JP2018153352A - 超音波振動子用背面負荷材および超音波内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波振動子用背面負荷材において、音響特性の不均一性を低減することができることができるようにする。
【解決手段】バッキング材12は、ベース樹脂と、最大粒子長3μm以上の第1のフィラー粒子によって構成される第1のフィラー群と、最大粒子長1μm以下の第2のフィラー粒子によって構成される第2のフィラー群と、を含有する。
【選択図】図2
【解決手段】バッキング材12は、ベース樹脂と、最大粒子長3μm以上の第1のフィラー粒子によって構成される第1のフィラー群と、最大粒子長1μm以下の第2のフィラー粒子によって構成される第2のフィラー群と、を含有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、超音波振動子用背面負荷材および超音波内視鏡装置に関する。
医療用内視鏡として、超音波内視鏡装置が知られている。
超音波内視鏡装置は、被検体の画像を取得するため超音波振動子を備えている。超音波振動子の背面には、超音波振動子における背面から放射される超音波を減衰させるために超音波振動子用背面負荷材が配置されている。
超音波振動子用背面負荷材は、ベース樹脂にフィラーを含有して構成される。フィラーは超音波を乱反射させることによって、超音波を減衰させる。
例えば、特許文献1には、タングステン粉またはジルコニアからなるフィラーがエポキシ樹脂に分散された背面負荷材が記載されている。
超音波内視鏡装置は、被検体の画像を取得するため超音波振動子を備えている。超音波振動子の背面には、超音波振動子における背面から放射される超音波を減衰させるために超音波振動子用背面負荷材が配置されている。
超音波振動子用背面負荷材は、ベース樹脂にフィラーを含有して構成される。フィラーは超音波を乱反射させることによって、超音波を減衰させる。
例えば、特許文献1には、タングステン粉またはジルコニアからなるフィラーがエポキシ樹脂に分散された背面負荷材が記載されている。
しかしながら、上述した従来技術には以下のような問題がある。
特許文献1に記載された背面負荷材は、フィラーとエポキシ樹脂を混合した後、混合物が遠心力によって薄層化される。混合物は薄層化された状態で硬化される。
背面負荷材に用いられるフィラーは、ベース樹脂に比べて高比重の材料が用いられる。特許文献1においても、タングステン粉、ジルコニアは、エポキシ樹脂に比べて高比重である。このため、エポキシ樹脂が硬化する間にフィラーが沈降することによって、フィラーの濃度が不均一になってしまう。フィラー濃度が場所によってばらつくと、超音波を減衰する音響特性にも場所による不均一性が生じるという問題がある。
エポキシ樹脂の硬化時間を短縮することも考えられるが、硬化時間を短縮すると樹脂の分子構造が不均一になるため、良好な音響特性が得られなくなるという問題がある。
エポキシ樹脂の硬化時間を長くしてフィラーの濃度が不均一な部分を除去することも考えられる。しかしこの場合、除去加工の工程が増えるとともに、除去された樹脂材料が無駄になるため、製造コストが増大するという問題がある。
特許文献1に記載された背面負荷材は、フィラーとエポキシ樹脂を混合した後、混合物が遠心力によって薄層化される。混合物は薄層化された状態で硬化される。
背面負荷材に用いられるフィラーは、ベース樹脂に比べて高比重の材料が用いられる。特許文献1においても、タングステン粉、ジルコニアは、エポキシ樹脂に比べて高比重である。このため、エポキシ樹脂が硬化する間にフィラーが沈降することによって、フィラーの濃度が不均一になってしまう。フィラー濃度が場所によってばらつくと、超音波を減衰する音響特性にも場所による不均一性が生じるという問題がある。
エポキシ樹脂の硬化時間を短縮することも考えられるが、硬化時間を短縮すると樹脂の分子構造が不均一になるため、良好な音響特性が得られなくなるという問題がある。
エポキシ樹脂の硬化時間を長くしてフィラーの濃度が不均一な部分を除去することも考えられる。しかしこの場合、除去加工の工程が増えるとともに、除去された樹脂材料が無駄になるため、製造コストが増大するという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、音響特性の不均一性を低減することができる超音波振動子用背面負荷材および超音波内視鏡装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の超音波振動子用背面負荷材は、ベース樹脂と、最大粒子長3μm以上の第1のフィラー粒子によって構成される第1のフィラー群と、最大粒子長1μm以下の第2のフィラー粒子によって構成される第2のフィラー群と、を含有する。
上記超音波振動子用背面負荷材においては、前記第2のフィラー粒子の形状は、角部を有する立体形状または棒状であってもよい。
上記超音波振動子用背面負荷材においては、前記第1のフィラー粒子および前記第2のフィラー粒子の少なくとも一方は、比重が3以上の材料からなってもよい。
上記超音波振動子用背面負荷材においては、前記第1のフィラー群は、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、前記第1のフィラー粒子として含んでもよい。
上記超音波振動子用背面負荷材においては、前記第2のフィラー群は、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、前記第2のフィラー粒子として含んでもよい。
上記超音波振動子用背面負荷材においては、前記ベース樹脂100質量部に対して、前記第1のフィラー群が100質量部以上300質量部以下、前記第2のフィラー群が40質量部以上100質量部以下、含有されてもよい。
上記超音波振動子用背面負荷材においては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂のいずれかであってもよい。
本発明の第2の態様の超音波内視鏡装置は、上記超音波振動子用背面負荷材を備える。
本発明の超音波振動子用背面負荷材および超音波内視鏡装置によれば、音響特性の不均一性を低減することができる。
