JP2018160395A - 透明導電体及び透明導電体の製造方法 - Google Patents

透明導電体及び透明導電体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる透明導電体及び透明導電体の製造方法を提供すること
【解決手段】透明基材1と、透明基材1上に設けられた導電性細線2と、透明基材1上における導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆する、延伸性の導電材からなる延伸性導電層3とを備える透明導電体、及び、透明基材1上に導電性細線2を形成し、次いで、透明基材1上における導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように、延伸性の導電材からなる延伸性導電層3を形成する透明導電体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電体及び透明導電体の製造方法に関し、より詳しくは、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる透明導電体及び透明導電体の製造方法に関する。
特許文献1には、基材上に設けられた金属メッシュを、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜で被覆する技術が開示されている。
特許文献2には、アンテナの機能や静電容量方式のタッチパネルの機能を備える電子機器の筐体部品が開示されている。具体的には、前記機能が付与される金属メッシュが形成されたフィルムを、筐体の外形に対応する曲面部を有する部材に貼着して、筐体部品としている。
特開2005−302508号公報 国際公開第2009/104635号
しかし、特許文献1のようにITO膜が設けられた基材は、折り曲げや延伸のような加工を施すことが困難である。ITO膜が割れてしまうからである。
また、折り曲げや延伸のような加工を施すと、金属メッシュを構成する導電性細線が断線することがある。
特許文献2は、所定のパターンで金属メッシュを形成することで断線を防止できるとしているが、断線を完全に防止することは困難である。
折り曲げや延伸によって、ITO膜が割れたり、導電性細線に断線が生じたりすると、導電性が低下することになる。折り曲げや延伸による導電性の低下を防止する観点で、更なる改善の余地が見出される。
また、透明基材上に導電性細線を設けてなる透明導電体は、例えば、当該透明導電体の背後に設けられたディスプレイ等を、該透明導電体を介して視認させるような用途にも用いられる。そのため、透明導電体には、上述した導電性の低下を防止できるだけでなく、視覚的な違和感を低減することも求められる。
そこで本発明の課題は、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる透明導電体及び透明導電体の製造方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
透明基材と、
前記透明基材上に設けられた導電性細線と、
前記透明基材上における前記導電性細線が設けられた領域を選択的に被覆する、延伸性の導電材からなる延伸性導電層と
を備えることを特徴とする透明導電体。
2.
前記導電性細線の線幅は10μm以下であることを特徴とする前記1記載の透明導電体。
3.
前記延伸性の導電材は、導電性を維持できる延伸率が20%〜100%であることを特徴とする前記1又は2記載の透明導電体。
4.
前記導電性細線は、金属粒子の堆積物と、該堆積物の上に積層された金属層とにより構成されていることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載の透明導電体。
5.
前記透明基材上に、前記導電性細線が複数設けられ、
前記延伸性導電層によって、複数の前記導電性細線が、それぞれ選択的に被覆されていることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載の透明導電体。
6.
前記透明基材上に、複数の前記導電性細線からなる導電性細線群が複数設けられ、
前記延伸性導電層によって、複数の前記導電性細線群が、それぞれ選択的に被覆されていることを特徴とする前記1〜5の何れかに記載の透明導電体。
7.
透明基材上に導電性細線を形成し、
次いで、前記透明基材上における前記導電性細線が設けられた領域を選択的に被覆するように、延伸性の導電材からなる延伸性導電層を形成することを特徴とする透明導電体の製造方法。
8.
前記導電性細線を、コーヒーステイン現象を利用した自己組織化によって形成することを特徴とする前記7記載の透明導電体の製造方法。
9.
前記導電性細線をフォトリソグラフィー法によって形成することを特徴とする前記7記載の透明導電体の製造方法。
10.
前記延伸性導電層を電解重合法又は電着法によって形成することを特徴とする前記7〜9の何れかに記載の透明導電体の製造方法。
11.
