JP2018160758A - 斜面監視装置、斜面監視方法、および、斜面監視プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、本実施形態の斜面監視システム100は、検知端末10(斜面監視装置)および管理装置4を備える。検知端末10および管理装置4はそれぞれ、記憶部、制御部、入出力部といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(斜面監視プログラムを含む)を実行することにより、制御部のさまざまな機能を実現する。
加速度センサ1は、複数軸の加速度を測定可能なセンサであり、例えば、ジャイロセンサである。加速度センサ1は、静止状態では、重力加速度を測定することができる。また、加速度センサ1は、通知制御部2からのセンサ値の読み出し要求に応じて、指定されたサンプリングレートおよび測定精度でセンサ値を通知制御部2に返す。一般的に、加速度センサはサンプリングレートが増大するほど、または、測定精度が向上するほど、消費電力が増大する。
通知制御部2は、周期的にセンサ値を読み出して(センシング周期)、その値から所定の送信条件(傾斜データの送信条件)に合致するか否かの判定を行う。センサ値が送信条件に合致した場合に、無線部3は傾斜データを送信する。送信条件には、以下の(1)傾斜異常、(2)定期通知の2種類がある。
検知端末10の設置時の加速度センサ1の値Aと、センサ読み取り時の加速度センサ1の値Bとが得られると、これらの値A,Bによって、設置時からの装置(検知端末10)の傾きを計算することができる。計算した傾きの値が、予め指定した閾値以上であった場合(センサ値が送信条件に合致した場合)、通知制御部2は、傾斜異常があったと判定し、傾斜異常を示す検知データ、つまり、傾斜データを送信する。傾斜異常と判定する閾値は、例えば装置設置時の初期設定や、管理装置4からの設定コマンドによる設定によって設定することができる。
センシング周期とは異なる、定期通知の周期を用意することができる。例えば、センサの読み出し周期を10秒と設定し、定期通知の周期を60秒と設定することができる。この場合、通知制御部2は、10秒に1回の割合で、センサの読み出しを行うが、読み出されたセンサ値を直ちに送信せずに、定期送信の60秒が経過した時のみセンサ値としての検知データの送信を行う。このように、前回の定期通知から60秒経過することが、定期通知の条件となり、センサ値が送信条件に合致した場合に該当する。
無線部3は、加速度センサ1のセンサを検知データとして管理装置4に送信する。検知データの送信は、例えば、無線、かつ、マルチホップ通信で行うことができる。ただし、この場合、検知データが管理装置4に到達する前にロス(消失)してしまうことがある。
そのため、送信するデータが傾斜異常を通知するような重要なデータである場合には、無線部3は、ACKパケット(確認パケット)によるE2E(End to End)レベルの到達確認、および、再送制御を行う。これらにより、検知データが管理装置4に到達することを確実にすることができる。
管理装置4は、所定の監視エリア内にある、検知端末10を含む複数の検知端末を管理する。管理装置4は、検知端末10が送信したデータを受信し、管理装置4が備える記憶部に保存する。図1には、管理装置4が、マルチホップ通信でデータを受け取る構成を図示しているが、ネットワークの構成に関しては、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、または、携帯電話網でもよい。管理装置4は、受信したデータについては、例えば、データベースに保存したり、警報としてユーザに通知したりすることができる。
また、ユーザからの操作や、検知端末10から受信したセンサ値に応じて、管理装置4は、検知端末10の通知制御部2に対して設定コマンドを送信して、検知端末10の設定変更を行うことができる。
第1の実施形態の動作について、図2、図3を参照して説明する。図2に示すように、検知端末10−0,10−1,10−2(図1の検知端末10と同等。)を各所に設置し、線で示した経路でマルチホップネットワークが形成されていると仮定する。図3に示すように、まず、管理装置4は、検知端末10−0,10−1,10−2に初期設定のコマンドを送信する(ステップA1)。ステップA1の際、図3に示すように、初期設定のコマンドは、管理装置4から検知端末10−0,10−1,10−2の各々に直接送信されてもよい。また、検知端末10−1,10−2宛の初期設定のコマンドは、検知端末10−0を中継して送信されてもよい。
なお、送信される検知データは、重要なデータでないため、検知端末10−0,10−1,10−2の無線部3による到達確認および再送制御は行われない。
