JP2018158874A - 成形断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスの浸透による断熱材内部の劣化を抑制し得た成形断熱材を提供する。【解決手段】炭素からなる骨材と熱硬化性樹脂からなる粘結剤とを含む緻密下地層形成液を、成形断熱材の少なくとも一つの表面から少なくとも0.4mmの領域に含浸させ、その後500℃以上で焼成して前記熱硬化性樹脂を炭素化させて緻密下地層となす緻密下地層形成ステップと、焼成後に炭素粒子となる成分を含んだ骨材と熱硬化性樹脂からなる粘結剤とを含む表面被覆液を、前記緻密下地層の表面から少なくとも0.1mmの領域の少なくとも一部に含浸させ、その後1000℃以上で焼成して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させて表面被覆層となす表面被覆層形成ステップと、備え、前記緻密下地層における骨材の体積分率が、0.3〜5%であり、前記表面被覆層における骨材の体積分率が、1〜7%である、成形断熱材の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は炭素繊維を用いた成形断熱材に関し、詳しくは耐久性を高めるための表面層が形成された成形断熱材に関する。
炭素繊維系の断熱材は、熱的安定性や断熱性能に優れ且つ軽量であることから、種々の用途で使用されている。このような断熱材には、炭素繊維を交絡してなる炭素繊維フェルトや、炭素繊維フェルトに樹脂材料を含浸させ炭素化させた炭素繊維成形断熱材がある。炭素繊維フェルトは可とう性に優れるという長所を有し、炭素繊維成形断熱材は、形状安定性に優れ、微細な加工が可能であるという長所を有する。
何れの断熱材を使用するかは、使用目的や用途に応じて適宜選択される。後者の炭素繊維成形断熱材は、熱的安定性、断熱性能に優れ且つ形状安定性に優れることから、単結晶シリコン引き上げ装置、多結晶シリコンキャスト炉、金属やセラミックスの焼結炉、真空蒸着炉等の高温炉の断熱材として使用されている。
ところが、単結晶や多結晶シリコンなどの製造装置においては、高温炉内でSiOガスが発生したり、酸素ガスが不純物ガスとして製造雰囲気に混入したりする。SiOガスや酸素ガスは活性(反応性)が高く、炭素繊維成形断熱材とSiOガスとが反応するとSiCが生じ、炭素繊維成形断熱材と酸素ガスとが反応すると炭素酸化物(一酸化炭素、二酸化炭素等)が生じる。これにより特に炭素繊維が劣化し、炭素繊維により構成される骨格構造が崩れ、当該骨格構造が多数の空間を形成することにより得られる断熱作用が低下する。また、この劣化により特に炭素繊維が粉化して炉内雰囲気中に放出されて、製品品質を低下させるというおそれもある。
また、工業炉においては、炉内の気圧が大気圧よりも大きくなることがある。このような場合、圧力差によって炉内雰囲気ガス(窒素ガスやアルゴンガス)の気流が生じるが、活性の高い雰囲気ガスが成形断熱材の内部空間に浸透すると、成形断熱材の内部組織が劣化して断熱性能が低下してしまう。
この問題に対して、特許文献1は、十分に低いガス透過性を有し、しかも、発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱性能を付与することが可能な断熱材用コーティング層を提案している。
WO2006/115102
特許文献1は、炭素化成形体と、該炭素化成形体の少なくとも一方の表面に積層された断熱材用コ一ティング層とを備える断熱材用積層体における断熱材用コーティング層であつて、嵩密度が0.08〜0.8g/cm3の炭素化成形体と、ガス透過率が8.0NL/hr・cm2・mmH2O以下である断熱材用コーティング層と、を備える断熱材用積層体における断熱材用コーティング層に関する技術である。
この技術によると、低いガス透過性を有し、断熱材用積層体に優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度および断熱効果を付与できるとされる。
しかしながら、断熱材は空間率が概ね90%程度あり、コーティング層においてもかなりの空間が存在する。この空間をガスが透過可能であるので、薄いコーティング層を設けるだけではガス透過性を十分に低くすることができない。また、コーティングを厚くすればガス透過性を高めることができるが、このようにするとコーティング層が剥がれやすくなり、耐久性が低下してしまう。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、耐久性を犠牲にすることなく、成形断熱材内部へのガスの浸透を抑制し得た成形断熱材を提供することを目的とする。
本発明にかかる成形断熱材の製造方法は、次のとおりである。