以下では、本発明の実施形態の超音波振動子用背面負荷材および超音波内視鏡装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態の超音波内視鏡装置の概略構成を示す模式的な正面図である。図2は、本発明の実施形態の超音波振動子用背面負荷材の構成を示す模式的な断面図である。
図1は、本発明の実施形態の超音波内視鏡装置の概略構成を示す模式的な正面図である。図2は、本発明の実施形態の超音波振動子用背面負荷材の構成を示す模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態の超音波内視鏡1(超音波内視鏡装置)は、体内に挿入される細長の挿入部2と、挿入部2の基端に接続された操作部3と、操作部3から延出するユニバーサルコード4とを備える。
挿入部2は、その先端から、先端硬質部5、湾曲自在な湾曲部6、および細径でかつ長尺で可撓性を有する可撓管部7がこの順に接続されて構成される。
挿入部2は、その先端から、先端硬質部5、湾曲自在な湾曲部6、および細径でかつ長尺で可撓性を有する可撓管部7がこの順に接続されて構成される。
図2に示すように、先端硬質部5は、円筒状部材30、および複数の超音波振動子10を備える。
円筒状部材30は、環状の鍔31と、鍔31の中央の縁から図示略の可撓管部7の方向(図示の上から下に向かう方向)に延びる円筒状部32とを備える。
円筒状部材30の円筒状部32の内部には、同軸ケーブル40が挿通されている。
円筒状部材30は、環状の鍔31と、鍔31の中央の縁から図示略の可撓管部7の方向(図示の上から下に向かう方向)に延びる円筒状部32とを備える。
円筒状部材30の円筒状部32の内部には、同軸ケーブル40が挿通されている。
超音波振動子10は、超音波を被検体に放射する装置部分である。超音波振動子10は、円筒状部材30の周面に沿って周方向に複数配列されている。
各超音波振動子10は、それぞれ、圧電素子11、バッキング材12(超音波振動子用背面負荷材)、音響整合層13、音響レンズ14、および図示略の電極を備える。
各超音波振動子10は、それぞれ、圧電素子11、バッキング材12(超音波振動子用背面負荷材)、音響整合層13、音響レンズ14、および図示略の電極を備える。
圧電素子11は、図示略の電極によって電圧が印加されることで、超音波振動を発生する。本実施形態における圧電素子11は、平板状に形成されている。圧電素子11の一方の板面11aは、円筒状部材30の径方向において円筒状部32と対向する位置に配置されている。
バッキング材12は、圧電素子11で発生する超音波振動のうち板面11aから径方向内側に向かう超音波を減衰するための部材である。バッキング材12は、円筒状部32と圧電素子11とにそれぞれ密着した状態で、円筒状部32と圧電素子11との間に配置されている。
バッキング材12は、軸方向においては、円筒状部32を内部に挿通する環状部材33、34に挟まれている。
バッキング材12の詳細構成については後述する。
バッキング材12は、軸方向においては、円筒状部32を内部に挿通する環状部材33、34に挟まれている。
バッキング材12の詳細構成については後述する。
環状部材33は、鍔31と隣接し、圧電素子11から先端硬質部5の先端方向に延出する基板50に接するように取り付けられている。
環状部材34は、圧電素子11よりも可撓管部7(図示略)寄りの位置で後述する音響整合層13に接するように取り付けられている。
環状部材34は、圧電素子11よりも可撓管部7(図示略)寄りの位置で後述する音響整合層13に接するように取り付けられている。
音響整合層13は、被検体と圧電素子11とにおける音響インピーダンスの差を低減する層状部である。被検体の音響インピーダンスに応じて、音響整合層13の音響インピーダンスを適正に設定することにより、被検体による超音波の反射が低減される。
音響整合層13は、少なくとも圧電素子11において板面11aと反対側の板面11bを覆うように設けられている。このため、音響整合層13を介して、板面11bから径方向外側に放射される超音波が被検体に効率的に導入される。
音響整合層13は、単層で構成されてもよいし、複数層で構成されてもよい。
音響整合層13は、少なくとも圧電素子11において板面11aと反対側の板面11bを覆うように設けられている。このため、音響整合層13を介して、板面11bから径方向外側に放射される超音波が被検体に効率的に導入される。
音響整合層13は、単層で構成されてもよいし、複数層で構成されてもよい。
音響レンズ14は、圧電素子11で発生し、音響整合層13を通して径方向外側に伝搬する超音波を集束して外部に放射する。音響レンズ14は、超音波を集束させるための適宜形状に成形されている。音響レンズ14は。音響整合層13を径方向外側から覆うように設けられている。
音響レンズ14は、音響整合層13に積層され、圧電素子11で発生した超音波を集束して、レンズ表面14aから放射する。
音響レンズ14は、音響整合層13に積層され、圧電素子11で発生した超音波を集束して、レンズ表面14aから放射する。
円筒状部材30の鍔31において、環状部材33と反対方向の面31aには、多数の電極パッド51が設けられている。
電極パッド51には、同軸ケーブル40から延びる配線41が結線されている。電極パッド51と、基板50上に設けられた電極層52とは、ワイヤー53で結線されている。電極パッド51とワイヤー53とは半田54によって接合されている。電極層52とワイヤー53とは半田55で接合されている。
電極パッド51と配線41との結線部の全体は、例えば同軸ケーブル40に負荷がかかることによって配線41が電極パッド51から外れることを防ぐために、ポッティング樹脂56で被覆されている。
先端硬質部5の先端には、電極パッド51と配線41との結線部を塞ぐように、先端構造部材60が設けられている。また、先端硬質部5は、接続部材70を介して湾曲部6に接続される。
電極パッド51には、同軸ケーブル40から延びる配線41が結線されている。電極パッド51と、基板50上に設けられた電極層52とは、ワイヤー53で結線されている。電極パッド51とワイヤー53とは半田54によって接合されている。電極層52とワイヤー53とは半田55で接合されている。
電極パッド51と配線41との結線部の全体は、例えば同軸ケーブル40に負荷がかかることによって配線41が電極パッド51から外れることを防ぐために、ポッティング樹脂56で被覆されている。
