JP6784181B2 - 電流センサの異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電流センサの異常診断装置に関する。
従来、昇圧コンバータを構成するリアクトルに流れる電流値を検出する電流センサが知られている。特許文献1には、電流センサの異常を診断する制御装置が記載されている。詳しくは、制御装置は、昇圧コンバータの入力電圧検出値と、電動機の消費電力の演算値とに基づいてリアクトル電流値を推定する。制御装置は、推定したリアクトル電流値と、電流センサにより検出された電流値との差の絶対値が閾値よりも大きい場合、電流センサに異常が生じていると診断する。
特開2011−109850号公報
昇圧コンバータの出力側には、出力電圧を平滑化するための平滑コンデンサが設けられている。ここで、平滑コンデンサの蓄積電荷量の変化に応じて、リアクトルに流れる電流値が増減する。このため、上記制御装置のように、昇圧コンバータの入力電圧検出値と、電動機の消費電力の演算値とに基づいてリアクトル電流値を推定する構成では、リアクトル電流値の推定誤差が大きくなる懸念がある。推定誤差が大きい場合、例えば異常判定用の閾値を大きく設定しなければならず、電流センサの異常診断精度が低下し得る。
本発明は、異常診断精度を高めることができる電流センサの異常診断装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、電源から入力される電圧を昇圧して出力する昇圧コンバータを備えるシステムに適用され、前記昇圧コンバータは、前記電源に接続可能なリアクトルと、前記昇圧コンバータの出力側に接続された平滑コンデンサと、を備え、前記システムは、前記リアクトルに流れる電流値を検出する電流センサと、前記平滑コンデンサの電圧値を検出する電圧センサと、を備える。本発明は、前記電圧センサにより検出された電圧値である電圧検出値に基づいて、前記リアクトルに流れる電流値であって、前記平滑コンデンサの蓄積電荷量の変化に依存する電流値である電流推定値を算出する推定電流算出部と、前記推定電流算出部により算出された前記電流推定値と、前記電流センサにより検出された電流値である電流検出値との比較に基づいて、前記電流センサの異常を診断する診断部と、を備える。
平滑コンデンサの蓄積電荷量の変化と、平滑コンデンサの電圧の変化とは相関を有する。この点に鑑み、本発明の推定電流算出部は、電圧センサにより検出された電圧値である電圧検出値に基づいて、リアクトルに流れる電流値であって、平滑コンデンサの蓄積電荷量の変化に依存する電流値である電流推定値を算出する。これにより、平滑コンデンサの蓄積電荷量の変化の影響を考慮した電流推定値を算出できる。このため、電流推定値と、電流センサにより検出された電流値である電流検出値との比較に基づく電流センサの異常診断精度を高めることができる。
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 昇圧コンバータの出力電圧制御処理を示すブロック図。 時比率を説明するための図。 コンバータモデルを用いたリアクトル電流推定処理を示すブロック図。 リアクトル電流センサの異常診断処理を示すフローチャート。 第2実施形態に係るリアクトル電流推定処理を示すブロック図。 第3実施形態に係るリアクトル電流推定処理を示すブロック図。 第4実施形態に係るリアクトル電流推定処理を示すブロック図。 第5実施形態に係る時比率の補正処理を示すフローチャート。 第6実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 第7実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る異常診断装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態において、異常診断装置は、車載主機としての回転電機を備える電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載される。
図1に示すように、車載制御システムは、直流電源としてのバッテリ10、昇圧コンバータ20、インバータ30、モータジェネレータ40及び制御装置50を備えている。バッテリ10は、充電可能な蓄電装置である。本実施形態において、モータジェネレータ40は、車載主機であり、そのロータが図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。モータジェネレータ40としては、例えばロータに永久磁石を備える同期機を用いることができる。なお、バッテリ10及び昇圧コンバータ20は、電源システムを構成している。
昇圧コンバータ20は、リアクトル21、平滑コンデンサ22、上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnを備えている。昇圧コンバータ20は、バッテリ10の出力電圧を所定の電圧を上限として昇圧する機能を有している。本実施形態において、各変圧スイッチScp,Scnは、電圧制御形の半導体スイッチング素子であり、具体的にはIGBTである。なお、各変圧スイッチScp,Scnには、フリーホイールダイオードDcp,Dcnが逆並列に接続されている。
