JP2018159245A - コンクリートの打設管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】締め固め位置の見落とし等によるコンクリートの締め固め不良を防ぎ、締め固め作業の安全性確保が可能なコンクリートの打設管理方法を提供する。【解決手段】予め設定された所定の区画内にコンクリートを打設し、打設後のコンクリートを複数の振動機により締め固める工法における処理装置によるコンクリートの打設管理方法であって、所定の区画内を分割して複数の小領域を設定するステップと、所定の区画内のコンクリートに挿入される複数の振動機の各位置を検出するステップと、所定の区画内に打設されたコンクリートの性状に基づいて、当該性状と対応付けられた各振動機の振動による締め固め影響範囲を取得するステップと、複数の小領域に分割された所定の区画内における各振動機が挿入された位置、及び、該各位置における締め固め影響範囲に対応する小領域を締め固め済み領域として記憶するステップとを含むようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートの打設管理方法に関し、特に、コンクリートの締め固め工程における管理方法に関する。
従来、ダムコンクリートでは、打設したコンクリートを締め固める機械として高周波で振動する振動機、いわゆるバイブレータが用いられている。バイブレータによる締め固めは、オペレータがバイブレータの取り付けられた締め固め機械を打設担当者の指示に従って操作することにより行われていた。ところが、ダム建設におけるコンクリートの打設範囲は広範であるため、締め固め位置の見落としや、硬練りのコンクリートであるが故の締め固め不足等の締め固め不良が生じ易いという問題があった。このような締め固め不良は、コンクリートの硬化後のひび割れやジャンカ、充填不良の発生を招き、躯体としての一体化、強度、耐久性、剥落等の低下を招く恐れがある。特許文献1,特許文献2には、ダム建設におけるコンクリートの締め固めを管理する技術が開示されている。
特許文献1や特許文献2等によれば、一台の締め固め機械による締め固めについては管理できるものの、作業者との共同での締め固めについては管理できないという問題がある。実際の締め固めの現場では、締め固め機械を利用できない狭隘部や型枠、鉄筋等の埋設物があるため、その近傍では作業者がバイブレータを直接操作して締め固めが行われている。このように、締め固め機械と作業者による締め固め作業が混在すると、相互の締め固め位置の見落としや締め固め不足などが生じ、締め固め不良を招く虞がある。また、締め固め機械と作業者とが同じ作業エリアで同時に締め固め作業を行う場合にあっては、作業者と締め固め機械との衝突を回避するように、締め固め現場の安全を管理することも必要となる。
特開2015−48684号公報 特開2016−191193号公報
そこで、本発明では、締め固め現場における締め固め位置の見落とし等によるコンクリートの締め固め不良を防ぐとともに、締め固め作業の安全性確保が可能なコンクリートの打設管理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのコンクリートの打設管理方法として、予め設定された所定の区画内にコンクリートを打設し、打設後のコンクリートを複数の振動機により締め固める工法におけるコンクリートの打設管理方法であって、所定の区画内を分割して複数の小領域を設定するステップと、所定の区画内のコンクリートに挿入される複数の振動機の各位置を検出するステップと、所定の区画内に打設されたコンクリートの性状に基づいて、当該性状と対応付けられた各振動機の振動による締め固め影響範囲を取得するステップと、複数の小領域に分割された所定の区画内における各振動機が挿入された位置、及び、該位置における締め固め影響範囲に対応する小領域を締め固め済み領域として記憶するステップ、とを含むようにした。
本方法によれば、所定の区画内における締め固め忘れや、締め固めの重複箇所を回避できるので、締め固め作業を向上させることができる。
また、コンクリートの打設管理方法の他の形態として、所定の区画内における構造物の位置を取得するステップと、検出された振動機の位置が、取得された構造物の位置に対して所定の範囲内にあるかを判定するステップと、検出された振動機の位置が取得された構造物の位置に対して所定の範囲内にある場合に、構造物があることを報知するステップとを含むようにした。
本方法によれば、締め固め作業において振動機が型枠や埋設物等の構造物に接触し、構造物を破壊することを防止でき、施工品質を向上させることができる。
また、コンクリートの打設管理方法の他の形態として、所定の区画内に打設されたコンクリートの性状に基づいて、当該性状と対応付けられた振動機による締め固め時間を取得するステップと、振動機の作動時間が締め固め時間に達したことに基づいて、当該締め固め時間を振動機の挿入位置と対応して記憶するステップとを含むようにした。
本方法によれば、経験や勘に頼らない締め固め作業が可能となり、施工品質を向上させることができる。
また、コンクリートの打設管理方法の他の形態として、所定の区画内にコンクリートが打設された打設時刻を取得するステップと、打設されたコンクリートの打設時刻から該コンクリートに隣接して新たなコンクリートを打ち重ねるまでに許容される時間を取得するステップと、許容される時間から打設時刻の取得に基づいて計時された時間を減算した時間を報知するステップと、を含むようにした。
本方法によれば、締め固め作業の対象であるコンクリートに打ち重ねられる新たなコンクリートとの接合がコールドジョイントとならないようにコンクリートの締め固め作業を管理できる。
またコンクリートの打設管理方法の他の形態として、検出された複数の振動機の相対位置を検出するステップと、相対位置が所定の位置関係にあるときに接近警報を報知するステップと、を含むようにした。
本方法によれば、振動機が装着された建設機械や、手作業により振動機を操作する作業者との接触事故を防止し、締め固め作業における安全を確保できる。
コンクリート締め固め管理システムの構成図である。 作業情報取得装置の構成例を示す図である。 施工領域3の様子を示す概略図である。 締め固め作業管理装置の概略構成図である。 施工領域、作業エリア、ブロック、メッシュを示す図である。 締め固め影響範囲を示す概念図である。 作業管理手段の構成を示すブロック図である。 表示・入出力情報処理装置のモニターに表示される表示例を示す図である。 安全監視手段の構成を示すブロック図である。 締め固め管理装置の概略処理を示す図である。 作業開始前処理の詳細フローチャートである。 打ち重ね時間管理処理の詳細フローチャートである。 締め固め作業の作業管理処理の詳細フローチャートである。 締め固め作業においてモニターに表示されるメッシュ図である。 締め固め作業の安全監視処理の詳細フローチャートである。 締め固めの終了判定の他の形態を示すフローチャートである。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は、コンクリートの打設管理方法を実行する打設管理装置1の一実施形態を示す構成図である。打設管理装置1は、締め固め作業管理装置2と、事務所端末装置4と、責任者端末装置5と、作業情報取得装置6と、コンクリート打設情報取得装置10とを備える。
コンクリートの打設管理装置1は、締め固め作業管理装置2が、事務所端末装置4や責任者端末装置5から入力された情報、コンクリート打設情報取得装置10から入力される打設されたコンクリートに関する情報、及び作業情報取得装置6から入力されるバイブレータによるコンクリートの締め固め作業の情報に基づいて、作業者や締め固め機械によるコンクリートの締め固め作業を管理する。
図2は、作業情報取得装置6の構成例を示す図である。図3は、施工領域3の様子を示す概略図である。図2,図3に示すように、作業情報取得装置6は、例えばコンクリートの締め固めを行う作業者13が携帯する作業者用作業情報取得装置60と、締め固め機械12に設けられる機械用作業情報取得装置80とにより構成される。
作業者用作業情報取得装置60及び機械用作業情報取得装置80は、それぞれ振動機であるバイブレータZa;Zbによる締め固め作業の位置を検出する位置検出手段62;82と、バイブレータZa;Zbによる締め固め作業の状況を検出する作業状況検出手段64;84と、表示・入出力情報処理装置66;86と備える。作業者が携帯する位置検出手段62及び作業状況検出手段64は、表示・入出力情報処理装置66と無線又は有線等により接続され、締め固め機械に設置される位置検出手段82及び作業状況検出手段84は、表示・入出力情報処理装置86と無線又は有線により接続される。
位置検出手段62;82には、例えばGNSS(Global Navigation Satellite Systems:全地球航法衛星システム)が用いられる。図3に示すように、GNSSとは、複数のGNSS衛星19Aと、基地局として固定的に設置されたGNSS固定局19Bと、移動可能に設置されたGNSS移動局とで構成され、複数の衛星19A及び固定局19Bから出力される信号を移動局が受信することで、当該移動局の位置情報である緯度、経度及び標高などの地球上における座標位置をリアルタイムに取得するシステムである。
図3に示すように、位置検出手段62;82は、移動局を構成するハードウェアとして、それぞれアンテナ62a;82aと受信機62b;82bとを備え、作業者13及び締め固め機械12に設けられる。作業者13が携帯する位置検出手段62は、例えば作業者13の着用するヘルメットや着衣等に取り付けられる。なお、位置検出手段62を作業者用のバイブレータZaに取り付けても良い。
また、締め固め機械12に設けられる位置検出手段82は、締め固め機械12における車両本体部12Aの後部において、例えば前後方向軸線の左右対称となる位置にアンテナ82aが2箇所に設けられ、締め固め機械12の座標位置に加え、車両本体部12Aの姿勢を示すロール角の検出が可能に構成される。位置検出手段62;82は、複数の衛星19A及び固定局19Bから出力される信号をアンテナ62a;82aにより受信して受信機62b;82bに伝送することにより、作業者13の位置及び締め固め機械12の位置である緯度、経度及び高度等の座標位置を取得する。位置検出手段62により検出された座標位置は、表示・入出力情報処理装置66に出力され、位置検出手段82により検出された座標位置は、表示・入出力情報処理装置86に出力される。
