JP2018154130A - ヘッドスペースバイアルの開口部封止用セプタム形成用積層シート、その製造方法、ヘッドスペースバイアルの開口部封止用セプタムおよびセプタム - Google Patents

ヘッドスペースバイアルの開口部封止用セプタム形成用積層シート、その製造方法、ヘッドスペースバイアルの開口部封止用セプタムおよびセプタム Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドスペースGC用またはヘッドスペースGC-MS用バイアルの開口部封止用セプタムの形成用積層シート,その製法,該積層シートからなるセプタムを提供する。【解決手段】ヘッドスペースGC分析法用またはヘッドスペースGC-MS分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,D4−D15含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249規定の伸びが380%以上であり、100%モデュラスが0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層とが接着して積層しており、120mm平方の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シート。その製法。該積層シートからなるセプタム。【選択図】図1

Description

本発明は、ヘッドスペースバイアル、すなわち、ヘッドスペースGC法やヘッドスペースGC−MS法で用いられるバイアルの開口部封止用セプタム製造用の積層シート、その製造方法、ヘッドスペースバイアルの開口部封止用の,芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とが積層している積層シートからなるセプタム、および、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とが積層している積層シートからなるセプタムに関する。
ヘッドスペースGC法(サンプリングにヘッドスペース法を用いるガスクロマトグラフィー)や、ヘッドスペースGC−MS法(サンプリングにヘッドスペース法を用いるガスクロマトグラフィー質量分析法)は、液体試料を加温して気相に追い出された揮発成分の分析や,固体試料を加温して発生する揮発性成分の分析に有用であり、近年汎用されている。
ヘッドスペースGC法(ヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析法)は、液体試料や固体試料をバイアル(試料瓶)に投入し,セプタムとキャップで密封し、一定温度(例、180〜210℃)で一定時間(30〜60分間程度)加温し,ガスタイトシリンジのニードルをセプタムに刺しこんで、バイアル中の揮発性成分を含む気相(ヘッドスペース)を吸引し、あるいはパージガスで追い出し、ガスクロマトグラフのカラムに注入し,分離検出して同定・定量する分析手法である。高沸点化合物の場合は、液体試料や固体試料を封入したバイアルは最高300℃で加温される。
従来のバイアル(試料瓶)は、例えば、ガラス瓶の口にシリコーンゴム製のディスク状のセプタムをアルミクランプでかしめて締結することで試料を封入するものである。試料を封入したバイアル(試料瓶)を、分析所定の温度に加熱し、セプタムを刺通したニードル(図示しない)を介して加圧ガスをバイアル内部に導入し、その圧力を利用してバイアル内上部空間のガス(ヘッドスペースガス)を取り出してガスクロマトグラフのカラムに導入し分析する。
ヘッドスペースGC−MS法(ヘッドスペースガスクロマトグラフィー質量分析法)は、ガスクロマトグラフィー(GC)で分離した成分の検出に質量分析計を用いることにより、質量情報から成分の定性及び定量を行う分析手法である。
特許文献1(特開2012-73108)には、鑑識活動時の揮発性油類の採取に用いられる採取容器であって、上面が開口した瓶と、前記開口を封止するとともに、上面に穴部を有し、該穴部が採取針で穿刺可能な隔壁部材でシールされたキャップと、前記揮発性油類を吸着し、前記瓶へ出し入れ可能な吸着体と、を備えること、を特徴とする採取容器が請求項1に記載され、前記瓶は、ヘッドスペースバイアルであり、前記隔壁部材は、セプタムであることが請求項2、請求項3に記載されている。
特許文献1の発明の詳細な説明の段落[0030]には、「瓶1は、ヘッドスペースサンプラー付きガスクロマトグラフ質量分析計による分析が可能なヘッドスペースバイアルでもよい。この場合、キャップ2は、上面壁を貫通する穴部21と、該穴部21を封止する隔壁部材22とを備える。隔壁部材22は、採取針を穿刺可能なゴム状部材であり、キャップ2に貼着されていてもよいし、別体として構成されていてもよい。」と記載され、段落[0041]には、「キャップ2は、セプタム付き金属製スクリューキャップであり、直径18mm、キャップ2の高さ10mm、穴部21の直径8mm、青シリコン・白ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の隔壁部材22を有する。」と記載されている。
特許文献2(特開平9-325100)には、分析用の試料瓶は例えばポリ4フッ化エチレンでコーティングしたシリコーン樹脂製のセプタムを備えていると記載されている。
特許文献3(特開2011-106869)には、ヘッドスペースガス分析に用いられる試料容器は容器を密閉するためにPTFEコーティングしたシリコンゴム製セプタムを備えていると記載されている。
特許文献4(特表2012-529540)には、「ポリアルキルシロキサンであるシリコーンベースポリマー、水素化物含有シロキサンおよび白金触媒を含む第1の層であって、前記水素化物含有シロキサンが前記シリコーンベースポリマーの約0.1重量%〜約5.0重量%で存在する第1の層と;フルオロポリマー(例、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー)を含む第2の層とを含む物品であって、前記第1の層が、前記第2の層に対して少なくとも約10.0ppiの剥離強度を有し、金属に対して約7.0ppi以下の剥離強度を有する物品」が記載され(請求項6)、前記物品を約125℃〜約200℃で加熱することによる、その製造方法が請求項36などに記載され、当該物品はキャップに使用される分析用セプタムとして使用してもよいと記載されている(段落[0021])。実施例1では、第1の層はビニル基含有ポリアルキルシロキサンであるシリコーンベースポリマー、水素化物含有ポリアルキルシロキサン、白金触媒およびシリカフィラーを含む。
特許文献5(WO2016/067627A1)には、表面処理による反応性官能基を有するフッ素樹脂フィルムとシート状の1分間半減期温度が100〜150℃の範囲にある有機過酸化物含有ミラブルタイプシリコーンゴム組成物を重ねあわせ、加圧下90℃〜135℃に加熱して該シリコーンゴム組成物を硬化させることを特徴とする、フッ素樹脂フィルムとシリコーンゴムシートとからなる積層シートの製造方法、かくして製造されたフッ素樹脂フィルムとシリコーンゴムシートが接着しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが3N以上であり、120mm角の積層シートの四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である、フッ素樹脂フィルムとシリコーンゴムシートとからなる積層シートが開示されている。
一方、特許文献6(特開2004−51099)の<実施例7>には、「ポリイミドフィルムへ液状高熱伝導性シリコーンBを塗工し、第1加熱炉にて90℃×1分間加熱し半硬化状態にする。この半硬化高熱伝導性液状シリコーンB表面へのマット状PETフィルムを圧着用ロールにて圧着し、第2加熱炉にて90℃×1分加熱硬化させ、前記マット状PETフィルムを剥離させ、前記マット状PETフィルムの表面形状を転写させ、表面にマット処理を施した高熱伝導性に優れるシリコーンゴムとポリイミドフィルムの複層体を得た。複層体全体の厚さは250μmであった。」と記載されている。
特開2012-73108号公報 特開平9-325100号公報 特開2011-106869号公報 特表2012-529540号公報 WO2016/067627A1 特開2004−51099号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている青シリコン・白ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の隔壁部材は、シリコンとポリテトラフルオロエチレン間で剥がれやすいという問題がある。
また、上記セプタムでバイアルの開口部を封止して高温(例、300℃)加熱すると、シリコーン樹脂やシリコーンゴムから発生する環状オルガノシロキサンオリゴマー蒸気が透過して、分析試料から発生する蒸気に混ざってしまい、分析精度が低下するという問題がある。
上記特許文献2に開示されているポリ4フッ化エチレンでコーティングしたシリコーン樹脂製のセプタム、上記特許文献3に開示されているPTFEコーティングしたシリコンゴム製セプタムは、ポリ4フッ化エチレンや、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)がシリコーン樹脂やシリコンゴムから剥がれやすいという問題がある。
また、上記セプタムは、分析試料採取のための採取針を刺し込み、引き抜いた時にポリ4フッ化エチレン膜や、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜が破れやすいという問題がある。
また、上記セプタムでバイアルの開口部を封止して高温(例、300℃)加熱すると、シリコーン樹脂やシリコーンゴムから発生する環状オルガノシロキサンオリゴマー蒸気が透過して、分析試料から発生する蒸気に混ざってしまい、分析精度が低下するという問題がある。
特許文献4に開示されているシリコーンゴムを含む第1の層とフルオロポリマーを含む第2の層間の接着性が仮に良好であっても、シリコーンゴムを含む第1の層がフルオロポリマーを含む第2の層よりも大きく収縮してしまい、積層体シートに反り、すなわち、カールを生じる。そのため、セプタム製造時に円形状に打ち抜く作業をしにくいという問題がある。
特許文献5に開示されている積層シートは、表面処理による反応性官能基を有するフッ素樹脂フィルムという特殊なフィルムを必要とするという問題がある。
特許文献6の<実施例7>に記載された製造方法では、圧着用ロールにて圧着した状態で加熱硬化させるので、必然的に、円筒状に丸まった積層体になる。そのため、セプタム製造時に円形状に打ち抜く作業をしにくいという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、積層シートからセプタム製造時に円盤状等の所定形状に打ち抜く作業がしやすく、該作業時にフィルムがシリコーンゴム層から剥がれず、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部を封止しているセプタムとして、分析試料採取のための採取針を刺し込み、不活性ガスで加圧パージしてもガス漏れせず、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用セプタムとして、バイアルの開口部を封止して高温(例、300℃)加熱しても、環状オルガノシロキサンオリゴマー蒸気発生量が非常に少ないので分析精度を低下させないという、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層が接着状態で積層している積層シートを提供することを目的とする。
特には、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムの製造に好適な、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層が接着して積層している積層シートを提供することを目的とする。
さらには、かかる芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層が接着して積層している積層シートの製造方法を提供することを目的とする。
さらには、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法またはヘッドスペースガスクロマトグラフィー用バイアルの開口部封止用に好適なセプタムを提供することを目的とする。
さらには、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層が積層している積層シートからなり、ガスクロマトグラフ分析やガスクロマトグラフ−質量分析に使用したときに、分析精度を低下させないセプタムを提供することを目的とする。
かかる目的は、
「[1]
ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを製造するための積層シートにおいて、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し,JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下であることを特徴とする、積層シート。
[1-1]
(B)成分が、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとからなる群から選択される1種ないし3種の有機官能性オルガノアルコキシシラン、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシランと(d)有機チタン化合物触媒、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシラン2種ないし3種の共部分加水分解縮合物である、[1]に記載の積層シート。
[1-2]
(B)成分を、前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に0.03〜6質量%含有する、[1]または[1-1]に記載の積層シート。
[1-3]
(A)ヒュームドシリカを、前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に10〜24質量%含有する、[1]、[1-1]または[1-2]に記載の積層シート。
[1−4]
前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が、架橋剤として両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーを含有するヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする、[1]、[1-1]、[1-2]または[1-3]に記載の積層シート。
[1−5]
前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が、少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖両末端がヒドロジメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度10以下)を含有するヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする、[1]、[1-1]、[1-2]または[1-3]に記載の積層シート。
[2]
厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、硬化物のJIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(II)とを、密接させ、加圧下で145℃以下で加熱して硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmであるポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
[2-1]
(B)成分が、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとからなる群から選択される1種ないし3種の有機官能性オルガノアルコキシシラン、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシランと(d)有機チタン化合物触媒、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシラン2種ないし3種の共部分加水分解縮合物である、[2]に記載の積層シートの製造方法。
[2-2]
(B)成分を、前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物および前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に0.03〜6質量%含有する、[2]または[2-1]に記載の積層シーの製造方法。
[2-3]
(A)ヒュームドシリカを、前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物および前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に10〜24質量%含有する、[2]、[2-1]または[2-2]に記載の積層シートの製造方法。
[2−4]
前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が、架橋剤として両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーを含有するヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする、[2]、[2-1]、[2-2]または[2-3]に記載の積層シートの製造方法。
[2−5]
前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物が、架橋剤として少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖両末端がヒドロジメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度10以下)を含有することを特徴とする、[2]、[2-1]、[2-2]または[2-3]に記載の積層シートの製造方法。
[3]
厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムであり、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるシリコーンゴムシートとの間に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,(B)有機官能性オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を含有し、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層を介在させ、加圧下加熱して該液状ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層を硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための、前記ポリイミドフィルムと,前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムシートとが接着状態で積層しており,縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
[4]
(B)成分が、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとからなる群から選択される1種ないし3種の有機官能性オルガノアルコキシシラン、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシランと(d)有機チタン化合物触媒、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシラン2種ないし3種の共部分加水分解縮合物である、[3]に記載の積層シートの製造方法。
[4−1]
(B)成分を前記液状ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層中に0.1〜6質量%含有する[3]または[4]に記載の積層シートの製造方法。
[4−2]
(A)ヒュームドシリカを前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムシート中に10〜24質量%含有する、[3]、[4]または[4-1]に記載の積層シートの製造方法。
[5]
厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多く,補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有し、(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有し、JIS K 6249で規定する硬化物の伸びが250%以上であり、JIS K 6249で規定する100%伸張時の引張応力が0.1〜0.49MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物とを密接させ、加圧下で90℃以上240℃以下で加熱して該シリコーンゲル組成物を1次硬化させ、次いで、熱気中に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下になるまで置いて2次硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有し、JIS K 6249で規定する硬化物の伸びが250%以上であり、JIS K 6249で規定する100%伸張時の引張応力が0.15〜0.49MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層とが接着して積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
[5-1]
(B)成分を、前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物中および前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層中に0.03〜6質量%含有する、[5]または[6]に記載の積層シートの製造方法。
[5-2]
(A)ヒュームドシリカを、前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物中および前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に10〜24質量%含有する、[5]または[5-1]に記載の積層シートの製造方法。
[6]
厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多く,補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有し、硬化物のJIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(II)とを密接させ、加圧下で90℃以上145℃以下で加熱して該シリコーンゴム組成物を1次硬化させ、次いで、熱気中に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下になるまで置いて2次硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着して積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅のは、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
[6-1]
(B)成分が、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとからなる群から選択される1種ないし3種の有機官能性オルガノアルコキシシラン、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシランと(d)有機チタン化合物触媒、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシラン2種ないし3種の共部分加水分解縮合物である、[6]に記載の積層シートの製造方法。
[6-2]
(B)成分を、前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物および前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に0.03〜6質量%含有する、[6]または[6-1]に記載の積層シーの製造方法。
[6-3]
(A)ヒュームドシリカを、前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物および前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に10〜24質量%含有する、[6]、[6-1]または[6-2]に記載の積層シートの製造方法。
[6−4]
前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が、架橋剤として両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーを含有するヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする、[6]、[6-1]、[6-2]または[6-3]に記載の積層シートの製造方法。
[6−5]
前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物が、架橋剤として少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖両末端がヒドロジメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度10以下)を含有することを特徴とする、[6]、[6-1]、[6-2]または[6-3]に記載の積層シートの製造方法。
[7]
厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートからなることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用セプタム。
[7-1]
(B)成分が、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとからなる群から選択される1種ないし3種の有機官能性オルガノアルコキシシラン、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシランと(d)有機チタン化合物触媒、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシラン2種ないし3種の共部分加水分解縮合物である、[7]に記載のセプタム。
[7-2]
(B)成分を、前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に0.03〜6質量%含有する、[7]または[7-1]に記載のセプタム。
[7-3]
(A)ヒュームドシリカを、前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層中に10〜24質量%含有する、[7]、[7-1]または[7-2]に記載のセプタム。
[7−4]
前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物が、架橋剤として両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーを含有することを特徴とする、、[7]、[7-1]、[7-2]または[7-3]に記載の積層シートのセプタム。
[7−5]
前記ヒドロシリル化反応による硬化シリコーンゴム層が、架橋剤として少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖両末端がヒドロジメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度10以下)を含有することを特徴とする、[7]、[7-1]、[7-2]または[7-3]に記載のセプタム。
[8]
芳香族ポリイミドフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層との積層体からなるセプタムであり、該ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムは、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し,架橋剤として少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(重合度3以下)を含有するヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする、セプタム。
[8−1]
前記ヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物は、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有することを特徴とする、[8]に記載のセプタム。」により達成される。
前記[1]〜[8−1]において、本発明の各構成要素は、[発明を実施するための形態]に好ましいと記載された実施態様を単独または複数組み合わせて取ることができるものである。
本発明のヘッドスペースガスクロマトグラフィー用またはヘッドスペースガスクロマトグラフィー用バイアルの開口部封止用セプタムを製造するための積層シートは、該積層シートからセプタム製造時に円形状等の所定形状に打ち抜く作業がしやすく、該作業時に芳香族ポリイミドフィルムがシリコーンゴム層から剥がれない。
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー用またはヘッドスペースガスクロマトグラフィー用バイアルの開口部封止用セプタムとしたときに、バイアルの開口部を封止して高温(例、300℃)加熱しても、ヘッドスペースガス中の環状オルガノシロキサンオリゴマー量が非常に少ないので分析精度を低下させない。また、高温(例、300℃)加熱され、ヘッドスペースガス採取のための採取針をセプタムに刺し込んで不活性ガスの圧入でバイアル内圧が高まった状態でもシリコーンゴム層が採取針を強く保持しているので耐ガス漏れ性に優れている。
本発明のヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを製造するための積層シートの製造方法によると、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムの製造に好適な、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層が接着して積層しており、反り度合いの小さい積層シートを簡易に確実に製造することができる。
本発明のヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムは、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止に使用しやすく、該バイアルの開口部を封止して高温(例、300℃)加熱しても、ヘッドスペースガス中の環状オルガノシロキサンオリゴマー量が非常に少ないので分析精度を低下させず、高温(例、300℃)加熱され、ヘッドスペースガス採取のための採取針をセプタムに刺し込んで不活性ガスの圧入でバイアル内圧が高まった状態でもシリコーンゴム層が採取針を強く保持しているので耐ガス漏れ性に優れている。仮にシリコーンゴム屑がバイアル内に落下しても、ガスクロマトグラムや、マススペクトルにゴウストピークが実質的に現れにくい。
本発明のセプタムは、高温(例、300℃)加熱したときにシリコーンゴム層から発生した揮発性成分を、ガスクロマトグラフ(GC)のカラムへ注入し、所定の温度条件でガスクロマトグラフ分析を行ったときに、表示されたガスクロマトグラムの複数の各低重合度シロキサンピークの面積合計が小さいので、ガスクロマトグラフ分析の精度を実質的に低下させない。
図1は、本発明の実施態様であるシリコーンゴム層の片面に芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着している積層シート1の部分断面図である。 図2は、本発明の実施態様であるシリコーンゴム層の両面に芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着している積層シート2の部分断面図である。 図3は、本発明の実施例10(表4)の平均反り値が6.8mmである積層シートの写真である。 図4は、実施例8の積層シートを円形に打ち抜いて作製したセプタムの写真である。 図5の左側は、本発明の実施例2(表1)の平均反り値が16である積層シートの写真である。図5の右側は、比較例9(表5の5-1)の積層シートの写真である。 図6の左側は、本発明の実施例2(表1)の積層シートを円形に打ち抜いて作製したセプタムの写真である。図6の右側は、比較例9(表5)の積層シートを円形に打ち抜いて作製したセプタムの写真である。 図7は、本発明の実施態様である、シリコーンゴム層3aの片面にポリイミド樹脂フィルム3bが接着している積層シートの斜視図である。 図8は、本発明の実施態様である、内側にセプタムを嵌めたスクリューキャップをスクリューバイアル開口部に取り付けて密封したバイアルの側面図である。芳香族ポリイミドフィルムはセプタムの下側に位置している。 図9の左側は、開口部上面にセプタム3を置いたスクリューバイアル5の正面図である。図9の右側は、ガス漏れ性試験装置の模式図である。 図10は、実施例4の積層シートからなるセプタムについての、バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて生成した成分を含む気相)のガスクロマトグラフ分析のチャート図である。 図11は、SiH/SiVi比とアスカーゴム硬度計C型による硬さ、すなわち、アスカーC硬さの関係を示すグラフである。 図12は、RBL-9200-40AとRBL-9200-40Bの混合物中のRBL-9200-40Bの質量%とJIS K6253で規定されるタイプA デュロメータによる硬さ、すなわち、タイプA硬さの関係を示すグラフである。 図13は、左から順番に実施例20の積層シート(1)、(2)、(3)の写真である。 図14は、比較例17の積層シートからなるセプタムについての、バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて生成した成分を含む気相)のガスクロマトグラフ分析のチャート図である。 図15は、実施例21の積層シートからなるセプタムについての、バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて生成した成分を含む気相)のガスクロマトグラフ分析のチャート図である。 図16は、参考例9の積層シートからなるセプタムについての、バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて生成した成分を含む気相)のガスクロマトグラフ分析のチャート図である。 図17は、比較例18の積層シートからなるセプタムについての、バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて生成した成分を含む気相)のガスクロマトグラフ分析のチャート図である。 図18は、実施例22の積層シートからなるセプタムについての、バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて生成した成分を含む気相)のガスクロマトグラフ分析のチャート図である。 図19は、実施例23の積層シートからなるセプタムについての、バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて生成した成分を含む気相)のガスクロマトグラフ分析のチャート図である。
本願第1発明は、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを製造するための積層シートにおいて、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し,JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下であることを特徴とする、積層シートに関する。
本発明の、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを製造するための、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層もしくはシリコーンゲル層とからなる積層シートで使用される芳香族ポリイミドフィルム、芳香族ポリイミド樹脂フィルムは、芳香族ポリイミド、芳香族ポリイミド樹脂からなるフィルムである。
そのための芳香族ポリイミド、芳香族ポリイミド樹脂は、通常、芳香族テトラカルボン酸二無水物(例、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物)および芳香族ジアミン成分(例、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、2,4−トルエンジアミン、p−フェニレン−ジアミン)を主成分として重縮合反応より得られる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアンを極性溶媒中で反応させるとポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液が得られる。
芳香族ポリイミドフィルム、芳香族ポリイミド樹脂フィルムは、通常このポリアミック酸溶液を支持体上にキャスティングして乾燥し、その後高温にてイミド化するか、あるいは溶液中で加熱してイミド化反応を行った後、その溶液を支持体上にキャスティングして乾燥、熱処理して得ることができる。
フィルム強度と300℃クラスの常用耐熱性の点で、芳香族化合物が直接イミド結合で連結された芳香族ポリイミドフィルム、芳香族ポリイミド樹脂フィルムが好ましい。
市販の芳香族ポリイミドフィルム、芳香族ポリイミド樹脂フィとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトンHタイプ(カプトンの標準タイプであり、芳香族四塩基酸と芳香族ジアミンとの縮重合によって得られる、透明な黄金色のフィルムである)、カプトンVタイプ(低熱収縮タイプ)、カプトンENタイプ(高寸法安定タイプ)、カプトンENZT;宇部興産株式会社製、商品名:ユーピレックス-S(基本グレード)、ユーピレックス-RN(成形グレード)、ユーピレックス-CA(薄型フィルム)など;株式会社カネカ製の商品名:アピカルAH(一般グレード)、アピカルNPI(寸法安定性タイプ)が例示される。なお、カプトン、ユーピレックス、アピカルは登録商標である。その厚みは、メーカおよび銘柄によって異なるが、通常10μm、12.5μm、25μm、50μm、75μm、125μmである。
これらの市販の芳香族ポリイミドフィルム、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの表面にプラズマ処理、コロナ放電処理等を施したものも好ましい。
芳香族ポリイミドフィルム、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの厚みについては、入手容易性の観点から、10〜200μm、好ましくは10〜125μmの範囲である。フィルム強度と積層シート化したときの反り低減の観点から、好ましくは20〜125μmの範囲である。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムの形状は、シート状、テープ状、短冊状が例示される。
本願第1発明において、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とが接着状態で積層している積層シートにおけるシリコーンゴム層形成のために使用される、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下である、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は、主成分として(イ)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンを含有し、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有する。このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は、好ましくは、(イ)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する液状ジオルガノポリシロキサン、(ロ)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、(ハ)白金系触媒および(ニ)ヒドロシリル化反応抑制剤からなり、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有している。
(A)成分の含有量は、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物中に通常、10〜24質量%であり、好ましくは12〜23質量%である。
(イ)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する液状ジオルガノポリシロキサンは、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の主成分であり、(ハ)白金系触媒の作用により(ロ)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子と付加反応して架橋する。
積層シート製造時に、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、加圧下加熱のみにより硬化させる場合は、(イ)成分に由来する環状シロキサンオリゴマーを可能な限り低減処理したものが使用される。好ましくは、D4-D15含有量が質量単位で250ppm以下、より好ましくは210ppm以下、更に好ましくは100ppm以下のものが使用される。
(イ)成分中のアルケニル基はケイ素原子に結合しており、ビニル基、アリル基、プロペニル基が例示され、ビニル基が好ましい。アルケニル基以外の有機基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;β−フェニルエチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基が例示される。ここで、アルキル基とハロゲン化アルキル基の炭素原子数は2〜12が好ましく、アリール基の炭素原子数は6〜12が好ましく、アラルキル基の炭素原子数は7〜12が好ましい。アルケニル基以外のケイ素原子結合有機基はすべてメチル基であることが好ましいが、50モル%以上がメチル基であり、残余が炭素原子数2〜12のアルキル基、フェニル基または炭素原子数2〜12のアルキル基とフェニル基であってもよい。
(イ)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、全ケイ素原子結合有機基中0.1〜5.0モル%がアルケニル基であることが好ましい。
(イ)成分の分子構造は、通常直鎖状であるが、分岐を含む直鎖状であっても良い。
(イ)成分の性状は常温で液状である。
常温で液状であるものは、25℃における粘度が100mPa・s以上、300,000mPa・s以下であることが好ましい。その重合度は、通常50〜2,000であることが好ましい。
(イ)成分は、分子鎖両末端が、通常、ジメチルビニルシロキシ基、メチルフェニルビニルシロキシ基、トリメチルシロキシ基などのトリオルガノシロキシ基で封鎖されている。
(イ)成分の代表例は、常温で液状である、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端がヒドロキシジメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端がメチルフェニルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端がメチルフェニルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体が挙げられる。
これらのうちでは、常温で液状である、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマー、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマーがよく実用に供されている。
これら2種以上を併用してもよい。
(ロ)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素を有するオルガノポリシロキサンは、(イ)成分の架橋剤であり、(ハ)白金系触媒の触媒作用により本成分中のケイ素原子結合水素原子が(イ)成分中のケイ素原子結合アルケニル基、特にはビニル基に付加して(イ)成分を架橋させ、硬化させるものである。本成分は、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子(ヒドロシリル基)を有するが、(イ)成分中のケイ素原子結合アルケニル基、例えば、ビニル基が2個のときは、3個以上のケイ素原子結合水素原子(ヒドロシリル基)を有することが必要である。
(ロ)成分中の、ケイ素原子結合有機基として、メチル基;エチル基、プロピル基、ヘキシル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基などのハロゲン化アルキル基、アラルキル基が例示される。ここで、アルキル基とハロゲン化アルキル基の炭素原子数は2〜12が好ましく、アリール基の炭素原子数は6〜12が好ましく、アラルキル基の炭素原子数は7〜12が好ましい。製造の容易性と、(イ)成分の前記好ましい例との相溶性の点から、少なくとも50モル%がメチル基であることが好ましく、100モル%がメチル基であることがより好ましい。