上アーム変圧スイッチScpの高電位側端子であるコレクタには、正極母線Lpが接続されている。上アーム変圧スイッチScpの低電位側端子であるエミッタには、下アーム変圧スイッチScnのコレクタが接続されている。下アーム変圧スイッチScnのエミッタには、負極母線Lnが接続されている。各母線Lp,Lnは、例えばバスバーにて構成されている。
上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnの直列接続体には、平滑コンデンサ22が並列接続されている。上アーム変圧スイッチScpと下アーム変圧スイッチScnとの接続点には、リアクトル21の第1端が接続されている。リアクトル21の第2端には、バッテリ10の正極端子が接続されている。バッテリ10の負極端子には、下アーム変圧スイッチScnのエミッタが接続されている。
正極母線Lp及び負極母線Lnには、インバータ30の入力側が接続されている。インバータ30は、上アームスイッチSup,Svp,Swpと下アームスイッチSun,Svn,Swnとの直列接続体を3相分備えている。本実施形態において、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnは、電圧制御形の半導体スイッチング素子であり、より具体的にはIGBTである。各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnには、各フリーホイールダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
各上アームスイッチSup,Svp,Swpの高電位側端子であるコレクタには、正極母線Lpが接続されている。各下アームスイッチSun,Svn,Swnの低電位側端子であるエミッタには、負極母線Lnが接続されている。
U相上,下アームスイッチSup,Sunの接続点には、モータジェネレータ40のU相巻線40Uの第1端が接続されている。V相上,下アームスイッチSvp,Svnの接続点には、モータジェネレータ40のV相巻線40Vの第1端が接続されている。W相上,下アームスイッチSwp,Swnの接続点には、モータジェネレータ40のW相巻線40Wの第1端が接続されている。各相巻線40U,40V,40Wの第2端は、中性点にて接続されている。U,V,W相巻線40U,40V,40Wは、電気角で互いに120°ずれている。
制御システムは、リアクトル電流センサ60、入力電圧センサ61、出力電圧センサ62、相電流センサ63及び回転位置センサ64を備えている。リアクトル電流センサ60は、リアクトル21に流れる電流値をリアクトル電流検出値ILrとして検出する。入力電圧センサ61は、バッテリ10の出力電圧を入力電圧検出値Vinとして検出する。出力電圧センサ62は、平滑コンデンサ22の端子間電圧を母線電圧検出値Vsysとして検出する。相電流センサ63は、U,V,W相のうち少なくとも2相分の相電流を検出する。回転位置センサ64は、例えばレゾルバであり、モータジェネレータ40のロータの回転位置を検出する。
各センサの検出値は、制御装置50に入力される。制御装置50は、マイコンを主体として構成され、モータジェネレータ40の制御量をその指令値に制御すべく、昇圧コンバータ20及びインバータ30を操作する。本実施形態において、制御量はトルクであり、指令値は指令トルクTcmdである。
制御装置50は、出力電圧センサ62により検出された母線電圧検出値Vsysを目標電圧値Vtgtにフィードバック制御すべく、昇圧コンバータ20を構成する各変圧スイッチScp,Scnをオンオフ操作する。本実施形態において、上アーム変圧スイッチScpと下アーム変圧スイッチScnとは、デッドタイムを挟みつつ交互にオン操作される。
制御装置50は、インバータ30の各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnをオンオフ操作する。上アームスイッチSup、Svp,Swpと、対応する下アームスイッチSun,Svn,Swnとは、デッドタイムを挟みつつ交互にオン操作される。
続いて図2を用いて、制御装置50の行う処理のうち昇圧コンバータ20に関する処理について説明する。なお本実施形態では、リアクトル21の両端のうち、バッテリ10の正極端子側から各変圧スイッチScp,Scnの接続点側へと向かう方向に流れる電流値が正と定義されている。
電圧偏差算出部51は、目標電圧値Vtgtから母線電圧検出値Vsysを減算した値として、電圧偏差ΔVを算出する。
電圧FB制御部52は、電圧偏差ΔVに基づいて、母線電圧検出値Vsysを目標電圧値Vtgtにフィードバック制御するための操作量として、リアクトル21に流れる電流値の目標値である目標電流値ILtgtを算出する。本実施形態において、電圧FB制御部52で用いられるフィードバック制御は、比例積分制御である。
電流偏差算出部53は、目標電流値ILtgtからリアクトル電流検出値ILrを減算した値として、電流偏差ΔIを算出する。
電流FB制御部54は、電流偏差ΔIに基づいて、リアクトル電流検出値ILrを目標電流値ILtgtにフィードバック制御するための操作量として、時比率Dutyを算出する。本実施形態において、電流FB制御部54で用いられるフィードバック制御は、比例積分制御である。時比率Dutyは、図3に示すように、下アーム変圧スイッチScnの1スイッチング周期Tswに対するオン操作時間Tonの比率である。時比率Dutyは、「Vsys/Vin」として表される昇圧比でもある。なお図3では、デッドタイムを0としている。