前記延伸性導電層をインクジェット法によって形成することを特徴とする前記7〜9の何れかに記載の透明導電体の製造方法。
本発明によれば、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる透明導電体及び透明導電体の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る透明導電体を説明する平面図 図1の透明導電体が備える導電性細線、延伸性導電層を説明する断面図 第2実施形態に係る透明導電体を説明する平面図 第3実施形態に係る透明導電体を説明する平面図 第4実施形態に係る透明導電体を説明する平面図 第5実施形態に係る透明導電体を説明する平面図 第6実施形態に係る透明導電体を説明する平面図 第7実施形態に係る透明導電体を説明する平面図 コーヒーステイン現象を利用した導電性細線形成の一例を説明する図 インサート成形の一例を説明する図
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
1.透明導電体
(1)第1実施形態
図1は第1実施形態に係る透明導電体を説明する平面図である。図2は図1の透明導電体が備える導電性細線、延伸性導電層を説明する断面図であり、導電性細線の長手方向と直交する断面を示している。
透明導電体は、透明基材1と、透明基材1上に設けられた導電性細線2と、延伸性導電層3とを備えている。延伸性導電層3は、延伸性の導電材により構成されている。延伸性導電層3は、透明基材1上における導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆している。なお、透明導電体を平面視したときに導電性細線2は延伸性導電層3の下方に配置されるが、説明の便宜上、導電性細線2を実線で示す。
かかる透明導電体によれば、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる効果が得られる。
また、透明導電体を、例えば構造体の非平面部分に貼合するように折り曲げたり、あるいは延伸させたりしたときに、導電性細線2が断線しても、導電性細線2を被覆している延伸性導電層3によって導電性が保持される。つまり、延伸性導電層3は、導電性細線2よりも延伸性が高いため、仮に導電性細線2が断線しても、導電性細線2の断線部分の導電性を補うことができる。
延伸性導電層3を用いることにより、導電性細線2を、変形下において断線を生じ得るような細い線幅にしても、導電性が保持される。これにより、導電性細線2を細く形成でき、導電性細線2を視認されにくいものにすることができる。
また、延伸性導電層3が、導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆していることによって、延伸性導電層3が設けられていない領域を介して光が透過できる。更に、延伸性導電層3が設けられる領域を小さくできるため、延伸性導電層3が視認性に与える影響も低減できる。延伸性導電層3による導電性細線2が設けられた領域の選択的な被覆については、後に「(8)延伸性導電層による被覆」において詳しく説明する。
本実施形態において、基材1上には、導電性細線2が複数設けられている。また、基材1上には、複数の導電性細線2によって構成された導電性細線群20が複数設けられている。各導電性細線群20は、複数の導電性細線2同士を互いに交差させたメッシュ状のパターンを形成している。
本実施形態では、各導電性細線群20を構成する複数の導電性細線2の全てが、延伸性導電層3によって被覆されている。
延伸性導電層3は、導電性細線2の長手方向に沿うように、帯状に設けられている。また、図2に示すように、延伸性導電層3は、幅方向の両側で、基材1と接触し、基材1をも被覆しているが、これに限定されず、基材1と接触せず、導電性細線2のみを被覆するようにしてもよい。
導電性細線2の線幅は、細いほど視認困難になるため好ましい。導電性細線の線幅は、例えば10μm以下、8μm以下、6μm以下、更には5μm以下であることが好ましい。線幅の下限は格別限定されないが、良好な導電性を付与する観点では例えば1μm以上とすることができる。
図2に示すように、導電性細線2は、金属粒子の堆積物21と、堆積物21の上に積層された金属層22とにより構成されていることが好ましい。金属粒子の堆積物21は、中実ではなく、金属粒子間に隙間を有する疎な状態にあるため、導電性細線2に導電性を付与するだけでなく伸縮性を付与することに寄与する。これにより、透明導電体の折り曲げや延伸の自由度が増す。一方、堆積物21上の金属層22は導電性の向上に寄与する。金属層22は導電性を好適に向上する観点で、中実な層であることが好ましい。
金属粒子の堆積物21を構成する金属は格別限定されないが、例えば銀及び銅から選ばれる金属を主成分とすることができる。
金属層22を構成する金属は格別限定されないが、例えば銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛及びスズから選ばれる金属を主成分とすることができる。
延伸性導電層3を構成する延伸性の導電材は、延伸性を有し、且つ導電性を有するものであればよい。
延伸性の導電材として、例えば導電性高分子が挙げられる。導電性高分子は格別限定されず、例えば、π共役系高分子としてポリ−3、4−エチレンオキシジチオフェン(PEDOT)、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレンや、これらの誘導体等が挙げられる。PEDOTはポリスチレンスルホン酸(PSS)と組み合わせることでより導電性を高めることができる。