先端硬質部5の先端には、電極パッド51と配線41との結線部を塞ぐように、先端構造部材60が設けられている。また、先端硬質部5は、接続部材70を介して湾曲部6に接続される。
次に、バッキング材12の詳細構成について説明する。
本実施形態のバッキング材12は、ベース樹脂、第1のフィラー群、および第2のフィラー群を含有している。
本実施形態のバッキング材12は、ベース樹脂、第1のフィラー群、および第2のフィラー群を含有している。
ベース樹脂は、後述する第1および第2のフィラー群における各フィラー粒子を分散して保持する。ベース樹脂としては、各フィラー粒子を含むことによって、超音波を減衰可能適宜の樹脂が用いられる。
例えば、ベース樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂のいずれかが用いられてもよい。
例えば、ベース樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂のいずれかが用いられてもよい。
第1のフィラー群は、最大粒子長3μm以上の第1のフィラー粒子によって構成される。ここで、最大粒子長は、粒子外形における最大の離間距離である。
第1のフィラー粒子の形状は、特に限定されない。第1のフィラー粒子の形状は、例えば、球状、楕円状、板状、多面体状、棒状などであってもよい。第1のフィラー粒子の表面は平滑面を有していてもよいし、平滑でない面を有していてもよい。
第1のフィラー粒子の形状は、表面に微細な凹凸を含む形状であってもよい。第1のフィラー粒子の形状は、破砕によって形成された粉体であってもよい。
第1のフィラー群における各第1のフィラー粒子の形状は、互いに同一または相似形であってもよいし、相似形でない互いに異なる形状を有していてもよい。
第1のフィラー粒子の形状は、特に限定されない。第1のフィラー粒子の形状は、例えば、球状、楕円状、板状、多面体状、棒状などであってもよい。第1のフィラー粒子の表面は平滑面を有していてもよいし、平滑でない面を有していてもよい。
第1のフィラー粒子の形状は、表面に微細な凹凸を含む形状であってもよい。第1のフィラー粒子の形状は、破砕によって形成された粉体であってもよい。
第1のフィラー群における各第1のフィラー粒子の形状は、互いに同一または相似形であってもよいし、相似形でない互いに異なる形状を有していてもよい。
第1のフィラー粒子は、比重が3以上の材料で形成されてもよい。第1のフィラー群において、各第1のフィラー粒子は、同一材料で形成されてもよいし、異なる材料形成された粒子が混合されていてもよい。
第1のフィラー粒子として好適な材質の例としては、例えば、タングステン、アルミナ、ジルコニア、三酸化タングステンなどが挙げられる。
第1のフィラー群は、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、第1のフィラー粒子として含んでもよい。
第1のフィラー粒子として好適な材質の例としては、例えば、タングステン、アルミナ、ジルコニア、三酸化タングステンなどが挙げられる。
第1のフィラー群は、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、第1のフィラー粒子として含んでもよい。
第2のフィラー群は、最大粒子長1μm以下の第2のフィラー粒子によって構成される。第2のフィラー群は、未硬化のベース樹脂に分散された第1のフィラー粒子に作用する慣性力による第1のフィラー粒子の移動を抑制するために添加される。例えば、未硬化のベース樹脂に分散された第1のフィラー粒子に作用する慣性力としては、例えば、重力、遠心力などが挙げられる。例えば、第2のフィラー群は、未硬化のベース樹脂に混合された第1のフィラー群が重力によって沈降することを抑制するために添加される。
第2のフィラー群は、最大粒子長1μm以下の小径粒子であるため、第1のフィラー粒子と比べると、単位体積当たりの表面積が大きくなる。第2のフィラー群がベース樹脂に混合されると、第2のフィラー粒子とベース樹脂との接触面積が比較的大きいため、混合物の静止時あるいは低速流動時における粘性が大きくなる。しかし、第2のフィラー粒子は、混合物の高速流動時には粘性への寄与が低下する。このような流動体における微粒子の作用は、チクソ性として知られている。
ベース樹脂と第2のフィラー群との混合物のチクソ性を向上するためには、第2のフィラー粒子の単位体積当たりの表面積が大きいほどより好ましい。このため、第2のフィラー粒子は、単位体積当たりの表面積が最小となる球体から乖離した形状であることがより好ましい。
例えば、第2のフィラー粒子は、アスペクト比が2以上100以下の棒状体であることがより好ましい。ここで、アスペクト比は、最大粒子長/最小粒子長で定義される。
アスペクト比が1以上2未満であると、単位体積当たりの表面積が低減されるため、チクソ性が低下する。
アスペクト比が100を超えると、第2のフィラー粒子が細くなりすぎるため、第2のフィラー粒子の製造が難しくなる。
例えば、第2のフィラー粒子は、アスペクト比が2以上100以下の棒状体であることがより好ましい。ここで、アスペクト比は、最大粒子長/最小粒子長で定義される。
アスペクト比が1以上2未満であると、単位体積当たりの表面積が低減されるため、チクソ性が低下する。
アスペクト比が100を超えると、第2のフィラー粒子が細くなりすぎるため、第2のフィラー粒子の製造が難しくなる。
他の球形から乖離した形状としては、角部を有する立体形状が挙げられる。角部を有する立体形状は、例えば、多面体であってもよい。角部を有する立体形状は、例えば、凸多面体、球体などの凸状の立体の表面に微細な凹凸を有する形状であってもよい。角部を有する立体形状は、例えば、凸多面体、球体などの全体として凸の立体の一部が欠損したような塊状の形状であってもよい。
角部を有する立体形状は、破砕によって形成された粉体であってもよい。
角部を有する立体形状は、破砕によって形成された粉体であってもよい。
第2のフィラー群における各第2のフィラー粒子の形状は、互いに同一または相似形であってもよいし、相似形でない互いに異なる形状を有していてもよい。
第2のフィラー粒子は、比重が3以上の材料で形成されてもよい。第2のフィラー群において、各第2のフィラー粒子は、同一材料で形成されてもよいし、異なる材料形成された粒子が混合されていてもよい。
