JP2018159400A - 導電性軸受装置、ハードディスクドライブ用ピボットアセンブリ及びハードディスクドライブ - Google Patents
導電性軸受装置、ハードディスクドライブ用ピボットアセンブリ及びハードディスクドライブ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】導電性軸受装置において、安定した導電性を確保すると共に、組立及び導電性磁性流体の注入を容易にし、また、回転部分の軽量化を可能にする。【解決手段】シャフト部材2に、一対の玉軸受4によってスペーサ3を回転可能に支持する。シャフト部材2の外周部に、一対のワッシャ12及び永久磁石13によって保持溝9を形成し、永久磁石13の磁力により保持溝9内に導電性磁性流体10を保持する。スペーサ3に、保持溝9に対向させて開口部14を設け、開口部14に蓋部材15を取付け、蓋部材15に固定された導電ピン11を保持溝9内の導電性磁性流体10中に挿入する。これにより、安定した導電性を確保すると共に、回転部分であるスペーサ3の軽量化が可能になる。また、組立時に外部から開口部14を通して導電性磁性流体10を保持溝9内に注入することができるので、組立が容易になる。【選択図】図1
Description
本発明は、互いに回転可能に支持されるシャフト部材側とスリーブ部材側との間で導電性を有する導電性軸受装置、これを用いたハードディスクドライブ用ピボットアセンブリ、及び、ハードディスクドライブに関するものである。
コンピュータ等の記憶装置として用いられるハードディスクドライブの磁気ディスク及び可動磁気ヘッドやビデオレコーダの回転磁気ヘッドドラム及び磁気テープは、静電気が帯電すると、エラーやノイズの原因となるため、これらに帯電する電荷をアースにより逃がす必要がある。
そこで、ハードディスクドライブの磁気ヘッドを先端に取付けたスイングアームを回動可能に支持する軸受装置であるピボットアセンブリや、ビデオレコーダの回転磁気ヘッドドラムを支持する軸受装置において、互いに回転可能に支持されるシャフトとスリーブとの間に導電性を持たせて、磁気ディスク及び磁気ヘッド、あるいは、回転磁気ヘッドドラム及び磁気テープに帯電する電荷を、軸受装置を通して逃がすことにより、静電気の帯電によるエラー及びノイズの発生を抑制するようにしたものがある。
例えば、特許文献1及び2には、軸受装置のハウジングとシャフトとの間にマグネットによって導電性磁性流体を保持して、回転磁気ヘッドドラムに帯電した電荷をこの導電性磁性流体を介して逃がすようにした軸受装置が開示されている。
特許文献1及び2に記載されているような導電性磁性流体を利用した導電性軸受装置においては、安定した導電性の確保と共に、製造、組立の容易性、回転部分の軽量化、導電性磁性流体の安定した保持性の確保が要求されている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、安定した導電性を確保すると共に、組立及び導電性磁性流体の注入が容易であり、また、回転部分の軽量化が可能な導電性軸受装置、これを用いたハードディスクドライブ用ピボットアセンブリ、及び、ハードディスクドライブを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、シャフト部材と、前記シャフト部材に対して共軸で回転又は回動可能に支持されるスリーブ部材と、前記シャフト部材側と前記スリーブ部材側とを電気的に接続する導電手段とを備える導電性軸受装置であって、
前記導電手段は、前記シャフト部材の外周部又は前記スリーブ部材の内周部のいずれか一方に周方向に沿って設けられる保持溝と、該保持溝内に保持される導電性磁性流体と、前記導電性磁性流体を前記保持溝内に保持するための永久磁石と、前記シャフトの外周部又は前記スリーブの内周部のいずれか他方側から突出して前記保持溝内に保持される前記導電性磁性流体中に挿入される導電性の突出部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1の構成において、前記シャフト部材と前記スリーブ部材とは、軸方向に間隔をもって配置された一対の軸受によって