以下に、図1〜図41を参照しながら、本発明に係る画像処理装置、駆動制御装置、光源制御装置、および画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。また、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施の形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
また、以下の実施の形態においては、本発明に係る画像形成装置としては、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripherals)に適用することもでき、その他、複写機、またはプリンタ等の画像形成装置にも適用することができる。
[第1の実施の形態]
(画像形成装置の概略構成)
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。図1を参照しながら、本実施の形態に係る画像形成装置1の概略構成について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、記録紙(対象物)にトナーを転写して印刷物を形成する装置である。画像形成装置1は、4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の装置である。
図1に示すように、画像形成装置1は、光走査装置10(形成部)と、4つの感光体ドラム30a、30b、30c、30dと、4つのクリーニングユニット31a、31b、31c、31dと、4つの帯電装置32a、32b、32c、32dと、4つの現像ローラ33a、33b、33c、33dと、4つのトナーカートリッジ34a、34b、34c、34dと、を備えている。さらに、図1に示すように、画像形成装置1は、転写ベルト40と、転写ローラ42と、濃度検出器45と、4つのホームポジションセンサ46a、46b、46c、46dと、定着ローラ50と、給紙コロ54と、レジストローラ対56と、排紙ローラ58と、給紙トレイ60と、排紙トレイ70と、通信制御装置80と、プリンタ制御装置90と、を備えている。
感光体ドラム30a、クリーニングユニット31a、帯電装置32a、現像ローラ33a、およびトナーカートリッジ34aは、一組で使用される。これらは、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(Kステーションという場合もある)を構成する。
感光体ドラム30b、クリーニングユニット31b、帯電装置32b、現像ローラ33b、およびトナーカートリッジ34bは、一組で使用される。これらは、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(Cステーションという場合もある)を構成する。
感光体ドラム30c、クリーニングユニット31c、帯電装置32c、現像ローラ33c、およびトナーカートリッジ34cは、一組で使用される。これらは、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(Mステーションという場合もある)を構成する。
感光体ドラム30d、クリーニングユニット31d、帯電装置32d、現像ローラ33d、およびトナーカートリッジ34dは、一組で使用される。これらは、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(Yステーションという場合もある)を構成する。
なお、感光体ドラム30a、30b、30c、30dについて、任意の感光体ドラムを示す場合、または総称する場合、単に「感光体ドラム30」と称する場合がある。また、クリーニングユニット31a、31b、31c、31dについて、任意のクリーニングユニットを示す場合、または総称する場合、単に「クリーニングユニット31」と称する場合がある。また、帯電装置32a、32b、32c、32dについて、任意の帯電装置を示す場合、または総称する場合、単に「帯電装置32」と称する場合がある。また、現像ローラ33a、33b、33c、33dについて、任意の現像ローラを示す場合、または総称する場合、単に「現像ローラ33」と称する場合がある。また、トナーカートリッジ34a、34b、34c、34dについて、任意のトナーカートリッジを示す場合、または総称する場合、単に「トナーカートリッジ34」と称する場合がある。また、ホームポジションセンサ46a、46b、46c、46dについて、任意のホームポジションセンサを示す場合、または総称する場合、単に「ホームポジションセンサ46」と称する場合がある。
光走査装置10は、画像データ(シアン画像データ、マゼンタ画像データ、イエロー画像データ、ブラック画像データ)に基づいて、色毎に変調された光(レーザ)を、対応する帯電された感光体ドラム30の表面にそれぞれ照射する光学装置である。これによって、それぞれの感光体ドラム30の表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像データに対応した潜像がそれぞれの感光体ドラム30の表面に形成される。それぞれの感光体ドラム30の表面に形成された潜像は、感光体ドラム30の回転に伴って、対応する現像ローラ33の方向に移動する。また、この光走査装置10の構成の詳細は、後述する。
感光体ドラム30は、潜像担持体の一例であり、その表面に感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム30の表面は、被走査面となる。また、感光体ドラム30a、30b、30c、30dは、例えば、回転軸が平行になるように並んで配置され、同一の方向(例えば、図1に示す矢印方向)に回転する。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、それぞれの感光体ドラム30の中心軸に平行な方向をY軸方向、それぞれの感光体ドラム30の配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
クリーニングユニット31は、対応する感光体ドラム30の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去するユニットである。残留トナーが除去された感光体ドラム30の表面は、再度対応する帯電装置32に対向する位置に戻る。
帯電装置32は、対応する感光体ドラム30の表面をそれぞれ均一に帯電させる装置である。
現像ローラ33は、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ34からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布されるローラである。そして、現像ローラ33の表面のトナーは、対応する感光体ドラム30の表面に接すると、この表面における光が照射された部分に付着する。すなわち、現像ローラ33は、対応する感光体ドラム30の表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。
トナーカートリッジ34aは、現像ローラ33aにブラックトナーを供給するカートリッジである。トナーカートリッジ34bは、現像ローラ33bにシアントナーを供給するカートリッジである。トナーカートリッジ34cは、現像ローラ33cにマゼンタトナーを供給するカートリッジである。トナーカートリッジ34dは、現像ローラ33dにイエロートナーを供給するカートリッジである。
転写ベルト40は、ベルト回転機構に掛け渡されて、一定方向に回転するベルトである。転写ベルト40は、外側の面が、それぞれの感光体ドラム30の表面に、光走査装置10とは反対側の位置で接触し、それぞれの感光体ドラム30のトナー画像が順次多重に重ね合されて転写され、カラートナー画像が転写される。また、転写ベルト40は、外側の面が、転写ローラ42と接触する。
転写ローラ42は、記録紙を介して転写ベルト40の外側の面と接触し、その記録紙に転写ベルト40に形成されたカラートナー画像を転写させるローラである。
濃度検出器45は、転写ベルト40の−X側(定着ローラ50よりも転写ベルト40の進行方向における上流側であって、4つの感光体ドラム30よりも下流側の位置)に配置された、転写ベルト40上のカラートナー画像のトナー濃度を検出するセンサである。
ホームポジションセンサ46は、対応する感光体ドラム30の回転のホームポジション(原位置)を検出するセンサである。
定着ローラ50は、熱と圧力とを記録紙に加えて、トナーを記録紙上に定着させるローラである。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ58を介して、排紙トレイ70に送られ、排紙トレイ70上に順次スタックされる。
給紙コロ54は、給紙トレイ60の近傍に配置され、記録紙を給紙トレイ60から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対56に搬送する部材である。
レジストローラ対56は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト40と転写ローラ42との間隙に向けて送り出すローラ対である。これによって、転写ベルト40上のカラートナー画像は、記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ50に送られる。
排紙ローラ58は、定着ローラ50から送り出されたカラートナー画像が転写された記録紙を、排紙トレイ70に排紙するローラである。
給紙トレイ60は、記録紙を格納するトレイである。排紙トレイ70は、排紙ローラ58から排紙されたカラートナー画像が転写された記録紙をスタックするためのトレイである。
通信制御装置80は、ネットワーク等を介した上位装置2(例えば、コンピュータ)との双方向の通信を制御する装置である。
プリンタ制御装置90は、画像形成装置1に備えられるそれぞれの装置を統括的に制御する制御装置である。プリンタ制御装置90は、CPU(Central Processing Unit)、CPUで実行されるコードで記述されたプログラムおよびプログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM(Read Only Memory)、作業用のメモリであるRAM(Random Access Memory)、および、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路等を有する。そして、プリンタ制御装置90は、上位装置2からの要求に応じてそれぞれの装置を制御するとともに、上位装置2からの画像データを光走査装置10へ送る。
(光走査装置の構成および動作)
図2は、第1の実施の形態の光走査装置の光学系の構成を示す図である。図3および図4は、光源からポリゴンミラーまでの光路の一例を示す図である。図5は、ポリゴンミラーからそれぞれの感光体ドラムへ向かう光路の一例を示す図である。図2〜図5を参照しながら、光走査装置10の構成および動作について説明する。
図2に示すように、光走査装置10は、光学系として、4つの光源200a、200b、200c、200dと、4つのカップリングレンズ201a、201b、201c、201dと、4つの開口板202a、202b、202c、202dと、4つのシリンドリカルレンズ204a、204b、204c、204dと、を有する。さらに、光走査装置10は、光学系として、ポリゴンミラー104と、4つの走査レンズ105a、105b、105c、105dと、6枚の折り返しミラー106a、106b、106c、106d、108b、108cと、を有する。これらの光学部材は、光走査装置10の光学ハウジングの所定位置に組み付けられている。また、光走査装置10は、電気系の回路として光源制御装置110を有するが、この光源制御装置110の詳細は、図6〜図11で後述する。
なお、光源200a、200b、200c、200dについて、任意の光源を示す場合、または総称する場合、単に「光源200」と称する場合がある。また、カップリングレンズ201a、201b、201c、201dについて、任意のカップリングレンズを示す場合、または総称する場合、単に「カップリングレンズ201」と称する場合がある。また、開口板202a、202b、202c、202dについて、任意の開口板を示す場合、または総称する場合、単に「開口板202」と称する場合がある。また、シリンドリカルレンズ204a、204b、204c、204dについて、任意のシリンドリカルレンズを示す場合、または総称する場合、単に「シリンドリカルレンズ204」と称する場合がある。また、走査レンズ105a、105b、105c、105dについて、任意の走査レンズを示す場合、または総称する場合、単に「走査レンズ105」と称する場合がある。
光源200は、複数の発光部が2次元配列された面発光レーザアレイを含むレーザ光源である。面発光レーザアレイの複数の発光部は、すべての発光部を副走査対応方向に伸びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等間隔となるように配置されている。光源200は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)によって構成されている。なお、光源200は、VCSELに限定されるものではなく、例えば、単体レーザ(LD:Laser Diode)、またはLDA(Laser Diode Array)であってもよい。
カップリングレンズ201は、対応する光源200から射出された光束の光路上に配置され、通過する光束を略平行光束とするレンズである。
開口板202は、開口部を有し、対応するカップリングレンズ201を介した光束を整形する部材である。
シリンドリカルレンズ204は、対応する開口板202の開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像するレンズである。
カップリングレンズ201a、開口板202a、およびシリンドリカルレンズ204aを含む光学系は、Kステーションの偏向器前光学系である。カップリングレンズ201b、開口板202b、およびシリンドリカルレンズ204bを含む光学系は、Cステーションの偏向器前光学系である。カップリングレンズ201c、開口板202c、およびシリンドリカルレンズ204cを含む光学系は、Mステーションの偏向器前光学系である。カップリングレンズ201d、開口板202d、およびシリンドリカルレンズ204dを含む光学系は、Yステーションの偏向器前光学系である。
