JP2018149703A - 機能性フィルム積層体、及び、機能性フィルムの欠陥検査方法 - Google Patents

機能性フィルム積層体、及び、機能性フィルムの欠陥検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反射方式の欠陥検査の検査精度の向上が可能であり、透過検査にも適用可能な機能性フィルム積層体を提供する。
【解決手段】基材、及び、基材の第1面側に形成された機能性層を有する機能性フィルムと、基材の第2面側に貼合された剥離可能な保護フィルムとを備え、機能性フィルムが、[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たし、保護フィルムが、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす機能性フィルム積層体を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、機能性フィルムと保護フィルムとを備える機能性フィルム積層体、及び、機能性フィルムの欠陥検査方法に係わる。
機能性フィルムの欠陥検査には、金属ロール上を移送される機能性フィルムに対して、投光器から光線を射出し、金属ロール上の機能性フィルムで反射した光線を受光器で検出する反射方式による検査が行われている。このような反射方式による欠陥検査においては、金属ロール表面の反射の影響で、欠陥の検出精度や、検出感度が低下する場合がある。
欠陥検査の感度を向上させる方法として、機能性フィルムの裏面に黒色のラミネートフィルムを貼合する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。黒色のラミネートフィルムを用いることにより、金属ロール表面への光線の照射を防ぎ、特定の欠陥の検出感度を向上させることができる。
特開2011−184770号公報
しかしながら、機能性フィルムの裏面に黒色のラミネートフィルムを貼合する方法では、機能性フィルムとラミネートフィルムとの貼合面に、機能性フィルムとしての性能的には問題ないレベルの極微小の気泡や異物巻き込みがあった場合でも、コントラストの高い画像として検出されるため、誤検出が増加する問題がある。さらに、黒色のラミネートフィルムを貼合する方法では、透過方式の検査が全くできなくなる問題がある。
上述した問題の解決のため、本発明においては、反射方式の欠陥検査の検査精度の向上が可能であり、透過検査にも適用可能な機能性フィルム積層体、及び、反射方式の検査精度の向上が可能な機能性フィルムの検査方法を提供する。
本発明の機能性フィルム積層体は、基材、及び、基材の第1面側に形成された機能性層を有する機能性フィルムと、基材の第2面側に貼合された剥離可能な保護フィルムとを備える。そして、機能性フィルムが、[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たし、保護フィルムが、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす。
また、本発明の機能性フィルムの欠陥検査方法は、基材と、基材の第1面側に形成された機能性層とからなる機能性フィルムの欠陥検査方法であって、基材の第2面側に、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす剥離可能な保護フィルムを貼合し、[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たす機能性フィルムを作製し、機能性層側から反射方式による機能性フィルムの検査を行う。
本発明によれば、反射方式の欠陥検査の検査精度の向上が可能であり、透過検査にも適用可能な機能性フィルム積層体、及び、反射方式の検査精度の向上が可能な機能性フィルムの検査方法を提供することができる。
機能性フィルム積層体の構成を示す図である。 真空プラズマCVD装置の模式図である。 ローラー間放電プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。 正反射光学系の検査装置の模式図である。
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.機能性フィルム積層体の実施の形態
2.機能性フィルムの検査方法
〈1.機能性フィルム積層体の実施の形態〉
機能性フィルム積層体の具体的な実施の形態について説明する。図1に、本実施の形態の機能性フィルム積層体の概略構成図を示す。
図1に示す機能性フィルム積層体10は、機能性フィルム20と、保護フィルム30とから構成される。具体的には、機能性フィルム20は、基材21と機能性層22とを有する。機能性層22は、基材21の一方の面(第1面、又は、表面)側を覆うように形成されている。また、保護フィルム30は、粘着層32と保護基材31とから構成される。粘着層32は、保護基材31の一方の面(第1面、又は、表面)側を覆うように形成されている。機能性フィルム20の基材21の他方の面(第2面、又は、裏面)側に、粘着層32を介して保護基材31が貼合されている。
また、保護フィルム30は、機能性フィルム20の基材21から剥離可能なように貼合されている。このため、機能性フィルム積層体10は、機能性フィルム20の基材21と、保護フィルム30の粘着層32との間において、保護フィルム30と機能性フィルム20との剥離が可能である。
機能性フィルム積層体10において、機能性フィルム20は、[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たす。また、機能性フィルム積層体10において、保護フィルム30は、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす。なお、透過率、及び、反射率は、波長500nmの光に対する値で規定する。
基材21の裏面側に、上記透過率及びヘイズを満たす保護フィルム30を貼合することにより、機能性フィルム20に対する欠陥検査の精度が向上する。これは、反射方式の欠陥検査において、金属ロール表面の反射の影響が軽減するためだと考えられる。
例えば、機能性フィルム20の透明性が高い場合には、機能性フィルム20における検査光の反射だけでなく、機能性フィルム積層体10の裏面側に配置される金属ロール表面での反射光も検出部(受光部)に捕捉される。このため、機能性フィルム20単独では、金属ロール表面の凹凸等による反射光の強度変化が、機能性フィルム20の欠陥による反射光の強度変化とともに、欠陥として検出されてしまう。
そこで、機能性フィルム20の裏面側に、保護フィルム30を貼合することにより、金属ロール表面の反射光の強度変化を、欠陥として検出されにくくなるように調整する。具体的には、保護フィルム30のヘイズを上記範囲とし、保護フィルム30で金属ロールからの反射光をある程度散乱させる。これにより、金属ロールからの反射光が機能性フィルム20に到達する前に散乱されるため、金属ロール表面の反射光の強度変化が、機能性フィルム20側の欠陥で発生する反射光の強度変化に影響を与え難くなる。
保護フィルム30のヘイズが上記範囲より小さいと、裏面側の金属ロールからの反射光が、十分に拡散されずに欠陥として検知される程度の強度変化を維持したまま、機能性フィルム20での反射光と一緒に検査装置の受光部に入射する。このため、金属ロールからの反射光に強度の変化があると、金属ロールからの反射光の強度変化がそのまま欠陥として検出されてしまう。
一方、保護フィルム30のヘイズを上記範囲内であれば、金属ロールからの反射光の強度変化があっても、金属ロールからの反射光が保護フィルム30で散乱され、反射光の強度変化がなだらかになる。このため、金属ロールからの反射光が、欠陥として検出されにくくなる。
また、保護フィルム30は、機能性フィルム20の裏面側に配置されているため、保護フィルム30のヘイズが上記範囲内であれば、機能性フィルム積層体10の表面側における、機能性層22の表面や機能性層22と基材21との界面における反射は散乱されない。しかし、保護フィルム30のヘイズが上記範囲よりも大きいと、機能性フィルム20の欠陥で発生する反射光の強度変化に対しても、散乱光が強く加算され、機能性フィルム20の欠陥で発生する反射光の強度変化がなだらかになり、例えば、欠陥箇所における強度変化箇所の輪郭がぼやけるため、欠陥が検出されにくくなる。
