JP2018149808A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像を重ねて印刷するときの印刷速度と画質の向上を実現できる印刷装置の提供。【解決手段】第1液体を吐出するノズル列及び第2液体を吐出するノズル列を有する液体吐出手段と、前記第1液体で印刷する第1画像及び前記第2液体で印刷する第2画像のうち、先に印刷する画像を先行画像とし、前記先行画像に重ねて印刷する画像を後行画像とするとき、前記先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更する印刷速度変更手段と、を備える印刷装置である。【選択図】図6

Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
印刷装置として、例えば、ホワイトインクで補助画像(背景画像)を印刷した後にカラーインクで主画像を印刷する表刷りモードと、カラーインクで主画像を印刷した後、ホワイトインクで補助画像(背景画像)を印刷する裏刷りモードとを備えるものがある。
従来、表刷りモードの印刷速度よりも裏刷りモードの印刷速度を速くする液体噴射装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、例えば、特許文献1に開示されているようにカラーインクとホワイトインクとを使用して、カラーインクで印刷する主画像とホワイトインクで印刷する補助画像を重ねるとき、両画像の印刷間には乾燥時間を設けることが好ましい。
ここで、補助画像に主画像を重ねる表刷りに対し、主画像に補助画像を重ねる裏刷りでは、補助画像は部分的な印刷とできることから印刷速度を表刷りよりも速く設定することができる。
しかしながら、例えば、一義的に裏刷りの印刷速度を表刷りの印刷速度よりも速くすると、主画像の液体付着量が多いときには、主画像の乾燥が進まないまま補助画像を印刷することになり、画像品質が低下するという課題が生じる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、画像を重ねて印刷するときの印刷速度と画質の向上を実現できる印刷装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の印刷装置は、第1液体を吐出するノズル列及び第2液体を吐出するノズル列を有する液体吐出手段と、前記第1液体で印刷する第1画像及び前記第2液体で印刷する第2画像のうち、先に印刷する画像を先行画像とし、前記先行画像に重ねて印刷する画像を後行画像とするとき、前記先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更する印刷速度変更手段と、を備える。
本発明によれば、画像を重ねて印刷するときの印刷速度と画質の向上を実現できる印刷装置を提供することができる。
図1は、本発明の印刷装置の一例を示す側面説明図である。 図2は、本発明の印刷装置の一例を示す要部平面説明図である。 図3は、本発明の印刷装置の一例を示す平面説明図である。 図4は、本発明の印刷装置の制御部の概要の一例を示すブロック説明図である。 図5は、本発明の第1実施形態のヘッド構成及び第2液体による第2画像を先行画像とし第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図6は、同実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図7は、カラーインクの最大付着量を「1」としたときの液体付着量の変化に対するカラーインクの吐出に使用するノズル数の変更の一例の説明に供する説明図である。 図8は、本発明の第2実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図9は、本発明の第3実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図10は、本発明の第4実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図11は、本発明の第5実施形態のヘッド構成の説明に供する説明図である。 図12は、本発明の第6実施形態のヘッド構成及び1、2層目の第1液体による第1画像及び第2液体による第2画像を先行画像とし3層目の第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図13は、本発明の第7実施形態のヘッド構成及び1、2層目の第1液体による第1画像及び第2液体による第2画像を先行画像とし3層目の第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図14は、本発明の第8実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図15は、本発明の第9実施形態のヘッド構成及び1、2層目の第1液体による第1画像及び第2液体による第2画像を先行画像とし3層目の第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。 図16は、各実施形態における印刷速度の変更に係る制御の一例の説明に供するフロー図である。
(印刷装置及び印刷方法)
本発明の印刷装置は、第1液体を吐出するノズル列及び第2液体を吐出するノズル列を有する液体吐出手段と、
前記第1液体で印刷する第1画像及び前記第2液体で印刷する第2画像のうち、先に印刷する画像を先行画像とし、前記先行画像に重ねて印刷する画像を後行画像とするとき、前記先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更する印刷速度変更手段と、を備え、更に必要に応じてその他の手段を備える。
本発明の印刷方法は、第1液体を吐出するノズル列及び第2液体を吐出するノズル列を有する液体吐出手段を用いて前記第1及び前記第2液体を吐出する液体吐出工程と、
前記第1液体で印刷する第1画像及び前記第2液体で印刷する第2画像のうち、先に印刷する画像を先行画像とし、前記先行画像に重ねて印刷する画像を後行画像とするとき、前記先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更する印刷速度変更工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の印刷装置及び本発明の印刷方法によると、従来の一義的に裏刷りの印刷速度を表刷りの印刷速度よりも速くすると、主画像の液体付着量が多いときには、主画像の乾燥が進まないまま補助画像を印刷することになり、画像品質が低下するという課題を解決でき、画像を重ねて印刷するときの印刷速度と画質の向上を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る印刷装置の一例について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同装置の側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図、図3はヘッドの平面説明図である。
この印刷装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、被印刷材としての印刷媒体(以下、「媒体」という。)2に印刷する印刷部(画像形成部)101、媒体2を搬送する搬送部102、媒体2を収容するロール収納部103、媒体2を巻き取るロール巻き取り部104などを備えている。
この装置では、媒体2をロール状に巻き回したロール体1を使用する。ロール体1はロール収納部103に収納され、搬送ローラ対31でロール体1から媒体2を引きだして送り出す。
印刷部101は、液体吐出手段として、液体を吐出する複数のノズル列を有する液体吐出ヘッド(以下、「ヘッド」ということもある。)11をキャリッジ12に搭載している。キャリッジ12は、主走査方向(図1では紙面垂直方向)に往復移動可能にガイド部材13に保持されている。
ここで、図3に示すように、ヘッド11は、液体を吐出する複数(m個)のノズルn1〜nmを配列した複数のノズル列Na〜Neを有し、ノズル配列方向を媒体搬送方向(副走査方向)にしてキャリッジ12に搭載されている。
ヘッド11のノズル列Na〜Ndは、例えば、第1液体であるブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)などの第1画像印刷用の液体の吐出に使用する第1ノズル列を含む。ヘッド11のノズル列Neは、例えば、第2液体であるホワイト(W)などの第2画像印刷用の液体の吐出に使用する第2ノズル列を含む。なお、この例では1つのヘッドが5つのノズル列Na〜Neを有しているが、複数のヘッドで複数のノズル列を有する構成とすることもできる。