制御装置50は、算出した時比率Dutyに基づいて、上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnを交互にオン操作する。具体的には例えば、制御装置50は、時比率Duty及びキャリア信号の大小比較に基づくPWM処理により、上,下アーム変圧スイッチScp,Scnの操作信号を生成し、生成した操作信号に基づいて上アーム変圧スイッチScp及び下アーム変圧スイッチScnを交互にオン操作する。
続いて、制御装置50により実行されるリアクトル電流センサ60の異常診断処理について説明する。制御装置50は、リアクトル電流センサ60により検出されたリアクトル電流検出値ILrと、リアクトル21に流れる電流値の推定値であるリアクトル電流推定値ILestとを比較することにより、リアクトル電流センサ60に異常が生じているか否かを診断する。本実施形態では、異常診断精度を高めるために、平滑コンデンサ22の蓄積電荷量を考慮してリアクトル電流推定値ILestを算出する。以下、リアクトル電流センサ60の診断方法の説明に先立ち、電流推定方法について説明する。
平滑コンデンサ22の蓄積電荷量の変化に応じて、リアクトル21に流れる電流値が増減する。平滑コンデンサ22の蓄積電荷量は、例えば、モータジェネレータ40の消費電力が一時的に増大することにより変動する。このため、リアクトル21に流れる電流の推定精度を高めるためには、平滑コンデンサ22の蓄積電荷量の変化を考慮することが必要となる。ここで、平滑コンデンサ22の蓄積電荷量の変化を考慮したリアクトル電流推定値ILestは、下式(eq1)で表される。
Figure 0006784181
上式(eq1)において、Pmはモータジェネレータ40の電力を示し、Cは平滑コンデンサ22の静電容量を示す。上式(eq1)の右辺の第2項には、母線電圧検出値Vsysの時間微分値が含まれている。時間微分値は、母線電圧検出値Vsysのノイズの影響を受けやすいため、時間微分値がリアクトル電流推定値ILestの算出に用いられると、電流推定精度が低下し得る。したがって、時間微分値がリアクトル電流推定値ILestの算出に用いられるのは好ましくない。そこで本実施形態では、微分演算が行われない電流推定方法が用いられている。
上式(eq1)を変形すると、下式(eq2)が導かれる。
Figure 0006784181
上式(eq2)において、「Duty=Vin/Vsys」及び「Im=Pm/Vsys」である。Imをモータ電流値と称すこととする。上式(eq2)の両辺を積分すると、下式(eq3)が導かれる。
Figure 0006784181
上式(eq3)において、Vcalを、平滑コンデンサ22の端子間電圧の推定値である母線電圧推定値と称すこととする。上式(eq3)は、「Vsys=Vcal」となるILestがリアクトル電流推定値であることを示している。本実施形態では、母線電圧推定値Vcalを算出するための積分時間の制約等の都合により、リアクトル電流推定値ILestを逐次算出する補償器が用いられる。補償器が備えられる構成を図4に示す。図4は、制御装置50が行う処理のうち、電流推定及び異常診断に関する処理を示すブロック図である。
モータ電流推定部70は、昇圧コンバータ20からインバータ30に供給される電流推定値であるモータ電流推定値Imestを算出する。本実施形態において、昇圧コンバータ20は、下式(eq4)のように、指令トルクTcmd、母線電圧検出値Vsys及びモータジェネレータ40の回転速度Nrに基づいてモータ電流推定値Imestを算出する。なお、回転速度Nrは、例えば、回転位置センサ64の検出値に基づいて算出されればよい。また本実施形態において、モータ電流推定部70が「出力電流推定部」に相当する。
Figure 0006784181
モデル推定部71は、電流FB制御部54により算出された時比率Dutyと、モータ電流推定部70により算出されたモータ電流推定値Imestと、補償器73により算出されたリアクトル電流推定値ILestとを、下式(eq5)に示すコンバータモデルに入力することにより、母線電圧推定値Vcalを算出する。
Figure 0006784181
上式(eq5)は、平滑コンデンサ22の蓄積電荷量の変化を考慮した電流推定式である上式(eq1)に基づいて導かれたものである。このため、上式(eq5)で表されるコンバータモデルは、母線電圧推定値Vcalの変化が平滑コンデンサ22の蓄積電荷量の変化に依存するように構成されたモデルである。
誤差算出部72は、母線電圧検出値Vsysから母線電圧推定値Vcalを減算した値として、電圧推定誤差Verrを算出する。
補償器73は、電圧推定誤差Verrを0にフィードバック制御するための操作量として、リアクトル電流推定値ILestを算出する。本実施形態において、補償器73で用いられるフィードバック制御は、下式(eq6)に示すように比例積分制御である。下式(eq6)は補償器73の伝達関数Coである。下式(eq6)において、Kpaは比例ゲインを示し、Kiaは積分ゲインを示し、sはラプラス演算子を示す。
Figure 0006784181
補償器73により算出されたリアクトル電流推定値ILestは、モデル推定部71に入力され、母線電圧推定値Vcalの算出に用いられる。なお、リアクトル21の両端のうち、バッテリ10の正極端子側から各変圧スイッチScp,Scnの接続点側へと向かう方向が正となるようにリアクトル電流推定値ILestの極性が定義されている。
