JP2018159471A - 軸及び密封構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールリングの側面の経時的な摩耗に関わらず、シールリングの摺動抵抗を低減させることのできる軸及び密封構造を提供する。
【解決手段】ハウジング300に対して相対的に回転する軸200であって、ハウジング300との間の環状隙間を封止して密封対象流体の圧力を保持する樹脂製のシールリング400が装着される環状溝210をその外周側に備える軸200において、環状溝210におけるシールリング400が摺動する側壁面213が金属で構成され、側壁面213に相対的な回転時に導入される密封対象流体によって動圧を発生させる動圧発生溝220が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハウジングに対して相対的に回転する軸、及び、相対的に回転するハウジングと軸との間の環状隙間を密封する密封構造に関する。
従来、自動車用の自動変速機(AT)や無段変速機(CVT)においては、油圧を保持するために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する樹脂製のシールリングが用いられている。一般に、この種類のシールリングは、軸の外周側に設けられた環状溝に装着されて、その外周面をハウジングの軸孔の内周面に密着させると共に、その一方の側面(軸方向における一方の端面)を環状溝の側壁面に密着させることによって、軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する。ここで、いわゆる側面摺動タイプのシールリング、即ち、その側面が環状溝の側壁面に対して密着しながら摺動するシールリングにおいては、密封対象流体を導入させて動圧を発生させる凹部を当該側面に形成することによって、当該側面と環状溝の側壁面との間の摺動抵抗を低減させる技術が知られている(特許文献1参照)。
国際公開第2011/105513号
シールリングが樹脂製の場合には、その摺動面は経時的に摩耗し得る。したがって、上述の従来技術に開示された凹部を樹脂製のシールリングの側面に形成した場合には、当該側面の経時的な摩耗によって凹部の形状が変化し得る。特に凹部が徐々に浅く成り得るため、当該凹部による摺動抵抗の低減作用は徐々に低下し得る。
このような課題に鑑み、本発明は、シールリングの側面の経時的な摩耗に関わらず、シールリングの摺動抵抗を低減させることのできる軸及び密封構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
即ち、本発明に係る軸は、
ハウジングに設けられた軸孔に挿通されて前記ハウジングに対して相対的に回転する軸であって、前記ハウジングとの間の環状隙間を封止して密封対象流体の圧力を保持する樹脂製のシールリングが装着される環状溝をその外周側に備える軸において、
前記環状溝における前記シールリングが摺動する側壁面が金属で構成され、前記側壁面に前記ハウジングと前記軸との相対的な回転時に導入される前記密封対象流体によって動圧を発生させる動圧発生溝が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る軸によれば、環状溝の側壁面に形成された動圧発生溝において発生した動圧によって、シールリングを当該側壁面に対して押圧する密封対象流体の圧力の一部が相殺される。これにより、シールリングの当該側壁面に対する摺動抵抗が低減される。ここで、環状溝の側壁面は金属から構成されているため、樹脂製のシールリングが摺動しても摩耗しにくい。ゆえに、側壁面に形成された動圧発生溝の形状が摩耗によって変化することが抑制されるため、動圧発生溝による摺動抵抗の低減作用の低下も抑制される。特に、
シールリングの側面が経時的に摩耗したとしても、動圧発生溝による摺動抵抗の低減作用は損なわれない。したがって、本発明によれば、シールリングの側面の経時的な摩耗に関わらず、シールリングの摺動抵抗を低減させることができる。
また、本発明に係る軸は、前記環状溝の側壁面を構成する金属製の環状部材を備えてもよい。このような構成を採用すれば、例えば、予め動圧発生溝を形成した環状部材を軸に取り付けることによって環状溝の側壁面を構成することが可能になる。したがって、既に軸に構成された環状溝の側壁面に動圧発生溝を形成する場合に比して、動圧発生溝の形成が容易になる。