ポリゴンミラー104は、Z軸に平行な軸を中心に回転する2段構造の4面鏡を有し、それぞれの鏡が偏向反射面として機能する光学部材である。そして、1段目(下段)の4面鏡では、シリンドリカルレンズ204bからの光束およびシリンドリカルレンズ204cからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ204aからの光束およびシリンドリカルレンズ204dからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。また、シリンドリカルレンズ204aおよびシリンドリカルレンズ204bからのそれぞれの光束は、ポリゴンミラー104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ204cおよびシリンドリカルレンズ204dからのそれぞれの光束はポリゴンミラー104の+X側に偏向される。
走査レンズ105は、光束を、対応する感光体ドラム30近傍に集光する光学的パワー、およびポリゴンミラー104の回転に伴って、対応する感光体ドラム30の面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するような光学的パワーを有するレンズである。
走査レンズ105aおよび走査レンズ105bは、ポリゴンミラー104の−X側に配置されている。また、走査レンズ105aおよび走査レンズ105bは、Z軸方向に積層されている。走査レンズ105bは、1段目の4面鏡に対向している。走査レンズ105aは、2段目の4面鏡に対向している。
走査レンズ105cおよび走査レンズ105dは、ポリゴンミラー104の+X側に配置されている。また、走査レンズ105cおよび走査レンズ105dは、Z軸方向に積層されている。走査レンズ105cは、1段目の4面鏡に対向している。走査レンズ105dは、2段目の4面鏡に対向している。
ポリゴンミラー104で偏向されてシリンドリカルレンズ204aを通過した光束は、走査レンズ105aを通過し、折り返しミラー106aで反射して、感光体ドラム30aに照射されて光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー104の回転に伴って感光体ドラム30aの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム30a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム30aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム30aの回転方向が、感光体ドラム30aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー104で偏向されてシリンドリカルレンズ204bを通過した光束は、走査レンズ105bを通過し、折り返しミラー106bおよび折り返しミラー108bでそれぞれ反射して、感光体ドラム30bに照射されて光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー104の回転に伴って感光体ドラム30bの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム30b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム30bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム30bの回転方向が、感光体ドラム30bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー104で偏向されてシリンドリカルレンズ204cを通過した光束は、走査レンズ105cを通過し、折り返しミラー106cおよび折り返しミラー108cでそれぞれ反射して、感光体ドラム30cに照射されて光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー104の回転に伴って感光体ドラム30cの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム30c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム30cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム30cの回転方向が、感光体ドラム30cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー104で偏向されてシリンドリカルレンズ204dを通過した光束は、走査レンズ105dを通過し、折り返しミラー106dで反射して、感光体ドラム30dに照射されて光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー104の回転に伴って感光体ドラム30dの長手方向に移動する。すなわち、この光スポットは、感光体ドラム30d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム30dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム30dの回転方向が、感光体ドラム30dでの「副走査方向」である。
折り返しミラー106a、106b、106c、106d、108b、108cは、それぞれ、ポリゴンミラー104から、対応する感光体ドラム30に至る光路長が互いに一致するように、かつ、対応する感光体ドラム30における光束の入射位置および入射角がいずれも互いに等しくなるように配置されている。
ポリゴンミラー104と、感光体ドラム30それぞれとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。走査レンズ105a、および折り返しミラー106aを含む光学系は、Kステーションの走査光学系である。走査レンズ105b、および2枚の折り返しミラー106b、108bを含む光学系は、Cステーションの走査光学系である。走査レンズ105c、および2枚の折り返しミラー106c、108cを含む光学系は、Mステーションの走査光学系が構成されている。走査レンズ105d、および折り返しミラー106dを含む光学系は、Yステーションの走査光学系である。なお、それぞれの走査光学系において、走査レンズ105が複数のレンズから構成されていてもよい。
(光源制御装置の構成)
図6は、第1の実施の形態に係る光源制御装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図6を参照しながら、本実施の形態に係る光源制御装置110の機能ブロックの構成について説明する。
図6に示すように、光源制御装置110は、インターフェースユニット300(インターフェース部)と、画像処理ユニット320(処理部)と、駆動制御ユニット340(駆動制御装置)と、を備えている。
インターフェースユニット300は、上位装置2(例えば、コンピュータ)から転送された画像データを、プリンタ制御装置90から取得して、後段の画像処理ユニット320へ送るユニットである。インターフェースユニット300の具体的なハードウェア構成については、図7で後述する。
画像処理ユニット320は、例えば、2400dpi(dots per inch)の解像度であり、かつ、インターフェースユニット300から入力した多ビットデータである画像データに対して、各種の画像処理を行うユニットである。画像処理ユニット320は、例えば、インターフェースユニット300から入力した画像データ(例えば、RGB形式の画像データ)を、印刷方式に対応したカラーの画像データ(例えば、CMYK形式の画像データ)に変換する。また、画像処理ユニット320は、入力した画像データに付加されている属性情報に基づいて、画像データにタグ情報を含める。画像処理ユニット320は、図6に示すように、属性分離部321と、色変換部322と、墨生成部323と、γ補正部324と、疑似中間調処理部325と、タグ情報付加部326と、を備えている。
属性分離部321は、インターフェースユニット300から入力した画像データに付加された属性情報を分離する機能部である。属性情報は、その領域(画素)のソースとなるオブジェクトの種類を示す情報である。例えば、画素が文字の一部であれば、その画素の属性情報は、「文字」の属性を示す。画素が線の一部であれば、その画素の属性情報は、「線」の属性を示す。画素が図形の一部であれば、その画素の属性情報は、「図形」の属性を示す。画素が写真の一部であれば、その画素の属性情報は、「写真」の属性を示す。属性分離部321は、属性情報を分離した画像データを、色変換部322へ送り、分離した属性情報を、タグ情報付加部326に送る。
色変換部322は、RGB形式の画像データを、プリンタ等での色再現色であるCMY形式の画像データに変換する機能部である。色変換部322は、CMY形式に変換した画像データを、墨生成部323へ送る。
墨生成部323は、CMY形式に変換された画像データから、黒成分を抽出し、その後のCMY色を決定し、最終的にCMYK形式の画像データに変換する機能部である。墨生成部323は、CMYK形式に変換した画像データを、γ補正部324へ送る。
γ補正部324は、CMYK形式に変換された画像データに対し、CMYK毎に画像形成装置1の出力特性に応じた階調補正を行う機能部である。γ補正部324は、補正を行った画像データを、疑似中間調処理部325へ送る。
疑似中間調処理部325は、CMYK毎に2値または多値のディザマトリクスを用いて疑似中間調処理を行い、ある領域内の画素数または値を、網点または万線の構造の連続的な階調になるように変化させ、多ビットの画像データから、1ビットの面積階調データを生成する機能部である。疑似中間調処理部325は、生成した1画素が1ビットの画像データを駆動制御ユニット340に送信する。
タグ情報付加部326は、属性分離部321により分離された属性情報に基づいてタグ情報を生成し、画像データの各画素にタグ情報を含める機能部である。このように、例えば、文字または背景等を示すタグ情報を画像データに含めることによって、そのタグ情報に対応する画素を、そのタグ情報が示す内容に応じて画像処理を行うことが可能となる。また、タグ情報は、多ビットで構成され、複数の属性を示すものとしてもよい。ただし、以下では、タグ情報は、1ビットで構成されるものとし、タグ情報が「1」である場合、対応する画素は文字であることを示し、タグ情報が「0」である場合、対応する画素は文字以外のオブジェクト(例えば、背景等)であることを示すものとして説明する。すなわち、タグ情報付加部326によりタグ情報が含まれた画像データは、1画素に、1ビットの画像情報(黒画素、白画素)、および1ビットのタグ情報が含まれた2ビットの情報が含まれる画像データであるものとして説明する。
タグ情報付加部326は、タグ情報を含めた画像データを駆動制御ユニット340に送信する。具体的には、タグ情報付加部326は、属性分離部321によって画像データから分離された属性情報に基づいて生成したタグ情報を、疑似中間調処理部325により生成された画像データにタグ情報を含めるものとすればよい。
なお、タグ情報付加部326は、画像データの各画素にタグ情報を含めた多ビットの画素で構成される画像データを生成するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、タグ情報とは別に画像成分(画像情報)のみで構成される画像データと、画像データの各画素に対応したタグ情報を画素値とする画素で構成されるデータとを分けて画像処理をするものとしてもよい。
図6に示す画像処理ユニット320の各機能部は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって実現される。
なお、属性分離部321、色変換部322、墨生成部323、γ補正部324、疑似中間調処理部325、およびタグ情報付加部326は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図6に示す画像処理ユニット320において独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図6に示す画像処理ユニット320における1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
駆動制御ユニット340は、画像処理ユニット320から画像処理が行われた画像データを受信し、光源200の駆動に対応した変調パルス信号を生成し、変調パルス信号に応じた駆動信号によって光源200を駆動して発光させるユニットである。駆動制御ユニット340は、例えば、各光源200の近傍に設けられたASIC等のワンチップ化された単一の集積デバイスによって構成される。駆動制御ユニット340は、図6に示すように、変調信号生成部350と、クロック生成部360と、光源駆動部370と、を備えている。
変調信号生成部350は、光源200を駆動するための変調パルス信号を生成する機能部である。具体的には、変調信号生成部350は、変調パルス信号を生成する過程で、画像処理ユニット320から受信したMの解像度(第1解像度)であってタグ情報を含む画像データを、主走査方向および副走査方向に分割して、Nの解像度(第2解像度)に高解像度化する。また、変調信号生成部350は、画像形成ステーション毎に、図示しない同期検知センサの出力信号に基づいて書き込み開始のタイミングを求める。そして、変調信号生成部350は、書き込み開始のタイミングに合わせて、光源200の発光部のドットデータを、クロック生成部360からの画素クロック信号に重畳させると共に、画像処理ユニット320等からの情報に基づいて、発光部毎にそれぞれ独立した変調パルス信号を生成する。変調信号生成部350の具体的な機能ブロックの構成については、図8〜図10で後述する。
クロック生成部360は、上述の画素クロック信号を生成する機能部である。
光源駆動部370は、変調信号生成部350により生成された変調パルス信号に応じて、光源200の各発光部の駆動信号を出力する機能部である。光源駆動部370の具体的なハードウェア構成については、図11で後述する。