以上説明した電流推定処理によれば、「Vcal<Vsys」となる場合、リアクトル電流推定値ILestがリアクトル21に実際に流れる電流値よりも小さいとして、リアクトル電流推定値ILestが増加させられる。一方、「Vcal>Vsys」となる場合、リアクトル電流推定値ILestがリアクトル21に実際に流れる電流値よりも大きいとして、リアクトル電流推定値ILestが減少させられる。これにより、リアクトル電流推定値ILestはその真値に収束する。リアクトル電流推定値ILestがその真値に収束した場合、「Vcal=Vsys」となる。
モータ電流推定部70の処理、モデル推定部71の処理、誤差算出部72の処理及び補償器73の処理が1制御周期において順次実行される。これにより、制御周期毎にリアクトル電流推定値ILestが逐次算出される。
続いて、制御装置50の備える診断部80について説明する。診断部80は、補償器73から逐次出力されるリアクトル電流推定値ILestと、リアクトル電流検出値ILrとを比較することにより、リアクトル電流センサ60の異常診断処理を行う。本実施形態において、診断部80で用いられるリアクトル電流推定値ILestには、第1ローパスフィルタ部81においてローパスフィルタ処理が施される。第1ローパスフィルタ部81は、リアクトル電流推定値ILestに重畳される高周波ノイズを除去する。このノイズは、例えば、インバータ30のスイッチの操作信号を生成する際に用いられるキャリアの影響で発生する。また、診断部80で用いられるリアクトル電流検出値ILrには、第2ローパスフィルタ部82においてローパスフィルタ処理が施される。このフィルタ処理で除去される高周波ノイズは、例えば、昇圧コンバータ20のスイッチの操作信号を生成する際に用いられるキャリア信号の影響で発生する。なお、第1ローパスフィルタ部81及び第2ローパスフィルタ部82のフィルタ特性は、例えば、各フィルタ部81,82での位相遅れにより、リアクトル電流推定値ILestとリアクトル電流検出値ILrとの間の位相差が所定位相差以上にならないように設定されればよい。
図5に、診断部80により実行されるリアクトル電流センサ60の異常診断処理の手順を示す。この処理は、例えば所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、リアクトル電流検出値ILrからリアクトル電流推定値ILestを減算した値の絶対値が閾値Ith(>0)よりも大きいか否かを判定する。リアクトル電流センサ60に異常が生じた場合、リアクトル電流検出値ILrは、リアクトル21に実際に流れる電流値から大きく乖離する。一方、リアクトル電流センサ60に異常が生じた場合であっても、リアクトル電流推定値ILestは、リアクトル21に実際に流れる電流値近傍の値となる。このため、リアクトル電流検出値ILrとリアクトル電流推定値ILestとの乖離度合いが大きくなることをもって、リアクトル電流センサ60に異常が生じている旨診断することができる。
ステップS10において否定判定した場合には、ステップS11に進み、リアクトル電流センサ60に異常が生じていない旨診断する。一方、ステップS10において肯定判定した場合には、ステップS12に進み、リアクトル電流センサ60に異常が生じている旨診断する。
以上詳述した本実施形態によれば、平滑コンデンサ22の蓄積電荷量の変化を考慮して、リアクトル21に流れる電流値の推定精度を高めることができる。これにより、リアクトル電流推定値ILestを用いたリアクトル電流センサ60の異常診断精度を高めることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態において、図6に示すモータ電流推定部74は、インバータ30及びモータジェネレータ40それぞれにおける損失を加味してモータ電流推定値Imestを算出する。なお図6において、先の図4に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
モータ電流推定部74は、下式(eq7)のように、モータジェネレータ40の電力の推定値であるモータ電力推定値Pmot、母線電圧検出値Vsys及びインバータ30及びモータジェネレータ40それぞれにおける電力損失Plossに基づいて、モータ電流推定値Imestを算出する。ここで、電力損失Plossには、モータジェネレータ40における抵抗損失及び鉄損と、インバータ30における導通損失及びスイッチング損失が含まれる。
Figure 0006784181
なお、モータ電力推定値Pmotは、例えば、下式(eq8)に示されるように、モータジェネレータ40のトルク推定値Teと、モータジェネレータ40の回転速度Nrとに基づいて算出されればよい。ここで、トルク推定値Teは、例えば、相電流センサ63及び回転位置センサ64の検出値に基づいて算出されればよい。
Figure 0006784181
以上説明した本実施形態によれば、リアクトル21に流れる電流の推定精度をより高めることができる。その結果、リアクトル電流センサ60の異常診断精度をより高めることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図7に示すように、リアクトル21に流れる電流の推定に、リアクトル電流センサ60により検出されたリアクトル電流検出値ILrが用いられる。なお図7において、先の図4に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