炭素からなる骨材と熱硬化性樹脂からなる粘結剤とを含む緻密下地層形成液を、成形断熱材の少なくとも一つの表面から少なくとも0.4mmの領域に含浸させ、その後500℃以上で焼成して前記熱硬化性樹脂を炭素化させて緻密下地層となす緻密下地層形成ステップと、焼成後に炭素粒子となる成分を含んだ骨材と熱硬化性樹脂からなる粘結剤とを含む表面被覆液を、前記緻密下地層の表面から少なくとも0.1mmの領域の少なくとも一部に含浸させ、その後1000℃以上で焼成して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させて表面被覆層となす表面被覆層形成ステップと、備え、前記緻密下地層における骨材の体積分率が、0.3〜5%であり、前記表面被覆層における骨材の体積分率が、1〜7%である成形断熱材の製造方法。
繊維フェルトと、繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層と、を有する炭素繊維シートが積層成形されてなる成形断熱材であると、成形断熱材の周囲に、不純物として混入或いは炉内で発生した活性ガス(酸素ガス、SiOガス等)が存在する場合、炭素繊維表面を被覆する保護炭素層が炭素繊維に先んじて活性ガスと反応する。これにより炭素繊維と活性ガスとが反応して劣化することが抑制される。
ここで、保護炭素層が酸素ガスと反応する場合、保護炭素層を構成する炭素が炭酸ガスとなって除去され、また、SiOガスと反応する場合にはSiCとなって除去されることなく残存するが、いずれの場合も炭素繊維により構成される骨格構造が維持されるので、当該骨格構造が多数の空間を形成することにより得られる断熱作用が維持される。
そして、上記本発明では、成形断熱材の表面には、緻密下地層と表面被覆層とからなる表面層が形成される。緻密下地層は、成形断熱材の少なくとも1つの表面から少なくとも0.4mmの領域に形成されるものである。この層は、炭素質の骨材と熱硬化性樹脂とを含む緻密下地層形成液が成形断熱材に浸透、炭素化してなるものであり、成形断熱材の炭素繊維間の空隙の一部が、骨材と熱硬化性樹脂の炭素化物とによって埋められ、ガスが通過する経路の径が小さくなっている。このため、緻密下地層により成形断熱材内部へのガスの侵入が抑制される。
表面被覆層は、緻密下地層の表面から少なくとも0.1mmの領域に形成されるものである。この層は、熱処理後において炭素粒子となる骨材と熱硬化前の熱硬化性樹脂からなる粘結剤とを含む表面被覆液を、緻密下地層内部にさらに浸透、炭素化してなるものであり、炭素繊維間の空隙の一部が、骨材(炭素粒子)と熱硬化性樹脂の炭素化物とによってさらに埋められ、ガスが通過する経路の径がさらに小さくなっている。このため、成形断熱材内部へのガスの侵入がさらに抑制される。
つまり、緻密下地層と表面被覆層とを順次成形断熱材に形成することによって、層の剥がれを招くことなく成形断熱材内部へのガスの侵入が効果的に抑制される。
ここで、骨材はガスが通過する経路を局所的に埋め、熱硬化樹脂の炭素化物は炭素繊維の表面や骨材の表面を覆うようにガスが通過する経路を埋めるため、骨材のほうが経路の径を小さくする効果が大きい。また、骨材の形状が球状、楕円球状などの粒子状である場合には、繊維状、針状などのアスペクト比が高い形状である場合よりも経路の径を小さくする効果が大きい。また、炭素粒子による効果は、経路の径が小さくなった後であるほうが大きくなる。したがって、緻密下地層形成液に骨材が含まれない場合や、表面被覆液に骨材として焼成後に炭素粒子となる成分が含まれない場合には、ガスの通過する経路を小さくする効果が十分に得られない。
なお、緻密下地層形成液に用いる骨材の形状としては特に限定されず、粒子状、ミルド(短繊維)状などとすることができる。また、表面被覆液には、熱処理後において炭素粒子となるものに加えて、炭素繊維ミルドなどの他の形状の炭素成分が含まれていてもよい。
ここで、表面被覆液に含まれる、熱処理後において炭素粒子となるものとは、熱処理前においてすでに炭素質(黒鉛質又は非晶質)の粒子や、熱処理によって炭素化する樹脂(たとえば熱硬化後の熱硬化性樹脂)の粒子などを意味する。
本発明の効果を得るために、表面被覆層における骨材の体積分率が1%以上に規制し、緻密下地層(表面被覆層が形成されていない、または表面被覆層形成前もの)における骨材の体積分率が0.3%以上に規制する。また、骨材の体積分率が高すぎると、コスト高となるため、表面被覆層における骨材の体積分率は、7%以下とし、緻密下地層における骨材の体積分率は5%以下とする。なお、表面被覆層は、緻密下地層に表面被覆液を含浸・焼成して形成されるものであるので、当然に表面被覆層における骨材の体積分率は、緻密下地層における骨材の体積分率よりも大きい。