また、前記動圧発生溝は、周方向に延びる第1溝と、前記第1溝における周方向の中央から径方向内側に延びる、前記密封対象流体を前記第1溝内に導く第2溝と、を備えてもよい。これにより、軸の相対的な回転方向に関わらず、動圧発生溝において動圧を発生させることができる。また、第1溝内に導かれた密封対象流体が径方向(第1溝の幅方向)に漏れ出ることが抑制されるため、効果的に動圧を発生させることができる。
また、本発明に係る密封構造は、
軸孔が設けられたハウジングと、
前記軸孔に挿通されて前記ハウジングに対して相対的に回転する軸であって、その外周側に環状溝を備える軸と、
前記環状溝に装着される樹脂製のシールリングであって、前記ハウジングとの間の環状隙間を封止して密封対象流体の圧力を保持するシールリングと、
を備える密封構造において、
前記環状溝における前記シールリングが摺動する側壁面が金属で構成され、前記側壁面に前記ハウジングと前記軸との相対的な回転時に導入される前記密封対象流体によって動圧を発生させる動圧発生溝が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る密封構造においても、上記の本発明に係る軸と同様に、シールリングの側面の経時的な摩耗に関わらず、シールリングの摺動抵抗を低減させることができる。
また、本発明に係る密封構造は、前記環状溝の側壁面を構成する金属製の環状部材を備えてもよい。また、前記動圧発生溝が、周方向に延びる第1溝と、前記第1溝における周方向の中央から径方向内側に延びる、前記密封対象流体を前記第1溝内に導く第2溝と、を備えてもよい。何れの場合においても、上記の本発明に係る軸と同様の効果が奏される。
ここで、本発明は、軸の外周側に設けられた環状溝に装着される環状部材や密封装置としても捉えることができる。
即ち、本発明に係る環状部材は、
ハウジングに設けられた軸孔に挿通されて前記ハウジングに対して相対的に回転する軸の外周側に設けられ、前記ハウジングとの間の環状隙間を封止して密封対象流体の圧力を保持する樹脂製のシールリングが装着される環状溝に固定される環状部材において、
前記シールリングの側面が摺動する摺動面を備え、
前記摺動面が金属で構成され、前記摺動面に前記ハウジングと前記軸との相対的な回転時に導入される前記密封対象流体によって動圧を発生させる動圧発生溝が形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る密封装置は、
軸孔が設けられたハウジングと、前記軸孔に挿通されて前記ハウジングに対して相対的に回転する軸との間の環状隙間を封止して密封対象流体の圧力を保持する密封装置であっ
て、前記軸の外周側に設けられた環状溝に装着される密封装置において、
前記環状隙間を封止して前記密封対象流体の圧力を保持する樹脂製のシールリングと、
前記シールリングの側面が摺動する摺動面を備え、前記環状溝に固定される環状部材と、を備え、
前記摺動面が金属で構成され、前記摺動面に前記ハウジングと前記軸との相対的な回転時に導入される前記密封対象流体によって動圧を発生させる動圧発生溝が形成されていることを特徴とする。
何れの発明においても、上記の本発明に係る軸や密封構造と同様に、シールリングの側面の経時的な摩耗に関わらず、シールリングの摺動抵抗を低減させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、シールリングの側面の経時的な摩耗に関わらず、シールリングの摺動抵抗を低減させることができる。
実施例1に係る軸の使用時の状態を示す模式的断面図である。 実施例1に係る軸の断面図である。 実施例1に係るシールリングの側面図である。 実施例1に係る環状溝の側壁面の部分拡大図である。 実施例1に係る動圧発生溝の模式的断面図である。 実施例1に係る動圧発生溝の他の形状を示す模式的断面図である。 実施例1に係る動圧発生溝の他の形状を示す模式的断面図である。 実施例1に係る動圧発生溝の他の形状を示す模式的断面図である。 実施例2に係る軸の使用時の状態を示す模式的断面図である。 実施例2に係る環状部材の側面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本実施例に係る軸は、自動車用のATやCVT等の変速機に用いられるものであって、ハウジングの軸孔に挿通されて、これに対して相対的に回転する。ここで、この軸には、外周側に環状溝が設けられており、当該溝にシールリング等の密封装置が装着される。なお、本実施例においては、密封対象流体は変速機の作動油であり、以下の説明において、「高圧側」と「低圧側」は、シールリングの両側に差圧が生じたときに油圧が高くなる側と低くなる側をそれぞれ意味する。