また、延伸性の導電材として、例えば、導電性微粒子をバインダーに分散させたものが挙げられる。導電性微粒子は格別限定されず、例えば金属微粒子やカーボンブラック等を用いることができる。金属微粒子を構成する金属としては、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等が挙げられる。これらの中でも、Au、Ag、Cuが好ましく、Agが特に好ましい。金属微粒子の平均粒子径は、例えば1〜100nm、更には3〜50nmとすることができる。平均粒子径は、体積平均粒子径であり、マルバーン社製「ゼータサイザ1000HS」により測定することができる。バインダーは格別限定されず、例えばゴムや樹脂等を用いることができる。
延伸性の導電材は、透明なものでも、不透明なものでも用いることができる。透明であるが、色味(例えば青みがかっている)を有しているものであってもよい。延伸性導電層3が、導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆することによって、該延伸性導電層3が設けられる領域を小さくできるため、延伸性の導電材が不透明であったり、色味を有していたりする場合でも、視認性に与える影響を低減できる。
延伸性の導電材の導電性は、導電性細線2の導電性を補い得るものであれば格別限定されない。延伸性の導電材の導電性は、例えば、1×10−6Ω・cm〜1×10−1Ω・cmとすることができる。この導電性は、延伸性の導電材が、延伸されていない状態における値である。
延伸性の導電材は、導電性を維持できる延伸率が20%〜100%であることが好ましい。これにより、折り曲げや延伸による導電性の低下を更に防止できる。ここで、「導電性を維持できる延伸率」は、まず、ゴム等のような伸縮性を有する試験片上に延伸性の導電材を形成し、次いで、試験片を延伸し、延伸されていない状態の導電性に対する延伸下での導電性が50%になるときの延伸率(%)とする。延伸率(%)は、延伸下での長さから、延伸されていない状態の長さを引いた値を、延伸されていない状態の長さで割った値の百分率である。
透明基材1を構成する材料は特に限定されず、合成樹脂材料、その他種々の透明材料を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、セルロース系樹脂(ポリアセチルセルロース、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂等により構成される樹脂フィルムなどを好ましく挙げることができる。これらの材料は、可撓性に優れ、折り曲げや延伸のような加工を好ましく適用できる。また、透明基材1には、表面エネルギーを変化させるための表面処理を施してもよい。さらに、透明基材1には、ハードコート層や反射防止層などを設けてもよい。
透明基材1は板材であることが好ましく、その厚さ、大きさ(面積)及び形状は特に限定されず、透明導電体の用途、目的に応じて適宜定められるが、透明基材1の厚さは、20μm〜300μm程度が好ましい。本実施形態では、透明基材1の形状が方形状である場合を示している。
透明基材1の透明の度合いは特に限定されず、その光透過率が数%〜数十%のいずれでもよく、その分光透過率もどのようなものでもよい。これら光透過率及び分光透過率は、透明導電体の用途、目的に応じて適宜定められる。
本実施形態において、導電性細線2は、方形状の透明基材1の四辺に対して傾斜する方法に配向されている。これにより、良好なモアレ防止効果を発揮することができる。例えば、透明導電体の背後に図示しない画像表示装置(ディスプレイ)を配置し、該透明導電体を透視して該画像表示装置を視認させることができる。かかる画像表示装置の画素アレイは、通常は、方形状の透明基材1の四辺に沿う方向に配列される。このとき、導電性細線2が、方形状の方形状のフィルム基材1の四辺に対して傾斜していることによって、導電性細線2と画素アレイとの間の光学的な干渉による干渉縞(モアレ)の発生を防止することができる。この効果は、画素アレイが配置される場合に限定されず、規則的なパターンを有する部材が配置される場合において広く発揮される。
本実施形態では、一例として、透明導電体の各導電性細線群20を、タッチパネルにおける位置検出電極として用いる場合を示している。各導電性細線群20は、引き出し配線4に接続され、位置検出のための図示しない制御回路に接続することができる。このように、導電性細線群20を一つの電極として用いることは好ましいことである。
(2)第2実施形態
上述した第1実施形態では、複数の導電性細線2の全てが、延伸性導電層3によって被覆されている場合について示したが、これに限定されない。以下に第2実施形態として、複数の導電性細線2の一部が、延伸性導電層3によって被覆されている場合について説明する。
図3は第2実施形態に係る透明導電体を説明する平面図である。
第2実施形態においても、導電性細線群20は、複数の導電性細線2同士を互いに交差させたメッシュ状のパターンを形成している。
第2実施形態では、複数の導電性細線2の一部が、延伸性導電層3によって被覆されている。即ち、このメッシュ状のパターンは、一方向に配向された複数の導電性細線2と、一方向と交差する他方向に配向された複数の導電性細線2とによって形成されている。ここで、一方向(図3中、左下から右上に向かう方向)に配向された複数の導電性細線2は、延伸性導電層3によって被覆されている。他方向(図3中、左上から右下に向かう方向)に配向された複数の導電性細線2は、延伸性導電層3によって被覆されていない。
このように、複数の導電性細線2の一部を延伸性導電層3によって被覆することによって、延伸性導電層3が設けられる領域を小さくでき、延伸性導電層3が設けられていない領域を大きくできるため、延伸性導電層3が視認性に与える影響を更に低減し、光の透過量も更に増大できる。これにより、視覚的な違和感を更に低減できる効果が得られる。
(3)第3実施形態
