JP2018161075A - 冷菓及び冷菓の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本技術は、サックリ感、風味及び保存安定性を向上させた冷菓を得ること。【解決手段】コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含有する冷菓を提供する。さらに、ペクチン及び/又はタマリンドガムを含有することが好ましい。ブリックス(Bx)値が、15〜30°であることが好ましい。果汁入り冷菓であることが好ましい。また、コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含む原料液を使用する冷菓の製造方法を提供する。前記原料液は、充填温度を原料液の凝固点温度±1℃の条件下で、モールドに充填することが好ましい。【選択図】なし

Description

本技術は、冷菓及び冷菓の製造方法に関する。
近年の冷菓市場においては、フルーツ果肉入りアイスクリームやシャーベット等の氷菓が数多く商品化されている。
工業的に生産可能なフルーツや野菜本来のフレッシュ感を有する冷菓、更には、通常の冷菓の保存・流通温度帯でなめらかな物性を有する冷菓が、特許文献1に提案されている。この特許文献1には、果肉又は野菜の凍結粉砕物を含有する冷菓が開示されている。
特許文献2には、「こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥コンニャク加工品を含むことを特徴とする冷菓用安定剤」(請求項1)が開示されている。このなかで、実施例2:冷菓用安定剤(乾燥コンニャク加工品)含有バニラアイスクリーム、実施例3:冷菓用安定剤(乾燥コンニャク加工品含有)を添加したラクトアイス、実施例4:冷菓用安定剤(乾燥コンニャク加工品)を添加したソフトクリームが開示されている。
冷菓市場のニーズは多種多様化しているので、このニーズをすくいあげ、すくいあげたニーズの方向性に沿いながら新たな提案型の冷菓を提供することが求められている。
特開2001−275572号公報 特開2004−81197号公報 特開平10−248515号公報
ところで、近年、若者の間で果実を食する頻度が低下している。しかしながら、カットフルーツ市場は年々増大している。カットフルーツとは、一般的に、果実の皮を剥き、一口サイズに果肉を切ったものである。カットフルーツは、店舗のバックヤードで果物の加工を行い店舗に並べられたり、工場で加工し包装容器に入れられて冷蔵流通させて店舗に並べられたりしている。
カットフルーツ市場が拡大している背景には、以下のような「果物を食べたがらない理由」を持つヒトが増えてきていることにある。果実を食べたがらない理由として、「皮をむいたりすることが面倒」、「果実1つの価格が高い」「買っても、量が多く保存がききにくく、食べきれない」、「食べるときに手が汚れたりベトベトしたりするのが嫌」という意見が多くを占める。
一方で、食後に手軽にさっぱりしたいという果物系のデザートを求めるニーズも存在する。
このようなことから、本発明者らは、冷菓において、カットフルーツの食感に近づけるため、特に、果肉を喫食する時に生じるサックリ感という食感を再現することについて検討を行った。さらに、フルーツ感喫食時に口腔内で生じるフレーバーリリースを向上させることについて、及びヒートショックによる冷菓からの糖の析出を抑制させることについても、検討を行った。
ここで、本技術の「サックリ感」とは、リンゴ又はナシのカットフルーツの果肉組織を歯先で切るような食感のことをいう。以後、「リンゴ様又はナシ様のサックリ感」ともいう。
また、本技術の「風味」とは、冷菓を喫食した時に口腔内に冷菓から生じる植物系の風味である。
また、本技術の「保存安定性」とは、製造後保存した際に、ヒートショックによる冷菓からの糖質の析出を安定的に抑制できることをいう。
すなわち、本技術は、サックリ感、風味及び保存安定性を向上させた冷菓を得ることを主な目的とする。