補償器75は、電圧推定誤差Verrを0にフィードバック制御するための操作量として、リアクトル電流検出値ILrを補正するための電流補正値Icorを算出する。本実施形態において、補償器75で用いられるフィードバック制御は、下式(eq9)に示すように比例積分制御である。下式(eq9)は補償器73の伝達関数Coである。下式(eq9)において、Kpbは比例ゲインを示し、Kibは積分ゲインを示す。
Figure 0006784181
補正部76は、リアクトル電流検出値ILrに電流補正値Icorを加算した値としてリアクトル電流推定値ILestを算出する。補正部76から出力されたリアクトル電流推定値ILestは、モデル推定部71に入力され、母線電圧推定値Vcalの算出に用いられる。
モータ電流推定部70の処理、モデル推定部71の処理、誤差算出部72の処理及び補償器75の処理及び補正部76の処理が1制御周期において順次実行される。これにより、制御周期毎にリアクトル電流推定値ILestが逐次算出される。
以上説明した電流推定処理によれば、リアクトル電流センサ60に異常が生じていない場合、リアクトル電流検出値ILrが変動したとしても、その変動に対するリアクトル電流推定値ILestの追従性を高めることができる。これは、リアクトル電流センサ60に異常が生じていない場合、リアクトル電流検出値ILrとリアクトル電流推定値ILestとが略一致するため、モデル推定部71及び補償器75等における遅れの影響を受けないためである。
診断部80は、先の図5に示したように、リアクトル電流検出値ILrからリアクトル電流推定値ILestを減算した値の絶対値が閾値Ithよりも大きいか否かを判定することにより、リアクトル電流センサ60の異常の有無を診断する。つまり、リアクトル電流センサ60に異常が生じていない場合、リアクトル電流検出値ILrとリアクトル電流推定値ILestとが略一致するため、図5のステップS10において否定判定される。これに対し、リアクトル電流センサ60に異常が生じた場合、リアクトル電流検出値ILrはリアクトル21に実際に流れる電流値から乖離するものの、リアクトル電流推定値ILestは、補償器75で算出された電流補正値Icorにより補正され、リアクトル21に実際に流れる電流値近傍の値となる。このため、図5のステップS10において肯定判定される。このように本実施形態によっても、リアクトル電流センサ60の異常診断を行うことができる。
なお、本実施形態におけるリアクトル電流センサ60の異常には、固着異常及びゲイン小異常が含まれる。固着異常は、リアクトル21に実際に流れる電流値が変化しても、リアクトル電流検出値ILrが一定のままとなる異常である。ゲイン小異常は、リアクトル電流検出値ILrが、リアクトル21に実際に流れる電流値よりも小さくなる異常である。具体的には例えば、ゲイン小異常は、リアクトル電流検出値ILrが、リアクトル21に実際に流れる電流値に、0よりも大きくてかつ1よりも小さい所定の係数(例えば1/10)を乗算した値になる異常である。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、上記第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図8に示すように、制御装置50は、第1ローパスフィルタ部81及び第2ローパスフィルタ部82に代えて、第1ハイパスフィルタ部83及び第2ハイパスフィルタ部84を備えている。なお図8において、先の図6に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
図8に示すように、診断部80で用いられるリアクトル電流推定値ILestには、第1ハイパスフィルタ部83においてハイパスフィルタ処理が施される。第1ハイパスフィルタ部83は、リアクトル電流推定値ILestに重畳される低周波ノイズを除去する。具体的には、第1ハイパスフィルタ部83は、リアクトル電流推定値ILestに重畳される直流成分のノイズを除去する。つまり、モータ電流推定部74で用いられるトルク推定値Teは、通常、モータジェネレータ40のモータ特性パラメータの中央特性値を用いて推定される。ここで、モータ特性パラメータは、実際には製造公差等によりばらつくため、モータジェネレータ40の実際のトルクとトルク推定値Teとは一致しない。この場合、リアクトル電流推定値ILestは、リアクトル21に実際に流れる電流値からオフセットをもって乖離する。このオフセット分を除去するために、第1ハイパスフィルタ部83が設けられている。
また、診断部80で用いられるリアクトル電流検出値ILrには、第2ハイパスフィルタ部84においてハイパスフィルタ処理が施される。第2ハイパスフィルタ部84は、リアクトル電流検出値ILrに重畳される低周波ノイズを除去する。具体的には、第2ハイパスフィルタ部84は、リアクトル電流検出値ILrに重畳される直流成分のノイズを除去する。この直流成分のノイズには、例えば、リアクトル電流センサ60のオフセット誤差が含まれる。オフセット誤差は、リアクトル電流検出値ILrが、リアクトル21に実際に流れる電流値から所定量ずれる誤差である。
診断部80は、先の図5に示した方法でリアクトル電流センサ60の異常診断処理を行う。なお本実施形態において、図5のステップS10の閾値Ithは、例えば、各ハイパスフィルタ部83,84で除去されるオフセット分を考慮して、リアクトル電流センサ60の異常の有無を診断できるように設定されればよい。
以上説明した本実施形態によっても、リアクトル電流センサ60の異常診断精度を高めることができる。