(ロ)成分の分子構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。本成分の重合度は2以上であれば特に限定されないが、常温にて液状であることが好ましい。25℃における粘度が1〜1,000mPa・sであることが好ましい。
(ロ)成分の好ましい例として、メチルハイドロジェンポリシロキサン類が挙げられる。その代表例として、(ロ1)1分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと、(ロ2)両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンがある。
(ロ1)成分として、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーが例示される。
(ロ2)成分は、鎖伸長剤として機能するが、重合度が大きくなるにしたがって鎖伸長作用が低下するので、重合度10以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく、3が最良である。
(ロ1)成分のうち、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンと両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーは、硬化物のモジュラスが高くなり過ぎ、伸びが小さくなりすぎて、セプタムとしたときに耐ガス漏れ性が低下する恐れがあるので、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーが好ましい。
もっとも、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンと両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーは、(ロ2)成分、特には重合度10以下のものと併用することにより、上記弊害を軽減することができる。
両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーは、(ロ2)成分、特には重合度10以下のものと併用することにより、セプタムとしたときに耐ガス漏れ性を向上することができる。
なお、(ロ1)成分と(ロ2)成分は、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物に配合する場合も上記同様である。
(ロ1)1分子中に少なくと3個のヒドロシル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(純架橋剤)と(ロ2)1分子中に2個のヒドロシル基を有するジメチルポリシロキサン(鎖伸長剤)との配合質量比は、好ましくは8:1〜1:8、より好ましくは4:1〜1:4である。
両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(好ましくは重合度10以下)は、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物中に0.08〜6質量%含有されていることが好ましく、0.2〜3質量%含有されていることがより好ましい。
なお、(ロ1)成分と(ロ2)成分は、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物に配合する場合も上記同様である。
上記併用の態様は、本願第2発明〜第7発明に共通するものである。
ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の場合、(ロ)成分の配合量は、(ロ)成分中のケイ素原子結合水素原子と(イ)成分中のケイ素原子結合アルケニル基のモル比が、通常(0.7:1)〜(1.7:1)となるような量であり、好ましくは(0.90:1)〜(1.5:1)となるような量、より好ましくは(0.95:1)〜(1.4:1)となるような量である。
これは、このモル比が(0.7:1)より小さいと、硬化物のゴム弾性が低下して、ゲル状になりやすく、(1.7:1)より大きいと、硬化物のモジュラスが高くなり過ぎて、セプタムとしたときに耐針刺し性、耐ガス漏れ性が低下する恐れがあるからである。もっとも、上記両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンや1,3−ジヒドロ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを併用すると、モル比が(1.6:1)より大きくても、耐針刺し性、耐ガス漏れ性の低下を抑制可能である。
(ハ)白金系触媒は、(ロ)成分中のケイ素原子結合水素原子と(イ)成分中のケイ素原子結合アルケニル基が付加反応して(イ)成分を架橋させ、硬化させるための触媒である。これには、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体、ジビニルテトラメチルジシロキサンの白金錯体、塩化白金酸とβ−ジケトンの錯体、β−ジケトンの白金錯体が例示される。
(ハ)白金系触媒は、(ロ)成分中のケイ素原子結合水素原子と(イ)成分中のケイ素原子結合アルケニル基(例えばビニル基)が付加反応して(イ)成分を架橋させ、硬化させるのに十分な量、いわゆる触媒量を用いる。具体的には、ヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物中に白金系金属換算で1〜1000質量ppm含まれることが好ましい。
(A)ヒュームドシリカは、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物に粘性を付与して成形作業をしやすくする作用がある。また、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加熱硬化させて得られるシリコーンゴムに優れた機械的強伸度と硬さを付与する作用がある。
(A)ヒュームドシリカは、超微粒子状のアモルファスシリカであり、乾式法シリカの代表的なものである。BET法による比表面積は通常100〜400m/gである。110〜300m/gのBET比表面積を有するものがシリコーンゴム用として実用に供されている。その市販品としてアエロジル200(表面積200m/g)、アエロジル255(BET法による比表面積255m/g)、アエロジル300(BET法による比表面積300m/g)、アエロジル380(BET法による比表面積380m/g)[日本アエロジル株式会社製、アエロジルはエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である]、レオロシール[株式会社トクヤマ製、レオロシールは該社の登録商標である]が例示される。
(A)ヒュームドシリカは親水性であり(イ)成分と混合しにくいので、(C)疎水化剤(例えば、トリメチルクロロシラン,ジメチルジクロロシランなどのオルガノクロロシラン、トリメチルメトキシシランなどのオルガノアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのヘキサオルガノジシラザン、シラノール末端ジメチルシロキサンオリゴマー、環状ジメチルシロキサンオリゴマー)で疎水化処理したものが好ましい。
疎水化処理ヒュームドシリカのBET法による比表面積は通常100〜350m/gである。
疎水化処理ヒュームドシリカの市販品としてアエロジルR972(BET法による比表面積は110m/g)、アエロジルRX200(BET法による比表面積は140m/g)、アエロジルR974(BET法による比表面積は170m/g)、アエロジルR812(BET法による比表面積は260m/g)[日本アエロジル株式会社製]が例示される。
(A)成分の含有量は、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物中に通常、10〜24質量%であり、好ましくは12〜23質量%であるが。これらに限定されるものではない。
(ニ)ヒドロシリル化反応抑制剤は、混練中のゲル化や硬化を防止し、あるいは常温保存中のゲル化や硬化を防止する作用、および、常温では硬化せず、昇温すると硬化速度が向上し、例えば、90℃〜120では8〜30分で硬化するようにする作用がある。
ヒドロシリル化反応抑制剤として、アセチレン系化合物、エンイン化合物、有機窒素化合物、有機燐化合物、オキシム化合物が例示される。
具体的には、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどのアセチレンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インなどのエンイン化合物、メチル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、ビニル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シランなどのアルキン含有シラン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンなどのアルケニル基含有オリゴシロキサン;ベンゾトリアゾールが例示される。
このヒドロシリル化反応抑制剤の配合量は、前記ヒドロシリル化反応加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を常温、室温では硬化せず、加熱硬化性、特には90℃で5〜15分間で充分に硬化するのに十分な量であり、前記ヒドロシリル化反応加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物中に、通常、0.05〜5質量%の範囲内であり、好ましくは0.1〜2質量%の範囲内である。本成分の種類、ヒドロシリル化反応触媒の種類と含有量、(イ)成分中のアルケニル基量、(ロ)成分中のケイ素原子結合水素原子量に応じて適宜選定することが好ましい。
前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するので、その硬化物は耐熱性が優れているおり、ヘッドスペースバイアルの開口部封止用積層シートの製造用に好適である。湿式シリカ含有では、耐熱性がよくない。
本発明において、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とが接着して積層している積層シートにおけるシリコーンゴム層形成のために使用される、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は、通常、上記の(イ)成分(ただし、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下である)と(A)疎水化処理したヒュームドシリカの所定量、あるいは該(イ)成分と(A)成分と疎水化剤の所定量を、遊星式ミキサーなどで、室温下または昇温下で均一に混練することによって液状シリコーンゴムベースを製造する。
ついで、液状シリコーンゴムベースに、室温下で(ロ)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと(ハ)白金系触媒と(ニ)ヒドロシリル化反応抑制剤を添加して均一に混練することによって製造することができる。
あるいは、遊星式ミキサー内で、シリコーンメーカから販売されている、2液タイプの、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり、所定量の(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物のA液とB液を均一になるまで混合することにより容易に製造することができる。
あるいは、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,充填剤を含有せず無色透明なヒドロシリル化反応架橋性液状シリコーンゲル組成物に、室温下で(ロ)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、特には前記メチルハイドロジェンポリシロキサン類を配合して、ケイ素原子結合水素原子とケイ素原子結合アルケニル基、例えばビニル基のモル比(SiH/SiVi比)を0.7〜1.4近辺に上げ、(A)ヒュームドシリカ、好ましくは疎水性ヒュームドシリカを配合することによって容易に製造することができる。
(A)成分の含有量は、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物中に通常、10〜24質量%であり、好ましくは12〜23質量%である。
市販のヒドロシリル化反応架橋性液状シリコーンゲル組成物は、通常、常温で液状のビニル基含有ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサン類と白金系触媒とヒドロシリル化反応抑制剤からなるが、SiH/SiVi比が1よりかなり小さく、例えば、0.4から0.7であるからである。また、充填剤を含有しないので、硬化しても強度のあるゴム状になり得ないからである。
前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は、芳香族ポリイミド樹脂フィルムへの接着性向上のために、好ましくは、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を含有する。
(B)成分は、好ましくは、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと(b)(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとからなる群から選択される1種ないし3種の有機官能性オルガノアルコキシシラン、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシランと(d)有機チタン化合物触媒からなる。
(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシランが例示される。
(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランとして、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、δ−メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシランが例示される。
(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシランが例示される。
(d)有機チタン化合物触媒として、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、エチルメチルジブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラエチルヘキシルチタネートなどの有機チタネートが例示される。
キレート化有機チタネートとして、チタンアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンテトラアセチルアセトネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、トリメチレンジオキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセタート)チタン、トリメチレンジオキシビス(エチルアセトアセテート)チタンが例示される。
(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランまたは(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと、(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランの共部分加水分解縮合物も添加剤として有用である。
かかる共部分加水分解縮合物は、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランまたは(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと、(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランを、少量の水と少量の有機チタン化合物触媒とともに混合して、共加水分解し部分縮合させることにより容易に製造することができる。
さらには、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと、(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと、(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランの共部分加水分解縮合物も添加剤として有用である。製法は上記同様である。
(B)成分が2種の有機官能性オルガノアルコキシシランの併用であるときは、質量比は特に限定されないが、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは5:95〜95:5が例示される。
(B)成分が2種または3種の有機官能性オルガノアルコキシシランと有機チタン化合物触媒の併用であるときは、2種または3種の有機官能性オルガノアルコキシシランの合計量と有機チタン化合物触媒が、質量比で10:0.02〜10:2が例示される。
(B)成分は、前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物に必須ではないが、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層間の接着性の点で、該組成物中に0質量%より多くを含有され、0.03〜6質量%含有が好ましく、0.1〜2質量%含有がさらに好ましい。
6質量%を超えて含有しても剥離接着性がそれ以上向上せず、シリコーンゴム特性や、セプタム特性を阻害しかねない。
前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物には、通常のヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物に添加配合することが周知慣用とされる各種の添加剤を添加することは、本発明の効果を損なわない限り差し支えない。このような添加剤としては、湿式シリカ、珪藻土粉末、石英粉末、カーボンブラックなどの増量充填剤;酸化チタン粉末、カーボンブラック、弁柄、各種有機顔料などの顔料;希土類酸化物粉末、セリウムシラノレート、セリウム脂肪酸塩などの耐熱剤;ベンゾトリアゾール、ヒュームド二酸化チタン、炭酸マンガン、炭酸亜鉛、白金化合物などの難燃剤、ステアリン酸カルシウムなどの内部離型剤が例示される。
なお、本願第1発明における芳香族ポリイミドフィルム、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物、その成分、シリコーンゴム層などについての上記説明および実施態様などは、特に断らない限り本願第2発明〜第8発明に共通するものである。
本願第2発明は、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、硬化物のJIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(II)と、密接させ、加圧下で145℃以下で加熱することを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmであるポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法に関する。
ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを製造するための、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とからなる積層シートは、芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(II)とを密接させ、加圧下で145℃以下で加熱することにより容易に製造することができる。
積層シートの反り防止の点から、加圧下で145℃以下であるが、好ましくは140℃以下であり、より好ましくは135℃以下である。
加熱温度が低いほど硬化時間が長くなるので、90℃以上であることが好ましく、105℃以上であることがより好ましい。これら温度で充分硬化しない場合は加熱時間を長くすることにより硬化させることができる。
加圧下で加熱硬化は、シリコーンゴム層表面が極めて平滑であり、所定の厚みのシリコーンゴム層を作製することができる点で、圧縮成形、プレス成型が好適である。後述するようなプレス加硫機の上下2枚の平板間での加熱圧縮成型が好適である。20MPaプラス5MPa,マイナス19MPaで加圧することが好ましく、20MPaプラス5MPa,マイナス15MPaで加圧することがより好ましい。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層とからなる積層シートは、シリコーンゴム層の両面に芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着しているものであってもよい。
かかる積層シートは、金型の平坦なキャビティ中で、2枚の芳香族ポリイミド樹脂フィルム間に前記ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を介在させて圧縮下で加熱することにより、詳しくは、後述する[シリコーンゴム層の両面に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着状態で積層された積層シートの作製方法]により容易に製造することができる。
本願第3発明は、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムであり、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるシリコーンゴムシートとの間に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,(B)有機官能性オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を含有し、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層を介在させ、加圧下加熱して該液状ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層を硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための、前記ポリイミドフィルムと,前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムシートとが接着状態で積層しており,縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法に関する。
ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための、前記ポリイミドフィルムと,前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムシートとが接着して積層しており,縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートは、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムであり、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるシリコーンゴムシートとの間に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,(B)有機官能性オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を含有し、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応硬化性液状シリコーンゴム組成物薄層を介在させ、加圧下加熱して該ヒドロシリル化反応硬化性液状シリコーンゴム組成物薄層を硬化させることにより製造することができる。
該ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層の厚みは、シリコーンゴムシートの厚みより顕著に小さければよく、特には限定されないが、好ましくはシリコーンゴムシートの厚みの1/7〜1/28である。(B)有機官能性オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物は、該ヒドロシリル化反応硬化性液状シリコーンゴム組成物薄層中に好ましくは0.1〜6質量%含まれる。硬化時に加圧しすぎると、該ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物が流出するので、6MPa以下が好ましく、4〜2MPaがより好ましい。
積層シートを構成するシリコーンゴム層の厚さは1.2〜5.0mmであるが、好ましくは1.3〜5.0mmであり、より好ましくは1.4〜5.0mmであり、さらに好ましくは1.6〜2.2mmである。シリコーンゴム層の厚さが薄すぎると、ガス漏れしやすくなるおそれがあり、シリコーンゴム層の厚さが大きすぎても無意味であるからである。
ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物は、ヘッドスペースバイアルの開口部封止用のセプタムとしたときのガス漏れ防止性の点から、JIS K 6249に規定される伸びが380%以上であることが好ましく、400%以上であることがより好ましい。併せて100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであることが好ましく、0.30〜1.35MPaであることがより好ましい。
JIS K 6249に規定される引裂き強さ(アングル型)は、同様の関点から、10N/mm以上であることが好ましく、11N/mm以上であることがより好ましい。
かくして製造(作製)された、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層とからなる積層シートは、該芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層がよく接着しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、好ましくは8N以上であり、より好ましくは18N以上であり、最も好ましくは刃物を使用して芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層間に切り口を入れても芳香族ポリイミド樹脂フィルム上のシリコーンゴム層を引き剥がすことができない。すなわち、シリコーンゴム層を芳香族ポリイミド樹脂フィルムから引き剥がし不可能、剥離不可能である。
かくして製造(作製)された、該シリコーンゴム層の片面に芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着してなる積層シートは、それを縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片にしたときの四隅の平均値が35mm以下の反り値となる程度の平坦性、フラット性を備える。すなわち、積層シートは、平面視にて正方形の積層シートの一辺の長さに対して四隅(四角)の平均反り値も35mm以下となるような平坦性を有する。なお、一隅(一角)でも半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲している場合は、平均反り値35mm以下に含めないものとし、比較例扱いとする。縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片にしたときの四隅の平均反り値は、好ましくは32mm以下であり、より好ましくは20mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下である。
なお、該シリコーンゴム層の片面に芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着してなる積層シートの形状とサイズは、縦120mm,横120mmの正方形とそのサイズに限定されるものでないことはいうまでもない。
かくして製造(作製)された、該シリコーンゴム層の両面にポリイミド樹脂フィルムが接着してなる積層シートは、それを縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片にしたときの四隅の平均値が5mm以下の反り値となる程度の平坦性、フラット性を備える。すなわち、積層シートは、平面視にて正方形の積層シートの一辺の長さに対して四隅(四角)の平均反り値も5mm以下となるような平坦性を有する。なお、一隅(一角)でも半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲している場合は、平均反り値5mm以下に含めないものとし、比較例扱いとする。縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片にしたときの四隅の平均反り値は、好ましくは2mm以下であり、より好ましくはまったく平坦である。なお、該シリコーンゴム層の両面に芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着してなる積層シートの形状とサイズは、縦120mm,横120mmの正方形とそのサイズに限定されるものでないことはいうまでもない。
このような平均反り値の小さな積層シートであると、小さな形状への打ち抜き作業が容易となり、かつ小さく打ち抜いた積層シートからなるセプタムは平坦性を有する。打ち抜き形状として円形、正方形、正六角形、正八角形が例示されるが、ヘッドスペースキャップ内側へのはめ込みやすさとヘッドスペースバイアルの円形開口部への装着性の点から好ましくは円形である。その直径は、ヘッドスペースバイアルの円形開口部の直径より大きく、ヘッドスペースキャップの内径以下であれば特に限定されない。例えば5〜30mmである。
本願第4発明は、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有し、JIS K 6249で規定する硬化物の伸びが250%以上であり、JIS K 6249で規定する100%伸張時の引張応力が0.1〜0.49MPaである、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物とを密接させ、加圧下で90℃以上、240℃以下で加熱して該シリコーンゲル組成物を1次硬化させ、次いで、熱気中に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下になるまで置いて2次硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する硬化物の伸びが250%以上であり、JIS K 6249で規定する100%伸張時の引張応力が0.1〜0.49MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層とが接着状態で積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法に関する。
補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物は、すでに説明した、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多く,補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物と、硬化物の伸びと100%伸張時の引張応力の点で一部重複しているが、表4のシリコーンゲルの硬さと表1−表3のシリコーンゴムの硬さを比較すれば解るように、シリコーンゲルはJIS K 6249およびJIS K 6253で規定されるタイプAデュロメータ、すなわち、タイプA硬さが15未満であり、シリコーンゴムより低硬度である。
補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物は、すでに説明した、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多く,補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物と、成分、製造方法および硬化性の点でほぼ同様である。
ただし、前記したヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物と違って、(ロ)成分の配合量は、(ロ)成分中のケイ素原子結合水素原子と(イ)成分中のケイ素原子結合アルケニル基、例えばビニル基とのモル比が、通常、(0.53:1)〜(0.68:1)となるような量であり、好ましくは、(0.54:1)〜(0.67:1)となるような量である。
なお、市販の通常グレードのシリコーンゲル組成物には、(イ)成分に起因するオルガノシロキサンオリゴマー(例えば、環状ジメチルシロキサンオリゴマー)が、1万〜3万ppmくらい残留していると言われている。
補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物の1次硬化条件は、補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の1次硬化条件と異なり、145℃以下に限定されず、90℃以上240℃以下が好ましい。
この1次硬化物と芳香族ポリイミドフィルムとからなる積層シートは、ヘッドスペースバイアル封止用セプタムとして使用した場合、上記のとおり、この1次硬化物は数千ppmくらいの環状オルガノシロキサンオリゴマーを含有しており、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析、および、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析に支障をきたすおそれがある。そこで、この1次硬化物と芳香族ポリイミドフィルムからなる積層シートを熱気中、好ましくは熱風中におくことにより、1次硬化物であるシリコーンゲル中の環状オルガノシロキサンオリゴマー、特には、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体を揮散させ、除去して、250ppm以下、好ましくは210ppm以下、より好ましくは100ppm以下とする。
熱気中での加熱は、加熱温度が低いと所要時間が長くなるので、90℃以上であり、110℃以上が好ましく、積層シートの反り増大を回避するため、240℃以下であり、220℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましい。加熱時間は高温ほど短時間でよく、30分〜6時間が好ましく、1時間〜5時間がより好ましい。なお、熱気中での加熱は非加圧下であることは言うまでもない。
そのための気体は加熱空気が好ましく、加熱窒素ガス等の不活性ガスであってもよい。
熱気中での加熱として、該ヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物層が、該芳香族ポリイミド樹脂フィルムと接着した状態で、熱風循環式オーブン中で非連続的に加熱する方法、横長または縦長の熱気炉中で連続的に加熱する方法が例示される。
なお、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物は、シリコーンメーカから販売されている汎用の二液型液状シリコーンゴム組成物キットのA液とB液の配合比を、低モジュラス化するように変えて混合することにより容易に製造することができる。
本願第5発明は、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多く,補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有し、硬化物のJIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゴム組成物(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(II)とを密接させ、加圧下で90℃以上145℃以下で加熱して該シリコーンゴム組成物を1次硬化させ、次いで、熱気中に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下になるまで置いて2次硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅のは、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法に関する。
本願第5発明において、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とが接着して積層している積層シートにおけるシリコーンゴム層形成のために使用される、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多いことを除き、本願第2発明において使用される、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物と同様である。
なお、表10の比較例14におけるシリコーンゴム中のD4-D15含有量750ppmを考慮すると、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物は、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が750質量ppmより多い。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化条件は、本願第4発明におけるヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物の硬化条件と同様である。
本願請求項1で規定する積層シートは、実施例16と実施例20で示される製法によっても、製造することができる。
本願第6発明は、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250ppm以下、好ましくは100質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートからなることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用セプタムに関する。
ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルは、米国のアジレントテクノロジー社(Agilent Technologies)、株式会社島津ジーエルシーなどから多種多様な製品が販売されている。典型例を図8に示した。
ヘッドスペースバイアルは、ヘッドスペースクリンプトップバイアルとヘッドスペーススクリューバイアルに大別される。図8はヘッドスペーススクリューバイアルの一例である。
バイアルは、ともに、通常、ガラス製であり、米国薬局方と欧州薬局方の要件に準じて、第1級加水分解性クラスのホウケイ酸ガラスで製造されている。内容積が10mlと20mlサイズの平底タイプ、10mlと20mlサイズの丸底タイプが販売されている。
円筒状本体の開口部に嵌めるキャップは、ヘッドスペースクリンプキャップとヘッドスペーススクリューキャップとに大別される。ともに、通常、アルミ、銀アルミ合金などの軽金属製である。
ヘッドスペースクリンプキャップ、ヘッドスペーススクリューキャップともに、図8に示すように、上面中央に円形の穴部6を有している。
芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層からなる積層シートからなる円盤状セプタム3は、上面中央に円形の穴部6を有するキャップ5の内側に、芳香族ポリイミドフィルムが手前になるように嵌めこまれる。すなわち、内嵌される。
バイアル4の開口部上面に、前記セプタム付きスクリューキャップ5を被せ、よく捻って開口部を封止する。スクリューキャップ5は、上面中央に円形の穴部6を有しているので、サンプルプルーブ9のニードル10を円盤状セプタム3に刺し込んで、バイアル4内のヘッドスペースガスを採取することができる。
本願第6発明に係る、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用セプタムは、図9において、高温(例、300℃)加熱され、不活性ガスの圧入でバイアルの内圧が高まった状態で、サンプルプルーブ9のニードル10をセプタム3に刺し込んで、バイアル4内のヘッドスペースガスを採取する際に、シリコーンゴム層がニードルを強く保持するので、ガス漏れ防止性、すなわち、耐ガス漏れ性に優れている。ガス漏れ防止性、すなわち、耐ガス漏れ性は、実施例中の[セプタムからのガス漏れ試験方法]により評価することができる。
このヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用セプタムは、「厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミド樹脂フィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下、好ましくは100ppm以下であり、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張強さが0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層している積層シート」を、刃物により所定形状に打ち抜くことにより製造することができる。
打ち抜き形状として円形、正方形、正六角形、正八角形が例示されるが、ヘッドスペースキャップ内側へのはめ込みやすさとヘッドスペースバイアルの円形開口部への装着性の点から好ましくは円形である。その直径は、ヘッドスペースバイアルの円形開口部の内径より大きく、ヘッドスペースキャップの内径以下であれば特に限定されない。例えば5〜30mmである。
本願第7発明の、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートからなるセプタムは、ヘッドスペースガス分析に用いられるバイアルを密閉するためのセプタム用として有用である。
このセプタムは、請求項1記載の積層シートを円形などに打ち抜くことにより容易に製造することができる。その形状は、通常、円盤状であるが、バイアルの開口部の形状に応じて適宜変更されるので、限定されるものではない。
なお、本願第1発明〜本願第7発明におけるヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用バイアル、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルは、バージ&トラップガスクロマトグラフ分析法用バイアル、ガスストリッピングガスクロマトグラフ分析法用バイアル、バージ&トラップガスクロマトグラフ質量分析分析法用バイアル。ガスストリッピングガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルであってもよい。
本願第8発明のセプタムは、芳香族ポリイミドフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層との積層体からなるセプタムであり、該ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムは、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し,架橋剤として少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(重合度3以下)を含有するヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする。
このセプタムは、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有することができる。
前記(ロ2)成分のうちでは、ヘッドスペースバイアル用セプタム以外のセプタムの高温加熱時にシリコーンゴム層から発生する低分子シロキサンのピーク面積合計が僅少になるので、両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルトリシロキサンが最良であり、ついで両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルジシロキサンが良好である。
このセプタムは、ヘッドスペースガスを分析用カラムに送るガスクロマトグラフィー装置の試料注入口部に設けられ内部を外界と隔離するためのセプタム(隔壁)、ガスクロマトグラフィー装置の試料気化室のセプタム、試料気化ユニットのセプタムなどとしても有用である。このセプタムは、請求項1記載の積層シートを円形などに打ち抜くことにより容易に製造することができる。また、所定内部形状の金型を使用して、所定形状の積層物であるセプタムを製造することができる。
その形状は、円盤状、ディスク状、角柱状、円柱状が例示されるが、適用箇所に応じて適宜変更されるので限定されるものではない。シリコーンゴム層の厚みは、1.2〜50mmが例示されるが、適用箇所に応じて適宜変更されるので限定されるものではない。
以下、本発明を実施例、参考例、比較例にて詳細に説明する。芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層からなる積層シートは次に示す方法にしたがって製造し、次に示す方法にしたがって特性を測定した。実施例中、配合量に関して、部とあるのは質量部のことであり、%とあるのは質量%のことである。特に断らない限り、大気中、室温下で作業・測定等をした。
[実施例で使用した材料]
[1] 芳香族ポリイミド樹脂フィルム
東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vを使用した。
メーカによる製品説明:フィルム厚さが50μmであり、引張強度300MPa(MD,TD)、引張伸度85%(MD,TD)、引張弾性率3.3GPa(MD,TD)、引裂伝播抵抗6.7N・mm-1(MD),6.9N・mm-1(TD)、熱収縮率(200℃)0.20%(MD),0.05%(TD)である。
[2] [環状ジメチルシロキサンオリゴマー含有量が僅少である、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物または加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物]
(a)DOW CORNING TORAY CY 52-276 Part A and Part B