作業状況検出手段64;84は、それぞれ挿入深さ検出手段70;90と、集音手段72;92とを含んで構成される。挿入深さ検出手段70;90は、作業者13及び締め固め機械12により打設されたコンクリートにバイブレータZa;Zbが挿入された挿入深さを検出する。挿入深さ検出手段70;90としては、例えばコンクリート表面へのレーザの照射により距離を測定する距離センサが用いられる。各挿入深さ検出手段70;90は、レーザの照射方向(測定方向)がバイブレータZa;Zbの延長方向と平行に取り付けられる。挿入深さ検出手段70は、例えば、作業者13が操作するバイブレータZaのハンドル部に設けられ、挿入深さ検出手段90は、締め固め機械12の第2アーム15の軸支部18においてバイブレータZbとともに回転する基部18Aに取り付けられる(図3(b)参照)。なお、締め固め機械12に取り付けられるバイブレータZbについては、後段において詳細するが、バイブレータZbは、基部18Aに複数のバイブレータz1を取り付けられた状態で1つの振動機として構成される。挿入深さ検出手段70により検出された検出値Xは、表示・入出力情報処理装置66に出力され、挿入深さ検出手段90により検出された検出値Xは、表示・入出力情報処理装置86に出力される。
集音手段72;92は、マイクであって、バイブレータZa;Zbによる締め固め作業の近接音を取得する。集音手段72は、作業者13の着衣等に取り付けられ、集音手段92は、例えば、締め固め機械12のバイブレータZbとともに回転する基部18A等に取り付けられる(図3(b)参照)。集音手段72により取得された近接音は表示・入出力情報処理装置66に出力され、集音手段92により取得された近接音は表示・入出力情報処理装置86に出力される。
さらに、作業状況検出手段84は、締め固め機械12に設けられたバイブレータZbの姿勢を検出する姿勢検出手段94を備える。図3(a)に示すように、姿勢検出手段94は、例えば複数の傾斜センサ94a;94bと、ロータリーエンコーダ94cと、ピッチセンサ94dとで構成される。傾斜センサ94a;94bは、第1アーム14及び第2アーム15にそれぞれ設けられ、それぞれ水平方向に対するアーム14;15の傾斜角を検出値として出力する。ロータリーエンコーダ94cは、第2アーム15の先端の軸支部18に設けられ、第2アーム15に対するバイブレータZbの角度を検出値として出力する。ピッチセンサ94dは、車両本体に設けられ、車両本体の前後の傾斜角(ピッチ角)を検出値として出力する。傾斜センサ94a,94b、ロータリーエンコーダ94c及びピッチセンサ94dの検出値は、表示・入出力情報処理装置86に出力される。なお、姿勢検出手段94は、上記構成に限定されず、締め固め機械12に装着されたバイブレータZbの姿勢を検出可能であれば、締め固め機械12へのセンサの取り付ける位置やセンサの形態等について適宜変更可能である。
表示・入出力情報処理装置66;86は、演算処理手段としてのCPU、記憶手段としてのROM,RAMを有するコンピュータであって、インターネット回線やLAN等の無線回線を通じて締め固め作業管理装置2と無線による通信を可能にする無線通信手段と、締め固め作業管理装置2から入力された情報を作業者13や締め固め機械12を操作するオペレータに報知する報知手段と、締め固め作業管理装置2に出力する情報を入力するための入力手段とを備える。表示・入出力情報処理装置66;86は、位置検出手段62;82及び作業状況検出手段64;84により検出された情報を締め固め作業管理装置2に出力するための処理や、締め固め作業管理装置2から入力された情報を作業者に報知するための処理を実行する。
表示・入出力情報処理装置66;86の報知手段は、例えば、締め固め作業管理装置2から入力された情報を視認させる表示装置としてのモニターや、音により認識させる音響装置としてのスピーカー等により構成される。
作業者13に携帯される表示・入出力情報処理装置66には、入力手段と表示装置(報知手段)とが一体化されたタッチパネル式のカラー表示可能なモニターが採用された例えば、腕時計型、眼鏡型ウェアラブル型の端末装置が好適である。
また、締め固め機械12に設けられる表示・入出力情報処理装置86には、入力手段と表示装置(報知手段)とが一体化されたタッチパネル式のカラー表示可能なモニターが採用されたタブレット型の端末装置が好適である。表示・入出力情報処理装置86は、締め固め機械12における操縦席からモニターが視認可能に配置される。
図3(a)に示すように、コンクリート打設情報取得装置10は、例えば、ケーブルクレーンとして施工領域3の上空に設けられた架線9Aによってコンクリートが打設される作業エリアにコンクリートを搬送するバケット9B等に設けられる。コンクリート打設情報取得装置10は、コンクリートの打設位置を検出する位置検出手段と、作業エリアにコンクリートをバケット9Bから打設したことを検出する打設検出手段と、作業エリアに打設したコンクリートの打設厚さを測定する打設厚さ測定手段と、コンクリートの打設に関する情報を締め固め作業管理装置2に送信する通信装置とを備える。
なお、作業エリアにコンクリートを搬送する手段は、上記ケーブルクレーンに限らず、タワークレーン、クローラークレーン等の他の搬送手段であっても良く、作業エリアにコンクリートを搬送するバケット9B等の搬送容器にコンクリート打設情報取得装置10が設けられていれば良い。
位置検出手段は、GNSSを利用するアンテナと受信機により構成され、バケット9Bの位置を検出し、検出された座標位置を通信装置に出力する。打設検出手段は、例えば、バケット9Bからコンクリートを放出する際に開閉する開閉部に設けられ、開閉部が開口したことを検出することでコンクリートが打設されたことを示す信号(打設信号)を通信装置に出力する。打設厚さ測定手段は、バケット9Bからコンクリートの打設位置における打設前後の距離の変化を測定することによりコンクリートの打設厚さを測定し、測定した打設厚さを信号(打設厚さ信号)として通信装置に出力する。打設厚さ測定手段としては、非接触でコンクリートの打設厚さを測定可能な計測器、例えばレーザ距離計測装置が用いられる。通信装置は、Wifi等の無線通信装置からなり、インターネット回線を介して締め固め作業管理装置2と接続される。通信装置は、位置検出手段から入力された座標位置、打設検出手段から入力された打設信号、打設厚さ測定手段から入力された打設厚さ信号を締め固め作業管理装置2に出力する。
図4は、締め固め作業管理装置2の概略構成図である。
締め固め作業管理装置2は、インターネット回線を介して互いに通信可能に設けられたコンピュータであって、それぞれハードウェア資源として設けられた演算処理手段としてのCPU、記憶手段としてのROM,RAM、通信手段としてのWifi等の無線通信装置を備える。締め固め作業管理装置2は、例えば、インターネット上のサービスとして提供されるサーバーコンピュータにより構成される。記憶手段には、コンピュータにより構成された締め固め作業管理装置2を後述の各手段として動作させるプログラムや動作に必要な各種のデータが記憶される。そして、CPUが、記憶手段に格納されたプログラムに従って後述の処理を実行することにより、後述の各手段として機能する。
図4に示すように、締め固め作業管理装置2は、コンクリートの締め固め作業を管理するための作業管理データ20と、情報取得装置検出手段22と、締め固め作業を管理するための作業管理手段24と、締め固め作業における安全を管理するための安全監視手段26と、表示出力処理手段28と、締め固め情報記録手段30とを備える。
作業管理データ20は、作業情報取得装置データ、作業エリア設定データ、ブロック設定データ、メッシュ図データ、車両データ、バイブレータデータ、コンクリート種別データ、構造物データ、締め固め音判定データ、締め固め時間データ、打ち重ね時間データ、締め固め影響範囲データ等を含んで構成される。作業管理データ20は、例えば、事務所端末装置4からインターネット回線を介して入力される。以下、各データについて説明する。
作業情報取得装置データは、締め固め作業に使用する作業者用作業情報取得装置60及び機械用作業情報取得装置80や、コンクリート打設情報取得装置10等を締め固め作業管理装置2に登録するためのデータベースである。作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80には、装置番号が付される。
図5(a)は、施工領域3に設定された作業エリアの概念図である。
作業エリアデータは、施工領域3を施工計画に基づいて複数の作業エリアSに区画した地図データであって、当該地図上の各位置には座標位置情報が紐づけられている。具体的には、3次元の地図上における施工領域3に対応して作成されたダムの3次元設計図面を施工計画に基づいて複数の作業エリアSに区画して作成される。座標位置情報とは、GNSSにおいてGNSS衛星19AやGNSS固定局19Bから得られる緯度、経度及び標高で構成される。また、各作業エリアSは、エリア番号を付して管理される。
図5(b)は、作業エリアSに設定される複数のブロックの概念図である。
ブロックデータは、各作業エリアSを施工計画に基づいてブロック状に3次元の領域に区画したデータである。各作業エリアSを構成する各ブロックBには、ブロック番号(例えば、b1,b2、b3,b4・・・等)が付され、エリア番号に紐づけされる。また、各ブロック番号には、地図上におけるブロックBの範囲を特定するための位置情報、例えば、各ブロックBを形成する各頂点の頂点番号及びその座標位置や頂点同士の関係を含んで構成される。座標位置は、GNSSにおいてGNSS衛星19AやGNSS固定局19Bから得られる緯度、経度及び標高によって示される。なお、ブロックBは、ダム建設における一つの締め固め作業領域を示す単位であって、例えば、打設位置まで搬送するバケット9Bの容積などに基づいて設定される。
図5(c)は、各ブロックBに設定されるメッシュ図Mの概念図である。
メッシュ図データは、作業エリアに区画された各ブロックBにおける水平面をメッシュ状に複数の小領域rに分割したメッシュ図Mからなるデータであって、エリア番号、ブロック番号に紐づけされる。本実施形態では、ブロックBの水平面を矩形状の均等な大きさの小領域rで分割した。また、小領域rの各辺の長さ寸法は、作業者用のバイブレータZaや機械用のバイブレータ(ユニット)Zbを構成する各バイブレータz1の直径寸法よりも小さいことが好ましい。より好ましくは、メッシュ図Mは後段の処理において、各ブロックBに挿入されたバイブレータZa;Zbによって締め固められた範囲を特定するための仮想上の領域であることを考慮すれば、小領域rの大きさが小さい程、締め固められた範囲の特定精度が向上する。
