JP2018157661A - 電流センサの異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、電流センサの電流検出値の変動量が小さい場合であっても、電流センサの異常診断を行うことができる電流センサの異常診断装置を提供する。【解決手段】異常診断装置は、蓄電装置の出力電圧を昇圧して出力する昇圧コンバータと、昇圧コンバータに流れる電流値を検出する第1電流センサと、昇圧コンバータ又は蓄電装置に流れる電流値を検出する第2電流センサとを備えるシステムに適用される。異常診断装置は、第1電流センサの検出値の変動量ΔILと、第2電流センサの検出値の変動量ΔIBとに基づいて、判定パラメータRjdgを算出する。異常診断装置は、各変動量ΔIL,ΔIBが診断に及ぼす影響を非干渉化した状態で判定パラメータRjdgと判定閾値ΔIt1,ΔIt2とを比較することにより、第1,第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断する。【選択図】 図4

Description

本発明は、電流センサの異常診断装置に関する。
従来、特許文献1に見られるように、蓄電装置と、蓄電装置の出力電圧を昇圧して負荷装置に供給する昇圧コンバータと、昇圧コンバータに流れる電流値を検出する第1電流センサと、蓄電装置に流れる電流値を検出する第2電流センサとを備えるシステムが知られている。このシステムに適用される異常診断装置は、第1電流センサにより検出された電流値の変動量と、第2電流センサにより検出された電流値の変動量との差を算出する。異常診断装置は、算出した差が閾値よりも大きい場合、第1電流センサ又は第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断する。
特開2013−90474号公報
電流センサの電流検出値の変動量が小さい場合、実際に流れる電流値に対する電流センサの電流検出値の関係を示すセンサ特性が、電流センサが正常な場合のセンサ特性から大きく乖離しないと、電流センサの異常の有無を診断できなくなり得る。この場合、異常診断の機会が制約されることとなる。
本発明は、電流センサの電流検出値の変動量が小さい場合であっても、電流センサの異常診断を行うことができる電流センサの異常診断装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、蓄電装置(10,10a,10b)と、前記蓄電装置の出力電圧を昇圧して出力する昇圧コンバータ(20)と、前記昇圧コンバータに流れる電流値を検出する第1電流センサ(60,60a,66a)と、前記昇圧コンバータに流れる電流値、又は前記蓄電装置に流れる電流値を検出する第2電流センサ(65,60b,66b,67a,67b)と、を備えるシステムに適用される。本発明は、前記第1電流センサにより検出された電流値である第1電流値の変動量(ΔIL)と、前記第2電流センサにより検出された電流値である第2電流値の変動量(ΔIB)とに基づいて、前記第1電流センサ又は前記第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断するための判定パラメータ(Rjdg,Djdg)を算出するパラメータ算出部と、前記第1電流値及び前記第2電流値それぞれの変動量が前記診断に及ぼす影響を非干渉化した状態で前記判定パラメータと判定閾値(ΔIt1,ΔIt2,ΔItd)とを比較することにより、前記第1電流センサ又は前記第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断する診断処理を行う診断部と、を備える。
本発明において、パラメータ算出部は、第1電流センサにより検出された電流値である第1電流値の変動量と、第2電流センサにより検出された電流値である第2電流値の変動量とに基づいて、判定パラメータを算出する。診断部は、算出した判定パラメータと判定閾値とを比較することにより、第1電流センサ又は第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断する診断処理を行う。ここで診断部は、第1電流値及び第2電流値それぞれの変動量が診断に及ぼす影響を非干渉化した状態で判定パラメータと判定閾値とを比較する。
非干渉化した状態で判定パラメータと判定閾値とが比較されるため、本発明によれば、電流値の変動量の大小にかかわらず、診断処理を行うことができる。このため、電流センサが正常な場合のセンサ特性から実際のセンサ特性が大きく乖離していない場合であっても、異常診断を適正に行うことができる。
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 昇圧コンバータの出力電圧制御処理を示すブロック図。 時比率を説明するための図。 異常診断処理の手順を示すフローチャート。 各変動量ΔIL,ΔIBの算出手法を説明するためのタイムチャート。 センサ特性を示す図。 比較技術における異常検出可能なゲイン倍率を示す図。 第1実施形態における異常検出可能なゲイン倍率を示す図。 第2実施形態に係る異常診断処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態に係る異常診断処理の手順を示すフローチャート。 第4実施形態に係る各変動量ΔIL,ΔIBの算出手法を説明するためのタイムチャート。 第5実施形態に係る異常診断処理の手順を示すフローチャート。 第6実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 第7実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 第8実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 第9実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る異常診断装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態において、異常診断装置は、車載主機としての回転電機を備える電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載される。
