JP2018162175A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

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琢 澤木
悟史 黒澤
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悟史 黒澤
琢弥 黒田
Takuya Kuroda
琢弥 黒田
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Abstract

【課題】耐湿性に優れ、全光線透過率とヘイズ値の両方が高い光散乱性合わせガラスを得るために利用可能な、合わせガラス用中間膜を提供する。
【解決手段】エチレンに由来する構成単位と(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位とを有する共重合体(A)、t−ヘキシルパーオキシ系モノカーボネート及びt−アミルパーオキシ系モノカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)、透光性粒子(C)、及び、架橋助剤(D)を含有する、合わせガラス用中間膜。
【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、合わせガラス用中間膜に関する。
従来より、合わせガラスは、自動車用安全ガラス、公共施設や運動施設等のグレージング材、間仕切り、防犯用ドア等に広く用いられており、その構造は、例えば、複数枚の無機ガラス、又はその一部を有機ガラス即ち透明な合成樹脂板に置き換え、中間膜を介して合わせ加工したものである。
光散乱性合わせガラスは、光は透過させるが、ガラス越しに人や物体を視認できないので、採光窓、浴室ドア、ベランダ腰板などプライバシーを要する部分に使用されている。
光散乱性合わせガラス用の中間膜としては、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム等の透光性乳白剤を均一に分散させたものが知られている(特許文献1)。
また、熱可塑性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA共重合体」または「EVA」という場合もある)に有機過酸化物を配合した熱硬化性樹脂からなる合わせガラス用中間膜も開示されている(特許文献2)。
特開昭59−64550号公報 特開昭57−196747号公報
しかし、従来の透光性乳白剤を用いた散光性合わせガラスは、透光性乳白剤が微粉末乃至微結晶で不均一な形状であり、そのため、使用時に光が乱反射を起こしやすく、最終的に透過する光の割合が少なく、ヘイズは充分な数値を得られうるが、全光線透過率は不充分であった。
また、EVAを用いた中間膜は、ガラスとの接着性が悪く、また、高温・高湿下で加水分解して酢酸を発生させることがあり、耐熱・耐湿性に劣る傾向がある。
EVA以外の樹脂としては、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)は、柔軟性、融点、透明性等の性能がEVAに近いが、EVAに比べて架橋性に乏しく、EVAの場合に従来から使用されている架橋剤では充分な架橋速度が得られにくい。また、架橋速度を速めるために多量の架橋剤を使用すると、副反応による発泡現象が発生し、外観が低下する問題がある。
本発明の実施形態は、前記に鑑み、耐湿性に優れ、全光線透過率とヘイズの両方が高い光散乱性合わせガラスを得るために利用可能な、合わせガラス用中間膜を提供することを課題とする。
本発明の実施形態は、エチレンに由来する構成単位と(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位とを有する共重合体(A)、t−ヘキシルパーオキシ系モノカーボネート及びt−アミルパーオキシ系モノカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)、透光性粒子(C)、及び架橋助剤(D)を含有する、合わせガラス用中間膜に関する。
本発明の実施形態によれば、耐湿性に優れ、全光線透過率とヘイズの両方が高い光散乱性合わせガラスを得るために利用可能な、合わせガラス用中間膜を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本発明の実施形態の合わせガラス用中間膜は、後述する共重合体(A)、架橋剤(B)、透光性粒子(C)、及び架橋助剤(D)を含有し、必要に応じて添加剤(E)をさらに含有しても良い。以下、「合わせガラス用中間膜」を、「中間膜」という場合もある。
[共重合体(A)]
共重合体(A)は、エチレンに由来する構成単位と、(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位とを有する共重合体である。
共重合体(A)は、高温高湿度で加水分解反応による酢酸の発生を防ぎ、さらに良好な耐湿性を得る観点から、酢酸ビニル基を含まないことが好ましい。
共重合体(A)は、エチレンに由来する構成単位、及び(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位のほかに、さらに他の構成単位を有していてもよい。共重合体(A)は、エチレンに由来する構成単位、及び(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位のみを構成単位として有していてもよい。