上述した第2実施形態では、1本の帯状の延伸性導電層3が、1本の導電性細線2に沿うように設けられる場合について主に示したが、これに限定されない。以下に第3実施形態として、1本の帯状の延伸性導電層3が、複数本の導電性細線2に沿うように設けられる場合について説明する。
図4は第3実施形態に係る透明導電体を説明する平面図である。
第3実施形態においても、導電性細線群20は、複数の導電性細線2同士を互いに交差させたメッシュ状のパターンを形成している。
第3実施形態では、帯状の延伸性導電層3が、複数本の導電性細線2に沿うように設けられる。即ち、このメッシュ状のパターンは、一方向に配向された複数の導電性細線2と、一方向と交差する他方向に配向された複数の導電性細線2とによって形成されている。ここで、帯状の延伸性導電層3は、一方向(図4中、左下から右上に向かう方向)に配向された複数の導電性細線2と、他方向(図4中、左上から右下に向かう方向)に配向された複数の導電性細線2とを交互に被覆するように設けられている。ここでは、延伸性導電層3は、該延伸性導電層3の長手方向に対して左右に繰り返し蛇行している。
このように、延伸性導電層3が、複数本の導電性細線2に沿うように設けられる場合においても、上述した第2実施形態と同様に、視覚的な違和感を更に低減できる効果が得られる。
図4の例では、延伸性導電層3が、導電性細線群20の長手方向に沿う方向に設けられる場合について示したが、これに限定されない。例えば、延伸性導電層3が、導電性細線群20の幅方向に沿う方向に設けられてもよい。また、延伸性導電層3は分岐して、枝分かれするように伸長していてもよい。
(4)第4実施形態
以上の説明では、延伸性導電層3によって導電性細線2を被覆する場合について主に示したが、これに限定されない。以下に第4実施形態として、延伸性導電層3によって各導電性細線群20を被覆する場合について説明する。
図5は第4実施形態に係る透明導電体を説明する平面図である。
第4実施形態においても、導電性細線群20は、複数の導電性細線2同士を互いに交差させたメッシュ状のパターンを形成している。
第4実施形態においては、延伸性導電層3によって、複数の導電性細線群20が、それぞれ個別に被覆されている。各導電性細線群20において、延伸性導電層3は、導電性細線2を被覆するだけでなく、互いに隣接する導電性細線2間の間隙にも設けられている。前記間隙において、延伸性導電層3は、透明基材1を被覆している。
第4実施形態に係る透明導電体においても、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる効果が得られる。特に、延伸性導電層3が複数の導電性細線2にまたがって面状に設けられることによって、導電性細線2が変形下で断線を生じても、より好適に導電性を保持できる。また、複数の導電性細線群20の間には、延伸性導電層3が設けられていない領域が存在するため、この領域を介して光が透過できる。更に、全面に延伸性導電層3を形成する場合と比較して、延伸性導電層3が設けられる領域を小さくできるため、延伸性導電層3が視認性に与える影響も低減できる。また、各導電性細線群20を、互いに電気的に絶縁された状態にすることができるため、各導電性細線群20を個別の電極として好適に機能させることができる。
(5)第5実施形態
以上の説明では、導電性細線群20がメッシュ状のパターンを形成している場合について主に示したが、これに限定されない。以下に第5実施形態として、導電性細線群20がストライプ状のパターンを形成している場合について説明する。
図6は第5実施形態に係る透明導電体を説明する平面図である。
第5実施形態において、導電性細線群20はストライプ状のパターンを形成している。ここでは、導電性細線群20を構成する複数の導電性細線2の全てを、延伸性導電層3によって被覆している。
これにより、導電性細線群20がストライプ状のパターンを形成する場合においても、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる効果が得られる。
ここでは、導電性細線群20を構成する複数の導電性細線2の全てを、延伸性導電層3によって被覆する場合について示したが、上述したメッシュ状のパターンの場合と同様に、導電性細線群20を構成する複数の導電性細線2の一部を、延伸性導電層3によって被覆してもよい。
(6)第6実施形態
導電性細線群20がストライプ状のパターンを形成している場合においても、第4実施形態と同様に、延伸性導電層3によって、複数の導電性細線群20を、個別に被覆することができる。これについて、以下に第6実施形態として説明する。
図7は第6実施形態に係る透明導電体を説明する平面図である。
第6実施形態において、導電性細線群20はストライプ状のパターンを形成している。ここでは、延伸性導電層3によって、複数の導電性細線群20を個別に被覆している。
これにより、導電性細線群20がストライプ状のパターンを形成する場合においても、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる効果が得られる。
(7)第7実施形態
上述したように、透明導電体は、折り曲げや延伸によって変形されても、導電性を保持することができる。このとき、折り曲げや延伸によって変形される部位に、延伸性導電層3を設けることも好ましいことである。これについて、以下に第7実施形態として説明する。
図8は第7実施形態に係る透明導電体を説明する平面図である。ここでは、第7実施形態として、図8(a)及び図8(b)に2つの例を示す。
図8(a)及び図8(b)の何れの例においても、導電性細線群20はメッシュ状のパターンを形成している。この透明導電体については、点線Aで囲まれた部位が、後に折り曲げ加工される部位である。延伸性導電層3は、かかる部位Aの導電性細線2を被覆するように設けられている。