なお、各ハイパスフィルタ部83,84が備えられる構成は、上記第3実施形態で用いられてもよい。また、各ハイパスフィルタ部83,84とともに各ローパスフィルタ部81,82が併用される構成であってもよい。この場合、診断部80で用いられるリアクトル電流推定値ILestには、第1ハイパスフィルタ部83においてハイパスフィルタ処理が施されるとともに、第1ローパスフィルタ部81においてローパスフィルタ処理が施される。また、診断部80で用いられるリアクトル電流検出値ILrには、第2ハイパスフィルタ部84においてハイパスフィルタ処理が施されるとともに、第2ローパスフィルタ部82においてローパスフィルタ処理が施される。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、モデル推定部71で用いられる時比率DutyをデッドタイムDTに基づいて補正する。
実際の時比率は、リアクトル21に流れる電流値の極性により、デッドタイム分変化する。このため、制御装置50は、先の図2に示す処理により算出した時比率DutyをデッドタイムDTに基づいて補正する。
図9に、デッドタイムに基づく時比率補正処理の手順を示す。この処理は、制御装置50により例えば所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS20では、リアクトル電流検出値ILrが0以上であるか否かを判定する。この処理は、リアクトル21に流れる電流値の極性を判定するための処理である。本実施形態では、上記第1実施形態で説明したように、リアクトル21の両端のうち、バッテリ10の正極端子側から各変圧スイッチScp,Scnの接続点側へと向かう方向に流れる電流値が正と定義されている。
ステップS20において肯定判定した場合には、ステップS21に進み、下式(eq10)で表されるデットタイム補正値dmodを時比率Dutyに加算した値として、実効時比率Dtyfを算出する。下式(eq10)において、Tcは、各変圧スイッチScp,Scnの操作信号を生成する際に用いられるキャリア信号の周期を示す。
Figure 0006784181
ステップS20において否定判定した場合には、リアクトル21に流れる電流値の極性が負であると判定し、ステップS22に進む。ステップS22では、時比率Dutyからデットタイム補正値dmodを減算した値として、実効時比率Dtyfを算出する。
ステップS21,S22で算出された実効時比率Dtyfが、モデル推定部71において用いられる。これにより、リアクトル21に流れる電流値の推定精度をより高めることができる。
(第6実施形態)
以下、第6実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、診断部80で用いられるリアクトル電流推定値ILestの算出方法を変更する。詳しくは、制御装置50は、上式(eq1)に基づく下式(eq11)に、モータ電力推定値Pmot、入力電圧検出値Vin、母線電圧検出値Vsys、及び母線電圧検出値の時間微分値「dVsys/dt」を入力することにより、リアクトル電流推定値ILestを算出する。なお、モータ電力推定値Pmotは、上記第2実施形態で説明した方法により算出されればよい。
Figure 0006784181
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
(第7実施形態)
以下、第7実施形態について、上記各実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図10に示すように、昇圧コンバータ20の構成を変更する。なお図10において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
昇圧コンバータ20は、第1リアクトル21a、第2リアクトル21b、平滑コンデンサ22、第1上アーム変圧スイッチScap、第1下アーム変圧スイッチScan、第2上アーム変圧スイッチScbp及び第2下アーム変圧スイッチScbnを備えている。
本実施形態において、各変圧スイッチScap,Scan,Scbp,ScbnはIGBTである。なお、各変圧スイッチScap,Scan,Scbp,Scbnには、フリーホイールダイオードDcap,Dcan,Dcbp,Dcbnが逆並列に接続されている。
第1,第2上アーム変圧スイッチScap,Scbnのコレクタには、正極母線Lpが接続されている。第1上アーム変圧スイッチScapのエミッタには、第1下アーム変圧スイッチScanのコレクタが接続され、第2上アーム変圧スイッチScbpのエミッタには、第2下アーム変圧スイッチScbnのコレクタが接続されている。第1,第2下アーム変圧スイッチScan,Scbnのエミッタには、負極母線Lnが接続されている。
第1上アーム変圧スイッチScapと第1下アーム変圧スイッチScanとの接続点には、第1リアクトル21aの第1端が接続され、第2上アーム変圧スイッチScbpと第2下アーム変圧スイッチScbnとの接続点には、第2リアクトル21bの第1端が接続されている。第1リアクトル21a及び第2リアクトル21bの第2端には、バッテリ10の正極端子が接続されている。バッテリ10の負極端子には、第1,第2下アーム変圧スイッチScan,Scbnのエミッタが接続されている。