(メタ)アクリレート系モノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸のエステルからなるモノマーである。(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート(MMA)、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートが挙げられる。
共重合体(A)の具体例としては、例えば、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体が挙げられる。なかでも、透明性の点から、EMMAが好ましい。
共重合体(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体(A)における(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位の割合は、全構成単位に対して、10〜45質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。全構成単位に対する(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位の割合が10質量%以上のとき、より優れた透明性を得やすく、45質量%以下のとき、より優れた引張強度を得やすい。
共重合体(A)の融点は、60〜100℃が好ましい。共重合体(A)の融点が60℃以上のとき、中間膜としての基本性能を確保しやすい。共重合体(A)の融点が上100℃以下のとき、気泡の発生を抑制しやすい。なお、融点は、示差熱分析によって測定される。 共重合体(A)の融点は、例えば、共重合体(A)の結晶化度を調整することで調節できる。共重合体(A)の結晶化度が大きいほど、共重合体(A)の融点は高くなる。
共重合体(A)のメルトマスフローレート(以下、「MFR」という。)は、1〜200g/10分が好ましく、5〜40g/10分がより好ましい。共重合体(A)のMFRが1g/10分以上のとき、より優れた加工性が得られやすい。共重合体(A)のMFRが200g/10分以下のとき、中間膜としての基本性能を確保しやすい。
なお、MFRは、JIS K6924−2:1997に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件での測定値である。
[架橋剤(B)]
架橋剤(B)は、t−ヘキシルパーオキシ系モノカーボネート及びt−アミルパーオキシ系モノカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤である。
t−ヘキシルパーオキシ系モノカーボネートは、t−ヘキシルパーオキシ基と1つのカーボネート基を有する化合物である。t−ヘキシルパーオキシ系モノカーボネートとしては、例えば、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートが挙げられる。
t−アミルパーオキシ系モノカーボネートは、t−アミルパーオキシ基と1つのカーボネート基を有する化合物である。t−アミルパーオキシ系モノカーボネートとしては、例えば、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートが挙げられる。
架橋剤(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
合わせガラス用中間膜を合成樹脂板との合わせ加工に用いる場合には、加工温度が140〜150℃であると、高温で合成樹脂板が熱変形を起こすという可能性がある為、架橋剤(B)としては、10時間半減期温度が100℃以下の有機過酸化物を用いることが好ましい。
中間膜における架橋剤(B)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.2〜0.5質量部が好ましく、0.3〜0.5質量部がより好ましい。共重合体(A)100質量部に対して架橋剤(B)の含有量が0.2質量部以上のとき、より良好な架橋速度を得やすい。共重合体(A)100質量部に対して架橋剤(B)の含有量が0.5質量部以下のとき、発泡の発生を抑制しやすい。
[透光性粒子(C)]
透光性粒子(C)は、中間膜中に均一に分散されることが好ましい。透光性粒子(C)としては、透明性の良好なガラスビーズやシリカゲルビーズなどの無機ビーズ等の無機粒子、透明性の良好なアクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリル−スチレン共重合体系ポリマーなどの高分子ポリマーからなる有機ビーズ等の有機粒子を、一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
また、透光性粒子(C)を構成する材料としては、透明であり、かつ、共重合体(A)の屈折率とは異なる屈折率を有する材料が好ましい。透明性の観点から高分子ポリマーが好ましく、架橋構造を有するものがより好ましい。
透光性粒子(C)の屈折率(25℃での屈折率)は、共重合体(A)の屈折率よりも高いことが好ましい。透光性粒子(C)の屈折率(25℃での屈折率)は、例えば、1.50〜1.65であることが好ましく、1.51〜1.65であることがより好ましく、1.52〜1.65であることがさらに好ましい。屈折率1.52〜1.65の光散乱体が含まれるとき、共重合体(A)との屈折率差がより生じやすく、その界面で反射や屈折等の光散乱を、より効果的に発生させやすい。
