JP2018159263A - アスファルト舗装材梱包体及びアスファルト舗装補修方法 - Google Patents

アスファルト舗装材梱包体及びアスファルト舗装補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水溶性の高い梱包体に袋詰した常温アスファルト舗装材を補修対象箇所に設置し、包装部材が溶解消失することで、常温アスファルト舗装材に含まれる溶剤が揮発し、常温アスファルト舗装材が硬化することにより、補修後にアスファルト舗装内に梱包体等の不純物が残存しないアスファルト舗装材梱包体及びアスファルト舗装補修方法を提供する。【解決手段】水溶性を有するポリビニルアルコール樹脂製の包装部材10と、包装部材10に内包された常温アスファルト舗装材20とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、アスファルト舗装の補修に用いるアスファルト舗装材梱包体及びアスファルト舗装補修方法に関する。
車両が走行する道路は、利便性及び安全性を高めるために舗装が施されている。特に、アスファルト舗装で用いられるアスファルト混合物は、全国で材料が入手しやすく、施工が簡易であり、かつ他の材料と比較して安価であるため、一般的な舗装として広く利用されている。
アスファルト混合物は、一般的にアスファルトと砕石、砂、フィラー等から構成される。アスファルト混合物は、砕石、砂、フィラーを用い、所定の骨材粒度に調整し、加熱した後、ミキサー等でアスファルトと混合することにより製造される。ここで製造されたアスファルト混合物は、基層あるいは表層として施工される。施工は、アスファルトフィニッシャにより敷きならされ、ローラにて締め固められて、アスファルト舗装となる。
アスファルト舗装は、絶えず交通荷重及び環境負荷にさらされており、供用されることで破損する。アスファルト舗装の破損の主なものには、ひび割れ、轍掘れ、平たん性の低下が挙げられ、その他の破損として、段差、ポットホール及び剥離等がある。ポットホールとは、アスファルト舗装の表面からアスファルト混合物が飛散して生じる穴である。ポットホールは、主に雨水及び積雪等による浸水が原因で発生し、放置するとアスファルトが欠損し穴を広げることもあり、アスファルト舗装をさらに損傷させてしまう。
さらにポットホールは、視界の悪い雨天時に発生することが多くあり、このような場合は直ちに補修を行わないと車両事故を招く危険がある。損傷原因又は損傷程度により、その補修方法は異なり、著しく損傷している箇所では、舗装表面を切削し、新たに加熱アスファルト舗装を舗設する。一方、損傷程度が小さく、緊急補修を要している場合は、雨天時にも関わらず、ポットホール補修用混合物を補修対象箇所に敷きならし、転圧する。
一般的なポットホール補修用混合物として、常温で取り扱うことができる常温アスファルト舗装材がある。常温アスファルト舗装材は、さまざまなポットホールの形状に対して補修が可能であり、アスファルト混合物であるため、既設混合物との接着性が高い。通常、常温アスファルト舗装材は、1袋20kg程度の大きなサイズで保管されている。そのため、補修対象箇所を補修する際には、シャベル等で袋から常温アスファルト舗装材を取り出し、コテ及びシャベル等で転圧することによって締め固める必要がある。上述のとおり、ポットホールは視界の悪い雨天時に発生することが多いため、補修時間が長いと作業者が事故に合う危険が高くなる。そこで、袋詰した常温アスファルト舗装材の技術が開発された(例えば、特許文献1参照)。これは、常温アスファルト舗装材が袋で拘束されているため、常温アスファルト舗装材が飛散することなく、ポットホールに充填することができる。
特許3733126号公報
しかしながら、特許文献1の常温アスファルト舗装材を袋詰した補修材を用いた場合、補修後にアスファルト舗装内に常温アスファルト舗装材を詰めていた袋(不純物)が残存してしまい、既設のアスファルト舗装と常温アスファルト舗装材との接着性が低下するため、別途袋を回収する工程が必要となる。
そこで、本発明は、水溶性の高い梱包体に袋詰した常温アスファルト舗装材を補修対象箇所に設置し、包装部材が溶解消失することで、常温アスファルト舗装材に含まれる溶剤が揮発し、常温アスファルト舗装材が硬化することにより、補修後にアスファルト舗装内に包装部材等の不純物が残存しないアスファルト舗装材梱包体及びアスファルト舗装補修方法を提供する。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定材質の包装部材を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のことを要旨とする。
[1]水溶性を有するポリビニルアルコール樹脂製の包装部材と、前記包装部材に内包された常温アスファルト舗装材とを備えるアスファルト舗装材梱包体。
[2]前記包装部材は、20℃の水100gに対して1g以上溶解する[1]に記載のアスファルト舗装材梱包体。
[3]前記包装部材は、水と接触することで完全に溶解する[1]又は[2]に記載のアスファルト舗装材梱包体。
[4]前記包装部材は10gを2℃の水100gに溶かした時、24時間以内に完全溶解する[1]〜[3]のいずれかに記載のアスファルト舗装材梱包体。
[5]前記包装部材の膜厚の平均厚さは、30μm以上1200μm以下である[1]〜[4]のいずれかに記載のアスファルト舗装材梱包体。
[6]前記包装部材の外周にフィラーがまぶされている[1]〜[5]のいずれかに記載のアスファルト舗装材梱包体。
[7]前記包装部材に対する前記常温アスファルト舗装材の充填率は、40%以上97%以下である[1]〜[6]のいずれかに記載のアスファルト舗装材梱包体。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載のアスファルト舗装材梱包体を、アスファルト舗装に存在する補修対象箇所に設置する工程と、前記アスファルト舗装材梱包体の包装部材が溶解消失することで、前記包装部材に内包される常温アスファルト舗装材に含まれる溶剤が揮発し、前記常温アスファルト舗装材が硬化する工程とを含むアスファルト舗装補修方法。
