JP2018156767A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2018156767A
JP2018156767A JP2017051139A JP2017051139A JP2018156767A JP 2018156767 A JP2018156767 A JP 2018156767A JP 2017051139 A JP2017051139 A JP 2017051139A JP 2017051139 A JP2017051139 A JP 2017051139A JP 2018156767 A JP2018156767 A JP 2018156767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
negative electrode
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017051139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6702242B2 (ja
Inventor
洋 坪内
Hiroshi Tsubouchi
洋 坪内
藤田 秀明
Hideaki Fujita
秀明 藤田
行広 岡田
Yukihiro Okada
行広 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017051139A priority Critical patent/JP6702242B2/ja
Publication of JP2018156767A publication Critical patent/JP2018156767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6702242B2 publication Critical patent/JP6702242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】DMEを含む非水電解質を備えた非水電解質二次電池において、電池が製造された時点における体積出力密度が高く、電池が製造された時点からある程度期間が経過しても、体積出力密度の低下が抑制された、耐久性に優れた非水電解質二次電池を提供すること。【解決手段】非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極および非水電解質を備える。正極活物質はLiNiaCobMncO2(1≦c/b≦9、0.8≦a/(a+b+c)≦0.9)からなり、負極活物質は、黒鉛を含み、非水電解質は、ジメトキシエタンを含む。正極活物質表面には、Ce、YbおよびErからなる群から選択される1種以上の元素が配置される。【選択図】図1

Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
特開2010−278014号公報(特許文献1)は、LiNi0.8Co0.1Mn0.1で表される正極活物質を有する正極と、黒鉛炭素物質を負極活物質として備える負極と、ジメトキシエタン(DME)を含む電解質とを備える非水電解質二次電池(以下単に、「電池」とも記す)を開示している。
特開2010−278014号公報
特許文献1においてDMEを含む電解質を用いる理由は、DMEが低粘度であるため、電解質の電気伝導性が向上すると考えられているためである。
しかしながらDMEは、耐酸化性が低いことが知られている。したがって、DMEを含む電解質を用いた場合、DMEが徐々に酸化され、電解質の組成が経時的に変化すると考えられる。これにより、電解質の電気伝導性が経時的に低減するものと考えられる。また、DMEは、リチウムイオンと共に黒鉛に共挿入され、負極を劣化させることが知られている。
特許文献1において開示される電池は、日数を経るとごとにDMEが徐々に酸化され電解質の組成が経時的に変化し、かつ、DMEが黒鉛に共挿入され、これにより負極が劣化するものと考えられる。したがって、日数を経るごとに電池が有する体積出力密度が低下するものと考えられる。ここで、本明細書の「体積出力密度」とは、電池の体積当りに取り出せるエネルギーをいい、Wh/mという単位で示される。エネルギーは、電圧に電流値を乗じたものである。
すなわち、特許文献1において開示されている電池は、経時的な体積出力密度の低下において、改善の余地がある。
本開示の目的は、DMEを含む電解質を用いた際において、電池が製造された時点における体積出力密度が高く、電池が製造された時点からある程度期間が経過しても、体積出力密度の低下が抑制された、耐久性に優れた電池を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用メカニズムが説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極および非水電解質を備える。正極活物質は、LiNiCoMn(1≦c/b≦9、0.8≦a/(a+b+c)≦0.9)からなる。正極活物質表面には、Ce(セリウム)、Yb(イッテルビウム)およびEr(エルビウム)からなる群から選択される1種以上の元素が配置されている。負極活物質は、黒鉛を含む。非水電解質は、DMEを含む。