図8(a)の例では、導電性細線群20に対して、部位Aの一部を被覆するように延伸性導電層3を設けている。具体的には、部位Aの導電性細線2を延伸性導電層3で被覆している。そのため、導電性細線群20を構成する互いに隣接する導電性細線2間の間隙には、延伸性導電層3が設けられていない。
図8(b)の例では、部位A全体を被覆するように延伸性導電層3を設けている。そのため、導電性細線群20を構成する互いに隣接する導電性細線2間の間隙にも、延伸性導電層3が設けられている。
図8(a)及び図8(b)に示す何れの例においても、断線が生じ易い部位Aにおける導電性細線2の断線をピンポイントで防止できる。また、延伸性導電層3が設けられる領域を小さくできるため、延伸性導電層3が視認性に与える影響を更に低減し、光の透過量も更に増大できる。そのため、視覚的な違和感を更に低減できる効果が得られる。
第7実施形態では、導電性細線群20がメッシュ状のパターンを形成している場合について示したが、ストライプ状のパターンにおいても、同様の効果が得られる。
以上の説明では、導電性細線群20がメッシュ状のパターンあるいはストライプ状のパターンを形成する場合について主に示したが、これに限定されない。導電性細線群20を構成する導電性細線2の形状や配置等によって、導電性細線群20に任意のパターンを形成することができる。
以上の説明では、導電性細線2が導電性細線群20を形成する場合について主に示したが、これに限定されない。導電性細線2は、透明基材1上に単独で設けられてもよい。透明基材1上に単独で設けられた導電性細線2は、例えば配線等として用いることができる。このとき、延伸性導電層3は、導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように、適宜設けることができる。透明基材1上に各々単独で設けられた複数の導電性細線2を、導電性細線2ごとに延伸性導電層3によって選択的に被覆することも好ましい。これにより、複数の配線を個別の配線として用いることができる。
(8)延伸性導電層による被覆
本発明においては、延伸性導電層によって「導電性細線が設けられた領域」を「選択的」に被覆する。
ここで、「導電性細線が設けられた領域」とは、第1〜第3実施形態、第5実施形態、及び、第7実施形態における図8(a)の例のように、導電性細線2ごとに画定された領域を含む。また、第4実施形態、第6実施形態、及び、第7実施形態における図8(b)の例にように、導電性細線群ごとに画定された領域を含む。
また、「選択的」な被覆とは、画定された上記「導電性細線が設けられた領域」の全部又は一部を被覆することである。
「導電性細線が設けられた領域」の全部を被覆する場合、この被覆は、「導電性細線が設けられた領域」以外の領域に対して選択的である。この例として、第1及び第4〜第6実施形態が挙げられる。また、「導電性細線が設けられた領域」の一部を被覆する場合、この被覆は、「導電性細線が設けられた領域」を構成する他の部分に対して選択的である。この例として、第2及び第3実施形態、並びに、第7実施形態における図8(a)及び図8(b)の例が挙げられる。
上述した何れの場合においても、視覚的な違和感を低減でき、且つ折り曲げや延伸による導電性の低下を防止できる効果が得られる。
2.透明導電体の製造方法
透明導電体の製造方法においては、まず、透明基材1上に導電性細線2を形成する。次いで、透明基材1上における導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように、延伸性の導電材からなる延伸性導電層3を形成する。これにより、透明導電体が得られる。
(1)導電性細線の形成方法
導電性細線2を形成する方法は格別限定されないが、フォトリソグラフィー法や印刷法等が好ましく挙げられる。印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法やインクジェット法等が挙げられる。インクジェット法におけるインクジェットヘッドの液滴吐出方式は格別限定されず、例えばピエゾ方式やサーマル方式等が挙げられる。
また、コーヒーステイン現象を利用した自己組織化によって、導電性細線2を形成してもよい。これについて、図9を参照して説明する。
まず、図9(a)に示すように、透明基材1上に、金属微粒子を含むインクからなるライン状液体5を付与する。ライン状液体5を付与する方法は格別限定されず、例えばインクジェット法等の印刷法を用いることができる。
次いで、ライン状液体5を乾燥させる過程で、コーヒーステイン現象を利用して、ライン状液体5の縁に金属微粒子を選択的に堆積させる(自己組織化させる)ことによって、図9(b)に示すように、導電性細線2を形成することができる。この例では、ライン状液体5の長手方向に沿う両縁に金属微粒子を選択的に堆積させることによって、一対の導電性細線2、2を形成している。ライン状液体5の線幅を均一に形成することによって、一対の導電性細線2、2を互いに平行に形成することができる。
導電性細線2の線幅は、ライン状液体5の線幅よりも細く、例えば10μm以下、8μm以下、6μm以下、更には5μm以下とすることができる。これにより、導電性細線2が視認困難になり、透明導電体の透明性を向上することができる。導電性細線2の線幅の下限は格別限定されないが、良好な導電性を確保する観点では例えば1μm以上とすることができる。
図9の例では、ライン状液体5及び導電性細線2を直線にしているが、これに限定されない。ライン状液体5の形状を波線形状又はジグザグ形状にすることで、得られる導電性細線2の形状を波線形状又はジグザグ形状にすることができる。また、例えば透明基材1上にインクをドット状液体として付与することで、導電性細線2の形状をリング形状にすることもできる。
印刷法、特に上述したコーヒーステイン現象に好適に用いられるインクについて、詳しく説明する。