図1に示すように、車載制御システムは、直流電源としてのバッテリ10、昇圧コンバータ20、インバータ30、モータジェネレータ40及び制御装置50を備えている。バッテリ10は、充放電可能な蓄電装置である。本実施形態において、モータジェネレータ40は、車載主機であり、そのロータが図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。モータジェネレータ40としては、例えばロータに永久磁石を備える同期機を用いることができる。なお、バッテリ10及び昇圧コンバータ20は、電源システムを構成している。
昇圧コンバータ20は、リアクトル21、平滑コンデンサ22、上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnを備えている。昇圧コンバータ20は、バッテリ10の出力電圧を所定の電圧を上限として昇圧する機能を有している。本実施形態において、各変圧スイッチScp,Scnは、電圧制御形の半導体スイッチング素子であり、具体的にはIGBTである。なお、各変圧スイッチScp,Scnには、フリーホイールダイオードDcp,Dcnが逆並列に接続されている。
上アーム変圧スイッチScpの高電位側端子であるコレクタには、正極母線Lpが接続されている。上アーム変圧スイッチScpの低電位側端子であるエミッタには、下アーム変圧スイッチScnのコレクタが接続されている。下アーム変圧スイッチScnのエミッタには、負極母線Lnが接続されている。各母線Lp,Lnは、例えばバスバーにて構成されている。
上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnの直列接続体には、平滑コンデンサ22が並列接続されている。上アーム変圧スイッチScpと下アーム変圧スイッチScnとの接続点には、リアクトル21の第1端が接続されている。リアクトル21の第2端には、バッテリ10の正極端子が接続されている。バッテリ10の負極端子には、下アーム変圧スイッチScnのエミッタが接続されている。
正極母線Lp及び負極母線Lnには、インバータ30の入力側が接続されている。インバータ30は、上アームスイッチSup,Svp,Swpと下アームスイッチSun,Svn,Swnとの直列接続体を3相分備えている。本実施形態において、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnは、電圧制御形の半導体スイッチング素子であり、より具体的にはIGBTである。各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnには、各フリーホイールダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
各上アームスイッチSup,Svp,Swpの高電位側端子であるコレクタには、正極母線Lpが接続されている。各下アームスイッチSun,Svn,Swnの低電位側端子であるエミッタには、負極母線Lnが接続されている。
U相上,下アームスイッチSup,Sunの接続点には、モータジェネレータ40のU相巻線40Uの第1端が接続されている。V相上,下アームスイッチSvp,Svnの接続点には、モータジェネレータ40のV相巻線40Vの第1端が接続されている。W相上,下アームスイッチSwp,Swnの接続点には、モータジェネレータ40のW相巻線40Wの第1端が接続されている。各相巻線40U,40V,40Wの第2端は、中性点にて接続されている。U,V,W相巻線40U,40V,40Wは、電気角で互いに120°ずれている。
制御システムは、電気負荷41を備えている。電気負荷41の正極端子は、バッテリ10の正極端子とリアクトル21の第2端とを接続する電気経路に接続されている。電気負荷41の負極端子は、バッテリ10の負極端子と下アーム変圧スイッチScnのエミッタとを接続する電気経路に接続されている。すなわち、電気負荷41は、バッテリ10に並列接続されている。なお電気負荷41には、例えば、DCDCコンバータ及び電動コンプレッサのうち少なくとも一方が含まれる。DCDCコンバータは、バッテリ10の出力電圧を降圧し、降圧した電圧をバッテリ10よりも出力電圧が低い別のバッテリに供給する。電動コンプレッサは、車載空調装置を構成する冷凍サイクルの冷媒を循環させる。
制御システムは、リアクトル電流センサ60、入力電圧センサ61、出力電圧センサ62、相電流センサ63、回転位置センサ64及びバッテリ電流センサ65を備えている。リアクトル電流センサ60は、リアクトル21に流れる電流値をリアクトル電流検出値ILrとして検出する。具体的には、リアクトル電流センサ60は、バッテリ10の正極端子とリアクトル21の第2端とを接続する電気経路のうち電気負荷41との接続点よりもリアクトル21側に流れる電流値をリアクトル電流検出値ILrとして検出する。入力電圧センサ61は、バッテリ10の出力電圧を入力電圧検出値Vinとして検出する。出力電圧センサ62は、平滑コンデンサ22の端子間電圧を母線電圧検出値Vsysとして検出する。相電流センサ63は、U,V,W相のうち少なくとも2相分の相電流を検出する。回転位置センサ64は、例えばレゾルバであり、モータジェネレータ40のロータの回転位置を検出する。バッテリ電流センサ65は、バッテリ10に流れる電流値をバッテリ電流検出値IBrとして検出する。具体的には、バッテリ電流センサ65は、バッテリ10の正極端子とリアクトル21の第2端とを接続する電気経路のうち電気負荷41との接続点よりもバッテリ10側に流れる電流値をバッテリ電流検出値IBrとして検出する。
なお本実施形態において、リアクトル電流センサ60が第1電流センサに相当し、バッテリ電流センサ65が第2電流センサに相当する。
各センサの検出値は、制御装置50に入力される。制御装置50は、マイコンを主体として構成され、モータジェネレータ40の制御量をその指令値に制御すべく、昇圧コンバータ20及びインバータ30を操作する。本実施形態において、制御量はトルクであり、指令値は指令トルクである。
