JP2018150814A - 排気弁棒の補修方法 - Google Patents

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【課題】シート面の高温強度を維持し、十分な耐熱性、耐食性を確保しつつ、補修作業によるダメージ拡大を抑制した排気弁棒の補修方法を提供すること。【解決手段】本発明の排気弁棒の補修方法は、耐熱鋼を母材とする略円柱状の軸部及びこの軸部の先端部に連設された略円盤状の弁体部3を有する排気弁棒の補修方法であって、前記弁体部3のシート面3a上の弁座領域6の補修部位に、レーザ溶接により、盛金材を肉盛りして第1肉盛層4を形成し、前記第1肉盛層4に重ねて、アーク溶接により、盛金材を肉盛りして第2肉盛層5を形成することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、船舶用などの各種ディーゼル機関等の排気弁棒の補修方法に関し、詳しくは、シート面の高温強度を維持し、十分な耐熱性、耐食性を確保しつつ、補修作業によるダメージ拡大を抑制した排気弁棒の補修方法に関する。
従来、船舶用などの各種ディーゼル機関やガソリン機関の排気弁棒の母材としては、マルテンサイト系耐熱鋼のSUH1、3、4、またはオーステナイト系耐熱鋼のSUH31、37、SNCrW等、各種の耐熱鋼が使用されている。また、排気弁棒のシート面には、Co系ステライト、またはNi系でコルモノイ等の盛金材が使用されている(特許文献1)。
このとき、特許文献2のような盛金材を用いて、排気弁棒を補修する場合がある。
補修される排気弁棒は、高温雰囲気下に曝されたことにより、高温腐食等を生じて脆くなっている。また、燃焼室の排気口との間で接離を繰り返すことにより、シール面が徐々に摩耗し、シール性が低下している場合もある。このような排気弁棒に対して、盛金材を肉盛する補修を行う場合、肉盛する溶接方法によっては、耐食性、溶接性、高温強度を付与するどころか、補修作業によって排気弁棒に更なるダメージを与えてしまうことがあった。
実用新案登録第3175779号公報 特開2014−111265号公報
そこで、本発明は、シート面の高温強度を維持し、十分な耐熱性、耐食性を確保しつつ、補修作業によるダメージ拡大を抑制した排気弁棒の補修方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
請求項1に係る排気弁棒の補修方法は、
耐熱鋼を母材とする略円柱状の軸部及びこの軸部の先端部に連設された略円盤状の弁体部を有する排気弁棒の補修方法であって、
前記弁体部のシート面上の弁座領域の補修部位に、レーザ溶接により、盛金材を肉盛りして第1肉盛層を形成し、
前記第1肉盛層に重ねて、アーク溶接により、盛金材を肉盛りして第2肉盛層を形成することを特徴とする。
請求項2に係る排気弁棒の補修方法は、請求項1記載の排気弁棒の補修方法において、前記盛金材は、Coを5〜8重量%、Crを31.5〜33.5重量%、Moを2.9〜3.5重量%、Feを0.6重量%以下、Cを0.09重量%以下、Wを1.0重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを1.5〜2.6重量%、Tiを1.5〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなることを特徴とする。
請求項3に係る排気弁棒の補修方法は、請求項1記載の排気弁棒の補修方法において、前記盛金材は、Coを17重量%以下、Crを18〜21重量%、Feを5.0重量%以下、Cを0.11重量%以下、Mnを1.0重量%以下、Siを1.0重量%以下、Alを1.0〜1.8重量%、Tiを0.4〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなることを特徴とする。
請求項4に係る排気弁棒の補修方法は、請求項1記載の排気弁棒の補修方法において、前記盛金材は、Coを1.0重量%以下、Crを17〜23.5重量%、Moを2.8〜10重量%、Cを0.1重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを0.8重量%以下、Tiを1.15重量%以下含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなることを特徴とする。