搬送部102は、印刷部101の媒体搬送方向(矢印A方向:副走査方向)上流側に、搬送手段である搬送ローラ21及び対向ローラ22が配置され、媒体2を挟んで搬送する。また、印刷部101に対向して媒体2を案内するプラテン部材25が配置されている。
ロール巻取り部104は、媒体2を巻き取る巻取りロール41を備えている。
そして、媒体2の搬送方向に沿ってプリヒータ51、プリントヒータ52、ポストヒータ53をそれぞれ配置している。
プリヒータ51は、印刷部101による印刷領域の手前で媒体2を加熱するヒータである。プリントヒータ52は、印刷部101による印刷領域で媒体2を加熱する加熱手段としてのヒータである。ポストヒータ53は、印刷部101による印刷がされた後の媒体2を加熱する加熱手段としてのヒータである。プリヒータ51とプリントヒータ52、ポストヒータ53には、セラミックやニクロム線を用いた電熱ヒータ等を使用できる。
また、ポストヒータ53の下流側に、媒体2に温風を吹き付ける温風ファン54が設けられている。温風ファン54により、印刷面の液体に直接温風を当てることによって雰囲気の湿度を下げて完全に乾燥させる。
これらのヒータ51〜53及び温風ファン54が搭載されていることで、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリルなどの液体がしみ込まない非浸透の媒体にも印刷が可能である。非浸透の媒体に対しては、溶剤系液体、樹脂成分の多い水性レジン液体などを使用することで良好な定着性が得られる。
次に、この装置の制御部の概要について図4のブロック説明図を参照して説明する。
制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係る制御を含む制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、印刷データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部のホスト装置600から印刷データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、ヘッド11を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、キャリッジ12を主走査方向に移動させる主走査モータ550を駆動するモータ駆動部510と、搬送ローラ21を回転駆動する搬送モータ551を駆動するモータ駆動部511を備えている。
制御部500は、温風ファン54を駆動するファン駆動部512と、ヒータ51〜53を駆動するヒータ駆動部513を備えている。
制御部500は、ロール収納部103のロール体1からの媒体2の繰り出しを行う繰り出しモータ552を駆動するモータ駆動部514と、ロール巻き取り部104の巻取りロール41への巻取りを行う巻き取りモータ553を駆動するモータ駆動部515を備えている。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
次に、本発明の第1実施形態について図5及び図6を参照して説明する。図5は同実施形態のヘッド構成及び第2液体による第2画像を先行画像とし第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
図6は同実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし、第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態のヘッド構成においては、図5(a)、図6(a)に示すように、ノズル列Na〜Neを有する。そして、ノズル列Na〜Ndは第1液体であるカラーインク(ブラックを含む。)を吐出する第1ノズル列N1として使用するノズルを含み、ノズル列Neは第2液体であるホワイトインクを吐出する第2ノズル列N2に使用するノズルを含む。なお、ノズル列Na〜Neには吐出するインク(液体)の色であるKCMYWを付記しているが、吐出する液体はこれに限らない。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明フィルムにホワイトインクによる第2画像を背景画像(補助画像)とし、カラーインクによる第1画像を主画像として印刷する例で説明する。なお、カラーインクの1色又は複数の色で背景画像を形成し、ホワイトインクで主画像を印刷することもできる。また、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ホワイト(W)以外にも、オレンジ、レッド、バイオレット、グリーン、ブルー、シルバー、パール、ゴールド、クリアなどの特色の液体を使用することもできる。
また、各ノズル列Na〜Ndのノズルの内、カラーインクの吐出に使用するノズル群を「第1ノズル列N1」とし、ノズル列Neのノズルの内、ホワイトインクの吐出に使用するノズル群を「第2ノズル列N2」とする。また、各ノズル列Na〜Neの内、カラーインク又はホワイトインクの吐出に使用しないノズル群を「不使用ノズル列」とし、各ノズル列間で不使用ノズル列が共通になる領域を乾燥領域Nsとする。
そこで、ホワイトインクで背景画像(第2画像)を先行画像として印刷した後、カラーインクで主画像(第1画像)を後行画像として印刷する第1モード(白先打ち、白下打ち、表刷りなどとも称される)場合におけるノズルの割り付けについて図5(b)ないし(f)を参照して説明する。
ここでは、第1ノズル列N1のノズル数(第1液体を吐出するノズルの数)と第2ノズル列のノズル数(第2液体を吐出するノズルの数)の比を、1:1とした例である。
図5(b)〜(e)の例では、インクの吐出に使用するノズル数は図5(b)が最も多くなるので、印刷速度は最高速度になる。しかしながら、ホワイトインクによる第2画像(背景画像)が未乾燥のまま第1画像(主画像)を印刷するためにカラーインクが吐出されることになる。その結果、カラーインクがホワイトインクの第2画像に埋没して所望のドット径が得られないことが多くなる。
そこで、図5(c)〜(f)の例は、ノズル配列方向において、第2ノズル列N2と第1ノズル列N1との間に不使用ノズル列を介在させることにより、不使用ノズル列の領域を乾燥領域Nsとしている。乾燥領域Nsを設けることで、第2画像の乾燥が進んだ後に第1液体を吐出することになるので、第1液体の第2画像への埋没を抑制することができ、異常画像の発生を抑制して画像品質を向上できる。
ここで、インクの吐出に使用するノズル数(使用ノズル数)は、図5(c)、図5(d)、図5(e)、図5(f)の順に少なくしている。使用ノズル数を少なくするに従って1スキャンで印刷できる印刷領域が減少するので、印刷速度は低下することになる。
図5(c)ないし図5(f)に例において、異常画像がなく、最も印刷速度が速くなるノズル数の割合は、図5(d)に示す例であり、ホワイト(第2ノズル列N2のノズル数):乾燥領域(乾燥領域Nsのノズル数):カラー(第1ノズル列N1のノズル数)=1:1:1となる。
第2液体の種別については後述するが、第2液体の種別及び単位面積当たりの付着量の両方に基づいて印刷速度を設定してもよい。例えば、第2の液体の種別によっては印刷速度が望ましく、更に最大付着量が大きく異なるような様々な画像を印刷する場合においては、最大付着量が高い場合に合わせてしまうと常に中程度の印刷速度を選択するしかないところ、本発明のように単位面積当たりの付着量に応じて印刷速度の設定できるため、液体の選択の自由度の向上につながる。
次に、カラーインクで主画像(第1画像)を先行画像として印刷した後ホワイトインクで背景画像(第2画像)を後行画像として印刷する第2モード(白後打ち、白上打ち、裏刷りなどとも称される)の場合におけるノズルの割り付けについて図6(b)ないし(f)を参照して説明する。
図6(b)ないし(f)の例でも、インクの吐出に使用するノズル数(使用ノズル数)は、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6(e)、図6(f)の順に少なくしている。使用ノズル数を少なくするに従って1スキャンで印刷できる印刷領域が減少するので、印刷速度は低下することになる。
ここで、一般的には、主画像は背景画像よりも付着量や被覆面積が小さくなることが多いため、同じシーケンス(パス数、インターレース数、解像度など)で印刷する場合には、第1モードよりも第2モードの方が印刷速度を速くすることができる。
例えば、第2モードでは、使用ノズル数の割合を、図6(c)のホワイト:乾燥領域:カラー=5:2:5としても、異常画像がなく印刷することができ、第1モードで異常画像がなく最も速い印刷速度で印刷できる図5(d)の場合に比べて、印刷速度を速くすることができる。