本発明によれば、水溶性の高い梱包体に袋詰した常温アスファルト舗装材を補修対象箇所に設置し、包装部材が溶解消失することで、常温アスファルト舗装材に含まれる溶剤が揮発し、常温アスファルト舗装材が硬化することにより、補修後にアスファルト舗装内に梱包体等の不純物が残存しないアスファルト舗装材梱包体及びアスファルト舗装補修方法を提供することができる。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係るアスファルト舗装材梱包体を示す断面模式図であり、図1(b)は、図1(a)のA方向から見たアスファルト舗装材梱包体を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態に係るアスファルト舗装材梱包体の作製方法を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るアスファルト舗装補修方法を示す工程断面図である。
(アスファルト舗装材梱包体)
本発明の実施の形態に係るアスファルト舗装材梱包体1は、図1に示すように、水溶性を有するポリビニルアルコール樹脂製の包装部材10と、包装部材10に内包された常温アスファルト舗装材20とを備える。
アスファルト舗装材梱包体1は、図2に示すように、袋状の包装部材10の開口部11から常温アスファルト舗装材20を投入し、開口部11を封止することで作製される。
<包装部材>
包装部材10として用いられるポリビニルアルコール樹脂は、温度20℃、相対湿度65%RH環境下で、引張強度が20〜40MPaであることが好ましく、23〜35MPaであることがより好ましく、26〜30MPaであることがさらに好ましい。また、包装部材10として用いられるポリビニルアルコール樹脂は、温度20℃、相対湿度65%RH環境下で、引張伸度が90〜240%であることが好ましく、120〜225%であることがより好ましく、150〜190%であることがさらに好ましい。包装部材10として用いられるポリビニルアルコール樹脂は、上記範囲であることによって、常温アスファルト舗装材20を梱包しても破れることがなく、密封することができる。
また、包装部材10として用いられるポリビニルアルコール樹脂は、20℃の水100gに対して1g以上溶解することが好ましく、3g以上溶解することがより好ましく、5g以上溶解することがさらに好ましい。包装部材10として用いられるポリビニルアルコール樹脂が上記下限値を満たすことによって、ポットホール等の補修に利用した後に、包装部材10は、雨等による水分によって完全に溶解消失する。補修に利用した後に包装部材10が溶解消失することで、アスファルト舗装内に不純物が残存することがなく、アスファルト舗装の耐久性を維持した補修を行うことができる。
包装部材10として用いられる水溶性のポリビニルアルコール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂10gを2℃の水100gに撹拌しながら投入した際、24時間以内に完全に溶解することが好ましく、12時間以内に完全に溶解することがより好ましく、1時間以内に完全に溶解することがさらに好ましい。包装部材10として用いられるポリビニルアルコール樹脂が上記上限値を満たすことによって、冬の高速道路などの低温環境下でも、包装部材10は早急かつ完全に溶解消失する。補修に利用した後に包装部材10が溶解消失することで、アスファルト舗装内に不純物が残存することがなく、アスファルト舗装の耐久性を維持した補修を行うことができる。
ポリビニルアルコール樹脂は、一般に、酢酸ビニルの重合体であるポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られるものである。ポリビニルアルコールの原料となるポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルの単独重合体であってもよいし、酢酸ビニルを主体とし、これに共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。本発明に用いるポリビニルアルコール樹脂は、変性されていることが好ましく、中でも、アニオン性基で変性されているポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールの変性は、官能基を有する単量体を酢酸ビニルに共重合させた後、けん化する方法や、ポリ酢酸ビニルをけん化した後、グラフト反応によって水酸基以外の官能基を付与する方法等により、行うことができる。
上記共重合に用いられる単量体としては、例えば、オレフィン類、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、ビニルエーテル類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。共重合体として具体的には、ビニルエステルとそれと共重合しうる単量体、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩;アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等との共重合体のけん化物が挙げられる。