本発明者らは、コンニャク加工品及び増粘剤の様々な組み合わせ及び配合量について、種々検討を行ったが、サックリ感、風味及び保存安定性の3つを満足させることができなかった。そして、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、コンニャク加工品、寒天及びウェランガムの3つを組み合わせることによって、サックリ感、風味及び保存性を向上させることができ、特にリンゴ様又はナシ様のサックリ感を達成できたことは全くの意外であり、これにより本発明を完成させた。
すなわち、本技術は、〔1〕コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含有する冷菓を提供するものである。
〔2〕前記コンニャク加工品とウェランガムとの質量比が、コンニャク加工品1に対して0.1〜0.6であってもよい。
〔3〕前記ウェランガム含有量が、0.01〜0.08質量%であってもよい。
〔4〕前記寒天の含有量が、0.033〜0.45質量%であってもよい。
〔5〕さらに、ペクチン及び/又はタマリンドガムを含有してもよい。
〔6〕ブリックス(Bx)値が、15〜30°であってもよい。
〔7〕果汁入り冷菓であってもよい。
〔8〕原料のコンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含む充填液の充填温度を原料液の凝固点温度±1℃として得られるものであってもよい。
また、本技術は、〔9〕コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含む原料液を使用する冷菓の製造方法を提供するものである。
〔10〕 原料液のブリックス値を15〜30°になるようにしてもよい。
〔11〕 前記原料液は、充填温度を原料液の凝固点温度±1℃の条件下で、モールドに充填してもよい。
本技術は、サックリ感、風味及び保存安定性を向上させた冷菓を得ることができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
本技術は、コンニャク加工品、寒天及びウェランガムの3成分を含有する冷菓である。少なくともこれら3成分を原料として用いて製造することにより、サックリ感、風味及び保存性を向上させた冷菓(好適には、氷菓)を得ることができる。
本技術の冷菓は、リンゴ様又はナシ様のサックリ感を有するので、これらカットフルーツに近い食感を有する。また、当該冷菓は、噛んだ瞬間に口の中に広がる風味を有し、さらに喫食中の間持続する風味を有する。このため、本技術は、食後に手軽にさっぱりしたいという果物系のデザートとして提供することもできる。
また、本技術は、冷菓に、リンゴ様又はナシ様の食感を付与することができる。このため、リンゴやナシ以外の風味を有する冷菓でも、リンゴ様又はナシ様のサックリ感という新食感の冷菓を提供することも可能である。
本技術でいう「冷菓」には、乳等省令で規定されているアイスクリーム類、アイスミルク類、ラクトアイス類、ソフトクリーム、アイスケーキ、クラッカーサンドアイス、不凍アイスケーキ、コーン入りアイス、カップ入りアイス、アイスモナカ、シャーベット、「食品の添加物等の規格基準」で規定されている氷菓(例えば、アイスキャンデー、かき氷、みぞれ)、フローズンヨーグルト、シェイク等が挙げられる。
上記アイスクリーム類は、アイスクリーム(乳等省令にて乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上)、アイスミルク(同乳固形分8%以上、乳脂肪分3%以上)及びラクトアイス(同乳固形分3%以上、乳脂肪分規定なし)を含むものである。
このうち、果実及び果実的野菜等のようなサックリ感及び風味を得ることができる「氷菓」が好ましく、成形された氷菓がより好ましい。本技術の氷菓は、高い保存安定性を有するので、流通・販売において外観が良好であり、食感及び風味も良好である。
また、本技術の氷菓の形態として、コーティングアイスクリーム、アイスキャンデー、不凍アイスケーキ、コーン入り、カップ入り等が挙げられる。
また、本技術の氷菓の形状として、球状、立方体状、長方体状等が挙げられる。また、モールドで成形できる形状の氷菓が好ましい。