第2のフィラー群は、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、第2のフィラー粒子として含んでもよい。
第2のフィラー群は、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、第2のフィラー粒子として含んでもよい。
バッキング材12において、ベース樹脂、第1のフィラー群、および第2のフィラー群の含有量は、バッキング材12に必要な音響特性、バッキング材12の加工上の必要などに応じて適宜の量が用いられてもよい。
例えば、ベース樹脂100質量部に対して、第1のフィラー群は、100質量部以上300質量部以下、第2のフィラー群は、40質量部以上100質量部以下、含有されてもよい。
例えば、ベース樹脂100質量部に対して、第1のフィラー群は、100質量部以上300質量部以下、第2のフィラー群は、40質量部以上100質量部以下、含有されてもよい。
第1のフィラー群が100質量部未満であると、超音波を減衰するための第1のフィラー粒子の量が不足することによって、超音波を効率的に減衰する音響特性が得られなくなるおそれがある。
第1のフィラー群が300質量部を超えると、第1のフィラー粒子の量が多すぎてベース樹脂に混合したときに粘度が高くなりすぎることによって、成形性が悪くなるおそれがある。
第2のフィラー群が40質量部未満であると、チクソ性が低下するため、ベース樹脂が未硬化の状態で、第1のフィラー粒子の慣性力による移動を抑制できなくなるおそれがある。
第2のフィラー群が100質量部を超えると、第2のフィラー粒子の量が多すぎてベース樹脂に混合したときの粘度が高くなりすぎることによって、成形性が悪くなるおそれがある。
第1のフィラー群が300質量部を超えると、第1のフィラー粒子の量が多すぎてベース樹脂に混合したときに粘度が高くなりすぎることによって、成形性が悪くなるおそれがある。
第2のフィラー群が40質量部未満であると、チクソ性が低下するため、ベース樹脂が未硬化の状態で、第1のフィラー粒子の慣性力による移動を抑制できなくなるおそれがある。
第2のフィラー群が100質量部を超えると、第2のフィラー粒子の量が多すぎてベース樹脂に混合したときの粘度が高くなりすぎることによって、成形性が悪くなるおそれがある。
次に、バッキング材12の製造方法について説明する。
図3、4は、本発明の実施形態の超音波振動子用背面負荷材の製造工程を説明する工程説明図である。
図3、4は、本発明の実施形態の超音波振動子用背面負荷材の製造工程を説明する工程説明図である。
このような構成のバッキング材12を製造するには、まず、ベース樹脂となる未硬化の樹脂形成材料、第1のフィラー群および第2のフィラー群が混合された樹脂組成物110(図3参照)が形成される。例えば、バッキング材12のベース樹脂がエポキシ樹脂の場合、未硬化の樹脂形成材料は、重合反応を行うための主剤と、硬化剤と、を含む混合物が用いられる。第1のフィラー群および第2のフィラー群は、攪拌によって樹脂組成物110内で均一に分散される。
第1のフィラー群および第2のフィラー群の添加量は、樹脂組成物110の硬化後にバッキング材12として必要なフィラー粒子濃度が得られるように設定される。第1のフィラー群および第2のフィラー群の添加量は、後述する硬化過程におけるフィラー粒子濃度の変化が発生する場合には、変化量を見込んで設定される。
第1のフィラー群および第2のフィラー群の添加量は、樹脂組成物110の硬化後にバッキング材12として必要なフィラー粒子濃度が得られるように設定される。第1のフィラー群および第2のフィラー群の添加量は、後述する硬化過程におけるフィラー粒子濃度の変化が発生する場合には、変化量を見込んで設定される。
形成された樹脂組成物110は、供給部101から成形型100の上部100aを通して成形型100内に導入される。
本実施形態では、成形型100は、樹脂組成物110をシート状に成形する。図3において、図示奥行き方向は、シートの厚さ方向に一致している。
樹脂組成物110の上面110aは、成形型100の底部100bから高さh0に位置している。
このとき、樹脂組成物110は、第2のフィラー群によってチクソ性が高められているため、導入時における流動性は良好である。
本実施形態では、成形型100は、樹脂組成物110をシート状に成形する。図3において、図示奥行き方向は、シートの厚さ方向に一致している。
樹脂組成物110の上面110aは、成形型100の底部100bから高さh0に位置している。
このとき、樹脂組成物110は、第2のフィラー群によってチクソ性が高められているため、導入時における流動性は良好である。
この後、樹脂組成物110の硬化が行われる。樹脂組成物110の硬化方法としては、加熱などが挙げられる。例えば、ベース樹脂がエポキシ樹脂の場合、樹脂組成物110は、加熱によって硬化される。
バッキング材12が均一な音響特性を備えるためには、第1のフィラー群および第2のフィラー群がベース樹脂に均一に分散していることと、ベース樹脂の硬化状態が均一であることとが求められる。
例えば、樹脂組成物110の硬化時間が短すぎると、成形型100内の温度分布などによって、硬化状態の不均一性が高まる。例えば、場所による分子構造の不均一性が生じる。このため、樹脂組成物110の硬化時間は、例えば、24時間程度であることが好ましい。
このように硬化時間が長くなると、樹脂組成物110内の樹脂形成材料が未硬化の間に、第1のフィラー粒子が重力によって沈降しやすくなるおそれがある。ただし、第1のフィラー粒子が沈降すると、沈降した部位における樹脂組成物110は、第1のフィラー粒子の濃度が高くなることによって粘度が上昇する。このため、第1のフィラーの沈降は、ある程度の限度内に収まる。
例えば、樹脂組成物110の硬化時間が短すぎると、成形型100内の温度分布などによって、硬化状態の不均一性が高まる。例えば、場所による分子構造の不均一性が生じる。このため、樹脂組成物110の硬化時間は、例えば、24時間程度であることが好ましい。
このように硬化時間が長くなると、樹脂組成物110内の樹脂形成材料が未硬化の間に、第1のフィラー粒子が重力によって沈降しやすくなるおそれがある。ただし、第1のフィラー粒子が沈降すると、沈降した部位における樹脂組成物110は、第1のフィラー粒子の濃度が高くなることによって粘度が上昇する。このため、第1のフィラーの沈降は、ある程度の限度内に収まる。
