JP3191104U - 内燃機関の排気弁棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に、ステンレス耐熱用鋼金属板材料と、超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料を重ね合わせて爆発圧着してこれらを一体的に接合したことを特徴とするとする内燃機関の排気弁棒を提供する。【解決手段】排気弁棒1の触火面3にNi40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料4を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着し、一瞬にして一体的に接合するようにしている。そして、排気弁棒1の触火面3の中心部の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成している。【選択図】図2

Description

本考案は、船舶の各種ディーゼル機関等の内燃機関の排気弁棒に関するものである。
従来、船舶の各種ディーゼル機関やガソリン機関の排気弁棒には、マルテンサイト系耐熱鋼のSUH1、3、4またはオーステナイト系耐熟鋼のSUH31、37、SNCrWの各種を使用し、弁棒材料のシート面にCo系ステライトまたはNi系でコルモノイ等の盛金材が使用されている。
排気弁棒は、デイーゼル機関やガソリン機関の中で最重要な部品で、かつ高価な部品であり、排気弁棒の寿命で船主経済に占めるウェートはかなり大きいものがある。したがって、これまでに排気弁棒の寿命延長のための試みは常になされてきた。
過去に、焼結ステライト弁シートの高温強度を上げた実機試験で、16,000Hr経過後もそのシート面は健全で圧痕が無く、引き続き使用に供した実績があることから、排気弁棒はシート面の高温強度がある値以上であれば、メンテナンス時間も、弁の寿命も、現状よりさらに長くできるものと考えられていた。
また、20数年前から、特開平5−222475号公報のように、Ni基の耐熱鋼ナイモニック(Nimonic(( 登録商標) 以下同じ)80A) 材の排気弁棒が使用されるようになり、この弁材料は上記金属材料よりも、耐熱耐食性に優れており、使用耐用年数もかなり長寿命で、現状では大型ディーゼル機関では品質が安定している。
さらに、排気弁棒に共通した弁傘触火面の高温腐食の多くは、始めに高温高圧排気ガスにより弁体に浸炭され、これが排気弁体の化学成分の内クロームと反応してクロームカーバイトを形成し、結晶粒界に析出、浸炭孔食を引き起こしていると考えられていた。
1984年頃に、鍛造製品ナイモニック(Nimonic80A)の排気弁シートを補修するにあたって、同種(Nimonic80A)の溶接材を使い、シート面に肉盛りの上、溶着部表面をピーニングして硬度を増加させ、さらに時効硬化熱処理を施し、高温での硬度をアップさせることにより、かなり使用寿命の延長が図られた。
一方、機関運転中における排気弁傘表面の温度は、880BHP/cyl機関の100%負荷で、600 ℃以上、シート部で500℃以上の記録がある。最近の燃料油性状を考えると、上記現象に加え、耐サルファーアタック、耐バナジュームアタックの高温耐食性に優れた排気弁棒とする必要がある。
このように、排気弁棒の長寿命を達成するには、1)排気弁シート部の金属が高温時に高硬度が得られる材質であること、2)触火面側の金属が高温高圧腐食雰囲気の燃焼ガスに長時間耐える材質であること、ただし3)排気弁母材の金属Feべ一スのものは、1)、2)を構成する金属の析出共晶の中の金属間化合物にAlが入っていると、Feベースだと脆い化合物ができてよくないので、Niで縁を切らねばならない。
そこで、本考案者らは、ディーゼル機関等の排気弁棒であって、その排気弁棒の母材に一般に使用されるSUH1、3、4、SUH31、ナイモニック80、81を含む弁材料の耐熱鋼を使用し、その触火面にP(燐)の成分を含まないインコネル(Inconel(登録商標)以下同じ)の耐高温耐蝕性のNi基金属を肉盛溶接し、その肉盛溶接した上面にNi40〜60%、Cr60〜40%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属を肉盛溶接し、これらの肉盛金属を希釈して溶着形成したディーゼル機関等の排気弁棒について、実用新案登録第3175779号公報を提案した。
特開平5−222475号公報 実用新案登録第3175779号公報
上記排気弁棒を所要のディーゼル機関に使用して数千時間を経過して点検したところ、触火面はほとんど腐蝕されていなく、まだ十分に利用できる状態で、所要の効果を奏するものであった。
しかし、排気弁棒の触火面にこれらの耐高温耐蝕性金属等を均一状に肉盛溶接するには多くの手間と時間がかかり、また所要の熱処理が必要で、簡単かつ短時間で一体的に接合することが課題であった。
本考案は、上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着し、排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合した排気弁棒の触火面の中心部の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成したことを特徴とする内燃機関の排気弁棒を提供するにある。
また、排気弁棒の母材にSUH1、3、4、SUH31、ナイモニック80、81(Nimonic(登録商標))のいずれかを含む弁材料の耐熱鋼を使用した内燃機関の排気弁棒であって、上記排気弁棒の触火面にNi40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着して一体的に接合したことを特徴とする内燃機関の排気弁棒を提供するにある。