本技術における冷菓は、原料の混合液をフリージング後モールドに充填する際の充填液の充填温度を、好ましくは原料液の凝固点温度±1℃、より好ましくは原料液の凝固点温度±0.5℃となるようにして得られることが好適である。このような充填液の凝固点付近で充填を行うことで、冷菓のサックリ感が非常に良好となる。
本技術における冷菓のブリックス値は、好ましくは15〜30°であり、より好ましくは18〜25°である。これにより、糖質の滲み出しが生じにくく、食感が硬くなりすぎずにサックリ感が良好である。
本技術で使用するコンニャク加工品は、コンニャク粉、水飴及び澱粉を含む複合組成物として加工品としたものである。コンニャク加工品は、乾燥品が好ましい。
本技術のコンニャク加工品に用いるコンニャク粉は、通常食品に使用されているコンニャク粉や生コンニャク芋の乾燥粉砕品等を使用することができる。
本技術のコンニャク加工品に用いる水飴は、通常食品に使用される水飴であればよく、市販品を使用することができる。
本技術のコンニャク加工品に用いる澱粉は、トウモロコシ由来の澱粉(例えば、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ等)、タピオカ澱粉、サツマイモ由来の澱粉、ジャガイモ由来の澱粉、サゴヤシ由来の澱粉等及びそれらの加工澱粉を適宜選択して用いることができる。
本技術のコンニャク加工品は、特許文献2及び特許文献3に記載の方法で製造することもできる。例えば、乾燥コンニャク加工品の加工方法は、コンニャクイモから抽出したグルコマンナンを乾燥し、これと澱粉と混合し、さらにこれらに水を添加して膨潤し、脱アセチル化処理後に、成形、加熱ゲル化、中和、そして糖質(水飴等)溶液に浸漬後、乾燥することで製造することが挙げられる。
本技術のコンニャク加工品中のコンニャク粉:糖質:澱粉の配合割合(質量%)は、特に限定されないが、好ましくはコンニャク粉 5〜30:糖質 30〜90:澱粉 5〜30であり、より好ましくはコンニャク粉 5〜10:糖質 30〜50:澱粉 5〜10であり、コンニャク粉 7:糖質 37.5:澱粉 5.5であることが特に好ましい。
また、市販品を使用することができ、例えば、アイレス株式会社製の乾燥コンニャク、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート400系等を使用することができる。本技術において、サンスマート400系を使用することが好ましく、コンニャク粉:水飴:澱粉の配合割合(質量%)は5〜30質量%:30〜90質量%:5〜30質量%に該当するので、好ましい。
本技術に用いるコンニャク加工品の含有量は、冷菓最終製品中、好ましくは0.065〜0.65質量%、より好ましくは0.085〜0.45質量%、さらに好ましくは0.13〜0.27質量%である。
本技術に使用する寒天は、特に限定されないが、増粘用寒天が好ましい。増粘用寒天は、増粘目的として使用されるものであればよく、例えば、ゼリー強度570〜630g/cm(1.5%ゲル、日寒水式)の寒天等が挙げられる。
本技術に使用する寒天は、粉末状であることが好ましい。
本技術に使用する寒天は、テングサ、オリゴノリ等の紅藻類から得られるものが挙げられ、市販品を用いればよい。
本技術に用いる寒天の含有量は、冷菓最終製品中、好ましくは0.033〜0.45質量%であり、より好ましくは0.043〜0.22質量%であり、特に好ましくは0.065〜0.13質量%である。
なお、本技術に用いるコンニャク加工品と寒天との比は、好ましくは1〜3:1であり、より好ましくは1.5〜2.5:1であり、さらに好ましくは2:1である。前記のとおり、コンニャク加工品と寒天とはいずれも市販品を使用することができるが、予めコンニャク加工品と寒天とが混合された製剤、例えば、サンベスト(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を使用することも可能である。また、コンニャク加工品の市販品は、60〜12メッシュ篩通過のものを使用することができ、0.5〜2mmの細粒状のものが好ましい。