上記のLiNiCoMn(1≦c/b≦9、0.8≦a/(a+b+c)≦0.9)からなる正極活物質の表面には、Ce、YbおよびErからなる群から選択される1種以上の元素が配置されている。加えて、負極活物質は黒鉛を含み、非水電解質は、DMEを含む。正極活物質の表面に上述の元素を配置することにより、DMEの分解電位が引き上げられるものと考えられる。したがって、DMEの有する低粘度という特性が保たれると考えられる。ここで、本明細書の「DMEの分解電位」とは、DMEの酸化反応の際に発生する電位差(V)であり、その値が大きいほど、DMEが酸化されにくいことを示す。したがって、正極活物質の表面に上述の元素を配置することにより、DMEの耐酸化性が向上するものと考えられる。また、正極活物質から溶出したMnと、正極物質上に配置されている上述の元素とが、負極において被膜を形成すると考えられる。当該負極に形成された被膜により、DMEがリチウムイオンと共に負極に共挿入されることが低減されると考えられる。すなわち、DMEを含む電解質を用いた際において、電池が製造された時点からある程度期間(たとえば、数か月)が経過しても、体積出力密度の低下が抑制された耐久性に優れた電池が提供されることが期待される。
図1は、本開示に係る電池が備える正極活物質LiNiCoMn(1≦c/b≦9、0.8≦a/(a+b+c)≦0.9)の組成図である。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池>
非水電解質二次電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極体を備え、この電極体が非水電解質とともに電池ケースに配置されて構成されている。電極体は、扁平に巻回した形態(巻回電極体)とすることもできる。
<正極>
本実施形態に係る正極は、正極活物質を含む。正極は正極集電体を備え、正極活物質は正極合材層に含有され、正極合材層は正極集電体上に配置される。正極集電体は、たとえば、アルミニウム(Al)箔等であってもよい。Al箔は、純Al箔であってもよいし、Al合金箔であってもよい。正極集電体は、たとえば、10〜30μmの厚さを有してもよい。
《正極活物質》
図1は、正極活物質であるLiNiCoMnにおける、Ni(ニッケル)の組成比a、Co(コバルト)の組成比bおよびMn(マンガン)の組成比cについて、X軸をa/(a+b+c)とし、Y軸をc/bとした際における、本開示に係る電池が備える正極活物質の組成を示したものである。本開示における正極活物質は、図1の四角形状の網掛け部分の領域に属する組成を有する。すなわち、正極活物質は、LiNiCoMn(1≦c/b≦9、0.8≦a/(a+b+c)≦0.9(以下、「関係式(I)」とも記す)からなる。
正極活物質であるLiNiCoMnにおいて、Niの組成比a、Coの組成比bおよびMnの組成比cは、上記関係式(I)を満たす。上記関係式(I)においてa/(a+b+c)が0.8未満の場合、LiNiCoMnにおいて、Niの組成比aが小さいことが考えられる。正極活物質に含まれるNiの量が不足した場合、電池の体積出力密度が低くなると考えられる。また、上記関係式(I)においてa/(a+b+c)が0.9を超える場合、LiNiCoMnにおいて、Niの組成比aが大きいことが考えられる。係る場合、正極活物質に含まれるCoおよびMnの量が不足すると考えられる。正極活物質に含まれるCoの量が不足した場合、電池の初期抵抗が高くなると考えられる。ここで、本明細書の「初期抵抗」とは、初期状態にある電池の抵抗をいい、「初期状態」とは、たとえば、電池を製造した直後の状態をいう。正極活物質に含まれるMnの量が不足した場合、正極活物質から溶出したMnによる被膜が負極に形成されず、負極の劣化が低減されないおそれがある。
上記関係式(I)においてc/bが9を超える場合、LiNiCoMnにおいて、Coの組成比bが小さい(すなわち、Mnの組成比cが大きい)ことが考えられる。係る場合、正極活物質に含まれるCoの量が不足するため、上述の通り電池の初期抵抗が高くなると考えられる。また、上記関係式(I)においてc/bが1未満の場合、LiNiCoMnにおいて、Coの組成比bが大きい(すなわち、Mnの組成比cが小さい)ことが考えられる。係る場合、正極活物質に含まれるNiおよびMnの量が不足すると考えられる。正極活物質に含まれるNiの量が不足した場合、上述の通り電池の体積出力密度が低くなると考えられる。正極活物質に含まれるMnの量が不足した場合、上述の通り正極活物質から溶出したMnによる被膜が負極に形成されず、負極の劣化が低減されないおそれがある。
なお、Mnの組成比cとCoの組成比bは、1≦c/b≦8となる関係を満たしてもよいし、8≦c/b≦9となる関係を満たしてもよいし、1≦c/b≦7となる関係を満たしてもよいし、7≦c/b≦9となる関係を満たしてもよいし、1≦c/b≦6となる関係を満たしてもよいし、6≦c/b≦9となる関係を満たしてもよいし、1≦c/b≦5となる関係を満たしてもよいし、5≦c/b≦9となる関係を満たしてもよいし、1≦c/b≦4となる関係を満たしてもよいし、4≦c/b≦9となる関係を満たしてもよいし、1≦c/b≦3となる関係を満たしてもよいし、3≦c/b≦9となる関係を満たしてもよいし、1≦c/b≦2となる関係を満たしてもよいし、2≦c/b≦9となる関係を満たしてもよい。