支持され、前記保持溝は、前記一対の軸受の間に配置され、前記シャフト部材又は前記スリーブ部材には、前記保持溝に対向して配置されて外部からアクセス可能な開口部が設けられ、該開口部には、蓋部材が取付けられ、該蓋部材に前記突出部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1又は2の構成において、前記保持溝は、前記シャフト部材の外周部又は前記スリーブ部材の内周部に軸方向に間隔をもって固定される一対のワッシャによって形成され、該一対のワッシャの間に前記永久磁石が配置されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1乃至3のいずれか1項の構成において、前記保持溝は、前記シャフト部材に設けられ、前記突出部は、前記スリーブ部材に設けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1乃至3のいずれか1項の構成において、前記保持溝は、前記スリーブ部材に設けられ、前記突出部は、前記シャフト部材に設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明のハードディスクドライブ用ピボットアセンブリは、上記請求項1乃至5に記載の導電性軸受装置であって、ハードディスクドライブの磁気ディスク上で磁気ヘッドを移動させるスイングアームを回動可能に支持することを特徴とする。
請求項7に係る発明のハードディスクドライブは、上記請求項6に記載のハードディスクドライブ用ピボットアセンブリを備えることを特徴とする。
前記導電手段は、前記シャフト部材の外周部又は前記スリーブ部材の内周部のいずれか一方に周方向に沿って設けられる保持溝と、該保持溝内に保持される導電性磁性流体と、前記導電性磁性流体を前記保持溝内に保持するための永久磁石と、前記シャフトの外周部又は前記スリーブの内周部のいずれか他方側から突出して前記保持溝内に保持される前記導電性磁性流体中に挿入される導電性の突出部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1の構成において、前記シャフト部材と前記スリーブ部材とは、軸方向に間隔をもって配置された一対の軸受によって支持され、前記保持溝は、前記一対の軸受の間に配置され、前記シャフト部材又は前記スリーブ部材には、前記保持溝に対向して配置されて外部からアクセス可能な開口部が設けられ、該開口部には、蓋部材が取付けられ、該蓋部材に前記突出部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1又は2の構成において、前記保持溝は、前記シャフト部材の外周部又は前記スリーブ部材の内周部に軸方向に間隔をもって固定される一対のワッシャによって形成され、該一対のワッシャの間に前記永久磁石が配置されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1乃至3のいずれか1項の構成において、前記保持溝は、前記シャフト部材に設けられ、前記突出部は、前記スリーブ部材に設けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明の導電性軸受装置は、上記請求項1乃至3のいずれか1項の構成において、前記保持溝は、前記スリーブ部材に設けられ、前記突出部は、前記シャフト部材に設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明のハードディスクドライブ用ピボットアセンブリは、上記請求項1乃至5に記載の導電性軸受装置であって、ハードディスクドライブの磁気ディスク上で磁気ヘッドを移動させるスイングアームを回動可能に支持することを特徴とする。
請求項7に係る発明のハードディスクドライブは、上記請求項6に記載のハードディスクドライブ用ピボットアセンブリを備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明の導電性軸受装置によれば、永久磁石によって保持溝内に保持される導電性磁性流体、及び、この導電性磁性流体中に挿入される導電ピンを介して、シャフト部材側とスリーブ部材側とを電気的に接続して、安定した導電性を得ることができる。