本技術に使用するウェランガムは、多糖類の一種であり、この主鎖はD−グルコース、D−グルクロン酸、D−グルコース、L−ラムノースからなり、この側鎖は1個でL−ラムノース又はL−マンノースである。
本技術に使用するウェランガムは、食品用の市販品であれば、特に限定されない。本技術に使用するウェランガムとして、例えば、Sphingomonas sp.菌を使用して製造される微生物由来の多糖が挙げられる。
一般的にウェランガムの重量平均分子量は、概ね2×10程度といわれ、104〜108の範囲と考えられている。重量平均分子量は、HPLCによるゲル浸透クロマトグラフィー法により求めることができる。
本技術におけるコンニャク加工品及びウェランガムとの質量比は、コンニャク加工品1に対して、好ましくは0.1〜0.6であり、より好ましくは0.15〜0.5であり、さらに好ましくは0.2〜0.4である。
本技術に用いるウェランガムの含有量は、冷菓最終製品中、好ましくは0.01〜0.08質量%であり、より好ましくは0.018〜0.066質量%であり、さらに好ましくは0.026〜0.053質量%である。本技術のウェランガムは、少量でも冷菓のサックリ感及び風味を良好にするので、好適である。
また、増粘剤を併用した場合、ウェランガムの含有量を少なくすることができるので、このときの上限値は0.03質量%以下が好ましい。
本技術の冷菓の原料として、通常一般的に用いられる原料(例えば、乳、乳製品、糖類、植物汁、増粘剤、pH調整剤、卵、植物油脂、安定剤、乳化剤、着色料(例えば、色素等)、甘味料、香料、酸味料、及び風味原料)等を適宜選択して用いることができる。
氷菓類の原料としては、例えば、糖類、乳製品、植物汁及び風味原料等を適宜選択して用いることができる。
本技術において、冷菓原料として、「糖類」を含有させることが好ましい。
前記糖質は、糖質としては、例えば、糖類(例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、D−キシロース等);糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等)等が挙げられる。また、サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド等の高甘味度甘味料等も添加してもよい。これらから1種又は2種以上使用することができ、これらから選ばれる1種又は2種以上を含む糖質が好ましい。
また、ショ糖型液糖の固形分は60〜80%であることが好ましい。また、水飴の固形分は60〜80%であることが好ましい。
このうち、糖類が好ましい。この糖質のうち、ブドウ糖、ショ糖、水飴及び果糖から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ブドウ糖、ショ糖、水飴及び果糖の4成分を併用することがより好ましい。
本技術における糖質の含有量は、冷菓最終製品中、固形換算で、好ましくは15〜30質量%、より好ましくは18〜25質量%である。
本技術における糖質の含有量は、冷菓最終製品中、ブリックス値(Brix)として、好ましくは15〜30°、より好ましくは18〜25°になるように調整する。
本技術において「植物汁」を含有させることが好ましい。
前記植物汁として、例えば、果汁及び野菜汁等が挙げられる。植物汁として、例えば、濃縮ジュース、濃縮還元ジュース、ストレートジュース、粉末ジュース等加工ジュース等が挙げられる。前記植物汁は、食品に用いることができる果汁及び/又は野菜汁であれば、特に限定されない。このうち、濃縮還元ジュースが、ハンドリングが容易で、風味も良好なため、好適である。
前記植物汁は、一般的な製造方法にて得ることができる。例えば、果実又は野菜の圧搾等を行い、さらに濃縮・希釈等を行うこと等にて得ることができる。
本技術における冷菓は、果実のサックリ感及び風味に近いものを提供することができるため、果汁を使用することが好ましい。
本技術における植物汁の含有量は、最終製品中、好ましくは果汁率として0〜100%、より好ましくは20〜70%である。