[実施例1]
図1から図5を参照して、本発明の実施例1に係る軸及び密封構造について説明する。図1は、実施例1に係る軸の使用時の状態を示す模式的断面図である。図2は、実施例1に係る軸の断面図(図1におけるAA断面図)であって、環状溝の側壁面の構成を示す図である。図3は、実施例1に係る軸に装着されるシールリングの側面図である。図4は、図2に示される環状溝の側壁面の一部拡大図である。図5は、側壁面に設けられた動圧発生溝の模式的断面図であって、図4のCC断面図である。
<軸及び密封構造の構成>
図1に示されるように、実施例1に係る密封構造100は、軸孔310が設けられたハウジング300と、軸孔310に挿通されてハウジング300に対して相対的に回転する金属製の軸200と、軸200の外周側に設けられた環状溝210に装着される樹脂製の
シールリング400とから構成される。
シールリング400は、軸孔310の内周面と、軸200の外周面との間の環状隙間を封止して、図中左側の高圧側H内の作動油の圧力を保持する。つまり、本実施例では、高圧側Hの領域が密封対象領域である。このシールリング400は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂材料からなる。図3に示されるように、シールリング400は、周方向の1箇所に合口部410を備えており、この合口部410によって分断されている。本実施例では、図3に示されるように、合口部410は、外周面側及び両側面側の何れから見ても階段状に分断された、いわゆる特殊ステップカットを採用している。特殊ステップカットは公知技術であるため、その詳細な説明は省略するが、熱膨張収縮によりシールリング400の周長が変化しても安定したシール性能を維持する特性を有する。また、シールリング400においては、特殊ステップカットの形状は射出成形によって成形される。なお、本実施例においては、合口部410の一例として特殊ステップカットが採用されているが、これに限定されず、所望のシール性能が発揮される限りにおいて、ストレートカットやバイアスカット等を採用してもよい。なお、図3に示されるように、シールリング400の側面401(軸方向の端面)は、合口部410を除いて平坦に形成されている。また、他方の側面も同様に形成されている。
軸200に形成された環状溝210は、溝底211、高圧側H(図中左側)の側壁面212、及び、低圧側L(図中右側)の側壁面213を備えている。側壁面213には、図2に示されるように、複数(本実施例では29個)の動圧発生溝220が周方向に等間隔に形成されている。詳細は後述するが、シールリング400の側面と側壁面213との摺動時には、動圧発生溝220に作動油が流入することによって動圧が発生する。図4に示されるように、動圧発生溝220は、径方向の幅が一定で周方向に延びる第1溝221と、第1溝221における周方向の中央から径方向内側に延びる、密封対象流体を第1溝221内に導く第2溝222とから構成される。
ここで、第1溝221は、シールリング400の側面が摺動する摺動領域X内に収まる位置に設けられている(図1、4参照)。また、第1溝221は、図4のCC断面図である図5に示されるように、その周方向の深さが、中央部では一定であるものの、両端へ向かって平面上に徐々に浅くなるように構成されている。一方、図4に示されるように、第2溝222は、径方向内側の部分が摺動領域Xよりも内側まで延びるように形成されている。なお、本実施例においては、動圧発生溝220は、環状溝210の側壁面213に切削等の加工を直接施すことによって形成される。
<軸及び密封構造の使用時のメカニズム>
特に図1を参照して、本実施例に係る軸200及び密封構造100の使用時のメカニズムについて説明する。図1は、自動車のエンジンが始動することによって、シールリング400に隔てられた2つの領域間に差圧が生じ、高圧側Hの圧力が高くなった状態を示している。この差圧によって、シールリング400の高圧側Hの側面と内周面とには流体圧力(油圧)が作用する。この流体圧力により、シールリング400は、ハウジング300の軸孔310の内周面と、環状溝210の低圧側Lの側壁面213に対して密着する。これにより、シールリング400の外周面と軸孔310の内周面との間、及び、シールリング400の側面401と側壁面213との間にシール面が形成されるため、軸200とハウジング300との間の環状隙間が封止されて油圧が保持される。