なお、図6に示す光源制御装置110は、特定の光源200を駆動する構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、1つの光源制御装置110で、4つの光源200(光源200a、200b、200c、200d)を駆動制御するものとしてもよい。以下の説明では、光源制御装置110は、特定の光源200を制御する装置であるものとして説明する。
<インターフェースユニットのハードウェア構成>
図7は、第1の実施の形態に係る光源制御装置のインターフェースユニットのハードウェア構成の一例を示す図である。図7を参照しながら、本実施の形態のインターフェースユニット300のハードウェア構成について説明する。
図7に示すように、インターフェースユニット300は、CPU400と、RAM401と、フラッシュメモリ402と、I/F回路403と、を備えている。
CPU400は、フラッシュメモリ402に記憶されているプログラムに従って動作し、光走査装置10全体の制御を行う演算装置である。RAM401は、CPU400のワークエリアとして使用される揮発性記憶装置である。フラッシュメモリ402は、CPU400により実行される各種プログラムおよびそれらのプログラムの実行に必要な各種データを記憶する不揮発性記憶装置である。I/F回路403は、プリンタ制御装置90と双方向の通信を行う通信インターフェースである。例えば、I/F回路403は、プリンタ制御装置90からプリンタ制御信号を受信する。上位装置2からの画像データは、I/F回路403を介して、光源制御装置110に入力される。
バス404は、図7に示すように、CPU400、RAM401、フラッシュメモリ402、およびI/F回路403が互いに通信可能となるように接続するアドレスバスおよびデータバス等である。
<変調信号生成部の機能ブロックの構成>
図8は、第1の実施の形態に係る光源制御装置の駆動制御ユニットの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図9は、第1の実施の形態の駆動制御ユニットの高解像度処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図10は、第1の実施の形態の高解像度処理部の細線化処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図8〜図10を参照しながら、本実施の形態の駆動制御ユニット340の変調信号生成部350の機能ブロックの構成について説明する。
図8に示すように、駆動制御ユニット340の変調信号生成部350は、高解像度処理部351と、パルス生成部352と、印加電流設定部353と、を有する。なお、本発明に係る「画像処理装置」は、例えば、変調信号生成部350、または高解像度処理部351に対応する。
高解像度処理部351は、画像処理ユニット320から出力された第1解像度の画像データ(図8に示す「入力データ+タグ情報(第1解像度)」)から、第1解像度よりも高い解像度(第2解像度)の画像データに高解像度化(解像度変換処理)すると共に、第1解像度の画像データから対象画素を順次選択し、その対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素である場合、細線化または太線化の画像処理を行う機能部である。高解像度処理部351は、画像処理を行った第2解像度の画像データ(図8に示す出力データ)を、パルス生成部352へ送る。
パルス生成部352は、高解像度処理部351から受け取った第2解像度の画像データをシリアル変換し、ON/OFF信号である変調パルス信号を生成する機能部である。ここで、変調パルス信号は、シリアル信号であり、H期間とL期間とがそのままON/OFFの切り替えタイミングを示す。パルス生成部352は、生成した変調パルス信号を、光源駆動部370へ出力する。
印加電流設定部353は、光源200に流す電流の設定値を示す光源印加電流データを、光源駆動部370へ出力する機能部である。
光源駆動部370は、パルス生成部352からの変調パルス信号と、印加電流設定部353からの光源印加電流データとに応じて、光源200を駆動する。
図9に示すように、変調信号生成部350の高解像度処理部351は、入力画像反転部500(第1反転部)と、細線化処理部520と、出力画像反転部540(第2反転部)と、を有する。
入力画像反転部500は、外部から入力されたモード設定信号に従って、画像処理ユニット320から出力された第1解像度の画像データ(図9に示す入力データ)に対して反転処理を実行する機能部である。モード設定信号は、入力画像反転部500が実行する反転処理のモードを設定する信号である。入力画像反転部500は、モード設定信号により設定されたモードの反転処理を実行する。反転処理のモードは、モード1〜4を含む。
モード1は、全ての画素の画像情報及びタグ情報を反転しないモードである。入力画像反転部500は、モード設定信号によりモード1を設定された場合、画像処理ユニット320から出力された第1解像度の画像データをそのまま細線化処理部520へ送る。
モード2は、画像情報及びタグ情報が一致する画素について、画像情報及びタグ情報をそれぞれ反転し、画像情報及びタグ情報が一致しない画素について、画像情報及びタグ情報をいずれも反転しないモードである。入力画像反転部500は、モード設定信号によりモード2を設定された場合、画像処理ユニット320から出力された第1解像度の画像データに含まれる、画像情報及びタグ情報が一致する各画素について、画像情報及びタグ情報を反転し、細線化処理部520へ送る。
モード3は、画像情報及びタグ情報が一致しない画素について、画像情報及びタグ情報をそれぞれ反転し、画像情報及びタグ情報が一致する画素について、画像情報及びタグ情報をいずれも反転しないモードである。入力画像反転部500は、モード設定信号によりモード3を設定された場合、画像処理ユニット320から出力された第1解像度の画像データに含まれる、画像情報及びタグ情報が一致しない各画素について、画像情報及びタグ情報を反転し、細線化処理部520へ送る。
モード4は、全ての画素の画像情報及びタグ情報を反転するモードである。入力画像反転部500は、モード設定信号によりモード4を設定された場合、画像処理ユニット320から出力された第1解像度の画像データに含まれる各画素について、画像情報及びタグ情報を反転し、細線化処理部520へ送る。
ここで、画像情報の反転とは、画素値が「0」(白画素)の場合、画素値を「1」(黒画素)に変換し、画素値が「1」(黒画素)の場合、画素値を「0」(白画素)に変換する処理である。また、タグ情報の反転とは、画素値が「0」(文字以外)の場合、画素値を「1」(文字)に変換し、画素値が「1」(文字)の場合、画素値を「0」(文字以外)に変換する処理である。入力画像反転部500は、第1解像度の画像データに対して、モード設定信号により設定されたモードの反転処理を実行した画像データを細線化処理部520へ送る。
細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データに対して、第1解像度から第2解像度へ変換する解像度変換処理と、細線化の画像処理とを行う機能部である。ここで、細線化処理部520により行われる画像処理を総称して「細線化処理」と称する場合がある。細線化処理部520は、細線化処理を行った画像データを、出力画像反転部540へ送る。細線化処理部520の具体的な構成については、図10で後述する。
出力画像反転部540は、外部から入力されたモード設定信号に従って、細線化処理部520から受け取った第2解像度の画像データに対して反転処理を実行する機能部である。出力画像反転部540は、モード設定信号により、入力画像反転部500と同一のモードを設定される。出力画像反転部540は、第2解像度の画像データに対して、モード設定信号により設定されたモードの反転処理を実行した画像データを、パルス生成部352へ出力する。
なお、モード設定信号は外部から入力されるものとしているが、例えば、画像形成装置1の機種ごとにモードを固定してもよく、現像方式もしくは記録紙の紙種等に応じてモードを切り替えるものとしてもよく、または、印刷機構の経年劣化により記録紙に転写される文字がかすれてしまう等のために特定のタイミングでモードを切り替えるものとしてもよい。さらに、画像形成装置1の管理者が、図示しない設定手段を介して、モード設定信号により設定されるモードを変更するものとしてもよい。
図10に示すように、高解像度処理部351の細線化処理部520は、第1変換部521(解像度変換部)と、パターンマッチング部522(マッチング部)と、第2変換部523(細線化変換部)と、セレクタ部524(選択部)と、を有する。このうち、第1変換部521によって画像処理が実行される機能ブロックを、解像度変換パス531と称し、パターンマッチング部522および第2変換部523によって画像処理が実行される機能ブロックを、細線化パス532と称する。
まず、解像度変換パス531について説明する。解像度変換パス531の第1変換部521は、入力画像反転部500から受け取った第1解像度(例えば、2400dpi)の画像データを、第1解像度よりも高解像度である第2解像度(例えば、4800dpi)の画像データに変換する解像度変換処理を行う機能部である。第1変換部521は、変換した第2解像度の画像データ(図10に示す解像度変換パスの出力データ)を、セレクタ部524に送る。なお、本実施の形態では、第2解像度は、第1解像度の2倍の解像度であるものとして説明する。また、解像度変換処理については、図12で後述する。
次に、細線化パス532について説明する。細線化パス532のパターンマッチング部522は、入力画像反転部500から受け取った第1解像度の画像データの画素の配列に基づいて、画像データにおける対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素であるか否かを判定する機能部である。具体的には、パターンマッチング部522は、第1解像度の画像データから対象画素を中心とする部分画像であるイメージマトリクス(例えば、後述の図18に示す9×9のサイズの部分画像)を取得する。したがって、パターンマッチング部522により第1解像度の画像データから対象画素が順次選択されることによって、取得されるイメージマトリクスを構成する画素の配列も異なる。このイメージマトリクスを構成する画素の画素値は、1ビットの値(「0」か「1」)である。そして、パターンマッチング部522は、図示しないバッファメモリに記憶された各種パターン(例えば、後述の図19参照)のそれぞれと、取得したイメージマトリクスとのパターンマッチングを行うことによって、イメージマトリクスに含まれる対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素であるか否かを判定する。ここで、イメージマトリクスの大きさは、上述のパターンマッチングに使用されるパターンの大きさに基づいて決定される。また、パターンマッチング部522は、パターンマッチングによる判定の結果(例えば、どのパターンと一致したか、または、どのパターンとも一致しなかったこと)を示すマッチング信号、および、パターンマッチングの対象となった対象画素のデータを、第2変換部523へ送る。また、パターンマッチング部522は、パターンマッチングによる判定の結果、イメージマトリクスがいずれかのパターンと一致した場合、イネーブル信号をセレクタ部524に出力する。なお、上述のパターンが記憶されたバッファメモリは、例えば、駆動制御ユニット340が実現されるワンチップ化された単一の集積デバイスに含まれており、パターンマッチング部522を実現する集積回路が参照できるように構成されていればよい。
細線化パス532の第2変換部523は、パターンマッチング部522から受け取ったマッチング信号に基づいて、第1解像度の画像データの対象画素を、第2解像度の特定の画素パターン(例えば、後述する図20参照)に変換する機能部である。すなわち、第2変換部523は、第1解像度の画像データを第2解像度の画像データに高解像度化する解像度変換処理を行う共に、対象画素を画素パターンに変換することによる細線化の画像処理を行う。具体的には、第2変換部523は、マッチング信号が、対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素であることを示す場合、第1解像度の画像データの対象画素を、マッチング信号が示すパターンに対応する画素パターンに変換することによって、高解像度化すると共に、細線化の画像処理を行う。一方、第2変換部523は、マッチング信号が、対象画素が細線等のエッジを構成する画素でないことを示す場合、第1解像度の画像データの対象画素を、単に第2解像度に高解像度化(実質的に、第1変換部521による解像度変換処理と同様の処理)する。後述するが、このように、パターンマッチングに使用するパターンそれぞれに、対象画素を置き換える画素パターンを対応させることによって、細線化の強度に強弱を与えることができる。第2変換部523は、変換した第2解像度の画像データ(図10に示す細線化パスの出力データ)を、セレクタ部524に送る。
そして、セレクタ部524は、解像度変換パス531から出力された、すなわち、第1変換部521から出力された第2解像度の画像データと、細線化パス532から出力された、すなわち、第2変換部523から出力された第2解像度の画像データと、から出力画像反転部540へ出力する画像データを選択する機能部である。具体的には、セレクタ部524は、パターンマッチング部522からイネーブル信号の入力がある場合、細線化パス532により画像処理された第2解像度の画像データを出力し、イネーブル信号の入力がない場合、解像度変換パス531により画像処理(解像度変換処理)された第2解像度の画像データを出力する。
なお、セレクタ部524はイネーブル信号の入力の有無によって、解像度変換パス531からの画像データを出力するか、細線化パス532からの画像データを出力するかを選択しているが、この選択機能を図示しない外部からの細線化制御信号の入力の有無によって、有効か無効かを切り替えるものとしてもよい。すなわち、セレクタ部524は、細線化制御信号が入力されていない場合、イネーブル信号の入力の有無に関わらず、解像度変換パス531を選択し、細線化制御信号が入力されている場合、イネーブル信号の入力の有無によって解像度変換パス531を選択するか細線化パス532を選択するかの切り替えを行うものとしてもよい。
