JP2018155581A - 酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法 - Google Patents

酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子材料の洗浄工程などで使用される洗浄液中の酸化剤濃度を、金属成分等の不純物の影響を受けずに、簡便かつ正確に測定することができるとともに、安定的な連続モニタリングを可能とする酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法を提供する。
【解決手段】 試料液中の酸化剤濃度測定装置10は、流量が所定値に制御された試料液に対して流量が所定値に制御されたガスを供給するガス供給手段1と、ガス供給手段1でガスが供給された後の試料液中の酸化剤を熱分解する熱分解手段2と、熱分解手段2で発生した酸素ガスを含む気体成分の流量を測定するガス流量測定手段5と、ガスの流量の所定値とガス流量測定手段5で得られた酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値とに基づき、試料液中の酸化剤の濃度を算出する演算手段6とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸化剤の濃度を測定する装置及び方法に関し、特に、半導体や電子ディスプレイ(液晶、プラズマディスプレイ、有機ELなど)といった電子材料の洗浄工程で使用される洗浄液中の酸化剤の濃度を測定する装置及び方法に関する。
オゾン水、過硫酸水などの、有機物を酸化分解する酸化力を有する洗浄液を用いて電子材料の表面洗浄(残渣除去、エッチングなど)を行う場合には、酸化力の指標となる洗浄液中の酸化剤濃度の測定による管理が必要となる。従来、洗浄液中の酸化剤濃度の測定方法としては、定期的に洗浄液をサンプリングし、サンプリングした試料液を電量滴定法などでオフライン分析する方法が一般的であるが、例えば半導体ウェハ表面のエッチングなどの生産性と精密さとが求められる洗浄工程においては、洗浄液中の酸化剤濃度を連続モニタリングすることによる即時的な管理が強く求められている。
酸化剤濃度のモニタリング技術に関しては、試料液の吸光度から試料液中の酸化剤濃度を算出する紫外線吸光度法による測定方式が確立されている。
しかし、洗浄工程において洗浄液を循環利用するような場合には、洗浄するにつれて洗浄排液中の不純物が混入し、混入した不純物が吸光度の値に影響を及ぼすため、紫外線吸光度法では酸化剤濃度の正確なモニタリングが難しいという問題がある。例えば、洗浄液としてSPM溶液(硫酸と過酸化水素水との混合液)を用いて半導体ウェハの洗浄を行う工程においては、紫外線吸光度法による酸化剤濃度計が活用されているが、半導体ウェハ表面から溶解した金属成分がSPM溶液に混入すると、混入した金属成分の影響で吸光度の値が変化するため、紫外線吸光度法による酸化剤濃度計では洗浄液の酸化剤濃度を正確に測定することができなくなってしまう。
また、酸化剤濃度の測定技術に関しては、例えば特許文献1−3に、熱処理を伴う測定方法が提案されている。特許文献1には、過硫酸塩等の酸化性物質を含む評価液を加熱し、加熱による分解で生成した過酸化水素を検出して酸化性物質の濃度を定量する方法が、特許文献2には、試料溶液中の過酸化水素を触媒で分解した後、溶存酸素濃度を測定し、この測定値から過酸化水素濃度を定量する方法が開示されているが、更なる改善が望まれている。
一方、特許文献3には、酸化剤を加熱分解して発生する酸素ガスを含む放散ガスの放散量(流量)を測定し、その測定値に基づいて試料液の酸化剤濃度を求める方法が開示されている。特許文献3に開示の方法によれば、金属成分等の不純物が混入した溶液についても、混入した不純物の影響を受けずに溶液の酸化剤濃度を測定することが可能である。
特開2012−184951号公報 特開2010−127830号公報 特開2016−136139号公報
特許文献3に開示の方法においては、試料液中の酸化剤が加熱分解されて発生した放散ガスの流量を測定するにあたり、加熱分解器により分解された放散ガスとの気液混合状態の流体を、後段の気液分離器で気液分離できる程度まで、放散ガスに含まれる酸素を気泡として成長させる必要があるところ、加熱分解器内での試料液の滞留時間が短いと、酸素が気泡として十分に成長せず、流体内に留まったままとなり、理論値に対して計測値が小さくなってしまう。よって、これを防ぐためには、試料液の流量を少なくすることで加熱分解器内での試料液の滞留時間を長くする必要がある。
しかし、試料液の流量が少ない場合には、酸素流量(単位時間当たりの酸素量)が少なくなり、放散ガスの測定値のばらつきが大きくなってしまうのに加えて、図3に示すように、酸素の微小な気泡が加熱分解器の壁面に付着し、この付着した気泡がある程度成長してから壁面からはがれるため、一時的に酸素ガスの流量が増加する、いわゆるハンチング現象が起こり、測定データが正確なものにならないため、安定的な連続モニタリングが難しいという問題がある。