車両データは、バイブレータZbが装着されるバックホウ(バイバック)等の各建設機械の機械諸元をまとめたデータベースである。車両データに記録される各建設機械には、締め固め機械として識別するための機械番号が付され、この機械番号に、建設機械の全長、全幅、全高、第1アーム14及び第2アーム15の長さや第1アーム14及び第2アーム15を最大限伸ばしたときのアーム先端の最大旋回半径、車両本体部12Aの後端の旋回半径等とともに第2アーム15に装着されるバイブレータ番号に紐づけされる(図3(a)参照)。
バイブレータデータは、作業者によって直接操作される作業者用のバイブレータZaや締め固め機械に取り付けられる機械用のバイブレータZbの形状に関するデータベースである。バイブレータデータでは、各バイブレータZa;Zbを識別するためのバイブレータ番号が付され、作業者用のバイブレータZaか機械用のバイブレータZbかの識別が可能とされる。本実施形態では、機械用のバイブレータZbは、複数のバイブレータz1を基部18Aに固定することによって一つのユニットとして構成され、1つの振動機として扱う。バイブレータ番号が作業者用のバイブレータZaである場合には長さ、直径、断面形状などの形状に関する情報が、バイブレータ番号が機械用のバイブレータZbである場合にはユニット状態の長さ、幅、ユニットを構成する各バイブレータz1の数、バイブレータz1の配置、バイブレータピッチ、及び各バイブレータz1の長さ、直径、断面形状等の形状に関する情報が紐付けされる。機械用のバイブレータZbの一例としては、図3(a),(b)示すような、4本のバイブレータz1をフォーク状に並列に配置したものが挙げられるが、これに限定されず、1本や、2本以上のバイブレータz1を並列して配置したものや複数のバイブレータz1を三角形状、矩形状、台形状等に配置したものでも良い。また、バイブレータ番号は、装置番号に紐づけされ、装置番号を特定することにより、バイブレータ番号が特定され、作業者13によって操作されるバイブレータZaか、締め固め機械12に装着されたバイブレータZbかが特定される。
コンクリート種別データは、各作業エリアに打設されるコンクリートの性状に応じて設定される種別に関するデータベースである。コンクリート種別データは、コンクリートの種別毎にコンクリート種別番号が付され、当該コンクリートが打設される作業エリアに設定されたエリア番号に紐付けされる。なお、コンクリートの性状とは、試験施工やスランプ試験等により得られるコンクリートのワーカビリティー(コンクリートの打ち込み作業のしやすさ)を数値化して表した数値データである。
構造物データは、ダム建設における設計図や施工計画に基づいて設定されるコンクリートの打設時に設けられる型枠や、コンクリートの内部に埋設される鉄筋や配管等の埋設物の位置に関するデータベースである。構造物データでは、構造物毎に構造物番号が付され、配置されるエリア番号及びブロック番号に紐づけされるとともに、配置される緯度、経度及び高度等の座標位置及び配置される向きを含んで構成される。
締め固め音判定データは、バイブレータZa;Zbによってコンクリートが好適に締め固められたときの特性周波数をコンクリートの種別毎に設定したデータベースである。各特性周波数は、バイブレータZa;Zbによる締め固めの終了を判定するための判定値であって、実際のダム建設に使用するコンクリートを、種別毎にバイブレータZa;Zbよって締め固めを行ったときの近接音(締め固め音)を集音し、締め固めが終了とされたときの近接音に含まれる周波数を所定のフィルタリング処理して得られる。各特性周波数には、特性周波数番号が付され、コンクリート種別番号に紐付けされる。
締め固め時間データは、コンクリートの締め固めに必要とされる最小時間Tmin及び締め固めが許容される最大時間Tmaxの範囲をコンクリートの種別毎に気温や湿度を加味して設定したデータベースである。コンクリートの種別毎に設定された最小時間Tmin及び最大時間Tmaxには締め固め時間番号が付され、コンクリート種別番号に紐付けされる。なお、最大時間Tmaxは、コンクリートの種別に関わらず15秒程度が好適とされる。
打ち重ね時間データは、コンクリートが打設されてから、このコンクリートの上や周囲に接して新たなコンクリートを打設するまでに許容される時間(許容時間Tx)をコンクリートの種別毎に気温や湿度を加味して設定したデータベースである。各許容時間Txには、許容時間番号が付され、コンクリート種別番号に紐付けされる。
締め固め影響範囲データは、コンクリートの種別毎にバイブレータZa;Zbの振動が影響を及ぼす範囲を規定するためのデータベースである。
図6(a),(b)は、機械用のバイブレータZbによる締め固め影響範囲Rを示す概念図である。同図に示す破線は、締め固め影響範囲Rを示している。以下の説明では、締め固め機械12に取り付けられる機械用のバイブレータZbを例にして締め固め影響範囲Rについて説明するが、作業者13により操作されるバイブレータZaについても、同様に締め固め影響範囲Rが設定される。なお、図6において、バイブレータZbとバイブレータZaとに共通の構成については、バイブレータZaに関する符号を括弧付けで合わせて付してある。締め固め影響範囲Rは、各バイブレータz1の延長方向と、延長方向に対して直交する方向とが加味されて3次元の領域として設定される。具体的には、打設されたコンクリートの表面に沿う方向に影響を及ぼす表面方向範囲Rhと、当該表面方向範囲Rh内におけるバイブレータz1(Zb)の延長方向に影響を及ぼす延長方向範囲Rfとで形成される3次元領域である。表面方向範囲Rh及び延長方向範囲Rfは、過去のデータや試験施工のデータに基づいて設定される。なお、締め固め機械の場合には、装着されたバイブレータz1の数や配置形状を加味して締め固め影響範囲Rが規定されている。各締め固め影響範囲Rには、締め固め影響範囲番号が付され、コンクリート種別番号に紐づけされる。
したがって、作業エリアSにおけるブロックBを特定することにより、コンクリートの種別が特定され、コンクリートが特定されることにより、締め固め影響範囲、締め固め時間、締め固め特性周波数、打ち重ね時間が一義的に設定される。
情報取得装置検出手段22は、実際に作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80、コンクリート打設情報取得装置10から締め固め作業管理装置2に入力された装置番号と、作業情報取得装置データに登録された作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80、コンクリート打設情報取得装置10等の全ての装置番号とを比較することによって、締め固め作業管理装置2と各情報取得装置60;80;10との接続の有無を検出する。
接続の有無の検出では、作業者用作業情報取得装置60の装置番号とともに位置検出手段62、挿入深さ検出手段70、集音手段72から信号が入力されているか、機械用作業情報取得装置80の装置番号とともに位置検出手段82、挿入深さ検出手段90、集音手段92、及び姿勢検出手段94等から信号が入力されているか、コンクリート打設情報取得装置10の装置番号とともに位置検出手段、打設検出手段、打設厚さ測定手段等から信号が入力されているかについても併せて検出される。そして、いずれかの情報取得装置60:80:10の接続が検出されなかった場合には、接続が検出されない装置番号を表示出力処理手段28に出力する。
図7は、作業管理手段24の構成を示すブロック図である。
作業管理手段24は、作業エリア設定部37と、ブロック設定部38と、メッシュ図設定部39と、打ち重ね時間監視部40と、締め固め位置取得部41と、挿入深さ設定処理部42と、締め固め時間設定処理部43と、挿入深さ監視部44と、締め固め時間監視部45と、締め固め音特性設定部46と、締め固め音監視部47とを備える。
作業エリア設定部37は、作業管理データ20から作業エリアデータを読み込み、インターネット回線を介して接続された責任者端末装置5に施工領域3の地図とともに、施工領域3の地図から作業エリアの選択を現場責任者に促すための処理を実行する。そして、現場責任者が責任者端末装置5を操作して作業エリアを指定することにより、指定された作業エリアのエリア番号が責任者端末装置5から出力され、締め固め作業管理装置2に入力されることにより、作業エリア設定部37では、入力されたエリア番号を作業エリアに設定するとともに、当該エリア番号をブロック設定部38に出力する。
ブロック設定部38は、作業管理データ20からブロック設定データを読み込み、作業エリア設定部37から入力されたエリア番号に紐づけされたブロック図を取得し、該ブロック図とともにブロック図から作業ブロックの選択を現場責任者に促すための処理を実行する。そして、現場責任者が、責任者端末装置5を操作して作業ブロックを指定することにより、指定された作業ブロックのブロック番号が責任者端末装置5から締め固め作業管理装置2に出力される。締め固め作業管理装置2は、上記ブロック番号の入力により、ブロック設定部38において、入力されたブロック番号を作業ブロックに設定するとともに、当該ブロック番号をメッシュ図設定部39に出力する。
メッシュ図設定部39は、作業管理データ20からメッシュ図データを読み込み、ブロック設定部38から入力されたブロック番号に対応するメッシュ図を取得し、表示出力処理手段28に出力する。
打ち重ね時間監視部40は、作業管理データ20からコンクリート種別データと打ち重ね時間データを読み込み、作業エリア設定部37において設定された作業エリアに打設されるコンクリートの種別と、当該コンクリートへの打ち重ねが許容される許容時間Txとを取得する。そして、コンクリート打設情報取得装置10から打設時刻が入力されることで計時処理を開始し、得られた計時時間を取得された許容時間Txから減算した時間、即ち、作業ブロックにおける締め固め作業の残り時間を表示出力処理手段28に出力する。
締め固め位置取得部41は、各挿入深さ検出手段70;90から入力された検出値Xと、閾値αとを比較し、検出値Xが閾値αを下回るときに、バイブレータZa;Zbの挿入有りとして判定し、検出値Xが閾値α以上のときには、バイブレータZa;Zbの挿入無しとして判定する。ここで、閾値αは、例えば、挿入深さ検出手段70;90に設定された測定原点70A;90Aから各バイブレータZa;Zbの先端Aまでの長さL1が設定される(図6(b)参照)。
詳細には、締め固め位置取得部41では、検出値Xの出力元が作業者用作業情報取得装置60か機械用作業情報取得装置80かどうかに応じて、即ち、装置番号に応じて処理される。
入力された検出値Xの出力元が挿入深さ検出手段70である場合、即ち、作業者13による締め固め作業である場合において、バイブレータZaの挿入有りとして判定した場合には、位置検出手段62から入力された座標位置をバイブレータZaが挿入された座標位置として取得する。