また、細線化処理部520による画像処理(上述のように総括的に「細線化処理」と称する場合がある)の詳細については、図12〜図25で後述する。
<光源駆動部のハードウェア構成>
図11は、第1の実施の形態の駆動制御ユニットの光源駆動部のハードウェア構成の一例を示す図である。図11を参照しながら、本実施の形態の駆動制御ユニット340の光源駆動部370のハードウェア構成について説明する。
図11に示すように、駆動制御ユニット340の光源駆動部370は、DAC(Digital−to−Analog Converter)371と、電流源372と、スイッチ373と、を備えている。なお、図11に示す光源200は、発行部として単体レーザLDを有するものとして説明する。
DAC371は、変調信号生成部350の印加電流設定部353から出力されたデジタルデータである光源印加電流データをアナログ信号に変換する電子部品である。DAC371は、変換したアナログ信号を、電流源372へ出力する。
電流源372は、DAC371から出力された光源印加電流データのアナログ信号に基づいて、光源200の単体レーザLDを流れる電流が所定の電流となるように調整する装置である。すなわち、光源印加電流データを制御することによって、光源200をどれだけの光量で発光させるかの制御を行うことができる。例えば、印刷機構の経年劣化(例えば、感光体ドラム30の経年劣化等)の程度によって、印加電流設定部353から出力される光源印加電流データが示す電流値を大きくすることにより、電子写真プロセスの機能を維持することができる。
スイッチ373は、変調信号生成部350から出力された変調パルス信号に基づいて、単体レーザLDから電流源372へ向かう回路の開閉動作を行う電子部品である。スイッチ373が閉状態になっている場合、電源Vccからスイッチ373に向かって、光源200の単体レーザLDに順方向に電流が流れ、単体レーザLDが発光する。このスイッチ373による変調パルス信号に基づく開閉動作により、所望の点灯パターンでの光源200の単体レーザLDに対する発光制御が可能となる。
(高解像度処理部の画像処理)
以下に、図12〜図30を参照しながら、本実施の形態に係る光源制御装置110の変調信号生成部350の高解像度処理部351の画像処理について説明する。なお、図12〜図30においては、第1解像度を2400dpi、第2解像度を4800dpiであるものとして説明する。
<解像度変換処理>
図12は、第1の実施の形態の細線化処理部の解像度変換処理の動作を説明する図である。図12を参照しながら、高解像度処理部351の細線化処理部520の細線化処理のうち、解像度変換パス531の第1変換部521による解像度変換処理を例にして説明する。
解像度変換パス531の第1変換部521は、入力画像反転部500から受け取った第1解像度(2400dpi)の画像データを、第1解像度よりも高解像度である第2解像度(4800dpi)の画像データに変換する解像度変換処理を行う。具体的には、第1変換部521は、図12(a)に示すように、第1解像度(2400dpi)の画像データにおいて、画像情報に係る画素値が「0」、かつ、タグ情報に係る画素値が「0」である画素(以下、単に、「画素値が(0,0)である画素」のように称する場合がある)を、第2解像度(4800dpi)となるように、縦に2個、横に2個の合計4個の画素値が(0,0)である画素に分割する。同様に、第1変換部521は、図12に示すように、第1解像度(2400dpi)の画像データにおいて、画像情報に係る画素値が「1」、かつ、タグ情報に係る画素値が「1」である画素(以下、単に、「画素値が(1,1)である画素」のように称する場合がある)を、第2解像度(4800dpi)となるように、縦に2個、横に2個の合計4個の画素値が(1,1)である画素に分割する。
また、第1変換部521は、図12(b)に示すように、第1解像度(2400dpi)の画像データにおいて、画像情報に係る画素値が「0」、かつ、タグ情報に係る画素値が「1」である画素(以下、単に、「画素値が(0,1)である画素」のように称する場合がある)を、第2解像度(4800dpi)となるように、縦に2個、横に2個の合計4個の画素値が(0,1)である画素に分割する。同様に、第1変換部521は、図12に示すように、第1解像度(2400dpi)の画像データにおいて、画像情報に係る画素値が「1」、かつ、タグ情報に係る画素値が「0」である画素(以下、単に、「画素値が(1,0)である画素」のように称する場合がある)を、第2解像度(4800dpi)となるように、縦に2個、横に2個の合計4個の画素値が(1,0)である画素に分割する。
また、細線化パス532の第2変換部523について、マッチング信号が、対象画素が細線等のエッジを構成する画素でないことを示す場合における処理も、第1変換部521による解像度変換処理と同様の処理となる。
<反転処理>
図13〜図16は、第1の実施の形態に係る高解像度処理部の反転処理の動作を説明する図である。図13〜図16を参照しながら、高解像度処理部351の入力画像反転部500および出力画像反転部540の反転処理について説明する。
入力画像反転部500は、外部から入力されたモード設定信号に従って、画像処理ユニット320から出力された第1解像度の2ビットの画像データに対して反転処理を実行する。
反転処理がモード1に設定された場合、図13に示すように、入力画像反転部500は、画素値が(0,0)である画素をそのまま出力する。また、入力画像反転部500は、画素値が(0,1)である画素をそのまま出力する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,0)である画素をそのまま出力する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,1)である画素をそのまま細線化処理部520へ送る。
反転処理がモード2に設定された場合、図14に示すように、入力画像反転部500は、画素値が(0,0)である画素を、画素値が(1,1)である画素に変換する。また、入力画像反転部500は、画素値が(0,1)である画素をそのまま出力する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,0)である画素をそのまま出力する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,1)である画素を、画素値が(0,0)である画素に変換する。
反転処理がモード3に設定された場合、図15に示すように、入力画像反転部500は、画素値が(0,0)である画素をそのまま出力する。また、入力画像反転部500は、画素値が(0,1)である画素を、画素値が(1,0)である画素に変換する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,0)である画素を、画素値が(0,1)である画素に変換する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,1)である画素をそのまま出力する。
反転処理がモード4に設定された場合、図16に示すように、入力画像反転部500は、画素値が(0,0)である画素を、画素値が(1,1)である画素に変換する。また、入力画像反転部500は、画素値が(0,1)である画素を、画素値が(1,0)である画素に変換する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,0)である画素を、画素値が(0,1)である画素に変換する。また、入力画像反転部500は、画素値が(1,1)である画素を、画素値が(0,0)である画素に変化する。
なお、出力画像反転部540の反転処理も、上述の入力画像反転部500の反転処理と同様である。
<細線化処理>
図17は、黒画素の線画の一例を示す図である。図18は、第1の実施の形態のイメージマトリクスの一例を示す図である。図19は、第1の実施の形態のパターンマッチング処理に使用するパターンの一例を示す図である。図20は、細線化処理後の黒画素の画素パターンの一例を示す図である。図21〜図23は、それぞれ第1の実施の形態の細線化パスの画像処理の動作の一例を説明する図である。図17〜図23を参照しながら、高解像度処理部351の細線化処理部520の細線化処理のうち、細線化パス532の画像処理の動作を中心に説明する。
図17に示す画像は、第1解像度の画像データの一部を示すものであり、黒画素の線画のエッジ(端、輪郭)を示している。このような図17に示す画像の画像データが、細線化パス532に入力されると、高解像度化されると共に、細線化の画像処理が実行される。
細線化パス532のパターンマッチング部522は、上述のように、入力画像反転部500から受け取った第1解像度(2400dpi)の画像データの画素の配列に基づいて、画像データにおける対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素であるか否かを判定する。具体的には、パターンマッチング部522は、第1解像度の画像データから対象画素を中心とする部分画像であるイメージマトリクス(例えば、図18に示す9×9のサイズの部分画像)を取得する。そして、パターンマッチング部522は、図示しないバッファメモリに記憶された各種パターン(例えば、図19(a)および(b)に示すようなパターン)のそれぞれと、取得したイメージマトリクスとのパターンマッチングを行うことによって、イメージマトリクスに含まれる対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素であるか否かを判定する。図19の例では、各画素に画像情報の画素値が記載されている。図19(a)および(b)に示すパターンにおいて、画素値が「X」で示されている画素は、画像情報の画素値を不問とする画素、すなわち、画像情報の画素値が「0」でも「1」でもよい画素を示す。
パターンマッチングの際、バッファメモリに記憶されたパターンの画素は、画像情報に係る画素値だけではなく、タグ情報に係る画素値(「0」か「1」)を有している。したがって、パターンマッチング部522によるパターンマッチングでは、パターンとイメージマトリクスとの間で、画像情報に係る画素値およびタグ情報に係る画素値の双方についてマッチングが行われる。よって、パターンマッチングにおいて、イメージマトリクスの画素のそれぞれについて、パターンにおける画像情報に係る画素値が「0」および「1」である画素に対応する画素の画像情報に係る画素値およびタグ情報に係る画素値がそれぞれ一致する場合、イメージマトリクスは、そのパターンに合致するものと判定される。また、パターンマッチング部522は、パターンマッチングによる判定の結果(例えば、どのパターンと一致したか、または、どのパターンとも一致しなかったこと)を示すマッチング信号、および、パターンマッチングの対象となった対象画素のデータを、第2変換部523へ送る。
細線化パス532の第2変換部523は、パターンマッチング部522から受け取ったマッチング信号に基づいて、第1解像度の画像データの対象画素を、第2解像度の画素パターン(例えば、図20に示すa〜nの画素パターン)に変換する。この場合の画素パターンは、画素として画像情報に係る画素値と共に、タグ情報に係る画素値を含む。すなわち、第2変換部523は、第1解像度の画像データを第2解像度の画像データに高解像度化する解像度変換処理を行う共に、対象画素を画素パターンに変換することによる細線化または太線化の画像処理を行う。具体的には、第2変換部523は、マッチング信号が、対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素であることを示す場合、第1解像度の画像データの対象画素を、マッチング信号が示すパターンに対応する画素パターンに変換することによって、高解像度化すると共に、細線化または太線化の画像処理を行う。この際、上述のように、画素パターンには画像情報およびタグ情報それぞれの画素値を含むので、第2変換部523による細線化または太線化の画像処理後の画像データの画素にはタグ情報が含まれることになる。
図21に示す例では、エッジ部分が第2解像度の単位で4画素分の黒画素が削除(白画素に変換)されて細線化が行われている例を示す。また、図21に示す6つの画素のうち、4つの画素はそれぞれ画素値が(1,1)であり、残りの2つの画素はそれぞれ画素値が(0,0)であるため、図21は「黒文字のエッジ部分」を示していることになる。
図21(a)では、左側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち左から3つ目の画素は、画素値が(0,0)の分割された4つの画素に置き換えられている。また、左から4つ目の画素は、画素値が(1,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。図21(b)では、右側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち左から3つ目の画素は、画素値が(1,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。また、左から4つ目の画素は、画素値が(0,0)の分割された4つの画素に置き換えられている。図21(c)では、上側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち上から3つ目の画素は、画素値が(0,0)の分割された4つの画素に置き換えられている。また、上から4つ目の画素は、画素値が(1,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。図21(d)では、下側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち上から3つ目の画素は、画素値が(1,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。また、下から4つ目の画素は、画素値が(0,0)の分割された4つの画素に置き換えられている。
図22に示す例では、エッジ部分が第2解像度の単位で7画素分の黒画素が削除(白画素に変換)されて細線化が行われている例を示す。また、図22に示す6つの画素のうち、4つの画素はそれぞれ画素値が(1,0)であり、残りの2つの画素はそれぞれ画素値が(0,1)であるため、図22は「白文字のエッジ部分」を示していることになる。