本発明は上述のような事情に基づいてなされたものであり、電子材料の洗浄工程などで使用される洗浄液中の酸化剤濃度を、金属成分等の不純物の影響を受けずに、簡便かつ正確に測定することができるとともに、安定的な連続モニタリングを可能とする酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、試料液中の酸化剤の濃度測定装置であって、流量が所定値に制御された試料液に対して流量が所定値に制御されたガスを供給するガス供給手段と、前記ガス供給手段でガスが供給された後の前記試料液中の酸化剤を熱分解する熱分解手段と、前記熱分解手段で発生した酸素ガスを含む気体成分の流量を測定するガス流量測定手段と、前記ガスの流量の所定値と前記ガス流量測定手段で得られた前記酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値とに基づき、前記試料液中の酸化剤濃度を算出する演算手段とを備える酸化剤濃度測定装置を提供する(発明1)。
上述のように、酸化剤濃度測定装置に対する試料液の流量が少ない場合、放散ガスの測定値のばらつきが大きくなったり、いわゆるハンチング現象が起こったりすることがある。かかる発明(発明1)によれば、ガス供給手段により、熱分解処理前の試料液に対してガスを吹き込むことによって、試料液中の酸化剤が熱分解処理される際、熱分解手段内の酸素の微細な気泡が吹き込まれたガスに付着して流れるので、熱分解手段の壁面への酸素の微細な気泡の付着を抑制することができ、酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値のばらつきやハンチング現象を防ぐことができるので、測定装置の立ち上げ時間を短縮することができるとともに、安定的な連続モニタリングが可能となる。また、従来のように酸素を気泡として十分に成長させる必要がないため、熱分解手段内での試料液の滞留時間を短くすることができ、熱分解手段の容量を小さくすることができる。
上記発明(発明1)においては、前記ガスが酸素又は窒素であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)においては、前記試料液が硫酸溶液であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1−3)においては、前記熱分解手段で発生した液体成分と酸素ガスを含む気体成分との気液混合体を気液分離する気液分離手段をさらに備えることが好ましい(発明4)。
ガスが供給された後の試料液中の酸化剤を熱分解すると、液体成分と酸素ガスを含む気体成分の気液混合体が発生する。かかる発明(発明4)によれば、この気液混合体を液体成分と酸素ガスを含む気体成分とに気液分離することができるので、ガス流量測定手段において酸素ガスを含む気体成分の流量をより正確に測定することができる。
上記発明(発明4)においては前記気液分離手段で分離された酸素ガスを含む気体成分を冷却する気体冷却手段をさらに備えることが好ましい(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、分離された酸素ガスを含む気体成分を冷却することにより、この気体成分に残存する水分などの蒸気を凝縮させて除去することができるので、試料液中の酸化剤濃度の測定精度を向上させることができる。
第二に本発明は、試料液中の酸化剤の濃度測定方法であって、流量が所定値に制御された試料液に対して流量が所定値に制御されたガスを供給するガス供給工程と、前記ガス供給工程でガスが供給された後の前記試料液中の酸化剤を熱分解する熱分解工程と、前記熱分解工程で発生した酸素ガスを含む気体成分の流量を測定するガス流量測定工程と、前記ガスの流量の所定値と前記ガス流量測定工程で得られた前記酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値とに基づき、前記試料液中の酸化剤の濃度を算出する演算工程とを備える酸化剤濃度測定方法を提供する(発明6)。
本発明の酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法によれば、ガス供給手段により、熱分解処理前の試料液に対してガスを吹き込むことによって、試料液中の酸化剤が熱分解処理される際、熱分解手段内の酸素の微細な気泡が吹き込まれたガスに付着して流れるので、熱分解手段の壁面への酸素の微細な気泡の付着を抑制することができ、酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値のばらつきやハンチング現象を防ぐことができるので、測定装置の立ち上げ時間を短縮することができるとともに、安定的な連続モニタリングが可能となる。また、従来のように酸素を気泡として十分に成長させる必要がないため、熱分解手段内での試料液の滞留時間を短くすることができ、熱分解手段の容量を小さくすることができる。
本発明の一実施形態に係る酸化剤濃度測定装置を示す説明図である。 図1の酸化剤濃度測定装置を用いた酸化剤濃度測定方法を示すフロー図である。 従来の酸化剤濃度測定装置における加熱分解器内の状態変化を示す説明図である。 従来の酸化剤濃度測定装置を示す説明図である。
以下、本発明の酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法の実施の形態について詳説する。