制御装置50は、出力電圧センサ62により検出された母線電圧検出値Vsysを目標電圧値Vtgtにフィードバック制御すべく、昇圧コンバータ20を構成する各変圧スイッチScp,Scnをオンオフ操作する。本実施形態において、上アーム変圧スイッチScpと下アーム変圧スイッチScnとは、デッドタイムを挟みつつ交互にオン操作される。
制御装置50は、インバータ30の各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnをオンオフ操作する。上アームスイッチSup、Svp,Swpと、対応する下アームスイッチSun,Svn,Swnとは、デッドタイムを挟みつつ交互にオン操作される。
続いて図2を用いて、制御装置50の行う処理のうち昇圧コンバータ20に関する処理について説明する。なお本実施形態では、リアクトル21の両端のうち、バッテリ10の正極端子側から各変圧スイッチScp,Scnの接続点側へと向かう方向に流れる電流値が正と定義されている。
電圧偏差算出部51は、目標電圧値Vtgtから母線電圧検出値Vsysを減算した値として、電圧偏差ΔVを算出する。
電圧FB制御部52は、電圧偏差ΔVに基づいて、母線電圧検出値Vsysを目標電圧値Vtgtにフィードバック制御するための操作量として、リアクトル21に流れる電流値の目標値である目標電流値ILtgtを算出する。本実施形態において、電圧FB制御部52で用いられるフィードバック制御は、比例積分制御である。
電流偏差算出部53は、リアクトル電流検出値ILrを目標電流値ILtgtから減算した値として、電流偏差ΔIを算出する。
電流FB制御部54は、電流偏差ΔIに基づいて、リアクトル電流検出値ILrを目標電流値ILtgtにフィードバック制御するための操作量として、時比率Dutyを算出する。本実施形態において、電流FB制御部54で用いられるフィードバック制御は、比例積分制御である。時比率Dutyは、図3に示すように、下アーム変圧スイッチScnの1スイッチング周期Tswに対するオン操作時間Tonの比率である。なお図3では、デッドタイムを0としている。
制御装置50は、算出した時比率Dutyに基づいて、上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnを交互にオン操作する。具体的には例えば、制御装置50は、時比率Duty及びキャリア信号の大小比較に基づくPWM処理により、上,下アーム変圧スイッチScp,Scnの操作信号を生成し、生成した操作信号に基づいて上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnを交互にオン操作する。
続いて図4を用いて、本実施形態に係る電流センサの異常診断処理について説明する。この処理は、制御装置50により実行される。
ステップS10では、図5に示すように、所定期間t[n]〜t[n−1]におけるリアクトル電流検出値ILrの変動量であるリアクトル変動量ΔIL(=ILr[n]−ILr[nー1])を算出する。また、所定期間t[n]〜t[n−1]におけるバッテリ電流検出値IBrの変動量であるバッテリ変動量ΔIB(=IBr[n]−IBr[nー1])を算出する。なお図5では、現在の制御周期がt[n]とされ、前回の制御周期がt[n−1]とされている。また、バッテリ10の正極端子からリアクトル21へと向かう方向に流れる場合のバッテリ電流検出値IBrが正と定義されている。
続くステップS11では、リアクトル変動量ΔILをバッテリ変動量ΔIBで除算した値として、判定パラメータである判定比率Rjdgを算出する。なお本実施形態において、ステップS10,S11の処理がパラメータ算出部に相当する。
続くステップS12では、判定比率Rjdgが第1判定閾値ΔIt1以下であってかつ第2判定閾値ΔIt2(<ΔIt1)以上であるか否かを判定する。この処理は、本実施形態において診断部に相当し、リアクトル電流センサ60又はバッテリ電流センサ65のいずれかに異常が生じているか否かを判定するための処理である。ステップS12では、リアクトル変動量ΔIL及びバッテリ変動量ΔIBが診断に及ぼす影響を非干渉化した状態で、判定比率Rjdgを各判定閾値ΔIt1,ΔIt2と比較する。以下、比較技術の診断手法と対比しつつ、本実施形態の第1判定閾値ΔIt1及び第2判定閾値ΔIt2の設定手法について説明する。以下では、リアクトル電流検出値ILr及びバッテリ電流検出値IBrを合わせてセンサ検出値と称すことがある。
センサ検出値には、図6に示すように、オフセット誤差ΔIoffと、ゲイン誤差ΔIgrとを含むセンサ誤差が混入している。オフセット誤差ΔIoffは、検出対象に実際に流れる電流値に対してセンサ検出値が規定値だけずれる誤差のことである。ゲイン誤差ΔIgrは、実際に流れる電流値の絶対値が大きいほど絶対値が大きくなる誤差のことである。本実施形態において、ゲイン誤差ΔIgrは、実際に流れる電流値に対する1次式で定義されている。
図6において、実際の電流値の変化に対するゲイン誤差ΔIgrの変化の傾き値がゲイン倍率Kgrとして定義されている。量産されたセンサのゲイン倍率Kgrはばらつく。このため、ゲイン倍率Kgrの取り得る最大値がゲイン最大倍率Kgmaxとして定義されている。なお図6において、Imaxは検出可能な電流範囲の最大値を示し、ΔIgmaxはImaxに対応するゲイン誤差を示す。
図6に示すラインL1,L2,L3,L4で囲まれた領域にセンサ検出値がある場合、センサ検出値が規格内であり、センサに異常が生じていないとする。ここで、リアクトル電流センサ60に対応するゲイン誤差ΔIgr、ゲイン倍率Kgr及びゲイン最大倍率Kgmaxがそれぞれ、第1ゲイン誤差、第1倍率Kgar及び第1最大倍率Kgamaxとして定義されている。また、バッテリ電流センサ65に対応するゲイン誤差ΔIgr、ゲイン倍率Kgr及びゲイン最大倍率Kgmaxがそれぞれ、第2ゲイン誤差、第2倍率Kgbr及び第2最大倍率Kgbmaxとして定義されている。
まず、比較技術の診断手法について説明する。