図22(a)では、右側がエッジ(白文字のエッジ)となっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち左から3つ目の画素は、画素値が(0,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。また、左から4つ目の画素は、左上、左下および右下の画素値が(0,1)であり、かつ、右上の画素値が(1,0)である分割された4つの画素に置き換えられている。
図22(b)では、左側がエッジ(白文字のエッジ)となっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち左から3つ目の画素は、左上、右上および右下の画素値が(0,1)であり、かつ、左下の画素値が(1,0)である分割された4つの画素に置き換えられている。また、左から4つ目の画素は、画素値が(0,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。
図22(c)では、下側がエッジ(白文字のエッジ)となっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち上から3つ目の画素は、画素値が(0,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。また、上から4つ目の画素は、左上、左下および右上の画素値が(0,1)であり、かつ、右下の画素値が(1,0)である分割された4つの画素に置き換えられている。
図22(d)では、上側がエッジ(白文字のエッジ)となっている部分画像(第1解像度)の6つの画素のうち上から3つ目の画素は、左下、右上および右下の画素値が(0,1)であり、かつ、右下の画素値が(1,0)である分割された4つの画素に置き換えられている。また、上から4つ目の画素は、画素値が(0,1)の分割された4つの画素に置き換えられている。結果的に、図22に示す細線化パス532の画像処理では、白文字についての太線化の画像処理が行われていることになる。
なお、図21および図22において、特定のパターンに合致しなかった残りの4つの画素については、対応するマッチング信号が細線等のエッジを構成する画素でないことを示すため、解像度変換パス531の第1変換部521により解像度変換処理が行われて第2解像度に高解像度化されている。
<高解像度処理部の画像処理の流れ>
図23および図24は、それぞれ第1の実施の形態に係る高解像度処理部の画像処理(モード1)の動作の一例を説明する図である。図25および図26は、それぞれ第1の実施の形態に係る高解像度処理部の画像処理(モード2)の動作の一例を説明する図である。図27および図28は、それぞれ第1の実施の形態に係る高解像度処理部の画像処理(モード3)の動作の一例を説明する図である。図29および図30は、それぞれ第1の実施の形態に係る高解像度処理部の画像処理(モード4)の動作の一例を説明する図である。図23〜図30を参照しながら、高解像度処理部351の画像処理の全体の流れについて説明する。
まず、図23および図24を参照しながら、高解像度処理部351の入力画像反転部500および出力画像反転部540に、それぞれ外部から反転処理をモード1に設定するモード設定信号が入力された場合の動作について説明する。図23の例では、画素値が(1,1)の画素および画素値が(0,0)の画素を含む画像データが入力され、図24の例では、画素値が(1,0)の画素および画素値が(1,0)の画素を含む画像データが入力されている。
図23に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード1を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1200(図23(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図23(b)に示す画像データ1201)を細線化処理部520へ送る。画像データ1201は、図23(b)に示すように、画像データ1200に対して反転処理が実行されていないので、画像データ1200における画素のうち、画素値が(0,0)の白画素(文字以外)は白画素(文字以外)のままであり、画素値が(1,1)の黒画素(文字)は黒画素(文字)のままである。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1201に対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1201の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1202(図23(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1202を、出力画像反転部540に送る。図23(c)に示す例では、黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で4画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、モード1を設定されているので、画像データ1202に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図23(d)に示す画像データ1203)を出力する。
また、図24に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード1を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1210(図24(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図24(b)に示す画像データ1211)を細線化処理部520へ送る。画像データ1211は、図24(b)に示すように、画像データ1210に対して反転処理が実行されていないので、画像データ1210における画素のうち、画素値が(0,1)の白画素(文字)は白画素(文字)のままであり、画素値が(1,0)の黒画素(文字以外)は黒画素(文字以外)のままである。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1211に対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1211の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1212(図24(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1212を、出力画像反転部540に送る。図24(c)に示す例では、黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で4画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、モード1を設定されているので、画像データ1212に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図24(d)に示す画像データ1213)をパルス生成部352へ出力する。
以上のように、反転処理がモード1に設定された場合、高解像度処理部351では、実質的に細線化処理部520の細線化処理のみが機能し、画像データ1200と画像データ1203とを比較すると、黒線または黒文字等のエッジ部分が細線化されていることになる。
次に、図25および図26を参照しながら、高解像度処理部351の入力画像反転部500および出力画像反転部540に、それぞれ外部から反転処理をモード2に設定するモード設定信号が入力された場合の動作について説明する。図25の例では、画素値が(1,1)の画素および画素値が(0,0)の画素を含む画像データが入力され、図26の例では、画素値が(1,0)の画素および画素値が(1,0)の画素を含む画像データが入力されている。
図25に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード2を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1200(図25(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ(図25(b)に示す画像データ1201a)を細線化処理部520へ送る。画像データ1201aでは、図25(b)に示すように、画像データ1200における画素のうち、画素値が(0,0)の白画素(文字以外)は黒画素(文字)に反転され、画素値が(1,1)の黒画素(文字)は白画素(文字以外)に反転されている。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1201aに対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1201の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1202(図25(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1202を、出力画像反転部540に送る。図25(c)に示す例では、反転処理前は白画素であった黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で7画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、反転処理のモードをモード2に設定するモード設定信号が入力されているので、画像データ1202aに対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ1203a(図25(d)に示す「出力画像データ(反転)」)を出力する。
また、図26に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード2を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1210(図26(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図26(b)に示す画像データ1211)を細線化処理部520へ送る。画像データ1211は、図26(b)に示すように、画像データ1210に対して反転処理が実行されていないので、画像データ1210における画素のうち、画素値が(0,1)の白画素(文字)は白画素(文字)のままであり、画素値が(1,0)の黒画素(文字以外)は黒画素(文字以外)のままである。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1211に対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1211の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1212(図26(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1212を、出力画像反転部540に送る。図26(c)に示す例では、黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で4画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、モード2を設定されているので、画像データ1212に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図26(d)に示す画像データ1213)をパルス生成部352へ出力する。
以上のように、反転処理がモード2に設定された場合、高解像度処理部351では、画素値が(1,1)の画素および画素値が(0,0)の画素に対して、入力画像反転部500および出力画像反転部540の反転処理がそれぞれ機能し、かつ、細線化処理部520の細線化処理が機能するので、画像データ1200と画像データ1203aとを比較すると、結果的に、黒線または黒文字等のエッジ部分が太線化されることになる。一方、高解像度処理部351では、画素値が(0,1)の画素および画素値が(1,0)の画素に対して、実質的に細線化処理部520の細線化処理のみが機能し、画像データ1200と画像データ1203とを比較すると、黒線または黒文字等のエッジ部分が細線化されていることになる。
次に、図27および図28を参照しながら、高解像度処理部351の入力画像反転部500および出力画像反転部540に、それぞれ外部から反転処理をモード3に設定するモード設定信号が入力された場合の動作について説明する。図27の例では、画素値が(1,1)の画素および画素値が(0,0)の画素を含む画像データが入力され、図28の例では、画素値が(1,0)の画素および画素値が(1,0)の画素を含む画像データが入力されている。
図27に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード3を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1200(図27(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図27(b)に示す画像データ1201)を細線化処理部520へ送る。画像データ1201は、図27(b)に示すように、画像データ1200に対して反転処理が実行されていないので、画像データ1200における画素のうち、画素値が(0,0)の白画素(文字以外)は白画素(文字以外)のままであり、画素値が(1,1)の黒画素(文字)は黒画素(文字)のままである。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1201に対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1201の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1202(図27(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1202を、出力画像反転部540に送る。図27(c)に示す例では、黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で4画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、モード3を設定されているので、画像データ1202に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図27(d)に示す画像データ1203)を出力する。