そして、本実施例においては、軸200とハウジング300との相対的な回転時には、少なくともシールリング400の側面401が、側壁面213に対して回転摺動するように構成されている。したがって、回転時には、第2溝222における摺動領域Xよりも径
方向内側の部分から作動油が流入する。第2溝222に流入した作動油は、第1溝221まで導かれた後に、第1溝221内を周方向に流れてから摺動面間に流出するが、このときに動圧が発生する。なお、シールリング400が、側壁面213に対して、図2中時計回りに相対的に回転する場合には、第1溝221の時計回り方向側の端部から作動油が流出する。一方、シールリング400が、側壁面213に対して、図2中反時計回りに相対的に回転する場合には、第1溝221の反時計回り方向側の端部から作動油が流出する。
<本実施例に係る密封装置の優れた点>
本実施例に係る軸200及び密封構造100によれば、動圧発生溝220内に作動油が導入されるため、シールリング400に対して低圧側から作用する作動油の圧力と、高圧側から作用する作動油の圧力の一部とが相殺される。これにより、シールリング400に作用する側壁面213方向(低圧側L方向)の押圧力が低減される。また、シールリング400が、側壁面213に対して摺動しているときには、第1溝221から摺動面間へ作動油が流出する際に動圧が発生する。この動圧によって、シールリング400には、側壁面213から離れる方向の力が作用する。このようにして、側壁面213方向に作用する押圧力が低減されると共に、側壁面213から離れる方向の力が発生することによって、シールリング400の側壁面213に対する摺動抵抗が効果的に低減される。更に、摺動抵抗の低減により、摺動による発熱を低減させることも可能になるため、高速高圧の環境条件下でもシールリング400を好適に使用することが可能になる。
ここで、軸200が金属製であることから、環状溝210の側壁面213も金属から構成されている。そのため、側壁面213は、相対的に硬度の低い樹脂製のシールリング400が摺動しても摩耗しにくい。ゆえに、側壁面213に形成された動圧発生溝220の形状が摩耗によって変化することが抑制されるため、動圧発生溝220による摺動抵抗の低減作用の低下も抑制される。なお、実際には、動圧発生溝220の形状はほとんど変化せず、浅くならないため、摺動抵抗の低減作用もほとんど低下しない。特に、樹脂製のシールリング400が経時的に摩耗したとしても、側壁面213がほとんど摩耗しないため、動圧発生溝220による摺動抵抗の低減作用はほとんど損なわれない。したがって、軸200及び密封構造100によれば、シールリング400の側面の経時的な摩耗に関わらず、シールリング400の摺動抵抗を低減させることができる。
また、動圧発生溝220は、第1溝221と、第1溝221の周方向の中央から径方向内側に延びる第2溝222とから構成されるため、側壁面213に対するシールリング400の回転方向に関わらず上記の動圧が発生する。また、第1溝221は、その形状から径方向内側と径方向外側に壁面を有することから、第1溝221内に導かれた作動油が径方向に漏れ出ることが抑制されるため、効果的に動圧を発生させることができる。なお、第1溝221は、シールリング400の側面に対して摺動する摺動領域X内に収まる位置に形成されているため、第1溝221内に導入された密封対象流体が径方向に流出することが一層抑制される。更に、第1溝221は、その周方向の深さが、両端へ向かって浅くなるように構成されている。そのため、いわゆる楔効果により、上記動圧を効果的に発生されることが可能になる。そして、第2溝222は、摺動領域Xよりも内側まで延びるように形成されているため、軸200の相対的な回転時においても作動油を効果的に内部に導くことができる。
また、本実施例によれば、側壁面213に動圧発生溝220を設けているため、シールリング400の両側面は共に平坦にすることができる。したがって、シールリング400を環状溝210に装着する際に、その向きを考慮する必要がなくなるため作業性が向上する。