請求項5に係る排気弁棒の補修方法は、請求項1〜4の何れかに記載の排気弁棒の補修方法において、前記アーク溶接が、MIG溶接であることを特徴とする。
請求項6に係る排気弁棒の補修方法は、請求項1〜5の何れかに記載の排気弁棒の補修方法において、前記レーザ溶接が、粉体レーザ肉盛溶接又はホットワイヤレーザ肉盛溶接であることを特徴とする。
本発明によれば、シート面の高温強度を維持し、十分な耐熱性、耐食性を確保しつつ、補修作業によるダメージ拡大を抑制した排気弁棒の補修方法を提供することができる。
本発明により補修される排気弁棒の側面図と要部拡大図 本発明により補修される排気弁棒の使用態様を概念的に示す図 本発明の一実施形態の補修方法の手順を示す側面図 (a)肉盛補修された排気弁棒の要部拡大写真(5倍)、(b)図3(a)中X点における盛金材と母材との境界の要部拡大写真(100倍)
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明により補修される排気弁棒の側面図と要部拡大図である。
図1に示すように、1は排気弁棒であり、本発明に係る排気弁棒の補修方法により補修される。排気弁棒1は、例えばディーゼル機関等を構成する排気弁棒であって、母材として一般的に使用される耐熱鋼(SUH1、3、4、SUH31などを含む耐熱鋼)により形成することができる。
排気弁棒1は、図1に示すように、略円柱状の軸部2と、この軸部2の先端部に連設される略円盤状の弁体部3とにより構成されている。
図1に示される排気弁棒1は、そのシート面3aが、図2に示すようなディーゼル機関等においてシリンダブロックの排気口7周囲に接離可能に設置されて用いられる。
図2は、本発明により補修される排気弁棒の使用態様を概念的に示す図である。
弁体部3の軸部2側の面(図2中の上面)は、ディーゼル機関等においてシリンダブロックの排気口7周囲に当接するシート面3aとなっている。排気口7周囲にシート面3aが当接することにより、この排気弁棒1の弁体部3が、排気口7を閉蓋する。そして、排気口7周囲からシート面3aが燃焼室8側に離間することにより、排気口7が開蓋される。
弁体部3の軸部2の反対側の面(図2中の下面)は、燃焼室8に臨む触火面3bとなっている。
触火面3bには、耐高温耐食性材料が使用されることが好ましく、例えば、日立金属MMCスーパーアロイ株式会社製「MCアロイ」等のNi基金属の耐高温耐食性材料を肉盛溶接して形成することができる。また、触火面3bには、Coを5〜8重量%、Crを31.5〜33.5重量%、Moを2.9〜3.5重量%、Feを0.6重量%以下、Cを0.09重量%以下、Wを1.0重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを1.5〜2.6重量%、Tiを1.5〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなる材料を用いることもできる。
この排気弁棒1は、ディーゼル機関等において、触火面3bを図示しない燃焼室8に臨ませ、排気口7周囲の弁座9に、シート面3aを接離可能に配置されて使用される。シート面3aの外周縁側の弁座領域6が、排気口7周囲の弁座9に接離可能となる。弁座9に弁座領域6を当接させると、排気口7は閉蓋される。弁座9から弁座領域6を離間させると、排気口7は開蓋される。排気弁棒1は、軸部2において軸方向に進退操作されて、排気口7を開閉させる。弁座領域6及び弁座9は、円環状の領域である。
当接と離間とを繰り返すこの排気弁棒1を、長期間に亘って使用すると、シート面3aが摩耗して、摩耗部Cを生じる(図1中、一点鎖線で図示した要部拡大図参照)。この摩耗部Cが補修部位となる。
摩耗した排気弁棒1は、通常、交換されるか、補修されることになる。しかし、交換となるとコストが増すため、コスト面から補修が望まれる。
しかし、補修方法によっては、摩耗した排気弁棒1にさらにダメージを与えてしまうこともあり、その補修方法は重要である。以下に述べる本発明の排気弁棒の補修方法では、シート面の高温強度を維持し、十分な耐熱性、耐食性を確保しつつ、補修作業によるダメージ拡大を抑制して排気弁棒の補修をすることができる。