《正極活物質表面に配置される元素》
Ce、Yb、およびErからなる群から選択される1種以上の元素が、正極活物質の表面に配置されている。なお、本明細書の「正極活物質の表面に配置されている」とは、正極活物質の結晶粒子の表面に配置されていることをいう。正極活物質の結晶粒子の表面とは、正極活物質の外表面のみならず、結晶粒子が有する細孔の表面も含むものである。なお、正極活物質の表面に配置された元素の一部は、正極活物質の結晶構造に組み込まれてもよいし、組み込まれなくてもよい。これらの元素は、単独で正極活物質の表面に配置されてもよいし、組み合わせて正極活物質の表面に配置されてもよい。すなわち、正極活物質表面には、Ce、Yb、およびErからなる群から選択される1種以上の元素が配置されている。正極活物質表面にこのような元素が配置されることにより、DMEの分解電位が引き上げられ、DMEの酸化が抑制されると期待される。加えて、正極活物質から溶出したMnと、正極物質上に配置されているCe、YbおよびErからなる群から選択される1種以上の元素とが、負極において被膜を形成すると考えられる。当該負極に形成された被膜により、DMEがリチウムイオンと共に負極に共挿入されることが低減されると考えられる。これらの元素の含有量は、たとえば、正極活物質を構成するLi以外の金属元素を100mol%としたときに、0.5mol%以上2mol%以下であってもよいし、0.8mol%以上2mol%以下であってもよいし、0.5mol%以上1.5mol%以下であってもよいし、その他の含有量であってもよい。
正極活物質表面に上記元素を配置するための原料としては、たとえば、上記元素の化合物を用いてもよい。上記元素の化合物としては、上記元素の水酸化物を用いてもよいし、上記元素のオキシ水酸化物を用いてもよいし、上記元素の酸化物を用いてもよい。これらの材料は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書の「正極活物質表面には、Ce、Yb、およびErからなる群から選択される1種以上の元素が配置され」とは、正極活物質の表面に上述の元素そのものが配置されてもよいし、上述の元素の化合物が配置されていてもよいし、上述の元素そのものと上述の元素の化合物とが組み合わされて配置されてもよいことを意味する。
上記元素の化合物の具体例としては、たとえば、水酸化セリウム、水酸化イッテルビウム、水酸化エルビウム、オキシ水酸化セリウム、オキシ水酸化イッテルビウム、オキシ水酸化エルビウム、酸化セリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウム等を用いてもよい。
《正極合材層》
正極合材層は、上記正極活物質、導電材およびバインダ(結着材)を含む。導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。
正極合材層は、分散剤を含んでもよい。分散剤としては、例えばポリビニルアセタール系の分散剤(バインダー型の分散剤)を用いることができる。ポリビニルアセタール系の分散剤としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルベンザール、ポリビニルフェニルアセタール、およびこれらの共重合体等を挙げることができる。
<負極>
本実施形態に係る負極は、負極活物質を含む。負極は負極集電体を備え、負極活物質は負極合材層に含有され、負極合材層は負極集電体上に配置される。負極集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等であってもよい。負極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極活物質およびバインダ等を含有する。負極合材層は、例えば、95〜99質量%の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有してもよい。
《負極活物質》
負極活物質は、黒鉛を含む。黒鉛としては、塊状黒鉛、鱗片状黒鉛等の天然黒鉛、炭素前駆体を焼成処理して得られる人造黒鉛、あるいは、これらの黒鉛に粉砕、篩分け、プレス等の加工処理を施したものを用いることができる。また、非晶質炭素による被覆処理を黒鉛に行ってもよい。
<非水電解質>
非水電解質は、非水溶媒および支持塩を含む。非水溶媒は、少なくともDMEを含む。すなわち、非水電解質は、DMEを含む。なお、非水電解質は非水溶媒としてDMEのみを含んでもよいし、DMEに加えてその他の非水溶媒を含んでもよい。その他の非水溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の環状あるいは鎖状の炭酸エステル類を用いてもよい。支持塩は、たとえば、ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF)等のLi塩でよい。Li塩の濃度は、たとえば、0.5〜2.0mоl/L程度でよい。非水電解質は、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等の添加剤を含んでいてもよい。