また、保護フィルム30のヘイズが上記範囲内であり、且つ、透過率が上記範囲内であれば、機能性フィルム積層体10に対して透過方式の検査を行うことができる。
透過検査では、機能性フィルム積層体10に光を透過させ、透過した光の変化により機能性フィルム20の欠陥を検出する。このため保護フィルム30の透過率が小さすぎると、機能性フィルム積層体10を透過する光の光量が小さくなり、欠陥の検出が困難になる。
また、保護フィルム30のヘイズが高すぎると、透過光が散乱しすぎるため、欠陥において発生する透過光の強度変化がなだらかになり、欠陥箇所とその周囲との透過高強度の差が小さくなるため、欠陥の検出が困難になる。
機能性フィルム20において、[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]の規定は、機能性フィルム20の光の吸収が小さいことを意味する。機能性フィルム20において、フィルム積層体内での吸収が無ければ、全体として透明になりやすい。
機能性フィルム20内で光の吸収が大きいと、透過方式の検査において、透過光の光量が小さくなり、欠陥箇所とその周囲との透過高強度の相対的な差が小さくなるため、欠陥の検出が困難になる。このため、透過方式の検査においては、機能性フィルム20の透過率が高い方が好ましい。透過率が高いほど、透過光に対する欠陥箇所の強度変化が顕著に表れやすく、欠陥の検査精度が向上する。
また、機能性フィルム20は、空気界面とでの反射が少ない方が好ましい。空気界面での反射が小さい方が、反射方式の欠陥検査において、欠陥での強度変化が検出しやすい。また、機能性フィルム20の積層界面における反射も、同様に小さい方が好ましい。
さらに、上記範囲内となる吸収が小さい機能性フィルム20においては、反射率が小さくなれば、透過率が高くなることを意味する。このため、機能性フィルム20の透明性を高める意味でも、機能性フィルム20の反射率が小さくことが好ましい。例えば、反射率(%)が透過率(%)よりも小さいことが好ましい。
機能性フィルム積層体10、機能性フィルム20及び保護フィルム30において、透過率、反射率の測定は、分光光度計(例えば、U4100;日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、公知の方法で測定することができる。ヘイズ値の測定は、ヘイズメータ(例えば、NDH−5000;日本電色工業社製)を用いて測定することができる。
以下、機能性フィルム積層体10の各構成について説明する。なお、以下の説明は、機能性フィルム積層体10の構成の一例であり、これらに限定されない。また、機能性フィルム積層体10は、これら以外の構成を有していてもよい。
[機能性フィルム]
機能性フィルム20は、基材21と、基材21の一方の面(第1面、表面)側に形成された機能性層22とを備える。機能性フィルム20は、[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たすことができれば、基材21及び機能性層22に用いられる材料は特に限定されない。また、機能性フィルム20は、機能性層22が所望の機能を有し、基材21から保護フィルム23が剥離可能であれば、各構成に用いられる材料は特に限定されない。
[基材]
機能性フィルム積層体10の機能性フィルム20に用いられる基材21としては、例えば、樹脂フィルム等が挙げられる。樹脂フィルムは、バリア層等の機能性層を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。樹脂フィルムとしては、従来公知の樹脂フィルムを用いることができる。基材21は、複数の材料から形成されていてもよい。樹脂フィルムとしては、特開2013−226758号公報の段落[0124]〜[0136]、国際公開第2013/002026号の段落[0044]〜[0047]等に記載された樹脂フィルムを挙げることができる。
基材21として用いることができる樹脂フィルムのより好ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリシクロオレフィン(COP)が挙げられる。
基材21は、機能性フィルム20が[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たすように、光の吸収が少なく、ヘイズが小さいことが好ましい。このため、一般的に光学フィルムに適用される基材から、機能性フィルム20として上記範囲を実現可能な樹脂フィルムを、適宜選択して用いることができる。
基材21は、樹脂フィルムが単独、又は、複数用いられていてもよく、複数の層から形成されていてもよい。基材21は、枚葉形状及びロール形状に限定されないが、生産性の観点からロールトゥロール方式でも対応できるロール形状が好ましい。また、基材21の厚さは、特に制限されないが、5〜500μm程度が好ましい。
[機能性層]
機能性層22としては、例えば、バリア層、保護層、平滑層、ブリードアウト層、アンカーコート層、デシカント層等が挙げられる。これらの層は、基材21上に単層の機能性層22として形成されていてもよく、複数層からなる機能性層22として形成されていてもよい。
特に、機能性フィルム20は、機能性層22として、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア層を備えることが好ましい。
[バリア層]
機能性層22を構成するバリア層としては、バリア性を有する層であれば、特に限定されることなく、従来公知の構成を適用することができる。例えば、一般的な無機化合物の気相成膜により形成されたバリア層や、ケイ素化合物を含む塗布液を用いて湿式塗布法によって形成されたバリア層、遷移金属を含むバリア層等が挙げられる。
[バリア層;気相成膜]
無機化合物の気相製膜によって形成されたバリア層(以下、気相成膜バリア層ともいう)は、無機化合物を含む。当該無機化合物としては、特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物または金属酸炭化物が挙げられる。無機化合物としては、ガスバリア性能の点で、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce及びTaから選ばれる1種以上の金属を含む、酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物又は酸炭化物等が好ましい。好適な無機化合物として具体的には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、及び、アルミニウムシリケート等の複合体が挙げられる。無機化合物を含むバリア層は、副次的な成分として、上記の無機化合物以外の元素を含有してもよい。
気相成膜バリア層のガスバリア性は、基材上に上記バリア層を形成した積層体において算出する水蒸気透過率(WVTR)が、0.1g/(m・day)以下であることが好ましい。
気相成膜バリア層の膜厚は、特に制限されないが、5〜1000nmであること好ましい。このような範囲であれば、高いガスバリア性能、折り曲げ耐性、断裁加工適性に優れる。また、気相成膜バリア層は2層以上から構成されてもよい。
気相成膜バリア層を形成するための気相製膜方法としては、特に限定されない。既存の薄膜堆積技術を利用することができる。例えば、従来公知の蒸着法、反応性蒸着法、スパッタ法、反応性スパッタ法、化学気相成長法等の気相製膜法を用いることができる。これらの気相成膜法によるバリア層は、公知の条件を適用して作製することができる。
例えば、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)は、基材上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、基材表面又は気相での化学反応により膜を堆積する方法である。また、化学反応を活性化する目的で、プラズマを発生させる方法等があり、熱CVD法、触媒化学気相成長法、光CVD法、プラズマを励起源としたプラズマCVD法(PECVD法)である真空プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法等の公知のCVD法が挙げられる。特に、PECVD法が好ましい方法である。以下、化学気相成長法の好ましい手法として、真空プラズマCVD法について詳しく説明する。