請求項2に係る発明の導電性軸受装置によれば、組立時に外部から開口部を通して導電性磁性流体を保持溝に注入することができる。
請求項3に係る発明の導電性軸受装置によれば、一対のワッシャによって永久磁石を保持することができ、また、導電性磁性流体は、一対のワッシャをヨークとして永久磁石の磁力により保持溝内に保持されるので、保持性が高められる。
請求項4に係る発明の導電性軸受装置によれば、シャフト部材を固定側とし、スリーブ部材を回転側とする場合、回転側の慣性質量を小さくすることができ、また、保持溝内に保持された導電性磁性流体に回転による遠心力が作用しないので、導電性磁性流体を確実に保持することができる。
請求項5に係る発明の導電性軸受装置によれば、シャフト部材を回転側とし、スリーブ部材を固定側とする場合、回転側の慣性質量を小さくすることができ、また、保持溝内に保持された導電性磁性流体に回転による遠心力が作用しないので、導電性磁性流体を確実に保持することができる。
請求項6に係る発明のハードディスクドライブ用ピボットアセンブリによれば、磁気ディスク及び磁気ヘッドに帯電する電荷を導電性軸受装置の導電性磁性流体を介して安定的に逃がすことができる。
請求項7に係る発明のハードディスクドライブによれば、磁気ディスク及び磁気ヘッドに帯電する電荷を導電性軸受装置の導電性磁性流体を介して安定的に逃がすことができる。
請求項2に係る発明の導電性軸受装置によれば、組立時に外部から開口部を通して導電性磁性流体を保持溝に注入することができる。
請求項3に係る発明の導電性軸受装置によれば、一対のワッシャによって永久磁石を保持することができ、また、導電性磁性流体は、一対のワッシャをヨークとして永久磁石の磁力により保持溝内に保持されるので、保持性が高められる。
請求項4に係る発明の導電性軸受装置によれば、シャフト部材を固定側とし、スリーブ部材を回転側とする場合、回転側の慣性質量を小さくすることができ、また、保持溝内に保持された導電性磁性流体に回転による遠心力が作用しないので、導電性磁性流体を確実に保持することができる。
請求項5に係る発明の導電性軸受装置によれば、シャフト部材を回転側とし、スリーブ部材を固定側とする場合、回転側の慣性質量を小さくすることができ、また、保持溝内に保持された導電性磁性流体に回転による遠心力が作用しないので、導電性磁性流体を確実に保持することができる。
請求項6に係る発明のハードディスクドライブ用ピボットアセンブリによれば、磁気ディスク及び磁気ヘッドに帯電する電荷を導電性軸受装置の導電性磁性流体を介して安定的に逃がすことができる。
請求項7に係る発明のハードディスクドライブによれば、磁気ディスク及び磁気ヘッドに帯電する電荷を導電性軸受装置の導電性磁性流体を介して安定的に逃がすことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、主に図1乃至4を参照して説明する。
なお、本実施形態の導電性軸受装置は、便宜上、ハードディスクドライブの磁気ヘッドを支持するスイングアームに組み込まれるピボットアセンブリとして用いる軸受装置に好適なものとして説明するが、本発明は、このような用途に限定されるものではなく、ビデオレコーダの回転磁気ヘッドドラムを支持する軸受装置等の他の用途の軸受装置としても適用することができる。
本発明の第1実施形態について、主に図1乃至4を参照して説明する。
なお、本実施形態の導電性軸受装置は、便宜上、ハードディスクドライブの磁気ヘッドを支持するスイングアームに組み込まれるピボットアセンブリとして用いる軸受装置に好適なものとして説明するが、本発明は、このような用途に限定されるものではなく、ビデオレコーダの回転磁気ヘッドドラムを支持する軸受装置等の他の用途の軸受装置としても適用することができる。
図1に示すように、本実施形態に係る導電性軸受装置1は、シャフト部材2と、シャフト部材2の外周に共軸で設けられた円筒状のスリーブ部材であるスペーサ3と、シャフト部材2とスペーサ3との間に設けられて、これらを相対回転可能に支持する一対の玉軸受4(軸受)と、シャフト部材2側とスペーサ3側とを電気的に接続する導電手段5とを備えている。