メーカによる製品説明:シリコーンゲル,ポッティング材,2液タイプ,1:1混合,付加型加熱硬化,低温硬化,低粘度,CVタイプ(環状ジメチルシロキサン4量体〜環状ジメチルシロキサン10量体(D4−D10)含有量:50質量ppm)
針入度=75 mm/10(W/60)
粘度-Part A=1Pa・s
粘度-Part B=0.8Pa・s
25℃での可使時間(Working Time at 25℃)=0.5hrs
ゲル硬さ=70Grams/Penetration
注:無色透明につき充填剤を含有していないと解される。付加型加熱硬化性であるのでヒドロシリル化反応による硬化型である。
25℃での可使時間(Working Time at 25℃)=0.5hrsにつき、ヒドロシリル化反応抑制剤を含有していると解される。
(b)DOW CORNING EG-3100 KIT
メーカによる製品説明:シリコーンゲル, ポッティング材,2液,1:1混合,付加型加熱硬化,低粘度,CVタイプ。
外観:透明/透明、1:1混合後粘度(25℃):325mPa・s、ポットライフ:18時間以上、密度:0.98g/cm、硬さ[JIS Type A]:NA、針入度[JIS K2220]:85mm/10、低分子シロキサンD4-D10成分量:0.012%
注:無色透明につき充填剤を含有していないと解される。付加型加熱硬化性であるのでヒドロシリル化反応による硬化型である。ポットライフが長いので、ヒドロシリル化反応抑制剤を含有していると解される。
なお、DOW CORNINGは、登録商標である。
(c)DOW CORNING SE1720CV KIT
メーカによる製品説明:2液,白色,1:1混合,非腐食性,自己接着,高強度,ノンスランプ性,ボイド発生が少ない,速硬化,CVグレード
特性値
粘度(Part A):37,700mPa・s
粘度(Part B):41,900mPa・s
作業時間:360分
使用可能時間:270日
せん断:240psi
1:1混合物の100℃硬化物のデュロメータA:33ショア A
1:1混合物の100℃,60分硬化物の伸び:375%
1:1混合物の100℃,60分硬化物の引張強さ:480psi
注:高強度につき、補強性シリカフィラーを含有していると解され、ヒドロシリル化反応による液状シリコーンゴム組成物と解される。CVグレードにつき低分子シロキサンD4-D10成分量は僅少であると解される。
(d)XIAMETERTM RBL-9200-40 LSR
米国DOW CORNING CORPORATION製。
メーカによる製品説明:汎用LSRであり、改良されたレオロジー特性と長いポットライフから優れた作業性を有している。
硬さ40度品、A液とB液1:1混合、金型用、インジェクション成形用液状シリコーンゴム組成物
A液粘度:130Pa・s、B液粘度:120Pa・s、
ポットライフ:A液とB液を混ぜた混合物は25℃の環境下で混合後72時間使用可能。
硬化:高温で素早く硬化。2mm厚では、196℃にて6-10秒で硬化する。硬化時間は、最終製品の厚さと硬化温度によって異なる。
[5分/150℃硬化物の特性]
比重:1.12
硬さ(ショアaA):44
引張強さ:9MPa
伸び:510%
引裂強さ:37N/mm
注:高強度につき、補強性充填剤を含有していると解される。CVグレードではないので、環状ジメチルシロキサンオリゴマーが、数千〜3万ppmくらい残留していると推測される。
なお、XIAMETERは登録商標である。
[3] ヒュームドシリカ
アエロジルRX200:日本アエロジル株式会社販売。ヘキサメチルジシラザンで後処理された疎水性ヒュームドシリカ、BET法比表面積140m2/g
[4] 実施例16用ビニル基含有ジオルガノポリシロキサン
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.23質量%、粘度2,000mPa・s)
[5] ヒドロシリル化反応架橋剤(1分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基を有する)
架橋剤A:トリメチルシロキシ基で分子鎖両末端が封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、Me3SiO(Me2SiO)5(MeHSiO)3SiMe3、Si結合Hの含有量:0.75質量%、粘度:5.1mPa・s。(Meはメチル基である)
架橋剤B:トリメチルシロキシ基で分子鎖両末端が封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、Me3SiO(Me2SiO)16(MeHSiO)5SiMe3、Si結合Hの含有量:0.3質量%、粘度:15mPa・s。
架橋剤B1:トリメチルシロキシ基で分子鎖両末端が封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、Me3SiO(Me2SiO)18(MeHSiO)20SiMe3
Si結合Hの含有量:0.75質量%、粘度:30mPa・s。
架橋剤C:トリメチルシロキシ基で分子鎖両末端が封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキサン、Me3SiO(MeHSiO)65SiMe3、Si結合Hの含有量:1.6質量%、粘度:20mPa・s。
なお、上記架橋剤はいずれも、1分子中に少なくとも3個のSi結合H(ケイ素結合水素原子、ヒドロシリル基)を有する。
[6] ヒドロシリル化反応架橋剤(鎖伸長剤)
鎖伸長剤T:分子鎖両末端がH(CH3)2SiOで封鎖されたジメチルトリシロキサン、HMe2SiO(Me2SiO)3SiMe2H、Si結合Hの含有量:0.56質量%、粘度:2mPa・s。
鎖伸長剤D:分子鎖両末端がH(CH3)2SiOで封鎖されたジメチルテトラシロキサン、HMe2SiO(Me2SiO)4SiMe2H、Si結合Hの含有量:0.47質量%、粘度:2.5mPa・s
鎖伸長剤P:分子鎖両末端がH(CH3)2SiOで封鎖されたジメチルポリシロキサン、HMe2SiO(Me2SiO)19SiMe2H、Si結合Hの含有量:0.13質量%、粘度:13mPa・s。
[6] 実施例16用と実施例20用のDOW CORNING TORAY SRX 212 CATALYST
ヒドロシリル化反応用白金系触媒である、有機白金化合物溶液。

上記の、DOW CORNING CORPORATION製のヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物およびヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物には、硬化剤としてメチルハイドロジェンポリシロキサンとともに白金系触媒が含まれていると推測されるので、配合不要である。
[7] 実施例16用と実施例20用のヒドロシリル化反応抑制剤ETCH
1−エチニル−1−シクロヘキサノールの10質量%溶液
[7] AP-001
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部とビニルトリメトキシシラン5質量部とテトラブチルチタネート0.2質量部の混合物。
[SiH/SiVi比の推定方法]
1.加熱硬化性液状シリコーンゲル組成物
1) (イ)ビニル基含有量が0.47質量%である両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンと、(ロ)ケイ素原子結合水素原子含有量が0.75質量%である両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、(ハ)白金系触媒および(ニ)ヒドロシリル化反応抑制剤である(ニ)エチルシクロヘキシノールからなる加熱硬化性液状シリコーンゲル組成物を用意する。
2) その際、(イ)と(ロ)の合計量を99.50質量%とし、(ハ)を白金金属量として7.5ppmとし、(ニ)を0.5質量%とした。SiH/SiVi比が0.40,0.45,0.50,0.60,0.65,0.70,0.80,0.90,1.00,1.10,1.20,1.30,1.40となるように(イ)と(ロ)の配合比を細かく変えた混合物14種を調製し、脱泡後、厚みが6mm程度になるようにアルミ皿に計量した。アルミ皿に計量した各加熱硬化性液状シリコーンゲル組成物を120℃で30分、ついで180℃で1時間加熱することにより硬化させてシリコーンゲル片とした。各シリコーンゲル片の硬さを、SRIS 0101で規定するアスカーゴム硬度計C型により測定した。
3) 各SiH/SiVi比について、アスカーゴム硬度計C型による硬さ、すなわち、アスカーC硬さをグラフ用紙に目盛り、図11に示した。SiH/Vi比が上がるに従ってアスカーC硬さは上がっていき、SiH/SiVi=1.3でピークになり、それ以上アスカーC硬さが上がらない結果となった。
4) 加熱硬化性液状シリコーンゲル組成物であるEG-3100A液とEG-3100B液を質量比1/1で混合して硬化させたシリコーンゲル片は、アスカーC硬さが3.5であった。
加熱硬化性液状シリコーンゲル組成物であるCY52-276A液とCY52-276B液を質量比1/1で混合して硬化させたシリコーンゲル片は、アスカーC硬さが3.5であった。
5) 図11のグラフでは、SiH/SiVi=0.4でアスカーC硬さが3.5であるので、EG-3100A液とEG-3100B液の質量比1/1混合物は、SiH/SiVi比=0.4であると推定され、CY52-276A液とCY52-276B液の質量比1/1で混合物は、SiH/SiVi比=0.4であると推定される。
2.加熱硬化性液状シリコーンゴム組成物
RBL-9200-40AとRBL-9200-40Bの混合物中のRBL-9200-40Bの質量%を図12に示すとおり9とおり変化させて手混合し、脱泡後、厚さ6mmの金枠に流し込み、150℃で10分間プレスキュアし、次いで熱気中で180℃で1時間2次キュアさせてシリコーンゴムシートとした。JIS K 6249で規定されるタイプAデュロメータにより硬さを測定した。
A液:B液=50:50でタイプAデュロメータによる硬さ、すなわち、タイプA硬さが44であるが、B液比率を若干減らすとタイプA硬さは若干低下し、逆にB液比率を若干増やすとタイプA硬さは若干大きくなりピークに達した。
1.の結果から、SiH/SiVi=1.3のときにタイプA硬さがピークになることが分かっているので、RBL-9200-40は、A/B=1/1のときのSiH/Vi=1.2が推定できる。
ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物の基本特性とヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物の硬化物の基本特性は、これら組成物を各表に示す温度と時間、プレス加硫、すなわち、加圧下硬化して得た2mm厚の試験片について測定したものである。
密度、硬さ、引張強さ、伸びおよび引裂強さは、JIS K 6249の規定に従って測定した。硬さの測定にはタイプAデュロメータを使用し、引裂強さの測定にはアングル形の試験片を使用した。
50%モジュラスは、JIS K 6249の規定に従って伸びを測定した際、50%伸張時の引張応力である。
100%モジュラスは、JIS K 6249の規定に従って伸びを測定した際の、100%伸張時の引張応力である。
引裂開始時の伸びは、JIS K 6249の規定に従って引裂強さを測定した際の、アングル形試験片の引裂開始時点での伸びである。
[ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の硬化物についての、GC-MSによる環状ジメチルシロキサン4量体〜環状ジメチルシロキサン15量体(以下、D4〜D15と略記する)の定量分析条件]
・使用機器:Agilent 7890GC/5977MSD
・分析の温度条件:1)40℃で2分間保持、2)20℃/分で昇温、3)300℃で3分間保持
・イオンソース:EI
・MS範囲:30〜400
・イオンモード:SIM
各種環状ジメチルシロキサンオリゴマーがイオン化されやすい分子量と内標の分子量を以下の通り選択した。
D4 R.T 〜4m/z 43,57,156,281,282,341
D5 R.T 4〜6.5m/z 43,57,267,355,356
D6 R.T 6.5〜7.5m/z 43,57,325,341,342
D7 R.T 7.5〜8m/z 43,57,281,282,341
D8 R.T 8〜9m/z 43,57,281,355,356
D9 R.T 9〜9.5m/z 43,57,341,355,356
D10〜D15 R.T 9.5〜m/z 43,57,281,355,356
[シリコーンゴム中のD4〜D15の定量分析用サンプルの作製方法]
作製したシリコーンゴムシートを1mm角程度に刻み、0.3gをスクリュー管に入れ、内標(n-ウンデカン)200ppmヘキサン溶液を3ml入れて室温で8時間養生した。その後、スクリュー管をよく振って上澄み液をバイアルに1.5ml取ってサンプルとした。
[データ処理方法]
作成した検量線(内標200ppmにD4〜D7 50,5,0.5,0.05ppmの各溶液を同分析条件で分析したものから作成)に代入して濃度換算した。
但し、D8以降は標準液を保有していない為、D4換算で計算した。
[ヘッドスペースガス中のD4〜D15の定量分析方法]
(1)上面に穴部(内径:8mm)を有するアルミ製スクリューキャップ(内径:17.5mm)の内側に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層からなる積層シートから打ち抜いた円盤状セプタム(直径17.5mm)を、芳香族ポリイミド樹脂フィルムが手前になるように嵌めこむ。
(2)内容積20mlのホウケイガラス製スクリューバイアル(外径:23mm、胴体部分の高さ:60mm、口部の内部直径:12mm、口部の高さ:15mm)の上面開口部に、前記セプタム付きアルミ製スクリューキャップを被せ、よく捻って上面開口部を密封する。
(3)上面開口部を密封したスクリューバイアルを、ヘッドスペースガスクロマトグラフのヘッドスペース部(加熱部)に嵌めこみ、300℃で10分間加熱する。
(4)サンプルプローブ(Agilent Technologies製、品番G4556-60125)の試料採取針であるニードル(円筒部分の外径1/32インチ(0.79mm)、内径0.56mm、先端は略円錐台状)を前記セプタムに穿刺する。
(5)前記スクリューバイアル内は加圧状態になっているので、ヘッドスペースガス(前記セプタムのシリコーンゴムが加熱されて揮発した成分を含む)は、サンプルプローブ、ついで、トランスファーライン経由で下記ガスクロマトグラフ(GC)のキャピラリーカラムに流入する。
(6)ヘッドスペースガス中のD4-D15は分離して12のピークとなるので、各ピークの面積を計算する。各ピークの面積を、あらかじめ作成していた検量線(横軸:濃度、縦軸:ピーク面積)にあてはめて各濃度を算出し、D4-D15の合計濃度、すなわち、合計含有量を計算する。
[芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I]
1)プレス加硫機の平坦で歪みのないステインレススチール板(下板)の上に、内径120mm×120mm×深さ1.0mmの金枠(容量13.0cc)をセットし、上記金枠内に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムを敷いた。
2)金枠内の芳香族ポリイミド樹脂フィルム上に、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を流し込んだ。
3) 金枠内のヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の上に清浄なフッ素樹脂フィルム(例えばPTFEフィルム)を被せ、該フィルムの上に平坦で歪みのないステインレススチール板を載せた。
4)4)でアッセンブリしたものを所定の硬化温度に加温したプレス加硫機の下側プレートに載せ、下側プレートを油圧で上側プレートまで押し上げて20MPaで加圧し、所定時間加熱した。
5)所定時間が経過後に下側プレートを降下させ、加圧したアセンブリを取り出した。
6)取り出したアセンブリ上のステインレススチール板とフッ素樹脂フィルム(例えばPTFEフィルム)を除去し、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートを金枠内から取り出した。
[芳香族ポリイミド樹脂フィルムがシリコーン接着剤薄層を介してヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層に接着状態で積層された積層シートの作製方法II]
1)プレス加硫機の平坦で歪みのないステインレススチール板(下板)の上に、内径120mm×120mm×深さ1.0mmの金枠(容量13.0cc)をセットし、上記金枠内に、あらかじめ成型しておいたヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムシートを敷いた。
2)金枠内の前記シリコーンゴムシートに、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーン接着剤組成物を約100μmの厚さで薄く均一に塗布した。
3) 前記液状シリコーン接着剤組成物の上に芳香族ポリイミド樹脂フィルムを被せ、該フィルムの上に平坦で歪みのないステインレススチール板を載せた。
4)3)でアッセンブリしたものを所定の硬化温度に加温したプレス加硫機の下側プレートに載せ、下側プレートを油圧で上側プレートまで押し上げて3MPaで加圧し、120℃で10分間加熱した。
5)所定時間が経過後に下側プレートを降下させ、加圧したアセンブリを取り出した。
6)取り出したアセンブリ上のステインレススチール板とフッ素樹脂フィルム(例えばPTFEフィルム)を除去し、芳香族ポリイミド樹脂フィルムがシリコーン接着剤薄層を介してヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層に接着状態で積層された積層シートを金枠内から取り出した。
[シリコーンゴム層の両面に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着状態で積層された積層シートの作製方法]
1)プレス加硫機の平坦で歪みのないステインレススチール板(下板)の上に、内径120mm×120mm×深さ1.0mmの金枠(容量13.0cc)をセットし、上記金枠内に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムを敷いた。
2)金枠内の、芳香族ポリイミド樹脂フィルム上に、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を流し込んだ。
3) 金枠内のヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物の上に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムを被せ、該ポリイミド樹脂フィルムの上に平坦で歪みのないステインレススチール板を載せた。
4)3)でアッセンブリしたものを所定の硬化温度に加温したプレス加硫機の下側プレートに載せ、下側プレートを油圧で上側プレートまで押し上げて20MPaで加圧し、所定時間加熱した。
5)所定時間が経過後に下側プレートを降下させ、加圧したアセンブリを取り出した。
6)取り出したアセンブリ上のステインレススチール板を除去し、シリコーンゴム層の両面に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムが接着状態で積層された積層シートを金枠内から取り出した。
[積層シートの剥離接着強さ試験]
作製した縦120mm×横120mmの積層シートを、長さ115mm×幅20mmになるようにテープ状に切断した。
このテープの先端部分について、刃物を使用して芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層間に切り口を入れて、ポリイミド樹脂フィルム上のシリコーンゴム層を長さ方向に3cm引き剥がし、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づき、ポリイミド樹脂フィルムの先端部分とシリコーンゴム層の先端部分を引張り試験機のチャックで掴み、180度反対方向に引張る剥離接着強さ試験を行った。引張り速度は、80mm/minとした。合格基準は、5N/25mmとした。芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層間の接着力が大きくて、刃物を使用して芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層間に切り口を入れても、芳香族ポリイミド樹脂フィルム上のシリコーンゴム層を長さ方向に引き剥がせない場合は、剥離不可能と表示した。
[積層シートの反り度合いの観察]
内径120mm×120mm×深さ0.9mmの金枠内から取り出した積層シートは、多くの場合に少なくとも一辺と一隅が多少反っている(カールしている)ので、平面上に凹状となるように整置し、放冷後、側方から四辺と四隅の反り度合い、湾曲度合を肉眼観察した。
[積層シートの平均反り値試験]
内径120mm×120mm×深さ0.9mmの金枠内から取り出した積層シートを平面上に凹状となるように静置し、放冷後、四隅の該平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)を実測し、その平均値を平均反り値(mm)とし、具体的には、次式によって算出した。
平均反り値(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
なお、四隅のうちの1隅でも半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲している場合は、比較例扱いとし、平均反り値を計算せず、例えば、半円弧状以上に湾曲と表示した。
[セプタムからのガス漏れ試験方法]
1.準備
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層からなる積層シートからなる円盤状セプタム(直径17.5mm)10個、内容積20mlのホウケイガラス製スクリューバイアル(外径:23mm、胴体部分の高さ:60mm、口部の内部直径:12mm、口部の高さ:15mm)10個、上面に穴部(内径:8mm)を有するアルミ製スクリューキャップ(内径:17.5mm)10個を準備する。
2.手順
(1)上面に穴部(内径:8mm)を有するアルミ製スクリューキャップ(内径:17.5mm)の内側に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層からなる積層シートから形成した円盤状セプタム(直径17.5mm)を、芳香族ポリイミド樹脂フィルムが手前になるように嵌めこむ。
(2)内容積20mlのホウケイガラス製スクリューバイアル(外径:23mm、胴体部分の高さ:60mm、口部の内部直径:12mm、口部の高さ:15mm)の上面開口部に、前記セプタム付きアルミ製スクリューキャップを被せ、よく捻って上面開口部を封止する。
(3)このセプタムとスクリューキャップにより密封したスクリューバイアルを、ヘッドスペースガスクロマトグラフのヘッドスペース部(加熱部)に入れて、300℃で10分間加熱する。
(4)サンプルプローブ(Agilent Technologies製、品番G4556-60125)のニードル(円筒部分の外径1/32インチ(0.79mm)、内径0.56mm、先端は略円錐台状)を前記セプタムに刺通し、切替え弁を開けて加圧ヘリウムガスをバイアル内に圧入する。