また、入力された検出値Xの出力元が挿入深さ検出手段90である場合、即ち、締め固め機械12による締め固め作業である場合において、バイブレータZbの挿入有りとして判定した場合には、位置検出手段82から入力された座標位置、及び姿勢検出手段94から入力された検出値に基づいて、バイブレータZbが挿入された座標位置を取得する。具体的には、位置検出手段82として締め固め機械に設けられたアンテナ82a;82aの座標位置を基準として、姿勢検出手段94として第1アーム14及び第2アーム15に設けられた傾斜センサ94a,94bから入力される検出値と、車両情報に基づいて取得される第1アーム14の付け根からアンテナまでの距離、第1アーム14及び第2アーム15の長さ、バイブレータZbの形状、第2アーム15の軸支部18からバイブレータZb(z1)の先端Aまでの距離等とに基づいてバイブレータZbの挿入位置が算定される。なお、バイブレータZa;Zbの位置とは、バイブレータZa;Zbの先端Aの座標位置をいう。締め固め機械12のように、複数のバイブレータz1が装着される場合には、複数のバイブレータz1の先端側で形成される配置形状における図心QをバイブレータZbの位置として処理する(図6(a)参照)。これにより、バイブレータZbがコンクリートに挿入されたときの挿入位置が自動的に特定される。
図8に示すように、挿入深さ設定処理部42は、締め固め位置取得部41により算定されたバイブレータZa;Zbの挿入位置に応じてバイブレータZa;Zbの挿入最適深さKを設定する。図8では、締め固め機械12に取り付けられる機械用のバイブレータZbを例にして示してあるが、バイブレータZbとバイブレータZaとに共通の構成については、バイブレータZaに関する符号を括弧付けで合わせて付してある。挿入深さ設定処理部42では、作業管理データ20からコンクリート種別データを参照し、バイブレータZa;Zbの挿入位置におけるコンクリートの種別を取得する。次に、締め固め影響範囲データを参照し、取得されたコンクリートの種別に対応する締め固め影響範囲Rを取得する。次に、コンクリート打設情報取得装置10から入力されたコンクリートの打設厚さMを取得する。そして、コンクリートに挿入されたバイブレータZa;Zbの挿入位置が、1層目か2層目以上かに応じて挿入最適深さKを設定する。
バイブレータZa;Zbの挿入位置が、岩盤上に打設された1層目のブロックb1、ブロックb2及びブロックb3のいずれか(最下段のブロック)である場合には、挿入深さ設定処理部42は、図8(a)に示すようにバイブレータZa;Zbが岩盤に直接接することなく、締め固め影響範囲Rの延長方向範囲Rfの下端側が岩盤に到達するように挿入最適深さKを設定する。
また、図8(b)に示すブロックb4のように、バイブレータZa;Zbの挿入位置が、先に締め固められたブロックb1上である場合には、挿入深さ設定処理部42は、バイブレータZa;Zbの先端が新たにコンクリートが打設されたブロックb4を貫通し、先に締め固めを行ったブロックb1に所定長さJだけ進入するように、バイブレータZa;Zbの挿入最適深さKを設定する。即ち、延長方向範囲Rfの下端側がブロックb1に打設されたコンクリートに及ぶように挿入最適深さKが設定される。設定された挿入最適深さKは、挿入深さ監視部44に出力される。
このように、ブロックb1の上段に位置する2層目のブロックb4の締め固めに際して、バイブレータZa;Zbの延長方向範囲Rfが下段に位置するブロックb1に及ぶように挿入最適深さKを設定することにより、ブロックb4の締め固めとともに、ブロックb4とブロックb1との境界においてブロックb4とブロックb1とが一体化するようにムラなく締め固められるため、ブロックb1及びブロックb4は、硬化後に緊密に一体化し、躯体として強度に優れたコンクリートとなる。
締め固め時間設定処理部43は、バイブレータZa;Zbの挿入位置におけるコンクリートの種別に基づいて締め固め時間データを参照し、コンクリートの種別に応じた締め固めに要する最小時間Tmin及び最大時間Tmaxを取得する。設定された締め固めの最小時間Tmin及び最大時間Tmaxは、締め固め時間監視部45に出力される。
挿入深さ監視部44は、挿入深さ検出手段70;90から入力された検出値Xと、挿入深さ設定処理部42により設定された挿入最適深さKとを比較し、検出値Xが挿入最適深さKを上回るときに、バイブレータZa;Zbによる締め固め開始として判定し、検出値Xが挿入最適深さK以下のときには、締め固め終了として判定する。締め固め開始を判定した場合には、所定の締め固め深さまでバイブレータZa;Zbが挿入されたことを表示出力処理手段28に出力する。なお、本実施形態では、挿入深さ検出手段70;90で検出された検出値Xが、挿入最適深さKを上回るときに締め固め開始としたが、挿入最適深さKよりも短い長さβを設定し、この長さβを上回ったときに締め固め開始としても良い。
締め固め時間監視部45は、挿入深さ監視部44から締め固めの開始を報知する信号が入力されると、計時処理を開始し、検出値Xが閾値γを下回ったときに、計時処理を終了する。閾値γには、例えば、挿入最適深さKよりも小さい値を設定すれば良い。また、締め固め時間監視部45は、計時の開始後に、締め固めが締め固め時間設定処理部43により設定された締め固め最小時間Tminと最大時間Tmaxの範囲にあるかどうかを監視し、締め固め最大時間Tmaxを経過すると、作業者13や締め固め機械12のオペレータに対して当該位置における締め固めの完了を報知する。計時処理は、例えば、時間を加算するように処理される。即ち、締め固め時間監視部45は、計時を開始した場合に、計時の開始を報知する信号、及び設定された締め固め最大時間Tmaxに達した場合に、締め固め最大時間Tmaxに達したことを報知する信号とを表示出力処理手段28に出力する。
締め固め音特性設定部46は、バイブレータZa;Zbの挿入位置におけるコンクリートの種別に基づいて締め固め音判定データを参照し、コンクリートの種別に応じた締め固め特性周波数を取得し、締め固め音監視部47に出力する。
締め固め音監視部47は、集音手段72;92から入力された締め固め音(近接音)を、締め固め音判定データの作成時と同様のフィルタリング処理を施し、締め固め音特性設定部46で設定された特性周波数と比較し、例えば、マッチング率が閾値以上となったときに、締め固めが終了したことを報知する信号を表示出力処理手段28に出力する。
図9は、安全監視手段26の構成を示すブロック図である。
安全監視手段26は、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80、コンクリート打設情報取得装置10から入力された座標位置に基づいて、同一の作業ブロック内で締め固め作業をする作業者13と締め固め機械12との相対位置が危険な位置関係にあるかを監視するとともに、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80及びコンクリート打設情報取得装置10から入力された座標位置に基づいて、コンクリートを打設するバケット9Bに対する作業者13や締め固め機械12の相対位置が危険な位置関係にないかどうかを監視する。
安全監視手段26は、座標位置入力監視部51と、作業情報取得装置判別部52、危険半径設定部53と、接近異常監視部54、コンクリート打設監視部55とを備える。
座標位置入力監視部51は、締め固め作業管理装置2に作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80、コンクリート打設情報取得装置10からそれぞれの座標位置が入力されているかどうかを判定する。そして、いずれかの装置から座標位置が入力されているときにはその座標位置を作業情報取得装置判別部52に出力する。
作業情報取得装置判別部52は、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80から締め固め作業管理装置2に入力される各座標位置から座標位置とともに入力される装置番号に基づいて、機械用作業情報取得装置80から入力された座標位置とコンクリート打設情報取得装置10から入力された座標位置とを判別する。
危険半径設定部53は、作業情報取得装置判別部52で判別された装置番号に対応する締め固め機械12のアーム先端の最大旋回半径を車両データから取得するとともに、締め固め機械12に装着されたバイブレータZbの長さをバイブレータデータから取得し、最大旋回半径とバイブレータZbの長さの合算値を締め固め機械12の危険半径として設定する。
接近異常監視部54は、装置番号に基づいて作業者用作業情報取得装置60から入力された座標位置と、機械用作業情報取得装置80から入力された座標位置の直線距離を人−機械間直線距離として算出する。そして、算出された人−機械間直線距離が締め固め機械12に設定された危険半径よりも小さい場合には危険を知らせるための接近警報信号を表示出力処理手段28に出力する。
また、各機械用作業情報取得装置80から入力された座標位置の直線距離を機械−機械間直線距離として算出する。そして、算出された機械−機械間直線距離が、各締め固め機械12に設定された危険半径の合算値よりも小さい場合には危険を知らせるための接近警報信号を表示出力処理手段28に出力する。
コンクリート打設監視部55は、作業情報取得装置判別部52で判別された装置番号に対応するコンクリート打設情報取得装置10の座標位置が、コンクリートが打設される作業ブロックの範囲内にあるかどうかを検出し、作業ブロックの範囲内にある場合にはコンクリートが打設される旨を報知する信号を表示出力処理手段28に出力する。
表示出力処理手段28は、情報取得装置検出手段22、作業管理手段24、安全監視手段26から入力される情報に基づいて、事務所端末装置4、責任者端末装置5、作業情報取得装置6等の各モニターに締め固め作業に関する情報を表示するための処理を実行する。なお、具体的な処理については後述する。
締め固め情報記録手段30は、実際にバイブレータZa;Zbを動作させて締め固め作業を行ったときの締め固め作業に関する情報を記録する。締め固め作業に関する情報とは、締め固めを行った日時、締め固めを行った作業エリアのエリア番号、当該エリア番号に紐づけられるブロック番号、各ブロック番号において実際にバイブレータが挿入された座標位置、当該位置において締め固めに要した時間、挿入深さ、締め固め終了時の近接音、実際のバイブレータの作動時間(締め固め時間監視部45による計時の開始から終了までの時間)等とを紐づけした情報である。