制御システムは、リアクトル電流センサ65を備えている。リアクトル電流センサ65は、第1リアクトル21aの第2端及び第2リアクトル21bの第2端の接続点と、バッテリ10の正極端子とを接続する電気経路に流れる電流を検出する。このため、リアクトル電流センサ65は、第1リアクトル21a及び第2リアクトル21bそれぞれに流れる電流値の合計値をリアクトル電流検出値ILrとして検出する。リアクトル電流センサ65の検出値は、制御装置50に入力される。
以上説明した本実施形態において、上記第1〜第6実施形態で説明したリアクトル電流値の推定手法及びリアクトル電流センサの診断手法を用いることができる。
(第8実施形態)
以下、第8実施形態について、上記第7実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図11に示すように、リアクトル電流センサによる検出箇所を変更する。なお図11において、先の図10に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
制御システムは、第1リアクトル電流センサ66a及び第2リアクトル電流センサ66bを備えている。第1リアクトル電流センサ66aは、第1リアクトル21aに流れる電流値を第1リアクトル電流検出値ILr1として検出する。第2リアクトル電流センサ66bは、第2リアクトル21bに流れる電流値を第2リアクトル電流検出値ILr2として検出する。第1リアクトル電流センサ66a及び第2リアクトル電流センサ66bの検出値は、制御装置50に入力される。
本実施形態において、先の図2の電流偏差算出部53は、第1リアクトル電流検出値ILr1及び第2リアクトル電流検出値ILr2の加算値を目標電流値ILtgtから減算した値として、電流偏差ΔIを算出する。
制御装置50は、先の図4に示した方法により、第1リアクトル21aに流れる電流推定値である第1リアクトル電流推定値と、第2リアクトル21bに流れる電流推定値である第2リアクトル電流推定値とをそれぞれ算出する。詳しくは、制御装置50は、補償器73で算出したリアクトル電流推定値ILestの1/2の値を、第1リアクトル電流推定値及び第2リアクトル電流推定値のそれぞれとして算出する。
診断部80は、第1リアクトル電流検出値ILr1から第1リアクトル電流推定値「ILest/2」を減算した値の絶対値が第1閾値Ith1(>0)よりも大きいと判定した場合、第1リアクトル電流センサ66aに異常が生じている旨診断する。また、診断部80は、第2リアクトル電流検出値ILr2から第2リアクトル電流推定値「ILest/2」を減算した値の絶対値が第2閾値Ith2(>0)よりも大きいと判定した場合、第2リアクトル電流センサ66bに異常が生じている旨診断する。なお、第1閾値Ith1及び第2閾値Ith2は、互いに同一の値に設定されてもよいし、異なる値に設定されてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、第1リアクトル電流センサ66a及び第2リアクトル電流センサ66bの異常を個別に診断することができる。
なお本実施形態では、上,下アーム変圧スイッチが2組備えられる昇圧コンバータを例にして説明したが、上,下アーム変圧スイッチが3組以上備えられる昇圧コンバータであってもよい。この場合、上,下アーム変圧スイッチの組のそれぞれに対応してリアクトルが個別に設けられ、また、各リアクトルに対応してリアクトル電流センサが個別に設けられる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第2実施形態において、上式(eq7)の右辺第2項を削除し、電力損失Plossが無視されたモータ電流推定値Imestが算出されてもよい。
・モータ電流推定値Imestが、下式(eq12)に表されるように、インバータ30からモータジェネレータ40に印加するdq座標系の電圧指令ベクトルVdqと、モータジェネレータ40に流すdq座標系の電流指令ベクトルIdqとの内積に基づいて算出されてもよい。この場合、例えば、モータジェネレータ40のトルク推定処理が実装されていない制御装置であっても、モータ電流推定値Imestを算出できる。
Figure 0006784181
・制御システムにモータジェネレータが複数備えられていてもよい。例えば、制御システムにモータジェネレータが2つ備えられる場合、モータ電流推定値Imestは、例えば下式(eq13)に基づいて算出されてもよい。なお下式(eq13)において、Te1,Te2は第1,第2モータジェネレータのトルク推定値を示し、Nr1,Nr2は第1,第2モータジェネレータの回転速度を示す。
Figure 0006784181
・上式(eq7)に基づくモータ電流推定値Imestの算出方法が用いられる場合、モータジェネレータ40に供給される電流を検出するセンサを制御システムに備えなくてもよい。
・第1ローパスフィルタ部81及び第2ローパスフィルタ部82のうち、いずれかを制御装置50に備えなくてもよい。
・第1ハイパスフィルタ部83及び第2ハイパスフィルタ部84のうち、いずれかを制御装置50に備えなくてもよい。
・先の図4,図6,図7に示す構成に、第1ローパスフィルタ部81及び第2ローパスフィルタ部82の双方を備えなくてもよい。
・補償器で用いられるフィードバック制御としては、比例積分制御に限らず、例えば、積分制御又は比例制御であってもよい。また、比例積分制御、積分制御及び比例制御に微分制御がさらに含まれていてもよい。
・バッテリから昇圧コンバータを介して電力が供給される負荷装置としては、インバータ及びモータジェネレータに限らない。