また、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に3〜12mm厚さの超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせ、その中心部に5〜10mm径の雷管を設けて爆発圧着し、排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合した排気弁棒の触火面の中心部の5〜30mm径の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成したことを特徴とする内燃機関の排気弁棒を提供するにある。
さらにまた、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に、SUS309、310、316のいずれかを含むステンレス耐熱用鋼金属板材料と、Ni40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料を重ね合わせて爆発圧着してこれらを一体的に接合したことを特徴とするとする内燃機関の排気弁棒を提供するにある。
本考案は、特許請求の範囲の請求項1のように、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着したことによって、所要の爆発圧着法を利用して爆発圧着処理することで、排気弁棒の触火面に一瞬にして超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合でき、接合面が波形状で強固に接合できて、耐蝕性よく利用できる。
そして、排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合した排気弁棒の触火面の中心部の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成したことによって、爆薬の爆発で排気弁棒の触火面に不圧着部が生じても、排気弁棒の触火面の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して触火面部の全面にわたって強固に仕上げられ、排気弁棒の触火面の全面にわたって溶接肉盛接合を行なわないため、従来のように手間と時間のかかる溶接肉盛接合をできるだけ行なわないようにでき、高温による熱応力歪みや割れが生じるのを防止でき、表面粗度が良好で機械仕上げが簡単で、製造時間を短縮でき、品質を向上できて、価格も低減することができる。
また、本考案は、請求項2のように、排気弁棒の母材にSUH1、3、4、SUH31、ナイモニック80、81(Nimonic(登録商標))のいずれかを含む弁材料の耐熱鋼を使用した内燃機関の排気弁棒であって、上記排気弁棒の触火面にNi40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着して一体的に接合したことによって、排気弁棒の母材を一般に使用されるSUH1、3、4、37、ナイモニック80、81等の弁材料の耐熱鋼を使用し、耐サルファーアタック、耐バナジュームアタックの耐高温耐蝕性に優れた超合金のNi基金属を組み合わせて、高温―耐腐食性に優れた耐久性を有するものとし、粗悪重油を燃料としている低速ディーゼル機関等の排気弁棒の長期寿命を維持することが期待でき、メンテナンス間隔を大幅に延長でき、顧客の経費の削減に寄与することができるとともに、上記のように製造時間を短縮でき、品質を向上できて、価格も低減することができる。
また、本考案は、請求項3のように、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に3〜12mm厚さの超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせ、その中心部に5〜10mm径の雷管を設けて爆発圧着し、排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合した排気弁棒の触火面の中心部の5〜30mm径の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成したことによって、従来の溶接肉盛接合のものと比して3mm以上の3〜12 m位の分厚いものを使用できて耐久性を高められ、また爆薬の爆発で排気弁棒の触火面の中心部に不圧着部が生じても、触火面の中心部の5 〜30mm径の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して触火面部の全面にわたって強固に仕上げられ、排気弁棒の触火面の全面にわたって溶接肉盛接合を行なわないため、耐蝕性よく使用できるとともに、上記のように製造時間を短縮でき、品質を向上できて、価格も低減することができる。
また、本考案は、請求項4のように、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に、SUS309、310、316のいずれかを含むステンレス耐熱用鋼金属板材料と、Ni40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料を重ね合わせて爆発圧着してこれらを一体的に接合したことによって、排気弁棒の触火面に一瞬にしてSUS309、310、316等のステンレス耐熱用鋼金属板材料と、Ni40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料を一体的に強固に接合できて、耐蝕性よく利用できる。特に、排気弁棒の使用による損傷した触火面の補修用に利用できて、従来に比して短時間に補修できて、耐蝕性よく再利用することができる。