また、図28に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード3を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1200(図28(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ(図28(b)に示す画像データ1201a)を細線化処理部520へ送る。画像データ1201aでは、図28(b)に示すように、画像データ1200における画素のうち、画素値が(0,1)の白画素(文字)は黒画素(文字以外)に反転され、画素値が(1,0)の黒画素(文字以外)は白画素(文字)に反転されている。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1201aに対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1201の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1202(図28(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1202を、出力画像反転部540に送る。図28(c)に示す例では、反転処理前は白画素であった黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で7画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、反転処理のモードをモード3に設定するモード設定信号が入力されているので、画像データ1202aに対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ1203a(図28(d)に示す「出力画像データ(反転)」)をパルス生成部352へ出力する。
以上のように、反転処理がモード3に設定された場合、高解像度処理部351では、画素値が(1,1)の画素および画素値が(0,0)の画素に対して、実質的に細線化処理部520の細線化処理のみが機能し、画像データ1200と画像データ1203とを比較すると、黒線または黒文字等のエッジ部分が細線化されていることになる。一方、高解像度処理部351では、画素値が(0,1)の画素および画素値が(1,0)の画素に対して、入力画像反転部500および出力画像反転部540の反転処理がそれぞれ機能し、かつ、細線化処理部520の細線化処理が機能するので、画像データ1200と画像データ1203aとを比較すると、結果的に、黒線または黒文字等のエッジ部分が太線化されることになる。
次に、図29および図30を参照しながら、高解像度処理部351の入力画像反転部500および出力画像反転部540に、それぞれ外部から反転処理をモード4に設定するモード設定信号が入力された場合の動作について説明する。図29の例では、画素値が(1,1)の画素および画素値が(0,0)の画素を含む画像データが入力され、図30の例では、画素値が(1,0)の画素および画素値が(1,0)の画素を含む画像データが入力されている。
図29に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード4を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1200(図29(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ(図29(b)に示す画像データ1201a)を細線化処理部520へ送る。画像データ1201aでは、図29(b)に示すように、画像データ1200における画素のうち、画素値が(0,0)の白画素(文字以外)は黒画素(文字)に反転され、画素値が(1,1)の黒画素(文字)は白画素(文字以外)に反転されている。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1201aに対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1201の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1202(図29(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1202を、出力画像反転部540に送る。図29(c)に示す例では、反転処理前は白画素であった黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で7画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、反転処理のモードをモード4に設定するモード設定信号が入力されているので、画像データ1202aに対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ1203a(図29(d)に示す「出力画像データ(反転)」)を出力する。
また、図30に示すように、高解像度処理部351の入力画像反転部500は、モード4を設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1200(図30(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ(図30(b)に示す画像データ1201a)を細線化処理部520へ送る。画像データ1201aでは、図30(b)に示すように、画像データ1200における画素のうち、画素値が(0,1)の白画素(文字)は黒画素(文字以外)に反転され、画素値が(1,0)の黒画素(文字以外)は白画素(文字)に反転されている。
高解像度処理部351の細線化処理部520は、入力画像反転部500から受け取った画像データ1201aに対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1201の黒画素のエッジ部分は、細線化パス532によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1202(図30(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520は、画像データ1101から細線化処理により変換した画像データ1202を、出力画像反転部540に送る。図30(c)に示す例では、反転処理前は白画素であった黒画素のエッジ部分が第2解像度の単位で7画素分が削除(白画素に変換)されて細線化されている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、反転処理のモードをモード4に設定するモード設定信号が入力されているので、画像データ1202aに対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ1203a(図30(d)に示す「出力画像データ(反転)」)をパルス生成部352へ出力する。
以上のように、反転処理がモード4に設定された場合、高解像度処理部351では、画素値が(1,1)の画素および画素値が(0,0)の画素に対して、入力画像反転部500および出力画像反転部540の反転処理がそれぞれ機能し、かつ、細線化処理部520の細線化処理が機能するので、画像データ1200と画像データ1203aとを比較すると、結果的に、黒線または黒文字等のエッジ部分が太線化されることになる。また、高解像度処理部351では、画素値が(0,1)の画素および画素値が(1,0)の画素に対して、入力画像反転部500および出力画像反転部540の反転処理がそれぞれ機能し、かつ、細線化処理部520の細線化処理が機能するので、画像データ1200と画像データ1203aとを比較すると、結果的に、黒線または黒文字等のエッジ部分が太線化されることになる。
以上のように、本実施の形態では、解像度変換処理、かつ、黒線または文字等のエッジ部分の細線化を行う細線化処理の機能を備えた細線化処理部520の他、細線化処理部520の前段側および後段側にそれぞれ反転処理の機能を有する入力画像反転部500および出力画像反転部540を備えるものとしている。したがって、黒線または黒文字等を細線化し、白線または白文字等を太線化することができる。これによって、細線の再現性の向上、および文字再現性の向上を実現することができる。
また、細線化処理の機能を備えた細線化処理部520の機能を変更せず、そのまま流用し、前段側および後段側にそれぞれ反転処理の機能を有する入力画像反転部500および出力画像反転部540を備えるものとしているので、細線化処理部520の回路規模の拡大を抑制することができる。
さらに、高解像度処理部351に対するモード設定信号の入力を制御することによって、黒線の細線化または太線化、白線の細線化または太線化、文字の細線化または太線化、文字以外の細線化または太線化を、柔軟に切り替えることができるので、画像形成装置1の実用性を向上させることができる。
(変形例)
図31は、第1の実施の形態の変形例の細線化処理部の解像度変換処理の動作を説明する図である。図32は、第1の実施の形態の変形例の細線化パスの画像処理の動作の一例を説明する図である。図31および図32を参照しながら、本実施の形態の変形例に係る細線化処理部520の解像度変換処理、および細線化パス532の画像処理について説明する。
上述の第1の実施の形態では、図12に示したように、細線化処理部520の解像度変換パス531の第1変換部521、および細線化パス532の第2変換部523の解像度変換処理において、2400dpiの第1解像度の画像データを、4800dpiの第2解像度の画像データに変換する動作を説明した。ただし、第1解像度および第2解像度は、上述のようにそれぞれ2400dpiおよび4800dpiに限定されるものではなく、例えば、図31に示すように、第1解像度を1200dpiとし、第2解像度を4800dpiとしてもよい。すなわち、図31に示す例では、第2解像度は、第1解像度の4倍の解像度としている。
また、上述のように、細線化パス532の第2変換部523は、パターンマッチング部522から受け取ったマッチング信号に基づいて、第1解像度の画像データの対象画素を、第2解像度の画素パターンに変換する。すなわち、第2変換部523は、第1解像度の画像データを第2解像度の画像データに高解像度化する解像度変換処理を行う共に、対象画素を画素パターンに変換することによる細線化の画像処理を行う。具体的には、第2変換部523は、マッチング信号が、対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素であることを示す場合、第1解像度の画像データの対象画素を、マッチング信号が示すパターンに対応する画素パターンに変換することによって、高解像度化すると共に、細線化の画像処理を行う。
例えば、図32(a)は、左側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)を示しており、6つの画素のうち真中の2つの画素が、パターンマッチングによりそれぞれ特定のパターンに合致した画素であるものとする。また、図32(b)は、右側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)を示しており、6つの画素のうち真中の2つの画素が、パターンマッチングによりそれぞれ特定のパターンに合致した画素であるものとする。また、図32(c)は、上側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)を示しており、6つの画素のうち真中の2つの画素が、パターンマッチングによりそれぞれ特定のパターンに合致した画素であるものとする。また、図32(d)は、下側がエッジとなっている部分画像(第1解像度)を示しており、6つの画素のうち真中の2つの画素が、パターンマッチングによりそれぞれ特定のパターンに合致した画素であるものとする。第2変換部523は、特定のパターンに合致した2つの画素を、それぞれのパターンに対応する第2解像度の画素パターンに置き換える。
なお、図32(a)〜(d)において、特定のパターンに合致しなかった残りの4つの画素については、対応するマッチング信号が細線等のエッジを構成する画素でないことを示すため、解像度変換パス531の第1変換部521により解像度変換処理が行われて第2解像度(4800dpi)に高解像度化されている。
以上のように、図32では、エッジ部分が第2解像度の単位で22画素分の黒画素が削除(白画素に変換)されて細線化が行われている。この図32の例のように、例えば、第1解像度からの高解像度化のレベルを上げることによって、細線化または太線化の強度の強弱を細かく設定することが可能となるので、さらに細線の再現性の向上、および文字再現性を向上させることができる。逆に、第1解像度からの高解像度化のレベルを下げることによって、データ量を低減することができ、その後の処理の負荷を軽減することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る画像形成装置について、第1の実施の形態に係る画像形成装置と相違する点を中心に説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成、および光走査装置の構成は、第1の実施形態で説明した構成と同様である。
(変調信号生成部の機能ブロックの構成)