・昇圧コンバータの入力側に接続される電源としては、バッテリに限らず、例えばコンデンサ等、他の蓄電装置であってもよい。
・異常診断装置が適用されるシステムとしては、車両に搭載されるものに限らない。
20…昇圧コンバータ、21…リアクトル、22…平滑コンデンサ、50…制御装置、60…リアクトル電流センサ、62…出力電圧センサ。

Claims (10)

  1. 電源(10)から入力される電圧を昇圧して出力する昇圧コンバータ(20)を備えるシステムに適用され、
    前記昇圧コンバータは、前記電源に接続可能なリアクトル(21;21a,21b)と、前記昇圧コンバータの出力側に接続された平滑コンデンサ(22)と、を備え、
    前記システムは、
    前記リアクトルに流れる電流値を検出する電流センサ(60;65;66a,66b)と、
    前記平滑コンデンサの電圧値を検出する電圧センサ(62)と、を備え、
    前記電圧センサにより検出された電圧値である電圧検出値(Vsys)に基づいて、前記リアクトルに流れる電流値であって、前記平滑コンデンサの蓄積電荷量の時間変化に依存する電流値である電流推定値(ILest)を算出する推定電流算出部(71〜73;71,72,75,76)と、
    前記推定電流算出部により算出された前記電流推定値と、前記電流センサにより検出された電流値である電流検出値(ILr)との比較に基づいて、前記電流センサの異常を診断する診断部(80)と、を備える電流センサの異常診断装置。
  2. 前記推定電流算出部は、前記電圧検出値と、前記電圧検出値の微分値とに基づいて、前記電流推定値を算出する請求項1に記載の電流センサの異常診断装置。
  3. 前記推定電流算出部は、前記リアクトルに流れる電流値(ILest)及び前記昇圧コンバータの出力電流値(Imest)を入力とし、前記昇圧コンバータの出力電圧値(Vcal)を出力とするモデルであって、前記出力電圧値が前記平滑コンデンサの蓄積電荷量に依存するように構成されたコンバータモデルに基づいて、前記電流推定値を算出する請求項1に記載の電流センサの異常診断装置。
  4. 前記推定電流算出部(71〜73)は、前記コンバータモデルに基づいて、前記出力電圧値の推定値である電圧推定値を算出し、算出した前記電圧推定値を前記電圧検出値にフィードバック制御するための操作量として前記電流推定値を算出する請求項3に記載の電流センサの異常診断装置。
  5. 前記推定電流算出部は、
    前記コンバータモデルに基づいて、前記出力電圧値の推定値である電圧推定値を算出し、算出した前記電圧推定値を前記電圧検出値にフィードバック制御するための操作量として前記電流検出値を補正する補正値(Icor)を算出する補正値算出部(71,72,75)と、
    前記補正値算出部により算出された前記補正値に基づいて前記電流検出値を補正することにより、前記電流推定値を算出する補正部(76)と、を含む請求項3に記載の電流センサの異常診断装置。
  6. 前記昇圧コンバータは、上アームスイッチ(Scp)及び下アームスイッチ(Scp)の直列接続体を備え、
    前記コンバータモデルは、前記リアクトルに流れる電流値、前記昇圧コンバータの出力電流値及び前記昇圧コンバータの昇圧比(Duty)を入力とするモデルであり、
    前記推定電流算出部は、前記コンバータモデルに入力する前記昇圧比を、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチが同時にオンされることを防止するデッドタイム(DT)に基づいて補正し、補正した前記昇圧比と前記コンバータモデルとに基づいて前記電流推定値を算出する請求項3〜5のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
  7. 前記システムは、前記昇圧コンバータの出力電力に基づいて駆動される回転電機(40)を備え、
    前記昇圧コンバータ及び前記回転電機の間で伝達される電力と、前記電圧検出値とに基づいて、前記昇圧コンバータの出力電流値を推定する出力電流推定部(70,74)を備え、
    前記推定電流算出部は、前記出力電流推定部により推定された前記出力電流値と、前記コンバータモデルとに基づいて、前記電流推定値を算出する請求項3〜6のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
  8. 前記出力電流推定部(74)は、前記回転電機における損失をさらに用いて前記出力電流値を算出する請求項7に記載の電流センサの異常診断装置。
  9. 前記電流推定値及び前記電流検出値のうち少なくとも一方にローパスフィルタ処理を施すローパス処理部(81,82)を備え、
    前記診断部は、前記電流推定値及び前記電流検出値のうち前記ローパスフィルタ処理が施された値を用いて前記異常を診断する請求項1〜8のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
  10. 前記電流推定値及び前記電流検出値のうち少なくとも一方にハイパスフィルタ処理を施すハイパス処理部(83,84)を備え、
    前記診断部は、前記電流推定値及び前記電流検出値のうち前記ハイパスフィルタ処理が施された値を用いて前記異常を診断する請求項1〜9のいずれか1項に記載の電流センサの異常診断装置。
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