本実施形態では、樹脂組成物110は第2のフィラー群を含有することによって、チクソ性が高められている。このため、樹脂組成物110は、成形型100に導入後の未硬化の静止状態では、粘性が高い状態になっている。この結果、第1のフィラー群は、樹脂組成物110内での移動が抑制され、沈降しにくくなっている。
図4は、成形型100内に形成された硬化体120を模式的に示す。硬化体120は、樹脂組成物110の硬化物である。
硬化体120は、フィラー粒子の濃度分布によって、成形型100の底部100b寄りに形成された高濃度部120Aと、高濃度部120Aの上方に形成された低濃度部120Bとに分かれる。
高濃度部120Aは、上方から、第1および第2のフィラー粒子が沈降することによって、第1および第2のフィラー粒子の濃度が増加した部分である。ただし、第2のフィラー粒子は第1のフィラー粒子に比べて小径であるため、第1のフィラー粒子の方が格段に沈降しやすい。
高濃度部120Aの範囲は、バッキング材12として使用可能なフィラー粒子濃度が得られる範囲によって規定される。高濃度部120Aと低濃度部120Bとの境界は、例えば、必要なフィラー粒子濃度の測定用見本を作成しておくことによって、目視判定することができる。フィラー粒子濃度は、目視に代えて測定用光の透過光量によって測定されてもよい。
高濃度部120Aは、成形型100の底部100bから高さh0−h1の範囲に形成されている。
低濃度部120Bは、下方に向かって、第1および第2のフィラー粒子が沈降することによって、第1および第2のフィラー粒子の濃度が低下した部分である。低濃度部120Bは、硬化体120の上面120aから下方に向かって幅h1の範囲に形成されている。
硬化体120は、フィラー粒子の濃度分布によって、成形型100の底部100b寄りに形成された高濃度部120Aと、高濃度部120Aの上方に形成された低濃度部120Bとに分かれる。
高濃度部120Aは、上方から、第1および第2のフィラー粒子が沈降することによって、第1および第2のフィラー粒子の濃度が増加した部分である。ただし、第2のフィラー粒子は第1のフィラー粒子に比べて小径であるため、第1のフィラー粒子の方が格段に沈降しやすい。
高濃度部120Aの範囲は、バッキング材12として使用可能なフィラー粒子濃度が得られる範囲によって規定される。高濃度部120Aと低濃度部120Bとの境界は、例えば、必要なフィラー粒子濃度の測定用見本を作成しておくことによって、目視判定することができる。フィラー粒子濃度は、目視に代えて測定用光の透過光量によって測定されてもよい。
高濃度部120Aは、成形型100の底部100bから高さh0−h1の範囲に形成されている。
低濃度部120Bは、下方に向かって、第1および第2のフィラー粒子が沈降することによって、第1および第2のフィラー粒子の濃度が低下した部分である。低濃度部120Bは、硬化体120の上面120aから下方に向かって幅h1の範囲に形成されている。
低濃度部120Bは、フィラー粒子濃度が低すぎるため、バッキング材12に加工すると良好な音響特性が得られない。このため、低濃度部120Bは、硬化体120が成形型100から脱型された後、硬化体120から切除される。低濃度部120Bが切除された硬化体120を以下では硬化体130と表記する。
硬化体120において低濃度部120Bが少ないほど低濃度部120Bとして廃棄される部分が低減されるため、バッキング材12の部品コストが低減される。低濃度部120Bの幅h1は0に近いほどより好ましい。低濃度部120Bの幅h1は、沈降するフィラー粒子の数が多いほど大きくなる。
硬化体120において低濃度部120Bが少ないほど低濃度部120Bとして廃棄される部分が低減されるため、バッキング材12の部品コストが低減される。低濃度部120Bの幅h1は0に近いほどより好ましい。低濃度部120Bの幅h1は、沈降するフィラー粒子の数が多いほど大きくなる。
硬化体130は、適宜の成形型によって、図2に示すようなバッキング材12の形状に成形される。例えば、プレス成形などによって、円筒状部32の外周面に嵌合する筒状に成形される。プレス成形においては、硬化体130は軟化するように加熱されてもよい。ただし、プレス成形における加熱温度は、ベース樹脂の溶融温度よりは低温とされる。このため、プレス成形によってフィラー粒子濃度が変化することはない。
以上で、バッキング材12が製造される。
以上で、バッキング材12が製造される。
バッキング材12を用いた超音波振動子10は、以下のようにして製造される。
図2に示すように、板面11a、11bにそれぞれ電極(図示せず)を設けた圧電素子11と、予め成形された音響整合層13とが接合される。この後、圧電素子11に、面方向に延びるように基板50が取り付けられる。さらに、環状部材33、34が所定の位置にそれぞれ配置される。
この後、環状部材33、34によって囲われた圧電素子11と円筒状部材30との間に、上述のように製造されたバッキング材12が挿着される。
この後、音響整合層13における圧電素子11と反対方向の面13aに、音響レンズ14が配置される。例えば、音響レンズ14は、音響整合層13上に成形されてもよい。あるいは、音響レンズ14は、予め成形された後、音響整合層13と音響レンズ14とのそれぞれの音響インピーダンスの間の値に調整された接着剤によって、互いに接着されてもよい。
このようにして、超音波振動子10が製造される。
図2に示すように、板面11a、11bにそれぞれ電極(図示せず)を設けた圧電素子11と、予め成形された音響整合層13とが接合される。この後、圧電素子11に、面方向に延びるように基板50が取り付けられる。さらに、環状部材33、34が所定の位置にそれぞれ配置される。
この後、環状部材33、34によって囲われた圧電素子11と円筒状部材30との間に、上述のように製造されたバッキング材12が挿着される。
この後、音響整合層13における圧電素子11と反対方向の面13aに、音響レンズ14が配置される。例えば、音響レンズ14は、音響整合層13上に成形されてもよい。あるいは、音響レンズ14は、予め成形された後、音響整合層13と音響レンズ14とのそれぞれの音響インピーダンスの間の値に調整された接着剤によって、互いに接着されてもよい。
このようにして、超音波振動子10が製造される。
