JP2018155377A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】転動体収納部へのグリース潤滑性が向上し、グリースの枯渇化や劣化による潤滑不良を防止でき、しかも、脚軸に穴を設ける必要がないトリポード型等速自在継手を提供する。
【解決手段】トリポード型等速自在継手である。脚軸の付け根部に外嵌されて転動体に接触するインナワッシャ及び脚軸の先端部に外嵌された転動体に接触するアウタワッシャを備える。インナワッシャとアウタワッシャとの少なくともいずれかのワッシャに、脚軸とローラとの間の転動体収納部に潤滑剤を供給するための油溝を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】トリポード型等速自在継手である。脚軸の付け根部に外嵌されて転動体に接触するインナワッシャ及び脚軸の先端部に外嵌された転動体に接触するアウタワッシャを備える。インナワッシャとアウタワッシャとの少なくともいずれかのワッシャに、脚軸とローラとの間の転動体収納部に潤滑剤を供給するための油溝を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や産業機械等に使用されるトリポード型等速自在継手に関する。
トリポード型等速自在継手は、一般に図11と図12に示すように、トリポードタイプの摺動式等速自在継手を示している。この摺動式等速自在継手は、外側継手部材1と内側継手部材であるトリポード部材(トラニオン)2とローラ3(トルク伝達部材)とで主要部が構成されている。連結すべき駆動側と従動側の二軸の一方の軸(駆動軸)が外側継手部材1の底部から一体的に延び、他方の軸(図示せず)がトリポード部材2と結合される。この場合、トラニオン2とローラ3等で外側継手部材1に収容される内部部品Aを構成する。
外側継手部材1は一端が開口した有底筒状で、その内周に軸方向に延びる三本のトラック溝4が円周方向等間隔に形成されている。トリポード部材(トラニオン)2は円筒状のボス部5から半径方向外側に突出した三本の脚軸6を有し、これら脚軸6が外側継手部材1のトラック溝4に挿入され、そのトラック溝4と係合してトルク伝達を行う。脚軸6には針状ころ7を介してローラ3が回転自在に外嵌され、このローラ3がトラック溝4の互いに対向する一対のローラ案内面8、8に沿って転動することで連結二軸間の角度変位と軸方向変位を円滑にする。
脚軸6の外周面は針状ころ7の内側転動面を構成し、ローラ3の内周面は針状ころ7の外側転動面を構成している。複数の針状ころ7は、脚軸6の外周面とローラ3の内周面との間に総ころ状態で配設されている。また、トリポード部材(トラニオン)2のボス部5の軸孔(軸孔)9には雌スプライン9aが設けられている。
これら針状ころ7は、脚軸6の付け根部に外嵌されたインナワッシャ10と半径方向内側で接すると共に、脚軸6の先端部に外嵌されたアウタワッシャ11と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ11は、脚軸6の先端部に形成された環状溝12に丸サークリップ等の止め輪13を嵌合させることにより抜け止めされている。
従来のこの種のトリポード型等速自在継手には、特許文献1のように、トリポード部材の脚軸に転動体を介してローラが装着されている。そこで、脚軸とローラ間の転動体収納部の潤滑性をグリースで確保し、ローラが滑らかに回転することで、摺動抵抗を低減させるように構成したものがある。
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、脚軸のインナワッシャと転動体収納部間の隙間が小さく、グリースが転動体収納部に流入し難い構造となっている。このため、転動体収納部のグリースの枯渇化や劣化により潤滑不良が発生し、誘起スラスト力が増大するおそれがあった。
そこで、トリポード部材にグリース溜まりを設けたものが提案された(特許文献2)。すなわち、トリポード部材に脚軸に穴(潤滑穴)を設け、この穴をもってグリース溜まりとしている。これによって、脚軸とローラとの間における潤滑性を向上させることにより誘起スラストを低減し、振動の発生を抑えることができる。
前述した特許文献2に記載のものでは、トリポード部材の脚軸に設けられる潤滑穴は、脚軸の軸方向に延びるものであり、この潤滑穴に脚軸の外径面、つまり転動体が転動する転走面に開口するグリース供給穴を連設することになる。このように、グリース溜まりが転走面に開口するグリース供給穴があれば、転動体の転動時に、グリース供給穴の開口縁に転動体がひっかかり、滑らかに転動させにくく、かつ、転動体が傷むおそれがあり、耐久性に問題がある。さらに、トリポード部材の脚軸に潤滑穴及びグリース供給穴を設けることによって、脚軸の強度低下につながっていた。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、転動体収納部へのグリース潤滑性が向上し、グリースの枯渇化や劣化による潤滑不良を防止でき、しかも、脚軸に穴を設ける必要がないトリポード型等速自在継手を提供するものである。