図33は、第2の実施の形態に係る光源制御装置の駆動制御ユニットの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図33を参照しながら、本実施の形態に係る光源制御装置が有する駆動制御ユニット340bの変調信号生成部350bの機能ブロックの構成について説明する。なお、本実施の形態に係る光源制御装置は、第1の実施の形態に係る光源制御装置110の構成のうち駆動制御ユニット340を駆動制御ユニット340b(駆動制御装置)に置き換えた構成を有する。
図33に示すように、駆動制御ユニット340bの変調信号生成部350bは、高解像度処理部351bと、パルス生成部352と、印加電流設定部353と、後段画像処理部354と、を有する。なお、パルス生成部352、および印加電流設定部353の機能は、第1の実施の形態で説明した機能と同様である。また、本発明に係る「画像処理装置」は、例えば、変調信号生成部350b、または高解像度処理部351bに対応する。
高解像度処理部351bは、画像処理ユニット320aから出力された第1解像度の画像データ(図33に示す「入力データ+タグ情報(第1解像度)」)から、第1解像度よりも高い解像度(第2解像度)の画像データに高解像度化(解像度変換処理)すると共に、第1解像度の画像データから対象画素を順次選択し、その対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)を構成する画素である場合、細線化または太線化の画像処理を行う機能部である。この場合、高解像度処理部351bは、第1解像度の画像データが有するタグ情報を削除せずに、第2の解像度の画像データに変換する。高解像度処理部351bは、画像処理を行ったタグ情報を含む第2解像度の画像データ(図33に示す「出力データ+タグ情報(第2解像度)」)を、後段画像処理部354へ送る。高解像度処理部351bは、上述の図9に示す高解像度処理部351と同様に、入力画像反転部500と、細線化処理部520と、出力画像反転部540と、を有する。なお、入力画像反転部500および出力画像反転部540の機能は、第1の実施の形態で説明した機能と同様である。
後段画像処理部354は、高解像度処理部351bから第2解像度の画像データを受け取り、その画像データに含まれるタグ情報を利用して画像処理(以下、「後段画像処理」と称する場合がある)を行う機能部である。後段画像処理部354は、後段画像処理を行った画像データ(第2解像度)を、パルス生成部352へ送る。
(後段画像処理部の後段画像処理)
図34は、第2の実施の形態の変調信号生成部の後段画像処理部の画像処理の動作の一例を説明する図である。図34を参照しながら、変調信号生成部350bの後段画像処理部354の後段画像処理の一例を説明する。
後段画像処理部354は、高解像度処理部351bにより画像処理が行われて出力された画像データである図34(a)に示す画像データ1300を受け取る。画像データ1300は、図34(a)に示すように、主走査方向および副走査方向共に4800dpi(第2解像度)の画像データとする。後段画像処理部354は、例えば、後段画像処理として、図34(b)に示すように、画像データ1300に含まれるタグ情報から、図形(ここでは、タグ情報は文字ではなく図形を示す情報とする)であるか否かを判定し、図形部分のエッジを検出してエッジ部分、およびエッジ部分ではない部分の光量を指定する情報を、画像データ1300のタグ情報にさらに付加して画像データ1301を生成する。後段画像処理部354は、生成した画像データ1301を、パルス生成部352へ送る。
パルス生成部352は、後段画像処理部354から受け取った画像データ1301のタグ情報に含まれる光量を指定する情報に基づいて、例えば、図形に係る画素のうち、エッジ部分に対応する画素の光源200の光量(第2光量)が、エッジ部分ではない部分に対応する画素の光源200の光量(第1光量)より大きくなるような指示信号を生成し、印加電流設定部353に送る。印加電流設定部353は、パルス生成部352から受け取った指示信号に基づいて、光源200に流す電流の設定値を示す光源印加電流データを生成して光源駆動部370へ出力する。このように、エッジ部分の光量(第2光量)を、エッジ部分ではない部分の光量(第1光量)よりも大きくすることによって、エッジ部分の鮮鋭性が向上するという効果が見込まれる。
また、後段画像処理部354は、後段画像処理の別の例として、図34(c)に示すように、画像データ1300に含まれるタグ情報から、図形であるか否かを判定し、図形部分のエッジを検出して、第2解像度単位で所定のエッジ部分を削る処理を行う。それと並行して、後段画像処理部354は、残った図形部分のエッジ部分、およびエッジ部分ではない部分の光量を指定する情報を、画像データ1300のタグ情報に対してさらに付加して画像データ1301aを生成する。後段画像処理部354は、生成した画像データ1301aを、パルス生成部352へ送る。パルス生成部352および印加電流設定部353による画像データ1301aに対する処理は、上述の画像データ1301に対する処理と同様である。これによって、画像データの元の図形のエッジ部分を削ることによって、図形が太ることなくエッジの鮮鋭性が向上するという効果が見込める。
以上のように、本実施の形態では、細線化処理後の画像データにタグ情報を削除せず残存させたままとして後段側(後段画像処理部354)に送るものとしている。これによって、高解像度処理部351bの画像処理による細線の再現性の向上、および文字再現性の向上の効果に加えて、タグ情報を利用したさらなる画像処理を行うことができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る画像形成装置について、第1の実施の形態に係る画像形成装置と相違する点を中心に説明する。第1の実施の形態では、細線化処理部520において解像度変換処理、および細線化の画像処理を行う細線化処理について説明した。本実施の形態では、細線化処理において、解像度変換処理、および細線化の画像処理に加え、さらにスムージング処理を行う動作について説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成、および光走査装置の構成は、第1の実施形態で説明した構成と同様である。
(細線化処理部の機能ブロックの構成)
図35は、第3の実施の形態の高解像度処理部の細線化処理部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図35を参照しながら、本実施の形態の高解像度処理部351の細線化処理部520bの機能ブロックの構成について説明する。
図35に示すように、本実施の形態の高解像度処理部351の細線化処理部520bは、第1変換部521と、第1パターンマッチング部522b(第1マッチング部)と、第2変換部523(第1細線化変換部)と、セレクタ部524b(選択部)と、第2パターンマッチング部525(第2マッチング部)と、第3変換部526(第2細線化変換部)と、を有する。このうち、第1変換部521によって画像処理が実行される機能ブロックを、解像度変換パス531と称し、第1パターンマッチング部522bおよび第2変換部523によって画像処理が実行される機能ブロックを、第1細線化パス532bと称する。さらに、第2パターンマッチング部525および第3変換部526によって画像処理が実行される機能ブロックを、第2細線化パス533と称する。
なお、解像度変換パス531の機能は、図10に示す第1の実施の形態の解像度変換パス531と同様の機能である。また、第1パターンマッチング部522bの機能は、第1の実施の形態のパターンマッチング部522と同様の機能である。すなわち、第1細線化パス532bの機能は、図10に示す第1の実施の形態の細線化パス532と同様の機能である。
次に、第2細線化パス533について説明する。第2細線化パス533の第2パターンマッチング部525は、入力画像反転部500から受け取った第1解像度の画像データの画素の配列に基づいて、画像データにおける対象画素がエッジ(端、輪郭)かつ段差を構成する画素であるか否かを判定する機能部である。具体的には、第2パターンマッチング部525は、第1解像度の画像データから対象画素を中心とする部分画像であるイメージマトリクス(例えば、後述の図36に示す13×13のサイズの部分画像)を取得する。したがって、第2パターンマッチング部525により第1解像度の画像データから対象画素が順次選択されることによって、取得されるイメージマトリクスを構成する画素の配列も異なる。このイメージマトリクスを構成する画素の画素値は、1ビットの値(「0」か「1」)である。そして、第2パターンマッチング部525は、図示しないバッファメモリに記憶された各種パターン(例えば、後述する図37参照)のそれぞれと、取得したイメージマトリクスとのパターンマッチングを行うことによって、イメージマトリクスに含まれる対象画素がエッジ(端、輪郭)かつ段差を構成する画素であるか否かを判定する。ここで、イメージマトリクスの大きさは、上述のパターンマッチングに使用されるパターンの大きさに基づいて決定される。また、第2パターンマッチング部525は、パターンマッチングによる判定の結果(例えば、どのパターンと一致したか、または、どのパターンとも一致しなかったこと)を示すマッチング信号、および、パターンマッチングの対象となった対象画素のデータを、第3変換部526へ送る。また、第2パターンマッチング部525は、パターンマッチングによる判定の結果、イメージマトリクスがいずれかのパターンと一致した場合、イネーブル信号をセレクタ部524bに出力する。なお、上述のパターンが記憶されたバッファメモリは、例えば、駆動制御ユニット340が実現されるワンチップ化された単一の集積デバイスに含まれており、第2パターンマッチング部525を実現する集積回路が参照できるように構成されていればよい。
第2細線化パス533の第3変換部526は、第2パターンマッチング部525から受け取ったマッチング信号に基づいて、第1解像度の画像データの対象画素を、第2解像度の特定の画素パターン(例えば、後述する図38(c)参照)に変換する機能部である。すなわち、第3変換部526は、第1解像度の画像データを第2解像度の画像データに高解像度化する解像度変換処理を行う共に、対象画素を画素パターンに変換することによる細線化の画像処理、かつ段差を滑らかにする画像処理であるスムージング処理を行う。具体的には、第3変換部526は、マッチング信号が、対象画素が細線等のエッジ(端、輪郭)かつ段差を構成する画素であることを示す場合、第1解像度の画像データの対象画素を、マッチング信号が示すパターンに対応する画素パターンに変換することによって、高解像度化すると共に、細線化の画像処理、かつ、スムージング処理を行う。一方、第3変換部526は、マッチング信号が、対象画素が細線等のエッジかつ段差を構成する画素でないことを示す場合、第1解像度の画像データの対象画素を、単に第2解像度に高解像度化(実質的に、第1変換部521による解像度変換処理と同様の処理)する。このように、パターンマッチングに使用するパターンそれぞれに、対象画素を置き換える画素パターンを対応させることによって、細線化の強度に強弱を与えることができる。第3変換部526は、変換した第2解像度の画像データ(図35に示す第2細線化パスの出力データ)を、セレクタ部524bに送る。
そして、セレクタ部524bは、解像度変換パス531から出力された、すなわち、第1変換部521から出力された第2解像度の画像データと、第1細線化パス532bから出力された、すなわち、第2変換部523から出力された第2解像度の画像データと、第2細線化パス533から出力された、すなわち、第3変換部526から出力された第2解像度の画像データと、から出力画像反転部540へ出力する画像データを選択する機能部である。具体的には、セレクタ部524bは、第2パターンマッチング部525からイネーブル信号の入力がある場合、第2細線化パス533により画像処理された第2解像度の画像データを出力する。また、セレクタ部524bは、第2パターンマッチング部525からイネーブル信号の入力がなく、かつ、第1パターンマッチング部522bからイネーブル信号の入力がある場合、第1細線化パス532bにより画像処理された第2解像度の画像データを出力する。また、セレクタ部524bは、第1パターンマッチング部522bおよび第2パターンマッチング部525のいずれからもイネーブル信号の入力がない場合、解像度変換パス531により画像処理(解像度変換処理)された第2解像度の画像データを出力する。
なお、セレクタ部524bは、解像度変換パス531、第1細線化パス532b、および第2細線化パス533が出力する画像データのうち、いずれの画像データを出力するか選択する際に、上述では第2パターンマッチング部525のイネーブル信号を最優先としているが、これに限定されるものではなく、その他の優先順位に基づいて、出力する画像データを選択するものとしてもよい。
また、セレクタ部524bは、第1パターンマッチング部522bおよび第2パターンマッチング部525のイネーブル信号の入力の有無によって、解像度変換パス531からの画像データを出力するか、第1細線化パス532bからの画像データを出力するか、第2細線化パス533からの画像データを出力するかを選択しているが、これに限定されるものではない。例えば、セレクタ部524bは、この選択機能を図示しない外部からの細線化制御信号の入力の有無によって、有効か無効かを切り替えるものとしてもよい。すなわち、セレクタ部524bは、細線化制御信号が入力されていない場合、イネーブル信号の入力の有無に関わらず、解像度変換パス531を選択し、細線化制御信号が入力されている場合、イネーブル信号の入力の有無によって解像度変換パス531を選択するか、第1細線化パス532bを選択するか、第2細線化パス533を選択するかの切り替えを行うものとしてもよい。
また、細線化処理部520bによる細線化処理の詳細については、図36〜図41で後述する。
(高解像度処理部の画像処理)
以下に、図36〜図41を参照しながら、本実施の形態に係る光源制御装置110の変調信号生成部350の高解像度処理部351の画像処理について説明する。なお、図36〜図41においては、第1解像度を2400dpi、第2解像度を4800dpiであるものとして説明する。
<細線化処理>
図36は、第3の実施の形態のイメージマトリクスの一例を示す図である。図37は、第3の実施の形態のパターンマッチング処理に使用するパターンの一例を示す図である。図38は、第3の実施の形態の第2細線化パスの画像処理の具体的な動作を説明する図である。図39は、第3の実施の形態の第2細線化パスの画像処理の動作の一例を説明する図である。図36〜図39を参照しながら、高解像度処理部351の細線化処理部520bの細線化処理のうち、第2細線化パス533の画像処理の動作を中心に説明する。