包装部材10として用いられるポリビニルアルコール樹脂は、水への溶解性を良好にする観点から、けん化度が80mol%以上であることが好ましく、83mol%以上であることがより好ましく、85mol%以上であることがさらに好ましい。一方、当該けん化度は、99mol%以下であることが好ましく、95mol%以下であることがより好ましく、90mol%以下であることがさらに好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂は、重合度が100〜10,000程度のものを用いることができる。ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、3,000を超えると水に対して溶解させることが難しくなるという観点から、3,000以下であることが好ましく、2,500以下であることがより好ましく、2,000以下であることがさらに好ましい。
包装部材10は、砕石やアスファルトから成る常温アスファルト舗装材20を密封するため、破損しない程度の耐久性を有することが好ましい。包装部材10の膜厚を厚くすればするほど、耐久性は向上する。
以上のことから、包装部材10の膜厚の平均厚さは、30μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。ここで、「平均厚さ」とは、包装部材10の異なる10箇所の厚さを測定し、測定した10箇所の平均値をいう。包装部材10の厚さが上記規定の下限値以上であることによって、常温アスファルト舗装材20を内包し得る耐久性が得られる。
しかし、包装部材10の膜厚を厚くしすぎてしまうと、水に溶けるまでに時間を要してしまい、溶けきれずに包装部材10がアスファルト舗装内に残存してしまうことがある。そこで、包装部材10の膜厚の平均厚さの上限値は、1200μm以下であることが好ましく、900μm以下であることがより好ましく、600μm以下であることがさらに好ましい。包装部材10の厚さが上記規定の上限値以下であることによって、水と接触することで溶解し、アスファルト舗装内に残存物が残らない。
アスファルト舗装材梱包体1は、雨が入り込まない程度の倉庫等で保管されることが想定される。したがって、一年を通して気温及び湿度に関係なく、安定的に保管可能であることが好ましい。特に包装部材10は水溶性を有しているが、高湿度環境下でも溶解することなく、耐久性を有し、内容物を密封することができるものであることが好ましい。ここで、「高湿度環境下」とは、相対湿度が70%RH以上90%RH以下であることをさす。
アスファルト舗装材梱包体1は、保管時又は運搬中に空気中の水分及び雨水との接触によって、包装部材10が破けないことが求められる。このため、包装部材10の外周に石灰岩及び火山岩等を粉砕した石粉、並びに消石灰、セメント、回収ダスト、フライアッシュなどのフィラーがまぶされていることが好ましく、これにより保管時に空気中の水分の影響により、アスファルト舗装材梱包体1同士が接着するのを防ぐことができる。さらには、包装部材10の外周にフィラーがまぶされていることによって、運搬中に予期せず水と接触した際に、包装部材10の水への溶解を遅らせることで、破れにくくすることができる。なお、本明細書において「フィラー」とは、「舗装施工便覧」(公益社団法人、日本道路協会発行、平成18年度版)において定義されている「75μmふるいを通過する鉱物質粉末」のことをいう。
包装部材10の外周にまぶすフィラーの量は、アスファルト舗装材梱包体1の全質量に対して10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
包装部材10に対する常温アスファルト舗装材20の充填率は、40%以上97%以下であることが好ましく、50%以上95%以下であることがより好ましく、60%以上90%以下であることがさらに好ましい。包装部材10に対する常温アスファルト舗装材20の充填率が上記範囲であることによって、包装部材10中に常温アスファルト舗装材20が塊を形成すること無く、分散するため、アスファルト舗装材梱包体1は適度な柔軟性を有し、様々なポットホールの形状に追従するので、既設路面との密着性を得ることができる。
なお、ここでの充填率とは、包装部材10の容積に対する包装部材10に内包する常温アスファルト舗装材20の体積をいう。
包装部材10の大きさは、特に制限はないが、アスファルト舗装材梱包体1の取り扱いを良好とするために、適量の常温アスファルト舗装材20を内包することが可能な大きさであることが好ましい。包装部材10の大きさは、例えば、内包するアスファルト舗装材梱包体1の重量が0.1kg以上5.0kg以下となる大きさであることが好ましく、0.2kg以上2.5kg以下となる大きさであることがより好ましく、0.3kg以上1.0kg以下となる大きさであることがさらに好ましい。
包装部材10の形状は、特に制限はなく、直方体、立方体及び楕円体等の種々の形状を採用することができる。
<常温アスファルト舗装材>
常温アスファルト舗装材20は、粗骨材(砕石)と細骨材(砂)とを混合した骨材、又は細骨材のみからなる骨材とアスファルトとカットバックオイルを混合したものである。カットバックオイルは、揮発性の高いオイルにより常温でもアスファルトに流動性を持たせるものである。したがって、常温でアスファルト舗装の施工が可能である。使用するアスファルトとしては、舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトを主成分とするもの、或いは、該ストレートアスファルトに、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・ブロック共重合体(SIS)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などの熱可塑性エラストマーを添加して改質した、改質アスファルトであってもよい。また、既設のアスファルト舗装に含まれる舗装用バインダ及び骨材から再生された再生アスファルトであってもよい。