下式(eq1)が成立する場合にリアクトル電流センサ60又はバッテリ電流センサ65のいずれかに異常が生じていると判定される。ここで、各電流センサに異常が生じていないにもかかわらず、異常が生じていると誤判定されることを回避するために、判定閾値ΔIthは、下式(eq2)のように設定される。
Figure 2018157661
Figure 2018157661
ここで、上式(eq2)のように判定閾値ΔIthが設定された場合の問題点について説明する。ここでは、以下の状況を仮定する。リアクトル電流センサ60は正常であり、そのセンサ特性が中央特性であるとする。すなわち、第1倍率Kgar=0とする。また、バッテリ電流センサ65に異常が生じ、バッテリ電流検出値IBrがラインL1,L2,L3,L4で囲まれた領域からはずれているとする。また、下式(eq3)が成立しているとする。
Figure 2018157661
リアクトル21に流れる実際の電流値の変動量をΔIpとすると、リアクトル変動量ΔILは下式(eq4)となり、バッテリ変動量ΔIBは下式(eq5)となる。
Figure 2018157661
Figure 2018157661
ここで、「ΔIp=2×Imax」となる場合において、バッテリ電流センサ65に異常が生じていることを診断できるクライテリアについて検討する。上式(eq1)の左辺に上式(eq4),(eq5),「ΔIp=2×Imax」を代入し、上式(eq1)の右辺に「Kgamax=Kgbmax」を代入すると下式(eq6)が導かれる。
Figure 2018157661
上式(eq6)は、第2最大倍率Kgbmaxを2倍した値よりも第2倍率Kgbrが大きくなるようなバッテリ電流センサ65の異常が生じた場合にバッテリ電流センサ65の異常の発生を診断できることを示している。
一方、「ΔIp=0,1×Imax」となる場合において、バッテリ電流センサ65に異常が生じていることを診断できるクライテリアについて検討する。上式(eq1)の左辺に上式(eq4),(eq5),「ΔIp=0.1×Imax」を代入し、上式(eq1)の右辺に「Kgamax=Kgbmax」を代入すると下式(eq7)が導かれる。
Figure 2018157661
上式(eq7)は、第2最大倍率Kgbmaxを40倍した値よりも第2倍率Kgbrが大きくなるようなバッテリ電流センサ65の異常が生じなければ、バッテリ電流センサ65の異常を検出できないことを示している。図7に、ΔIpに対する異常診断可能なクライテリアをKf1,Kf2にて示す。比較技術の診断手法では、ΔIpが小さい場合に異常診断精度が低下してしまう。
続いて、本実施形態について説明する。
本実施形態では、下式(eq8)が成立する場合にリアクトル電流センサ60又はバッテリ電流センサ65のいずれかに異常が生じていると判定される。リアクトル変動量ΔIL及びバッテリ変動量ΔIBの比が用いられる。ここで、各電流センサ60,65に異常が生じていないにもかかわらず、異常が生じていると誤判定されることを回避するために、第1判定閾値ΔIt1及び第2判定閾値ΔIt2は、下式(eq9)のように設定される。
Figure 2018157661
Figure 2018157661
第1判定閾値ΔIt1は、各電流センサ60,65に異常が生じていない場合にΔIL/ΔIBの取り得る最大値に設定されている。また、第2判定閾値ΔIt2は、各電流センサ60,65に異常が生じていない場合にΔIL/ΔIBの取り得る最小値に設定されている。
このように各判定閾値ΔIt1,ΔIt2が設定されることにより、比較技術の問題が解決されていることを説明する。「ΔIp=2×Imax」となる場合において、上式(eq8)の中辺に上式(eq4),(eq5)を代入すると、下式(eq10)が導かれる。
Figure 2018157661
上式(eq10)では、分母及び分子にある「2×Imax」が相殺されている。「1>Kgbmax>0」が成立すると仮定する場合、下式(eq11)が成立する。下式(eq11)は、各電流センサ60,65に異常が生じていなければ成立する。
Figure 2018157661
一方、「ΔIp=0.1×Imax」となる場合において、上式(eq8)の中辺に上式(eq4),(eq5)を代入すると、下式(eq12)が導かれる。
Figure 2018157661
上式(eq12)では、分母及び分子にある「0.1×Imax」が相殺されている。この場合にも、上式(eq11)が成立する。このことは、図8に示すように、ΔIpの大小によらず、一定の異常診断精度を確保できることを示している。
図4の説明に戻り、ステップS12において判定比率Rjdgが第1判定閾値ΔIt1以下であってかつ第2判定閾値ΔIt2以上であると判定した場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、リアクトル電流センサ60及びバッテリ電流センサ65のいずれにも異常が生じていないと診断する。一方、ステップS12において、判定比率Rjdgが第1判定閾値ΔIt1よりも大きいと判定した場合、又は判定比率Rjdgが第2判定閾値ΔIt2よりも小さいと判定した場合には、ステップS14に進む。ステップS14では、リアクトル電流センサ60又はバッテリ電流センサ65のいずれかに異常が生じていると診断する。
以上詳述した本実施形態によれば、リアクトル21に流れる電流値の変動量の大小にかかわらず、異常診断処理を行うことができる。このため、電流センサが正常な場合のセンサ特性から実際のセンサ特性が大きく乖離していない場合であっても、異常診断を適正に行うことができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図9に示すように、異常診断処理内容を変更する。図9に示す処理は、制御装置50により実行される。なお図9において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