(5)前記バイアルの内圧が0.105Mpaになった時、切替え弁を閉じてヘリウムガスの圧入を中止する。前記バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて揮発した成分を含む気相)がサンプルループ内に充填される。
(6)サンプルループ内の加圧ヘッドスペースガスは、トランスファーライン経由でガスクロマトグラフ(GC)のカラムへ注入される。その間、前記ニードルは前記バイアルのセプタムに刺さったままにしておく。
(7)ガスクロマトグラフ分析を行い、チャート図のピークを観察する。
3.判定
前記セプタムの刺通箇所にガス漏れがないと、ガスクロマトグラムに環状ジメチルシロキサンオリゴマーのピークが存在するが、ガス漏れがあると、環状ジメチルシロキサンオリゴマーのピークが存在しない。ガスクロマトグラムに環状ジメチルシロキサンオリゴマーのピークが存在する場合は、ガス漏れがないと判定し、ガスクロマトグラムに環状ジメチルシロキサンオリゴマーのピークが存在しない場合は、ガス漏れがあると判定した。
4.実施例と比較例の表での表示
10本ともガス漏れがなかった場合は、0/10と表示した。例えば、10本中2本がガス漏れした場合は、2/10と表示した。例えば、2本目にガス漏れした場合は、それ以上試験せずに1/2と表示した。
[芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層とからなる積層シートからなる円盤状セプタムとスクリューキャップにより口部を密封したスクリューバイアルを、ヘッドスペースガスクロマトグラフのヘッドスペース部(加熱部)に入れて、加熱したときにシリコーンゴム層から発生した揮発性成分を、ガスクロマトグラフ(GC)のカラムへ注入し、所定の温度条件でガスクロマトグラフ分析を行い、表示されたクロマトグラムの複数の各低分子シロキサンピークの面積合計の求め方]
・分析機器であるヘッドスペースガスクロマトグラフ:Agilent 7890GC/5977MSD。Agilentは登録商標である。
・イオンソース:EI
・使用カラム:Agilent HP5MS(30m)
・ループサイズ:1ml
・分析条件
スプリット比 1:10
分析範囲 30−400mass
HS部の条件 300℃,10分間
分析部の条件 40℃,2分間ホールド→20℃/分で昇温→300℃,3分間ホールド
1.準備
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層からなる積層シートからなる円盤状セプタム(直径17.5mm)10個、内容積20mlのホウケイガラス製スクリューバイアル(外径:23mm、胴体部分の高さ:60mm、口部の内部直径:12mm、口部の高さ:15mm)10個、上面に穴部(内径:8mm)を有するアルミ製スクリューキャップ(内径:17.5mm)10個を準備する。
2.手順
(1)上面に穴部(内径:8mm)を有するアルミ製スクリューキャップ(内径:17.5mm)の内側に、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層からなる積層シートから形成した円盤状セプタム(直径17.5mm)を、芳香族ポリイミド樹脂フィルムが手前になるように嵌めこむ。
(2)内容積20mlのホウケイガラス製スクリューバイアル(外径:23mm、胴体部分の高さ:60mm、口部の内部直径:12mm、口部の高さ:15mm)の上面開口部に、前記セプタム付きアルミ製スクリューキャップを被せ、よく捻って上面開口部を封止する。
(3)このセプタムとスクリューキャップにより密封したスクリューバイアルを、ヘッドスペースガスクロマトグラフのヘッドスペース部(加熱部)に入れて、300℃で10分間加熱する。
(4)サンプルプローブ(Agilent Technologies製、品番G4556-60125)のニードル(円筒部分の外径1/32インチ(0.79mm)、内径0.56mm、先端は略円錐台状)を前記セプタムに刺通し、切替え弁を開けて加圧ヘリウムガスをバイアル内に圧入する。
(5)前記バイアルの内圧が0.105Mpaになった時、切替え弁を閉じてヘリウムガスの圧入を中止する。前記バイアル内の加圧ヘッドスペースガス(前記セプタムが加熱されて揮発した成分を含む気相)がサンプルループ内に充填される。
(6)サンプルループ内の加圧ヘッドスペースガスは、トランスファーライン経由でガスクロマトグラフ(GC)のカラムへ注入される。その間、前記ニードルは前記バイアルのセプタムに刺さったままにしておく。
(7)40℃,2分間ホールド→20℃/分で昇温→300℃,3分間ホールドの温度条件でガスクロマトグラフ分析を行い、表示されたクロマトグラムの各ピークを観察する。
3.複数の低分子シロキサン(低重合度シロキサン)ピークの面積合計の求め方
上記分析機器が内蔵する解析ソフトウェアによって、自動的に算出された各ピークの面積値の中から低分子シロキサン(低重合度シロキサン)のピークに相当するものを選び、それらの値を合計する。
[実施例1](表1)
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのA液50部とアエロジルRX20010.0部を投入して均一になるまで混合して組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのB液50部とアエロジルRX20010.0部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A60.0部、流動性組成物B60.0部、架橋剤A1.1部と鎖伸長剤D1.5部とAP-001 1.0部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.2質量%含有)を調製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、20MPaの加圧下(表7の実施例以外ではすべての実施例、参考例、比較例で同様である)、120℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表1に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表1に示した。
[実施例2](表1)
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100KITのA液50部とアエロジルRX20012.5部を投入して均一になるまで混合して流動組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100KITのB液50部とアエロジルRX20012.5部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A62.5部、流動性組成物B62.5部、架橋剤A1.1部と鎖伸長剤D1.5部とAP-0011.0部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を19.4質量%含有)を調製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、加圧下120℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表1に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(シリコーンゴム層の厚み:1.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表1に示した。
[実施例3](表1)
実施例1において、シリコーンゴム層の厚みを1.4mmの代わりに1.8mmとしたほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物](アエロジルRX200を16.2質量%含有)を調製し、積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、加圧下120℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表1に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表1に示した。
[比較例1](表1)
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのA液50部とアエロジルRX20010.0部を投入して均一になるまで混合して流動組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのB液50部とアエロジルRX20010.0部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A60.0部、流動性組成物B60.0部、架橋剤A2.06部とAP-0011.0を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.3質量%含有)を調製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、加圧下120℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性を表1に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(シリコーンゴム層の厚み:1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかったが、3本中1本がガス漏れした。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表1に示した。
[比較例2](表1)
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのA液50部とアエロジルRX20012.5部を投入して均一になるまで混合して流動組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのB液50部とアエロジルRX20012.5部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A62.5部、流動性組成物B62.5部、架橋剤A2.06部とAP-0011.0を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を19.5質量%含有)を調製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、加圧下120℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性を表1に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(シリコーンゴム層の厚み:1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかったが、3本中3本がガス漏れした。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表1に示した。
[比較例3](表1)
実施例3において、シリコーンゴム層の厚みを1.1mmにした他は同一条件で、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(シリコーンゴム層の厚み:1.1mm)とが接着している積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、加圧下120℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表1に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかったが、10本中2本ガス漏れがあった。この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表1に示した。
[比較例4](表2)
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING TORAY CY 52-276 Part A 50部とアエロジルRX2005.0部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING TORAY CY 52-276 Part B50部とアエロジルRX2005.0部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A55.0部、流動性組成物B55.0部、架橋剤A1.15部とAP-0011.0を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を8.9質量%含有)を調製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で20分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性を表2に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、100℃で20分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(シリコーンゴム層の厚み:1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み1.4mm)が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかったが、8本中1本がガス漏れしていた。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表3に示した。
[実施例4](表2)
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING TORAY CY 52-276 PartA 50部とアエロジルRX20010部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING TORAY CY 52-276 PartB50部とアエロジルRX20010部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A60部、流動性組成物B60部、架橋剤A(メチルハイドロジェンポリシロキサン)1.15部とAP-0011.0を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.4質量%含有)を調製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で20分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表3に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下100℃で20分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表3に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例5](表2)
実施例4において、DOW CORNING TORAY CY 52-276 Part A50部に対して、アエロジルRX20010部の替わりに12.5部を投入し、DOW CORNING TORAY CY 52-276 Part B50部に対して、アエロジルRX20010部の替わりに12.5部を投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(前記RX200を19.7質量%含有)を調製し、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で20分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表2に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いがほどほどであり、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表2に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例6](表2)
実施例4において、DOW CORNING TORAY CY52-276 PartA50部に対して、アエロジルRX20010部の替わりに7.5部を投入し、DOW CORNING TORAY CY52-276 PartB50部に対して、アエロジルRX20010部の替わりに7.5部を投入し、架橋剤A1.15部の代わりに架橋剤Bを2.2部投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を12.7質量%含有)を調製し、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で20分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表2に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表2に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[比較例5](表2)
実施例6において、架橋剤A2.2部の替わりに、架橋剤C0.78部を投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を12.8質量%含有)を調製し、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で20分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性を表2に示した。伸びが206%であり、著しく小さい。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いがほどほどであり、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表2に示した。
10本中8本もガス漏れした。
[実施例7](表3)
実施例4において、架橋剤A1.15部の代わりに架橋剤B2.2部を投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(前記RX200を16.2質量%含有)を調製し、積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表3に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表3に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例8(表3)
実施例5において、架橋剤A1.15部の代わりに架橋剤B2.2部を投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を19.5質量%含有)を調製し、積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片について測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表3に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表3に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例9](表3)
実施例4において、DOW CORNING TORAY CY52-276 PartA50部に対して、アエロジルRX20010部の替わりに15部を投入し、DOW CORNING TORAY CY52-276 PartB50部に対して、アエロジルRX20010部の替わりに15部を投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を22.7質量%含有)を調製し、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で20分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片で測定したゴム特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表3に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表3に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[比較例6](表3)
実施例4において、架橋剤A1.15部の代わりに架橋剤Cを0.78部投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.4質量%含有)を調製し、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片で測定したゴム特性を表3に示した。伸びが220%であった。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いがまずまずであり、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。2本目がガス漏れしたので、ガス漏れ試験を中止した。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表3に示した。
[比較例7](表3)
実施例5において、架橋剤A1.15部の代わりに架橋剤Cを0.78部投入したほかは同一条件で、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を19.7質量%含有)を調製し、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下100℃で10分間加熱により硬化して得た2mm厚の試験片で測定したゴム特性を表3に示した。伸びが250%であった。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着しており、反り度合いがまずまずであり、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。2本目がガス漏れしたので、ガス漏れ試験を中止した。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表3に示した。
[参考例1](表4)
遊星式ミキサーに、前記RBL-9200-40A31.6部と前記RBL-9200-40B8.4部とAP-0010.04部を投入して均一になるまで混合してヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物(SiH/SiVi比=0.50。ヒュードシリカを23質量%含有)を調製した。このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物を加圧下120℃で10分間加熱して2mm厚のシート状ゲルとした。ついで、このシート状ゲルを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した後、2mm厚のシリコーンゲル片の特性値を測定し、表4に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層とが接着して積層している積層シートを作製した。この積層シートを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゲル層(厚み1.9mm)がよく接着しており、反り度合いが小さく、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さを測定して表4に示した。