果汁を贅沢に使った冷菓の製造場合には、ウェランガムに代えて他の増粘剤を併用した場合糖の滲み出しが生じやすいが、本技術において必須の3成分を用いることで糖の滲み出しを防ぐことができ、また、実際のリンゴ又はナシのカットフルーツの食感に近い風味を得ることができる。
本技術における果汁の原料となる果実として、例えば、リンゴ、ナシ、サクランボ、モモ、ビワ、ブドウ、ブルーベリー、カキ、マンゴー、柑橘類、果実的野菜(イチゴ、スイカ、メロン等)等が挙げられる。このうち、水分が多くサックリ感がある果実が好ましく、例えば、リンゴ、和梨、洋梨等が挙げられる。
また、本技術の野菜汁の原料となる野菜としては、例えば、トマト、キュウリ、ニンジン、ホウレンソウ等が挙げられる。これらから1種又は2種以上使用することができ、これらから選ばれる1種又は2種以上の加工ジュースを含む植物汁が好ましい。
本技術において、冷菓原料として、さらに「増粘剤」を含有させることが好ましい。なお、本技術の増粘剤は、上述した増粘用寒天及びウェランガムを除くものをいう。
本技術において、さらに増粘剤を含有させることによって、本技術の効果を損なわずに、ウェランガム、コンニャク加工品及び寒天から選ばれる1種又は2種以上の使用量を低減させることができる。
前記増粘剤として、例えば、ゼラチン;ガム質(例えば、タマリンド種子多糖類、グアガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、タラガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム等);海藻多糖類(例えば、カラギナン、アルギン酸類(例えば、アルギン酸、アルギン酸塩等)等);微生物多糖類(例えば、カードラン等);植物多糖類(例えば、グルコマンナン、ペクチン、セルロース類(例えば、CMC、微結晶セルロース等)、大豆多糖類、澱粉・加工澱粉類(例えば、コーンスターチ、リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉等)等が挙げられる。これらは安定剤としても使用することができる。これらから1種又は2種以上を使用することができ、これらから選ばれる1種又は2種以上を含む増粘剤が好ましい。
このうち、ガム質及び植物多糖類が好ましく、このうちペクチン及び/又はタマリンドガムが好ましい。さらに、ペクチン及びタマリンドガムを併用することが好ましい。
本技術における増粘剤の含有量は、最終製品中、好ましくは0.058〜0.3質量%、より好ましくは0.087〜0.24質量%、特に好ましくは0.087〜0.18質量%である。
本技術におけるペクチンの含有量は、最終製品中、好ましくは0.056〜0.28質量%、より好ましくは0.083〜0.23質量%、特に好ましくは0.083〜0.17質量%である。
本技術におけるタマリンドガムの含有量は、最終製品中、好ましくは0.0025〜0.014質量%、より好ましくは0.0041〜0.012質量%、特に好ましくは0.0041〜0.0084質量%である。
本技術においてペクチン及びタマリンドガムを併用する場合、これらの合計値が、上記増粘剤の含有量になるように調整することも可能である。
本技術の冷菓のpHは、特に限定されないが、リンゴやナシ等の果実の酸味を出すため、3〜5が好ましい。pH調整は、公知の酸味料(例えば、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸等)やpH調整剤で調整すればよい。
本技術の冷菓は、例えば、以下のようにして製造することができる。
所定の配合量の冷菓原料を混合し、加熱溶解(例えば、65〜72℃)し、原料液を得る。
冷菓原料として、少なくともコンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含むものを使用する。適宜、糖質及び増粘剤を冷菓原料に配合する。
また、糖質の含有量を調整して原料液のブリックス値を15〜30°になるようにすることが望ましい。原料のブリックス値を調整することで、冷菓最終製品のブリックス値を調整することができる。
また、原料液のpHを、3〜5に調整することが、リンゴや梨等の果実の酸味を出すため、好適である。
また、植物汁、色素、香料等の風味等に影響する成分は、加熱溶解後に混合することが望ましい。