シャフト部材2は、円筒状の軸部2Aと、軸部2Aの基端部(図1において下端部)に形成された軸部2Aよりも大径のフランジ部2Bとを有し、軸部2Aの先端(図1において上端)の外周部に環状のシールプレート7が取付けられている。スペーサ3は、一対の玉軸受4の外径より僅かに小さい外径を有し、その軸方向の両端部が一対の玉軸受4の外輪4Aの端部にそれぞれ当接して、これらの外輪4A間で挟持されて外輪4Aと共に回転する。また、スペーサ3の内径は、シャフト部材2の軸部2Aの外径よりも大きく、シャフト部材2の軸部2Aとスペーサ3との間に環状空間Sが形成されている。
玉軸受4は、外輪4Aと、内輪4Bと、これらの間に形成された軌道に装填される複数の転動体4Cと、複数の転動体4Cを円周方向に沿って所定間隔で保持する保持器4Dとを備える。玉軸受4は、外輪4Aの両端部に環状のシール部材8が取付けられて、外輪4Aと内輪4Bとの間をシールし、内部に適当量のグリースが封入されている。
一対の玉軸受4の一方は、その内輪4Bがシャフト部材2の軸部2Aに外嵌されてフランジ部2Bに当接した状態で軸部2Aに接着によって固定されている。他方の玉軸受4は、フランジ部2Bに当接する一方の玉軸受4との間にスペーサ3を挟んでシャフト部材2の軸部2Aの先端部に外嵌され、軸方向に所定の荷重を付与した状態でシャフト部材2の軸部2Aに接着によって固定されている。これにより、一対の玉軸受4に所定の予圧が付与される。また、シャフト部材2の軸部2Aの先端部に取付けられたシールプレート7は、シャフト部材2の軸部2Aの先端側の玉軸受4の端部の近傍に配置されて、その外輪4Aの外周部付近まで延びており、シールプレート7と玉軸受4のシール部材8とでラビリンスシールを形成して玉軸受4のシール性を高めている。
導電手段5は、シャフト部材2の軸部2Aとスペーサ3との間の環状空間Sにおいて、軸部2Aの外周部に周方向に沿って形成された環状の保持溝9と、保持溝9内に注入された導電性磁性流体10と、導電性磁性流体10を保持溝9内で保持するための永久磁石13と、スペーサ3の内周部から径方向内側に突出して保持溝9内の導電性磁性流体10中に挿入される突出部である棒状の導電ピン11とを備えている。
次に、導電手段5の更に具体的な構成について、主に図2を参照して説明する。
図2に示すように、シャフト部材2の軸部2Aとスペーサ3との間の環状空間Sにおいて、シャフト部材2の軸部2Aには、一対のワッシャ12が軸方向に沿って所定の間隔を持って外嵌されて固定されている。一対のワッシャ12の間には、軸部2Aに外嵌された環状の永久磁石13が固定されている。永久磁石13の外径は、一対のワッシャ12よりも小さく、永久磁石13の外周部の一対のワッシャ12の間に環状の保持溝9が形成されている。一対のワッシャ12は、シャフト部材2の軸部2Aに圧入されて固定されており、永久磁石13は、一対のワッシャ12間に挟持されて固定されている。
図2に示すように、シャフト部材2の軸部2Aとスペーサ3との間の環状空間Sにおいて、シャフト部材2の軸部2Aには、一対のワッシャ12が軸方向に沿って所定の間隔を持って外嵌されて固定されている。一対のワッシャ12の間には、軸部2Aに外嵌された環状の永久磁石13が固定されている。永久磁石13の外径は、一対のワッシャ12よりも小さく、永久磁石13の外周部の一対のワッシャ12の間に環状の保持溝9が形成されている。一対のワッシャ12は、シャフト部材2の軸部2Aに圧入されて固定されており、永久磁石13は、一対のワッシャ12間に挟持されて固定されている。
永久磁石13は、軸方向の両端部がそれぞれS極及びN極となるように着磁されている。一対のワッシャ12は、磁性体であり、ヨークとして作用して、永久磁石13の磁力により、導電性磁性流体10を保持溝9内で保持する。このとき、永久磁石13、一対のワッシャ12及び保持溝9内の導電性磁性流体10を通して閉じた磁路が形成されるので、保持溝9内の導電性磁性流体10の磁力による保持力を高めることができる。
導電性磁性流体10は、強磁性微粉末を油性又は水性溶媒中に界面活性剤等により安定的に分散させたコロイド状の機能性流体であり、強磁性及び導電性を有するものである。