[測定メカニズム]
まず、本発明の酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法における測定のメカニズムを説明する。本発明では、流量が所定値に制御された試料液に対して、流量が所定値に制御されたガスを吹き込んだ後、この試料液中の酸化剤を熱分解させ、これにより発生する酸素ガスを含む気体成分の流量を測定し、この測定値から予め吹き込んだガスの流量を差し引くことにより、試料液の酸化剤濃度を算出している。ここで、試料液中の酸化剤は大きく以下(1)及び(2)の二種類に分けられるが、いずれも熱分解等により酸素を生成するため、分解により生成し放散された酸素ガスを含む気体成分の流量を測定することにより、この測定値に基づき試料液の酸化剤濃度を算出することができる。
(試料液中の酸化剤)
(1)酸化剤自体に酸素を保有しており、分解により酸素を発生するもの
過硫酸、過酸化水素、過マンガン酸塩、クロム酸、過酸化物、硝酸カリウム等が挙げられ、例えば過マンガン酸塩であれば、以下の反応式に従って分解し酸素を生成する。
MnO → Mn + 2O
(2)電子の授受で酸化剤の役割を果たすもの(水中で反応して過酸化物となり分解時に酸素を放出するもの)
ハロゲン、トレンス試薬等が挙げられ、例えば塩素であれば、以下の反応式に従って分解し酸素を生成する。
Cl + 2HO → 2HClO → 2HCl + O
電子材料の洗浄工程で使用される洗浄液や、洗浄排液を再生して循環利用される洗浄液には、酸化剤が消費されるような有機物(TOC)が実質的に含まれていないため、本発明によれば、上記メカニズムにより洗浄液中の酸化剤の濃度を的確に求めることができる。なお、試料液中の酸化剤は、その大部分(例えば分解率が90%以上、好ましくは95%以上)が分解されることが測定精度上は望ましいが、酸化剤の分解率が低い場合(例えば80%程度)であっても、数分以内に分解して分解率を定常化できれば原理的には酸化剤の濃度測定が可能である。酸化剤の分解率については後述する。
[酸化剤濃度の算出方法]
次に、酸素ガスを含む気体成分の流量に基づき試料液中の酸化剤の濃度を算出する方法について、試料液が(1)電解硫酸、(2)アンモニア過水、(3)SPM溶液の場合を例に以下詳説する。
(1)電解硫酸
試料液中の全酸化剤の濃度を、試料液に含有されるいずれかの酸化剤の濃度として算出する。
このとき、測定に供される試料液中の単位時間当たりの酸化剤のモル数は下記式で算出される。
酸化剤モル数[mol/min]=試料液の流量[mL/min]×酸化剤濃度[g/L]×10−3/分子量
酸化剤が完全分解した際に、酸化剤から発生するO(酸素原子)のモル数を、酸化剤のモル数のn倍とすると、酸化剤の分解で発生する酸素ガス(O分子)の単位時間当たりのモル数は、下記式で算出される。
酸素ガスモル数[mol/min]=酸化剤モル数[mol/min]×n÷2
この酸素ガス量を体積換算すると、標準状態(1atm)における酸素ガスの流量(mL/min)は下記式で算出される。
酸素ガス流量[mL/min]=酸素ガスモル数[mol/min]×22.4
この酸素ガス流量から、予め吹き込んだ酸素ガス流量を差し引いたものを、真の酸素ガス流量としたとき、酸化剤濃度は下記式で求められる。
酸化剤濃度[g/L]=(真の酸素ガス流量[mL/min]×分子量×2)/(試料液流量[mL/min]×n×22.4)
ここで、試料液が電解硫酸の場合、電解硫酸に含まれる酸化剤はほぼ過硫酸(ペルオキシ二硫酸とペルオキシ一硫酸の混合状態)であり、酸化剤濃度をペルオキシ二硫酸濃度として算出することができる。ペルオキシ二硫酸の完全分解の際にペルオキシ二硫酸と同モルの酸素が酸素ガスとして発生するため、酸化剤濃度は下記式のようになる。
酸化剤濃度[g/L as S 2−]=(真の酸素ガス流量[mL/min]×S 2−分子量192×2)/(試料液流量[mL/min]×1×22.4)
なお、酸化剤が完全分解でない場合については酸化剤濃度に酸化剤の分解率(%)を乗じることで補正してもよい。酸化剤の分解率については後述する。
(2)アンモニア過水
希薄なAPM溶液(アンモニア過水)は例えば、28重量%アンモニア水試薬:30重量%過酸化水素水試薬:超純水=1:4:95(体積比)で使用される。APM溶液では酸化剤の全量が過酸化水素であるものとして酸化剤濃度を算出する。
このとき、1L中のHの質量は、
(1L×4/100)×比重1≒40g(ほとんど水なので比重を1として)
で、Hのモル数は
40g×30重量%/H分子量34=0.35[mol−H
である。以降、上記(1)の場合と同様にしてHが完全分解の際に、Hと同量の酸素が酸素ガスとして発生するため、発生する酸素ガスのモル数は
0.35[mol−H]×1÷2=0.18[mol−O
となる。よって、酸素ガスのモル数を体積換算すると、
0.18[mol−O]×22.4≒4.0[L−O
であるから、以上の関係より、酸化剤濃度は下記式で求められる。
酸化剤濃度[g/L as H]=(真の酸素ガス流量[mL/min]×H分子量34×2)/(試料液流量[mL/min]×1×22.4)
(3)SPM溶液
SPM溶液(硫酸と過酸化水素水との混合液)に含まれる主な酸化剤はペルオキシ一硫酸と過酸化水素の二種である。