加熱溶解後の原料液を、ホモゲナイザー(全圧1〜10Mpa)で均質化し、さらに殺菌(例えば、90℃30秒)し、冷却(好適には10℃以下)する。殺菌後の原料液を、必要に応じて常法に従ってエージングを行い、貯液とする。エージングの条件として、特に限定されないが、10℃以下で5時間以上が好ましい。
このエージング後の原料液に、フリーザーによるフリージングを行った後に、この原料液を所定のモールドに流し込み、充填する。
フリージングのときに、オーバーランは最終製品に応じて適宜行えばよい。例えば、アイスクリーム類の場合は0〜60%、氷菓の場合は40%以下(好適には5%以上15%以下、より好適には0%以上10%以下)である。また、オーバーランによるエアーを含ませないことが好ましい場合には、含ませないようにサージタンク等の撹拌タンクで冷却・撹拌を行うことも可能である。
フリージング後モールドに充填する際の充填液の充填温度は、原料液の凝固点温度±1.0℃になるようにするのが好ましい。この充填温度は、冷菓のサックリ感が非常に良好となるので、好ましくは原料液の凝固点温度±1℃、より好ましくは原料液の凝固点温度±0.5℃である。
本技術における原料液の凝固点(凍結点)温度の測定方法は、原料液である液状の冷菓原料ミックスを雰囲気温度−35℃で冷却しながら、冷菓原料ミックスの温度を経時的に測定する。ここで、液体が固体になる反応には発熱反応が生じることから、前記の温度下で液体を冷却していくと、ある温度において一旦温度が下降しないポイント(凝固点)に達する。すなわち、本技術における原料液の凝固点温度は、冷却中に冷菓原料ミックスの温度が下降しないポイントにおける温度を原料液の凝固点温度として測定することが可能である。
原料液をモールドに充填後、必要に応じて、スティック等の保持体を挿入してもよい。
原料液が硬化後に、モールドから所定の形状に成形された冷菓を抜き取り、最終製品の冷菓を得る。得られた冷菓に、包装(例えば、ピロー包装、カルトン包装、段ボール包装等)を行い、包装容器で包装された冷菓を冷凍貯蔵する。
また、本技術は、以下の構成を採用することも可能である。
〔1〕 コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含有する冷菓。
〔2〕 前記コンニャク加工品とウェランガムとの質量比が、コンニャク加工品1に対して0.1〜0.6である〔1〕記載の冷菓。
〔3〕 前記ウェランガム含有量が、0.01〜0.08質量%である〔1〕又は〔2〕記載の冷菓。
〔4〕 前記寒天の含有量が、0.033〜0.45質量%である〔1〕〜〔3〕の何れか1項記載の冷菓。
〔5〕 さらに、ペクチン及び/又はタマリンドガムを含有する〔1〕〜〔4〕の何れか1項記載の冷菓。
〔6〕 ブリックス(Bx)値が、15〜30°である〔1〕〜〔5〕の何れか1項記載の冷菓。
〔7〕 果汁入り冷菓である、〔1〕〜〔6〕の何れか1項記載の冷菓。
〔8〕 原料のコンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含む充填液の充填温度を原料液の凝固点温度±1℃として得られる、〔1〕〜〔7〕の何れか1項記載の冷菓。
〔9〕 コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含む原料液を使用する冷菓の製造方法。
〔10〕 原料液のブリックス値を15〜30°になるようにする、〔9〕に記載の冷菓の製造方法。
〔11〕 前記原料液は、充填温度を原料液の凝固点温度±1℃の条件下で、モールドに充填する、〔9〕又は〔10〕に記載の冷菓の製造方法。
以下、実施例に基づいて本技術をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
冷菓原料の配合割合(質量%)は、表1〜4に示す。
コンニャク加工品は、サンスマート400(三栄源エフ・エフ・アイ社製)に相当する粉末状のコンニャク加工品を購入し、使用した。このコンニャク加工品の成分は、水飴37.5%、こんにゃく粉7%、でん粉5.5%であった。