導電性磁性流体10は、強磁性微粉末を油性又は水性溶媒中に界面活性剤等により安定的に分散させたコロイド状の機能性流体であり、強磁性及び導電性を有するものである。
円筒状のスペーサ3の側壁には、導電性磁性流体10を保持する保持溝9に対向させて開口部14が貫通されている。開口部14は、ネジ部14Aを有するネジ孔となっており、蓋部材15がねじ込まれて閉塞されている。開口部14に取付けられた蓋部材15には、導電ピン11が固定されている。導電ピン11は、スペーサ3から径方向内側に突出して、保持溝9内に保持された導電性磁性流体10中に適当な深さで常時、挿入されている。導電ピン11の先端部と、保持溝9の底部を形成する永久磁石13の外周部との間には隙間が設けられている。
なお、蓋部材15の開口部14へ取付けは、図2(A)に示すネジ結合に限らず、他の公知の取付手段を用いてもよく、例えば、図2(B)に示すように、開口部14のネジ部14Aを省略して蓋部材15を開口部14に接着により取付けるようにしてもよい。
そして、シャフト部材2、スペーサ3、導電性磁性流体10、導電ピン11、ワッシャ12及び蓋部材15は、いずれも導体であり、図2(A)中に矢印Eで示すように、これらの各部材を通してシャフト部材2側とスペーサ3側との間が電気的に接続されている。
なお、ワッシャ12に代えて、あるいは、これに加えて永久磁石13を導体として、シャフト部材2と導電性磁性流体10と間を電気的に接続するようにしてもよい。導体とした永久磁石13とシャフト部材2との間が電気的に接続されれば、ワッシャ12のシャフト部材2への取付けは、圧入に代えて接着としてもよい。
なお、ワッシャ12に代えて、あるいは、これに加えて永久磁石13を導体として、シャフト部材2と導電性磁性流体10と間を電気的に接続するようにしてもよい。導体とした永久磁石13とシャフト部材2との間が電気的に接続されれば、ワッシャ12のシャフト部材2への取付けは、圧入に代えて接着としてもよい。
次に、導電性軸受装置1の組立方法について、図3を参照して説明する。
図3(A)に示すように、先ず、シャフト部材2の軸部2Aに、一方の玉軸受4の内輪4Bを嵌め込んでフランジ部2Bに当接させた状態で軸部2Aに接着する。そして、一対のワッシャ12間に永久磁石13を挟んでワッシャ12をシャフト部材2の軸部2Aに圧入し、一対のワッシャ12及び永久磁石13を軸部2Aに固定して、保持溝9を形成する。
図3(A)に示すように、先ず、シャフト部材2の軸部2Aに、一方の玉軸受4の内輪4Bを嵌め込んでフランジ部2Bに当接させた状態で軸部2Aに接着する。そして、一対のワッシャ12間に永久磁石13を挟んでワッシャ12をシャフト部材2の軸部2Aに圧入し、一対のワッシャ12及び永久磁石13を軸部2Aに固定して、保持溝9を形成する。
次に、図3(B)に示すように、シャフト部材2の軸部2Aにスペーサ3及び他方の玉軸受4を嵌め込み、軸方向に所定の荷重を付与した状態で、他方の玉軸受4の内輪4Bを軸部2Aに接着して固定し、一対の玉軸受4に予圧を付与する。そして、スペーサ3の開口部14から、保持溝9内に導電性磁性流体10を注入する。
次に、図3(C)に示すように、スペーサ3の開口部14に蓋部材15を取付けて、導電ピン11を保持溝9内の導電性磁性流体10中に挿入する。
このようにして、導電性軸受装置1を組み立てることができる。このとき、導電性軸受装置1は、図2(B)に示すサブアセンブリ状態において、外部からアクセス可能なスペーサ3の開口部14を通して保持溝9内に導電性磁性流体10を注入することができるので、効率よく容易に組立てることができる。
このようにして、導電性軸受装置1を組み立てることができる。このとき、導電性軸受装置1は、図2(B)に示すサブアセンブリ状態において、外部からアクセス可能なスペーサ3の開口部14を通して保持溝9内に導電性磁性流体10を注入することができるので、効率よく容易に組立てることができる。
以上のように構成した導電性軸受装置1の作用について次に説明する。