[実施例10](表4)
遊星式ミキサーに、前記RBL-9200-40A30.8部と前記RBL-9200-40B9.2部とAP-0010.04部を投入して均一になるまで混合してヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物(SiH/SiVi比=0.55。ヒュードシリカを23質量%含有)を調製した。このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物を20Paで加圧下、120℃で10分間加熱して2mm厚のシート状とした。ついで、シート状ゲルを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した後、2mm厚のシリコーンゲル片の特性値とシリコーンゲル中のD4-D15含有量を測定し、表4に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層とが接着して積層している積層シートを作製した。この積層シートを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゲル層(厚み1.9mm)がよく接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表4に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[参考例2](表4)
遊星式ミキサーに、前記RBL-9200-40A30.0部と前記RBL-9200-40B10部とAP-0010.04部を投入して均一になるまで混合してヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物(SiH/SiVi比=0.60。ヒュードシリカを23質量%含有)を調製した。このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物を加圧下120℃で10分間加熱して2mm厚のシート状ゲルとした。ついで、このシート状ゲルを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した後、2mm厚のシリコーンゲル片の特性値を測定し、表4に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層とが接着して積層している積層シートを作製した。この積層シートを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゲル層(厚み1.9mm)がよく接着しており、反り度合いが小さく、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さを測定して表4に示した。
[実施例11](表4)
遊星式ミキサーに、前記RBL-9200-40A29.2部と前記RBL-9200-40B10.8部とAP-0010.04部を投入して均一になるまで混合してヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物(SiH/SiVi比=0.65。ヒュードシリカを23質量%含有)を調製した。このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物を、加圧下120℃で10分間加熱してシート状とし、ついで、200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した2mm厚のシリコーンゲル片の特性値とシリコーンゲル中のD4-D15含有量を測定し、表4に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」を使用し、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層(厚み1.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
ついで、この積層シートを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間置いて2次硬化した
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゲル層(厚み1.9mm)が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表4に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[比較例8](表4)
遊星式ミキサーに、前記RBL-9200-40A28.4部と前記RBL-9200-40B11.6部とAP-0010.04部を投入して均一になるまで混合してヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物(SiH/SiVi比=0.70。ヒュードシリカを23質量%含有)を調製した。このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゲル組成物を、加圧下120℃で10分間加熱してシート状とし、ついで、200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した2mm厚のシリコーンゲル片の特性値とD4-D15含有量を測定し、表4に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層(厚み1.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
ついで、この積層シートを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間置いて2次硬化した
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゲル層(厚み1.9mm)が強固に接着しているが、4隅が直角以上に反っていた。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さを測定して表4に示した。
[比較例9](表5)
遊星式ミキサーに、前記CY52-276A50部とRX20012.5部とを投入してして均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記CY52-276B50部とRX20012.5部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに流動性組成物A62.5部と流動性組成物B62.5部と架橋剤A1.15部とAP-0011.0部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(RX200を19.7質量%含有)を調製した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下100℃で20分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み0.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み0.9mm)が強固に接着しているが、4隅が直角以上に反っていた。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さを表5に示した。
[比較例10](表5)
遊星式ミキサーに、前記EG3100A50部とアエロジルRX20010部とを投入してして均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記EG3100B50部とRX20010部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに流動性組成物A60部と流動性組成物B60部と架橋剤A2.06部とAP-0011.0部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.3質量%含有)を調製した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み0.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み0.9mm)が強固に接着しているが、4隅が直角以上に反っていた。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さを表5に示した。
[比較例11](表5)
遊星式ミキサーに、前記EG3100A50部とアエロジルRX20012.5部とを投入してして均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記EG3100B50部とアエロジルRX20012.5部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに流動性組成物A62.5部と流動性組成物B62.5部と架橋剤A1.1部と鎖伸長剤C1.5部とAP-0011.0部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を19.4質量%含有)を調製した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み0.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み0.9mm)が強固に接着しており、平均そり値が13.5mmであるが、2本目がガス漏れしたので、ガス漏れ試験を中止した。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ性を表5に示した。
[比較例12](表5)
遊星式ミキサーに、前記SE1720A50部とアエロジルRX2007.5部とを投入してして均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記SE1720B50部とアエロジルRX2007.5部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに流動性組成物A57.5部と流動性組成物B57.5部とAP-0011.0部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を12.9部含有)を調製した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み0.9mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み0.9mm)が強固に接着しており、平均そり値が18.8mmであるが、2本目がガス漏れしたので、ガス漏れ試験を中止した。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ性を表5に示した。
[参考例3](表6)
遊星式ミキサーに、前記EG3100A50部とRX20012.5部とを投入してして均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記EG3100B50部とRX20012.5部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに流動性組成物A62.5部と流動性組成物B62.5部と架橋剤A1.1部と鎖伸長剤D1.5部と、AP-001無投入,0.1部投入,0.3部投入または0.5部投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を約19.5質量%含有)4種を調製した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シート4種を作製した。
これら積層シートの平均反り値と剥離接着強さを測定して表6に示した。
AP-001無投入品でも、剥離接着強さが12.2N/20mmであった。AP-0010.1部投入品でも、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み1.4mm)が強固に接着していた。
[参考例4](表6)
遊星式ミキサーに、前記CY52-276A50部とアエロジルRX20012.5部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記CY52-276B50部とアエロジルRX20012.5部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに流動性組成物A62.5部と流動性組成物B62.5部と架橋剤A1.15部と、AP-0010.1部投入,AP-0010.3部投入,AP-0010.5部またはAP-0015部投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を約19.5質量%含有)4種を調製した。なお、AP-0010.5部投入では硬化不十分となったので架橋剤Aを5.2部投入した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下100℃で20分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シート4種を作製した。
これら積層シートの平均反り値と剥離接着強さを測定して表6に示した。
AP-0010.1部投入品でも、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が強固に接着していた。
[実施例12](表7)
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのA液50部とアエロジルRX20010部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのB液50部とアエロジルRX200(10部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A60部、流動性組成物B60部、架橋剤A2.06部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.4質量%含有)を調製した。
遊星式ミキサーに、前記DOW CORNING EG-3100 KITのA液50部とアエロジルRX20010部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記DDOW CORNING EG-3100 KITのB液50部とアエロジルRX20010部を投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに、流動性組成物A60部、流動性組成物B60部、架橋剤A1.1部と鎖伸長剤D1.5部とAP-0011.0部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーン接着剤組成物(アエロジルRX200を16.3質量%含有)を調製した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の[芳香族ポリイミド樹脂フィルムがシリコーン接着剤薄層を介してヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層に接着状態で積層された積層シートの作製方法II]に従い、3MPaの加圧下120℃で10分間加熱して、芳香族ポリイミド樹脂フィルムがシリコーン接着剤薄層を介してヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層に接着状態で積層された三層積層シートを作製した。
この三層積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が、シリコーン接着剤硬化物薄層を介して強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
シリコーンゴム中のD4-D15含有量およびヘッドスペースガス中のD4-D15含有量を表7に示した。
この三層積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表7に示した。10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例13](表7)
実施例12において、流動性組成物A60部、流動性組成物B60部、架橋剤A2.06部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を調製する代わりに、流動性組成物A60部、流動性組成物B60部、架橋剤A1.1部および鎖伸長剤D1.5部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.4質量%含有)を調製し、その他は、実施例12と同一条件で、三層積層シートを作製した。この三層積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層が、シリコーン接着剤硬化物薄層を介して強固に接着しており、反り度合いが小さく、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
シリコーンゴム中のD4-D15含有量およびヘッドスペースガス中のD4-D15含有量を表7に示した。
この三層積層シートの平均反り値と剥離接着強さとガス漏れ本数を測定して表7に示した。10本中1本もガス漏れしなかった。
[参考例5−1](表8)
東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)と、[実施例1]で調製したヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱により、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)が接着状態で積層された積層シートを作製した。
積層シートの平均反り値を測定して表8に記載した。
積層シートの平均反り値が10mmであった。
[参考例5−2](表8)
[参考例5−1]において、加圧下120℃で10分間加熱の替わりに、130℃で8分間加熱により、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)が接着状態で積層された積層シートを作製した。
積層シートの平均反り値を測定して表8に記載した。
積層シートの平均反り値が13mmであった。
[参考例5−3](表8)
[参考例5−1]において、加圧下120℃で10分間加熱の替わりに、150℃で7分間加熱により、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)が接着状態で積層された積層シートを作製した。
積層シートの平均反り値を測定して表8に記載した。
積層シートの4隅が直角以上に反っており、硬化温度条件として不適なことが判明した。
[参考例5−4](表8)
[参考例5−1]において、加圧下120℃で10分間加熱の替わりに、200℃で5分間加熱により、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)が接着状態で積層された積層シートを作製した。
積層シートの平均反り値を測定して表8に記載した。
積層シートが円筒状に丸まってしまい、硬化温度条件として不適なことが判明した。
[参考例6−1](表8)
東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)と、[実施例2]で調製したヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱により、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)が接着状態で積層された積層シートを作製した。
積層シートの平均反り値を測定して表8に記載した。
積層シートの平均反り値が16mmであった。
[参考例6−2](表8)
[参考例6−1]において、加圧下120℃で10分間加熱の替わりに、140℃で7分間加熱により、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)が接着状態で積層された積層シートを作製した。
積層シートの平均反り値を測定して表8に記載した。
積層シートの平均反り値が25.5mmであった。
[参考例6−3](表8)
[参考例6−1]において、加圧下120℃で10分間加熱の替わりに、150℃で7分間加熱により、芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)が接着状態で積層された積層シートを作製した。
積層シートの平均反り値を測定して表8に記載した。
積層シートの4隅が直角以上に反っており、硬化温度条件として不適なことが判明した。
[実施例14](表9)
実施例1において、AP-001を投入しない以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を19.6質量%含有)を調製した。このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下120℃で10分間加熱して硬化させた。その硬化物の特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表9に示した。を表9に示した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を使用する以外は、実施例1と同一条件で、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表9に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層がよく接着しており、反り度合いが小さく、ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。10本中1本もガス漏れがなかった。
[実施例15](表9)
実施例1において、AP-001を1部投入の代わりに、AP-001を0.1部投入する以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を19.6質量%含有)を調製した。ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を加圧下120℃で10分間加熱して硬化させた。その硬化物の特性とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を表9に示した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を使用する以外は、実施例1と同一条件で、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層とが接着して積層している積層シートを作製した。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表9に示した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層がよく接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。10本中1本もガス漏れがなかった。
