー部材52の第一の方向X1に位置されボディー部材52に対して相対的に第一の方向X1に変位可能にボディー部材52と連結されたボディー部材51(他のボディー部材)と、を有している。また、非ネジ部61c(弾性部)は、ボディー部材52及びボディー部材51を互いに近づける方向に付勢するとともに所定の予荷重が設定されている。そして、ピストン15が液圧室17の圧力の作用によりブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させる場合には、所定の予荷重(ボルト61の予荷重)以下の押圧力にてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させることでボディー部材52がボディー部材51に対して相対的に第二の方向X2に変位しない。また、ピストン15が直動部材25に押されてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させる場合には、所定の予荷重(ボルト61の予荷重)より大きい押圧力にてブレーキパッド13Aをディスクロータ2に押圧させることでボディー部材52が非ネジ部61cの弾性力に抗してボディー部材51に対して相対的に第二の方向X2に変位する。よって、本実施形態によれば、運動変換機構23において、雄ネジ部24cと雌ネジ部25aとの緩みが生じにくい。また、例えば、設計段階の非ネジ部61cの弾性(弾性変形のしやすさ)等の設定、及びディスクロータ2に対するブレーキパッド13Aの押圧力の大きさを液圧室17の圧力作用にてピストン15を駆動する場合と直動部材25にてピストン15を駆動する場合とで異ならせることによって、端面12dの変位量を設定することができる。
また、本実施形態では、車両用ブレーキ1Aは、例えば、ボディー部材51とボディー部材52との間に介在したシール部材62を備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、ボディー部材51とボディー部材52との間のシール性がシール部材62によって確保される。
なお、本実施形態では、弾性部として、ボルト61の非ネジ部61cを例に説明したが、これに限られない。例えば、上述のようにボディー部材52,53の非ネジ孔52d,53dが非ネジ状であれば、ボルト61の非ネジ部61cに相当する部分にも雄ネジを設けて当該雄ネジ部分を弾性部としてもよい。すなわち、雄ネジ部分であっても非ネジ孔52d,53dと対応する部分はボディー部材52,53と螺合しないため、弾性部として機能させることができる。また、弾性部は、頭部61aと、ボディー部材53のフランジ部53aとの間に介在した弾性部材であってもよい。当該弾性部材は、例えば、コイルバネや板バネ等のばねやエラストマ等であってよい。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
1…車両用ブレーキ、12…ボディー、12a…シリンダ、12d…端面(第一の受部、第二の受部)、12n…受面(第二の受部)、13A,13B…ブレーキパッド、15…ピストン、17…液圧室、21…モータ、23…運動変換機構、24…回転部材、25…直動部材、51…ボディー部材(第一のボディー部材、他のボディー部材))、52…ボディー部材(第二のボディー部材、受部側ボディー部材)、61c…非ネジ部、62…シール部材、X1…第一の方向、X2…第二の方向、Ax…中心軸。
Claims (5)
- モータと、
中心軸回りに回転可能な回転部材と、前記中心軸に沿った第一の方向及び前記第一の方向の反対の第二の方向に直動可能な直動部材と、を有し、前記モータによる前記回転部材の回転を前記直動部材の直動に変換する運動変換機構と、
液圧室が設けられたシリンダを有したボディーと、
前記シリンダ内に前記第一の方向及び前記第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動してブレーキパッドをディスクロータに押し付け可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押し付け可能であるピストンと、
前記シリンダに設けられ、前記液圧室の前記第二の方向の圧力を受ける第一の受部と、
前記ボディーに設けられ、前記回転部材から前記第二の方向の力を受け前記回転部材の前記第二の方向への移動を制限する第二の受部と、
を備え、
前記ピストンが前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの前記第二の受部の前記第二の方向の変位量が、前記ピストンが前記液圧室の圧力の作用により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させた場合の単位押圧力あたりの前記第一の受部の前記第二の方向の変位量よりも大きいことを特徴とする車両用ブレーキ。 - 前記ボディーは、前記シリンダ及び前記第一の受部を有した第一のボディー部材と、前記第二の受部を有し前記第一のボディー部材とは異なる第二のボディー部材と、を有したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ。
- 前記ボディーは、前記第一の受部を含む前記シリンダの一部及び前記第二の受部が設けられた受部側ボディー部材と、前記シリンダの他部が設けられ前記受部側ボディー部材の前記第一の方向に位置され前記受部側ボディー部材に対して相対的に前記第一の方向に変位可能に前記受部側ボディー部材と連結された他のボディー部材と、を有し、
前記受部側ボディー部材及び前記他のボディー部材を互いに近づける方向に付勢するとともに所定の予荷重が設定された弾性部を備え、
前記ピストンが前記液圧室の圧力の作用により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重以下の押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位せず、前記ピストンが前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重より大きい押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記弾性部の弾性力に抗して前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ。 - モータと、
中心軸回りに回転可能な回転部材と、前記中心軸に沿った第一の方向及び前記第一の方向の反対の第二の方向に直動可能な直動部材と、を有し、前記モータによる前記回転部材の回転を前記直動部材の直動に変換する運動変換機構と、
液圧室が設けられたシリンダを有したボディーと、
前記シリンダ内に前記第一の方向及び前記第二の方向に移動可能に収容され、前記液圧室の圧力の作用により前記シリンダ内を前記第一の方向に移動してブレーキパッドをディスクロータに押し付け可能であるとともに、前記第一の方向に移動する前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押し付け可能であるピストンと、
前記シリンダに設けられ、前記液圧室の前記第二の方向の圧力を受ける第一の受部と、
前記ボディーに設けられ、前記回転部材から前記第二の方向の力を受け前記回転部材の前記第二の方向への移動を制限する第二の受部と、
を備え、
前記ボディーは、前記第一の受部を含む前記シリンダの一部及び前記第二の受部が設けられた受部側ボディー部材と、前記シリンダの他部が設けられ前記受部側ボディー部材の前記第一の方向に位置され前記受部側ボディー部材に対して相対的に前記第一の方向に変位可能に前記受部側ボディー部材と連結された他のボディー部材と、を有し、
前記受部側ボディー部材及び前記他のボディー部材を互いに近づける方向に付勢するとともに所定の予荷重が設定された弾性部を備え、
前記ピストンが前記液圧室の圧力の作用により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重以下の押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位せず、前記ピストンが前記直動部材に押されて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させる場合には、前記所定の予荷重より大きい押圧力にて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧させることで前記受部側ボディー部材が前記弾性部の弾性力に抗して前記他のボディー部材に対して相対的に前記第二の方向に変位することを特徴とする車両用ブレーキ。 - 前記受部側ボディー部材と前記他のボディー部材との間に介在したシール部材を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用ブレーキ。
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