また、ガスの透過阻害作用には、ガスの透過する経路の径とともに、経路の径が狭い領域の厚みもまた影響を及ぼす。このため、表面被覆液の含浸領域の厚みは、0.1mm以上であることが必須であり、緻密下地層形成液の含浸領域の厚みは、0.4mm以上であることが必須である。
ここで、表面被覆液は、0.1mmよりも厚い領域に含浸させる構成とすることができる。たとえば、表面被覆液は、緻密下地層の表面から少なくとも0.2mmの領域に含浸させる構成や、緻密下地層の表面から少なくとも0.4mmの領域に含浸させる構成とすることができる。また、緻密下地層全てに表面被覆液を含浸させる構成としてもよい。この場合、完成される成形断熱材には見かけ上、緻密下地層が存在しない(成形断熱材の表面層が、表面被覆層と緻密下地層との二層構造ではなく、表面被覆層のみの一層構造である)こととなるが、この場合、緻密下地層形成工程後において、緻密下地層における骨材の体積分率が上記範囲内に規制されていればよい。
また、緻密下地層形成液は、0.4mmよりも厚い領域に含浸させる構成とすることができる。たとえば、緻密下地層形成液は、成形断熱材の表面から少なくとも0.5mmの領域に含浸させる構成や、成形断熱材の表面から少なくとも1.0mmの領域に含浸させる構成とすることができる。なお、表面被覆液や緻密下地層形成液の含浸領域が厚くなるほど、ガス透過性が小さくなるもののコスト高になるため、コストと効果とのバランスで厚みを決定することが好ましい。
また、本明細書において炭素とは、広義のものを意味し、非晶質であっても黒鉛質であってもよい。また、粒子とは、その形状が球状、楕円球状、不定形状などであってもよいが、短繊維(ミルド)状は含まれない。たとえば、端面が円形状であるもの(短繊維)、アスペクト比が9以上であるものなどは、粒子ではないものとする。なお、表面被覆液は、炭素粒子となる成分を含んでいれば良く、これ以外の骨材成分として副成分として炭素繊維ミルドなどが含まれていてもよい。
また、炭素粒子(焼成後)の平均粒径は、好ましくは3〜100μmであり、より好ましくは5〜60μmであり、さらに好ましくは10〜40μmである。
ミルド状の場合、その平均繊維径は、好ましくは5〜30μm、より好ましくは6〜20μm、さらに好ましくは7〜18μmとする。また、平均繊維長(長さ平均繊維長)は、その平均粒径は、好ましくは0.04〜0.8mm、より好ましくは0.1〜0.6mm、さらに好ましくは0.2〜0.5mmとする。長さ平均繊維長ZLは、個々の繊維長をXnとするとき、ZL=(X1 2+X2 2+X3 2+・・・+Xn 2)/(X1+X2+X3+・・・+Xn)で表されるものである。
表面被覆層における骨材の体積分率は、より好ましくは2〜7%とし、さらに好ましくは3〜5%とする。また、緻密下地層における骨材の体積分率は、より好ましくは0.3〜5%とし、さらに好ましくは2〜4%とする。
また、緻密下地層形成液や表面被覆液に用いる粘結剤としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。
表面被覆液に用いる骨材は、焼成後において非晶質炭素粒子となる、熱硬化性樹脂の硬化物粒子や熱硬化性樹脂の炭素化物粒子を含むことがより好ましく、フェノール樹脂を600〜1000℃で熱処理してなる炭素化物粒子を含むことがさらに好ましい。
また、緻密下地層形成液や表面被覆液には、骨材、粘結剤以外に、粘結剤を溶解す溶剤が含まれていてもよい。溶剤は、焼成により揮発除去される成分(たとえば、エタノールやメタノール)を用いる。
また、緻密下地層形成液や表面被覆液における骨材の質量割合は、1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、5〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、緻密下地層形成ステップの焼成温度は500〜1500℃であることが好ましく、600〜1000℃であることがより好ましく、700〜900℃であることがさらに好ましい。また、表面被覆層形成ステップの焼成温度は1000〜2500℃であることが好ましく、1500〜2500℃であることがより好ましく、2000〜2500℃であることがさらに好ましい。
また、緻密下地層形成液と表面被覆液は、上記規制を満たす限りにおいて同一のものであってもよい。
また、緻密下地層形成ステップは、緻密下地層形成液の含浸、焼成をそれぞれ2回以上行うステップであってもよく、表面被覆層形成ステップは、表面被覆液の含浸、焼成をそれぞれ2回以上行うステップであってもよい。しかしながら、含浸、焼成の回数が増加するとその分コスト高になるため、コストと効果とのバランスから含浸、焼成の回数を決定することが好ましく、緻密下地層形成ステップ、表面被覆層形成ステップともにそれぞれ1回ずつとすることがより好ましい。