[真空プラズマCVD法]
真空プラズマCVD法は、プラズマ源を搭載した真空容器に材料ガスを流入させ、電源からプラズマ源に電力供給する事で真空容器内に放電プラズマを発生させ、プラズマで材料ガスを分解反応させ、生成された反応種を基材に堆積させる方法である。真空プラズマCVD法により得られる気相成膜バリア層は、原材料である金属化合物、分解ガス、分解温度、投入電力等の条件を選ぶことで、目的の化合物を製造できるため好ましい。
原材料の化合物としては、ケイ素化合物、チタン化合物、及び、アルミニウム化合物等のケイ素を含む化合物及び金属を含む化合物を用いることが好ましい。これら原材料の化合物は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いてもよい。
これらの、ケイ素化合物、チタン化合物、及び、アルミニウム化合物として、従来公知の化合物を用いることができる。例えば、公知の化合物としては特開2013−063658号公報の段落[0028]〜[0031]、特開2013−047002号公報の段落[0078]〜[0081]等に記載された化合物を挙げることができる。好ましくは、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、等が挙げられる。
また、これらの金属を含む原料ガスを分解して無機化合物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、及び、水蒸気等が挙げられる。また、上記分解ガスを、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスと混合して用いてもよい。原材料の化合物を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで所望の気相成膜バリア層を得ることができる。
(真空プラズマCVD装置)
以下、好適な形態である真空プラズマCVD法について具体的に説明する。図2に、真空プラズマCVD法に適用される、真空プラズマCVD装置の模式図の一例を示す。
図2に示す真空プラズマCVD装置40は、真空槽42を有しており、真空槽42の内部の底面側には、サセプタ44が配置されている。サセプタ44上には、アノード電極41が配置されている。また、真空槽42の内部の天井側には、サセプタ44と対向する位置にカソード電極43が配置されている。真空槽42の外部には、熱媒体循環系46と、真空排気系47と、ガス導入系48と、高周波電源49が配置されている。熱媒体循環系46内には熱媒体が配置されている。熱媒体循環系46には、熱媒体を移動させるポンプと、熱媒体を加熱する加熱装置と、冷却する冷却装置と、熱媒体の温度を測定する温度センサと、熱媒体の設定温度を記憶する記憶装置とを有する加熱冷却装置45が設けられている。
加熱冷却装置45は、熱媒体の温度を測定し、熱媒体を記憶された設定温度まで加熱または冷却し、サセプタ44に供給するように構成されている。図2に記載の真空プラズマCVD装置40の詳細は、国際公開第2012/090644号の段落[0080]〜[0098]等を参照することができる。
[真空プラズマCVD法:ロールトゥロール]
次に、真空プラズマCVD装置の別の形態として、ロールトゥロール(Roll to Roll)方式によるバリア層の成膜方法について説明する。ロールトゥロール方式によって成膜されるバリア層は、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子を含有し、層厚方向に組成が連続的に変化し、下記要件(1)及び(2)を同時に満たすことが好ましい。
(1)バリア層において、X線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、当該バリア層の層厚方向におけるバリア層表面からの距離と、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量(100at%)に対する炭素原子の量の比率(炭素原子比率(at%))との関係を示す炭素分布曲線が、極値を有し、炭素分布曲線の炭素原子比率の最大の極値(極大値)と最小の極値(極小値)との差が3at%以上である。
(2)バリア層の全層厚の90%以上の領域において、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量(100at%)に対する各原子の平均原子比率が、下記式(A)又は(B)で表される序列の大小関係を有する。
式(A):(炭素平均原子比率)<(ケイ素平均原子比率)<(酸素平均原子比率)
式(B):(酸素平均原子比率)<(ケイ素平均原子比率)<(炭素平均原子比率)
なお、バリア層と基材との界面領域における測定精度は、基材の構成原子のノイズ等でやや精度が低下するため、上記要件(2)においては、バリア層の全層厚の90〜95%の範囲内の領域で下記式(A)又は式(B)で規定する関係を満たすことが好ましい。ここで、バリア層の膜厚の少なくとも90%以上とは、バリア層中で連続していなくてもよく、単に90%以上の部分で下記式(A)又は式(B)で規定する関係を満たしていればよい。
(X線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定)
バリア層内における炭素原子の含有比率の平均値は、以下のXPSデプスプロファイルの測定によって求めることができる。
バリア層の層厚方向におけるケイ素分布曲線、酸素分布曲線、及びケイ素分布曲線等は、X線光電子分光法(XPS:Xray Photoelectron Spectroscopy)の測定と、アルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、試料内部を露出させつつ順次表面組成分析を行う、いわゆるXPSデプスプロファイル測定により作成することができる。このようなXPSデプスプロファイル測定により得られる分布曲線は、例えば、縦軸を各元素の原子比(単位:at%)とし、横軸をエッチング時間(スパッタ時間)として作成することができる。なお、このように横軸をエッチング時間とする元素の分布曲線においては、エッチング時間が、バリア層の層厚方向におけるバリア層の表面からの距離におおむね相関する。このため、XPSデプスプロファイル測定の際に採用したエッチング速度とエッチング時間との関係から算出される、バリア層の表面からの距離を「バリア層の層厚方向におけるバリア層の表面からの距離」として採用することができる。また、このようなXPSデプスプロファイル測定に際して採用するスパッタ法としては、以下の測定条件とすることが好ましい。
(測定条件)
エッチングイオン種:アルゴン(Ar
エッチング速度(SiO熱酸化膜換算値):0.05nm/sec
エッチング間隔(SiO換算値):10nm
X線光電子分光装置:Thermo Fisher Scientific社製、機種名"VG Theta Probe"
照射X線:単結晶分光AlKα
X線のスポットおよびそのサイズ:800×400μmの楕円形
炭素分布曲線は実質的に連続であることが好ましい。ここで、炭素分布曲線が実質的に連続とは、具体的には、エッチング速度とエッチング時間とから算出されるバリア層のうちの少なくとも1層の膜厚方向における該バリア層の表面からの距離(x、単位:nm)と、炭素の原子比(C、単位:at%)との関係において、[(dC/dx)≦0.5]で表される条件を満たすことをいう。
(バリア層における炭素元素プロファイル)
バリア層は、バリア層の構成元素として炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子を含む。そして、層厚方向に組成が連続的に変化し、X線光電子分光法による深さ方向の元素分布測定に基づく各構成元素の分布曲線のうち、炭素分布曲線が、上記要件(1)を満たす。また、炭素原子比率がバリア層の特定の領域において、濃度勾配を有して連続的に変化する構成を有することが、ガスバリア性と屈曲性を両立する観点から好ましい。