第2細線化パス533の第2パターンマッチング部525は、上述のように、入力画像反転部500から受け取った第1解像度(2400dpi)の画像データの画素の配列に基づいて、画像データにおける対象画素がエッジ(端、輪郭)かつ段差を構成する画素であるか否かを判定する。具体的には、第2パターンマッチング部525は、第1解像度の画像データから対象画素を中心とする部分画像であるイメージマトリクス(例えば、図36に示す13×13のサイズの部分画像)を取得する。そして、第2パターンマッチング部525は、図示しないバッファメモリに記憶された各種パターン(例えば、図37(a)〜(c)に示すようなパターン)のそれぞれと、取得したイメージマトリクスとのパターンマッチングを行うことによって、イメージマトリクスに含まれる対象画素がエッジ(端、輪郭)かつ段差を構成する画素であるか否かを判定する。図37(a)〜(c)に示すパターンにおいて、画素値が「X」で示されている画素は、画素値を不問とする画素、すなわち、画素値が「0」でも「1」でもよい画素を示す。したがって、パターンマッチングにおいて、イメージマトリクスの画素のそれぞれについて、パターンにおける画素値が「0」および「1」である画素に対応する画素の画素値が一致する場合、イメージマトリクスは、そのパターンに合致するものと判定される。また、第2パターンマッチング部525は、パターンマッチングによる判定の結果(例えば、どのパターンと一致したか、または、どのパターンとも一致しなかったこと)を示すマッチング信号、および、パターンマッチングの対象となった対象画素のデータを、第3変換部526へ送る。
第2細線化パス533の第3変換部526は、第2パターンマッチング部525から受け取ったマッチング信号に基づいて、第1解像度の画像データの対象画素を、第2解像度の特定の画素パターン(例えば、図38(c)に示す画素パターン)に変換する。すなわち、第3変換部526は、第1解像度の画像データを第2解像度の画像データに高解像度化する解像度変換処理を行う共に、対象画素を画素パターンに変換することによる細線化の画像処理、かつスムージング処理を行う。具体的には、第3変換部526は、マッチング信号が、対象画素がエッジ(端、輪郭)かつ段差を構成する画素であることを示す場合、第1解像度の画像データの対象画素を、マッチング信号が示すパターンに対応する画素パターンに変換することによって、高解像度化すると共に、細線化の画像処理、かつ、スムージング処理を行う。
例えば、図38(a)は、上側がエッジ、かつ段差を形成している部分画像(第1解像度)を示しており、画素A〜Oのイメージマトリクスがそれぞれ、パターンマッチングによりそれぞれ特定のパターンに合致した画素であるものとする。例えば、画素Aのイメージマトリクスは、図37(a)に示すパターンに合致し、画素Hのイメージマトリクスは、図37(b)に示すパターンに合致し、そして、画素Kのイメージマトリクスは、図37(c)に示すパターンに合致する。第3変換部526は、特定のパターンに合致した画素A〜Oを、それぞれの画素が合致したパターンに対応する画素パターン(図38(c)参照)に置き換え、図38(b)に示す第2解像度の画像データを得る。なお、図38(a)において、特定のパターンに合致しなかった残りの画素(画素A〜O以外の画素)については、対応するマッチング信号がエッジかつ段差を構成する画素でないことを示すため、解像度変換パス531の第1変換部521により解像度変換処理が行われて第2解像度に高解像度化されている。
以上のように、図38(a)および(b)では、エッジ部分および段差が第2解像度の単位で細線化およびスムージング処理が行われている。
図39では、エッジ部分が第2解像度の単位で細線化、かつ、スムージング処理が行われている例を示す。図39(a)では、左側がエッジかつ段差となっている部分画像(第1解像度)において、そのエッジかつ段差になっている画素それぞれが、合致するパターンに対応する画素パターンにそれぞれ置き換えられている。図39(b)では、右側がエッジかつ段差となっている部分画像(第1解像度)において、そのエッジかつ段差になっている画素それぞれが、合致するパターンに対応する画素パターンにそれぞれ置き換えられている。図39(c)では、上側がエッジかつ段差となっている部分画像(第1解像度)において、そのエッジかつ段差になっている画素それぞれが、合致するパターンに対応する画素パターンにそれぞれ置き換えられている。図39(d)では、下側がエッジかつ段差となっている部分画像(第1解像度)において、そのエッジかつ段差になっている画素それぞれが、合致するパターンに対応する画素パターンにそれぞれ置き換えられている。このように、パターンマッチングに使用するパターンそれぞれに、対象画素を置き換える画素パターンとして異なる画像パターンを対応させることによって、上下方向と、左右方向とで、細線化およびスムージング処理の強度に強弱を与えることができる。
<高解像度処理部の画像処理の流れ>
図40は、第3の実施の形態に係る高解像度処理部の画像処理(反転なし)の動作の一例を説明する図である。図41は、第3の実施の形態に係る高解像度処理部の画像処理(反転あり)の動作の一例を説明する図である。図40および図41を参照しながら、高解像度処理部351の画像処理の全体の流れを説明する。
まず、図40を参照しながら、高解像度処理部351の入力画像反転部500および出力画像反転部540にそれぞれ外部から、反転処理をモード1に設定するモード設定信号が入力されている場合の動作について説明する。高解像度処理部351の入力画像反転部500は、反転処理がモード1に設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1400(図40(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図40(b)に示す画像データ1401)を細線化処理部520bへ送る。画像データ1401は、図40(b)に示すように、画像データ1400に対して反転処理が実行されていないので、画像データ1400における画素のうち、画素値が「0」の白画素は白画素のままであり、画素値が「1」の黒画素は黒画素のままである。
高解像度処理部351の細線化処理部520bは、入力画像反転部500から受け取った画像データ1401に対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1401の黒画素のエッジ、かつ、段差の部分は、第2細線化パス533によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理、かつスムージング処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1402(図40(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520bは、画像データ1401から細線化処理により変換した画像データ1402を、出力画像反転部540に送る。図40(c)に示す例では、黒画素のエッジ、かつ、段差の部分が第2解像度の単位で削除(白画素に変換)されて細線化され、かつ、滑らかになっている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、反転処理がモード1に設定されているので、画像データ1402に対して反転処理を実行せず、そのままの画像データ(図40(d)に示す画像データ1403)をパルス生成部352へ出力する。
以上のように、高解像度処理部351では、反転処理がモード1に設定されている場合、実質的に細線化処理部520bの細線化処理のみが機能し、画像データ1400と画像データ1403とを比較すると、黒線または黒文字等のエッジ、かつ、段差の部分が細線化され、かつ、滑らかになっている。一方、図40(a)に示す画像が、白線または白文字等のエッジ、かつ、段差の部分を示す場合は、画像データ1400と画像データ1403とを比較すると、細線化処理部520bの細線化処理によって、実質的に白線または白文字等のエッジ、かつ、段差の部分が太線化され、かつ、滑らかになることになる。
次に、図41を参照しながら、高解像度処理部351の入力画像反転部500および出力画像反転部540にそれぞれ外部から、反転処理をモード4に設定するモード設定信号が入力されている場合の動作について説明する。高解像度処理部351の入力画像反転部500は、反転処理がモード4に設定されているので、画像処理ユニット320から出力された第1解像度(2400dpi)の画像データ1400(図41(a)に示す「入力画像データ」)に対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ1401a(図41(b)に示す「入力画像データ(反転)」)を細線化処理部520bへ送る。画像データ1401aでは、図41(b)に示すように、画像データ1400における画素のうち、画素値が「0」の白画素は黒画素に反転され、画素値が「1」の黒画素は白画素に反転されている。
高解像度処理部351の細線化処理部520bは、入力画像反転部500から受け取った画像データ1401aに対して細線化処理を行う。上述したように、画像データ1401aの黒画素のエッジ、かつ、段差の部分は、第2細線化パス533によるパターンマッチングの結果、解像度変換処理が行われると共に細線化の画像処理、かつスムージング処理が行われ、第2解像度(4800dpi)の画像データ1402a(図41(c)に示す「変換後画像データ」)に変換される。細線化処理部520bは、画像データ1401aから細線化処理により変換した画像データ1402aを、出力画像反転部540に送る。図41(c)に示す例では、反転処理前は白画素であった黒画素のエッジ、かつ、段差の部分が第2解像度の単位で削除(白画素に変換)されて細線化され、かつ、滑らかになっている。
高解像度処理部351の出力画像反転部540は、反転処理がモード4に設定されているので、画像データ1402aに対して反転処理を実行し、反転処理した画像データ1403a(図41(d)に示す「出力画像データ(反転)」)をパルス生成部352へ出力する。
以上のように、高解像度処理部351では、反転処理がモード4に設定されている場合、入力画像反転部500および出力画像反転部540の反転処理がそれぞれ機能し、かつ、細線化処理部520の細線化処理が機能するので、画像データ1400と画像データ1403aとを比較すると、結果的に、黒線または黒文字等のエッジ、かつ、段差の部分が太線化され、かつ、滑らかになる。一方、図41(a)に示す画像が、白線または白文字等のエッジ、かつ、段差の部分を示す場合は、画像データ1400と画像データ1403aとを比較すると入力画像反転部500および出力画像反転部540の反転処理、ならびに細線化処理部520の細線化処理によって、実質的に白線または白文字等のエッジ、かつ、段差の部分が細線化され、かつ、滑らかになる。
以上のように、本実施の形態では、解像度変換処理、黒線または文字等のエッジ部分の細線化、かつ、スムージング処理を一括に行う細線化処理の機能を備えた細線化処理部520bの他、細線化処理部520bの前段側および後段側にそれぞれ反転処理の機能を有する入力画像反転部500および出力画像反転部540を備えるものとしている。したがって、反転処理がモード1に設定されている場合は、黒線または黒文字等を細線化し、白線または白文字等を太線化することができ、反転処理がモード4に設定されている場合は、黒線または黒文字等を太線化し、白線または白文字等を細線化することができると共に、それぞれの場合において段差の部分を滑らかにすることができる。これによって、さらに細線の再現性の向上、および文字再現性の向上を実現することができる。
また、細線化処理部520bの第2細線化パス533では、黒線または文字等のエッジ部分の細線化、かつ、スムージング処理を一括に行うので、細線化を行ってからスムージング処理を行う、または、スムージング処理を行ってから細線化を行うという2段階の処理が必要ないため、画像処理の工程を削減することができる。
また、細線化処理の機能を備えた細線化処理部520bの機能を変更せず、そのまま流用し、前段側および後段側にそれぞれ反転処理の機能を有する入力画像反転部500および出力画像反転部540を備えるものとしているので、細線化処理部520bの回路規模の拡大を抑制することができる。
さらに、高解像度処理部351に対するモード設定信号の入力を制御することによって、黒線の細線化または太線化、白線の細線化または太線化を切り替えることができるので、画像形成装置1の実用性を向上させることができる。
なお、細線化処理部520bは、図35に示すように、解像度変換パス531と、第1細線化パス532bと、第2細線化パス533と、を有する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、細線化処理部520bは、解像度変換パス531と、第2細線化パス533(細線化パス)と、を有する構成であるものとしてもよい。
また、本実施の形態に係る解像度変換処理、および細線化の画像処理のほか、スムージング処理の機能を備えた第2細線化パス533は、第2の実施の形態、および第3の実施の形態にも適用できる。
また、上述の各実施の形態において、画像形成装置1の光源制御装置110の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の各実施の形態に係る画像形成装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disc−ROM)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk―Recordable)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の各実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の各実施の形態の画像形成装置1で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上述のROMからプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。