上記本発明にかかる製造方法により製造される成形断熱材は、次のようなものとなる。
炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する成形断熱材において、前記成形断熱材の少なくとも一つの表面には、炭素質の骨材と熱硬化性樹脂の炭素化物とが前記成形断熱材内部に浸透された表面層が形成され、前記表面層は、前記表面から少なくとも0.1mmの領域は、前記骨材として炭素粒子を含むとともに、この領域おける前記骨材の体積分率が、1〜7%であり、前記表面から少なくとも0.4mmの領域における前記骨材の体積分率が、0.3〜5%であり、前記表面から少なくとも0.1mmの領域における前記骨材の体積分率は、前記表面から少なくとも0.4mmの領域の骨材の体積分率以上であることを特徴とする。
上記構成において、表面から少なくとも0.1mmの領域は、骨材として非晶質炭素粒子を含む構成とすることができる。黒鉛は高度に黒鉛構造(層構造)が発達しており、非晶質炭素に比較して比表面積が大きく、特にそのエッジ部分で活性ガスと反応し易いため、表面から少なくとも0.1mmの領域には、黒鉛粒子よりも非晶質炭素粒子が含まれていることが好ましい。
また、上記構成において、表面から少なくとも0.1mmの領域における炭素粒子の体積分率は、好ましくは1〜7%とし、より好ましくは2〜7%とし、さらに好ましくは3〜5%とする。この構成であると、ガスが通過する経路をより効果的に小さくできるため、好ましい。
以上に説明したように、本発明によると、低コストでもってガスの浸透を抑制し得た炭素繊維成形断熱材を実現することができる。
図1は、本発明に係る成形断熱材の断面顕微鏡写真である。 図2は、実施例3にかかる成形断熱材の断面顕微鏡写真であって、図2(a)は加工前の成形断熱材、図2(b)は緻密下地層形成後の成形断熱材、図2(c)は表面被覆層形成後の成形断熱材をそれぞれ示す。 図3は、ガス透過試験装置を模式的に示す図である。
(実施の形態)
本発明に係る成形断熱材は、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する成形断熱材において、成形断熱材の少なくとも一つの表面には、炭素粒子の骨材と熱硬化性樹脂の炭素化物とが成形断熱材内部に浸透された表面層が形成されている。この表面層は、表面から少なくとも0.1mmの領域における骨材の体積分率が、1〜7%であり、表面から少なくとも0.4mmの領域における骨材の体積分率が、0.3〜5%であり、表面から少なくとも0.1mmの領域における骨材の体積分率は、表面から少なくとも0.4mmの領域の骨材の体積分率以上となっている。
ここで、保護炭素層は、炭素繊維に先んじて活性ガス(酸素ガス、SiOガス等)と反応し炭素繊維の劣化を抑制するように作用する。
成形断熱材を構成する炭素繊維としては、特に限定されることはなく、例えば石炭又は石油由来の異方性又は等方性ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、フェノール系、セルロース系等の炭素繊維を、単一種又は複数種混合して用いることができる。
炭素繊維の微視的な構造としては特に限定されず、形状(巻縮型、直線型、直径、長さ等)が同一のもののみを用いてもよく、また異なる構造のものが混合されていてもよい。ただし、炭素繊維の種類やその微視的構造は、製造される成形断熱材の物性に影響を与えるので、用途に応じて適宜選択するのがよい。
成形断熱材の微視的構造としては、ランダムな方向に配向した炭素繊維が複雑に交わっているものを用いることが好ましい。
また、成形断熱材は、長尺や長幅なものを用いて成形断熱材を作製後に切断等してもよく、成形断熱材のサイズにあらかじめ切断してもよい。
保護炭素層は、炭素繊維の表面全部、あるいは、炭素繊維の表面の一部を被覆し、あるいは炭素繊維相互間を埋めるように存在しているものである。また、保護炭素層は炭素質であればよく、その由来となる化合物は特に限定されることはない。なかでも、繊維フェルトに含浸可能な樹脂材料の炭素化物を用いることが好ましい。このような樹脂材料としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。
ここで、成形断熱材を製造する際の熱硬化性樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、熱硬化性樹脂は、そのまま繊維フェルトに含ませてもよく、溶剤で希釈して繊維フェルトに含ませてもよい。溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコールを用いることができる。