本発明のトリポード型等速自在継手は、内周面に軸方向に延びる三本のトラック溝が形成され、各トラック溝の両側でそれぞれ軸方向に延びるローラ案内面を有する外側継手部材と、半径方向に突出した三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記トリポード部材の脚軸に転動体を介して回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されて前記ローラ案内面に沿って案内されるローラとを備えたトリポード型等速自在継手であって、脚軸の付け根部に外嵌されて転動体に接触するインナワッシャ及び脚軸の先端部に外嵌されて転動体に接触するアウタワッシャを備え、このインナワッシャとアウタワッシャとの少なくともいずれかのワッシャに、脚軸とローラとの間の転動体収納部に潤滑剤を供給するための油溝を設けたものである。
本発明のトリポード型等速自在継手によれば、ワッシャに設けられた油溝にて、転動体収納部へのグリース流入空間を確保することができる。しかも、ワッシャ側に油溝を設ければよいので、脚軸にグリース溜まり等を設ける必要がなく、トリポード部材を既存のものをそのまま用いることができる。
前記油溝が、ワッシャの内径から外径に向けて放射状に形成される直線溝であっても、ワッシャの内径から外径に向けて斜め方向に延びる傾斜溝であっても、ワッシャの内径と外径との間に設けられるX字形状溝であっても、ワッシャの内径と外径との間に設けられる円環溝であってもよく、さらには、ワッシャの内径側の切欠溝又は外径側の切欠溝にて構成されるものであってもよい。
前記油溝の溝幅を前記転動体の直径以下とするのが好ましい。油溝の溝幅が転動体の直径を越えるものであれば、ワッシャを安定して受けることができない。
前記油溝が、ワッシャの転動体対応面に形成されるのが好ましい。このように、油溝をワッシャの転動体対応面に形成することによって、転動体収納部への潤滑剤の安定供給が可能となる。
本発明では、転動体収納部へのグリース流入空間を確保することができ、転動体収納部へのグリース流入量が増加し、グリース循環性を向上させることができる。これによって、グリースの枯渇化や劣化による潤滑不良を防止できる。また、脚軸に穴を設ける必要がないので、トリポード部材を既存のものをそのまま用いることができ、トリポード部材形成時の加工工数の削減に寄与し、トリポード部材の脚軸の強度低下を防止できる。さらに、脚軸の転走面に開口する穴を有さないので、転動体を滑らかに転動し、転動体の耐久性が問題とならない。
以下本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1〜図3に示す等速自在継手はトリポードタイプの摺動式等速自在継手であり、この摺動式等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝21を設けた外側継手部材22と、半径方向に突出した3つの脚軸23を備えた内側継手部材としてのトリポード部材24と、脚軸23に回転自在に支持されると共に外側継手部材22のトラック溝21に転動自在に挿入されたトルク伝達手段としてのローラ25とを備える。このため、トリポード部材24とローラ25等で、外側継手部材22内をその軸心方向に沿って摺動(往復動)する内部部品Aを構成することになる。
この場合、ローラ25は脚軸23の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ26を介して外嵌されている。脚軸23の外周面は針状ころ26の内側転動面を構成し、ローラ25の内周面は針状ころ26の外側転動面を構成している。複数の針状ころ26は、脚軸23の外周面とローラ25の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ26は、脚軸23の付け根部に外嵌されたインナワッシャ30と半径方向内側で接すると共に、脚軸23の先端部に外嵌されたアウタワッシャ31と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ31は、脚軸23の先端部に形成された環状溝32に丸サークリップ等の止め輪33を嵌合させることにより抜け止めされている。
また、トリポード部材24は、ボス部27と、このボス部27から径方向に伸びる前記脚軸23とからなる。トリポード部材(トラニオン)24のボス部27の軸孔35には雌スプライン36が設けられている。そして、この軸孔35に、端部に雄スプラインが形成されたシャフト(図示省略)が嵌入され、雄スプラインと雌スプライン36とが嵌合する。
ところで、外側継手部材22は一端にて開口したカップ状のマウス部40を有し、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝21が形成してある。マウス部40は、横断面で見ると、大径部40aと小径部40bが交互に現れる非円筒形状である。すなわち、マウス部40は、大径部40aと小径部40bとを形成することによって、その内周面に、軸方向に延びる3本の前記トラック溝21が形成される。各トラック溝21の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)21a、21aが形成される。