ステップS10の処理の完了後、ステップS20に進み、リアクトル変動量ΔILが第1所定値Iα以上であるとの第1条件と、バッテリ変動量ΔIBが第2所定値Iβ以上であるとの第2条件との論理和が真であるか否かを判定する。この処理は、禁止部に相当し、異常診断処理の実行を禁止するか否かを判定するための処理である。ステップS20において肯定判定される状況は、バッテリ10から電気負荷41に供給される負荷電流ICの変動があったとしても、ΔIL/ΔIBが1に近くなるような状況である。ここで第1所定値Iαは、例えば、負荷電流ICの10倍以上の値に設定されればよい。また第2所定値Iβは、例えば、リアクトル電流検出値に含まれるセンサノイズの最大値に設定されればよい。
ステップS20において第1条件及び第2条件の少なくとも一方が成立していると判定した場合には、異常診断を許可し、ステップS11に進む。一方、ステップS20において第1条件及び第2条件のいずれもが成立していないと判定した場合には、ステップS21に進み、異常診断を禁止する。
ステップS20の処理によれば、負荷電流ICの変動量に対してリアクトル変動量ΔIL及びバッテリ変動量ΔIBが十分大きい場合に異常診断が許可される。つまり、リアクトル21に流れる電流値が変動していないにもかかわらず、負荷電流ICの変動量が大きくなると、バッテリ変動量ΔIBが大きくなる。この場合、判定比率Rjdgが異常値となり、各電流センサ60,65に異常が生じていないにもかかわらず、異常が生じていると誤診断され得る。ステップS20の処理によれば、この誤診断の発生を抑制できる。
またステップS20の処理は、電気負荷41の負荷電流ICの変動の有無に関する情報を制御装置50が取得できない場合に有効である。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、上記第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図10に示すように、異常診断処理内容を変更する。図10に示す処理は、制御装置50により実行される。なお図10において、先の図9に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
ステップS10の処理の完了後、ステップS22に進み、負荷電流ICの変動量である負荷変動量ΔICを取得する。詳しくは、電気負荷41の制御を統括する外部の制御装置から負荷変動量ΔICを取得する。そして、取得した負荷変動量ΔICが所定変動量Iγ以下であるか否かを判定する。この処理は、禁止部に相当し、異常診断処理の実行を禁止するか否かを判定するための処理である。
ステップS22において肯定判定した場合には、異常診断を許可し、ステップS11に進む。一方、ステップS22において否定判定した場合には、ステップS21に進み、異常診断を禁止する。
以上説明した本実施形態によれば、各電流センサ60,65に異常が生じていないにもかかわらず、異常が生じていると誤診断されることを抑制できる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、上記第1〜第3実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、ステップS10の処理を図11に示すように変更する。詳しくは、ステップS10では、所定期間t1〜t2におけるリアクトル電流検出値ILrの最大値ILmaxとリアクトル電流検出値ILrの最小値ILminとの差としてリアクトル変動量ΔIL(=ILmax−ILmin)を算出する。また、所定期間t1〜t2におけるバッテリ電流検出値IBrの最大値IBmaxとバッテリ電流検出値IBrの最小値IBminとの差としてバッテリ変動量ΔIB(=IBmax−IBmin)を算出する。
以上説明した本実施形態は、リアクトル電流センサ60が設置されている第1制御装置と、バッテリ電流センサ65が設置されている第2制御装置が異なる構成に有効である。この場合、第1制御装置及び第2制御装置は、電流値のサンプリングタイミングを同期させることができないことがある。この場合であっても、本実施形態によれば、適正な各変動量ΔIL,ΔIBを算出できる。
また本実施形態によれば、各変動量ΔIL,ΔIBを大きくできるため、リアクトル電流検出値ILr及びバッテリ電流検出値IBrに含まれるセンサノイズが判定比率Rjdgの算出精度に及ぼす影響を小さくできる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、判定比率Rjdgに代えて、リアクトル変動量ΔILとバッテリ変動量ΔIBとの差の絶対値である判定差Djdgを用いて異常診断を行う。以下、本実施形態の診断手法について説明する。
本実施形態では、下式(eq13)が成立する場合にリアクトル電流センサ60又はバッテリ電流センサ65のいずれかに異常が生じていると判定される。ここで、各電流センサ60,65に異常が生じていないにもかかわらず、異常が生じていると誤判定されることを回避するために、判定閾値ΔItdは、下式(eq14)のように設定される。
Figure 2018157661
Figure 2018157661
判定閾値ΔItdは、各電流センサ60,65に異常が生じていない場合に|ΔIL−ΔIB|の取り得る最大値に設定されている。なお、ここでは、Kgamax=Kgbmaxであるとする。
このように判定閾値ΔItdが設定されることにより、比較技術の問題が解決されていることを説明する。「ΔIp=2×Imax」となる場合において、上式(eq13)に上式(eq4),(eq5)を代入すると、下式(eq15)が導かれる。
Figure 2018157661
一方、「ΔIp=0.1×Imax」となる場合において、上式(eq13)に上式(eq4),(eq5)を代入すると、下式(eq16)が導かれる。
Figure 2018157661
上式(eq15),(eq16)は、先の図8に示したように、ΔIpの大小によらず、一定の異常診断精度を確保できることを示している。
図12に、本実施形態に係る異常診断処理の手順を示す。この処理は、制御装置50により実行される。なお図12において、先の図11に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