常温アスファルト舗装材20は、アスファルト混合物として、細粒度アスファルト混合物、密粒度アスファルト混合物、粗密度アスファルト混合物及びポーラスアスファルト混合物等の配合仕様の混合物を採用することが好ましい。細粒度アスファルト混合物は、骨材の2.36mmふるい通過量が50%以上65%以下である配合仕様の混合物である。密粒度アスファルト混合物は、骨材の2.36mmふるい通過量が35%以上50%以下である配合仕様の混合物である。粗密度アスファルト混合物は、骨材の2.36mmふるい通過量が25%以上35%以下である配合仕様の混合物である。ポーラスアスファルト混合物は、骨材の2.36mmふるい通過量が20%以下である配合仕様の混合物である。
常温アスファルト舗装材20として用いる各種混合物における最大粒径は、様々なポットホールの形状に追従し、既設路面との密着性を得ることができるという観点から、20mm以下であることが好ましく、13mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましい。
アスファルト舗装材梱包体1は、使用する条件によって、柔軟性及び耐久性の観点により使い分けることが好ましい。
例えば、高速道路等の車両速度が速く、緊急性が高い箇所の補修に使用する場合には、様々な形状のポットホールに瞬時に追従する柔軟性を有し、既設路面と接着した後に耐久性を有する、つまり柔軟性と耐久性を両立するアスファルト舗装材梱包体1が用いられることが好ましい。このように、緊急性が高い箇所の補修に使用するアスファルト舗装材梱包体1に採用する常温アスファルト舗装材20としては、柔軟性と耐久性を両立する観点から、硬化後の硬度を示す荷重(抵抗値)が30ポンド(LB)以上55ポンド(LB)以下であることが好ましく、35ポンド(LB)以上53ポンド(LB)以下であることがより好ましく、38ポンド(LB)以上50ポンド(LB)以下であることがさらに好ましい。
また、例えば、交通量及び車両速度が比較的穏やかであって、緊急性が低い箇所の補修に使用する場合には、ポットホールをしっかり埋めることができ、骨材飛散もなく、既設路面と確実に接着する耐久性を重視したアスファルト舗装材梱包体1が用いられることが好ましい。このように、緊急性が低い箇所の補修に使用するアスファルト舗装材梱包体1に採用する常温アスファルト舗装材20としては、耐久性を重視する観点から、硬化後の硬度を示す荷重(抵抗値)が56ポンド(LB)以上であることが好ましく、60ポンド(LB)以上であることがより好ましく、65ポンド(LB)以上であることがさらに好ましい。
常温アスファルト舗装材20の硬化後の硬度は、アスファルト混合物を製造する温度の調整、バインダ等の添加量の調整などにより制御することができる。
なお、荷重(抵抗値)は、「屋外体育施設の建設指針 各種スポーツ施設の設計・施工」(公益社団法人、日本体育施設協会、屋外体育施設部会発行、平成29年改訂版)に記載のプロクターニードル試験(貫入抵抗試験)に基づいて測定することで得られる。
本実施形態に係るアスファルト混合物には、通常のアスファルト混合物に含められるような樹脂及びゴム成分、その他添加剤等が含まれていてもよい。
添加剤としてのカットバックオイルが揮発することでアスファルトは次第に硬化していく。したがって、常温アスファルト舗装材20を使用前に保管する際は、カットバックオイルが揮発しないよう、密封するのが好ましい。
(アスファルト舗装補修方法)
本発明の実施の形態に係るアスファルト舗装補修方法は、上述したアスファルト舗装材梱包体1を、アスファルト舗装に存在する補修対象箇所に設置する工程と、アスファルト舗装材梱包体1の包装部材10が溶解消失することで、包装部材10に内包される常温アスファルト舗装材20に含まれる溶剤が揮発し、常温アスファルト舗装材20が硬化する工程とを含む。
以下に、アスファルト舗装補修方法を、図3を参照しながら説明する。
図3(a)に示すように、アスファルト混合物31が施工された道路は、舗装表面にポットホール等の補修対象箇所40が生じることがある。
舗装表面に補修対象箇所40が生じた場合、まず、図3(b)に示すように、アスファルト舗装材梱包体1を、アスファルト混合物31に存在する補修対象箇所40に設置する。アスファルト舗装材梱包体1は、小分けされているため、補修対象箇所40のさまざまな形状に対応できる。
そして、図3(c)に示すように、補修対象箇所40に設置されたアスファルト舗装材梱包体1の包装部材10は、雨水等により溶解消失する。包装部材10が溶解消失したことにより、アスファルト舗装材梱包体1に内包される常温アスファルト舗装材20に含まれるカットバックオイルが揮発し、常温アスファルト舗装材20の硬化が促進される。
本発明の実施の形態に係るアスファルト舗装材梱包体及びアスファルト舗装補修方法によれば、従来の常温アスファルト舗装材のように袋から開けて敷き均し、転圧する必要がない。アスファルト舗装材梱包体を補修対象箇所に設置するだけで、特別な器具などを用いずに、補修することができる。そのため、緊急性を有する補修対象箇所の補修に利用可能である。
さらに、アスファルト舗装材梱包体の包装部材が雨等の水分によって完全に溶解消失するので、アスファルト舗装内に不純物が残存することがない。そのため、アスファルト舗装の耐久性を維持した補修を行うことができ、補修後にアスファルト舗装内に残存した不純物を取り除く手間が省ける。
以下、実施例により本発明の説明をする。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[評価方法]
各実施例及び比較例において、以下の方法により各評価を行なった。水溶性評価、溶解速度評価及び水と接触した後の状態の評価では、包装部材を縦5cm×横5cmに切り出したものをサンプルとした。
<水溶性評価>
包装部材10は補修箇所において雨水などの水と接触することによって溶解し、内包された常温アスファルト舗装材20が露出することが好ましい。そこで、20℃の水100mlが入ったビーカーにサンプルを投入し、水100mlに溶けたサンプルの量を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