しかしながら、先に印刷された主画像(第1画像)の液体付着量が多い場合には、ホワイトインクとカラーインクの間の滲みやその他の異常画像を生じることがある。また、カラーインクの乾燥速度が低い場合にも同様のことが起こりうる。そのため、一義的に第2モードの印刷速度を第1モードの印刷速度よりも速くすると、画像品質が低下することがある。
そこで、本実施形態では、第2モードの印刷速度を第1モードにおける第1画像の液体付着量に応じて変更する構成としている。
まず、カラーインクでベタ画像(最大液体付着量)を主画像として、その後にホワイトインクで背景画像を印刷するとき、異常画像なく印刷できたときのノズルの使用の割合は、ホワイト:乾燥領域:カラー=1:2:1となったものとする。
次いで、想定される最も少ない最小液体付着量を、例えば、最大液体付着量の1/10としたとき、異常画像なく印刷できたときのノズルの使用の割合は、ホワイト:乾燥領域:カラー=2:1:2となったものとする。
ここで、1色列あたりのノズル数を200としたとき、最大液体付着量でのノズル数はホワイト:乾燥領域:カラー=50:100:50となり、1/10付着量(最小付着量)ではホワイト:乾燥領域:カラー=80:40:80となる。
液体付着量に対して使用ノズル数に負の相関(負の相関とは、液体付着量を増やすと乾燥させないといけなくなるため不使用ノズルを増やすことになり結果として使用ノズルを減らさないといけなくなる関係)があるとしたとき、例えば、最大付着量の4/10の液体付着量のときはホワイト:乾燥領域:カラー=70:60:70、最大付着量の7/10の液体付着量のときはホワイト:乾燥領域:カラー=60:80:60となる。
つまり、前述したように、使用ノズル数を変更(増減)することによって1スキャンで印刷できる印刷領域が変化し、従って、印刷速度を変更することができる。なお、使用するノズル数の変更は、10ノズル単位に限らず、1以上のノズル数単位で変更することができる。1ノズル単位で変更することで、最適印刷速度での印刷が可能になる。
第1ノズル列N1,第2ノズル列N2、乾燥領域Nsのノズル数を同じから整数倍の関係にすることで、第1画像と第2画像を同じ解像度、パスで印刷することができる。
ここで、カラーインクの最大付着量を「1」としたときの液体付着量の変化に対するカラーインクの吐出に使用するノズル数の変更の一例を図7に示している。この図7から分かるように、液体付着量が少なくなるに従って使用ノズル数を増加する、つまり、印刷速度を速くするように変更する。
この場合、印刷速度を変更する、つまり、使用ノズル数を変更する基準となる「液体付着量」は「媒体の印刷可能領域全体における液体付着量」(全印刷領域における先行画像の液体付着量)、あるいは、「高濃度部分(予め定めた濃度以上の部分)の単位面積当たりの液体付着量」(先行画像の単位面積当たりの液体付着量)とすることができる。
より高画質を求める場合は、媒体内(印刷可能領域)の全領域で異常画像がない方が好ましいため、「高濃度部分の単位面積当たりの液体付着量」によってノズル数を変更することが好ましい。
一方、高濃度部分があまりにも小さい部分であるとき、或いは、目立ちにくい画像部分であるときには、「媒体全体(印刷可能領域全体)への液体付着量」として、緩やかな基準でノズル数を変更する方が印刷速度としては速くなる。
そこで、例えば、液体付着量とノズル数との相関関係のデータを記憶保持し、画像を出力するときにRIP(Raster Image Processor)、プリンタドライバなどの画像処理の段階で画像付着量を算出し、データと照合して使用ノズル数を設定する。これにより、先行画像の液体付着量に応じて異常画像の無い最大印刷速度での印刷を行うことができる。
なお、本実施形態では、第2モードにおいて、先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更する例で説明しているが、第1モードにおいて、先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更することもできる。また、第1モード及び第2モードのいずれにおいても先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照して説明する。図8は同実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態のヘッド構成においては、図8(a)に示すように、6つのノズル列Na〜Nfを有している。そして、ノズル列Na〜Ndは第1液体であるカラーインクの吐出に使用する第1ノズル列N1として使用するノズルを含み、2つのノズル列Ne、Nfは第2液体であるホワイトインクの吐出に使用する第2ノズル列N2として使用するノズルを含む。
したがって、第1実施形態のようにホワイトインクの吐出に使用するノズル列が1列の場合に比べて、1スキャンで2倍の吐出量とすることができる。これにより、第1実施形態と同じ液体付着量とするときには、単純に、1列当たり半分のノズル数として2列のノズル列を使用すればよいことになる。つまり、第1ノズル列N1の長さ:第2ノズル列N2の長さ=2:1となる。
これにより、図8(b)に示すように、第1実施形態の図6(b)と同じ液体付着量とするときでも、ホワイト:乾燥領域:カラー=1:1:2となり、乾燥領域Nsを確保することができる。同様に、図8(c)、(d)のように、第1ノズル列N1のノズル数を第1実施形態の図6(d)、(f)のノズル数と同じにする場合でも、より乾燥領域Nsの長さを長くすることができる。
また、ホワイトインクの付着量を上げて隠ぺい性を高める場合には、第1ノズル列N1の使用ノズル数と第2ノズル列N2の使用ノズル数を同じにすることで、ホワイトインクはカラーインクの2倍の付着量とすることができる。ただし、このようにホワイトインクの付着量が1ノズル列よりも多くなるので、ホワイト下打ちの第1モードを行うときには乾燥領域をやや長くすることが好ましい。
次に、本発明の第3実施形態について図9を参照して説明する。図9は同実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態のヘッド構成においては、図9(a)に示すように、第1ノズル列N1として使用するノズル列Na〜Ndと第2ノズル列N2として使用するノズル列Neとをノズル配列方向にずらして配置している。
ここでは、ノズル列Na〜Neのノズル数を前記第1実施形態の半分のノズル数として、ノズル列Na〜Ndとノズル列Neとを1ノズル列の長さ分だけノズル配列方向にずらして配置している。
ただし、第2液体であるホワイトインクを吐出するノズル列Neは、第1液体であるカラーインクを吐出するノズル列Na〜Ndに対して、ノズル列Na〜Ndの長さの半分以上ノズル配列方向にずれて配置することで、第2モードにおける効率的なノズル使用を行うことができる。
そして、図9(b)〜(f)に示すように、第1ノズル列N1(カラーインク):乾燥領域Ns:第2ノズル列N2(ホワイトインク)の割合を変更することによって、印刷速度を変更することができる。
次に、本発明の第4実施形態について図10を参照して説明する。図10は同実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態のヘッド構成においては、図10(a)に示すように、上記第3実施形態の構成において、前記第2実施形態と同様に、第2ノズル列N2として使用する2つのノズル列11e、11fを配置している。
これにより、前記第3実施形態の構成において前記第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第5実施形態について図11を参照して説明する。図11は同実施形態のヘッド構成の説明に供する説明図である。
本実施形態のヘッド構成においては、上記第4実施形態の構成において、第1ノズル列N1として使用するノズル列Na〜Ndと第2ノズル列N2として使用するノズル列Ne、Nfとの間に、ノズル配列方向において間隔Sを空けている。
この間隔Sによって、ノズル列Na〜Nd及びノズル列Ne,Nfのノズルのすべてを第1ノズル列N1、第2ノズル列N2とするときでも、乾燥領域Nsを確保することができる。
次に、本発明の第6実施形態について図12を参照して説明する。図12は同実施形態のヘッド構成及び1、2層目の第1液体による第1画像及び第2液体による第2画像を先行画像とし3層目の第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態では、1層目の第1画像→2層目の第2画像→3層目の第1画像、の順に印刷を行うための割り付けを行っている。