本実施の形態の構成では、成形断熱材の少なくとも1つの表面には、表面層が設けられており、活性ガス源(熱源)側の表面に炭素繊維強化炭素複合材料シートを配置することにより、気流による活性ガスの浸透が抑制される。さらにこの層は炭素繊維の劣化や粉化をも抑制する。したがって、断熱作用が長期間にわたって得られ、成形断熱材の長寿命化が図られる。
表面層は、次のようにして成形断熱材に形成される。
炭素質の骨材と、熱硬化性樹脂と、溶剤と、からなる緻密下地層形成液を、成形断熱材の少なくとも一つの表面から0.4mmの領域に塗布して、この領域に緻密下地層形成液を浸透させる。このとき、成形断熱材に圧力がかかるように塗布してもよい。
こののち、不活性雰囲気下、500〜1000℃で熱処理して、熱硬化性樹脂を炭素化させることにより、炭素繊維の表面、保護炭素層の表面及び炭素繊維相互間の空隙の一部に骨材と熱硬化性樹脂の炭素化物が浸透され、緻密下地層が形成される。
こののち、非晶質炭素からなる骨材と、熱硬化性樹脂と、溶剤と、からなる表面被覆液を、緻密下地層の少なくとも表面から0.1mmの領域に塗布あるいは噴霧して、この領域に表面被覆液を浸透させる。
こののち、不活性雰囲気下、1000〜2500℃で熱処理して、熱硬化性樹脂を炭素化させることにより、緻密下地層の少なくとも一部に骨材と熱硬化性樹脂の炭素化物がさらに浸透されて、表面被覆層が形成される。したがって、成形断熱材に形成される表面層は、緻密下地層と表面被覆層の2層構造(緻密下地層の全体に表面被覆層を形成した場合には、1層構造)となる。
ここで、本明細書でいう炭素化とは、黒鉛化を含んだ広義のものを意味する。例えば、特に2000℃以上の温度で熱処理する場合、表面被覆層の黒鉛構造が発展することが考えられるが、本発明では、緻密下地層、表面被覆層の骨材は、非晶質、黒鉛質のいずれでもよい。
緻密下地層や表面被覆層を形成する際に用いる熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。緻密下地層を形成する際に用いる骨材としては、天然黒鉛や人造黒鉛粉末、ミルド状の炭素繊維を用いることができる。表面被覆層を形成する際に用いる骨材としては、焼成後において非晶質炭素粒子となる熱硬化性樹脂(たとえば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等)の硬化物及び/又は炭素化物を用いることができる。熱硬化性樹脂の炭素化物であることがより好ましく、フェノール樹脂を600〜1000℃で熱処理してなる炭素化物であることがさらに好ましい。緻密下地層形成液や表面被覆液における骨材は、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
また、成形断熱材本体部分(緻密下地層や表面被覆層が形成されていない部分)のかさ密度は、0.07〜0.3g/cm3であることが好ましく、0.13〜0.3g/cm3であることがより好ましく、0.16〜0.3g/cm3であることがさらに好ましい。
また、緻密下地層のかさ密度は、0.1〜1.0g/cm3であることが好ましく、0.2〜0.6g/cm3であることがより好ましく、0.3〜0.6g/cm3であることがさらに好ましい。また、表面被覆層のかさ密度は、0.2〜1.2g/cm3であることが好ましく、0.4〜0.9g/cm3であることがより好ましく、0.6〜0.9g/cm3であることがさらに好ましい。
実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
(緻密下地層の形成)
成形断熱材(大阪ガスケミカル(株)製DON−1000−H、かさ密度0.16g/cm3)を、100×100×50に切断した。この成形断熱材の面積が100×100の一表面に、液状のレゾールタイプの熱硬化性フェノール樹脂99質量部と、天然の鱗状黒鉛粉末(平均粒径30μm)1質量部と、を混合してなる緻密下地層形成液1.3gを刷毛を用いて押し込むようにして含浸させた。
緻密下地層形成液が含浸された成形断熱材を、熱処理炉に入れ、窒素ガス雰囲気中、800℃で1時間熱処理し、フェノール樹脂を炭素化させた。
焼成後、上記緻密下地層形成液0.3gを、上記と同様に含浸させ、その後熱処理を行った。この処理によって、成形断熱材の表面に緻密下地層が形成された。また、緻密下地層形成液は、約800μmの領域に含浸された。
(表面被覆層の形成)
骨材としてのアモルファスカーボンの球状粒子(平均粒径15μm)6.8質量部及び炭素繊維ミルド(大阪ガスケミカル(株)製S−242(平均繊維長0.37mm))1.2質量部と、熱硬化樹脂としての粒状フェノール樹脂10質量%と、溶剤としての工業用メタノール82質量部と、を混合して、表面被覆液を作製した。