なお、本実施例においては、環状溝210における一方の側壁面213のみに動圧発生
溝220が形成されているが、他方の側壁面212にも動圧発生溝220を形成してもよい。この場合には、シールリング400によって隔てられた2つの領域の圧力の高低が入れ替わる状況下においても、シールリング400に作用する摺動抵抗を低減させることが可能になる。
<動圧発生溝の形状の他の例>
次に、図6から図8を参照して、動圧発生溝220の他の形状について説明する。図6から図8は、上記図5と同様の、図4中のCC断面図に相当する図である。図6及び図7は、周方向の中央部に比べて両端側の方が浅くなるように構成された第1溝221の溝底の他の例を示している。図6は、周方向の中央部から両側に向かって曲面状に徐々に浅くなる溝底の例を示している。一方、図7は、周方向の中央部から両側に向かって階段状に浅くなる場合の例を示している。何れの形状においても、楔効果による動圧が効果的に発生し得る。なお、図8に示すように、第1溝221の溝底の深さが周方向に一定となるように構成された場合でも、動圧をある程度発生させることは可能である。
[実施例2]
次に、図9及び図10を参照して、本発明の実施例2に係る軸及び密封構造について説明する。実施例2は、動圧発生溝が形成された側壁面を構成する金属製の環状部材を、軸が別に備えている点で上記の実施例1とは異なる。なお、実施例1と同一の構成については、同一の符号を付してその説明は省略する。また、同一の構成の作用も実質的に同一である。なお、図9は、実施例2に係る軸の使用時の状態を示す模式的断面図である。図10は、実施例2に係る軸が備える環状部材の側面図であって、動圧発生溝が形成されている側の側面を示している。
図9に示されるように、実施例2に係る軸200は、環状溝210の側壁面213を構成する金属製の環状部材230を備えている。つまり、環状溝210内において低圧側L寄りの位置に固定された環状部材230における高圧側Hの側面233が、環状溝210の側壁面213を構成している。なお、図10に示されるように、環状部材230の一方の側面233には、実施例1における側壁面213と同様に、複数の動圧発生溝220が形成されている。環状部材230に形成された動圧発生溝220の形状や作用は、実施例1と同様なので説明は省略する。なお、本実施例においても、動圧発生溝220は、側面233に切削等の加工を施すことによって形成される。
なお、環状部材230が有する軸孔231は、その内径が、環状溝210の溝底211の外径と略同一に構成されている。これにより、軸孔231と軸200の溝底211とを嵌合させることによって、環状部材230を軸200に対して固定することができる。なお、本実施例に係る軸200は、図9に示されるように、着脱可能に構成された2つの軸部200A、200Bから構成される。したがって、軸部200Aに形成された溝底211に環状部材230を固定した後に、軸部200Aと軸部200Bとを組み合わせることによって、切断部を有さない環状部材230を軸200に対して取り付けることが可能になる。
なお、本実施例においては、シールリング400と環状部材230とが、ハウジング300と軸200との間の環状隙間を封止して作動油の圧力を保持する密封装置110として機能している。
<軸及び密封構造の使用時のメカニズム>
特に図9を参照して、本実施例に係る軸200及び密封構造100の使用時のメカニズムについて説明する。上記の実施例1と同様に、図9は、高圧側Hの圧力が高くなった状態を示しており、差圧によって、シールリング400は、ハウジング300の軸孔310
の内周面と、環状溝210の低圧側Lの側壁面213、即ち、環状部材230の側面233に対して密着する。これにより、軸200とハウジング300との間の環状隙間が封止されて油圧が保持される。本実施例においても、軸200とハウジング300との相対的な回転時には、少なくともシールリング400の側面401が、側面233に対して回転摺動するように構成されている。ゆえに、回転時には、作動油が動圧発生溝220内に流入するため、摺動面間に動圧が発生する。
<本実施例に係る密封装置の優れた点>