図3は、本発明の補修方法の一実施形態の手順を示す側面図である。
まず、図3(a)に示すように、摩耗した摩耗部Cを含む補修部位が生じた補修前のシート面3aを研削し、弁座領域6の補修部位を平坦な面に仕上げる。
次に、図3(b)に示すように、平坦なシート面3aにおける弁座領域6の補修部位に、盛金材をレーザ溶接によって肉盛して第1肉盛層4を形成する。
第1肉盛層4を形成する盛金材は格別限定されるものではないが、例えば、下記(1)〜(3)のような材料を用いることが好ましい。
(1)
Coを5〜8重量%、Crを31.5〜33.5重量%、Moを2.9〜3.5重量%、Feを0.6重量%以下、Cを0.09重量%以下、Wを1.0重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを1.5〜2.6重量%、Tiを1.5〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなる盛金材。
(2)
Coを17重量%以下、Crを18〜21重量%、Feを5.0重量%以下、Cを0.11重量%以下、Mnを1.0重量%以下、Siを1.0重量%以下、Alを1.0〜1.8重量%、Tiを0.4〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなる盛金材。
(3)
Coを1.0重量%以下、Crを17〜23.5重量%、Moを2.8〜10重量%、Cを0.1重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを0.8重量%以下、Tiを1.15重量%以下含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなる盛金材。
第1肉盛層4は、レーザ溶接によって形成される。レーザ溶接は、粉体レーザ肉盛溶接又はホットワイヤレーザ肉盛溶接を好ましく例示することができる。レーザ溶接は、微細な加工を迅速に行うことができるという特徴を有し、凝固時間が他の溶接方法に比べて短く、排気弁棒の補修時に、弁体への入熱量を抑制することができるため、溶接による溶接金属割れ(凝固割れ)や母材割れ(HAZ割れ、液状化割れ)等を抑制することができる。
第1肉盛層4は、シート面3aの母材上に形成し、シート面3aの周囲側に沿って円環状に形成する。第1肉盛層4は、断面半円形状の肉盛を複数本形成することによって構成してもよい。第1肉盛層4の厚さは、排気弁棒1の大きさや補修前のシート面3aの摩耗の程度に応じて決定することができ、例えば、2mm〜3mm程度とすることができる。
次いで、図3(c)に示すように、第1肉盛層4に重ねて、盛金材をアーク溶接によって肉盛して、第2肉盛層5を形成する。
アーク溶接としては、MIG溶接(metal inert gas welding;シールドガスに不活性ガスのみを用いるアーク溶接)、MAG溶接(metal active gas welding;シールドガスに不活性ガスと炭酸ガスを用いるアーク溶接)、TIG溶接(Tungsten Inert Gas)、サブマージアーク溶接、被覆アーク溶接等を例示することができ、中でも、MIG溶接が好ましい。
第2肉盛層5を形成する盛金材は格別限定されるものではないが、例えば、下記(1)〜(3)のような材料を用いることが好ましい。
(1)
Coを5〜8重量%、Crを31.5〜33.5重量%、Moを2.9〜3.5重量%、Feを0.6重量%以下、Cを0.09重量%以下、Wを1.0重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを1.5〜2.6重量%、Tiを1.5〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなる盛金材。
(2)
Coを17重量%以下、Crを18〜21重量%、Feを5.0重量%以下、Cを0.11重量%以下、Mnを1.0重量%以下、Siを1.0重量%以下、Alを1.0〜1.8重量%、Tiを0.4〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなる盛金材。
(3)