○:1g以上
×:1g未満
<溶解速度評価>
包装部材10は雨水などの水と接触することによって早急かつ完全に溶解消失することが好ましい。さらに冬の高速道路は夜になると、気温が著しく低下するため、雨水や水が非常に低温であることが想定される。そこで、2℃の水100ml入ったビーカーにサンプルを10g投入し、マグネットスターラーにて撹拌を行った後のサンプルの状態を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
○:1時間以内の撹拌で完全に溶解した場合
△:溶解するが1〜24時間の撹拌を要した場合
×:24時間以上撹拌しても溶解しなかった場合
<水と接触した後の状態の評価>
水溶性評価を行ったサンプルに対して、水と接触した後の状態を目視にて確認した。評価結果を表1に示す。
[実施例1]
ポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)で包装部材を作製した。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚30μmで切り出したものを実施例1におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
ポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)で包装部材を作製した。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚40μmで切り出したものを実施例2におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
ポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)で包装部材を作製した。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚600μmで切り出したものを実施例3におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)で包装部材を作製した。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚900μmで切り出したものを実施例4におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
ポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)で包装部材を作製した。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚1200μmで切り出したものを実施例5におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
オブラート「国光オブラート」(国光オブラート株式会社製)で包装部材を作製した。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚40μmで切り出したものを比較例1におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリエチレン「クレラップ」(株式会社クレハ製)で包装部材を作製した。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚40μmで切り出したものを比較例2におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
紙製の袋(市販の紙袋)を包装部材とした。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚50μmで切り出したものを比較例3におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
不織布の袋を包装部材とした。当該包装部材を縦5cm×横5cm×膜厚50μmで切り出したものを比較例4におけるサンプルとした。当該サンプルに対して上述の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[評価方法]
各実施例及び比較例において、以下の方法により各評価を行なった。
<湿度安定性評価>
包装部材10は、骨材及びアスファルトから成る常温アスファルト舗装材を密封し、運搬されるため、常温アスファルト舗装材20を充填しても破損しない程度の耐久性を有することが好ましい。さらに包装部材10は、雨が入り込まない程度の倉庫等で保管されることが想定される。したがって、一年を通して気温及び湿度に関係なく安定的に保管可能であることが好ましい。包装部材10を25cm×20cmの袋状にし、常温アスファルト舗装材20を2kg充填してアスファルト舗装材梱包体1を作製した。温度60℃、相対湿度90%RHの条件下にさらし、24時間養生した後、10回揉むごとに包装部材10の破損状況を観察した。評価結果を表2に示す。
○:100回以上揉んでも破損が見られない
△:10〜100回の間に破損が見られた
×:10回未満で破損が見られた
<フィラーによる耐湿性の評価>
包装部材10を25cm×20cmの袋状にし、常温アスファルト舗装材20として「コールドパーミックス」(東亜道路工業株式会社製)を2kg充填してアスファルト舗装材梱包体1をそれぞれ10個ずつ作製した。包装部材10の外周にフィラーとしての石粉を、まぶさないもの(0%)、アスファルト舗装材梱包体1の質量に対して5%又は15%まぶして、10段平積みにし、温度60℃、相対湿度90%RHの条件下で、24時間保管した。その後、包装部材が湿度により溶解し、包装部材同士が接着しているものがあるかどうか確認した。さらに、水に濡れた軍手を装着し、片手でアスファルト舗装材梱包体1を1つずつ持ち上げて、10m離れた場所に積みなおし、運搬作業性を観察した。アスファルト舗装材梱包体1同士の耐接着性および運搬作業性の評価結果を表2に示す。