このような炭素原子分布プロファイルを有するバリア層においては、層内における炭素分布曲線が少なくとも1つの極値を有し、更に、少なくとも2つの極値を有することがより好ましく、少なくとも3つの極値を有することが特に好ましい。炭素分布曲線が極値を有すると、得られるバリア層のフィルムを屈曲させた場合におけるガスバリア性が十分発揮できる。また、少なくとも2つ又は3つの極値を有する場合においては、炭素分布曲線が有する1つの極値とこれに隣接する極値との厚さ方向の距離の差の絶対値が200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、75nm以下であることが特に好ましい。
なお、上記分布曲線の極値とは、バリア層の厚さ方向において、バリア層の表面からの距離に対する元素の原子比率の極大値又は極小値である。極大値とは、バリア層の表面からの距離を変化させた場合に元素の原子比率の値が増加から減少に変わる変曲点であり、且つ、その変曲点の位置から厚さ方向に4〜20nm変化させた位置の元素の原子比率の値が3at%以上減少する点のことをいう。また、極小値とは、バリア層の表面からの距離を変化させた場合に元素の原子比の値が減少から増加に変わる変曲点であり、且つ、その変曲点の位置から厚さ方向に4〜20nm変化させた位置の元素の原子比率の値が3at%以上増加する点のことをいう。すなわち、極大値及び極小値は、厚さ方向の位置を4〜20nmの範囲で変化させた際に、いずれかの範囲で元素の原子比の値が3at%以上減少又は増加する点である。
(バリア層における各元素プロファイル)
バリア層においては、構成元素として炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子を含有することを特徴とするが、それぞれの原子の比率と、最大値及び最小値についての好ましい態様を、以下に説明する。
(炭素原子比率の最大値と最小値の関係)
バリア層では、炭素分布曲線における炭素原子比率の最大の極値(極大値)と最小の極値(極小値)の差が3at%以上であることが好ましく、5at%以上であることがより好ましい。炭素原子比率の最大値及び最小値の差を3at%以上とすることにより、作製したバリア層を屈曲させた際のガスバリア性が十分得られる。最大値及び最小値の差が5at%以上であれば、得られるバリア層のフィルムを屈曲させた場合におけるガスバリア性がより向上する。
(酸素原子比率の最大値と最小値の関係)
バリア層においては、酸素分布曲線における最大の極値(極大値)と最小の極値(極小値)の差の絶対値が3at%以上であることが好ましく、5at%以上であることがより好ましい。
(ケイ素原子比率の最大値と最小値の関係)
バリア層においては、ケイ素分布曲線における最大の極値(極大値)と最小の極値(極小値)の差の絶対値が10at%未満であることが好ましく、5at%未満であることがより好ましい。極値(極大値)と最小の極値(極小値)の差が10at%未満であれば、得られるバリア層のガスバリア性及び機械的強度が得られる。
また、膜面全体の均一性やガスバリア性を向上させるためには、バリア層が膜面方向(バリア層の表面に平行な方向)で実質的に一様であることが好ましい。バリア層が膜面方向において実質的に一様とは、XPSデプスプロファイル測定によりバリア層の膜面の任意の2箇所の測定箇所について酸素分布曲線、炭素分布曲線、及び、酸素−炭素合計の分布曲線を作成した場合に、その任意の2箇所の測定箇所において得られる炭素分布曲線が持つ極値の数が同じであり、それぞれの炭素分布曲線における炭素の原子比率の最大値及び最小値の差の絶対値が、互いに同じであるか、又は、5at%以内の差であることをいう。
バリア層では、上記要件(1)及び(2)を同時に満たすバリア層を少なくとも1層備えることが好ましいが、そのような条件を満たす層を、2層以上を備えていてもよい。さらに、バリア層を2層以上備える場合には、複数のバリア層の材質は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、ケイ素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線において、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対するケイ素原子比率は、19〜40at%の範囲であることが好ましく、30〜40at%の範囲であることがより好ましい。また、バリア層中におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する酸素原子比率は、33〜67at%の範囲であることが好ましく、41〜62at%の範囲であることがより好ましい。さらに、バリア層中におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する炭素原子比率は、1〜19at%の範囲であることが好ましく、3〜19at%の範囲であることがより好ましい。
上記したバリア層のその他の構成については、国際公開第2012/046767号の段落[0025]〜[0047]、特開2014−000782号公報の段落[0029]〜[0040]等に記載された構成を適宜参照及び採用することができる。
(バリア層の厚さ)
バリア層の厚さは、5〜1000nmの範囲内であることが好ましく、10〜800nmの範囲内であることより好ましく、100〜500nmの範囲内であることが特に好ましい。バリア層の厚さが範囲内であれば、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性等のガスバリア性に優れ、屈曲された状態でも良好なガスバリア性が得られる。さらに、バリア層の厚さの合計値が範囲内であると、上記効果に加えて所望の平面性を実現することができる。
(バリア層の形成方法)
上記要件(1)及び(2)を同時に満たすバリア層を形成する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができるが、例えば、国際公開第2012/046767号の段落[0049]〜[0069]等に記載の方法を参照することができる。
また、緻密に元素分布が制御させたバリア層を形成することができる観点からは、有機ケイ素化合物を含む原料ガスと酸素ガスとを用いて、磁場を印加したローラー間に放電空間を有する放電プラズマ化学気相成長法により形成する方法が好ましい。
より詳しくは、磁場を印加したローラー間放電プラズマ処理装置を用い、基材を一対の成膜ローラーに巻き回し、この一対の成膜ローラー間に成膜ガスを供給しながらプラズマ放電する、プラズマ化学気相成長法でバリア層を形成することが好ましい。また、このように一対の成膜ローラー間に磁場を印加しながら放電する際には、一対の成膜ローラー間の極性を交互に反転させることが好ましい。このように、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラー上に基材を巻き回して、かかる一対の成膜ローラー間にプラズマ放電することにより、基材と成膜ローラーとの間の距離が変化し、プラズマ強度が異なることによって、炭素原子比率が濃度勾配を有し、かつ層内で連続的に変化するようなバリア層を形成することが可能となる。
また、成膜時に一方の成膜ローラー上に存在する基材の表面部分を成膜しつつ、かつ、もう一方の成膜ローラー上に存在する樹脂基材の表面部分も同時に成膜することが可能となる。すなわち、成膜効率を倍にでき、且つ、同じ構造の膜が成膜されるため、炭素分布曲線の極値を倍増させることが可能となり、効率よく上記要件(1)及び(2)を同時に満たすバリア層を形成することが可能となる。
(ローラー間放電プラズマCVD装置)