緻密下地層に、液の含浸領域の厚みが約400μmになるように表面被覆液を塗布した。こののち、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理して、熱硬化性フェノール樹脂を炭素化させて、実施例1にかかる成形断熱材を作製した。つまり、本実施例では、厚みが400μmの緻密下地層と、厚みが400μmの表面被覆層と、の2層構造の表面層が成形断熱材に形成されている。
(実施例2)
液状のレゾールタイプの熱硬化性フェノール樹脂と、天然の鱗状黒鉛粉末の質量混合比を95:5とした、緻密下地層形成液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例3)
液状のレゾールタイプの熱硬化性フェノール樹脂と、天然の鱗状黒鉛粉末の質量混合比を90:10とした、緻密下地層形成液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例4)
天然の鱗状黒鉛粉末に代えて、炭素繊維ミルド(大阪ガスケミカル(株)製S−242)を骨材として使用した緻密下地層形成液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例5)
液状のレゾールタイプの熱硬化性フェノール樹脂と、炭素繊維ミルド(大阪ガスケミカル(株)製S−242)の質量混合比を95:5とした、緻密下地層形成液を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例5にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例6)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行ったこと以外は、実施例4と同様にして、実施例6にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例7)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行ったこと以外は、実施例5と同様にして、実施例7にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例8)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例9)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行ったこと以外は、実施例3と同様にして、実施例9にかかる成形断熱材を作製した。
(実施例10)
表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして、実施例10にかかる成形断熱材を作製した。
(比較例1)
実施例1で使用したDON−1000−Hを比較例1にかかる成形断熱材とした。
(比較例2)
表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例4と同様にして、比較例2にかかる成形断熱材を作製した。
(比較例3)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行い、且つ、表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例4と同様にして、比較例3にかかる成形断熱材を作製した。
(比較例4)
表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例5と同様にして、比較例4にかかる成形断熱材を作製した。
(比較例5)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行い、且つ、表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例5と同様にして、比較例5にかかる成形断熱材を作製した。
(比較例6)
表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6にかかる成形断熱材を作製した。
(比較例7)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行い、且つ、表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例7にかかる成形断熱材を作製した。
(比較例8)
緻密下地層形成液の含浸と焼成を1回のみ行い、且つ、表面被覆液の含浸とその後の焼成を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして、比較例8にかかる成形断熱材を作製した。
上記実施例1〜10、比較例1〜8に係る成形断熱材について、以下の条件でガス透過率を測定した。この結果を下記表1に示す。
(ガス透過試験)