上記(2)の場合と同様にして、酸化剤の全量が過酸化水素であるものとして酸化剤濃度を算出することができる。
混合比によって酸化剤の分解の困難性は異なるが、30重量%過酸化水素:96重量%硫酸=1:4〜1:50(体積比)であれば分解率75%以上が得られる。また、分解率75%以上まで酸化剤を分解する条件としては例えば、加熱(150℃以上、好ましくは180℃以上)、分解触媒、加熱と紫外線照射の組み合わせが考えられる。
なお、SPM溶液は電解硫酸とは異なり循環再利用する度に過酸化水素を混合するため硫酸濃度とペルオキソ一硫酸濃度が低くなるので、フレッシュな硫酸と過酸化水素を混合した直後の未使用のSPM溶液の酸化剤濃度を測定することが、本発明を適用する上では好ましいが、循環再利用の際の酸化剤濃度を測定してSPM溶液の交換時期を判定することも原理的には可能である。
[酸化剤の分解率]
次に、酸化剤の分解率について詳説する。酸化剤の分解率は、予め所定の設定条件において予備試験を行い、分解前の試料液中の酸化剤濃度と、分解後の試料液中の酸化剤濃度とに基づき計算により求めることができる。例えば、後述する実施例において、熱分解手段2による酸化剤の分解率は、加熱温度180℃、滞留時間12.5分であれば約75%であり、加熱温度200℃、滞留時間5分では約90%であり、加熱温度200℃、滞留時間12.5分では95−100%である。したがって、演算手段6によって、ガス流量測定手段5で測定された酸素ガスを含む気体成分の流量を上記分解率で除すことにより、試料液中の酸化剤濃度を算出することができる。
以下、本発明の酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定方法の実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではない。
〔酸化剤濃度測定装置〕
図1は、本発明の一実施形態に係る酸化剤濃度測定装置10を示す説明図である。図1に示す測定装置10は、ガス供給手段1、熱分解手段2、気液分離手段3、気体冷却手段4、ガス流量測定手段5、演算手段6、液体冷却手段7、分離液返送タンク8を主に備える。
酸化剤濃度測定装置10には、電子材料の洗浄システムが備える過硫酸供給装置(ESAユニット)等から分取された試料液を熱分解手段2に供給する配管L1と、熱分解手段2と気液分離手段3とを接続する配管L2と、気液分離手段3と気体冷却手段4とを接続する配管L3と、気体冷却手段4とガス流量測定手段5とを接続する配管L4とが設けられている。配管L1上には、配管L6を介してガス供給手段1が設けられている。配管L3上には、配管L7を介して液体冷却手段7が設けられており、液体冷却手段7と分離液返送タンク8とは、配管L8により接続されている。ガス流量測定手段5には、流量測定後の酸素ガスを含む気体成分を排出するための配管L5が、分離液返送タンク8には、冷却された液体成分を排出するための配管L10が、それぞれ設けられている。配管L10を経て排出された液体成分は、電子材料の洗浄システムへと返送される。配管L1上において、配管L6との接続部より下流側から枝分かれして設けられる配管L9は、分離液返送タンク8に接続している。
なお、配管L1上には、配管L6との接続部より上流側に、試料液の流量を測定する液体流量計F1と開閉バルブV2と調節計とを有する流量制御機構が設けられている。この流量制御機構により、試料液は流量が所定値になるように制御される。
[ガス供給手段]
ガス供給手段1は、流量が所定値に制御された試料液に対して流量が所定値に制御されたガスを供給するものである。本実施形態において、ガス供給手段1は、ガスを収容したボンベ(ガスボンベ)と開閉バルブV3とガス流量計F2とを有する構成であるが、配管L1を流通する試料液に流量が所定値に制御されたガスを吹き込むことができるものであれば、これに限られるものではない。試料液の流量は、20−300mL/minの間であることが好ましく、50−100mL/minであることがより好ましい。ガスの流量は、5mL/min以上であることが好ましく、特に5−100mL/minの間であることが好ましい。ガスの流量が5mL/min以上であることにより、酸化剤濃度測定装置10が安定化するまでの立ち上げ時間を短縮することが可能となる。ガスは酸素又は窒素であることが好ましい。ガス供給手段1でガスが供給された後の試料液は、配管L1を経て熱分解手段2に供給される。
[熱分解手段]
熱分解手段2は、ガス供給手段1でガスが供給された後の試料液中の酸化剤を熱分解するものである。本実施形態においては、熱分解手段2として、二重管構造の液体加熱器を用いているが、配管L1より供給される試料液中の酸化剤を熱分解できるものであれば、これに限られるものではない。熱分解手段2において、試料液は150℃以上、好ましくは180℃以上、より好ましくは180−220℃に加熱され、試料液中の酸化剤の大部分が分解されることによって、液体成分と酸素ガスを含む気体成分との気液混合体が発生する。なお、酸化剤の種類にもよるが、熱分解で大部分の酸化剤を分解するためには、上述のような高温による加熱が必要であり、かつ連続モニタリングできる酸化剤濃度測定装置として実用されるためには短時間で分解を行う必要がある。したがって、熱分解手段2としては、本実施形態における液体加熱器のような二重管構造を有するものを用いて、幅の薄い二重管流路に試料液を上向流で通液し、二重管流路の内側からランプヒータなどで急速に加熱するような加熱方式により、試料液を所定温度まで急速に昇温することが好ましい。