ステップS20において肯定判定した場合には、ステップS23に進み、ステップS10で算出したリアクトル変動量ΔIL及びバッテリ変動量ΔIBのうち大きい方を設定用変動量ΔIAとする。ステップS23の処理は、例えば、実際に流れる電流値が変動する場合であっても電流検出値ILr,IBrが変動しなくなる固着異常、又は実際に流れる電流値に対して電流検出値ILr,IBrが著しく小さくなるゲイン小異常が生じる場合に備えた処理である。つまり、リアクトル電流検出値ILr及びバッテリ電流検出値IBrのうち、固着異常又はゲイン小異常が生じた方の電流検出値が設定用変動量ΔIAとしてステップS24で用いられると、判定閾値ΔItdが過度に小さくなり得る。この場合、ステップS26において、リアクトル電流センサ60又はバッテリ電流センサ65のいずれにも異常が生じていないにもかかわらず、異常が生じていると誤診断されるおそれがある。このような不都合の発生を抑制するために、ステップS23の処理が設けられている。
続くステップS24では、「(Kgamax+Kgbmax)×ΔIA」なる関係式に基づいて、判定閾値ΔItdを設定する。なお本実施形態において、ステップS23,S24の処理が閾値設定部に相当する。
続くステップS25では、ステップS10で算出したリアクトル変動量ΔILとバッテリ変動量ΔIBとの差の絶対値として判定差Djdgを算出する。なお本実施形態において、ステップS25の処理がパラメータ算出部に相当する。
続くステップS26では、算出した判定差Djdgが判定閾値ΔItd以下であるか否かを判定する。ステップS26では、リアクトル変動量ΔIL及びバッテリ変動量ΔIBが診断に及ぼす影響を非干渉化した状態で、判定差Djdgを判定閾値ΔItdと比較する。ステップS26において肯定判定した場合には、ステップS13に進む。一方、ステップS26において否定判定した場合には、ステップS14に進む。
以上説明した本実施形態によれば、リアクトル21に流れる電流値の変動量の大小にかかわらず、異常診断処理を行うことができる。また本実施形態では、判定差Djdgが用いられるため、判定パラメータの算出において除算処理を排除できる。このため、制御装置50の演算負荷を低減できる。
ちなみに本実施形態において、ステップS20の処理が、図10のステップS22の処理に置き換えられてもよい。
また本実施形態において、ステップS10の処理において、先の図11に示した手法でリアクトル変動量ΔIL及びバッテリ変動量ΔIBが算出されてもよい。
(第6実施形態)
以下、第6実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図13に示すように、制御システムは、第1リアクトル電流センサ60a及び第2リアクトル電流センサ60bを備えている。各電流センサ60a,60bの検出対象は同じである。第1リアクトル電流センサ60aは、リアクトル21に流れる電流値を第1リアクトル電流検出値ILr1として検出する。第2リアクトル電流センサ60bは、リアクトル21に流れる電流値を第2リアクトル電流検出値ILr2として検出する。各電流センサ60a,60bの検出値ILr1,ILr2は、制御装置50に入力される。なお本実施形態において、第1リアクトル電流センサ60aが第1電流センサに相当し、第2リアクトル電流センサ60bが第2電流センサに相当する。
ちなみに本実施形態では、図4の異常診断処理において、リアクトル電流検出値ILrに代えて第1リアクトル電流検出値ILr1が用いられ、バッテリ電流検出値IBrに代えて第2リアクトル電流検出値ILr2が用いられる。制御装置50は、第1リアクトル電流センサ60a又は第2リアクトル電流センサ60bのいずれかに異常が生じていると診断することができる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
以下、第7実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図14に示すように、昇圧コンバータの構成を変更する。なお図14において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
昇圧コンバータ20は、第1リアクトル21a、第2リアクトル21b、平滑コンデンサ22、第1上アーム変圧スイッチScap、第1下アーム変圧スイッチScan、第2上アーム変圧スイッチScbp及び第2下アーム変圧スイッチScbnを備えている。
本実施形態において、各変圧スイッチScap,Scan,Scbp,ScbnはIGBTである。なお、各変圧スイッチScap,Scan,Scbp,Scbnには、フリーホイールダイオードDcap,Dcan,Dcbp,Dcbnが逆並列に接続されている。
第1,第2上アーム変圧スイッチScap,Scbnのコレクタには、正極母線Lpが接続されている。第1上アーム変圧スイッチScapのエミッタには、第1下アーム変圧スイッチScanのコレクタが接続され、第2上アーム変圧スイッチScbpのエミッタには、第2下アーム変圧スイッチScbnのコレクタが接続されている。第1,第2下アーム変圧スイッチScan,Scbnのエミッタには、負極母線Lnが接続されている。
第1上アーム変圧スイッチScapと第1下アーム変圧スイッチScanとの接続点には、第1リアクトル21aの第1端が接続され、第2上アーム変圧スイッチScbpと第2下アーム変圧スイッチScbnとの接続点には、第2リアクトル21bの第1端が接続されている。第1リアクトル21a及び第2リアクトル21bの第2端には、バッテリ10の正極端子が接続されている。バッテリ10の負極端子には、第1,第2下アーム変圧スイッチScan,Scbnのエミッタが接続されている。
制御システムは、第1リアクトル電流センサ66a及び第2リアクトル電流センサ66bを備えている。第1リアクトル電流センサ66aは、第1リアクトル21aに流れる電流値を第1リアクトル電流検出値ILr1として検出する。第2リアクトル電流センサ66bは、第2リアクトル21bに流れる電流値を第2リアクトル電流検出値ILr2として検出する。第1リアクトル電流センサ66a及び第2リアクトル電流センサ66bの検出値は、制御装置50に入力される。