本実施形態のバッキング材12は、第1のフィラー群および第2のフィラー群を含む樹脂組成物110が硬化されることによって形成される。樹脂組成物110は、第2のフィラー群が添加されることによってチクソ性が高められるため、硬化時間が長くなっても、例えば、第1のフィラー粒子および第2のフィラー粒子が沈降するなどの移動が抑制される。この結果、硬化後に硬化体120に形成される低濃度部120Bの分量が低減される。
このように、本実施形態によれば、樹脂組成物110を有効的に利用して、バッキング材12が製造されるため、バッキング材12、超音波振動子10、および超音波内視鏡1の部品コストが低減される。
さらに、樹脂組成物110のチクソ性が高められることによって、樹脂組成物110を成形型に導入する際には、樹脂組成物110の流動性が良好である。このため、樹脂組成物110を成形型100に導入することがより容易となる。これにより、製造時間が短縮されるため、バッキング材12、超音波振動子10、および超音波内視鏡1の製造コストが低減される。
このように、本実施形態によれば、樹脂組成物110を有効的に利用して、バッキング材12が製造されるため、バッキング材12、超音波振動子10、および超音波内視鏡1の部品コストが低減される。
さらに、樹脂組成物110のチクソ性が高められることによって、樹脂組成物110を成形型に導入する際には、樹脂組成物110の流動性が良好である。このため、樹脂組成物110を成形型100に導入することがより容易となる。これにより、製造時間が短縮されるため、バッキング材12、超音波振動子10、および超音波内視鏡1の製造コストが低減される。
さらに、本実施形態のバッキング材12は、チクソ性が高められた樹脂組成物110を硬化させることによって製造されるため、高濃度部120Aにおけるフィラー粒子濃度のバラツキを低減できる。これにより、バッキング材12における音響特性の均一性が向上する。
以上説明したように、本実施形態によれば、音響特性の不均一性を低減することができる超音波振動子用背面負荷材および超音波内視鏡装置が提供される。
なお、上記実施形態の説明では、超音波振動子用背面負荷材が超音波内視鏡装置に用いられた場合の例で説明したが、超音波振動子用背面負荷材は、超音波計測を行う種々の医療機器または医療機器以外の機器における超音波振動子に使用されてもよい。
上記実施形態の説明では、超音波振動子用背面負荷材がシート状に成形された後、バッキング材12の筒状の形状に成形される場合の例で説明した。しかし、超音波振動子用背面負荷材は、樹脂組成物が導入可能な成形型であれば、シート状以外の形状を成形する成形空間を有する成形型で成形されてもよい。
上記実施形態の説明では、樹脂組成物のフィラー粒子が重力によって沈降する場合の例で説明したが、本実施形態の超音波振動子用背面負荷材は、硬化時に遠心力が作用する場合にもフィラー粒子の移動を抑制することができる。
以下では、上記実施形態の超音波振動子用背面負荷材に関する実施例1〜5について、比較例1、2とともに説明する。
各実施例は、バッキング材12を形成するため硬化体120の供試サンプルからなる。各比較例は、比較例のバッキング材を形成するための硬化体の供試サンプルからなる。
各供試サンプルの形状は、いずれも縦×横×厚さが、20mm×30mm×1.5mmの矩形シートとされた。
各実施例は、バッキング材12を形成するため硬化体120の供試サンプルからなる。各比較例は、比較例のバッキング材を形成するための硬化体の供試サンプルからなる。
各供試サンプルの形状は、いずれも縦×横×厚さが、20mm×30mm×1.5mmの矩形シートとされた。
下記[表1]に、実施例1〜5、比較例1、2の供試サンプルにおけるベース樹脂、第1のフィラー群、および第2のフィラー群の構成を示す。
[実施例1]
[表1]に示すように、実施例1の供試サンプルのベース樹脂は、100質量部のエポキシ(EP)樹脂が用いられた。
第1のフィラー群(「フィラー群1」参照)における第1のフィラー粒子として、最大粒子長の平均値が10μmのジルコニア粒子が200質量部含有された。第1のフィラー群における最大粒子長の分布範囲は、3μm以上であった。
第2のフィラー群(「フィラー群2」参照)における第2のフィラー粒子として、最大粒子長の平均値が0.5μmのジルコニア粒子が70質量部含有された。第2のフィラー群における最大粒子長の分布範囲は、1μm以下であった。第2のフィラー粒子におけるジルコニア粒子の形状は球状であった。
実施例1の供試サンプルを製造するため、硬化後に100質量部となるEP樹脂に、上述の第1のフィラー群および第2のフィラー群が混合された樹脂組成物110が製造された。樹脂組成物110は、縦×横×厚さが、20mm×30mm×1.5mmの成形空間を有する成形型100に導入された。樹脂組成物110は、80℃で24時間加熱されることによって硬化された。硬化した樹脂組成物110が脱型されることによって、供試サンプルとして矩形シート状の硬化体120が得られた。
[表1]に示すように、実施例1の供試サンプルのベース樹脂は、100質量部のエポキシ(EP)樹脂が用いられた。
第1のフィラー群(「フィラー群1」参照)における第1のフィラー粒子として、最大粒子長の平均値が10μmのジルコニア粒子が200質量部含有された。第1のフィラー群における最大粒子長の分布範囲は、3μm以上であった。
第2のフィラー群(「フィラー群2」参照)における第2のフィラー粒子として、最大粒子長の平均値が0.5μmのジルコニア粒子が70質量部含有された。第2のフィラー群における最大粒子長の分布範囲は、1μm以下であった。第2のフィラー粒子におけるジルコニア粒子の形状は球状であった。
実施例1の供試サンプルを製造するため、硬化後に100質量部となるEP樹脂に、上述の第1のフィラー群および第2のフィラー群が混合された樹脂組成物110が製造された。樹脂組成物110は、縦×横×厚さが、20mm×30mm×1.5mmの成形空間を有する成形型100に導入された。樹脂組成物110は、80℃で24時間加熱されることによって硬化された。硬化した樹脂組成物110が脱型されることによって、供試サンプルとして矩形シート状の硬化体120が得られた。
[実施例2〜5]
実施例2の供試サンプルは、第2のフィラー粒子の形状が、非平滑形状である以外は、実施例1と同様に構成された。ここで、非平滑形状とは、上述した角部を有する立体形状を意味する。特に、本実施例では、粉砕加工されることによって表面に不定形の凹凸形状が形成された粗粒子が用いられた。