上述のプラズマCVD法によりバリア層を製造する際に用いることができる成膜装置としては特に制限されないが、例えば、図3に示す製造装置を用いた場合には、プラズマCVD法を利用しながら、ロールトゥロール方式でバリア層を製造することができる。以下、図3を参照しながら、バリア層の製造方法についてより詳細に説明する。なお、図3は、バリア層の製造において好適に利用することができる磁場を印加したローラー間放電プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。
図3に示す磁場を印加したローラー間放電プラズマCVD装置(以下、単にプラズマCVD装置ともいう。)50は、主には、繰り出しローラー51と、搬送ローラー52、搬送ローラー54、搬送ローラー55及び搬送ローラー57と、成膜ローラー53及び成膜ローラー56と、成膜ガス供給管59と、プラズマ発生用電源63と、成膜ローラー53,56の内部に設置された磁場発生装置61及び磁場発生装置62と、巻取りローラー58とを備えている。また、このようなプラズマCVD製造装置においては、少なくとも成膜ローラー53,56と、成膜ガス供給管59と、プラズマ発生用電源63と、磁場発生装置61,62とが、図示を省略した真空チャンバー内に配置されている。また、図3においては、成膜ローラー53,56にプラズマ発生用電源63に接続された電極ドラムが設置される。更に、このようなプラズマCVD製造装置において、真空チャンバー(不図示)は、真空ポンプ(不図示)に接続されており、この真空ポンプにより真空チャンバー内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
このようなプラズマCVD製造装置においては、一対の成膜ローラー(成膜ローラー53と成膜ローラー56)を一対の対向電極として機能させることが可能となるように、各成膜ローラーがそれぞれプラズマ発生用電源63に接続されている。対の成膜ローラーに、プラズマ発生用電源63より電力を供給することにより、成膜ローラー53と成膜ローラー56との間の空間に放電し、プラズマを発生させることができる。このようなプラズマCVD製造装置においては、一対の成膜ローラー53,56は、その中心軸が同一平面上において略平行となるようにして配置することが好ましい。このようにして、一対の成膜ローラー53,56を配置することにより、成膜レートを倍にでき、尚かつ、同じ構造の膜を成膜できる。
また、成膜ローラー53及び成膜ローラー56の内部には、成膜ローラーが回転しても回転しないようにして固定された磁場発生装置61及び磁場発生装置62がそれぞれ設けられている。
さらに、成膜ローラー53及び成膜ローラー56としては、適宜公知のローラーを用いることができ、より効率よく薄膜を形成することができる観点から、直径が同一のものを使うことが好ましい。また、このようなプラズマCVD製造装置に用いる繰り出しローラー51及び搬送ローラー52,54,55,57としては、公知のローラーを適宜選択して用いることができる。また、巻取りローラー58も、バリア層を形成した基材60を巻き取ることが可能なものであればよく、特に制限されず、適宜公知のローラーを用いることができる。
成膜ガス供給管59としては、原料ガス及び酸素ガスを所定の速度で供給又は排出することが可能なものを適宜用いることができる。さらに、プラズマ発生用電源63としては、従来公知のプラズマ発生装置の電源を用いることができる。このようなプラズマ発生用電源63としては、効率よくプラズマCVD法を実施することが可能となることから、一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが可能なもの(交流電源など)を利用することが好ましい。また、このようなプラズマ発生用電源63としては、印加電力を100W〜10kWの範囲とすることができ、かつ交流の周波数を50Hz〜500kHzの範囲とすることが可能なものであることがより好ましい。また、磁場発生装置61,62としては、適宜公知の磁場発生装置を用いることができる。
図3に示すプラズマCVD装置50を用いて、例えば、原料ガスの種類、プラズマ発生装置の電極ドラムの電力、磁場発生装置の強度、真空チャンバー内の圧力(減圧度)、成膜ローラーの直径、樹脂基材の搬送速度等を適宜調整することにより、所望のバリア層を製造することができる。
図3に示すプラズマCVD装置50において、成膜ガス(原料ガス等)を真空チャンバー内に供給し、一対の成膜ローラー53,56間に、磁場を発生させながらプラズマ放電を行うことにより、成膜ガス(原料ガス等)がプラズマによって分解され、成膜ローラー53が保持する基材60の表面上、及び、成膜ローラー56が保持する基材60の表面上に、バリア層が形成される。なお、このような成膜に際しては、基材60が繰り出しローラー51、搬送ローラー52,54,55,57、巻取りローラー58、及び、成膜ローラー53、56等で搬送されることにより、ロールトゥロール方式の連続的な成膜プロセスでバリア層を形成することができる。
(原料ガス)
プラズマ化学気相成長法に用いる成膜ガスとしては、有機ケイ素化合物を含む原料ガスと酸素ガスとを用い、その成膜ガス中の酸素ガスの含有量は、成膜ガス中の有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量以下であることが好ましい。
バリア層の作製に用いる成膜ガスを構成する原料ガスとしては、少なくともケイ素を含有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。バリア層の作製に適用可能な有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、成膜での取り扱い及び得られるバリア層のガスバリア性等の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。また、これらの有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、成膜ガスは、原料ガスの他に反応ガスとして、酸素ガスを含有することができる。酸素ガスは、原料ガスと反応して酸化物等の無機化合物となるガスである。成膜ガスとしては、原料ガスを真空チャンバー内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いてもよい。さらに、成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いてもよい。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや水素ガスを用いることができる。
このような成膜ガスが、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物を含む原料ガスと酸素ガスを含有する場合、原料ガスと酸素ガスの比率としては、原料ガスと酸素ガスとを完全に反応させるために理論上必要となる酸素ガスの量の比率よりも、酸素ガスの比率を過剰にし過ぎないことが好ましい。これについては、例えば、国際公開第2012/046767号等の記載を参照することができる。
(真空度)
真空チャンバー内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5〜100Paの範囲とすることが好ましい。
(ローラー成膜)
図3に示すプラズマCVD装置50を用いたプラズマCVD法においては、成膜ローラー53,56間に放電するために、プラズマ発生用電源63に接続された電極ドラムに印加する電力は、原料ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができる。電極ドラムに印加する電力としては、例えば、0.1〜10kWの範囲内とすることが好ましい。このような範囲の印加電力であれば、パーティクル(不正粒子)の発生も見られず、成膜時に発生する熱量も制御範囲内であるため、成膜時の基材表面温度の上昇による、樹脂基材の熱変形、熱による性能劣化や成膜時の皺の発生もない。
プラズマCVD装置50において、基材60の搬送速度(ライン速度)は、原料ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.25〜100m/minの範囲内とすることが好ましく、0.5〜20m/minの範囲内とすることがより好ましい。ライン速度が範囲内であれば、樹脂基材の熱に起因する皺も発生し難く、形成されるバリア層の厚さも十分に制御可能となる。