事務所端末装置4は、インターネット回線を介して互いに通信可能に設けられたコンピュータであって、それぞれハードウェア資源として設けられた演算処理手段としてのCPU、記憶手段としてのROM,RAM、通信手段としてのWifi等の無線通信装置と、表示手段としてのモニターと、入力手段としてのキーボードやマウス等を備える。事務所端末装置4は、例えば、ダム建設の建設現場に設置される現場事務所に設けられ、締め固め作業管理装置2の端末装置として機能する。事務所端末装置4には、事務所作業者によってダム建設に係る情報である作業情報取得装置データ、作業エリア設定データ、ブロックデータ、メッシュ図データ、車両データ、バイブレータデータ、コンクリート種別データ、構造物データ、締め固め音判定データ、締め固め時間データ、打ち重ね時間データ、締め固め影響範囲データ等の作業管理データ20が入力される。入力された作業管理データ20は、事務所端末装置4の記憶手段に格納されるとともにインターネット通信を介して締め固め作業管理装置2に送信され、締め固め作業管理装置2と各締め固め作業を管理する情報が共有される。
責任者端末装置5は、インターネット回線を介して互いに通信可能に設けられたコンピュータであって、それぞれハードウェア資源として設けられた演算処理手段としてのCPU、記憶手段としてのROM,RAM、通信手段としてのWifi等の無線通信装置を備える。責任者端末装置5は、例えば、表示手段としての機能及び入力手段としての機能を有するタッチパネル式のモニターを有するタブレット型のコンピュータにより構成され、締め固め作業の作業現場で指揮する現場責任者によって携帯される。責任者端末装置5は、締め固め作業管理装置2の端末装置として機能し、現場責任者の操作により締め固め作業管理装置2の起動を可能に、また締め固め作業管理装置2から出力された情報をモニター上に表示可能に構成される。
図10は、締め固め作業管理装置2における処理を示す概略図である。図10に示すように、締め固め作業管理装置2は、作業開始前処理S100、打ち重ね時間の管理処理S200、締め固め作業の作業管理処理S300、締め固め作業の安全監視処理S400を実行する。
図11は、 作業開始前処理S100の詳細フローチャートである。以下、作業開始前処理について説明する。
[プログラムの起動]
責任者端末装置5から締め固め作業管理装置2にアクセスし、締め固め作業管理装置2に格納された締め固め作業などを管理するためのプログラムを起動する。プログラムの実行により、記憶手段にあらかじめ格納された締め固め作業に関する情報が読み込まれる。なお、事務所端末装置4から起動させることも可能である。
<S102>
[作業情報取得装置の接続確認]
事務所端末装置4から締め固め作業に従事する作業情報取得装置6として締め固め作業管理装置2に登録された作業者用作業情報取得装置60及び機械用作業情報取得装置80の位置検出手段62;82、挿入深さ検出手段70;90、集音手段72;92、姿勢検出手段94、コンクリート打設情報取得装置10の位置検出手段、打設検出手段、打設厚さ測定手段の接続の有無を確認する。
S102において、接続に異常がない場合には、S106に移行し、接続に異常がある場合には、接続異常を示す装置番号を記憶し、S104に処理を移す。
<S104>
S104では、接続異常のある装置番号と、接続異常の解消を促す情報を表示出力処理手段28に出力し、事務所端末装置4や責任者端末装置5からの接続異常の解消を示す入力待ち状態となる。
接続異常のある装置番号と接続異常の解消を促す情報を受けた表示出力処理手段28は、事務所端末装置4や責任者端末装置5のモニターに、接続異常のある装置番号とともに接続異常を解消したときにその旨を入力するための表示処理を実行し、事務所端末装置4や責任者端末装置5に出力する。そして、現場責任者が、モニターに表示された内容を視認し、接続異常のある装置の異常を解消するための処置を施した後に、責任者端末装置5に接続異常の解消を入力をすることにより、接続異常の解消を示す信号が責任者端末装置5から締め固め作業管理装置2に出力される。
締め固め作業管理装置2は、接続異常の解消を示す信号の入力によりS106に処理を移す。
なお、例えば、接続異常の修正において作業者用作業情報取得装置60又は機械用作業情報取得装置80の交換した場合には、事務所端末装置4を操作して、作業管理データ20における作業情報装置データの修正がなされる。そして、修正された作業情報装置データを締め固め作業管理装置2に送信することにより、締め固め作業管理装置2に記録された作業情報装置データの更新がなされる。
<S106>
[作業エリアの設定]
S106では、作業エリアデータを参照し、表示出力処理手段28に複数の作業エリアに区画された施工領域3の地図を出力し、責任者端末装置5からの入力待ち状態となる。
施工領域3の地図の入力により表示出力処理手段28は、責任者端末装置5のモニターに複数の作業エリアに区画された施工領域3の地図とともに当該地図から作業エリアの選択を促す表示をするための処理を実行し、責任者端末装置5に出力する。そして、現場責任者が責任者端末装置5に表示された施工領域3の地図から作業エリアを指でタッチする等して選択することにより、選択された作業エリアのエリア番号が責任者端末装置5から締め固め作業管理装置2に出力される。
締め固め作業管理装置2は、入力されたエリア番号を作業エリアに設定し、S108に移行する。
<S108>
[作業ブロックの設定]
S108では、ブロックデータを参照し、S106で設定された作業エリアに対応するブロック図を表示出力処理手段28に出力し、責任者端末装置5からの入力待ち状態となる。
ブロック図の入力により表示出力処理手段28は、責任者端末装置5のモニターにブロック図とともにブロック図から作業ブロックの選択を促すための表示処理を実行し、責任者端末装置5に出力する。そして、現場責任者が責任者端末装置5に表示されたブロック図から1つのブロックを指でタッチする等して選択することにより、選択されたブロックのブロック番号が責任者端末装置5から締め固め作業管理装置2に出力される。締め固め作業管理装置2は、入力されたブロック番号を作業ブロックに設定し、S110に移行する。
なお、S108での作業ブロックの設定により、当該作業エリアへのコンクリートの打設を促す信号がコンクリート管理所に出力される。コンクリート管理所とは、コンクリートを貯蔵や製造する場所であって、作業現場の要求に応じてコンクリートを搬出する場所である。
<S110>
[メッシュ図の取得]
S110では、メッシュ図データを参照し、S108で設定された作業ブロックに対応するメッシュ図を取得するとともに、設定されたメッシュ図を表示出力処理手段28に出力し、S112に処理を移す。
メッシュ図が入力された表示出力処理手段28では、事務所端末装置4、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80の各モニターに作業ブロックのメッシュ図を表示するための表示処理を実行し、事務所端末装置4、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80に出力する。
これにより、事務所端末装置4、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80のモニターには、図5(c)に示すような画像が表示される。
[コンクリートの種別の取得]
<S112>
コンクリート種別データを参照し、S108で選択された作業ブロックに打設されるコンクリートの種別を取得し、S114に処理を移す。
<S114>
S114では、コンクリート打設情報取得装置10からコンクリートの打設に関する情報の入力の有無を検出し、入力があった場合には、S200に移行し、入力がない場合には処理を戻す。即ち、コンクリート打設情報取得装置10からコンクリートを打設したときの座標位置、コンクリートの打設厚さM、及びコンクリートの打設時間が締め固め作業管理装置2に入力されるとS200に移行する。
図12は、打ち重ね時間の管理処理S200の詳細フローチャートである。
上述のコンクリート打設情報取得装置10から入力される打設信号をトリガーとしてコンクリートの打ち重ね時間の管理処理が実行される。
[コンクリートの打設時刻の取得]
<S202>
コンクリート打設情報取得装置10から打設信号が入力された時刻をコンクリートの打設時刻として取得し、S204に処理を移す。
<S204>
S204で取得されたコンクリートの打設時間から計時処理を開始し、S206に処理を移す。
[打ち重ね許容時間の取得]
<S206>
S206では、打ち重ね時間データを参照し、S110で取得されたコンクリートの種別に対応する許容時間Txを取得し、S208に処理を移す。
<S208>
S208では、S204により得られる計時時間とS206で取得された許容時間Txとを比較し、計時時間が許容時間Tx内である場合には、S210に処理を移し、計時時間が許容時間Tx外となった場合にはコールドジョイントとなる旨を報知する信号を表示出力処理手段28に出力して終了する。
コールドジョイントを報知する信号の入力により表示出力処理手段28は、事務所端末装置4、責任者端末装置5のモニターに当該作業ブロックがコールドジョイントとなることを示す表示をするための表示処理を実行し、事務所端末装置4、責任者端末装置5に出力する。
これにより、事務所作業者や現場責任者は、当該作業ブロックがコールドジョイントとなることを認識し、コンクリートを打ち重ねるために別途コールドジョイントを回避するための作業計画の変更の段取りをすることができる。
<S210>
許容時間TxからS204の計時処理により得られる計時時間を減算し、コンクリートの打ち重ねが許容されるまでの残り時間を算出し、算出された残り時間を表示出力処理手段28に出力してS208に処理を移す。
残り時間の入力により表示出力処理手段28は、事務所端末装置4、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80のモニターに残り時間を表示させるための処理を実行し、事務所端末装置4、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80に出力する。これにより、現場責任者は、モニターに表示された残り時間と、締め固め作業の進捗状況に応じて、コンクリートの打ち重ね時におけるコールドジョイントを回避するように、追加の締め固め作業員や締め固め機械の導入の必要性を検討することができる。
図13は、締め固め作業の作業管理処理S300の詳細フローチャートである。