インクに含有させる金属微粒子を構成する金属としては、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等が挙げられる。これらの中でも、Au、Ag、Cuが好ましく、Agが特に好ましい。金属微粒子の平均粒子径は、例えば1〜100nm、更には3〜50nmとすることができる。平均粒子径は、体積平均粒子径であり、マルバーン社製「ゼータサイザ1000HS」により測定することができる。
インク中の金属微粒子の濃度は、例えば5重量%以下とすることができ、更には0.01重量%以上1.0重量%以下とすることができる。これにより、コーヒーステイン現象が促進され、導電性細線2を更に細くできる等の効果が得られる。
インクに用いられる溶媒は格別限定されず、水や有機溶剤から選択された一種又は複数種を含むことができる。有機溶剤としては、例えば、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール等のアルコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
また、インクには界面活性剤等の他の成分を含有させることができる。界面活性剤は格別限定されず、例えばシリコン系界面活性剤等が挙げられる。インク中の界面活性剤の濃度は、例えば1重量%以下とすることができる。
透明基材1上に付与されたインク(ライン状液体)の乾燥方法は自然乾燥でも強制乾燥でもよい。強制乾燥に用いる乾燥方法は格別限定されず、例えば、透明基材1の表面を所定温度に加温する方法や、透明基材1の表面に気流を形成する方法等を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。気流は、例えばファン等を用いて、送風又は吸引を行うことによって形成することができる。
透明基材1上に形成された導電性細線2に後処理を施すことができる。後処理として、例えば、焼成処理、メッキ処理等が挙げられる。焼成処理を施した後、メッキ処理を施してもよい。
焼成処理としては、例えば、光照射処理、熱処理等が挙げられる。光照射処理には、例えば、ガンマ線、X線、紫外線、可視光、赤外線(IR)、マイクロ波、電波等を用いることができる。熱処理には、例えば、熱風、加熱ステージ、加熱プレス等を用いることができる。
メッキ処理としては、例えば、無電解メッキ、電解メッキ等が挙げられる。電解メッキでは、導電性細線の導電性を利用して、該導電性細線に選択的にメッキを施すことができる。導電性細線に複数回のメッキ処理を施してもよい。メッキ金属を異ならせた複数回のメッキ処理を施してもよい。
メッキ処理によって、メッキ被膜を有する導電性細線を形成することができる。複数回のメッキ処理によって、複数のメッキ被膜が積層された導電性細線を形成することもできる。
電解メッキに用いるメッキ液には、例えば、過硫酸ナトリウム、塩化第二銅、過酸化水素等のような酸化剤を含有させてもよい。酸化剤の使用により、導電性細線の導電性を向上でき、且つメッキ太りが抑制される。この効果は、コーヒーステイン現象を利用して形成された導電性細線を対象とする場合に特に良好に発揮される。
例えば、印刷法と、メッキ処理とを組み合わせることで、図2に示したような積層構造の導電性細線2を形成することができる。この場合、印刷法、好ましくはコーヒーステイン現象を利用した印刷法によって、金属粒子の堆積物21を形成し、次いで、メッキ処理によって、金属粒子の堆積物21上に、メッキ被膜として金属層22を形成することができる。
導電性細線2の層構成は、図2に示したような2層の積層構造に限定されず、3層以上の積層構造であってもよい。また、導電性細線2は単層構造であってもよい。導電性細線2を単層構造とする場合は、中実な金属により構成してもよいし、金属粒子の堆積物により構成してもよい。
(2)延伸性導電層の形成方法
延伸性導電層3の形成方法は、導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように延伸性導電層3を形成できれば、格別限定されない。
延伸性導電層3の好ましい形成方法として、例えば電解重合法又は電着法等を用いることができる。
電解重合法の一例において、まず、導電性細線2が形成された透明基材1を、導電性高分子を構成するためのモノマーを含む液中に浸漬する。次いで、導電性細線2と、同じ液中に浸漬された対極との間に、所定の電圧を印加する。これにより、導電性細線2上で電気化学的な酸化還元反応を生起させて導電性高分子を重合することができる。この結果、導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように、導電性高分子からなる延伸性導電層3を形成することができる。電解重合には、自体公知の手法を用いることができる。
電着法の一例において、まず、導電性細線2が形成された透明基材1を、延伸性の導電剤を含む液中に浸漬する。液中において、延伸性の導電剤は所定の極性に帯電されている。次いで、導電性細線2と、同じ液中に浸漬された対極との間に、所定の電圧を印加する。このとき、導電性細線2は、帯電されている延伸性の導電剤とは逆の極性に設定する。これにより、導電性細線2上に延伸性の導電剤を吸着することができる。これにより、導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように、延伸性導電層3を形成することができる。電着には、自体公知の手法を用いることができる。
上述した電解重合法、電着法は、延伸性導電層3を構成する延伸性の導電剤が導電性高分子である場合などに特に好適に用いることができる。
また、延伸性導電層3の好ましい形成方法として、インクジェット法を用いることもできる。インクジェット法を用いる場合は、延伸性導電層3を形成するための延伸性の導電材を含むインクを、導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように付与することができる。