[バリア層;湿式塗布]
ケイ素化合物を含む塗布液を用いて湿式塗布法によって形成されたバリア層としては、ポリシラザン化合物を含む塗布液を公知の湿式塗布法により塗布したのち、塗膜に改質処理を行って形成したバリア層が挙げられる。
(ポリシラザン化合物)
バリア層の形成に用いるポリシラザン化合物とは、構造内にケイ素−窒素結合を持つポリマーで、酸窒化ケイ素の前駆体となるポリマーであり、下記一般式(1)の構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2018149703
式中、R、R、及びRは、各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、又はアルコキシ基を表す。
得られるバリア層の膜としての緻密性の観点からは、R、R及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンを用いることが好ましい。その他、ポリシラザンの詳細については、特開2013−255910号公報の段落[0024]〜[0040]、特開2013−188942号公報の段落[0037]〜[0043]、特開2013−151123号公報の段落[0014]〜[0021]、特開2013−052569号公報の段落[0033]〜[0045]、特開2013−129557号公報の段落[0062]〜[0075]、特開2013−226758号公報の段落[0037]〜[0064]等を参照することができる。
ポリシラザンは、有機溶媒に溶解した溶液の状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。ポリシラザン溶液の市販品としては、AZエレクトロニックマテリアルズ社製のNN120−20、NAX120−20、NL120−20等が挙げられる。
(ポリシラザン化合物を用いたバリア層の形成方法)
ポリシラザン化合物を含有する溶液を用いた塗膜は、ポリシラザン化合物と添加元素化合物を含有する溶液を、基材の上等に塗布して形成することができる。塗布液を塗布する方法としては、任意の適切な方法を採用できる。具体的には例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。塗膜の形成方法については、特開2014−151571号公報の段落[0058]〜[0064]、特開2011−183773号公報の段落[0052]〜[0056]等を参照することができる。
(改質処理)
改質処理とは、ポリシラザン化合物の酸化ケイ素または酸化窒化珪素への転化反応をいう。改質処理は、ポリシラザン化合物の転化反応に基づく公知の方法を選ぶことができる。改質処理は、低温で転化反応が可能な、プラズマやオゾンや紫外線を使う転化反応が好ましい。プラズマやオゾンや紫外線を使う転化反応は、従来公知の方法を用いることができる。改質処理は、ポリシラザン化合物含有液の塗膜に、波長200nm以下の真空紫外線(VUV)を照射して行うことが好ましい。
バリア層の厚さは、1〜500nmの範囲が好ましい、より好ましくは10〜300nmの範囲であるが、バリア層全体が改質層であってもよく、改質処理された改質層の厚さが1〜50nm、好ましくは1〜10nmであってもよい。
(真空紫外線光処理)
ポリシラザン化合物を含む塗膜にVUVを照射する工程では、ポリシラザンの少なくとも一部が酸窒化ケイ素へと改質されることが好ましい。VUV照射工程において、ポリシラザン化合物を含む塗膜が受ける塗膜面でのVUVの照度は30〜200mW/cmの範囲であることが好ましく、50〜160mW/cmの範囲であることがより好ましい。VUVの照度を30mW/cm以上とすることで、改質効率を十分に奏することができ、200mW/cm以下では、塗膜への損傷発生率を極めて抑え、基材への損傷も低減させることができる。
ポリシラザン化合物を含む塗膜の表面におけるVUVの照射エネルギー量は、200〜10000mJ/cmの範囲であることが好ましく、500〜5000mJ/cmの範囲であることがより好ましい。VUVの照射エネルギー量を200mJ/cm以上とすることで、ポリシラザンの改質が十分に行われる。また、10000mJ/cm以下とすることにより、過剰改質を抑えてバリア層のクラックや、基材の熱変形の発生を極力抑えることができる。
真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
真空紫外線は、酸素による吸収があるため紫外線照射工程での効率が低下しやすいことから、VUVの照射は、可能な限り酸素濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、VUV照射時の酸素濃度は、10〜10000ppmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは50〜5000ppmの範囲、さらに好ましく80〜4500ppmの範囲、最も好ましくは100〜1000ppmの範囲である。
また、VUV明射時に用いられる、照射雰囲気を満たすガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
これらの改質処理は、例えば、特開2012−086394号公報の段落[0055]〜[0091]、特開2012−006154号公報の段落[0049]〜[0085]、特開2011−251460号公報の段落[0046]〜[0074]等に記載の内容を参照することができる。
(中間層)
バリア層を積層する場合には、各バリア層の間に中間層を設けることが好ましい。中間層としては、ポリシロキサン改質層を適用することが好ましい。ポリシロキサン改質層は、ポリシロキサンを含有した塗布液を湿式塗布法によりバリア層上に塗布して乾燥した後、その乾燥した塗膜に真空紫外光を照射することによって形成することができる。
中間層形成用の塗布液の塗布方法としては、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー法などが挙げられる。真空紫外光としては、上述したポリシラザン化合物の改質処理に用いたVUV照射を用いることが好ましい。
中間層を形成するために用いる塗布液は、主には、ポリシロキサン及び有機溶媒を含有する。中間層の形成に適用可能なポリシロキサンとしては、特に制限はないが、下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンが特に好ましい。
Figure 2018149703
上記一般式(2)において、R〜Rは、各々同一又は異なる炭素数1〜8の有機基を表す。ここで、R〜Rの少なくとも1つの基は、アルコキシ基及び水酸基のいずれかを含む。mは1以上の整数である。
上記一般式(2)において、mが1以上で、かつ、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1000〜20000であるオルガノポリシロキサンが特に好ましい。オルガノポリシロキサンのポリスチレン換算の重量平均分子量が、1000以上であれば、形成する中間層に亀裂が生じ難く、ガスバリア性を維持することができ、20000以下であれば、形成される中間層の硬化が充分となり、そのため得られる中間層として十分な硬度が得られる。
中間層の乾燥膜厚としては、100nm〜10μmの範囲が好ましく、50nm〜1μmであることがより好ましい。中間層の膜厚が100nm以上であれば、十分なガスバリア性を確保することができる。また、中間層の膜厚が10μm以下であれば、中間層形成時に安定した塗布性を得ることができる。
その他、ポリシロキサンの詳細については、特開2013−151123号公報の段落[0028]〜[0032]、特開2013−086501号公報の段落[0050]〜[0064]、特開2013−059927号公報の段落[0063]〜[0081]、特開2013−226673号公報の段落[0119]〜[0139]等を参照することができる。
[バリア層;遷移金属含有層]