このように構成されることによって、脚軸23の外周面は針状ころの内側転動面を構成し、ローラ25の内周面は針状ころ26の外側転動面を構成している。このため、脚軸23の外周面とローラ25の内周面との間が転動体収納部Sとなる。
また、この等速自在継手には、潤滑剤としてグリースが封入される。等速自在継手用グリースとしては、例えば、潤滑油基油とリチウム石けんやウレア系増ちょう剤からなる基グリースに、二硫化モリブデン等の添加剤を配合したものが使用されている。図示省略しているが等速自在継手の外側継手部材の外周面とシャフトの外周面との間に蛇腹状ブーツがブーツバンドにより取り付け固定されており、グリースの漏洩および異物の侵入を防止している。
ところで、この等速自在継手のインナワッシャ30は、図4に示すように、平板リング体からなり、その裏面(反転動体対応面)30bの内径部に、断面三角形状の切欠部50が設けられている。そして、インナワッシャ30の表面(転動体対応面)30aに複数の油溝51が設けられている。
油溝51は、径方向に延びる直線溝51Aであり、インナワッシャ30の表面(転動体対応面)30aの内径端から外径端に達するものであり、内径端に開口するとともに外径端に開口している。そして、この直線溝51Aが、周方向に沿って所定ピッチで複数個(図例では、周方向に45°ピッチで8個)配設されている。
このように、インナワッシャ30の転動体(針状ころ)側の表面30aに油溝51を設けたことによって、転動体収納部Sへのグリース流入空間を確保することができる。このため、転動体収納部Sへのグリース流入量が増加し、グリース循環性を向上させることができる。これによって、グリースの枯渇化や劣化による潤滑不良を防止できる。
また、インナワッシャ30側に油溝51を設ければよいので、脚軸23にグリース溜まり等を設ける必要がなく、トリポード部材24を既存のものをそのまま用いることができる。すなわち、脚軸23に穴を設ける必要がないので、トリポード部材を既存のものをそのまま用いることができ、トリポード部材形成時の加工工数の削減に寄与する。しかも、トリポード部材24の脚軸23の強度低下を防止できる。さらに、脚軸23の転走面(外周面)に開口する穴を有さないので、転動体(針状ころ)26を滑らかに転動し、転動体(針状ころ)26の耐久性が問題とならない。
図5〜図9は油溝51の変形例を示し、図5(a)(b)に示す油溝51は、径方向に対して所定角度で傾斜した傾斜溝51Bが、周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8本形成されたものである。図6(a)(b)に示す油溝51は、X字形状溝51Cが周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8本形成されたものである。X字形状溝51Cは、径方向に対して所定角度で傾斜した第1傾斜溝51C1とこの第1傾斜溝51C1とクロスする第2傾斜溝51C2とからなる。この図5〜図6に示す溝51B,51Cでも、インナワッシャ30の内径端に開口するとともに外径端に開口している。このように、この図5〜図6に示す傾斜溝51B,X字形状溝51Cでも、図4に示す直線溝51Aと同様、転動体収納部Sへのグリース流入空間を確保することができる。
図4〜図6に示す直線溝51A,傾斜溝51B、及びX字形状溝51Cでは、各油溝51がインナワッシャ30の内径端に開口するとともに外径端に開口している。しかし、図7(a)(b)に示す油溝51では、インナワッシャ30の表面(転動体対応面)30aに設けられる円環形状溝51Dであり、この場合、油溝がインナワッシャ30の内径端に開口するとともに外径端に開口していないが、円環形状溝51D内のグリースにて転動体収納部Sへのグリース流入空間を確保することができる。
図4〜図7に示す溝51A,51B、51Dでは、溝幅Wを針状ころ26の外径寸法以下とするのが好ましい。溝幅Wが針状ころ26の外径寸法を越えると、針状ころ26を安定して受けることができない。溝51Cでは、第1傾斜溝51C1と第2傾斜溝51C2の溝幅Wを針状ころ26の外径寸法以下とするのが好ましい(図6ではWを省略)。また、これらの溝深さとしてはグリース流入空間を確保することが可能な範囲で種々変更できる。
図8(a)(b)に示す油溝51は、インナワッシャ30の表面(転動体対応面)30aの外径端に開口する切欠溝51Eからなり、この切欠溝51Eが周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8個形成されたものである。また、図9(a)(b)に示す油溝51は、インナワッシャ30の表面(転動体対応面)30aの内径端に開口する切欠溝51Fからなり、この切欠溝51Fが周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8個形成されたものである。図8(a)(b)や図9(a)(b)に示す切欠溝51E,51Fであっても、切欠溝51E,51F内のグリースにて転動体収納部Sへのグリース流入空間を確保することができる。
油溝51としては図4〜図9に示すいずれかの少なくとも2種類の溝が混在しているものであってもよい。この場合、全6種類が示さているので、2種類、3種類、4種類、5種類、6種類のいずれでもよい。