光散乱をより効果的に得る観点から、透光性粒子(C)は球形であることが好ましい。透光性粒子(C)は完全な球形でなくてもよく、例えば、その断面が楕円の形状(例えば卵型)や、針状、板状等の異方性のある形状でもよい。透光性粒子(C)の平均粒子径は、0.5〜10μmであることが好ましく、1.0〜5.0μmがより好ましい。透光性粒子(C)の平均粒子径は、粒子が完全な球形ではない場合(例えば、粒子のその断面が、楕円の形状(例えば卵型)、粒子が針状または板状等の場合)には、透光性粒子(C)の最も長い部分の平均長さ(長軸方向の平均長さ)である。これらのことをまとめると、透光性粒子(C)は、球形が好ましいものの、その形状によらず、平均粒子径が0.5〜10μmとなる大きさが好ましい。透光性粒子(C)の平均粒子径が0.5μm以上の場合、より良好な光散乱効果が得られやすい。一方、透光性粒子(C)の平均粒子径が10μm以下の場合、共重合体(A)に対して少ない添加量で良好な光散乱効果を得やすい傾向がある。
透光性粒子(C)の平均粒子径は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000)を用いて粒子2万又は10万個を観測することにより算出した値である。より具体的には、粒子2万又は10万個について測定された粒子径(粒子が完全な球形ではない場合には長軸方向の長さ)の平均値である。
中間膜における透光性粒子(C)の含有量は、中間膜の全光線透過率が80%以上、ヘイズが30%以上になるような値であることが好ましく、中間膜の全光線透過率が80%以上、ヘイズが80%以上になるような値であることがより好ましい。例えば、共重合体(A)100質量部に対して、0.3質量部〜20質量部であることが好ましく、1質量部〜20質量部であることが好ましく、1質量部〜5質量部であることがより好ましい。共重合体(A)100質量部に対して、透光性粒子(C)の含有量が0.3質量部以上のとき、良好な光散乱効果が得られやすい。共重合体(A)100質量部に対して、透光性粒子(C)の含有量が20質量部以下のとき、中間膜の架橋特性をより良好としやすい。
[架橋助剤(D)]
架橋助剤(D)としては、例えば、重合性不飽和基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロキシ基、イソシアネート基等)を2つ以上有する化合物が挙げられる。具体的には、架橋助剤(D)としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。
架橋助剤(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中間膜における架橋助剤(D)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.5〜1.5質量部が好ましく、0.6〜1.0質量部がより好ましい。架橋助剤(D)の含有量が、共重合体(A)100質量部に対して0.5質量部以上のとき、より良好な架橋速度が得られやすい。架橋助剤(D)の含有量が、共重合体(A)100質量部に対して1.5質量部以下のとき、より良好な架橋速度が得られるとともに発泡を抑制しやすい。
[添加剤(E)]
添加剤(E)としては、中間膜に用いられる公知の添加剤を制限なく使用でき、例えば、耐候剤、酸化防止剤、接着助剤、変色防止剤、顔料、充填材が挙げられる。添加剤(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
耐候剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤や、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が挙げられる。
接着助剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
合わせガラス用中間膜の膜厚は、0.1〜3.0mmが好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましい。中間膜の厚さが0.1mm以上のとき、加工時の作業性にいっそう優れ、3.0mm以下のとき、全光線透過率にいっそう優れる。
[中間膜の製造方法]
本発明の中間膜の製造方法は、特に限定されず、例えば、共重合体(A)、架橋剤(B)、透光性粒子(C)、及び架橋助剤(D)と、必要に応じて用いる添加剤(E)をブレンダーでよく混合して樹脂組成物を作製し、樹脂組成物を均一に混練した後、膜状に成形する方法が挙げられる。
混練方法としては、例えば、押出機、リボンブレンダー、プラストグラフ、ニーダー、
バンバリーミキサー、カレンダーロールを用いる方法が挙げられる。成膜方法としては、例えば、Tダイを用いた押出成形法、プレス成形法が挙げられる。また、樹脂組成物を溶液とする場合は、離型シートに樹脂組成物を塗工し、乾燥することにより、膜状に形成することもできる。
[合わせガラス]
上記の合わせガラス用中間膜は、合わせガラス(より好ましくは、光散乱性合わせガラス)に好ましく用いることができる。上記の合わせガラス用中間膜を用いるとき、耐湿性に優れ、全光線透過率とヘイズの両方が高く、光は良く透過させるが、ガラス越しに人や物体を視認できない光散乱性合わせガラスを得ることができる。
上記の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを作製する方法は特に限定されない。例えば、少なくとも二枚の透明なガラス板の間に上記合わせガラス用中間膜を挟み、これを例えばゴムバッグに入れ減圧吸引しながら約70〜110℃で予備接着し、その後オートクレーブ又はプレス機を用い、温度約120〜150℃、圧力約10〜15kg/cmの条件で本接着を行う。こうして、合わせガラスが得られる。このようにして得られた合わせガラスは、光散乱性合わせガラスとして好ましく用いることができる。