導電性軸受装置1は、シャフト部材2と一対の玉軸受4の外輪4A及びスペーサ3との間を玉軸受4の転動体4Cによって相対回転可能に支持し、一対の玉軸受4に予圧を付与することにより、支持精度を高めている。また、導電手段5によりシャフト部材2側とスペーサ3側との間を電気的に接続することができる。このとき、導電手段5は、保持溝9内に保持した導電性磁性流体10に導電ピン11を常時挿入して電気的接続を行うので、安定した導電性を得ることができる。また、導電性磁性流体10は、一対のワッシャ12をヨークとして永久磁石13の磁力により保持溝9内に保持されるので、保持性が高まり、漏洩を効果的に抑制することができる。
導電性軸受装置1は、シャフト部材2と一対の玉軸受4の外輪4A及びスペーサ3との間を玉軸受4の転動体4Cによって相対回転可能に支持し、一対の玉軸受4に予圧を付与することにより、支持精度を高めている。また、導電手段5によりシャフト部材2側とスペーサ3側との間を電気的に接続することができる。このとき、導電手段5は、保持溝9内に保持した導電性磁性流体10に導電ピン11を常時挿入して電気的接続を行うので、安定した導電性を得ることができる。また、導電性磁性流体10は、一対のワッシャ12をヨークとして永久磁石13の磁力により保持溝9内に保持されるので、保持性が高まり、漏洩を効果的に抑制することができる。
導電性軸受装置1は、比較的重量の大きい一対のワッシャ12、永久磁石13及び導電性磁性流体10がシャフト部材2側に配置され、比較的軽量の導電ピン11がスペーサ3側に配置されているので、特に、シャフト部材2を固定側とし、スペーサ3側を回転側として使用する場合、回転側の慣性質量を小さくすることができる。また、保持溝9内に保持された導電性磁性流体10に回転による遠心力が作用しないので、導電性磁性流体10を確実に保持することができる。
なお、上記実施形態では、スペーサ3の開口部14及び蓋部材15は、1つのみ設けられているが、複数設けてもよく、この場合、回転バランスを考慮して、周方向に等間隔で配置するとよい。永久磁石13は、環状でなくてもよく、保持溝9内で導電性磁性流体10を保持する磁界を発生させることができれば、他の形状でもよく、例えば、複数の永久磁石片を環状に配置したものでもよい。保持溝9は、シャフト部材2の軸部2Aに一体に形成する等、他の態様でもよい。更に、保持溝9は、シャフト部材2とスペーサ3との回転角度(回動範囲)が限定されている場合、環状溝でなくてよく、円周方向の一部に亘って設けられていてもよい。また、一対の玉軸受4の代わりに他の公知の軸受を用いてもよい。
次に、上記実施形態の変形例について、図4を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記実施形態に対して、同様の部分には同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上記実施形態に対して、同様の部分には同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
本変形例に係る導電性軸受装置20では、スリーブ部材としてスペーサ3の代わりにスリーブ21が設けられている。スリーブ21は、円筒状で内周面が段付形状となっており、両端の内周部に大径部21Aが形成され、中央の内周部に小径部21Bが形成されている。そして、スリーブ21は、両端の大径部21Aが外輪4Aに外嵌され、中央の小径部21Bの両端面が外輪4Aの端部に当接するように一対の玉軸受4の間に取付けられている。
これにより、上記実施形態の導電性軸受装置1では、一対の玉軸受4の外輪4Aが支持すべき部材に直接結合されるのに対して、本件変形例に係る導電性軸受装置20では、スリーブ21が支持すべき部材に結合される。そして、本変形例の導電性軸受装置20は、上記実施形態の導電性軸受装置1と同様の作用効果を奏することができる。
次に、図4に示す変形例に係る導電性軸受装置20が組込まれたハードディスクドライブについて、図5及び図6を参照して説明する。