締め固め作業の管理処理は、コンクリートへのバイブレータZa;Zbの挿入をトリガーとして動作する。なお、当該処理は、情報提供装置データに登録された作業者13に携帯される作業者用作業情報取得装置60や、締め固め機械12に設けられる機械用作業情報取得装置80の装置番号毎になされる。
[バイブレータの挿入の検出]
<S302>
作業者の挿入深さ検出手段70又は締め固め機械の挿入深さ検出手段90から出力される検出値Xに基づいて、コンクリートへのバイブレータZa;Zbの挿入の有無を判定する。各挿入深さ検出手段70;90から出力された検出値Xが、閾値αを下回るときには、バイブレータZa;Zbの挿入有りとして、S304に処理を移す。また、検出値Xが、閾値α以上のときには、バイブレータZa;Zbの挿入無しとして、処理を戻し、コンクリートへのバイブレータの挿入の有無の監視を継続する。
[バイブレータの挿入位置の取得]
<S304>
バイブレータZa;Zbの挿入有りとして検出されたときの、バイブレータZa;Zbの位置情報(挿入位置)を取得し、S306に処理を移す。
[バイブレータの挿入位置における構造物の有無]
<S306>
構造物データ、バイブレータデータを参照し、S302で取得された挿入位置に挿入されるバイブレータZa;Zbの断面範囲内に当該作業ブロックにおける構造物の有無を判定する。構造物がないときにはS308に処理を移し、構造物があるときには、構造物がある旨を報知する信号を表示出力処理手段28に出力し、S304に処理を移す。
構造物ありとの信号の入力により表示出力処理手段28は、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80等のモニターに現在のバイブレータZa;Zbの挿入位置に構造物がある旨を表示するための処理を実行し、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80に出力する。
現在のバイブレータZa;Zbの挿入位置に構造物がある旨の表示を視認した作業者13や締め固め機械12のオペレータは、バイブレータZa;Zbの挿入位置を変更することで、構造物とバイブレータZa;Zbの衝突を回避しながら締め固め作業を継続することができる。また、現在のバイブレータZa;Zbの挿入位置に構造物がある旨の表示を視認した現場責任者は、バイブレータZa;Zbの挿入位置の変更を作業者13や締め固め機械12のオペレータに指示するとともにその状況を確認できる。これにより、構造物の破壊を防ぎつつ締め固め作業ができるので、ダム建設における作業性を向上させることができる。
[締め固め影響範囲の設定]
<S308>
締め固め影響範囲データを参照し、S112で取得されたコンクリートの種別に対応する締め固め影響範囲Rを取得し、S310に処理を移す。
[バイブレータの挿入深さの設定]
<S310>
バイブレータZa;Zbの挿入された位置が、2層目以上であるかを判定し、2層目以上である場合にS312に処理を移し、2層目以上の位置でない場合、つまり1層目である場合にS314に処理を移す。ここで、2層目以上の位置である場合とは、図5(b)に示すブロックb4のように、下方側(下段側)先に締め固められた未硬化のブロックが存在する場合である。
<S312>
上記S310においてコンクリートの打設位置が2層目以上の位置であると判定されたことに応じて、S308で得られた締め固め影響範囲R及び入力された打設厚さMに基づいて、延長方向範囲Rfの下端側が、バイブレータZa;Zbが挿入されたコンクリート及びその下層のコンクリートを含むように挿入最適深さKを設定し、S316に処理を移す。即ち、これから締め固めを行う上層のコンクリートを貫通し、先に締め固めが行われた下層のコンクリートにバイブレータの先端が所定長さ進入するように挿入最適深さKを設定する。
<S314>
上記S310においてコンクリートの打設位置が2層目以上の位置でないと判定されたことに応じて、S308で得られた締め固め影響範囲R及び入力された打設厚さMに基づいて、延長方向範囲Rfの下端側が岩盤面に到達するように挿入最適深さKを設定し、S316に処理を移す。
[締め固め時間の設定]
<S316>
締め固め時間データを参照し、上記S112で取得されたコンクリートの種別に対応する締め固め時間範囲(最小時間Tmin及び最大時間Tmax)を取得し、S318に処理を移す。
[特性周波数の設定]
<S318>
締め固め音判定データを参照し、上記S112で取得されたコンクリートの種別に対応する締め固めの終了を判定する特性周波数を取得し、S320に処理を移す。以上の処理によって、バイブレータZa;Zbの挿入位置におけるバイブレータZa;Zbの挿入最適深さK、及び締め固めの最小時間Tmin及び最大時間Tmax、特性周波数の設定が完了する。
<S320>
作業者13や締め固め機械12のオペレータの操作によりコンクリート内に挿入されたバイブレータZa;Zbの実際の挿入深さ、すなわち、挿入深さ検出手段70;90から入力された検出値Xと、設定されたバイブレータZa;Zbの挿入最適深さKとを比較し、検出値Xが挿入最適深さKに到達若しくは、それ以上となった場合に、S322に処理を移し、到達していない場合には当該処理S320を継続する。
<S322>
上記S320の判定により、バイブレータZa;Zbの実際の挿入深さが、挿入最適深さKに達したことに基づいて、バイブレータZa;Zbが挿入最適深さKに達したことを示す信号、即ち、締め固めを開始する信号を表示出力処理手段28に出力し、S324に処理を移す。
挿入最適深さKに達したことを示す信号の入力により表示出力処理手段28では、挿入最適深さKに達したことを責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80のモニターに表示するための処理を実行し、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80に出力する。
これにより、現場責任者、作業者13又は締め固め機械12のオペレータにバイブレータZa;Zbが規定の挿入深さに達したことを認識させることができる。
<S324>
上記S320においてバイブレータZa;Zbによる締め固めが開始されたことに基づいて、S316で設定された締め固めの最小時間Tmin及び最大時間Tmaxの範囲内で締め固めがなされるように、締め固め時間監視部45による計時処理を開始するとともに、締め固めが開始されたことを示す信号を表示出力処理手段28に出力し、S326に処理を移す。
締め固めが開始されたことを示す信号の入力により表示出力処理手段28では、締め固めが開始されたことを責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80のモニターに表示するための処理を実行し、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80に出力する。
これにより、現場責任者や、作業者13又は締め固め機械12のオペレータに締め固めが開始されたことを認識させることができる。
<S326>
上記S324の計時処理の開始に基づいて、締め固め最小時間Tminが経過したかを判定し、経過した場合にS328に処理を移し、経過していない場合に当該処理S326を繰り返す。
<S328>
上記S324の計時処理の開始に基づいて、締め固め最大時間Tmaxが経過したかを判定し、経過した場合にはS332に処理を移し、経過していない場合にはS330に処理を移す。
<S330>
集音手段72;92から入力される近接音がS316で設定された特性周波数になったかどうかを判定し、相当する場合にはS332に処理を移し、相当しない場合にはS326に処理を移す。
<S332>
上記S328においてバイブレータZa;Zbによる締め固め最大時間Tmaxを経過したこと、又は、S330において近接音が特性周波数となったことに基づいて、締め固め終了を示す信号を表示出力処理手段28に出力し、S334に処理を移す。
締め固め終了を示す信号の入力により表示出力処理手段28では、バイブレータZa;Zbによる締め固め最大時間Tmaxを経過したこと、又は、近接音が特性周波数となったことを責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80のモニターに表示するための処理を実行し、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80に出力する。
これにより、現場責任者や、作業者13又は締め固め機械12のオペレータに締め固めに、当該挿入位置における締め固めが終了したことを認識させて、作業者13又は締め固め機械12のオペレータにバイブレータZa;Zbの新たな位置への挿入を促すことができる。
<S334>
上記締め固めが終了したことを視認した締め固め機械12のオペレータが、バイブレータZa;Zbを引抜くように操作した際に、挿入深さ検出手段90により検出される検出値Xが閾値γを下回った場合にS336に処理を移し、検出値Xが閾値γ以上の場合、当該処理S334を継続する。
<S336>
上記S334の判定に基づいて、計時処理及び音判定処理を終了し、S338に処理を移す。なお、このステップS336は、を省略し、S334からS338に直接処理を移しても良い。
<S338>
[締め固め作業情報の記録]
上記S336において計時処理及び音判定処理が終了したことに基づいて、計時処理により計測された実際の締め固め時間、締め固めが終了したときの近接音、挿入深さ、挿入位置、及び挿入位置における締め固め影響範囲と対応付けて記憶手段に記憶するとともに、バイブレータZa;Zbの挿入位置及び当該挿入位置における締め固め影響範囲を表示出力処理手段28に出力し、S340に処理を移す。
挿入位置及び当該挿入位置における締め固め影響範囲の入力により表示出力処理手段28は、責任者端末装置5、作業情報取得装置6、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80のモニターに表示されたメッシュ図上に、バイブレータZa;Zbの挿入位置Pと、この挿入位置Pに設定された締め固め影響範囲Rとを表示するための表示情報を処理し、責任者端末装置5及び作業情報取得装置6のモニターに出力する。
図14は、責任者端末装置5及び作業情報取得装置6のモニターに表示されるメッシュ図画面の表示例である。同図におけるグレー部分は、締め固められていない範囲を示し、白部分は、締め固められた範囲を示している。