《耐接着性》
○:アスファルト舗装材梱包体1を持ち上げた際に1つずつ持ち上げられた
△:アスファルト舗装材梱包体1を持ち上げた際にベタつきがあった
×:アスファルト舗装材梱包体1を持ち上げた際に他方のアスファルト包装材梱包材1に引っ張られて包装部材10が破れてしまった、あるいは包装部材10が溶解して破れてしまった
《運搬作業性》
○:水に濡れた軍手を装着し、片手で10m離れた場所で積みなおすことができた
△:水に濡れた軍手を装着し、片手で10m離れた場所で積みなおすことができたが、アスファルト舗装材梱包体1の表面に手形が残った
×:水に濡れた軍手を装着し、片手で持ち上げる際又は運搬中に、包装部材10が溶解して破れてしまった
[実施例6]
包装部材10として膜厚30μmのポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例7]
包装部材10として膜厚40μmのポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例8]
包装部材10として膜厚600μmのポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例9]
包装部材10として膜厚900μmのポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例10]
包装部材10として膜厚1200μmのポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例5]
包装部材10として膜厚40μmのオブラート「国光オブラート」(国光オブラート株式会社製)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例6]
包装部材10として膜厚40μmのポリエチレン「クレラップ」(株式会社クレハ製)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例7]
包装部材10として膜厚50μmの紙製の袋(市販の紙袋)を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例8]
包装部材10として膜厚50μmの不織布の袋を採用し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<アスファルト舗装材梱包体の評価>
実施例6〜10及び比較例5〜8のそれぞれの包装部材に、常温アスファルト舗装材として「コールドパーミックス」(東亜道路工業株式会社製)2kgを投入し、アスファルト舗装材梱包体1を作製した。
作製したアスファルト舗装材梱包体を、温度60℃、湿度90%RH環境下で24時間貯蔵した後、アスファルト舗装に存在する補修対象箇所(最大径10cm、最大深さ5cm)に設置した。その後、1L散水し、補修したアスファルト舗装を評価した。
比較例5の包装部材は高湿度環境下に貯蔵したことで硬化し、骨材と接触して破損してしまった。また、実施例6の包装部材についても膜厚が薄いため、骨材と接触して破損してしまった。ポットホール設置前に包装部材が破損することにより、内包の常温アスファルト舗装材の骨材が飛散してしまい、補修対象箇所は平坦に補修されなかった
実施例7〜10の包装部材は骨材による破損は見られず、アスファルト舗装材梱包体を用いた補修箇所は、不純物の残存がなく、また、包装部材によって骨材が拘束されていたため、骨材飛散が見られず、補修対象箇所はアスファルト舗装材が硬化して平坦に補修されていた。
実施例9及び実施例10の包装部材は散水により水溶するものの、溶解しきれずに不純物として残存した。このアスファルト舗装材梱包体はアスファルト舗装との接着不良により、剥がれてしまった。
比較例6〜8のアスファルト舗装材梱包体を用いた補修箇所は平坦であったが、内包された常温アスファルト舗装補修材が露出することなく、補修箇所に包装部材が残存し、アスファルト舗装との接着不良により、剥がれてしまった。
表2より、湿度安定性評価について、比較例5は高湿度下にさらされると包装部材10が硬化してしまい、揉まれることで包装部材10が破れてしまった。実施例6〜10は、高湿度下にさらされても包装部材10は硬化しないが、実施例6は揉まれることで破れてしまい、実施例7〜10は揉まれても破れることがなかった。一方、比較例6〜8は水溶性ではないため、高湿度の影響を受けず、揉んでも包装部材が破れることがなかった。
表2より、耐接着性について、比較例5はフィラーをまぶしても、少量の水分で包装部材10が溶解してしまった。比較例6〜8の包装部材10は水溶性ではないため、水に濡れた軍手で持ち上げても、アスファルト舗装材梱包体同士の接着は見られなかった。
実施例6及び7はフィラーをまぶさないと、水に濡れた軍手によって包装部材10が溶解してしまい破れてしまったが、フィラーをまぶすことによって、1つずつ持ち上げることができた。実施例8はフィラーをまぶさないと、水に濡れた軍手によって積み上げられたアスファルト舗装材梱包体1の層の間に水が浸入し、アスファルト舗装材梱包体1界面が接着して、上部を持ち上げた際に下部の重さで上部の包装部材10が破れてしまったが、フィラーをまぶすことによって、1つずつ持ち上げることができた。実施例9及び10は、フィラーをまぶさないと、水に濡れた軍手によって積み上げられたアスファルト舗装材梱包体1の層の間に水が浸入したが、膜厚が厚いため、べたつきはしたが、1つずつ持ち上げることができ、フィラーをまぶすと、べたつきもなく1つずつ持ち上げることができた。