そして、上記のようにして爆発圧着して一体的に接合した排気弁棒の触火面部を熱処理して所要の機械仕上げを行い、爆発圧着した触火面を耐腐食性に優れ、強度にすぐれて割れ防止をはかれた金属組織として、内燃機関の排気弁棒の長期寿命をはかるようにできるとともに、排気弁棒の触火面の爆発圧着不圧着部の超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着による高温による熱応力による歪みや割れが生じるのを防止でき、上記のように製造時間を短縮でき、品質を向上できて、価格も低減することができるものである。
本考案の一実施例の排気弁棒の側面図、 同上の排気弁棒の触火面の爆発圧着の一部省略した概略側断面図、 同上の触火面部の側面図、 同上の触火面部の側断面図、 同上の他の実施例の側面図、 同上のさらに他の実施例の2段階による爆発圧着説明用側面図(a)、(b)。
本考案の内燃機関の排気弁棒は、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着し、排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合した排気弁棒の触火面の中心部の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成したことを特徴としている。
舶用ディーゼル機関等の内燃機関の排気弁棒1は、図1のようにマッシュルーム状に形成されているもので、ピストンシリンダーの排気ガスの排出用の弁として機能し、弁棒本体2の母材としてディーゼル機関用として一般的に便用されているマルテンサイト系耐熱鋼のSUH1、3、4、またはオーステナイト系耐熟鋼のSUH31、37、SNCrW系、さらにナイモニック80、81のNi基の耐熱鋼の弁材料を使用できる。これらの化学成分(%)は、表1のとおりである。
表1 排気弁棒の化学成分表
Figure 0003191104
弁棒1の触火面3には、表2のようにNi40〜60%、Cr60〜30%、Mo0〜残量の超合金のSUPER ALLOY ( 三菱金属MCアロイ)やSUPER ALLOY FM72(インコネルフィラーメタル72(SPECIAL METALS Welding Products Company FM72))等のNi40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料4を使用して接合し、耐サルファーアタック、耐バナジュームアタックの耐高温耐食性に優れて耐久性を有するものとし、粗悪重油を燃料としている低速ディーゼル機関等の排気弁棒の長期寿命を維持することができ、メンテナンス間隔を大幅に延長可能にしている。
表2 Ni基金属の耐高温耐蝕性金属板材料の化学成分表
Figure 0003191104
上記排気弁棒1の触火面3に超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4を接合するのに、爆発圧着法を利用するもので、たとえば図2のように頑丈な箱体5に充填した砂6の中央部に排気弁棒1の弁棒本体2を埋設し、図3のようにその排気弁棒1の触火面3との間に所要の間隔を小さな突起等で設けたりして、触火面3の大きさとほぼ同じ位の所要厚さのシートの超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4を重ね合わせ、この超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4の上面に硝安を主成分とする粉末状の爆薬7を所要の厚さに均一状に配置し、その中央部に4 〜10mm径の雷管8を取付け、雷管8により爆薬7を爆発させて爆発圧着するようにしている。
上記超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4は、排気弁棒1の触火面3の100〜600mm径、10〜60mm厚さに対して、1〜16mm厚さのものが排気弁棒1の大きさに対応して適宜な厚さとして使用でき、従来の溶接肉盛接合のものと比して3mm以上の3〜16mm位のものを使用して耐久性を高められるが、3 〜12mm位、より好ましくは4〜12mm位が耐久性および爆発圧着性から望ましい。
金属板材料を爆発圧着して強固に接合させるためには、金属板材料の音速の1/3〜1/2となる爆轟速度をもつ爆薬量を用いるのが好ましい。
上記した排気弁棒1の触火面3の中央部には、爆発圧着により5〜30mm径程の爆発圧着不圧着部が生じることがあるが、この場合には図4のように爆発圧着不圧着部を切削したりして除去し、上記した超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4と同一ないし同一系列の超合金の耐高温耐蝕性金属9を使用して肉盛溶接し、希釈して一体的に形成できる。なお、爆発圧着不圧着部は、より細い径の4〜5mm径位の雷管8を使用することにより、できるだけ少なくすることが可能である。
そして、これらの爆発圧着した排気弁棒1を所要の形状に切削し、600〜700℃等の所要の焼鈍等の熱処理をし、機械仕上げして成形できる。