<セパレータ>
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極と負極とを電気的に隔離する。セパレータは、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータは、たとえば、多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータは、多層構造を含んでもよい。たとえば、セパレータは、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。セパレータは、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえば、アルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
<電池ケース>
電池ケースは、たとえば、角形(扁平直方体)であってもよいし、円筒形であってもよいし、袋状であってもよい。たとえば、アルミニウム(Al)、Al合金等の金属が電池ケースを構成する。ただし、電池ケースが所定の密閉性を有する限り、たとえば金属および樹脂の複合材が電池ケースを構成してもよい。金属および樹脂の複合材としては、たとえば、アルミラミネートフィルム等が挙げられる。電池ケースは、外部端子、注液孔、ガス排出弁、電流遮断機構(CID)等を備えていてもよい。
<用途>
本開示において示される電池は、たとえば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等の動力電源が挙げられる。
ただし、本開示において示される電池の用途は、こうした車載用途に限定されるべきではない。本開示において示される電池は、あらゆる用途に適用可能である。
以下、本開示の実施例が説明される。ただし以下の例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の製造>
《実施例1》
1.正極活物質の調製
Niの組成比a、Coの組成比bおよびMnの組成比cが、c/b=1、かつ、a/(a+b+c)=0.8となるように、Niの硫酸塩、Coの硫酸塩およびMnの硫酸塩が純水に溶解された。これにより硫酸塩水溶液が得られた。水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が、硫酸塩水溶液に滴下された。これにより正極活物質の前駆体(共沈水酸化物)が生成された。純水により前駆体が洗浄された。洗浄後の前駆体が乾燥された。乾燥後の前駆体が炭酸リチウム(Li2CO3)と混合された。これにより混合物が得られた。混合物が900℃で15時間加熱された。これにより焼成物が得られた。ボールミルにより焼成物が粉砕された。以上より、LiNiCoMn(c/b=1、a/(a+b+c)=0.8)で表される正極活物質を得た。
2.金属元素が表面に配置された正極活物質の調製
以下の材料が準備された。
正極活物質:上記で調製したLiNiCoMn
導電材:アセチレンブラック(AB)
バインダ:ポリフッ化ビニリデン(PVdF)
溶媒:1−メチル−2ピロリドン(NMP)
表面配置元素源:酸化イッテルビウム
プラネタリミキサにより、LiNiCoMn、AB、PVdFおよびNMPが混合された。これにより、ペースト状の正極活物質(以下、「正極活物質ペースト」と記載する)が調製された。
正極活物質ペーストに含まれるLiNiCoMnのLi以外の金属元素を100mol%としたときに、1mol%のYbが添加されるように、酸化イッテルビウムを正極活物質ペーストに添加した。その後、メカノケミカル処理によりLiNiCoMnの表面が、酸化イッテルビウムで被覆された。これにより、表面に酸化イッテルビウムが配置された、すなわち、表面にYbが配置されたLiNiCoMnのペースト(以下、「Ybが表面に配置された正極活物質ペースト」と記載する)が調製された。メカノケミカル処理には、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)が使用された。Ybが表面に配置された正極活物質ペーストが大気中500℃で5時間熱処理された。これにより、酸化イッテルビウムが表面に配置された、すなわち、Ybが表面に配置された正極活物質が調製された。
3.ペースト状の正極合材(以下、「正極合材ペースト」と記載する)の調製
以下の材料が準備された。
正極活物質:上記で得られた、Ybが表面に配置された正極活物質
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:NMP
プラネタリミキサにより、Ybが表面に配置された正極活物質、AB、PVdFおよびNMPが混合された。これにより、正極合材ペーストが調製された。
4.非水電解質二次電池用正極の形成
正極集電体である10μmの厚さを有するAl箔の両主面上に、正極合材ペーストが塗布され、乾燥された。これにより、正極集電体の表裏両面に正極合材層が形成された。正極合材層は、表面にYbが配置されたLiNiCoMnからなる正極活物質を含んでいる。以上より、非水電解質二次電池用正極が形成された。正極は圧延され、帯状に裁断された。正極の電極密度は、3.0g/ccであった。なお、本明細書の「正極の電極密度」とは、集電体上に形成された、Ybが表面に配置された正極活物質、ABおよびPVdFを含む正極合材の密度である。