ここで、1層目の第1画像を印刷するカラーインクの吐出に使用するノズル群を「第1ノズル列N1」とし、2層目の第2画像を印刷するホワイトインクの吐出に使用するノズル群を「第2ノズル列N2」とし、3層目の第1画像を印刷するカラーインクの吐出に使用するノズル群を「第2ノズル列N3」とし、カラーインク又はホワイトインクの吐出に使用しないノズル群を「不使用ノズル列」とする。そして、各ノズル列間で不使用ノズルが共通になる領域を乾燥領域Nsとする。なお、第3ノズル列N3は、区別のための称呼であり、第1液体を吐出するという意味では第1ノズル列でもある。
本実施形態のヘッド構成においては、5つのノズル列Na〜Neを有している。そして、ノズル列Na〜Ndは第1液体であるカラーインクの吐出に使用する第1ノズル列N1及び第3ノズル列N3として使用するノズルを含み、ノズル列Neは第2液体であるホワイトインクの吐出に使用する第2ノズル列N2として使用するノズルを含む。
ここで、ノズル列Na〜Ndについては、ノズル配列方向において、媒体搬送方向(図1の矢印A方向)で下流側となるノズル群を第1ノズル列N1に割り当て、上流側となるノズル群を第3ノズル列N3として割り当てる。
また、ノズル列Neについては、ノズル配列方向において、媒体搬送方向で中央部のノズル群を第2ノズル列N2として割り当てる。
本実施形態においても、図12(b)〜(f)に示すように、第1ノズル列N1、第2ノズル列N2、第3ノズル列N3の使用ノズル数を少なくするに従って印刷速度は遅くなる。
ここでは、第1ノズル列N1で印刷する1層目の第1画像と第2ノズル列N2で印刷する2層目の第2画像とを先行画像とし、第3ノズル列N3で印刷する3層目の第1画像を後行画像とする。
そして、1層目の第1画像及び2層目の第2画像の液体付着量に応じて、図12(b)〜(f)に示すように使用ノズル数を変更して印刷速度を変更する。
この場合、第2ノズル列N2と第1ノズル列N1との間の乾燥領域Nsaと、第2ノズル列N2と第3ノズル列N3との間の乾燥領域Nsbはほぼ同じになるようにホワイトインクの吐出に使用するノズルを増減している。
したがって、このような印刷速度の変更形態は、1層目のカラーインク、2層目のホワイトインク、3層目のカラーインクの付着量及び乾燥速度がほぼ同じであるときに適用することが好ましい。
次に、本発明の第7実施形態について図13を参照して説明する。図13は同実施形態のヘッド構成及び1、2層目の第1液体による第1画像及び第2液体による第2画像を先行画像とし3層目の第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態は、図13(b)〜(d)に示すように、使用ノズル数を変更して印刷速度を変更するとき、ホワイトインクに使用する第2ノズル列N2に使用するノズルは、ノズル配列方向おいて、下流側の最初のノズル位置を同じにして上流側で増減している。なお、ノズル配列方向おいて上流側の最初のノズル位置を同じにして下流側で増減することも、或いは、上流側と下流側で増減するノズル数を異ならせることもできる。
したがって、この例では、第2ノズル列N2と第1ノズル列N1との間の乾燥領域Nsaは印刷速度を変更してもほぼ同じであるが、第2ノズル列N2と第3ノズル列N3との間の乾燥領域Nsbは印刷速度の変更によって増減することになる。
このような印刷速度の変更形態は、1層目、3層目のカラーインクは一部、2層目のホワイトインクは全ベタ(乾燥時間がかかる)という場合に適用することが好ましい。
次に、本発明の第8実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態のヘッド構成及び第1液体による第1画像を先行画像とし第2液体による第2画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態のヘッド構成においては、図14(a)に示すように、ノズル列Na〜Nd、ノズル列Ne〜Nh、ノズル列Niを有している。
そして、これらのノズル列Na〜Niは、ノズル配列方向において、ノズル列Na〜Ndの群、ノズル列Ni、ノズル列Ne〜Nhの群の順に配置している。
また、これらのノズル列Na〜Niは、ノズル配列方向と直交する方向においては、ノズル列Na〜Ndとノズル列Ne〜Nhとはそれぞれ同じ位置に配置し、ノズル列Niはノズル列Na〜Nd及びノズル列Ne〜Nhと異なる位置に配置している。
ここで、ノズル列Na〜Ndはカラーインクの吐出に使用する第1ノズルN1、ノズル列Niはホワイトインクの吐出に使用する第2ノズル列N2、ノズル列Ne〜Nhはカラーインクの吐出に使用する第3ノズルN3として使用する。
つまり、ノズル配列方向において、第2液体を吐出するノズル列に対して、両側(下流側及び上流側)に第1液体を吐出するノズル列が配置されている構成としている。
なお、ホワイトインクを吐出するノズル列Niと並列して他の特色インク(オレンジ、グリーン、シルバーなど)を配置することで、より多様性(ワイドガマット、メタリック上下打ちなど)のある印刷が可能となる。
本実施形態では、図14(b)〜(f)に示すように、ノズル列Ne〜Nhを使用しないで、ノズル列Na〜Ndとノズル列Niを使用して、第2モードで印刷を行うときに、第1画像の液体付着量に応じて使用ノズル数を変更して印刷速度を変更することができる。
なお、ノズル列Na〜Ndを使用しないで、ノズル列Ne〜Nhとノズル列Niを使用して、第1モードで印刷を行うときにも、第2画像の液体付着量に応じて、同様にして、使用ノズル数を変更して印刷速度を変更することができる。
次に、本発明の第9実施形態について図15を参照して説明する。図15は同実施形態のヘッド構成及び1、2層目の第1液体による第1画像及び第2液体による第2画像を先行画像とし3層目の第1液体による第1画像を後行画像とするときのノズルの割り付けと印刷速度の関係の説明に供する説明図である。
本実施形態は、前記第8実施形態のヘッド構成において、ノズル列Na〜Ndで1層目のカラーインクによる第1画像を印刷し、ノズル列Niを使用して2層目のホワイトインクによる第2画像を印刷し、ノズル列Ne〜Nhで3層目のカラーインクによる第1画像を印刷する。
このときも図15(b)〜(f)に示すように、1層目の第1画像及び2層目の第2画像の液体付着量に応じて使用ノズル数を変更して印刷速度を変更することができる。
なお、ここでは、1層目(カラー)と2層目(ホワイト)の乾燥時間を同じとして図示しているが、1層目の乾燥が速い場合には、前述した第7実施形態(図13参照)と同様な印刷速度の変更を行う構成にして、ホワイトインクに使用する第2ノズル列N2をノズル配列方向おいて上流側又は下流側にずらして印刷を行うことで最適な印刷シーケンスとすることができる。
なお、印刷速度の単位としてipm(images per minute)やppm(pages per minute)などがあるが、後述のようにm/hで表す。使用ノズル数を増減させることで、印刷速度の値(m/h)を調整する。
次に、上述した各実施形態における印刷速度の変更に係る制御について図16のフロー図を参照して説明する。
まず、制御部500のROM502などに先行画像の液体付着量とノズル数との相関関係のデータ(相関データ)を記憶保持しておく。この相関データは、実験やシミュレーションによって取得することができる。
そして、印刷を行うときに、印刷データを入力して画像処理を行うときに、当該印刷データの液体付着量を算出して相関データとの照合を行い、使用ノズル数を設定する(シーケンス決定)。その後、決定したシーケンスに従って印刷を実行する。
これにより、先行画像の液体付着量に応じて異常画像の無い最大印刷速度での印刷を行うことができ、印刷速度と印刷品質の向上を図ることができる。
なお、上記実施形態では、第2液体が背景用液体である例で説明しているが、画像のにじみを低減したり、媒体への密着性を向上したりするための先塗り液(処理液)、あるいは、画像保護などのために画像の上に形成するクリアインク、定着性を向上する後塗り液(処理液)を第2液体として吐出する場合などにも同様に適用することができる。
また、先行画像に使用される液体(第1液体又は第2液体)の種別ごとに液体付着量とノズル数との相関関係のデータ(相関データ)を取得し、上述のROM、RAM又は不揮発性メモリ等に記憶保持しておくことでもよい。
(インク)
本発明の印刷装置に用いるインクとしては、特に制限なく用いることができる。特に、有機溶剤の含有量が15質量%以上35質量%以下であるホワイトインクを用いると、乾燥性に優れることから、ホワイトインクで背景画像(第2画像)を先行画像として印刷した後、カラーインクで主画像(第1画像)を後行画像として印刷する第1モード(白先打ち、白下打ち、表刷り)場合に、異常画像の形成を抑制しながら、印刷速度を高速化でき好ましい。
その他、以下の態様とすることで、更にインクの乾燥性を高める効果があり、印刷速度の高速化が可能となることから好ましい。
ホワイトインクは、樹脂粒子を2質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。