熱分解手段2において、試料液中の酸化剤が熱分解処理される際、熱分解手段2内の酸素の微細な気泡が、ガス供給手段1により予め吹き込まれたガスに付着して流れるので、熱分解手段2の壁面への酸素の微細な気泡の付着を抑制することができる。また、従来のように、熱分解手段2内で酸素を気泡として十分に成長させる必要がないため、熱分解手段2内での試料液の滞留時間を短くすることができ、熱分解手段2の容量を小さくすることができる。熱分解手段2で発生した液体成分と酸素ガスを含む気体成分との気液混合体は、配管L2を経て気液分離手段3に供給される。
[気液分離手段]
気液分離手段3は、熱分解手段2で発生した液体成分と酸素ガスを含む気体成分との気液混合体を気液分離するものである。気液分離手段3としては、上記気液混合体を、液体成分と酸素ガスを含む気体成分とに気液分離することができるものであれば特に制限はなく、例えば重力、浮力、遠心力、慣性力、気化力などによるものを適用することができ、また、浮上分離、遠心分離、減圧ポンプによる脱気分離などの手法によるものを適用することができる。気液分離手段3で分離された液体成分は、配管L7を経て液体冷却手段7に供給され、酸素ガスを含む気体成分は、配管L3を経て気体冷却手段4に供給される。
[気体冷却手段]
気体冷却手段4は、気液分離手段3で分離された酸素ガスを含む気体成分を冷却するものである。本実施形態においては、気体冷却手段4として、水冷ジャケットによるガス冷却器を用いているが、上記気体成分に残存する水分などの蒸気を冷却により凝縮させて除去することができるものであれば、これに限られるものではない。例えば、気体冷却手段4として上述のガス冷却器を用いた場合には、下流側(ガスは上向流で流れるため、位置としては上方側)に充填材の充填層を有するデミスタを設けて、上記気体成分中に混入する水分などの蒸気をまずデミスタで除去するようにしてもよい。
気液分離手段3で分離された酸素ガスを含む気体成分(分離ガス)には、試料液に由来する水分や酸などの蒸気やミストが含まれる。水分を含む分離ガスをそのまま後段のガス流量測定手段5に供給すると、測定誤差の原因となる他、ガス流量測定手段5の流量計内部で水分凝縮が起こるおそれもある。一方、例えば試料液に硫酸が含まれる場合には、分離ガスに微量の硫酸蒸気または硫酸ミストが含まれる。硫酸を含む分離ガスをそのまま後段のガス流量測定手段5に供給すると、流量計に導かれる過程における冷却により硫酸濃度の高い凝縮液が生成し、この凝縮液がガス流量測定手段5の流量計内部に入ってしまうと極めて激しい腐食を起こすおそれがある。このような問題を予防するためにも、気体冷却手段4により、予め水分や酸等の蒸気やミストを除去し、分離ガスを清浄化しておくことが望ましい。加えて、後段のガス流量測定手段5に供給される分離ガスの温度が所定範囲に維持されていると、高い測定精度が得られることからも、気体冷却手段4を用いる意義は大きい。
なお、上記分離ガスの清浄化手段としては、気体冷却手段4の他に、例えば純水を保有する容器に分離ガスを導き、気泡の気液界面で酸成分などの不純物を水側に溶出させて除去するものを用いてもよい。この場合、さらに清浄化処理後のガスから水分を分離除去する除湿膜を設けると、後段のガス流量測定手段5の流量計への悪影響を効果的に排除することができる。気体冷却手段4で冷却された酸素ガスを含む気体成分は、配管L4を経てガス流量測定手段5に供給される。
[ガス流量測定手段]
ガス流量測定手段5は、熱分解手段2で発生し、気液分離手段3で分離された後、気体冷却手段4で冷却された酸素ガスを含む気体成分の流量を測定するものである。本実施形態においては、ガス流量測定手段5として、ガス流量計F3を用いているが、上記気体成分の流量を測定できるものであれば、これに限られるものではない。ガス流量測定手段5で流量を測定された酸素ガスを含む気体成分は、配管L5により系外へ排出される。
[演算手段]
演算手段6は、ガスの流量の所定値とガス流量測定手段5で得られた酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値とに基づき、試料液中の酸化剤の濃度を算出するものである。演算手段6としては、上述の酸化剤濃度の算出方法に基づき、試料液中の酸化剤濃度を算出することができるものであれば特に制限はなく、例えば通常のコンピュータ等を適用できる。
[液体冷却手段]
液体冷却手段7は、気液分離手段3で分離された液体成分を冷却するものである。液体冷却手段7としては、上記液体成分を、冷却することができるものであれば特に制限はなく、例えば冷却コイル、冷却板、冷却筒等を適用できる。液体冷却手段7で冷却された液体成分は、配管L8を経て分離液返送タンク8へ供給される。
[分離液返送タンク]
分離液返送タンク8は、液体冷却手段7で冷却された液体成分、つまり酸化剤濃度測定後の試料液を一時的に貯蔵し、配管L10により電子材料の洗浄システムへ返送するものである。なお、酸化剤濃度測定後の試料液を電子材料の洗浄システムへ返送する場合には、試料液の分取位置よりも上流側に返送することが、返送を容易に行うことができる点で好ましい。