寒天は、粉末状の増粘用寒天(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を購入し使用した。この増粘用寒天はゼリー強度が570〜630g/cm(1.5%ゲル、日寒水式)であった。
ウェランガムは、粉末状のもの(三栄源エフ・エフ・アイ社製)を購入した。
表1〜4に示す配合割合にて冷菓原料を混合し、65〜72℃で加熱溶解した。なお、果汁、色素、香料及び酸味料については、加熱溶解後に混合した。
加熱溶解後の原料液を、ホモゲナイザー(全圧5Mpa)で均質化し、さらに90℃30秒で殺菌し、10℃以下に冷却した。殺菌後の原料液を、10℃以下で12時間以上エージングを行い、貯液とした。なお、各原料液のpHを測定したところ、3.3〜4.0の範囲であり、冷菓を溶かしたときのpHも3〜5の範囲にあった。また、各原料液のブリックス値は、18〜25°の範囲であった。
この貯留液(原料液)に、フリーザーによるフリージングを行った。フリージングのときオーバーランが5%以上15%以下になるように原料液の撹拌を行った。フリージングによって半流動状態となった原料液をホッパー充填機にて、モールドに流し込み、充填した。このときの充填温度は原料液の凝固点温度±1℃で行った。充填液にスティックを挿入した。
原料液が硬化後に、モールドから所定の形状に成形された冷菓を抜き取り、最終製品の果汁入り冷菓を得た。得られた冷菓に、ピロー包装を行い、ピロー包装された果汁入り冷菓を得、これを冷凍貯蔵した。
<評価基準>
製造後、−25℃で24時間以上保存していた冷菓について、サックリ感及び風味の評価を行った。
冷菓を、−18℃から−8℃(6時間)と−8℃から−18℃(6時間)の往復の繰り返しを行って冷凍保存温度を変動させ、2週間経過後まで1日1回サンプルを取り出し、このサンプルの保存性の評価を行った。
<サックリ食感>
製造し、−25℃で24時間以上保存した冷菓を喫食した。
評価A:リンゴ様又はナシ様のサックリかつシャキシャキした食感が感じられる。
評価B1:リンゴ様又はナシ様のサックリした食感も感じられるが、ホクホクした芋のような食感もある。
評価B2:リンゴ様又はナシ様のサックリした食感も感じられるが、曳糸性のあるネットリとした食感もある。
評価C:リンゴ様又はナシ様のサックリとした食感が感じられない。
<風味(フレーバーリリース)>
3点(○):噛んだ時及び喫食中のフレーバーリリースが良好である。
2点(△):噛んだ時及び喫食中のフレーバーリリースが若干弱いが、許容できる範囲である。
1点(×):噛んだ時及び喫食中のフレーバーリリースが弱い。
<保存性>
5点:全ての製品でシロップ漏れは確認されない。
4点:一部(3〜6割)の製品で軽微なシロップ漏れ(包装内の冷菓の表面が濡れ、冷菓からごく少量のシロップがしみ出している状態)が確認される。
3点:全ての製品で軽微なシロップ漏れ(包装内の冷菓の表面が濡れ、ごく少量のシロップがしたたり落ちている状態)が確認される。
2点:一部(3〜6割)の製品で明かなシロップ漏れ(包装内の冷菓に含まれるシロップの一部がしみ出して、包装内にシロップ溜まりが生じている状態)が確認される。
1点:全ての製品で明かなシロップ漏れ(包装内の冷菓に含まれるシロップの一部がしみ出して、包装内にシロップ溜まりが生じている状態)が確認される。
Figure 2018161075
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Figure 2018161075
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表1に示すように、コンニャク加工品と、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、ジュランガムのガム質;増粘用寒天、カラギナンの海藻多糖類;ペクチンの陸上植物多糖類から選択される1種又は複数のものとの組み合わせを行った。しかし、これら増粘剤の組み合わせ及び含有量を種々調整し、これとコンニャク加工品とを組み合わせたものの、食感、風味及び安定保存性の全てを満たすことができなかった。