図6に示すように、ハードディスクドライブ30は、スピンドルモータ32によって回転する複数の磁気ディスク33と、これらの磁気ディスク33にそれぞれ対向する複数の磁気ヘッド34を担持するスイングアーム35を備えたヘッドスタックアセンブリ36と、スイングアーム35を駆動するアクチュエータ37と、これらの機器を制御する制御回路38と、これらの部品を収容するケース31に複数のビス39によって取付けられるカバー40と、を備えている。そして、磁気ディスク33を回転させ、スイングアーム35の回動によって磁気ヘッド34を走査方向に移動させて、磁気ディスク33に情報を記録し、また、磁気ディスク33から情報を読み出す。
図6に示すように、ハードディスクドライブ30は、スピンドルモータ32によって回転する複数の磁気ディスク33と、これらの磁気ディスク33にそれぞれ対向する複数の磁気ヘッド34を担持するスイングアーム35を備えたヘッドスタックアセンブリ36と、スイングアーム35を駆動するアクチュエータ37と、これらの機器を制御する制御回路38と、これらの部品を収容するケース31に複数のビス39によって取付けられるカバー40と、を備えている。そして、磁気ディスク33を回転させ、スイングアーム35の回動によって磁気ヘッド34を走査方向に移動させて、磁気ディスク33に情報を記録し、また、磁気ディスク33から情報を読み出す。
図5に示すように、ヘッドスタックアセンブリ36には、複数のスイングアーム35が取付けられる、いわゆるEブロック41を回動可能に支持するピボットアセンブリとして、図4に示す導電性軸受装置20が組込まれている。Eブロック41は、略円筒状で、その外周部が複数のスイングアーム35をそれぞれ支持する複数の溝部41Aを有する櫛形に形成されている。Eブロック41は、導電性軸受装置20のスリーブ21の外周部に取付けられる。Eブロック41が取付けられた導電性軸受装置20のシャフト部材2は、ビス39によってカバー40と共にケース31に固定される。これにより、Eブロック41は、導電性軸受装置20によってケース31に対して回動可能に支持される。このように、ヘッドスタックアセンブリ36のピボットアセンブリとして導電性軸受装置20を用いることにより、磁気ヘッド34に帯電する電荷を導電手段5によりシャフト部材2を介してケース31に逃がすことができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
なお、以下の説明において、図4に示す実施形態(変形例)に対して、同様の部分には、同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
なお、以下の説明において、図4に示す実施形態(変形例)に対して、同様の部分には、同じ参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る導電性軸受装置50では、導電手段51として、シャフト部材2の軸部2Aとスペーサ3との間の環状空間Sにおいて、スリーブ21に保持溝52及び永久磁石53が設けられ、シャフト部材2に導電ピン54が設けられている。一対のワッシャ55は、スリーブ21の小径部21Bの内周に圧入され、一対のワッシャ55の間に、小径部21B内に挿入された環状の永久磁石53が挟持されて固定されている。永久磁石53の内径は、一対のワッシャ55の内径よりも大きく、永久磁石53の内周部の一対のワッシャ55の間に保持溝52が形成されて、保持溝52内に導電性磁性流体10が保持されている。
円筒状のシャフト部材2の軸部2Aの側壁には、導電性磁性流体10を保持する保持溝52に対向させて開口部56が貫通されている。開口部56は、蓋部材57が取付けられて閉塞されている。蓋部材57には、導電ピン54が固定されている。導電ピン54は、シャフト部材2の軸部2Aから径方向外側に突出して、保持溝52内に保持された導電性磁性流体10中に、適当な深さで常時挿入されている。
これにより、導電手段51を構成する導電性磁性流体10、導電ピン54、ワッシャ55及び蓋部材57を介して、シャフト部材2側とスリーブ21側との間を電気的に接続することができ、図4に示す実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、導電性軸受装置50は、図3に示す工程と同様の工程で効率よく容易に組立てることができる。