〔酸化剤濃度測定方法〕
本発明の一実施形態に係る酸化剤濃度測定方法は、試料液中の酸化剤の濃度を測定する方法であり、上述した酸化剤濃度測定装置10を用いて行うことができる。
図2は、図1の酸化剤濃度測定10を用いた酸化剤濃度測定方法を示すフロー図である。当該酸化剤濃度測定方法は、ガス供給工程(STP1)、熱分解工程(STP2)、気液分離工程(STP3)、気体冷却工程(STP4)、ガス流量測定工程(STP5)、演算工程(STP6)を主に備える。
[ガス供給工程]
ガス供給工程では、配管L1を流通する流量が所定値に制御された試料液に対して、流量が所定値に制御されたガスを供給する。本実施形態においては、ガスを収容したボンベ(ガスボンベ)と開閉バルブV3とガス流量計F2とを有するガス供給手段1により上記試料液に対するガス供給を行っているが、配管L1を流通する試料液に流量が所定値に制御されたガスを吹き込むことができるものであれば、これに限られるものではない。試料液の流量は、20−300mL/minの間であることが好ましく、50−100mL/minであることがより好ましい。ガスの流量は、5mL/min以上であることが好ましく、特に5−100mL/minの間であることが好ましい。ガスの流量が5mL/min以上であることにより、酸化剤濃度測定装置が安定化するまでの立ち上げ時間を短縮することが可能となる。ガスは酸素又は窒素であることが好ましい。
[熱分解工程]
熱分解工程では、ガス供給工程後の試料液中の酸化剤を熱分解する。本実施形態においては、二重管構造の液体加熱器を熱分解手段2として用いることにより、上記酸化剤の熱分解を行っているが、配管L1より供給される試料液中の酸化剤を熱分解できるものであれば、これに限られるものではない。熱分解工程で試料液は150℃以上、好ましくは180℃以上、より好ましくは180−220℃に加熱され、試料液中の酸化剤の大部分が分解されることによって、液体成分と酸素ガスを含む気体成分との気液混合体が発生する。
熱分解工程において、試料液中の酸化剤が熱分解処理される際、熱分解手段2内の酸素の微細な気泡が、ガス供給手段1により予め吹き込まれたガスに付着して流れるので、熱分解手段2の壁面への酸素の微細な気泡の付着を抑制することができる。また、従来のように、熱分解手段2内で酸素を気泡として十分に成長させる必要がないため、熱分解手段2内での試料液の滞留時間を短くすることができる。
[気液分離工程]
気液分離工程では、熱分解工程で発生した気液混合体を、液体成分と酸素ガスを含む気体成分とに気液分離する。気液分離手段としては、上記気液混合体を、液体成分と酸素ガスを含む気体成分とに気液分離することができるものであれば特に制限はなく、例えば重力、浮力、遠心力、慣性力、気化力などによるものや、浮上分離、遠心分離、減圧ポンプによる脱気分離などによるものを適用することができる。
[気体冷却工程]
気体冷却工程では、気液分離工程で分離された酸素ガスを含む気体成分を冷却する。本実施形態においては、水冷ジャケットによるガス冷却器を気体冷却手段4として用いることにより、上記気体成分の冷却を行っているが、上記気体成分に残存する水分などの蒸気を冷却により凝縮させて除去することができるものであれば、これに限られるものではない。例えば、上述のガス冷却器を用いた場合には、下流側(ガスは上向流で流れるため、位置としては上方側)に充填材の充填層を有するデミスタを設けて、上記気体成分中に混入する水分などの蒸気をまずデミスタで除去するようにしてもよい。
[ガス流量測定工程]
ガス流量測定工程では、気体冷却工程後の酸素ガスを含む気体成分の流量が測定される。本実施形態においては、ガス流量計F3をガス流量測定手段5として用いることにより、上記気体成分の流量を測定しているが、上記気体成分の流量を測定できるものであれば、これに限られるものではない。ガス流量測定工程で測定された酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値は、上記ガスの流量の所定値とともに、後段の演算工程において、試料液中の酸化剤濃度を算出するために用いられる。
[演算工程]
演算工程では、ガスの流量の所定値とガス流量測定工程で得られた酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値とに基づき、試料液中の酸化剤の濃度を算出する。演算手段としては、上述の酸化剤濃度の算出方法に基づき、試料液中の酸化剤濃度を算出することができるものであれば特に制限はなく、例えば通常のコンピュータ等を適用できる。
また、当該酸化剤濃度測定方法は、上記気液分離工程後に、分離された液体成分を冷却する液体冷却工程と、この液体冷却工程後に、冷却された液体成分、つまり酸化剤濃度の測定後の試料液を電子材料の洗浄システムへ返送する分離液返送工程とをさらに備えていてもよい。
[液体冷却工程]
液体冷却工程では、気液分離工程で分離された液体成分を冷却する。液体冷却手段としては、上記液体成分を、冷却することができるものであれば特に制限はなく、例えば冷却コイル、冷却板、冷却筒等を適用できる。
[分離液返送工程]