表2より、運搬作業性について、比較例5はフィラーをまぶしても、少量の水分で包装部材10が溶解してしまった。比較例6〜8の包装部材10は水溶性ではないため、水に濡れた軍手で持ち上げても、所定の場所まで運搬することができた。しかし、比較例6〜8の包装部材10の表面にフィラーをまぶすことによって、滑りやすくなってしまい、軍手で運搬中に滑って落としてしまった。
実施例6及び7はフィラーをまぶさないと、水に濡れた軍手で持ち上げた際に包装部材10が溶解してしまい破れてしまった。実施例6及び7の包装部材10の表面にフィラーをまぶすことによって、所定の場所まで運搬することができた。実施例8はフィラーをまぶさないと、水に濡れた軍手で持ち挙げた際に積み上げられたアスファルト舗装材梱包体1の層の間に水が浸入し、アスファルト舗装材梱包体1界面が接着して、上部を持ち上げた際に下部の重さで上部の包装部材10が破れてしまった。実施例8の包装部材10の表面にフィラーをまぶすことによって、所定の場所まで運搬することができた。実施例9はフィラーをまぶさないと、水に濡れた軍手によって包装部材10が徐々に溶解していき、持ち上げることはできたが、運搬中に包装部材10が破れてしまった。実施例9の包装部材10の表面にフィラーをまぶすことによって、所定の場所まで運搬することができた。実施例10はフィラーをまぶさない状態でも、所定の場所まで運搬することが出来たが、包装部材10の表面が水に濡れた軍手によって一部溶解してしまい、手形がついてしまった。しかし、実施例10の包装部材10の表面にフィラーをまぶすことで、手形もなく所定の場所まで運搬することができた。
[評価方法]
各実施例において、以下の方法により各評価を行なった。
<常温アスファルト舗装材の硬化後の硬度の評価>
常温アスファルト舗装材20の硬化後の硬度を評価するために、「屋外体育施設の建設指針 各種スポーツ施設の設計・施工」(公益社団法人、日本体育施設協会、屋外体育施設部会発行、平成29年改訂版)に記載のプロクターニードル試験(貫入抵抗試験)を行った。
試験手順としては、まず、常温アスファルト舗装材500gを直径101.16mm、高さ88.9mmのモールドに入れ、両面を各25回突き固めた。次いで、直ちにモールドから常温アスファルト舗装材を脱型した。その後、養生せずに直径6.5mmの一定の太さの金属棒(プロクターニードル)を毎秒1/2インチの速度で、1インチまで押し込み、常温アスファルト舗装材がくずれるかを目視にて確認し、以下のように分類した。評価結果を表3に示す。
《耐久性・柔軟性評価》
A:崩れなかった(耐久性が高い)
B:一部崩れた(耐久性と柔軟性の両立)
C:全部崩れた(柔軟性が高い)
《抵抗値》
各実施例における常温アスファルト舗装材の荷重(抵抗値)を測定した。荷重はポンド(LB)で示した。評価結果を表3に示す。
[実施例11]
包装部材10として膜厚40μmのポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200タイプ(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)を採用し、常温アスファルト舗装材20として「コールドパーミックス」(東亜道路工業株式会社製)採用し、実施例11のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表3に示す。
[実施例12]
常温アスファルト舗装材20として「コールドパーミックス」(東亜道路工業株式会社製)に、コールドパーミックスに用いているバインダを増量させ、粘度を調整したものに変更した以外は、実施例11と同様にして、実施例12のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表3に示す。
[実施例13]
常温アスファルト舗装材20として「ハイメンテ」(東亜道路工業株式会社製)に変更した以外は、実施例11と同様にして、実施例12のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。当該アスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表3に示す。
表3より、実施例11はプロクターニードルを押し込んでも全く崩れず、元の形状を保持していたので、耐久性が高かった。また、実施例13はプロクターニードルを押し込むと、瞬時に崩れてしまい、柔軟性が非常に高く、骨材飛散が懸念される。そして、実施例12はプロクターニードルを押し込むと、崩れてしまうが、実施例13と比較すると、くずれるのに時間を要し、飛散はなかった。つまり、実施例12は耐久性と柔軟性を両立していた。
緊急性が高い箇所に用いる場合では、瞬時にポットホールの形状に追従する常温アスファルト舗装材が求められるため、実施例12のように耐久性と柔軟性を両立したものが望ましいと考えられる。また、緊急性が低い箇所に用いる場合では、耐久性を有する常温アスファルト舗装材が求められるため、実施例11のように崩れにくいものが望ましいと考えられる。
[評価方法]
各実施例及び比較例において、以下の方法により各評価を行なった。
<アスファルト舗装材梱包体1に対する常温アスファルト舗装材20の分散性評価>
包装部材10中に封入された常温アスファルト舗装材20は、塊を形成すること無く、分散した状態であることが好ましい。そこで、アスファルト舗装材梱包体1の中に充填されている常温アスファルト舗装材20の分散状態を評価する試験を行った。
試験手順としては、まず、常温アスファルト舗装材20を13cm×20cmの袋状の包装部材10に入れて密封した。そして、包装部材10の中に充填されている常温アスファルト舗装材20の充填率を算出した。次いで、アスファルト舗装材梱包体1を全体的に10回揉みほぐした後に、常温アスファルト舗装材20の塊があるか、また、包装部材10の中で均一に分散しているかを以下の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
○:常温アスファルト舗装材の塊がなく、包装部材中に均一に分散している