ガス透過試験装置100は、図3に示すように、平板状の台42上にキャップ状の容器41が載置されており、これにより一次側空間20が形成されている。一次側空間20には透過セル21が備えられている。また、台42の中央部には貫通孔が設けられ、ここに配管35が接続されている。この台42よりも下方の空間が、二次側空間30である。また、ガス透過試験装置100は、一次側空間20及び二次側空間30の圧力を測定する圧力計31を備えている。
また、一次側空間20内部にガスを供給する吸気管23が設けられるとともに、ロータリー式真空ポンプ34にそれぞれ接続され、一次側空間20又は二次側空間内部のガスを排気する排気管25,33が設けられている。これらの管にはそれぞれバルブ22,24,32が設けられている。
上記の成形断熱材を長さ6cm、幅6cm、厚さ約2cmの大きさに切断して試験片10とし、ガス透過試験装置100の透過セル21内に設置した。この試験片10は、ガス漏れが発生しないよう周囲がシリコーンゴム11で目止めされており、且つ上下面にはシリコーンゴム製のOリング12が設置されている。これにより、一次側空間20内部のガスは、透過セル21内部の試験片10を経由しない限り、二次側空間30に移動することはできないようになっている。
測定は次のようにして行った。まず、バルブ24,32を開け、真空ポンプ34により、一次側空間20及び二次側空間30が一定の真空値になるまで減圧する。次いで、バルブ24,32を閉じ、真空ポンプ34の作動を停止する。そして、バルブ22を開けて一次側空間20に窒素ガスを一定のガス圧で供給する。窒素ガスは、一次側空間20から試験片10を透過して二次側空間30へと移動し、これにより、二次側空間30の圧力が上昇し始める。その圧力上昇率を、圧力計31を用いて測定した。この圧力上昇率から次の式(3)、(4)を用いてガス透過率(K)を算出した。
K=(Qh)/(ΔPA)・・・(3)
Q={(p2−p1)V0}/t・・・(4)
ここで、Kは窒素ガス透過率、Qは通気量、ΔPは一次側と二次側の圧力差、Aは透過面積、hは試験片の厚さ、p1は二次側の初期圧力、p2は二次側の最終圧力、V0は二次側の容積、tは測定時間である。
このとき、次の式(5)式が成り立つような平均圧力Pm(一次側空間と二次側空間の圧力の平均値)の範囲で測定するため、平均圧力Pmが約50〜110kPaとなる範囲で測定を行った。表2に示しているガス透過率は平均圧力Pmに対してガス透過率Kを3点以上プロットした際の最小二乗法による近似直線において、Pm=100kPaのときの値を示している。
K=aPm+b ・・・(5)
ここで、a、bは定数である。
(体積分率の測定)
実施例1〜10、比較例1〜8にかかる成形断熱材の表面被覆層における骨材(鱗状黒鉛、アモルファスカーボン粒子、炭素繊維ミルドの合計)の体積分率を求めた。まず、骨材の見掛け密度をn−ブタノール浸漬法で求めた。ここでいう見掛け密度とは、n−ブタノールが骨材に浸透する開気孔を除いた密度をいう。骨材の体積は、骨材の質量に見掛け密度を除して求めた。各々の体積分率は、各層中の骨材の体積を各層の体積で除して求めた。
この結果から、実施例1〜10と、表面被覆層を全く形成していない比較例1を比較すると、約7倍以上ガスを透過し難くできることが分かる。
また、液の含浸回数が1回以下の比較例1,3,5,7,8は、ガス透過率が1.3×104cm2/s以上と、ガス透過を十分に抑制できないことが分かる。
また、液の含浸回数が2回であっても、表面から100μmまでの領域の骨材の体積分率が1%未満である比較例2,6は、ガス透過率が1.4×104cm2/s、6.5×103cm2/sと、不十分であることが分かる。
また、表面から100μmまでの領域に、骨材として炭素粒子を含まない比較例4は、この領域の骨材の体積分率が2.69%と高いものの、ガス透過率が7.8×103cm2/sと、不十分であることが分かる。
これらのことは、次のように考えられる。ガスの透過を抑制するためには、ガスの通過する経路の径を小さくすることが重要である。ここで、液の含浸回数が1回以下であると(比較例1,3,5,7,8)、十分に経路の径を小さくすることができない。
また、骨材はガスが通過する経路を局所的に埋め、熱硬化樹脂の炭素化物は炭素繊維の表面や骨材の表面を覆うようにガスが通過する経路を埋めるため、骨材のほうが経路の径を小さくする効果が大きい。このため、特にガス遮断に寄与する効果が大きい表面から100μmまでの領域における骨材の体積分率が過小である比較例2,6では、ガス遮断効果が不十分となる。
また、炭素繊維ミルドは成形断熱材を構成する炭素繊維に沿って配向しやすく、経路の径を小さくする効果が炭素粒子よりも小さい。このため、特にガス遮断に寄与する効果が大きい表面から100μmまでの領域において炭素粒子が含まれない比較例4では、ガス遮断効果が不十分となる。