分離液返送工程では、液体冷却工程後の液体成分、つまり酸化剤濃度の測定後の試料液を一時的に貯蔵し、電子材料の洗浄システムへ返送する。なお、酸化剤濃度測定後の試料液を電子材料の洗浄システムへ返送する場合には、試料液の分取位置よりも上流側に返送することが、返送を容易に行うことができる点で好ましい。
以上のように、本発明の酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定装置によれば、ガス供給手段により、熱分解処理前の試料液に対してガスを吹き込むことによって、試料液中の酸化剤が熱分解処理される際、熱分解手段内の酸素の微細な気泡が吹き込まれたガスに付着して流れるので、熱分解手段の壁面への酸素の微細な気泡の付着を抑制することができ、酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値のばらつきやハンチング現象を防ぐことができるので、測定装置の立ち上げ時間を短縮することができるとともに、安定的な連続モニタリングが可能となる。また、従来のように酸素を気泡として十分に成長させる必要がないため、熱分解手段内での試料液の滞留時間を短くすることができ、熱分解手段の容量を小さくすることができる。
以上、本発明について図面を参照にして説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更実施が可能である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳説するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示す本発明の酸化剤濃度測定装置10を用いて、試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。測定条件は以下の通りである。
試料液:過硫酸溶液(92wt%硫酸溶液を電解;酸化剤濃度の設計値2g/L(as H))
分解部:試料液を流量20mL/minで通液し、酸素ガスを流量5mL/minで吹き込んだ後、100mLの急速加熱器に通液して、試料液を200℃まで昇温し、酸化剤を分解。
測定部:分解部前段の液体流量計で試料液の流量を測定。
:分解部後段のガス流量計で酸素ガスの流量測定。
分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、2g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>3g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は0回であり、相対標準偏差は13%であった。
〔実施例2〕
酸素ガスを流量20mL/minで吹き込んだ以外は、実施例1と同様の条件で試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、2g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>3g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は0回であり、相対標準偏差は11%であった。
〔実施例3〕
試料液を流量50mL/minで通液した以外は、実施例2と同様の条件で試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、2g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>3g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は0回であり、相対標準偏差は10%であった。
〔実施例4〕
試料液として過硫酸溶液(92wt%硫酸溶液を電解;酸化剤濃度の設計値10g/L(as H))を用いた以外は、実施例3と同様の条件で試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、10g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>15g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は0回であり、相対標準偏差は7%であった。
〔実施例5〕
試料液を流量300mL/minで通液した以外は、実施例3と同様の条件で試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、2g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>3g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は0回であり、相対標準偏差は3%であった。
〔比較例1〕
図4に示す従来の酸化剤濃度測定装置を用いて、試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。測定条件は以下の通りである。
試料液:過硫酸溶液(92wt%硫酸溶液を電解;酸化剤濃度の設計値2g/L(as H))