このように排気弁棒1の触火面3に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料4を爆発圧着すると、弁棒本体2の触火面3に一瞬にして超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料4を一体的に接合でき、接合面が波形状で強固に接合できて、耐蝕性よく利用できる。そして、従来のように手間と時間のかかる溶接肉盛接合を排気弁棒1の触火面3の全面にわたって行なわなくてよいため、高温による熱応力歪みや割れが生じるのを防止でき、表面粗度が良好で機械仕上げが簡単で、製造時間を短縮でき、品質を向上できて、価格も低減することができる。
また、爆発圧着して一体的に接合した排気弁棒1の触火面3部を熱処理して所要の機械仕上げをし、上記した爆発圧着した触火面3部を耐腐食性に優れ、強度にすぐれて割れ防止をはかれた金属組織として、内燃機関の排気弁棒の長期寿命をはかるようにできるとともに、排気弁棒1の触火面3の爆発圧着不圧着部の超合金の耐高温耐蝕性金属9の肉盛溶着による高温による熱応力歪みや割れが生じるのを防止できる。
また、図5のように、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒1の触火面3の母材に、表3のようなSUS309、310、316のいずれかを含むステンレス耐熱用鋼金属板材料10と、上記のようなNi40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料11を配設し、爆発圧着して一体的に接合するようにしている。その爆薬7は、上記した硝安を主成分とする粉末状の爆薬にて爆発圧着することができる。
この場合、排気弁棒1の使用による損傷した触火面3の補修用に利用でき、損傷した触火面3部を所要量だけ切削して肉盛溶接し、表面仕上げして上記したように所要の金属板材料を爆発圧着でき、従来に比して短時間に補修できて、耐蝕性よく再利用することができる。
このような排気弁棒1の触火面3に、ステンレス耐熱用鋼金属板材料10と超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料11を爆発圧着する場合、図6(a)のように先ず排気弁棒1の触火面3にステンレス耐熱用鋼金属板材料10を爆発圧着し、その後に図6(b)のように超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料11を爆発圧着することもでき、排気弁棒1に対応して行なうことができる。
表3 ステンレス耐熱用鋼金属の化学成分表
Figure 0003191104
このように排気弁棒1の触火面3に所要の金属板材料を一層ないし複数層を重ね合わせ、1回または複数回に分けて爆発圧着して一体化することができる。
排気弁棒1としては、1)使用実績効果が評価できる材料、2)経済的に見合うことができる材料、3)弁シート部は高温で硬度が保たれて、耐食性に優れていること、4)触火面は耐サルファーアタック、耐バナジュームアタック、耐高圧高温に優れた材料、を選択する必要がある。このような条件を、上記したように1種類や複数種類の材料で相互に補う方策の排気弁棒1に爆発圧着することができる。
従来、肉盛溶接の場合、排気弁棒1の母材の金属がFeべ一スのものは、溶着金属の析出共晶の中の金属間化合物にA1が入っており、排気弁棒母材のFeと脆い化合物を作る可能性があるので、上記のように中間溶着金属材として、インコネルのNiで縁を切る必要があった。しかし、本考案の爆発圧着の場合、原則的に肉盛溶接をしないので、インコネルのNiで縁を切る必要がなく、所要の超合金の耐高温耐蝕性金属板材料を接合して使用することができる。
図1以下は、本考案の実施例を示すものである。舶用ディーゼル機関の排気弁棒1は、図1のようにマッシュルーム状に形成され、オーステナイト系耐熟鋼のSUH31の排気弁棒1の弁棒本体2の機械仕上げした200mm径、35mm厚さの触火面3に超合金のSUPER ALLOY ( 三菱金属MCアロイ)の耐高温耐蝕性金属板材料4を、図2のように爆発圧着法を利用し、図3のように触火面3に所要の間隔を設けて、触火面3の大きさとほぼ同じ位の円板状の超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4を重ね合わせ、この超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4の上面に硝安を主成分とする粉末状の爆薬7を所要の厚さに均一状に配置し、6mm径の雷管8により爆薬7を爆発させて爆発圧着するようにしたものである。
上記超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4は、4mm厚さであり、その上面に硝酸アンモニウムを主成分とする粉末状の爆薬7を所要の厚さに均一状に装填した。
そして、雷管8を作動させて爆薬7を爆発し、爆発圧着した結果、排気弁棒1の触火面3の中央部には、爆発圧着により30mm径程の爆発圧着不圧着部が生じた。そこで、図4のように爆発圧着不圧着部を切削して除去し、上記した超合金の耐高温耐蝕性金属板材料4と同一の超合金の耐高温耐蝕性金属9を使用して肉盛溶接し、希釈して一体的に形成した。
爆発圧着して製作した操作弁棒1について、引張試験およびせん断試験の試験サンプルを各2片ずつ切出して強度試験した。試験の結果、表4のとおり、引張強度が857.1MPa、845.6MPaで、規格値の760MPa以上、せん断強度が509.7MPa、444.4MPa(JIS G 0601)で、規格値の150MPa以上で、共に十分な強度を有し、十分に耐蝕性、耐用性を有するものと判断できる。
表4 爆発圧着して製作した排気弁棒の強度試験結果表
Figure 0003191104