上述したインクジェット法は、延伸性導電層3を構成する延伸性の導電材が、例えば、導電性高分子であっても、あるいは導電性微粒子をバインダーに分散させたものであっても、好適に用いることができる。
上述した第4実施形態及び第6実施形態のように、延伸性導電層3によって、複数の導電性細線群20を、それぞれ選択的に被覆する場合は、インクジェット法等の印刷法によって延伸性導電層3を形成することが好ましい。
3.その他の態様
(1)透明導電体の成形方法(構造物の製造方法)
透明導電体には、曲面を成すように成形を施すことができる。成形は、透明導電体を3次元的に変形させるものであることが好ましい。3次元的に変形によって、透明導電体には非平面形状が付与される。非平面というのは、一つの平面内に含まれない面であり、曲面や、複数の平面の組み合わせによって構成され得る。
成形の手法は格別限定されないが、例えばインサート成形等を用いることができる。以下に、図10を参照して、インサート成形の一例について説明する。
まず、図10(a)に示すように、金型6a、6bに、上述した透明導電体Fを供給する。
次いで、図10(b)に示すように、金型6a、6bを閉じる。
次いで、図10(c)に示すように、金型6a、6b内に、溶融された樹脂7を注入する。金型6a、6b内において、樹脂Rは透明導電体Fの裏面に接触するように注入される。注入された樹脂Rは、冷却によって固化され、構造体7を形成する。このとき、樹脂Rは、透明導電体Fの裏面に融着され、構造体7と透明導電体Fとを一体化する。
次いで、図10(d)に示すように、金型6a、6bを開いて離型する。これにより、構造体7と、構造体7の非平面部分を被覆する透明導電体Fとからなる構造物が得られる。
このような成形過程において、透明導電体Fは、構造体7の非平面部分に沿う非平面を成すように(曲面を成すように)成形される。本実施形態では、金型6a、6b内に溶融された樹脂Rを注入する前に、透明導電体Fを予め成形(プレフォーム)させている。透明導電体Fを、曲面を成すように成形する方法としては、例えば、透明導電体Fを加熱軟化させた状態で、加圧成形や真空圧空成形等の成形を行う方法等が挙げられる。あるいは、樹脂Rを注入する際に、溶融された樹脂Rによる熱と、注入圧によって透明導電体Fを、曲面を成すように成形してもよい。何れの場合においても、成形に伴う変形によって導電性細線2が断線しても、延伸性導電層3によって導電性を保持することができる。
また、透明導電体Fの表面側、あるいは裏面側に、更なる他の層(図示省略)を積層した状態で、透明導電体Fを金型に供給してもよい。これにより、透明導電体Fと構造体7との間に更なる他の層が積層された構造物、又は、透明導電体Fの表面に更なる他の層が積層された構造物が得られる。
(2)透明導電体の延伸方法
透明導電体は、これを曲げる場合だけでなく、延伸する場合においても、導電性細線の断線を生じ得る。この場合も、延伸性導電層によって導電性を保持することができる。透明導電体を延伸する方法には、例えば、透明導電体を一軸延伸する一軸延伸機、透明導電体を二軸延伸する二軸延伸機等が用いられる。
以上、透明導電体に成形や延伸といった、変形を伴う加工を施す場合について説明したが、このような加工は省略してもよい。変形を伴う加工の有無によらず、透明導電体は、例えば使用時に変形を生じ得るような種々の用途に好適に用いることができる。
以上の説明では、透明基材の一方の面上に導電性細線及び延伸性導電層を設ける場合について主に示したが、これに限定されない。例えば、透明基材の他方の面にも導電性細線を設けることができる。また、他方の面の導電性細線についても、該導電性細線が設けられた領域を選択的に被覆するように延伸性導電層を設けることができる。この場合、タッチパネルの用途においては、一方の面の導電性細線からなる導電性細線群をX方向の位置検出電極とし、他方の面の導電性細線からなる導電性細線群をY方向の位置検出電極とすることができる。
以上の説明では、透明導電体をタッチパネルとして用いる場合について主に説明したが、これに限定されない。導電性細線及び導電性細線群には、透明導電体の用途に応じた種々の機能を付与することができる。
例えば、両方に導電性細線群を有する透明導電体において、両方の導電性細線群で一つの機能を発揮するように構成されてもよいが、片方ずつ別機能を発揮するように構成されてもよい。具体例として、一方の導電性細線群に、静電容量センサーを構成するためのタッチスイッチ機能を付与し、他方の導電性細線群に、発熱体(ヒーター)を構成して発熱体機能を付与することができる。発熱には、導電性細線への通電により生じるジュール熱を利用できる。あるいは、他方の導電性細線群に、例えば通信等のための電磁波を送受信するためのアンテナ機能を付与してもよい。
以上の説明において、一つの実施形態について説明された構成は、他の実施形態に適宜適用することができる。また、「1.透明導電体」、「2.透明導電体の製造方法」及び「3.その他の態様」の一つの態様について説明された構成は、他の態様に適宜適用することができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
1.透明導電体の製造
(実施例1)
まず、透明基材1上に導電性細線2を形成し、次いで、透明基材1上における導電性細線2が設けられた領域を選択的に被覆するように、延伸性の導電材からなる延伸性導電層3を形成した。これにより、第2実施形態(図3)と同様の透明導電体を得た。
透明基材1には、厚さ125μmの易接着層付きPETフィルムを用いた。
導電性細線2は、スクリーン印刷法により形成した。導電性細線2の線幅は6μmである。インクには、スクリーン印刷用の銀ペーストを用いた。
延伸性導電層3は、電着法により形成した。延伸性導電層3を構成する延伸性の導電材は、PEDOT/PSSである。延伸性の導電材の「導電性を維持できる延伸率」を測定したところ100%であった。