Coを1.0重量%以下、Crを17〜23.5重量%、Moを2.8〜10重量%、Cを0.1重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを0.8重量%以下、Tiを1.15重量%以下含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなる盛金材。
第2肉盛層5は、アーク溶接によって形成される。アーク溶接は、レーザ溶接に比較して広い範囲に厚い肉盛層を形成できるという特徴を有し、肉盛層の厚さを20mm程度にすることも可能である。第2肉盛層5をアーク溶接によって形成することによって、第1肉盛層4を一気に被覆することが可能となり、補修にかかる時間を短縮することもできる。また、広い範囲に厚く第2肉盛層5を形成できることによって、レーザ溶接のような細く緻密な範囲での溶接を繰り返すよりも、少ない工程で簡便に、滑らかな表面を形成することができるので、補修時間を短縮することができる。
第2肉盛層5は、第1肉盛層4の少なくとも一部を覆って形成し、好ましくは、第1肉盛層4の全体を覆って形成する。第2肉盛層5は、第1肉盛層4と同じく、シート面3aの周囲側に沿って円環状に形成することができる。
第1肉盛層4の厚さは、排気弁棒1の大きさやシート面3aの摩耗の程度及び第1肉盛層4の厚さに応じて決定することができ、例えば、5mm〜6mm程度とすることができる。
本発明の補修方法においては、第1肉盛層4をレーザ溶接により形成し、第2肉盛層5をアーク溶接により形成することにより、シート面の高温強度を維持し、十分な耐熱性、耐食性を確保しつつ、補修作業によるダメージ拡大を抑制しながら排気弁棒1を補修することができる。また、補修された排気弁棒の状態は、新品の状態に近く、その後の使用において、短期間に摩耗や破損することはないと推定される。つまり、本発明の補修方法によれば、高い補修精度を実現することができる。
本発明において、第1肉盛層4と第2肉盛層5とは、同一の材料により形成してもよいし、異なる材料により形成してもよい。
第1肉盛層4と第2肉盛層5の元素組成が実質的に同種であり、且つ、第1肉盛層4と第2肉盛層5の元素組成と、弁体部のシート面を構成する元素組成とが、実質的に同種であることも好ましいことである。第1肉盛層4、第2肉盛層5、弁体部のシート面の元素組成が同種であることによって、材料間の接着性がよくなり、補修後の排気弁棒における剛性、耐久性を向上させることができる。ここで、本発明において元素組成が実質的に同種とは、含有する元素種が実質的に同種であることを意味し、その含有量は同一でなくてもよい。
本発明者らは、第1肉盛層4及び第2肉盛層5を、共にアーク溶接であるMIG溶接により形成した場合についても実験した。
図4(a)は、肉盛補修された排気弁棒の要部拡大写真(5倍)であり、図4(b)は、図4(a)中のX点における盛金材と母材との境界の要部拡大写真(100倍)である。
この場合、MIG溶接によって広い範囲に厚い肉盛層を一気に形成でき、補修時間は短縮できた。しかし、図4(b)に示すように、母材のシート面3aに、微細なクラックが多数生じてしまうことが確認された。
これは、MIG溶接で広い範囲に厚い肉盛層が形成されたことによって、高温雰囲気に曝されて脆くなった母材に対する溶接負荷が過大となり、母材割れ(HAZ割れ、液状化割れ)等を生じやすくなったためであると考えられる。
このような状態の排気弁棒は、補修後に通常使用すれば、弁体部3のシート面3a上のクラックが徐々に拡大してしまい、所望の期間の使用に耐えることができないことが想定される。第1肉盛層4をMIG溶接で行う補修方法では、本発明の補修方法に比して補修精度が低いと言える。
さらに、本発明者らは、第1肉盛層4をMIG溶接により形成し、第2肉盛層5をレーザ溶接により形成する補修方法についても検討した。これは、本願発明の逆である。
この場合、第1肉盛層4(MIG溶接層)に、使用中、破損(割れや剥がれ)が生じることを確認している。これも、第1肉盛層4をMIG溶接で広く厚く肉盛したことによって、母材割れ(HAZ割れ、液状化割れ)等を生じやすくなったためであると考えられる。また、第2肉盛層5(レーザ溶接層)の形成には、時間がかかってしまい好ましくない。レーザ溶接のように細かいラインで肉盛すると、第1肉盛層4(MIG溶接層)を被覆するのに時間を要し、さらに、弁座領域6の表面を滑らかにしてシール性を得るためには、さらに細かく調節する必要があるため、時間がかかってしまうからである。レーザ溶接は、精度が高い溶接方法であるが故に、広範囲の肉盛をスピーディーに行うには適さないのである。