分解部:試料液を流量20mL/minで100mLの急速加熱器に通液(滞留時間5分)して、試料液を200℃まで昇温し、酸化剤を分解。
測定部:分解部前段の液体流量計で試料液の流量を測定。
:分解部後段のガス流量計で酸素ガスの流量測定。
分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、2g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>3g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は10回であり、相対標準偏差は30%であった。
〔比較例2〕
試料液として過硫酸溶液(92wt%硫酸溶液を電解;酸化剤濃度の設計値10g/L(as H))を用いた以外は、比較例1と同様の条件で試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、10g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>15g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は10回であり、相対標準偏差は25%であった。
〔比較例3〕
試料液を流量50mL/minで100mLの急速加熱器に通液(滞留時間2分)した以外は、比較例1と同様の条件で試料液中の酸化剤の濃度測定を行った。分解部前段の液体流量計で試料液の流量から酸化剤濃度を算出し、2g/Lであることを確認した。測定を3時間続け、>3g/Lとなるハンチング現象が起きた回数は8回であり、相対標準偏差は22%であった。
これらの結果を表1に示す。従来の酸化剤濃度の測定装置を用いた比較例1−3と比べて、本発明の酸化剤濃度測定装置10を用いた実施例1−5では、酸化剤濃度測定装置が安定化するまでの立ち上げ時間が短縮されていることが分かる。
Figure 2018155581
以上説明したように、本発明の酸化剤濃度測定装置及び酸化剤濃度測定装置によれば、酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値のばらつきやハンチング現象を防ぐことができるので、測定装置の立ち上げ時間を短縮することができるとともに、安定的な連続モニタリングが可能となる。また、従来のように酸素を気泡として十分に成長させる必要がないため、熱分解手段内での試料液の滞留時間を短くすることができ、熱分解手段の容量を小さくすることができる。
本発明は、電子材料の洗浄工程などで使用される洗浄液中の酸化剤の濃度を測定する装置及び方法として有用であり、バッチ方式での測定、連続モニタリングのいずれにも適用することができる。特に連続モニタリングに適用することにより、洗浄液中の酸化剤の濃度を即時的に測定して洗浄工程に反映することができるので、工業的にも極めて有用である。
10 酸化剤濃度測定装置
1 ガス供給手段
2 熱分解手段
3 気液分離手段
4 気体冷却手段
5 ガス流量測定手段
6 演算手段
7 液体冷却手段
8 分離液返送タンク
L1−L10 配管
V1−V4 開閉バルブ
F1−F3 流量計

Claims (6)

  1. 試料液中の酸化剤の濃度測定装置であって、
    流量が所定値に制御された試料液に対して流量が所定値に制御されたガスを供給するガス供給手段と、
    前記ガス供給手段でガスが供給された後の前記試料液中の酸化剤を熱分解する熱分解手段と、
    前記熱分解手段で発生した酸素ガスを含む気体成分の流量を測定するガス流量測定手段と、
    前記ガスの流量の所定値と前記ガス流量測定手段で得られた前記酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値とに基づき、前記試料液中の酸化剤の濃度を算出する演算手段と
    を備える酸化剤濃度測定装置。
  2. 前記ガスが酸素又は窒素である請求項1に記載の酸化剤濃度測定装置。
  3. 前記試料液が硫酸溶液である請求項1又は請求項2に記載の酸化剤濃度測定装置。
  4. 前記熱分解手段で発生した液体成分と酸素ガスを含む気体成分との気液混合体を気液分離する気液分離手段をさらに備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の酸化剤濃度測定装置。
  5. 前記気液分離手段で分離された酸素ガスを含む気体成分を冷却する気体冷却手段をさらに備える請求項4に記載の酸化剤濃度測定装置。
  6. 試料液中の酸化剤の濃度測定方法であって、
    流量が所定値に制御された試料液に対して流量が所定値に制御されたガスを供給するガス供給工程と、
    前記ガス供給工程でガスが供給された後の前記試料液中の酸化剤を熱分解する熱分解工程と、
    前記熱分解工程で発生した酸素ガスを含む気体成分の流量を測定するガス流量測定工程と、
    前記ガスの流量の所定値と前記ガス流量測定工程で得られた前記酸素ガスを含む気体成分の流量の測定値とに基づき、前記試料液中の酸化剤の濃度を算出する演算工程と
    を備える酸化剤濃度測定方法。
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