また、前述した実施形態では、インナワッシャ30の表面(転動体対応面)30aに油溝51が形成されたものであるが、図3に示すように、アウタワッシャ31に油溝52を形成してもよい。アウタワッシャ31は、円環形状部37と、この円環形状部37の外径部から立ち上がる立ち上がり部38とからなり、その裏面、すなわち円環形状部37の裏面(転動体対応面)31aに油溝52が形成されている。
図10はアウタワッシャ31を示したもので、具体的には、その円環状部37の転動体(針状ころ)側の裏面31aを示している。図10(a)に示す油溝52は、図4に示す直線溝51Aと同様、径方向に延びる直線溝52Aであり、裏面(転動体対応面)31aの内径端から外径端に達するものであり、内径端に開口するとともに外径端に開口している。そして、この直線溝52Aが、周方向に沿って所定ピッチで複数個(図例では、周方向に45°ピッチで8個)配設されている。
図10(b)に示す油溝52は、図5(a)(b)に示す傾斜溝51Bと同様、径方向に対して所定角度で傾斜した傾斜溝52Bであり、周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8本形成されたものである。図10(c)に示す油溝52は、図6(a)(b)に示すX字形状溝51Cと同様、X字形状溝52Cであり、周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8本形成されたものである。すなわち、X字形状溝52Cは、径方向に対して所定角度で傾斜した第1傾斜溝52C1と、この第1傾斜溝52C1とクロスする第2傾斜溝52C2とからなる。
図10(d)に示す油溝52は、図7(a)(b)に示す円環形状溝51Dと同様、裏面(転動体対応面)31aに設けられる円環形状溝52Dである。
図10(e)に示す油溝52は、図8(a)(b)に示す切欠溝51Eと同様、裏面(転動体対応面)31aの外径端に開口する切欠溝52Eからなり、この切欠溝52Eが周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8個形成されたものである。また、図10(f)に示す油溝52は、図9(a)(b)に示す切欠溝51Fと同様、裏面(転動体対応面)31aの内径端に開口する切欠溝52Fからなり、この切欠溝52Fが周方向に沿って所定ピッチ(周方向に沿って45°ピッチ)で8個形成されたものである。
このように、アウタワッシャ31に油溝52を設けても、転動体収納部Sへのグリース流入空間を確保することができる。このため、インナワッシャ30側に油溝を設ける場合と、同様の作用効果を得ることができる。
また、図10(a)〜(f)に示すいずれかの少なくとも2種類の溝が混在しているものであってもよい。この場合、全6種類が示されているので、2種類、3種類、4種類、5種類、6種類のいずれでもよい。
ところで、トリポード部材24の肩部(脚軸23の付け根部)24aとインナワッシャ30の裏面(反転動体対応面)30bとの間に摩擦が生じる。このため、インナワッシャ30の裏面(反転動体対応面)30bに溝(例えば、図4〜図9に記載した油溝51等と同様な形状の溝:図示省略)を設ければ、接触面積(摺接面積)を低減でき、肩部24aと裏面(反転動体対応面)30bとの摩擦でのインナワッシャ30の摩耗や損傷等を有効に防止できる。また、摩擦で生じた摩耗粉は針状ころ26の寿命低下を招くことになる。しかしながら、溝を設けたことによって、摩耗粉が生じたとしても少量であり、しかも、生じた摩耗粉が溝に入り込むことになって、針状ころ26の寿命低下を防止できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、油溝51、52の配設ピッチおよび配設数としては、図例のものに限らず、配設数を8個を超えたものであっても、8個未満であってもよく、その配設数に応じて配設ピッチを種々変更が可能である。図7に示す円環形状溝51Dや図10(d)に示す円環形状溝52Dを設ける場合、それぞれ1本に限るものではなく、2本以上の複数本であってもよい。また、傾斜溝51B、52Bとして、径方向に対する傾斜角度としても、任意に設定できる。さらに、傾斜方向として、図5に示す傾斜溝51Bや図10(b)に示す52Bは、内径側から外径側に向かって時計回り方向に傾斜しているが、逆に、内径側から外径側に向かって反時計回り方向に傾斜するものであってもよい。傾斜溝51B、52Bとして直線状に限らず湾曲したものであってもよい。
各油溝51,52の溝深さとしてはグリース流入空間を確保することが可能な範囲で種々変更できる。また、溝51A,51B、51C、51D、52A,52B、52C、52Dの断面形状として、図例では、扁平矩形状であるが、これに限るものではなく、半円弧形状、半楕円形状、三角形状、及び半多角形状等のグリース流入空間を確保することが可能な範囲で種々変更できる。なお、切欠溝51E、52Eは、内径側から外径側に向かって拡径する扇型形状であり、切欠溝51F、52Fは、外径側から内径側に向かって拡径する扇型形状であるが、このような扇型形状に限るものではなく、矩形形状、半円弧形状、半楕円形状、及び半多角形状等の種々の形状にて構成できる。また、切欠溝51E,51F、52E,52Fの溝深さとしても、転動体収納部Sへのグリース流入空間を確保することができる範囲で種々変更できる。底面が平坦面となる油溝51,52においては、その底面が傾斜しているものであってもよい。