図14(a)は、締め固められていない領域をバイブレータZa;Zbにより締め固めている状態の表示画面である。そして、上述のバイブレータZa;Zbによる締め固めの管理工程を経て、バイブレータZa;Zbを挿入位置から引抜くことで、責任者端末装置5、作業情報取得装置6、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80のモニターには、図14(b)に示すように、締め固められた領域がグレーから白色に変化し、バイブレータZa;Zbの挿入位置Pが表示され、締め固めが終了したことを示す。
なお、図14(a)に示す締め固め作業中のバイブレータZa;Zbの表示は、説明の便宜上示したものであるが、実際に責任者端末装置5、作業情報取得装置6、作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80のモニターに表示させるようにしても良い。また、図14(b)では、既に締め固められた領域におけるバイブレータZa;Zbの挿入位置の表示については記載を省略してある。
<S340>
[メッシュ図における締め固め終了判定]
S340では、メッシュ図における小領域rの全てが締め固められたかどうか、即ち、全てが白色化(白抜き)されたかどうかを判定し、白色化されていない場合には未締め固め領域があるとしてS300に戻り、白色化された場合には当該ブロックの締め固めが終了したとしてS108に処理を移す。
上記S300〜S340の処理を繰り返すことによって、バイブレータZa;Zbを挿入する毎の挿入位置の位置座標、締め固め範囲、計測された実際の締め固め時間、締め固め終了時に集音された近接音、実際の挿入深さ(検出値X)が紐付けられて記憶されることにより、コンクリートの打設完了後において、各挿入位置における締め固め履歴を確認することが可能となる。
図15は、締め固め作業の安全監視処理S400の詳細フローチャートである。
締め固め作業の安全監視処理は、S102における各情報取得装置60;80;10との接続に異常なしとの判定をトリガーとして動作する。
<S402>
[座標位置の入力の有無]
S402では、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80、コンクリート打設情報取得装置10からの座標位置の入力の有無を判定し、入力がある場合にはS404に処理を移し、入力がない場合には処理を終了する。
[装置の識別]
S404では、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80、コンクリート打設情報取得装置10から入力された座標位置の出力元が機械用作業情報取得装置80かどうかを装置番号に基づいて判別し、出力元が機械用作業情報取得装置80である場合には、当該装置番号と座標位置を記憶してS406に処理を移し、出力元が機械用作業情報取得装置80でない場合にはS414に処理を移す。
<S406>
[危険半径の設定]
S406では、車両データ及びバイブレータデータを参照し、S404において判別された装置番号に対応する締め固め機械12のアーム先端の最大旋回半径と、バイブレータZbの長さを取得し、取得された最大旋回半径とバイブレータZbの長さの合算値を締め固め機械12の危険半径として設定し、S408に処理を移す。
<S408>
S408では、装置番号に基づいて作業者用作業情報取得装置60から入力された座標位置と、機械用作業情報取得装置80から入力された座標位置の人−機械間直線距離を算出し、S410に処理を移す。
<S410>
S410では、S408で算出された人−機械間直線距離が、S404で設定された危険半径よりも小さい場合にS412に処理を移し、危険半径よりも大きい場合にはS414に処理を移す。
<S412>
S410の判定結果に基づいて、危険な位置関係にある装置番号とともに人−機械接近警報信号を表示出力処理手段28に出力してS414に処理を移す。
人−機械接近警報信号の入力により表示出力処理手段28では、責任者端末装置5及び危険な位置関係にある装置番号を有する作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80のモニターに、危険を報知するための表示処理を実行し、危険な位置関係にある作業者用作業情報取得装置60や機械用作業情報取得装置80とともに責任者端末装置5に出力する。
これにより、危険な位置関係にある作業者用作業情報取得装置60を携帯する作業者13と機械用作業情報取得装置80が設けられた締め固め機械12を操作するオペレータとが接触の虞があることを認識することができる。また、現場責任者は、その表示された情報に基づいて、直接、作業者13と締め固め機械12を操作するオペレータに危険を知らせることもできる。
<S414>
S414では、装置番号に基づいて機械用作業情報取得装置80から入力された座標位置と、他の機械用作業情報取得装置80から入力された座標位置の機械−機械間直線距離を算出し、S416に処理を移す。
<S416>
S416では、S414で算出された機械−機械間直線距離が、S404で各機械用作業情報取得装置80の座標位置に設定された危険半径の合算値である機械間危険距離よりも小さい場合にS418に処理を移し、危険半径よりも大きい場合にはS402に処理を移す。
<S418>
S416の判定結果に基づいて、危険な位置関係にある装置番号とともに機械−機械接近警報信号を表示出力処理手段28に出力してS402に処理を移す。
機械−機械接近警報信号の入力により表示出力処理手段28では、責任者端末装置5及び危険な位置関係にある装置番号を有する各機械用作業情報取得装置80のモニターに、接触の危険を報知するための表示処理を実行し、危険な位置関係にある各機械用作業情報取得装置80と責任者端末装置5に出力する。
これにより、危険な位置関係にある機械用作業情報取得装置80の設けられた各締め固め機械12を操作するオペレータに、接触の虞があることを認識することができる。また、現場責任者は、その表示された情報に基づいて、直接、各締め固め機械12を操作するオペレータに危険を知らせることもできる。
即ち、上記S402〜S418を繰り返すことにより締め固め作業時における作業者と締め固め機械や、締め固め機械同士の接触を防止できるので、コンクリートの締め固め作業時の安全を管理することができる。
<S420>
S420では、作業者用作業情報取得装置60、コンクリート打設情報取得装置10から締め固め作業管理装置2に入力された座標位置がコンクリート打設情報取得装置10かどうかを装置番号に基づいて判別し、コンクリート打設情報取得装置10から入力された座標位置である場合には、S422に処理を移し、コンクリート打設情報取得装置10から入力された座標位置でない場合にはS402に処理を移す。
<S422>
S422では、コンクリート打設情報取得装置10の座標位置が、S108で設定された作業ブロックの範囲内にあるかどうかを検出し、作業ブロックの範囲内にある場合にはS418に処理を移し、作業ブロックの範囲内にない場合にはS402に処理を移す。
<S424>
S424では、S420における判定結果に基づいて、コンクリートが打設される旨を報知する信号を表示出力処理手段28に出力し、S402に処理を移す。
コンクリートの打設を報知する信号の入力により表示出力処理手段28では、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80のモニターに、コンクリートの打設を報知するための表示処理を実行し、責任者端末装置5、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80に出力する。
これにより、現場責任者、作業者13、締め固め機械12のオペレータにコンクリートの打設があることを認識することができる。また、現場責任者は、その表示された情報に基づいて、作業者13、締め固め機械12のオペレータに注意を促すことができる。
即ち、上記S420〜S424を繰り返すことで作業者13や締め固め機械12、現場責任者に対するコンクリート打設時の安全を管理することができる。
以上のとおり、本実施形態に係る管理方法によれば、コンクリートへのバイブレータの挿入作業において作業者や締め固め機械のオペレータの操作をサポートするように、バイブレータの挿入位置においてバイブレータが設定された挿入最適深さKに到達したこと、締め固め時間の計時処理が開始されたこと、締め固め時間が最小時間Tminに達したこと、締め固め時間が最大時間Tmaxに達したこと、若しくは締め固め音が特性周波数となったことにより締め固めが終了したこと、を報知する表示がなされるため、締め固め作業の経験がなくても均質な締め固めを行うことができる。また、挿入最適深さKの設定では、バイブレータの挿入された直下に位置するコンクリートに締め固めの影響が及ぶように設定されるため、下層に位置するコンクリートとの一体性を高めることが可能となる。
また、締め固め後には、あらかじめ締め固めの作業領域をメッシュ状に分割したメッシュ図が、締め固めを行った位置がモニター上に締め固め影響範囲Rを考慮してモニター上に表示されるため、作業領域における部分が締め固められたのか一目で視認できる。したがって、同じ作業ブロックにおいて作業者や締め固め機械による締め固めがなされていても、それぞれによって締め固められた領域がメッシュ図に表示されるため、当該作業ブロックにおける締め固め固め忘れや締め固めの重複による締め固め不良等を確実に防止できる。
さらに、作業者13や締め固め機械12による締め固めが終了する毎に、締め固めを行ったときの日時、締め固められた挿入位置Pのブロック番号と実際にバイブレータの挿入された座標位置、実際のバイブレータの作動時間やバイブレータの挿入深さ等が締め固め情報として締め固め作業管理装置2の記憶手段に一元化して記録されるため、施工後であっても締め固め履歴(締め固めのトレーサビリティ)を検証することができる。
また、作業者用作業情報取得装置60、機械用作業情報取得装置80、コンクリート打設情報取得装置10から入力されるそれぞれの座標位置に基づいて、作業者13と締め固め機械12との相対的な位置関係、締め固め機械12同士の相対的な位置関係を監視することにより、コンクリートの締め固め作業の安全を管理できるとともに、作業者13及び締め固め機械12に対するバケット9Bの相対的な位置関係を監視することにより、コンクリート打設時の安全を管理できるので、作業時の事故を未然に防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、コンクリートを搬送するバケット9Bに設けられたコンクリート打設情報取得装置10によりコンクリートの打設厚さMを測定するものとして説明したが、挿入深さ検出手段70;90から出力される検出値Xに基づいて、バイブレータを挿入する位置におけるコンクリートの打設厚さMを取得するようにしても良い。