なお、送信される検知データは、重要なデータであるため、検知端末10−1の無線部3による到達確認および再送制御が行われる。
第1の実施形態によれば、センシングや検知データの送信周期、および、センシング精度を状況に合わせて変更することができる。つまり、斜面が安定しているときは、センシングにかかる消費電流やデータの送信頻度が低減するため、検知端末10の電池寿命を延ばすことができる。また、斜面状況が変化すると、高頻度かつ高精度な検知を行うことができるようになる。このように、検知端末10において、電池による長期動作と、高精度のモニタリングを同時に実現することができる。
第2の実施形態の説明の際、第1の実施形態の説明と重複する部分については、説明を省略し、相違する点を主に説明する。
図4に示すように、本実施形態の斜面監視システム100aは、第1の実施形態と比較して、検知端末10が水分量センサ5(センサ)を備えた点、検知端末10aを備えた点、管理装置4が気象情報7を取得する点、が追加される。
水分量センサ5は、例えば、土中に設置されるセンサである。水分量センサ5は、例えば、土壌の誘電率を測定することで、その誘電率に概ね比例する土中の水分量を測定することができる。また、水分量センサ5は、例えば、測定を定期的に行うことで、土中の水分量の変化を測定することができる。水分量センサ5が所定の水分量異常閾値を超える水分量を測定した場合、検知端末10は、水分量の検知データを無線部3から送信する。また、水分量センサ5は、例えば、加速度センサ1と同様、測定した水分量の定期通知を行うことができ、その定期通知の周期を変化させることができる。
検知端末10aは、検知端末10の周辺に存在する他の通信端末である。検知端末10aは、検知端末10と通信可能な箇所に配置されている。検知端末10aは、水分量センサ5を有しておらず、この点を除いて、検知端末10と同等の機能を有している。検知端末10a自身が測定した加速度センサ1の値に異常が見られない場合(センサ値の送信条件に合致しない場合)であっても、検知端末10が異常を検知し、管理装置4がその異常の検知データを受信すると、管理装置4が検知端末10aに設定コマンドを送信することで、検知端末10aは、高精度および高頻度な測定に切り替える。
また、検知端末10a自身が水分量の異常を検知することができない場合であっても、検知端末10が水分量の異常を検知し、管理装置4がその異常の検知データを受信すると、管理装置4が検知端末10aに設定コマンドを送信することで、検知端末10aは、高精度および高頻度な測定に切り替える。
気象情報7は、管理装置4がインターネットなどを介して外部(例:所定の情報サイト)から取得する情報である。気象情報7は、例えば、雨量の予報値などを示す情報である。管理装置4は、気象情報7に基づいて、雨天時には設置した検知端末10に設定コマンドを送信することで、検知端末10は、高精度および高頻度な測定に切り替える。また、管理装置4は、気象情報7に基づいて、晴天時には設置した検知端末10に設定コマンドを送信することで、検知端末10は、低精度および低頻度な測定に切り替える。
第2の実施形態の動作について、図5、図6を参照して説明する。図5は、図2の内容に対して、管理装置4が取得可能な気象情報7が追加図示されたものに相当する。図6に示すように、まず、管理装置4は、検知端末10−0,10−1,10−2に初期設定のコマンドを送信する(ステップA1)。ステップA1の際、図6に示すように、初期設定のコマンドは、管理装置4から検知端末10−0,10−1,10−2の各々に直接送信されてもよい。また、検知端末10−1,10−2宛の初期設定のコマンドは、検知端末10−0を中継して送信されてもよい。
なお、水分量センサ5を有しない検知端末10に対して、管理装置4は、検知端末10−1からの検知データの取得に応じて、設定コマンドを送信し、パラメタを変更させることができる。
なお、水分量センサ5を有しない検知端末10が監視エリア内に設置されている場合、管理装置4は、当該検知端末10にも、高精度および高頻度でセンシングするようにパラメタ変更用の設定コマンドを送信する。
第2の実施形態によれば、検知端末10が検知した異常情報を、管理装置4は、周辺の検知端末10にも通知することができる。よって、異常を検知していない検知端末10や水分量センサ5を有しない検知端末10に対しても、水分量の増加に応じた設定変更を反映させることができる。また、管理装置4は、外部から得られる気象情報7によって検知端末10の動作を制御することができる。よって、検知端末10が水分量センサ5で直接検知した情報(水分量)以外からも、センシング設定の最適化を行うことができる。