5.非水電解質二次電池用負極の形成
以下の材料が準備された。
負極活物質:非晶質コート球形化天然黒鉛
増粘材:カルボキシメチルセルロース(CMC)
バインダ:スチレンブタジエンゴム(SBR)
溶媒:水
負極集電箔:Cu箔(厚さ10μm)
ここで、本明細書の「非晶質コート球形化天然黒鉛」とは、球形化処理が施された天然黒鉛粒子に、非晶質炭素による被覆処理をさらに施した複合粒子をいう。
攪拌装置の攪拌槽に、非晶質コート球形化天然黒鉛、CMC、SBRおよび水を投入し、攪拌することにより、ペースト状の負極合材(以下、「負極合材ペースト」と記載する)が調製された。負極合材ペーストにおいて固形分の配合は、質量比で、非晶質コート天然黒鉛:CMC:SBR=99:0.5:0.5とした。
負極集電体であるCu箔の両主面に、上記負極合材ペーストが塗布され、乾燥された。これにより、負極集電体の表裏両面に負極合材層が形成された。以上により、非水電解質二次電池用負極が形成された。負極は圧延され、帯状に裁断された。負極の電極密度は、1.5g/ccであった。なお、本明細書の「負極の電極密度」とは、Cu箔上に形成された、非晶質コート球形化天然黒鉛、CMCおよびSBRを含む負極合材の密度である。
6.非水電解質の準備
以下の組成を有する電解質が準備された。
溶媒組成:[EC:DMC:EMC:DME=2:3:2:3(体積比)]
支持塩:LiPF6(1.1mоl/L)
7.非水電解質二次電池の製造
帯状の正極、帯状の負極および帯状のセパレータ(PP/PE/PPの三層構造)がそれぞれ準備された。セパレータを挟んで、正極と負極とが対向するように、正極、セパレータ、負極、セパレータの順で積層され、さらに渦巻状に巻回された。これにより電極群が構成された。正極および負極に端子がそれぞれ接続された。電極群がアルミニウムからなる電池ケースに収納された。電池ケースに非水電解質が注入され、電池ケースが密閉された。以上より、非水電解質二次電池が製造された。電池は、円筒形(直径18mm、高さ65mm)である。電池は、2.5〜4.1Vの電圧範囲で1.0Ahの容量を有するように設計されている。なお、正負極容量比(負極容量/正極容量)は1.1であった。
<実施例2〜5>
下記表1に示されるように、LiNiCoMnの組成が異なることを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<実施例6および7>
下記表1に示されるように、正極活物質表面に配置される元素(表面配置元素)が異なることを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<比較例1〜4>
下記表1に示されるように、LiNiCoMnの組成が異なることを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<比較例5>
下記表1に示されるように、表面配置元素が正極活物質表面に配置されないことを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<初期電池の体積出力密度測定試験>
温度25℃に設定された恒温槽内に、未使用の各実施例および比較例に係る電池(初期電池)が配置された。5Cの電流により、電圧が4.1Vから2.5Vに達するまで電池が放電され、定電流放電カーブを得た。当該定電流放放電カーブより、放電により得られた電力量(単位:Wh)が算出された。当該電力量が電池の体積(単位:m)で除されることにより、体積出力密度(Wh/m)が算出された。なお、表1には比較例5の体積出力密度を100として、他の例の体積出力密度を相対評価した。結果は下記表1の「体積出力密度評価」の「初期」の欄に示されている。
<保存試験>
上記体積出力密度測定試験を行った後、各実施例および比較例に係る電池は、温度25℃で4.1Vまで充電された。4.1Vまで充電された各実施例および比較例の電池を、温度60℃の恒温槽内で60日間保存した。これにより、保存試験後の電池を得た。保存試験後の各実施例および比較例の電池の体積出力密度を、初期電池の体積出力密度測定試験と同様の方法で測定した。結果は下記表1の「体積出力密度評価」の「保存試験後」の欄に示されている。
Figure 2018156767
<結果>
上記表1に示されるように、実施例1〜7は比較例1〜5と比較して、初期において良好な体積出力密度を有し、保存試験後における体積出力密度においても優れている。したがって、電池が製造された時点における体積出力密度が高く、かつ、60日間の保存試験後においても、体積出力密度の低下が抑制された、耐久性に優れた電池を得ることができた。各実施例では、LiNiCoMnにおけるNiの組成比a、Coの組成比bおよびMnの組成比cは上述の関係式(I)を満たし、正極活物質の表面には、Ce、YbおよびErからなる群から選択される1種の元素が配置されている。係る構成を備えることにより、DMEの酸化を低減することができ、加えて正極活物質から溶出したMnと、正極物質上に配置されている元素とが、負極において被膜を形成したものと考えられる。負極に当該被膜が形成されることにより、DMEがリチウムイオンと共に負極に共挿入されることが低減されたと考えられる。これにより、電池の体積出力密度の低下が抑制されたと考えられる。