なお本実施形態において、先の図2の電流偏差算出部53は、第1リアクトル電流検出値ILr1及び第2リアクトル電流検出値ILr2の加算値を目標電流値ILtgtから減算した値として、電流偏差ΔIを算出する。また本実施形態において、第1リアクトル電流センサ66aが第1電流センサに相当し、第2リアクトル電流センサ66bが第2電流センサに相当する。
本実施形態では、昇圧コンバータ20の動作時において、第1リアクトル21aに流れる電流値と第2リアクトル21bに流れる電流値とが等しいとする。より詳しくは、第1リアクトル21aに流れる電流値の直流成分と、第2リアクトル21bに流れる電流値の直流成分とが等しいとする。
ちなみに本実施形態では、図4の異常診断処理において、リアクトル電流検出値ILrに代えて第1リアクトル電流検出値ILr1が用いられ、バッテリ電流検出値IBrに代えて第2リアクトル電流検出値ILr2が用いられる。制御装置50は、第1リアクトル電流センサ66a又は第2リアクトル電流センサ66bのいずれかに異常が生じていると診断することができる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態)
以下、第8実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図15に示すように、制御システムは、第1バッテリ10a及び第2バッテリ10bを備えている。なお図15において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
図15に示すように、第1バッテリ10a及び第2バッテリ10bそれぞれの正極端子には、リアクトル21の第2端が接続されている。第1バッテリ10a及び第2バッテリ10bそれぞれの負極端子には、下アーム変圧スイッチScnのエミッタが接続されている。
制御システムは、第1バッテリ電流センサ67a及び第2バッテリ電流センサ67bを備えている。第1バッテリ電流センサ67aは、第1バッテリ10aに流れる電流値を第1バッテリ電流検出値IB1として検出し、第2バッテリ電流センサ67bは、第2バッテリ10bに流れる電流値を第2バッテリ電流検出値IB2として検出する。各センサ67a,67bの検出値は、制御装置50に入力される。
なお本実施形態では、例えば、第1バッテリ電流センサ67aを第1電流センサとし、リアクトル電流センサ60を第2電流センサとすることができる。また、第2バッテリ電流センサ67bを第1電流センサとし、リアクトル電流センサ60を第2電流センサとすることができる。
ちなみに本実施形態では、図4の異常診断処理において、例えば、バッテリ電流検出値IBrに代えて第2バッテリ電流検出値IB2が用いられる。
以上説明した本実施形態において、制御装置50は、リアクトル電流センサ60又は第1バッテリ電流センサ67aのいずれかに異常が生じていることを診断できる。また、制御装置50は、リアクトル電流センサ60又は第2バッテリ電流センサ67bのいずれかに異常が生じていることを診断できる。
(第9実施形態)
以下、第9実施形態について、上記第7,第8実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態において、制御システムは、図16に示すように、第1リアクトル21aに対応して個別に設けられた第1バッテリ10aと、第2リアクトル21bに対応して個別に設けられた第2バッテリ10bとを備えている。なお図16において、先の図14,図15に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
第1バッテリ10aの正極端子には、第1リアクトル21aの第2端が接続され、第2バッテリ10bの正極端子には、第2リアクトル21bの第2端が接続されている。第1バッテリ10a及び第2バッテリ10bそれぞれの負極端子には、第1,第2下アーム変圧スイッチScan,Scbnのエミッタが接続されている。なお本実施形態において、第1バッテリ10a及び第2バッテリ10bのうち一方がコンデンサであってもよい。
ちなみに本実施形態では、第1バッテリ電流センサ67aを第1電流センサとし、第1リアクトル電流センサ66aを第2電流センサとすることができる。また、第2バッテリ電流センサ67bを第1電流センサとし、第2リアクトル電流センサ66bを第2電流センサとすることができる。
以上説明した本実施形態において、制御装置50は、第1リアクトル電流センサ66a又は第1バッテリ電流センサ67aのいずれかに異常が生じていることを診断できる。また、制御装置50は、第2リアクトル電流センサ66b又は第2バッテリ電流センサ67bのいずれかに異常が生じていることを診断できる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・図4のステップS11において、「Rjdg=ΔIB/ΔIL」としてもよい。この場合、ステップS12において、下式(eq17)が用いられればよい。
Figure 2018157661
・図12のステップS23において、例えば、リアクトル変動量ΔIL又はバッテリ変動量ΔIBのいずれかが設定用変動量ΔIAとして用いられてもよい。またステップS23において、例えば、「ΔIA=(ΔIL+ΔIB)/2」なる関係式に基づいて設定用変動量ΔIAが算出されてもよい。
・バッテリから昇圧コンバータを介して電力が供給される負荷装置としては、インバータ及びモータジェネレータに限らない。
・昇圧コンバータの入力側に接続される電源としては、バッテリに限らず、例えばコンデンサ等、他の蓄電装置であってもよい。
・異常診断装置が適用されるシステムとしては、回転電機の制御システムに限らない。また、異常診断装置が適用されるシステムとしては、車両に搭載されるものに限らない。
20…昇圧コンバータ、50…制御装置、60…リアクトル電流センサ、65…バッテリ電流センサ。

Claims (11)

  1. 蓄電装置(10,10a,10b)と、
    前記蓄電装置の出力電圧を昇圧して出力する昇圧コンバータ(20)と、
    前記昇圧コンバータに流れる電流値を検出する第1電流センサ(60,60a,66a)と、
    前記昇圧コンバータに流れる電流値、又は前記蓄電装置に流れる電流値を検出する第2電流センサ(65,60b,66b,67a,67b)と、を備えるシステムに適用され、