また、バリア層としては、遷移金属(M2)含有層と、遷移金属以外の無機元素(M1)含有層との積層形態であることが好ましい。無機材料(M1)含有層としては、上記ケイ素化合物を含む塗布液を用いて湿式塗布法によって形成されたバリア層が好ましい。
遷移金属含有層と遷移金属以外の無機元素含有層との積層形態からなるバリア層は、少なくとも厚さ方向において、無機元素M1及び遷移金属M2を含有する混合領域を有し、混合領域における無機元素M1に対する遷移金属M2の原子数比の値(M2/M1)が、0.02〜49の範囲内にある領域を、厚さ方向に連続して5nm以上有することが好ましい。
さらに、上記バリア層において遷移金属含有層は、第3族〜第11族の遷移金属を主成分aとして含有するA領域と、第12族〜第14族の無機元素を主成分bとして含有するB領域との間に、主成分a及び主成分bに由来する化合物を含有する混合領域を有することが好ましい。
無機元素M1及び遷移金属M2を含有する混合領域では、遷移金属M2と無機元素M1に加えて酸素が含有されていることが好ましい。また、この混合領域は、遷移金属の酸化物と無機元素の酸化物との混合物、又は、遷移金属M2と無機元素M1との複合酸化物の少なくとも一方を含有することが好ましく、遷移金属M2と無機元素M1との複合酸化物を含有することがより好ましい。
(遷移金属(M2)含有層:A領域)
遷移金属(M2)含有層におけるA領域とは、金属として遷移金属M2を主成分aとして含有する領域をいう。
遷移金属M2としては、特に制限されず、任意の遷移金属を単独で又は組み合わせて用いることができる。ここで、遷移金属とは、長周期型周期表の第3族元素から第11族元素を指し、遷移金属としては、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Pd、Ag、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、及びAuなどが挙げられる。
なかでも、良好なバリア性が得られる遷移金属M2としては、Nb、Ta、V、Zr、Ti、Hf、Y、La、Ce等が挙げられる。これらのなかでも、種々の検討結果から、特に第5族元素であるNb、Ta、Vが、バリア層に含有される無機元素M1に対する結合が生じやすい観点から、好ましく用いることができる。
特に、遷移金属M2が第5族元素(特に、Nb)であって、詳細は後述する無機元素M1がSiであると、著しいバリア性の向上効果を得ることができ、特に好ましい組み合わせである。これは、Siと第5族元素(特に、Nb)との結合が特に生じやすいためであると考えられる。さらに、光学特性の観点から、遷移金属M2は、透明性が良好な化合物が得られるNb、Taが特に好ましい。
A領域の厚さとしては、バリア性と光学特性との両立の観点から、2〜50nmの範囲であることが好ましく、4〜25nmの範囲であることがより好ましく、5〜15nmの範囲であることがさらに好ましい。
(無機元素(M1)含有層:B領域)
無機元素(M1)含有層におけるB領域とは、遷移金属以外の無機材料を主成分bとして含有する領域をいう。無機元素M1としては、長周期型周期表の第12族〜第14族の金属から選択される無機元素が好ましい。無機元素M1としては、特に制限されず、第12族〜第14族の任意の金属を単独で又は組み合わせて用いることができるが、例えば、Si、Al、Zn、In及びSnなどが挙げられる。なかでも、無機元素M1として、Si、Sn又はZnを含むことが好ましく、Siを含むことがより好ましく、Si単独であることが特に好ましい。
B領域の厚さとしては、バリア性と生産性との両立の観点から、10〜1000nmの範囲であることが好ましく、20〜500nmの範囲であることがより好ましく、50〜300nmの範囲であることがさらに好ましい。
(混合領域)
混合領域は、長周期型周期表の第12族〜第14族の金属から選択される無機元素M1、及び、第3族元素から第11族の金属から選択される遷移金属M2が含有されている領域であって、無機元素M1に対する無機元素M1の原子数比の値(M2/M1)が、0.02〜49の範囲内にある混合領域を、厚さ方向に連続して5nm以上有する領域である。ここで、混合領域は、構成成分の化学組成が相互に異なる複数の領域として形成されていてもよく、また、構成成分の化学組成が連続して変化している領域として形成されていてもよい。
(酸素欠損組成)
上記混合領域において、一部の組成は、酸素が欠損した非化学量論的組成(酸素欠損組成)であることが好ましい。酸素欠損組成とは、混合領域の組成を下記化学組成式(1)で表したとき、下記関係式(2)で規定する条件を満たすことをいう。また、混合領域における酸素欠損程度を表す酸素欠損度指標としては、混合領域における[(2y+3z)/(a+bx)]を算出して得られる値の最小値を用いる。
化学組成式(1):(M1)(M2)
関係式(2):(2y+3z)/(a+bx)<1.0
なお、下記組成式(1)及び関係式(2)において、M1は無機元素、M2は遷移金属、Oは酸素、Nは窒素を表す。x、y、zは、それぞれ化学量論係数であり、aはM1の最大価数、bはM2の最大価数を表す。また、以降の説明では、特別の区別が必要ない場合、上記化学組成式(1)で表す組成を、単に複合領域の組成と言う。
上述したように、無機元素M1と遷移金属M2との複合領域の組成は、式(1)である(M1)(M2)で示される。この組成からも明らかなように、上記複合領域の組成は、一部窒化物の構造を含んでいてもよく、窒化物の構造を含んでいる方がバリア性の観点から好ましい。
ここでは、無機元素M1の最大価数をa、遷移金属M2の最大価数をb、Oの価数を2、Nの価数を3とする。そして、上記複合領域の組成(一部が窒化物となっていてもよい)が化学量論的組成になっている場合は、[(2y+3z)/(a+bx)=1.0]となる。この式は、無機元素M1及び遷移金属M2の結合手の合計と、O、Nの結合手の合計とが同数であることを意味し、この場合、無機元素M1及び遷移金属M2ともに、O及びNのいずれか一方と結合していることになる。なお、無機元素M1として2種以上が併用される場合や、遷移金属M2として2種以上が併用される場合には、各元素の最大価数を各元素の存在比率によって加重平均することにより算出される複合価数を、それぞれの「最大価数」のa及びbの値として採用する。
一方、混合領域において、関係式(2)で示す[(2y+3z)/(a+bx)<1.0]となる場合には、無機元素M1及び遷移金属M2の結合手の合計に対して、O、Nの結合手の合計が不足していることを意味し、この様な状態が上記の「酸素欠損」である。酸素欠損状態においては、無機元素M1及び遷移金属M2の余った結合手は互いに結合する可能性を有しており、無機元素M1や遷移金属M2の金属同士が直接結合すると、金属の間にOやNを介して結合した場合よりも緻密で高密度な構造が形成され、その結果として、バリア性が向上すると考えられる。
また、混合領域は、xの値が、[0.02≦x≦49(0<y、0≦z)]を満たす領域である。これは、遷移金属M2/無機元素M1の原子数比率の値が0.02〜49の範囲内にあり、厚さが5nm以上である領域と定義する、としたことと同一の定義である。
この領域では、無機元素M1及び遷移金属M2の双方が金属同士の直接結合に関与することから、この条件を満たす混合領域が所定値以上(5nm)の厚さで存在することで、バリア性の向上に寄与すると考えられる。なお、無機元素M1及び遷移金属M2の存在比率が近いほどバリア性の向上に寄与すると考えられることから、混合領域は、[0.1≦x≦10]を満たす領域を5nm以上の厚さで含むことが好ましく、[0.2≦x≦5]を満たす領域を5nm以上の厚さで含むことがより好ましく、[0.3≦x≦4]を満たす領域を5nm以上の厚さで含むことが更に好ましい。
ここで、上述した混合領域の範囲内に、関係式(2)で示す[(2y+3z)/(a+bx)<1.0]の関係を満たす領域が存在すれば、バリア性の向上効果が発揮されることが確認されるが、混合領域は、その組成の少なくとも一部が[(2y+3z)/(a+bx)≦0.9]を満たすことが好ましく、[(2y+3z)/(a+bx)≦0.85]を満たすことがより好ましく、[(2y+3z)/(a+bx)≦0.8]を満たすことがさらに好ましい。ここで、混合領域における[(2y+3z)/(a+bx)]の値が小さくなるほど、バリア性の向上効果は高くなるが、可視光の吸収が大きくなる。従って、透明性が望まれる用途に使用するバリア層の場合には、[0.2≦(2y+3z)/(a+bx)]であることが好ましく、[0.3≦(2y+3z)/(a+bx)]であることがより好ましく、[0.4≦(2y+3z)/(a+bx)]であることがさらに好ましい。