比較例3および4から、c/bの値が9を超えると電池の初期抵抗が増加し、初期の体積出力密度評価が不十分な値となることが示された。また、比較例1および4から、a/(a+b+c)の値が0.8未満である場合や、0.9を超える場合は、初期電池の体積出力密度評価が不十分な値となることが示された。
《LiNiCoMnの組成および表面配置元素》
図1は、本開示に係る電池が備える正極活物質LiNiCoMn(1≦c/b≦9、0.8≦a/(a+b+c)≦0.9)の組成図である。図1の四角形状の網掛け部分の領域に属する組成は、LiNiCoMnにおけるa、bおよびcが、上記関係式(I)を満たす場合の組成に対応している。実施例1および3〜6は、図1の四角形状の網掛け部分の領域の、各頂点のいずれかに該当する組成を有している。したがって、正極活物質が図1の四角形状の網掛け部分の領域内に属する組成を備え、正極活物質の表面に、Ce、YbおよびErからなる群から選択される少なくとも1種の元素が配置されていれば、60日間の保存試験後においても、体積出力密度の低下が抑制された、耐久性に優れた電池が得られるものと考えられる。すなわち、正極活物質LiNiCoMnにおけるa、bおよびcが、上記式関係(I)を満たし、正極活物質の表面に、Ce、YbおよびErからなる群から選択される少なくとも1種の元素が配置されている場合、DMEを含む非水電解質を備えた電池において、電池が製造された時点における体積出力密度が高く、かつ、電池が製造された時点からある程度期間が経過しても体積出力密度の低下が抑制された、耐久性に優れた電池が得られるものと期待される。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲によって定められる技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。

Claims (1)

  1. 正極活物質を含む正極、
    負極活物質を含む負極、および
    非水電解質、を備え、
    前記正極活物質はLiNiCoMn(1≦c/b≦9、0.8≦a/(a+b+c)≦0.9)からなり、
    前記正極活物質表面には、Ce、Yb、およびErからなる群から選択される1種以上の元素が配置され、
    前記負極活物質は、黒鉛を含み、
    前記非水電解質は、ジメトキシエタンを含む、
    非水電解質二次電池。
JP2017051139A 2017-03-16 2017-03-16 非水電解質二次電池 Active JP6702242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017051139A JP6702242B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017051139A JP6702242B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018156767A true JP2018156767A (ja) 2018-10-04
JP6702242B2 JP6702242B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=63716711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017051139A Active JP6702242B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6702242B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10284120A (ja) * 1997-04-02 1998-10-23 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 非水溶媒電解液を有する二次電池
JP2011159619A (ja) * 2010-01-06 2011-08-18 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
WO2012099265A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用正極活物質、その正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極及びその正極を用いた非水電解質二次電池
JP2014072072A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池用正極活物質、その製造方法及び当該正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極
WO2015125444A1 (ja) * 2014-02-19 2015-08-27 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用正極活物質