△:常温アスファルト舗装材の塊はないが、包装部材中に偏りがある
×:常温アスファルト舗装材の硬い塊が発生している
[実施例14]
包装部材10として、13cm×20cmの袋状のポリビニルアルコール樹脂「ハイセロン C型−200タイプ(商品名)」(日本合成化学工業株式会社製)を用意した。また、常温アスファルト舗装材20として「コールドパーミックス」(東亜道路工業株式会社製)に、コールドパーミックスに用いているバインダを増量させ、粘度を調整したものを用意した。
次に、包装部材10に常温アスファルト舗装材20を100g入れて密封し、実施例14のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。実施例14のアスファルト舗装材梱包体1では、包装部材10に対する常温アスファルト舗装材20の充填率は、30%であった。
作製したアスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例15]
包装部材10に入れる常温アスファルト舗装材20を300gに変更した以外は、実施例14と同様として、実施例15のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。実施例15のアスファルト舗装材梱包体1では、包装部材10に対する常温アスファルト舗装材20の充填率は、50%であった。
作製したアスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例16]
包装部材10に入れる常温アスファルト舗装材20を500gに変更した以外は、実施例14と同様として、実施例16のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。実施例16のアスファルト舗装材梱包体1では、包装部材10に対する常温アスファルト舗装材20の充填率は、80%であった。
作製したアスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例17]
包装部材10に入れる常温アスファルト舗装材20を600gに変更した以外は、実施例14と同様として、実施例17のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。実施例17のアスファルト舗装材梱包体1では、包装部材10に対する常温アスファルト舗装材20の充填率は、90%であった。
作製したアスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[参考例1]
包装部材10に入れる常温アスファルト舗装材20を700gに変更した以外は、実施例14と同様として、比較例7のアスファルト舗装材梱包体1を作製した。比較例7のアスファルト舗装材梱包体1では、包装部材10に対する常温アスファルト舗装材20の充填率は、100%であった。
作製したアスファルト舗装材梱包体1に対して上述の評価を行った。評価結果を表4に示す。
表4より、実施例14のアスファルト舗装材梱包体1は、塊はないが、包装部材10の中で偏りが多少生じていた。実施例15〜17のアスファルト舗装材梱包体1は、塊もなく、包装部材10の中で偏りもなく良好であった。実施例9〜12のアスファルト舗装材梱包体1は、ポットホールの補修に利用した際に、ポットホールの形状に追従し、既設路面との密着性を得ることができた。
一方、参考例1のアスファルト舗装材梱包体1は、充填率が高すぎるため、常温アスファルト舗装材20が包装部材10の中で圧密され、大きく硬い塊が生じていた。比較例7のアスファルト舗装材梱包体1をポットホールの補修に利用したところ、塊がポットホールの形状に追従せず、平坦性を確保できず、補修路面に凹凸が発生した。凹凸が発生すると、走行車両のタイヤの巻上げ等により、補修路面が破損してしまう可能性がある。
1:アスファルト舗装材梱包体
10:包装部材
11:開口部
20:常温アスファルト舗装材
30:アスファルト混合物あるいは路盤
31:アスファルト混合物
40:補修対象箇所

Claims (8)

  1. 水溶性を有するポリビニルアルコール樹脂製の包装部材と、
    前記包装部材に内包された常温アスファルト舗装材とを備えるアスファルト舗装材梱包体。
  2. 前記包装部材は、20℃の水100gに対して1g以上溶解する請求項1に記載のアスファルト舗装材梱包体。
  3. 前記包装部材は、水と接触することで完全に溶解する請求項1又は2に記載のアスファルト舗装材梱包体。
  4. 前記包装部材は10gを2℃の水100gに溶かした時、24時間以内に完全溶解する請求項1〜3のいずれか1項に記載のアスファルト舗装材梱包体。
  5. 前記包装部材の膜厚の平均厚さは、30μm以上1200μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアスファルト舗装材梱包体。
  6. 前記包装部材の外周にフィラーがまぶされている請求項1〜5のいずれか1項に記載のアスファルト舗装材梱包体。
  7. 前記包装部材に対する前記常温アスファルト舗装材の充填率は、40%以上97%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のアスファルト舗装材梱包体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアスファルト舗装材梱包体を、アスファルト舗装に存在する補修対象箇所に設置する工程と、前記アスファルト舗装材梱包体の包装部材が溶解消失することで、前記包装部材に内包される常温アスファルト舗装材に含まれる溶剤が揮発し、前記常温アスファルト舗装材が硬化する工程とを含むアスファルト舗装補修方法。
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