(1):第1の実施形態で説明した、加速度センサ1の加速度値を複数回取得して、取得した加速度値を平均する、という演算処理は、第2の実施形態で説明した水分量センサ5の水分量にも適用でき、平均値を求めることができる。
(2):第2の実施形態における、検知端末10−1が送信した検知データ(土中の水分量データ)を管理装置4が受信すると、管理装置4は、検知端末10−1の近傍に設置されている検知端末10−2に対して設定コマンドを送信する、という技術は、第1の実施形態で説明した加速度センサ値による検知データにも適用できる。つまり、管理装置4は、ある検知端末10から受信した検知データ(傾斜異常を示すデータ)を受信すると、近傍に設置されている他の検知端末10に設定コマンド(パラメタを(センシング周期(短),センシング精度(高),定期通知周期(短))に設定変更させるコマンド)を送信することができる。
(3)検知端末10が傾斜異常を検知して、センシング周期,センシング精度,定期通知周期のパラメタを変更する際、センシング周期,センシング精度,定期通知周期の少なくとも1つを変更するようにしてもよい。
10,10−1,10−2,10−3,10a 検知端末(斜面監視装置)
1 加速度センサ(センサ)
2 通知制御部(通知制御手段)
3 無線部(無線手段)
4 管理装置
5 水分量センサ(センサ)
7 気象情報
Claims (8)
- センサにより斜面を監視して自然災害の発生を検知する斜面監視装置であって、
前記センサの値を読み出し、傾斜データの送信条件に合致するかを判定する通知制御部と、
前記通知制御部の判定により、送信するデータが重要なデータの場合には確認パケットによる到達確認と再送制御を行い、送信するデータが重要なデータでない場合には到達確認と再送制御を行わない無線部と、を備える、
ことを特徴とする斜面監視装置。 - 前記通知制御部は、前記判定の結果に応じて、前記センサによる測定頻度、および、測定精度、並びに、前記無線部による定期通知頻度を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の斜面監視装置。 - 前記センサは加速度センサであり、
前記通知制御部は、前記斜面監視装置の設置時に前記加速度センサが測定した初期状態の値と、その後に前記加速度センサが測定した値とを比較することで、前記判定を行う、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の斜面監視装置。 - 前記センサの値は、前記センサが複数回取得した値の平均値である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の斜面監視装置。 - 前記斜面監視装置および他の斜面監視装置を含む複数の斜面監視装置を管理する管理装置が、前記他の斜面監視装置から、前記送信条件に合致する重要なデータを受信した場合、前記管理装置から受信した設定コマンドに従って、前記センサによる測定頻度、および、測定精度、並びに、前記無線部による定期通知頻度を向上させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の斜面監視装置。 - 前記管理装置が外部から気象情報として降雨の情報を取得した場合、前記管理装置から受信した設定コマンドに従って、前記センサによる測定頻度、および、測定精度、並びに、前記無線部による定期通知頻度を向上させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の斜面監視装置。 - センサにより斜面を監視して自然災害の発生を検知する斜面監視装置における斜面監視方法であって、
前記斜面監視装置が、
前記センサの値を読み出し、傾斜データの送信条件に合致するかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップでの判定により、送信するデータが重要なデータの場合には確認パケットによる到達確認と再送制御を行い、送信するデータが重要なデータでない場合には到達確認と再送制御を行わない確認・再送ステップと、を実行する、
ことを特徴とする斜面監視方法。 - センサにより斜面を監視して自然災害の発生を検知する斜面監視装置としてのコンピュータを、
前記センサの値を読み出し、傾斜データの送信条件に合致するかを判定する通知制御手段、
前記通知制御手段の判定により、送信するデータが重要なデータの場合には確認パケットによる到達確認と再送制御を行い、送信するデータが重要なデータでない場合には到達確認と再送制御を行わない無線手段、
として機能させるための斜面監視プログラム。
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