JP2016207331A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 宇部興産株式会社 非水電解液、並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10284120A (ja) * 1997-04-02 1998-10-23 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 非水溶媒電解液を有する二次電池
JP2011159619A (ja) * 2010-01-06 2011-08-18 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
WO2012099265A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用正極活物質、その正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極及びその正極を用いた非水電解質二次電池
JP2014072072A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池用正極活物質、その製造方法及び当該正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極
WO2015125444A1 (ja) * 2014-02-19 2015-08-27 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用正極活物質
JP2016207331A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 宇部興産株式会社 非水電解液、並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6702242B2 (ja) 2020-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106505242B (zh) 电解质及包括所述电解质的锂电池和二次电池
WO2017038041A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP5797993B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP6743755B2 (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法
JP5999457B2 (ja) リチウム二次電池およびその製造方法
KR20120025445A (ko) 리튬 2차 전지
JP5822044B1 (ja) 非水電解液、並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタ
JP2013077424A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2019212419A (ja) 非水電解液二次電池
JP2018181539A (ja) リチウムイオン二次電池用負極
CN111512480A (zh) 锂二次电池
CN108242558B (zh) 锂离子二次电池
KR102587533B1 (ko) 이차 전지용 전해질 및 이를 포함하는 이차 전지
JP2009212021A (ja) 電気化学素子用電極、非水二次電池および電池システム
US10749167B2 (en) Lithium ion secondary battery and method of manufacturing the same
KR20130123621A (ko) 리튬-공기 전지용 양극 촉매, 그의 제조방법 및 그를 포함하는 리튬-공기 전지
JPWO2015146024A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP5790772B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP7235405B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP7111638B2 (ja) リチウム二次電池の正極材料
CN112054163A (zh) 二次电池的正极和使用该正极的二次电池
JP6119641B2 (ja) 円筒形非水電解液二次電池
JP2020024947A (ja) 正極活物質
JP6794961B2 (ja) 負極活物質粒子、負極、リチウムイオン二次電池、および負極活物質粒子の製造方法
KR101842328B1 (ko) 비수 전해질 이차 전지 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200420

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6702242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250