ホワイトインクは、下記一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
ホワイトインク中における一般式(1)で表される化合物の含有量が、3質量%以上12質量%以下であることが好ましい。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、例えば、水溶性有機溶剤などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト;炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、高光沢性、及び粒子の凝集の防止の点から、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。また、高い耐擦過性、耐溶剤性、及び樹脂の造膜を促進する点から、沸点が200℃未満である、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオールが好ましい。
前記有機溶剤の含有量としては、特に制限はなく用いることができるが、乾燥性に優れ、良好な吐出安定性が得られる点からインク全量に対して、10質量%以上70質量%以下が好ましく、15質量%以上35質量%以下がより好ましい。有機溶剤の含有量を35質量%以下とすると、その分、水の含有量を増やすことができ、優れた乾燥性が得られ、印刷の高速化が可能となる。前記含有量が15質量%以上であると、他の成分との分散性が高まる。また、ノズル面の保湿性が保たれるのでメニスカスに皮膜形成がされにくく、良好なインクジェット吐出が可能となる。
インクには、下記一般式(1)で表される化合物を有機溶剤として用いることができる。
<一般式(1)で表される化合物>
下記一般式(1)で表される化合物は、インクの乾燥工程において、樹脂が造膜するのを促進するため乾燥性を高めることができる。
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
前記、炭素数1以上5以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記構造式(1−1)で表される3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド;下記構造式(1−2)で表される3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド;3−メトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、密着性、耐擦過性、非転写性、及び高光沢性の点から、下記構造式(1−1)で表される3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物を含有することで、有機溶剤と樹脂粒子との相溶性を高め、分散性を向上させることができる。また、前記一般式(1)で表される化合物は、各種非浸透性メディアへの浸透性も高いため、非浸透性メディアへの十分な濡れ性を確保できる。その結果、更にインクの乾燥性に優れた画像を得ることができる。
前記一般式(1)で表される化合物の市販品としては、例えば、商品名「KJCMPA−100」(KJケミカルズ社製、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、前記一般式中、R:メチル基、R:メチル基、R:メチル基)、商品名「エクアミドB100」(出光興産株式会社製、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、前記一般式中、R:メチル基、R:メチル基、R:ブチル基)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)で表される化合物の合計の含有量としては、インク全量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、3質量%以上40質量%以下、3質量%以上12質量%以下がより好ましい。前記含有量が、3質量%以上であると、成膜しやすくなり乾燥性が上がる。結果的に印刷の高速化が可能となる。含有量が12質量%以下であると、メニスカスに皮膜形成がされにくいため良好なインクジェット吐出が可能となる。
また、樹脂粒子と、親和性を持ちつつ比較的沸点の低い、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等の有機溶剤を、前記一般式(1)で表される化合物と併用することで、インク中における樹脂粒子の分散安定性を確保でき、かつ記録後の画像ベタ部の均一性を向上させることができ、優れた画像品位を得ることができる。
<樹脂粒子>
前記樹脂粒子としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル樹脂粒子;ポリウレタン樹脂粒子;エポキシ樹脂粒子;ポリアミド樹脂粒子;ポリエーテル樹脂粒子;アクリル樹脂粒子;アクリル−シリコーン樹脂粒子;フッ素系樹脂等の縮合系合成樹脂粒子;ポリオレフィン樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリビニルアルコール系樹脂粒子、ポリビニルエステル系樹脂粒子、ポリアクリル酸系樹脂粒子、不飽和カルボン酸系樹脂等の付加系合成樹脂粒子;セルロース類、ロジン類、天然ゴム等の天然高分子などが挙げられる。これらは、2種以上を併用して用いてもよい。
添加する樹脂粒子のうちの一つは、これらの樹脂粒子の中でも、インクの分散安定性と高光沢性の点から、ポリウレタン樹脂粒子が好ましい。造膜性が高まることから良好な乾燥性が得られ、効果的に色にじみを抑制することができる。
前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
<<ポリウレタン樹脂粒子>>
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、特に制限はなく、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂粒子などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリエーテルポリオール−
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
前記出発原料としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、非常に優れた耐擦過性を付与できるインク用バインダーを得る点から、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリカーボネートポリオール−
また、前記ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリエステルポリオール−
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、これらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に、ポスターや看板などの屋外向けの用途として用いる場合は、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが好ましい。
更に、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを使用することにより、画像を形成した場合に塗膜強度、及び耐擦過性を得ることができるので好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
<<ポリウレタン樹脂粒子の製造方法>>
ポリウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記その他の活性水素基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類;水などが挙げられる。これらは、インクの保存安定性が低下しない範囲内であれば、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、高光沢性の点から、ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子が好ましい。前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子である場合、屋外用途のような過酷な環境において使用される記録物にも高光沢性を維持するインクが得られる。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、市販品を使用してもよく、例えば、ユーコートUX−485(ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子)、ユーコートUWS−145(ポリエステル系ウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−368T(ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−200(ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子)(以上、三洋化成工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に、インクジェット印刷装置に使用することを考慮すると、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径が10nm以上1,000nm以下の樹脂粒子を用いることで、インクを循環させる循環手段を有するインク吐出装置に用いた場合に、優れたインク供給性や吐出信頼性を得られると共に、印刷媒体など被印刷物上でインクが乾燥する過程で樹脂粒子が有機溶剤に溶解しやすく、樹脂の広がりの効果を得やすいことから高光沢の画像を形成しやすい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
インク中に樹脂粒子を含有する場合、前記樹脂粒子の合計含有量としては、インク全量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、5質量%以上12質量%以下、2質量%以上10質量%以下がより好ましい。
1質量%以上であると、メニスカスに皮膜形成がされにくいため良好な吐出が可能となる。15質量%以下であると、特に成膜しやすく、良好な吐出が可能となり印刷の高速化につながる。
<水>
本発明の印刷装置には、水を含まない溶剤インクを用いることも可能であるが、環境に影響を与えない安全性の高いインクとして、水を含む水性インクを用いることも可能である。水性インクに用いる水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水;超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の含有量としては、インク全量に対して、15質量%以上60質量%以下が好ましい。前記含有量が、15質量%以上であると、高粘度になることを防止し、吐出安定性を向上でき、60質量%以下であると、非浸透性基材への濡れ性が好適となり、画像品位を向上できる。
<色材>
・ホワイトインク(白色インク、白インクと同義である)
ホワイトインクの白色度の基準としては、ISO−2469(JIS−8148)があり、一般的にはその値が70以上の場合、白色の色材として用いられる。
ホワイトインクに用いる色材としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、チタン酸鉄(鉄とチタンの複合酸化物)、樹脂中空粒子、無機中空粒子等を挙げることができる。
・プロセスカラーインク、特色インク(非白色インクと同義である)
プロセスカラーインク、特色インクとしては、カラーインク、黒色インク、灰色インク、クリアインク、メタリックインクなど、非白色インクを用いることができる。
なお、前記クリアインクとは、着色剤を含まず、主に樹脂粒子、有機溶剤及び水からなるインクを意味する。
前記カラーインクとしては、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、オレンジインク、バイオレットインクなどが挙げられる。
前記非白色インクに用いられる色材としては、非白色を呈するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、染料、顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、顔料が好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
前記無機顔料として、例えば、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
前記顔料としては、黒色用としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、カラー用としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289;C.I.アシッドブルー9、45、249;C.I.アシッドブラック1、2、24、94;C.I.フードブラック1、2;C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173;C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227;C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202;C.I.ダイレクドブラック19、38、51、71、154、168、171、195;C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249;C.I.リアクティブブラック3、4、35などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタリックインクに用いる色材としては、例えば、金属単体、合金、又は金属化合物を微粉砕してなる微粉末であり、より具体的には、アルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、チタン、シリコン、銅、又はプラチナよりなる一群の金属単体の何れか1種類若しくは複数よりなるものであって、又はこれらの一群の金属を組み合わせて得られる合金であって良く、又はこれらの一群の金属単体若しくは合金の酸化物、窒化物、硫化物、又は炭化物の何れか1種類若しくは複数、を微粉砕して得られるものである
その他、顔料(例えば、カーボンブラック)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料などが使用できる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、前記顔料を水中に分散可能なもの、すなわち、顔料粒子を含有させた樹脂粒子であってもよい。
この場合、インクに含有される顔料としては、すべて樹脂粒子に封入又は吸着されている必要はなく、効果が損なわれない範囲において、前記顔料がインク中に分散していてもよい。
前記顔料の数平均粒径としては、特に制限はなく、最大個数換算で最大頻度は20nm以上150nm以下が好ましい。数平均粒径が、20nm以上であると、分散操作、分級操作が容易になり、150nm以下であると、インク組成物としての顔料分散安定性が良くなるばかりでなく、吐出安定性にも優れ、画像濃度などの画像品質も高くなり好ましい。
前記数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
分散剤を用いて顔料を分散する場合には、従来公知のものであればいずれも使用することができ、例えば、高分子分散剤、水溶性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<界面活性剤>>
前記界面活性剤は、印刷媒体への濡れ性を確保するために含有することができる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分散安定性、及び画像品質の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
また、組成によってはフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を併用又は単独使用することできる。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<インクの製造方法>
前記インクの製造方法としては、例えば、水、有機溶剤、上記一般式(1)で表される化合物、樹脂粒子、及び必要に応じて、その他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜撹拌混合して製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
<粘度>