これらに対し、液の含浸回数が2回又は3回であり、表面から100μmまでの領域の骨材の体積分率が1%以上であり、且つこの領域に炭素粒子が含まれる実施例1〜10では、ガス透過率を1.9×103cm2/s以下と十分に小さくできる。
図1に、実施例1に係る成形断熱材の表面層近傍の断面顕微鏡写真を示す。この写真からわかるように、繊維間の空隙が少ないシート1、2と、繊維間の空隙が相対的に多いシート3とが、剥離することなく接合されていることが分かる。この繊維間の空隙が少ないシートのうち、表面側から表面被覆層1、緻密下地層2であり、繊維間の空隙が相対的に多いシートが成形断熱材本体3である。
図2は、実施例3にかかる成形断熱材の断面顕微鏡写真であって、図2(a)は加工前の成形断熱材、図2(b)は緻密下地層形成後の成形断熱材、図2(c)は表面被覆層形成後の成形断熱材をそれぞれ示す。この写真からわかるように、加工前の成形断熱材においては、多数の炭素繊維が多数の空隙(繊維間の空隙)を保持しつつ存在していること、空隙から内部(奥)の繊維をみることができ、奥まで空隙である領域(合焦範囲内には繊維等が存在しない領域)も多くみられることがわかる。そして、緻密下地層形成後においては、奥まで空隙である領域は少なくなっていること、表面被覆層形成後においては、空隙を埋める多くの粒子状物が見られることがわかる。
このように、炭素繊維間の空隙を粒子状物が局所的埋める(塞ぐ)ことにより、ガスが通る経路径が極めて小さくなり、ガス透過性が小さくなる。
なお、上記実施例では成形断熱材を構成する炭素繊維は平均直径13μmとしたが、この太さに限定されることはない。ただし、繊維の直径は、製造される成形断熱材の断熱性能やかさ密度等に影響を及ぼすので、目的とする断熱性能・かさ密度に応じて直径等を選択すればよい。
上記で説明したように、本発明によると、コスト上昇を伴うことなく、ガスによる断熱性能の低下を抑制し得た成形断熱材を実現できるので、その産業上の利用可能性は大きい。
1 表面被覆層
2 緻密下地層
3 成形断熱材本体
10 試験片
11 目止め
12 Oリング
20 一次側空間
21 透過セル
22 バルブ
23 吸気管
24 バルブ
25 排気管
30 二次側空間
31 圧力計
32 バルブ
33 排気管
34 ロータリー式真空ポンプ
35 配管
41 容器
42 台
100 ガス透過試験装置

Claims (4)

  1. 炭素からなる骨材と熱硬化性樹脂からなる粘結剤とを含む緻密下地層形成液を、成形断熱材の少なくとも一つの表面から少なくとも0.4mmの領域に含浸させ、その後500℃以上で焼成して前記熱硬化性樹脂を炭素化させて緻密下地層となす緻密下地層形成ステップと、
    焼成後に炭素粒子となる成分を含んだ骨材と熱硬化性樹脂からなる粘結剤とを含む表面被覆液を、前記緻密下地層の表面から少なくとも0.1mmの領域の少なくとも一部に含浸させ、その後1000℃以上で焼成して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させて表面被覆層となす表面被覆層形成ステップと、
    を備え、
    前記緻密下地層における骨材の体積分率が、0.3〜5%であり、
    前記表面被覆層における骨材の体積分率が、1〜7%である、
    成形断熱材の製造方法。
  2. 炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する成形断熱材において、
    前記成形断熱材の少なくとも一つの表面には、炭素質の骨材と熱硬化性樹脂の炭素化物とが前記成形断熱材内部に浸透された表面層が形成され、
    前記表面層は、前記表面から少なくとも0.1mmの領域は、前記骨材として炭素粒子を含むとともに、この領域おける前記骨材の体積分率が、1〜7%であり、
    前記表面から少なくとも0.4mmの領域における前記骨材の体積分率が、0.3〜5%であり、
    前記表面から少なくとも0.1mmの領域における前記骨材の体積分率は、前記表面から少なくとも0.4mmの領域の骨材の体積分率以上である、
    ことを特徴とする成形断熱材。
  3. 前記表面から少なくとも0.1mmの領域は、前記骨材として非晶質炭素粒子を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の成形断熱材。
  4. 前記表面から少なくとも0.1mmの領域における前記炭素粒子の体積分率が、1〜7%である、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の成形断熱材。
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