これに対し、表2〜4に示すように、コンニャク加工品と、増粘用寒天と、ウェランガムとの3成分を組み合わせることで、食感、風味及び安定保存性の全てを満たすことができるリンゴ果汁又はナシ果汁入り冷菓を得ることができた。しかも、この3成分を使用した冷菓は、リンゴ様又はナシ様のサックリ感を有し、当該サックリ感はフルーツ熟度も考慮したものであるので、これらカットフルーツに近い食感を有する。また、当該冷菓は、噛んだ瞬間に口の中に広がり、かつ喫食中の間持続する風味を有する。このため、食後に手軽にさっぱりしたいという果物系のデザートを提供することもできる。
なお、実施例6の風味評価について、コンニャク加工品:ウェランガム=1対0.4の時と比べて、噛んだ瞬間に口の中に広がる風味がわずかに劣るものの、全体の風味としては良好であったため、評価は「3」とした(表2の*)。
ウェランガムを無添加にした以外は試験例5(実施例)と同様にしてリンゴ果汁入り冷菓を製造した(試験例12)。
試験例12(ウェランガム無添加)及び試験例5(ウェランガム添加)の冷菓について、さらに風味の官能評価を別途行った。この結果を表5に示す。評価項目を「トップのリンゴ感(口に入れて噛んだ際にすぐに広がるリンゴ風味)」、「フレッシュ感」、「果汁感、ジューシー感」、「密感」、「ラストのリンゴ感(口中で溶かして飲み込む段階でのリンゴ風味)」とし、評価は5段階評価(最高5点)で、10名のパネラーを用いて、検討を行った。
このように、ウェランガムを配合することによって、全ての評価項目が良好となり、様々な方向性の食感及び風味でも非常に良好であった。さらに、表1〜3に示すように保存性についても十分優れていた。
Figure 2018161075
<充填温度>
充填温度を原料液の凝固点温度+1.5℃で行った以外は、試験例5(実施例)と同様にして、包装された果汁入り冷菓を得た。充填温度が試験例5の凝固点温度より1.5℃高くなると、食感に影響し、試験例5と比較して、氷の塊のような固い食感が感じられ、サックリ、シャキシャキ食感が劣っていた。
また、原料液の凝固点温度−1.5℃で行った以外は、試験例5(実施例)と同様にして、包装された果汁入り冷菓を得た。充填温度が試験例5の凝固点温度より1.5℃低くなると、保存性5点ではあるものの、試験例5と比較して、冷菓に気泡の穴がやや見え、やや充填適性が劣っていた。
本技術において、充填温度は原料液の凝固点温度±1℃(より好適には±0.5℃)の条件下で、モールドに充填することが、よりよいサックリ感、風味及び保存安定性を得る上で、好ましいものであった。

Claims (11)

  1. コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含有する冷菓。
  2. 前記コンニャク加工品とウェランガムとの質量比が、コンニャク加工品1に対して0.1〜0.6である請求項1記載の冷菓。
  3. 前記ウェランガム含有量が、0.01〜0.08質量%である請求項1又は2記載の冷菓。
  4. 前記寒天の含有量が、0.033〜0.45質量%である請求項1〜3の何れか1項記載の冷菓。
  5. さらに、ペクチン及び/又はタマリンドガムを含有する請求項1〜4の何れか1項記載の冷菓。
  6. ブリックス(Bx)値が、15〜30°である請求項1〜5の何れか1項記載の冷菓。
  7. 果汁入り冷菓である請求項1〜6の何れか1項記載の冷菓。
  8. 原料のコンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含む充填液の充填温度を原料液の凝固点温度±1℃として得られる請求項1〜7の何れか1項記載の冷菓。
  9. コンニャク加工品、寒天及びウェランガムを含む原料液を使用する冷菓の製造方法。
  10. 原料液のブリックス値を15〜30°になるようにする請求項9に記載の冷菓の製造方法。
  11. 前記原料液は、充填温度を原料液の凝固点温度±1℃の条件下で、モールドに充填する請求項9又は10に記載の冷菓の製造方法。
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