ここで、透明なガラス板としては、例えば、フロートガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、金網又は線入り板ガラス、着色ガラスなどの無機透明ガラス、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板、無定型ポリアミド板などの有機透明ガラスを使用することができる。
透光性粒子(C)として、形状が不均一でなく、微球状のものを用い、合わせガラス用中間膜中に上記透光性微球体が適量均一に分散されると、表面での光の乱反射が抑制され、より多くの光を透過させることができる。
光が中間膜及び透光性粒子(C)を透過する際に、この中間膜と透光微粒子(C)との界面で屈折が繰り返されて光の散乱性が高められ、それにより視野が遮られる。
また、EVAを用いた中間膜では、EVAの加水分解により発生する酢酸によって耐熱・耐湿性が低下する問題がある。上記の中間膜においては、共重合体(A)を用いるため、柔軟性、融点、透明性等の性能はEVAとほぼ同等であるうえ、加水分解反応による酢酸の発生も抑制または低減され、優れた耐水性が得られる。また、共重合体(A)に対して、炭酸ガスの発生がないモノカーボネート系架橋剤である特定の架橋剤(B)と、架橋助剤(D)とを用いることで、充分な架橋速度が得られる。
本発明の実施形態は下記を含む。しかし、本発明は下記の実施形態によって限定されるものではない。
<1> エチレンに由来する構成単位と(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位とを有する共重合体(A)、t−ヘキシルパーオキシ系モノカーボネート及びt−アミルパーオキシ系モノカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)、透光性粒子(C)、及び架橋助剤(D)を含有する、合わせガラス用中間膜。
<2> 前記透光性粒子は、有機粒子を含む、<1>に記載の合わせガラス用中間膜。
<3> 前記透光性粒子の屈折率が1.50〜1.65である、<1>又は<2>に記載の合わせガラス用中間膜。
<4> 前記透光性粒子の平均粒子径が0.5μm〜10μmである、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
<5> 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記架橋剤(B)が0.2〜0.5質量部である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
<6> 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記透光性粒子(C)が1〜5質量部である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
<7> 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記架橋助剤(D)が0.5〜1.5質量部である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
以下、実施例及び比較例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[透光性粒子の合成]
<シード粒子の合成>
500mLの三口フラスコに、メタクリル酸メチル(MMA)50g、オクタンチオール(OCT)1.5g、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)0.63g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン0.02g及び水400gを一括して仕込み、70℃のウォーターバスで加熱しながら、攪拌機を用いて約8時間撹拌をして、シード粒子を形成させた。得られたシード粒子の水溶液の遠心分離を行い、上澄みを除去した。上澄み分のイオン交換水を添加した後、再分散させた。上記操作を2回行った後、遠心分離後のシード粒子の粒径を測定したところ、体積平均粒子径が322nmであった。
<透光性粒子の作製>
過酸化ベンゾイル1gをジビニルベンゼン(DVB)20gに溶解させ、ラウリル硫酸トリエタノールアミン1gが溶解したイオン交換水340gと混合し、超音波ホモジナイザーで10分間処理して乳化液を調製した。
この乳化液に、シード粒子の分散液2.07g(固形分8.2%)を加えて室温で12時間攪拌した後、ポリビニルアルコールを6質量%含む水溶液30gを加えて80℃で8時間重合を行い、透光性微粒子を合成した。
得られた透光性粒子の、ベッケ線検出法にて測定した25℃での屈折率は、587.562nmで1.615であった。また、フロー型粒径測定装置で測定した平均粒子径は1.8μmであった。
<中間膜用樹脂組成物の調製>
表1に示す原料を表1に示す配合(質量部)で90℃に設定したロールミキサで混練して樹脂組成物を得た。
Figure 2018162175
<使用原料>
各樹脂組成物に用いた原料を以下に示す。
(共重合体(A))
共重合体A:EMMA(製品名「アクリフトWK307」、住友化学社製、MMAに由来する構成単位の割合:25質量%、MFR:7g/10分、融点:80℃)。