実施例3の供試サンプルは、第1のフィラー群の含有量が、50質量部とされた以外は、実施例2と同様に構成された。
実施例4の供試サンプルは、第2のフィラー群の含有量が、30質量部とされた以外は、実施例2と同様に構成された。
実施例5の供試サンプルは、第2のフィラー群の含有量が、150質量部とされた以外は、実施例2と同様に構成された。
実施例2の供試サンプルは、第2のフィラー粒子の形状が、非平滑形状である以外は、実施例1と同様に構成された。ここで、非平滑形状とは、上述した角部を有する立体形状を意味する。特に、本実施例では、粉砕加工されることによって表面に不定形の凹凸形状が形成された粗粒子が用いられた。
実施例3の供試サンプルは、第1のフィラー群の含有量が、50質量部とされた以外は、実施例2と同様に構成された。
実施例4の供試サンプルは、第2のフィラー群の含有量が、30質量部とされた以外は、実施例2と同様に構成された。
実施例5の供試サンプルは、第2のフィラー群の含有量が、150質量部とされた以外は、実施例2と同様に構成された。
[比較例1、2]
比較例1の供試サンプルは、第1のフィラー群がアルミナ粒子で構成され、第2のフィラー群が削除された以外は、実施例1と同様に構成された。
比較例2の供試サンプルは、第2のフィラー粒子の最大粒子長の平均値が2μmであり、最大粒子長の分布範囲が1μmを超えている以外は、実施例5と同様に構成された。
比較例1の供試サンプルは、第1のフィラー群がアルミナ粒子で構成され、第2のフィラー群が削除された以外は、実施例1と同様に構成された。
比較例2の供試サンプルは、第2のフィラー粒子の最大粒子長の平均値が2μmであり、最大粒子長の分布範囲が1μmを超えている以外は、実施例5と同様に構成された。
[評価方法]
供試サンプルの評価としては、音響インピーダンス評価、減衰率評価、沈降性評価、成形性評価、および総合評価が行われた。
各評価結果について、下記[表2]に示す。
供試サンプルの評価としては、音響インピーダンス評価、減衰率評価、沈降性評価、成形性評価、および総合評価が行われた。
各評価結果について、下記[表2]に示す。
音響インピーダンス([表2]では「音響IMP」と記載)および減衰率の測定方法としては、JIS Z 2354:固体の超音波減衰係数の測定方法における、対比測定片を使用しない水浸多重反射法に準拠した方法が用いられた。その際、測定用の超音波振動子は周波数5MHzで駆動された。
供試サンプルにおける音響インピーダンスの目標値は、4.5±0.2Mraylとされた。
供試サンプルにおける減衰率の目標値は、36dB/cm/MHz以上とされた。
音響インピーダンスおよび減衰率の評価において、目標値の範囲内であれば、「良好」、目標値の範囲外であれば、「不良」と評価された。
供試サンプルにおける音響インピーダンスの目標値は、4.5±0.2Mraylとされた。
供試サンプルにおける減衰率の目標値は、36dB/cm/MHz以上とされた。
音響インピーダンスおよび減衰率の評価において、目標値の範囲内であれば、「良好」、目標値の範囲外であれば、「不良」と評価された。
沈降性評価は、供試サンプルにおけるh1/h0の大きさを測定することによって行われた。h1を測定する位置は、許容範囲のフィラー粒子の濃度に対応する測定用見本と目視で対比することによって決定された。
沈降が起こりにくい方が高濃度部の領域が増えるため、沈降性は起こりにくい方がより好ましいと評価された。沈降性は、「非常に良好」(very good、[表2]では「◎」)、「良好」(good、[表2]では「○」)、「可」(fair、[表2]では「△」)、「不良」(no good、[表2]では「×」)の4段階で判定された。
具体的には、h1/h0が0以上1/8未満の場合、沈降性は「非常に良好」と判定された。h1/h0が1/8以上1/3未満の場合、沈降性は「良好」と判定された。h1/h0が1/3を以上1/2未満の場合、沈降性は「可」と判定された。h1/h0が1/2以上の場合、沈降性は「不良」と判定された。
沈降が起こりにくい方が高濃度部の領域が増えるため、沈降性は起こりにくい方がより好ましいと評価された。沈降性は、「非常に良好」(very good、[表2]では「◎」)、「良好」(good、[表2]では「○」)、「可」(fair、[表2]では「△」)、「不良」(no good、[表2]では「×」)の4段階で判定された。
具体的には、h1/h0が0以上1/8未満の場合、沈降性は「非常に良好」と判定された。h1/h0が1/8以上1/3未満の場合、沈降性は「良好」と判定された。h1/h0が1/3を以上1/2未満の場合、沈降性は「可」と判定された。h1/h0が1/2以上の場合、沈降性は「不良」と判定された。
成形性評価は、樹脂組成物の粘度を測定することによって行われた。樹脂組成物の粘度は、粘弾性測定機(回転型E型粘度計)によって測定された。
[表2]には、粘度の測定値が記載されている。
樹脂組成物の粘度の粘度が20Pa・s以下である場合、成形型への樹脂組成物の導入が容易となるため成形性は「良好」と言える、樹脂組成物の粘度の粘度が20Pa・sを超え50Pa・s以下である場合、成形性は「可」と言える。樹脂組成物の粘度の粘度が50Pa・sを超える場合、成形性は「不良」と言える。
[表2]には、粘度の測定値が記載されている。
樹脂組成物の粘度の粘度が20Pa・s以下である場合、成形型への樹脂組成物の導入が容易となるため成形性は「良好」と言える、樹脂組成物の粘度の粘度が20Pa・sを超え50Pa・s以下である場合、成形性は「可」と言える。樹脂組成物の粘度の粘度が50Pa・sを超える場合、成形性は「不良」と言える。
総合評価は、音響インピーダンス、減衰率、沈降性、成形性(粘度)の各評価結果がすべて「良好」以上である場合に、○(good)、各評価結果に「不良」は含まれないが1つ以上の「可」が含まれる場合に、△(fair)と、評価された。各評価結果に1つ以上の「不良」が含まれる場合に、×(no good)と評価された。
[評価結果]
[表2]に示すように、音響インピーダンスおよび減衰率は、すべて目標値における許容範囲に収まっていた。
沈降性評価においては、実施例2が「非常に良好」であった。実施例5は「良好」であった。実施例1、3、4は「可」であった。比較例1、2は「不良」であった。