従って、本発明に係る補修方法のように、シート面3aの母材に接する第1肉盛層4をレーザ溶接により形成すると、シート面3aへ肉盛溶接によるダメージを抑制でき、母材割れ(HAZ割れ、液状化割れ)等は確認されないと考えられ、耐久性のある溶接補修を実現することができる。
また、排気口周囲に当接する第2肉盛層5をMIG溶接により形成することにより、弁座領域6の表面が滑らかに形成されて十分な強度が得られ、肉盛にかかる時間を短縮することもできる。
本発明の方法で補修された排気弁棒は、肉盛層全体において、十分な高温強度、耐食性、耐久性が実現されながら、第1肉盛層4(レーザ溶接層)及び第2肉盛層5(アーク溶接層)ともに、使用中に破損(割れや剥がれ)を生じにくくなると考えられる。
以上では、第1肉盛層及び第2肉盛層を、平坦なシート面3aにおける弁座領域6に形成する場合について主に説明したが、これに限られない。第1肉盛層及び第2肉盛層は、触火面3bに形成されてもよいし、シート面3aから触火面3bにかけて連続的に形成されてもよい。
本発明の排気弁棒の補修方法は、第1肉盛層4を形成する工程と、第2肉盛層5を形成する工程とを連続的に実施してもよいし、第1肉盛層4を形成する工程と、第2肉盛層5を形成する工程とを別の場所で実施してもよい。例えば、第1肉盛層4を形成した後に、排気弁棒1を別の場所に輸送し、そこで第2肉盛層5を形成してもよい。
本発明に係る排気弁棒の補修方法は、例えば、船舶用の低速、中速の大型ディーゼル機関の排気弁棒の補修方法として採用できる。
1 排気弁棒
2 軸部
3 弁体部
3a シート面
3b 触火面
4 第1肉盛層
5 第2肉盛層
6 弁座領域

Claims (6)

  1. 耐熱鋼を母材とする略円柱状の軸部及びこの軸部の先端部に連設された略円盤状の弁体部を有する排気弁棒の補修方法であって、
    前記弁体部のシート面上の弁座領域の補修部位に、レーザ溶接により、盛金材を肉盛りして第1肉盛層を形成し、
    前記第1肉盛層に重ねて、アーク溶接により、盛金材を肉盛りして第2肉盛層を形成することを特徴とする排気弁棒の補修方法。
  2. 前記盛金材は、Coを5〜8重量%、Crを31.5〜33.5重量%、Moを2.9〜3.5重量%、Feを0.6重量%以下、Cを0.09重量%以下、Wを1.0重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを1.5〜2.6重量%、Tiを1.5〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなることを特徴とする請求項1記載の排気弁棒の補修方法。
  3. 前記盛金材は、Coを17重量%以下、Crを18〜21重量%、Feを5.0重量%以下、Cを0.11重量%以下、Mnを1.0重量%以下、Siを1.0重量%以下、Alを1.0〜1.8重量%、Tiを0.4〜2.7重量%含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなることを特徴とする請求項1記載の排気弁棒の補修方法。
  4. 前記盛金材は、Coを1.0重量%以下、Crを17〜23.5重量%、Moを2.8〜10重量%、Cを0.1重量%以下、Mnを0.5重量%以下、Siを0.5重量%以下、Alを0.8重量%以下、Tiを1.15重量%以下含有し、残部Ni及び不可避不純物を含んでなることを特徴とする請求項1記載の排気弁棒の補修方法。
  5. 前記アーク溶接が、MIG溶接であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の排気弁棒の補修方法。
  6. 前記レーザ溶接が、粉体レーザ肉盛溶接又はホットワイヤレーザ肉盛溶接であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の排気弁棒の補修方法。
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