(共重合体(X)(比較対象))
共重合体X:EVA(製品名「ウルトラセン710」、東ソー社製、酢酸ビニルに由来する構成単位の割合:28質量%、MFR:18g/10分、融点:69℃)。
(架橋剤(B))
架橋剤B1:t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(製品名「パーヘキシルI」、日本油脂社製)。10時間半減期温度:95℃
架橋剤B2:t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート(製品名「ルペロックスTAIC」、アルケマ吉富社製)。10時間半減期温度:96℃
(架橋剤(Y)(比較対象))
架橋剤Y:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名
「ルペロックス101」、アルケマ吉富社製)。10時間半減期温度:120℃
(透光性粒子(C))
上述の透光性粒子
(光散乱粒子(Z)(比較対象))
平均粒径30μmの炭酸カルシウム微結晶
(架橋助剤(D))
架橋助剤D:トリアリルイソシアヌレート(製品名「TAIC」、日本化成社製)
(添加剤(E))
接着助剤E1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製品名「KBM−503」、信越シリコーン社製)
耐候剤E2:2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン(製品名「ケミソーブ81」、BASFジャパン社製)
<合わせガラス用中間膜の作製>
各中間膜用樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟み込んでプレス成形し、厚さ400μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
<合わせガラスの作製>
室温になるまで放置しポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、得られた中間膜を、予め洗浄した厚さ3mmの2枚のフロートガラス板間に挟み込み、ゴムバッグに入れて、10Torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態の140℃のオーブン中に入れ30分間保持することにより、合わせガラスを作製した。
〔評価〕
(1)中間膜の架橋時間
各例の中間膜をJSR社製キュラストメーターにて架橋設定温度150℃で架橋させ、その最大トルクに対して90%のトルクに達する時間を架橋時間T90として測定した。架橋時間T90が720秒以下であるものを「○」、720秒超1090秒以下であるのものを「△」、1090秒超であるものを「×」とした。結果を表2に示す。表2において、架橋時間T90の単位は「秒」である。
(2)合わせガラスの発泡試験
各例の合わせガラスをオーブンにて150℃で2時間加熱し、加熱後中間膜のアウトガスによる発泡の有無を確認した。発泡が無いものを「○」、発泡があるものを「×」とした。結果を表2に示す。
(3)合わせガラスの耐湿試験
各例の合わせガラスを85℃、相対湿度85%の環境下で8週間放置した後、層間剥離の有無を目視観察した。剥離が無いものを「○」、剥離があるものを「×」とした。結果を表2に示す。
(4)合わせガラスの全光線透過率、ヘイズ値の測定
東京電色社製「積分式濁度計」を使用して、温度23℃、相対湿度50%における全光線透過率(%)及びヘイズ値を測定した。結果を表2に示す。表2において、全光線透過率の単位は「%」である。
Figure 2018162175
表2の結果に示されるように、本実施形態の中間膜を用いた光散乱性合わせガラスは、全光線透過率が80%以上、ヘイズ値が30%以上であり、かつ、耐湿性に優れていた。また、本実施形態の中間膜は、架橋速度が十分に速かった。

Claims (7)

  1. エチレンに由来する構成単位と(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構成単位とを有する共重合体(A)、t−ヘキシルパーオキシ系モノカーボネート及びt−アミルパーオキシ系モノカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(B)、透光性粒子(C)、及び架橋助剤(D)を含有する、合わせガラス用中間膜。
  2. 前記透光性粒子(C)は、有機粒子を含む、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 前記透光性粒子(C)の屈折率が1.50〜1.65である、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 前記透光性粒子(C)の平均粒子径が0.5μm〜10μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記架橋剤(B)が0.2〜0.5質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記透光性粒子(C)が1〜5質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記架橋助剤(D)が0.5〜1.5質量部である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
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