グリース流入空間を確保することが可能な油溝としては、インナワッシャ30側のみに設けたものであっても、アウタワッシャ31側のみに設けたものであっても、インナワッシャ30側及びアウタワッシャ31側に設けたものであってもよい。
また、インナワッシャ30の裏面(反転動体対応面)30bの溝として、図4〜図9に記載した油溝51等と同様な形状の油溝に限るものではなく、また、図4〜図9に示すいずれかの少なくとも2種類の溝が混在しているものであってもよい。この場合、全6種類が示されているので、2種類、3種類、4種類、5種類、6種類のいずれでもよい。
21 トラック溝
22 外側継手部材
23 脚軸
24 トリポード部材
25 ローラ
30 インナワッシャ
31 アウタワッシャ
51、52 油溝
51A、52A直線溝
51B、52B傾斜溝
51C、52CX字形状溝
51D、52D円環形状溝
51E,51F、52E,52F 切欠溝
S 転動体収納部
22 外側継手部材
23 脚軸
24 トリポード部材
25 ローラ
30 インナワッシャ
31 アウタワッシャ
51、52 油溝
51A、52A直線溝
51B、52B傾斜溝
51C、52CX字形状溝
51D、52D円環形状溝
51E,51F、52E,52F 切欠溝
S 転動体収納部
Claims (8)
- 内周面に軸方向に延びる三本のトラック溝が形成され、各トラック溝の両側でそれぞれ軸方向に延びるローラ案内面を有する外側継手部材と、半径方向に突出した三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記トリポード部材の脚軸に転動体を介して回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されて前記ローラ案内面に沿って案内されるローラとを備えたトリポード型等速自在継手であって、
脚軸の付け根部に外嵌されて転動体に接触するインナワッシャ及び脚軸の先端部に外嵌されて転動体に接触するアウタワッシャを備え、このインナワッシャとアウタワッシャとの少なくともいずれかのワッシャに、脚軸とローラとの間の転動体収納部に潤滑剤を供給するための油溝を設けたことを特徴とするトリポード型等速自在継手。 - 前記油溝がワッシャの内径から外径に向けて放射状に形成される直線溝であることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
- 前記油溝がワッシャの内径から外径に向けて斜め方向に延びる傾斜溝であることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
- 前記油溝がワッシャの内径と外径との間に設けられるX字形状溝であることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
- 前記油溝がワッシャの内径と外径との間に設けられる円環溝であることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
- 前記油溝がワッシャの内径側の切欠溝又は外径側の切欠溝にて構成されることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
- 前記油溝の溝幅を前記転動体の直径以下としたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
- 前記油溝が、ワッシャの転動体対応面に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022206419A1 (de) | 2022-06-27 | 2023-12-28 | Volkswagen Aktiengesellschaft | Tripoderoller für ein Tripodegelenk und Tripodegelenk mit solchen |
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2017
- 2017-03-21 JP JP2017054506A patent/JP2018155377A/ja active Pending
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DE102022206419A1 (de) | 2022-06-27 | 2023-12-28 | Volkswagen Aktiengesellschaft | Tripoderoller für ein Tripodegelenk und Tripodegelenk mit solchen |
EP4299935A1 (de) * | 2022-06-27 | 2024-01-03 | Volkswagen Ag | Tripoderoller für ein tripodegelenk und tripodegelenk mit solchen |
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