第2のフィラー群の含有量が異なる実施例2、4、5を比べると、第2のフィラー群の含有量が70質量部である実施例2が沈降性において最も優れていた。
実施例1、2の沈降性は、第2のフィラー粒子の形状の差が現れていると考えられる。第2のフィラー粒子は、球状のように平滑な形状よりも非平滑な形状の方が沈降性が良好になった。
比較例1の沈降性が「不良」であったのは、第2のフィラー群が含まれなかったため、樹脂組成物のチクソ性が低下し、第1のフィラー粒子の沈降が促進されたからであると考えられる。
比較例2の沈降性が「不良」であったのは、第2のフィラー群の最大粒子長が大きすぎたためであると考えられる。
[表2]に示すように、音響インピーダンスおよび減衰率は、すべて目標値における許容範囲に収まっていた。
沈降性評価においては、実施例2が「非常に良好」であった。実施例5は「良好」であった。実施例1、3、4は「可」であった。比較例1、2は「不良」であった。
第2のフィラー群の含有量が異なる実施例2、4、5を比べると、第2のフィラー群の含有量が70質量部である実施例2が沈降性において最も優れていた。
実施例1、2の沈降性は、第2のフィラー粒子の形状の差が現れていると考えられる。第2のフィラー粒子は、球状のように平滑な形状よりも非平滑な形状の方が沈降性が良好になった。
比較例1の沈降性が「不良」であったのは、第2のフィラー群が含まれなかったため、樹脂組成物のチクソ性が低下し、第1のフィラー粒子の沈降が促進されたからであると考えられる。
比較例2の沈降性が「不良」であったのは、第2のフィラー群の最大粒子長が大きすぎたためであると考えられる。
成形性の評価においては、実施例2、3、4、比較例1が低粘度となった。このため、成形性が良好であった。実施例1、5、比較例2は、高粘度であり、成形性は実施例2、3、4、比較例1に比べると劣っていた。成形性の評価は「可」の範囲であった。しかし、成形の支障が生じるほどではなかった。
総合評価は、実施例2が「良好」、実施例1、3〜5が「可」、比較例1、2が不良であった。
以上、本発明の好ましい実施形態、各実施例を説明したが、本発明はこれらの実施形態、各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 超音波内視鏡(超音波内視鏡装置)
2 挿入部
5 先端硬質部
10 超音波振動子
11 圧電素子
12 バッキング材(超音波振動子用背面負荷材)
100 成形型
110 樹脂組成物
120、130 硬化体
120A 高濃度部
120B 低濃度部 ・
2 挿入部
5 先端硬質部
10 超音波振動子
11 圧電素子
12 バッキング材(超音波振動子用背面負荷材)
100 成形型
110 樹脂組成物
120、130 硬化体
120A 高濃度部
120B 低濃度部 ・
Claims (8)
- ベース樹脂と、
最大粒子長3μm以上の第1のフィラー粒子によって構成される第1のフィラー群と、
最大粒子長1μm以下の第2のフィラー粒子によって構成される第2のフィラー群と、
を含有する、超音波振動子用背面負荷材。 - 前記第2のフィラー粒子の形状は、
角部を有する立体形状または棒状である、
請求項1に記載の超音波振動子用背面負荷材。 - 前記第1のフィラー粒子および前記第2のフィラー粒子の少なくとも一方は、比重が3以上の材料からなる、
請求項1または2に記載の超音波振動子用背面負荷材。 - 前記第1のフィラー群は、
アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、前記第1のフィラー粒子として含む、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波振動子用背面負荷材。 - 前記第2のフィラー群は、
アルミナ粒子、ジルコニア粒子、および三酸化タングステン粒子からなる群より選択される少なくとも1つを、前記第2のフィラー粒子として含む、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波振動子用背面負荷材。 - 前記ベース樹脂100質量部に対して、
前記第1のフィラー群が100質量部以上300質量部以下、
前記第2のフィラー群が40質量部以上100質量部以下、
含有されている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波振動子用背面負荷材。 - 前記ベース樹脂は、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂のいずれかである、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波振動子用背面負荷材。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の超音波振動子用背面負荷材を備える、
超音波内視鏡装置。
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2017
- 2017-03-16 JP JP2017051579A patent/JP2018153352A/ja active Pending
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2018
- 2018-02-16 WO PCT/JP2018/005481 patent/WO2018168324A1/ja active Application Filing
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020102802A (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | 株式会社アルバック | 超音波発振デバイス |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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WO2018168324A1 (ja) | 2018-09-20 |
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