前記インクの粘度としては、印刷媒体に記録した場合の文字品位等の画像品質の点から、25℃で、2mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。 前記粘度が、2mPa・s以上であると、吐出安定性を向上できる。
(インクカートリッジ)
前記インクカートリッジは、プロセスカラーインク、特色インク、ホワイトインクを容器中に収容するインクカートリッジを含む。
前記インクカートリッジとしては、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて、その形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが挙げられる。
<記録物>
記録物は、印刷媒体上に、前記インクにより記録された画像を有する。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性メディアを用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性メディアとは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性メディアとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<<ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションの調製>>
攪拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物(数平均分子量(Mn):1200)1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」とも称することがある)220g、及びN−メチルピロリドン(以下、「NMP」とも称することがある)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4,340gを抜き出して、強攪拌下、水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションを得た。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションを用いて、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度は55℃であった。
<<ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションの調製>>
温度計、窒素ガス導入管、及び攪拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)100.2質量部、2,2―ジメチロールプロピオン酸15.7質量部、イソホロンジイソシアネート48.0質量部、有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1質量部を、触媒としてジブチルスズジレウレート(以下、「DMTDL」とも称することがある)0.06質量部を使用し反応させた。
前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7質量部を供給し、更に反応を継続した。
前記反応物の平均分子量が20,000以上60,000以下の範囲に達した時点で、メタノール1.4質量部を投入し前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4質量部加えることで前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3質量部を加え十分に攪拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分30質量%のポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションを得た。
前記ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションの調製例1と同様にして「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度は43℃であった。
<<ポリエステル系ウレタン樹脂エマルションの調製>>
ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)を、ポリエステルポリオール(「ポリライトOD−X−2251」DIC株式会社製、平均分子量:2,000)に変更した以外は、前記ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションの調製例2と同様にして、固形分30質量%のポリエステル系ウレタン樹脂エマルションを得た。
前記ポリエステル系ウレタン樹脂エマルションについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションの調製と同様にして「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度は74℃であった。
<顔料分散液の調製>
<<ブラック顔料分散液の調製>>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散液を得た(顔料固形分濃度:15質量%)。
カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製):15質量部
アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製):2質量部
イオン交換水:83質量部
<<シアン顔料分散液の調製>>
カーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、ブラック顔料分散液の調製例1と同様にして、シアン顔料分散液を得た(顔料固形分濃度:15質量%)。
<<マゼンタ顔料分散液の調製>>
カーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、ブラック顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液を得た(顔料固形分濃度:15質量%)。
<<イエロー顔料分散液の調製>>
カーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、ブラック顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液を得た(顔料固形分濃度:15質量%)。
<<ホワイト顔料分散液の調製>>
酸化チタン(商品名:STR−100W、堺化学工業株式会社製)25質量部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5質量部、及びイオン交換水70質量部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、白色顔料分散液を得た(顔料固形分濃度:25質量%)。
(ブラックインク1の調製例)
ブラック顔料分散液20質量%、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルション(固形分濃度30質量%)を樹脂固形分換算で5質量%、1,2−プロパンジオール12質量%、1,2−ブタンジオール5質量%、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(商品名:KJCMPA−100、KJケミカルズ社製)5質量%、フッ素系界面活性剤
ユニダイン DSN−403N(ダイキン工業株式会社製)0.1質量%、防腐剤として商品名:プロキセルLV(アビシア株式会社製)0.1質量%、及び合計100質量%になるように高純水を残量添加して、混合攪拌し、平均孔径0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することによりインク1を作製した。
(シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1の調製例)
ブラックインク1の調製例において、表1に記載のインクの組成、及びに含有量に変更した以外は、ブラックインク1と同様にして、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1を作製した。なお、表1にブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1の組成及び含有量を示す。
*3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(商品名:KJCMPA−100、KJケミカルズ社製、沸点:216℃)