[実施例16](表10)
遊星式ミキサーに、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.23質量%、粘度2,000mPa・s)100部とアエロジルRX20020部を投入して均一になるまで混合して液状シリコーンゴムベースを調製した。これに、架橋剤A0.65部と鎖伸長剤D1.71部とETCH0.20部とAP-0010.5部を投入して均一になるまで混合し、最後にSRX212CATALYST0.20部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(SiH/SiVi比=15.8。アエロジルRX200を16.3質量%含有)を調製した。
このヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物を、加圧下120℃で10分間加熱してシート状とし、ついで、200℃の熱風循環式オーブン内に4時間おいて2次硬化した。2mm厚のシリコーンゴム片の特性値とシリコーンゴム中のD4-D15含有量を測定し、表10に示した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.8mm)とが接着して積層している積層シートを作製した。
ついで、この積層シートを200℃の熱風循環式オーブン内に4時間置いて2次硬化した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み1.8mm)が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表10に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例17](表10)
実施例16において、アエロジルRX20020部の代わりにアエロジルRX20015部とした他は、同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を13質量%含有)を調製し積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み1.8mm)が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表10に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例18](表10)
実施例16において、AP-0010.5部の代わりにAP-0010.1部とした他は、同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.3質量%含有)を調製し、積層シートを作製した。
この積層シートは、芳香族ポリイミド樹脂フィルムとシリコーンゴム層(厚み1.8mm)が強固に接着しており、反り度合いが小さく、芳香族ポリイミド樹脂フィルムに皺がよっていなかった。
この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表10に示した。
10本中1本もガス漏れしなかった。
[実施例19](表11)
実施例16において、熱風中200℃4時間の代わりに、熱風中200℃1時間とした他は、同一条件で積層シートを作製した。この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表11に示した。シリコーンゴム中のD4-D15含有量が235ppmであったが、10本中1本もガス漏れしなかった。
[比較例14](表11)
実施例16において、熱風中200℃4時間の代わりに、2次硬化なしとした他は、同一条件で積層シートを作製した。シリコーンゴム中のD4-D15含有量を測定し、この積層シートの平均反り値と剥離接着強さとヘッドスペースガス中のD4-D15含有量とガス漏れ本数を測定して表11に示した。シリコーンゴム中のD4-D15含有量が750ppmと大きかった。
[比較例15](表11)
実施例16において、架橋剤0.65部と鎖伸長剤1.71部の代わりに架橋剤1.79部とした他は、同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.3質量%含有)を調製し、積層シートを作製した。シリコーンゴム特性と反り度合いと剥離接着強さを表11に示した。反り度合いが直角以上につき、D4-D15含有量とガス漏れ本数を測定しなかった。
[比較例16](表11)
実施例16において、架橋剤0.65部と鎖伸長剤1.71部の代わりに架橋剤1.22部と鎖伸長剤0.86部とした他は、同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.3質量%含有)を調製し、積層シートを作製した。シリコーンゴム特性と反り度合いと剥離接着強さを表11に示した。反り度合いが直角以上につき、D4-D15含有量とガス漏れ本数を測定しなかった。
[参考例7](表12)
遊星式ミキサーに、前記EG3100A50部とRX20012.5部とを投入してして均一になるまで混合して流動性組成物Aを調製した。
遊星式ミキサーに、前記EG3100B50部とRX20012.5部とを投入して均一になるまで混合して流動性組成物Bを調製した。
遊星式ミキサーに流動性組成物A62.5部と流動性組成物B62.5部と架橋剤A1.1部と鎖伸長剤D1.5部と、(7-1)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,(7-2)ビニルトリメトキシシラン,(7-3)γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,(7-4)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部とビニルトリメトキシシラン5質量部の混合物),または,(7-5)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5質量部の混合物0.3部を投入して均一になるまで混合して、ヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を約19.5質量%含有)5種を調製した。
芳香族ポリイミド樹脂フィルムとして、東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)を使用し、前記の「芳香族ポリイミド樹脂フィルムの片面にヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層が接着状態で積層された積層シートの作製方法I」に従い、加圧下120℃で10分間加熱して、カプトン200H/Vフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(厚み1.4mm)とが接着して積層している積層シート5種を作製した。
これら積層シートの平均反り値と剥離接着強さを測定して表12に示した。
いずれも剥離不可能であり、(B)成分を含有しない参考例3−1に比べて顕著に優れていることがわかる。
表中の各成分の配合量は、質量部である。アエロジルRX200の(%)は、質量%である。
注:
(7-1) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(7-2) ビニルトリメトキシシラン
(7-3) γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(7-4) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部とビニルトリメトキシシラン5質量部の混合物)
(7-5) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5質量部の混合物
[実施例20]
表13に示されるビニル基含有ジオルガノポリシロキサン100.0部とアエロジルRX-20020.0部を遊星式ミキサーに投入して、均一になるまで混練し、ついで、ETCH(10%)0.20部を投入して混連することにより、液状シリコーンゴムベースを調製した。ついで、残りの成分を投入して、均一になるまで混練することにより、液状シリコーンゴム組成物(1)、(2)、(3)および(4)を調製した。
各組成物を加圧下120℃で10分間加熱することにより硬化させて厚み1.8mmのシリコーンゴムシート(1)、(2)、(3)および(4)を作成した。次いでシリコーンゴムシート(1)、(2)、(3)および(4)を200℃の熱風循環式オーブン中に4時間置いて、2次硬化を行った。2次硬化したシリコーンゴムシート(1)、(2)、(3)および(4)を、ポリイミドフィルムであるカプトン200H/Vフィルム(フィルム厚さ50μm)に均一に積み重ね、下記温度の熱風循環式オーブン中で下記時間加熱して積層シートを作製した。積層シート(1)、(2)、(3)および(4)の剥離接着強さ(N/20mm)を測定した。
200℃で6時間加熱して作製した積層シートの平均反り値を測定し、写真撮影をした。左から順に積層シート(1)、(2)、(3)である。
いずれも、平均反り値は0mmである。
200℃の熱風循環式オーブン中に置く代わりに、室温下に置いて、剥離接着強さを測定した。
[比較例17](表16)
実施例1において、「架橋剤Aを1.1部と鎖伸長剤Dを1.5部とAP-001を1.0部」の替わりに「架橋剤B1を0.7部とAP-001を0.3部」配合した以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.5質量%含有)を調製した。実施例1と同様に諸特性を測定して表16に示した。また、低分子シロキサンピークの面積合計を求めて表16に示した。強伸度と引裂強さが小さいので、ガス漏れ性が懸念される。低分子シロキサンピークの面積合計が大きい。
[実施例21](表16)
実施例1において、「架橋剤Aを1.1部と鎖伸長剤Dを1.5部とAP-001を1.0部」の替わりに「架橋剤B1を0.36部と鎖伸長剤Tを0.69部とAP-001を0.3部」配合した以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.5質量%含有)を調製した。実施例1と同様に諸特性を測定して表16に示した。また、低分子シロキサンピークの面積合計を求めて表16に示した。
強伸度と引裂強さが大きく、ヘッドスペースガス中のD4-D15含有量が小さく、ガス漏れがなく、低分子シロキサンピークの面積合計が小さい。
[参考例9](表17)
実施例1において、「架橋剤Aを1.1部と鎖伸長剤Dを1.5部とAP-001を1.0部」の替わりに「架橋剤B-1を0.6部と,鎖伸長剤Pを0.6部と,鎖伸長剤Dを0.2部と,AP-001を0.3部」配合した以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.5質量%含有)を調製した。実施例1と同様に諸特性を測定して表17に示した。また、低分子シロキサンピークの面積合計を求めて表17に示した。比較例17よりは、ゴム物性が良好であり、低分子シロキサンピークの面積合計が小さい。
[比較例18](表17)
実施例1において、「架橋剤Aを1.1部と鎖伸長剤Dを1.5部とAP-001を1.0部」の替わりに「架橋剤Cを0.33部とAP-001を0.3部」配合した以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.5質量%含有)を調製した。実施例1と同様に諸特性を測定して表17に示した。また、低分子シロキサンピークの面積合計を求めて表17に示した。
低分子シロキサンピークの面積合計が小さいが、強伸度と引裂強さが小さいので、ガス漏れ性が懸念される。
[実施例22](表17)
実施例1において、「架橋剤Aを1.1部と鎖伸長剤Dを1.5部とAP-001を1.0部」の替わりに「架橋剤Aを0.36部と鎖伸長剤Tを0.69部とAP-001を0.3部」配合した以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.5質量%含有)を調製した。実施例1と同様に諸特性を測定して表17に示した。また、低分子シロキサンピークの面積合計を求めて表17に示した。
強伸度と引裂強さが大きく、ヘッドスペースガス中のD4-D15含有量が小さく、ガス漏れがなく、低分子シロキサンピークの面積合計が小さい。
[実施例23](表17)
実施例1において、「架橋剤Aを1.1部と鎖伸長剤Dを1.5部とAP-001を1.0部」の替わりに「架橋剤Cを0.17部と鎖伸長剤Tを0.69部とAP-001を0.3部」配合した以外は同一条件でヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(アエロジルRX200を16.5質量%含有)を調製した。実施例1と同様に諸特性を測定して表17に示した。また、低分子シロキサンピークの面積合計を求めて表17に示した。
強伸度と引裂強さが大きく、ヘッドスペースガス中のD4-D15含有量が小さく、ガス漏れがなく、低分子シロキサンピークの面積合計が小さい。
本発明の、ヘッドスペースバイアル、すなわち、ヘッドスペースGC法やヘッドスペースGC−MS法で用いられるバイアルの開口部封止用セプタム製造用の積層シート、その製造方法、ヘッドスペースバイアルの開口部封止用の,芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とが積層している積層シートからなるセプタム、および、芳香族ポリイミドフィルムとシリコーンゴム層とが積層している積層シートからなるセプタムは、産業上有用である。
1a シリコーンゴム層
1b 芳香族ポリイミド樹脂フィルム
1 片面フィルム貼り積層シート
2 両面フィルム貼り積層シート
3 セプタム
4 スクリューバイアル
5 スクリューキャップ
6 スクリューキャップの穴部
7 ヘッドスペースサンプラー
8 加熱器
9 サンプルプローブ
10 採取針(ニードル)
11 ヘリウムガス
12 切替え弁
13 トランスファーライン
14 ガスクロマトグラフ(GC)
15 キャピラリーカラム
16 質量分析計(MS)
17 検出器

Claims (9)

  1. ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを製造するための積層シートにおいて、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し,JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下であることを特徴とする、積層シート。
  2. 厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、硬化物のJIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(II)とを、密接させ、加圧下で145℃以下で加熱して硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmであるポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
  3. 厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムであり、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるシリコーンゴムシートとの間に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,(B)有機官能性オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を含有し、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有するヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層を介在させ、加圧下加熱して該液状ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物薄層を硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための、前記ポリイミドフィルムと,前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴムシートとが接着状態で積層しており,縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
  4. (B)成分が、(a)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するアルケニル官能性オルガノアルコキシシランと(b)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有する(メタ)アクリル官能性オルガノアルコキシシランと(c)1分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を2個または3個有するエポキシ官能性オルガノアルコキシシランとからなる群から選択される1種ないし3種の有機官能性オルガノアルコキシシラン、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシランと(d)有機チタン化合物触媒、または、当該有機官能性オルガノアルコキシシラン2種ないし3種の共部分加水分解縮合物である、請求項3に記載の積層シートの製造方法。
  5. 厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多く,補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有し、(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有し、JIS K 6249で規定する硬化物の伸びが250%以上であり、JIS K 6249で規定する100%伸張時の引張応力が0.1〜0.49MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型シリコーンゲル組成物とを密接させ、加圧下で90℃以上240℃以下で加熱して該シリコーンゲル組成物を1次硬化させ、次いで、熱気中に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下になるまで置いて2次硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有し、JIS K 6249で規定する硬化物の伸びが250%以上であり、JIS K 6249で規定する100%伸張時の引張応力が0.15〜0.49MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゲル層とが接着状態で積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
  6. 厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppmより多く,補強性充填剤としてヒュームドシリカを含有し、硬化物のJIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応による加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応よる加熱硬化型液状シリコーンゴム組成物(II)とを密接させ、加圧下で90℃以上145℃以下で加熱して該シリコーンゴム組成物を1次硬化させ、次いで、熱気中に、環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下になるまで置いて2次硬化させることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用のセプタムを形成するための積層シートであって、厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり、100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅のは、半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく、四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートの製造方法。
  7. 厚さが10〜200μmである芳香族ポリイミドフィルムと、厚さが1.2〜5mmであり,環状ジメチルシロキサン4量体〜15量体の含有量が250質量ppm以下であり,補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し、JIS K 6249で規定する伸びが380%以上であり,100%伸張時の引張応力が0.20〜1.35MPaであるヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(I)または、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有する前記ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層(II)とが接着状態で積層しており、JIS K6854−2(接着剤−剥離接着強さ試験方法−第2部:180度剥離)に基づく剥離接着強さが5N以上であり、縦120mm,横120mmの正方形の積層シート試験片の四隅は,半円弧の一端の形状またはC字の一端の形状に湾曲することがなく,四隅の平均反り値が35mm以下である積層シートからなることを特徴とする、ヘッドスペースガスクロマトグラフ分析法用またはヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法用バイアルの開口部封止用セプタム。
  8. 芳香族ポリイミドフィルムとヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層との積層体からなるセプタムであり、該ヒドロシリル化反応硬化シリコーンゴム層は、補強性充填剤として(A)ヒュームドシリカを含有し,架橋剤として少なくとも3個のヒドロシリル基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと分子鎖両末端ヒドロジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(重合度3以下)を含有するヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物であることを特徴とする、セプタム。
  9. 前記ヒドロシリル化反応硬化性シリコーンゴム組成物は、さらに(B)有機官能性オルガノアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物を含有することを特徴とする、請求項8に記載のセプタム。
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