この場合、導電性軸受装置50は、比較的重量の大きい一対のワッシャ55、永久磁石53及び導電性磁性流体10がスリーブ21側に配置され、比較的軽量の導電ピン54がシャフト部材2側に設けられているので、特に、スリーブ21を固定側とし、シャフト部材2を回転側として使用する場合、回転側の慣性質量を小さくすることができる。また、保持溝52内に保持された導電性磁性流体10に回転による遠心力が作用しないので、導電性磁性流体10を確実に保持することができる。
1,20,50…導電性軸受装置、2…シャフト部材、3…スペーサ(スリーブ部材)、4…玉軸受(軸受)、5,51…導電手段、9,52…保持溝、10…導電性磁性流体、11,54…導電ピン(突出部)、12,55…ワッシャ、13,53…永久磁石、14,56…開口部、15,57…蓋部材、20…導電性軸受装置(ハードディスク用ピボットアセンブリ)、21…スリーブ(スリーブ部材)、30…ハードディスクドライブ、33…磁気ディスク、34…磁気ヘッド、35…スイングアーム
Claims (7)
- シャフト部材と、前記シャフト部材に対して共軸で回転又は回動可能に支持されるスリーブ部材と、前記シャフト部材側と前記スリーブ部材側とを電気的に接続する導電手段とを備える導電性軸受装置であって、
前記導電手段は、前記シャフト部材の外周部又は前記スリーブ部材の内周部のいずれか一方に周方向に沿って設けられる保持溝と、該保持溝内に保持される導電性磁性流体と、前記導電性磁性流体を前記保持溝内に保持するための永久磁石と、前記シャフトの外周部又は前記スリーブの内周部のいずれか他方側から突出して前記保持溝内に保持される前記導電性磁性流体中に挿入される導電性の突出部と、を備えることを特徴とする導電性軸受装置。 - 前記シャフト部材と前記スリーブ部材とは、軸方向に間隔をもって配置された一対の軸受によって支持され、前記保持溝は、前記一対の軸受の間に配置され、前記シャフト部材又は前記スリーブ部材には、前記保持溝に対向して配置されて外部からアクセス可能な開口部が設けられ、該開口部には、蓋部材が取付けられ、該蓋部材に前記突出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導電性軸受装置。
- 前記保持溝は、前記シャフト部材の外周部又は前記スリーブ部材の内周部に軸方向に間隔をもって固定される一対のワッシャによって形成され、該一対のワッシャの間に前記永久磁石が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性軸受装置。
- 前記保持溝は、前記シャフト部材に設けられ、前記突出部は、前記スリーブ部材に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導電性軸受装置。
- 前記保持溝は、前記スリーブ部材に設けられ、前記突出部は、前記シャフト部材に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導電性軸受装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導電性軸受装置であって、ハードディスクドライブの磁気ディスク上で磁気ヘッドを移動させるスイングアームを回動可能に支持することを特徴とするハードディスクドライブ用ピボットアセンブリ。
- 請求項6に記載のハードディスクドライブ用ピボットアセンブリを備えることを特徴とするハードディスクドライブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017055868A JP2018159400A (ja) | 2017-03-22 | 2017-03-22 | 導電性軸受装置、ハードディスクドライブ用ピボットアセンブリ及びハードディスクドライブ |
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- 2017-03-22 JP JP2017055868A patent/JP2018159400A/ja active Pending
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