例えば、岩盤上に打設されたコンクリートの場合、岩盤上の各位置における座標位置は、測量等により既知のものである。また、バイブレータの先端の座標位置は、作業者の場合には、位置検出手段62及び挿入深さ検出手段70によって、締め固め機械の場合には、位置検出手段82、姿勢検出手段94及び挿入深さ検出手段90によって取得することができる。
したがって、岩盤上に打設されたコンクリートの締め固め前の打設厚さは、測量により得られた座標位置と、バイブレータの挿入直前の座標位置とに基づいて算定することができる。この算定された締め固め前の打設厚さMに基づいて、挿入最適深さKを設定し、締め固めを行う。そして、締め固め後にバイブレータをコンクリートから引抜く際には、引抜く直前のバイブレータの先端の座標位置を記憶させる。これにより、締め固め前後のコンクリートの打設厚さの変化を考慮したより精度の高い締め固めを行うことができる。
すなわち、各ブロックを締め固める際に、バイブレータを引抜く直前のバイブレータの先端の座標位置のすべてを記憶させて、締め固め後のコンクリートの平均厚さを算出し、これを基準として締め固め後のコンクリートの上に打設されたコンクリートの締め固め前の打設厚さを算定することにより、より正確に挿入最適深さKを設定することができる。
また、上記実施形態では、バイブレータZa;Zbの挿入位置の検出を挿入深さ検出手段70;90により検知するものとして説明したが、別途バイブレータZa;Zbの挿入位置を締め固め作業管理装置2に報知するための入力表示を作業者用作業情報取得装置60の表示・入出力情報処理装置66のモニターや機械用作業情報取得装置80の表示・入出力情報処理装置86のモニターに設けるようにしても良い。
また、挿入深さ検出手段70;90によりバイブレータのコンクリートへの挿入を検知するものとして説明したが、別途挿入検知手段を設けて、バイブレータのコンクリートへの挿入を検出するようにしても良い。上記挿入検知手段としては、例えば、集音手段72;92によりバイブレータの作動音の変化に基づいてのコンクリートへの挿入、コンクリートからの引抜きを検知するように構成しても良い。
以上説明したように、あらかじめコンクリートの締め固め現場のメッシュ図を作成しておき、このメッシュ図にバイブレータZa;Zbにより締め固められた範囲を表示することにより、作業者13や締め固め機械12の締め固め作業が同時進行していても、作業者13及び締め固め機械12によって締め固められた範囲が表示されるため、締め固め位置の見落としをなくすことができる。
また、上記実施形態では、各装置4;5;6(60;80)の座標位置を取得する方法に、GNSS(Global Navigation Satellite Systems:全地球航法衛星システム)を用いるものとして説明したが、通信装置を備えた測量機器を用いたトータルステーションを用いて作業者13の位置や締固め機械12の位置、バケット9Bの位置等をリアルタイムに測位しても良く、また、従来のGPSシステムを用いて測位するようにしても良い。
また、上記実施形態では、締め固め作業管理装置2は、インターネット上のサービスとして提供されるサーバーコンピュータにより構成されるとしたが、これに限定されない。締め固め作業管理装置2として機能するサーバーコンピュータを、例えば、上述のダム建設の建設現場における現場事務所に設置しても良く、また、建設現場から離れた事務所に設置しても良い。また、事務所端末装置4と兼用させて用いても良い。
また、締め固め作業管理装置2、事務所端末装置4、責任者端末装置5、作業情報取得装置6(表示・入出力情報処理装置66;86)、コンクリート打設情報取得装置10等は、インターネット回線を通じて互いに通信可能に設けるものとして説明したが、これに限定されず、施工領域3に設定されたLAN回線等の無線回線により互いに通信可能に構成しても良く、インターネット回線やLAN回線等の無線回線を組み合わせても良いことは言うまでもない。
また、図13に示す締め固め作業管理装置2の締め固め終了の判定において、時間と、作業者用作業情報取得装置60及び機械用作業情報取得装置80から入力される近接音とに基づいて締め固め状態の把握し、締め固めの終了を判定するものとしたが、音による締め固めの終了判定を省略することも可能である。この場合、図16に示すように、図13におけるS330が省略され、S328の判定において、締め固め最大時間Tmaxが経過したかを判定し、経過した場合にはS332に処理を移し、経過していない場合にはS326に処理を移して計時処理が継続される。このような処理を実行する場合には、作業状況検出手段64;84における集音手段72;92を省略しても良く、また、省略せずに締め固め作業の状況の履歴として記録するようにしても良い。
また、締め固めの終了を、時間と、作業者用作業情報取得装置60及び機械用作業情報取得装置80から入力される近接音とに基づいて判定するとしたが、近接音に限定されず、コンクリートの締め固めの進行にともなって変化する他の音であっても良い。
例えば、バイブレータの振動音に基づいて締め固め状態を把握するようにしても良い。コンクリートの締め固めが進行するとバイブレータへの負荷が変化するため、この負荷の変化に同期して変化するバイブレータの振動音を取得し、上述の近接音と同様な処理をすることで締め固め状態の把握及び締め固めの終了を判定することができる。
また、音に限定されず、映像からも締め固めの終了を判定することができる。この場合、バイブレータの挿入された位置を含む周囲を撮影可能に、作業者13や締め固め機械12に作業状況検出手段64;84としてカメラを設け、バイブレータの挿入されたコンクリート表面の様子を動画として取得する。また、記憶手段には、あらかじめコンクリートの締め固めを行ったときのコンクリート表面を撮影し、得られた画像から締め固めを終了させてもよいときの所定時間経過前後のコンクリート表面の変化を画像処理することで、締め固めが終了であるときの特徴量を設定しておく。なお、画像処理の方法としては、例えば、所定時間経過前の画像に特徴点を設定し、この特徴点が所定時間経過後の画像においてどの程度移動したか各特徴点の移動量を算出し、各特徴点の移動量の平均値を特徴量として用いることができる。そして、実際の締め固め作業において取得されたコンクリート表面の映像を所定時間経過毎に上述のように特徴量を算出し、記憶手段に記録された締め固めが終了であるときの特徴量と比較し、その差が閾値以下の場合には、締め固めは終了と判定し、閾値より大きい場合には締め固めは終了でないと判定することができる。なお、上記映像による締め固めの終了判定の処理は、一例であってこれに限定されず適宜変更すれば良い。
1 コンクリートの打設管理装置、2 締め固め作業管理装置、4 事務所端末装置、
5 責任者端末装置、6 作業情報取得装置、10 コンクリート打設情報取得装置、
20 作業管理データ、22 情報取得装置検出手段、24 作業管理手段、
26 安全監視手段、28 表示出力処理手段、30 締め固め情報記録手段、
37 作業エリア設定部、38 ブロック設定部、39 メッシュ図設定部、
40 打ち重ね時間監視部、41 締め固め位置取得部、42 挿入深さ設定処理部、
43 締め固め時間設定処理部、44 挿入深さ監視部、45 締め固め時間監視部、
46 締め固め音特性設定部、47 締め固め音監視部、
51 座標位置入力監視部、52 作業情報取得装置判別部、53 危険半径設定部、
54 接近異常監視部、55 コンクリート打設監視部、
60 作業者用作業情報取得装置、
62 位置検出手段、64 作業状況検出手段、66 表示・入出力情報処理装置、
70 挿入深さ検出手段、72 集音手段
80 機械用作業情報取得装置、
82 位置検出手段、84 作業状況検出手段、86 表示・入出力情報処理装置、
90 挿入深さ検出手段、92 集音手段、94 姿勢検出手段、
Tmax 締め固め最大時間、Tmin 締め固め最小時間、Tx 許容時間。

Claims (5)

  1. 予め設定された所定の区画内にコンクリートを打設し、打設後のコンクリートを複数の振動機により締め固める工法におけるコンクリートの打設管理方法であって、
    前記所定の区画内を分割して複数の小領域を設定するステップと、
    前記所定の区画内のコンクリートに挿入される複数の振動機の各位置を検出するステップと、
    前記所定の区画内に打設されたコンクリートの性状に基づいて、当該性状と対応付けられた各振動機の振動による締め固め影響範囲を取得するステップと、
    前記複数の小領域に分割された所定の区画内における各振動機が挿入された位置、及び、該位置における前記締め固め影響範囲に対応する小領域を締め固め済み領域として記憶するステップ、とを含むことを特徴とするコンクリートの打設管理方法。
  2. 前記所定の区画内における構造物の位置を取得するステップと、
    前記検出された振動機の位置が、前記取得された構造物の位置に対して所定の範囲内にあるかを判定するステップと、
    をさらに含み、
    前記検出された振動機の位置が、前記取得された構造物の位置に対して所定の範囲内にある場合に、構造物があることを報知することを特徴とする請求項1記載のコンクリートの打設管理方法。
  3. 前記所定の区画内に打設されたコンクリートの性状に基づいて、当該性状と対応付けられた前記振動機による締め固め時間を取得するステップと、
    前記振動機の作動時間が前記締め固め時間に達したことに基づいて、当該締め固め時間を前記振動機の挿入位置と対応して記憶するステップと、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリートの打設管理方法。
  4. 前記所定の区画内にコンクリートが打設された打設時刻を取得するステップと、
    前記打設されたコンクリートの打設時刻から該コンクリートに隣接して新たなコンクリートを打ち重ねるまでに許容される時間を取得するステップと、
    前記許容される時間から前記打設時刻の取得に基づいて計時された時間を減算した時間を報知するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のコンクリートの打設管理方法。
  5. 前記検出された複数の振動機の相対位置を検出するステップと、
    前記相対位置が所定の位置関係にあるときに接近警報を報知するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のコンクリートの打設管理方法。
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