このように排気弁棒1の触火面3に所要厚さ(入手可能な4mm、6mmm、12mm等も可能)の超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料4を一瞬にして爆発圧着して排気弁棒1の変形もなく接合でき、その接合面が波形状で高い接合強度で接合できて、耐蝕性、耐久性よく利用できる。そのため、従来のように手間と時間のかかる溶接肉盛接合を行なわなくてよくなり、また溶接肉盛の高温による熱応力による歪みや割れ等が生じるのを防止でき、表面粗度が良好で機械仕上げが簡単で、製造時間を短縮でき、品質を向上できて、価格も低減化できる。
また、図5は本考案の他の実施例で、内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒1の触火面3の母材に、表3のようなSUS309等のステンレス耐熱用鋼金属板材料10と、上記のようなNi40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料11を所要の間隔を設けて重ね合わせ、上記したように硝安を主成分とする粉末状の爆薬7にて爆発させて爆発圧着して一体的に接合するようしたものである。
この場合、特に排気弁棒1の使用による損傷した触火面3の補修用に利用できるもので、損傷した触火面3部を所要量切削して肉盛溶接し、従来のように手間と時間のかかる溶接肉盛接合を行なわなくてよくなり、また高温による熱応力歪みや割れが生じるのを防止でき、表面粗度が良好で機械仕上げが簡単で、上記したように爆発圧着して十分な強度を有する補修をすることができて、耐蝕性、耐久性よく再利用できる。
このような排気弁棒1の触火面3に、ステンレス耐熱用鋼金属板材料10と超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料11を爆発圧着する場合、図6(a)のように先ず排気弁棒1の触火面3にステンレス耐熱用鋼金属板材料10を爆発圧着したり、その後に図6(b)のように超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料11を爆発圧着することもでき、排気弁棒1に対応して行なうことができる。
なお、上記では、大気での爆発圧着について説明したが、水、液体を利用した衝撃波による爆発圧着も可能であり、実施例では、ディーゼル機関の排気弁棒1の母材をSUH31について説明したが、オーステナイト系のSUH37、SNCrW等や、マルテンサイト系のSUH1、3、4等の弁材料の耐熱鋼、ナイモニック80、81のNi基の耐熱鋼についても同様に選択して実施することができ、またインコネル601のNi基金属、インコネルフィラーメタル72の超合金のNi基金属、SUS310、316等の耐熱鋼用についても、本考案の趣旨にもとづいて実施可能であり、さらにこれらの適宜の組み合わせ、またこれらの変形態様を実施可能である。
本考案は、船舶のディーゼル機関、ガソリン機関、その他のピストンをもって往復運動を司る航空機、機関車等のすべての内燃機関の排気弁棒に利用できる。
1…排気弁棒 2…弁棒本体 3…触火面 4…耐高温耐蝕性金属板材料 7…爆薬 10…ステンレス耐熱用鋼金属板材料 11…Ni基金属板材料

Claims (4)

  1. 内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着し、
    排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合した排気弁棒の触火面の中心部の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成したことを特徴とする内燃機関の排気弁棒。
  2. 排気弁棒の母材にSUH1、3、4、SUH31、ナイモニック80、81(Nimonic(登録商標))のいずれかを含む弁材料の耐熱鋼を使用した内燃機関の排気弁棒であって、
    上記排気弁棒の触火面にNi40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせて爆発圧着して一体的に接合したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気弁棒。
  3. 内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に3〜12mm厚さの超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を所定の間隔を設けて重ね合わせ、その中心部に5〜10mm径の雷管を設けて爆発圧着し、
    排気弁棒の触火面の母材に超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属の耐高温耐蝕性金属板材料を一体的に接合した排気弁棒の触火面の中心部の5〜30mm径の爆発圧着不圧着部を除去して超合金の耐高温耐蝕性金属を肉盛溶着して形成したことを特徴とする内燃機関の排気弁棒。
  4. 内燃機関の耐熱鋼を使用した排気弁棒の触火面の母材に、SUS309、310、316のいずれかを含むステンレス耐熱用鋼金属板材料と、Ni40〜60%、Cr60〜30%を主成分とする超合金の耐高温耐蝕性のNi基金属板材料を重ね合わせて爆発圧着してこれらを一体的に接合したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気弁棒。
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