(実施例2)
実施例1において、線幅が5μmの導電性細線2をフォトリソグラフィー法により形成したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電体を得た。
(実施例3)
実施例1において、線幅が5μmの導電性細線2をインクジェット法により形成したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電体を得た。ここでは、インクジェット法により透明基材1上にインクを付与した後、コーヒーステイン現象を利用した自己組織化(下記の表1中、CSと表記する)によって導電性細線2を形成した。インクには、銀ナノ粒子:0.5重量%、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:20重量%、残部水からなる水系銀ナノインクを用いた。
(実施例4)
実施例3において、延伸性導電層3を電解重合法により形成したこと以外は、実施例3と同様にして透明導電体を得た。延伸性導電層3を構成する延伸性の導電材は、PEDOT/PSSである。延伸性の導電材の「導電性を維持できる延伸率」を測定したところ100%であった。
(実施例5)
実施例3において、延伸性導電層3をインクジェット法により形成したこと以外は、実施例3と同様にして透明導電体を得た。延伸性導電層3を構成する延伸性の導電材は、PEDOT/PSSである。延伸性の導電材の「導電性を維持できる延伸率」を測定したところ100%であった。
(実施例6)
実施例3において、延伸性導電層3を構成する延伸性の導電材としてポリアニリンを用いたこと以外は、実施例3と同様にして透明導電体を得た。延伸性の導電材の「導電性を維持できる延伸率」を測定したところ15%であった。
(実施例7)
実施例3において、コーヒーステイン現象を利用した自己組織化を行わずに導電性細線2を形成したこと以外は、実施例3と同様にして透明導電体を得た。導電性細線2の線幅は11μmである。
(比較例1)
実施例1において、延伸性導電層3の形成を省略したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電体を得た。
2.評価方法
(1)曲げ耐性
得られた透明導電体を、幅10mm、長さ100mmの短冊状に切り出し、延伸機にて延伸して、下記評価基準で曲げ耐性を評価した。
〔評価基準〕
○:延伸率が20%で抵抗上昇が2倍以下である
×:延伸率が20%で抵抗上昇が10倍以上である
(2)視認性
得られた透明導電体を、目視で観察して、下記評価基準で視認性を評価した。
〔評価基準〕
○:金属細線のパターンが見えない
△:金属細線のパターンがわずかに観察される
×:金属細線のパターンが明瞭に観察される(本実施例及び比較例において該当なし)
以上の評価結果を表1に示す。
1:透明基材
2:導電性細線
21:金属粒子の堆積物
22:金属層
3:延伸性導電層
4:引き出し線
5:ライン状液体
6a、6b:金型
7:構造体
F:透明導電体
R:樹脂

Claims (11)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に設けられた導電性細線と、
    前記透明基材上における前記導電性細線が設けられた領域を選択的に被覆する、延伸性の導電材からなる延伸性導電層と
    を備えることを特徴とする透明導電体。
  2. 前記導電性細線の線幅は10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電体。
  3. 前記延伸性の導電材は、導電性を維持できる延伸率が20%〜100%であることを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電体。
  4. 前記導電性細線は、金属粒子の堆積物と、該堆積物の上に積層された金属層とにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の透明導電体。
  5. 前記透明基材上に、前記導電性細線が複数設けられ、
    前記延伸性導電層によって、複数の前記導電性細線が、それぞれ選択的に被覆されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の透明導電体。
  6. 前記透明基材上に、複数の前記導電性細線からなる導電性細線群が複数設けられ、
    前記延伸性導電層によって、複数の前記導電性細線群が、それぞれ選択的に被覆されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明導電体。
  7. 透明基材上に導電性細線を形成し、
    次いで、前記透明基材上における前記導電性細線が設けられた領域を選択的に被覆するように、延伸性の導電材からなる延伸性導電層を形成することを特徴とする透明導電体の製造方法。
  8. 前記導電性細線を、コーヒーステイン現象を利用した自己組織化によって形成することを特徴とする請求項7記載の透明導電体の製造方法。
  9. 前記導電性細線をフォトリソグラフィー法によって形成することを特徴とする請求項7記載の透明導電体の製造方法。
  10. 前記延伸性導電層を電解重合法又は電着法によって形成することを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の透明導電体の製造方法。
  11. 前記延伸性導電層をインクジェット法によって形成することを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の透明導電体の製造方法。
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