(ホワイトインク1〜8の調製例)
ブラックインク1の調製例において、表2−1及び表2−2に記載のインクの組成、含有量に変更した以外は、ブラックインク1の調製例と同様にして、ホワイトインク1〜8を作製した。なお、表2−1及び表2−2にホワイトインク1〜8の組成及び含有量を示す。
*3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(商品名:KJCMPA−100、KJケミカルズ社製、沸点:216℃)
*3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドB100、出光興産株式会社製、沸点:252℃)
*3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(商品名:KJCMPA−100、KJケミカルズ社製、沸点:216℃)
*3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドB100、出光興産株式会社製、沸点:252℃)
(実施例1〜8)
<印刷>
本発明の印刷装置を用い、図5に示す第1モードで、ホワイトインクで背景画像(第2画像)を先行画像として印刷した後、カラーインクで主画像(第1画像)を後行画像として印刷する第1モード(白先打ち、白下打ち、表刷り)で印刷を行った。
カラーインクとして上記インク(ブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1)を使用し、ホワイトインクとして上記ホワイトインク1〜8を用いた。
記録媒体(被印刷物)としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)(きもと株式会社製、TP−188)を用いた。
<画質(画像の滲み)評価>
印刷速度を最高(10m/h)、高(8m/h)、中(6m/h)、低(4m/h)、及び最低(2m/h)に調整して上記印刷を行い、以下の基準に基づき、画像の滲みについて評価した。結果を表3に示した。
[評価基準]
◎:拡大鏡(×20倍)で確認しても滲みなし
○:目視で滲みなし
△:わずかに滲みあり
×:滲みあり
<吐出信頼性>
インクジェットプリンター(IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)を用いて吐出信頼性を評価した。結果を表3に示した。
まず、得られたホワイトインク1〜8をインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、記録媒体(被印刷物)に対して、ノズルチェックパターンを印刷し「ノズル抜け」が発生していないことを確認した。記録媒体(被印刷物)としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)(きもと株式会社製、TP−188)を用いた。
ノズルチェックパターンを印刷し、発生した「ノズル抜け」をカウントし、下記評価基準に基づき、「吐出信頼性」を評価した。前記評価が△以上であることが実使用上望ましい。なお、前記「ノズル抜け」とは、インクが吐出されず正常にインク画像が描画されないことを意味する。
[評価基準]
○:ノズル抜けが1箇所以下
△:ノズル抜けが2箇所
×:ノズル抜けが3箇所以上
1 ロール体
2 印刷媒体
11 ヘッド
Na〜Ni ノズル列
N1 第1ノズル列
N2 第2ノズル列
N3 第3ノズル列
12 キャリッジ
21 搬送ローラ
25 プラテン部材
41 巻取りロール
101 印刷部
102 搬送部
103 ロール収納部
104 ロール巻取り部
500 制御部
特許第5593799号公報

Claims (18)

  1. 第1液体を吐出するノズル列及び第2液体を吐出するノズル列を有する液体吐出手段と、
    前記第1液体で印刷する第1画像及び前記第2液体で印刷する第2画像のうち、先に印刷する画像を先行画像とし、前記先行画像に重ねて印刷する画像を後行画像とするとき、前記先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更する印刷速度変更手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 1層目の前記第1画像、2層目の前記第2画像、3層目の前記第1画像を重ねて印刷するとき、前記1層目の前記第1画像及び前記2層目の前記第2画像を前記先行画像とし、前記3層目の前記第1画像を前記後行画像として印刷速度を変更する請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記液体付着量は、前記先行画像の単位面積当たりの液体付着量、又は、全印刷領域における前記先行画像の液体付着量である請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷速度の変更は、前記第1液体又は前記第2液体を吐出させるノズルの数及び前記第1液体又は前記第2液体を吐出させないノズルの数の少なくともいずれかを変更して行う請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記第1画像の印刷に使用するノズルの数と前記第2画像の印刷に使用するノズルの数とは、同じ、又は、整数倍の関係にある請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記第2液体を吐出するノズル列のノズルの数が前記第1液体を吐出するノズル列のノズルの数よりも多い請求項1から5のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 前記第2液体を吐出するノズル列は、前記第1液体を吐出するノズル列に対して、前記第1液体を吐出するノズル列の長さの半分以上ノズル配列方向にずれて配置されている請求項1から6のいずれかに記載の印刷装置。
  8. ノズル配列方向において、前記第2液体を吐出するノズル列を挟んで、両側に前記第1液体を吐出するノズル列が配置されている請求項1から6のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 前記第1画像を先行画像とするときの印刷速度が前記第2画像を先行画像とするときの印刷速度よりも速い請求項1から8のいずれかに記載の印刷装置。
  10. 前記第1液体がホワイトインクであり、前記ホワイトインクに含まれる有機溶剤の含有量が15質量%以上35質量%以下である請求項1から9のいずれかに記載の印刷装置。
  11. 前記ホワイトインクが樹脂粒子を含有し、前記樹脂粒子の含有量が2質量%以上10質量%以下である請求項10に記載の印刷装置。
  12. 前記ホワイトインクが、下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項10から11のいずれかに記載の印刷装置。
    (ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
  13. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が3質量%以上12質量%以下である請求項12に記載の印刷装置。
  14. 第1液体を吐出するノズル列及び第2液体を吐出するノズル列を有する液体吐出手段を用いて前記第1及び前記第2液体を吐出する液体吐出工程と、
    前記第1液体で印刷する第1画像及び前記第2液体で印刷する第2画像のうち、先に印刷する画像を先行画像とし、前記先行画像に重ねて印刷する画像を後行画像とするとき、前記先行画像の液体付着量に応じて印刷速度を変更する印刷速度変更工程と、
    を含むことを特徴とする印刷方法。
  15. 前記第1液体がホワイトインクであり、前記ホワイトインクに含まれる有機溶剤の含有量が15質量%以上35質量%以下である請求項14に記載の印刷方法。
  16. 前記ホワイトインクが樹脂粒子を含有し、前記樹脂粒子の含有量が2質量%以上10質量%以下である請求項15に記載の印刷方法。
  17. 前記ホワイトインクが、下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項15から16のいずれかに記載の印刷方法。
    (ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
  18. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が3質量%以上12質量%以下である請求項17に記載の印刷方法。

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