    前記第1電流センサにより検出された電流値である第1電流値の変動量(ΔIL)と、前記第2電流センサにより検出された電流値である第2電流値の変動量(ΔIB)とに基づいて、前記第1電流センサ又は前記第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断するための判定パラメータ(Rjdg,Djdg)を算出するパラメータ算出部と、
    前記第1電流値及び前記第2電流値それぞれの変動量が前記診断に及ぼす影響を非干渉化した状態で前記判定パラメータと判定閾値(ΔIt1,ΔIt2,ΔItd)とを比較することにより、前記第1電流センサ又は前記第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断する診断処理を行う診断部と、を備える電流センサの異常診断装置。
  2. 前記パラメータ算出部は、前記第1電流値の変動量と前記第2電流値の変動量との比を前記判定パラメータ(Rjdg)として算出する請求項1に記載の電流センサの異常診断装置。
  3. 前記第1電流値に含まれる誤差であって、前記昇圧コンバータに流れる実際の電流値が大きいほど絶対値が大きくなる誤差が第1ゲイン誤差として定義されており、
    前記昇圧コンバータに流れる実際の電流値の変化に対する前記第1ゲイン誤差の変化の傾き値が第1倍率(Kgar)として定義されており、
    前記第1倍率の取り得る最大値が第1最大倍率(Kgamax)として定義されており、
    前記第2電流値に含まれる誤差であって、前記昇圧コンバータ又は前記蓄電装置に流れる実際の電流値が大きいほど絶対値が大きくなる誤差が第2ゲイン誤差として定義されており、
    前記昇圧コンバータ又は前記蓄電装置に流れる実際の電流値の変化に対する前記第2ゲイン誤差の変化の傾き値が第2倍率(Kgbr)として定義されており、
    前記第2倍率の取り得る最大値が第2最大倍率(Kgbmax)として定義されており、
    前記判定閾値(ΔIt1,ΔIt2)は、前記第1最大倍率及び前記第2最大倍率に基づいて設定されている請求項2に記載の電流センサの異常診断装置。
  4. 前記判定閾値は、第1判定閾値(ΔIt1)と、前記第1判定閾値よりも小さい第2判定閾値(ΔIt2)とであり、
    前記診断部は、前記診断処理として、前記判定パラメータが前記第1判定閾値よりも大きい場合、又は前記判定パラメータが前記第2判定閾値よりも小さい場合、前記第1電流センサ又は前記第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断する処理を行う請求項3に記載の電流センサの異常診断装置。
  5. 前記パラメータ算出部は、前記第1電流値の変動量と前記第2電流値の変動量との差を前記判定パラメータ(Djdg)として算出し、
    前記第1電流値の変動量及び前記第2電流値の変動量のうち少なくとも一方に基づいて、前記診断部で用いられる前記判定閾値(ΔItd)を可変設定する閾値設定部を備える請求項1に記載の電流センサの異常診断装置。
  6. 前記第1電流値に含まれる誤差であって、前記昇圧コンバータに流れる実際の電流値が大きいほど絶対値が大きくなる誤差が第1ゲイン誤差として定義されており、
    前記昇圧コンバータに流れる実際の電流値の変化に対する前記第1ゲイン誤差の変化の傾き値が第1倍率(Kgar)として定義されており、
    前記第1倍率の取り得る最大値が第1最大倍率(Kgamax)として定義されており、
    前記第2電流値に含まれる誤差であって、前記昇圧コンバータ又は前記蓄電装置に流れる実際の電流値が大きいほど絶対値が大きくなる誤差が第2ゲイン誤差として定義されており、
    前記昇圧コンバータ又は前記蓄電装置に流れる実際の電流値の変化に対する前記第2ゲイン誤差の変化の傾き値が第2倍率(Kgbr)として定義されており、
    前記第2倍率の取り得る最大値が第2最大倍率(Kgbmax)として定義されており、
    前記閾値設定部は、前記第1最大倍率と、前記第2最大倍率と、前記第1電流値の変動量及び前記第2電流値の変動量の少なくとも一方とに基づいて、前記判定閾値を可変設定する請求項5に記載の電流センサの異常診断装置。
  7. 前記閾値設定部は、前記第1最大倍率と、前記第2最大倍率と、前記第1電流値の変動量及び前記第2電流値の変動量のうち大きい方とに基づいて、前記判定閾値を可変設定する請求項6に記載の電流センサの異常診断装置。
  8. 前記診断部は、前記診断処理として、前記判定パラメータの絶対値が前記判定閾値よりも大きい場合、前記第1電流センサ又は前記第2電流センサのいずれかに異常が生じていることを診断する処理を行う請求項5〜7のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
  9. 前記システムは、前記蓄電装置から給電されて動作する電気負荷(41)を備え、
    前記蓄電装置から前記電気負荷への供給電流の変動量(ΔIC)が所定変動量(Iγ)よりも大きい場合、前記診断部による前記診断を禁止する禁止部を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
  10. 前記第1電流値の変動量が第1所定値(Iα)未満であってかつ前記第2電流値の変動量が第2所定値(Iβ)未満である場合、前記診断部による前記診断を禁止する禁止部を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
  11. 前記パラメータ算出部は、所定期間における前記第1電流値の最大値と前記第1電流値の最小値との差を前記第1電流値の変動量として算出し、前記所定期間における前記第2電流値の最大値と前記第2電流値の最小値との差を前記第2電流値の変動量として算出する請求項1〜10のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
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