本実施例に係る軸200及び密封構造100においても、上記実施例1と同様の作用効果が発揮される。なお、本実施例においては、環状溝210の側壁面213は、軸200とは別の構成部品である金属製の環状部材230から構成されている。ゆえに、本実施例においては、側面233に予め動圧発生溝220を形成した後に、環状部材230を軸200に取り付けることによって環状溝210の側壁面213を構成することが可能になる。したがって、上記実施例1のように、金属製の軸200に構成された環状溝210の側壁面213に動圧発生溝220を直接形成する場合に比して、動圧発生溝220の形成が容易になる。また、環状部材230が金属製であることから、軸200として他の材料を用いることが可能になるため、設計の自由度が高くなる。
なお、本実施例によって奏される効果は、環状部材230それ自体、或いは、シールリング400と環状部材230とを備える密封装置110によって奏される効果としても捉えることができる。
なお、本実施例においては、環状溝210における一方の側壁面213のみが環状部材230から構成されているが、他方の側壁面212も環状部材230から構成してもよい。この場合には、動圧発生溝220が形成された側面233が環状溝210の内側を向くようにして環状部材230が固定される。このような構成を採用した場合には、シールリング400によって隔てられた2つの領域の圧力の高低が入れ替わる状況下においても、シールリング400に作用する摺動抵抗を低減させることが可能になる。
<その他>
動圧発生溝220の形状は、上記したものに限られず他の形状も適宜採用することができる。また、上記した実施例2の環状部材230について、本発明の目的が達成されるためには、少なくとも環状溝210の側壁面213を構成する部分が金属から構成されていればよい。したがって、環状部材230としては、上記した金属製のものに限られず、側壁面213を構成する部分(シールリング400に対して摺動する部分)のみが金属から構成され、他の部分は他の材料から構成される形態を採用してもよい。
また、上記した実施例では、環状溝の側壁面が金属から構成される場合を説明したが、シールリングとの摺動に対する耐摩耗性が確保されるならば、他の材料から構成されてもよい。
100:密封構造
110:密封装置
200:軸
200A、200B:軸部
210:環状溝
211:溝底
212、213:側壁面
220:動圧発生溝
221:第1溝
222:第2溝
230:環状部材
231:軸孔
233:側面
300:ハウジング
310:軸孔
400:シールリング
401:側面
410:合口部
H:高圧側
L:低圧側
X:摺動領域

Claims (4)

  1. ハウジングに設けられた軸孔に挿通されて前記ハウジングに対して相対的に回転する軸であって、前記ハウジングとの間の環状隙間を封止して密封対象流体の圧力を保持する樹脂製のシールリングが装着される環状溝をその外周側に備える軸において、
    前記環状溝における前記シールリングが摺動する側壁面が金属で構成され、前記側壁面に前記ハウジングと前記軸との相対的な回転時に導入される前記密封対象流体によって動圧を発生させる動圧発生溝が形成されていることを特徴とする軸。
  2. 前記動圧発生溝が、
    周方向に延びる第1溝と、
    前記第1溝における周方向の中央から径方向内側に延びる、前記密封対象流体を前記第1溝内に導く第2溝と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の軸。
  3. 軸孔が設けられたハウジングと、
    前記軸孔に挿通されて前記ハウジングに対して相対的に回転する軸であって、その外周側に環状溝を備える軸と、
    前記環状溝に装着される樹脂製のシールリングであって、前記ハウジングとの間の環状隙間を封止して密封対象流体の圧力を保持するシールリングと、
    を備える密封構造において、
    前記環状溝における前記シールリングが摺動する側壁面が金属で構成され、前記側壁面に前記ハウジングと前記軸との相対的な回転時に導入される前記密封対象流体によって動圧を発生させる動圧発生溝が形成されていることを特徴とする密封構造。
  4. 前記動圧発生溝が、
    周方向に延びる第1溝と、
    前記第1溝における周方向の中央から径方向内側に延びる、前記密封対象流体を前記第1溝内に導く第2溝と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の密封構造。
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