なお、良好なバリア性が得られる混合領域の厚さは、後述するXPS分析法におけるSiO換算のスパッタ厚さとして、5nm以上であり、この厚さは、8nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。混合領域の厚さは、バリア性の観点からは特に上限はないが、光学特性の観点から、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。
(XPSによる組成分析と混合領域の厚さの測定)
バリア層の混合領域や、A領域及びB領域における組成分布や各領域の厚さ等は、上述のX線光電分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy、略称:XPS)を用いて測定することにより求めることができる。
[保護層]
機能性層22としては、バリア層等の上部(最表面部)に、有機化合物を含む保護層を設けてもよい。保護層に用いられる有機化合物としては、有機モノマー、オリゴマー、ポリマー等の有機樹脂、有機基を有するシロキサンやシルセスキオキサンのモノマー、オリゴマー、ポリマー等を用いた有機無機複合樹脂層を好ましく用いることができる。さらに、上記した中間層としてのポリシロキサン改質層を、保護層として用いることが特に好ましい。
保護層は、有機樹脂や無機材料に、必要に応じて他の成分を希釈溶剤に配合して塗布液を調製し、この塗布液を基材表面に従来公知の塗布方法によって塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることにより形成することが好ましい。
[平滑層]
機能性フィルム20は、基材21と機能性層22との間に平滑層(下地層、プライマー層)を有していてもよい。平滑層は突起等が存在する基材21の粗面を平坦化するために設けられる。このような平滑層を形成するための材料は限定されないが、硬化性樹脂を含むことが好ましい。
硬化性樹脂としては特に限定されず、紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂や、加熱により硬化する熱硬化性樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂は、単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。活性エネルギー線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の材料としては、従来公知の材料を用いることができる。
平滑層の形成方法は、特に制限はないが、硬化性材料を含む塗布液をスピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法、グラビア印刷法等のウエットコーティング法、または蒸着法等のドライコーティング法により塗布し塗膜を形成した後、可視光線、赤外線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、電子線等の活性エネルギー線の照射、加熱等により、塗膜を硬化させて形成する方法が好ましい。
平滑層の平滑性は、JIS B 0601:2001年で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、10nm以上、30nm以下であることが好ましい。表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)を用いた極小の先端半径の触針を持つ検出器で連続測定した凹凸の断面曲線から算出され、極小の先端半径の触針により測定方向が数十μmの区間内を多数回測定し、微細な凹凸の振幅に関する粗さである。平滑層の厚さとしては、特に制限されないが、0.1〜10μmの範囲が好ましい。
平滑層の詳細については、特開2014−141056号公報の段落[0125]〜[0143]、特開2014−141055号公報の段落[0138]〜[0150]、特開2013−226757号公報の段落[0131]〜[0143]等を参照して採用することができる。
[ブリードアウト層]
機能性フィルム20は、ブリードアウト防止層を有していてもよい。ブリードアウト防止層は、樹脂フィルム上に上記平滑層を形成した場合に、加熱によって未反応のオリゴマー等が樹脂フィルムの表面へ移行して、接触する面を汚染する現象を抑制する目的で、平滑層を有する基材21の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的に上記した平滑層と同じ構成を適用することができる。
[アンカーコート層]
機能性フィルム20は、基材21と機能性層22との接着性(密着性)の向上を目的として、基材21上にアンカーコート層を有していてもよい。このアンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン・ビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、及び、アルキルチタネート等を、1種又は2種以上併せて使用することができる。これらのアンカーコート剤には、従来公知の添加剤を加えることもできる。上記アンカーコート剤は、市販品を使用してもよい。具体的には、シロキサン系UV硬化性ポリマー溶液として、信越化学工業社製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液を用いることができる。
上記のアンカーコート層は、アンカーコート剤をロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により、基材上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することにより形成することができる。
[デシカント層]
機能性フィルム20は、デシカント層(水分吸着層)を有してもよい。デシカント層に用いられる材料としては、例えば、酸化カルシウムや有機金属酸化物等が挙げられる。酸化カルシウムは、バインダー樹脂等に分散させて用いることが好ましく、市販品としては、例えば、サエスゲッター社のAqvaDryシリーズ等が好ましい。また、有機金属酸化物としては、双葉電子工業社製のOleDry(登録商標)シリーズ等を用いることができる。
[保護フィルム]
保護フィルム30は、保護基材31と、保護基材31を機能性フィルム20の基材21の裏面側に貼合するための粘着層32とを備える。保護フィルム30は、粘着層32において基材21からの剥離が可能であり、且つ、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たすことができれば、保護基材31及び粘着層32に用いられる材料は特に限定されない。
一般的に、保護フィルム30のような保護基材31と粘着層32とからなる積層体においては、透過率やヘイズは、粘着層32による影響よりも、保護基材31による影響の方が大きい。このため、保護フィルム30が上記透過率やヘイズを満たすためには、上記規定をみたす保護基材31を用い、且つ、透明性の高い粘着層32を用いることができる。
また、保護フィルムとしては、自己粘着性の共押出延伸多層フィルムを用いることもできる。このような自己粘着性の共押出延伸多層フィルムとしては、例えば、フタムラ化学社製の自己粘着性OPPフィルムFSA−010M、FSA−020M、FSA−050M、FSA−100M、FSA−150M、FSA−300M、FSA−010B等を用いることができる。
[保護基材]
保護基材31としては、上述の機能性フィルム20の基材21と同じ樹脂フィルムから、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]の規定をみたす樹脂フィルムを使用することができる。耐熱性や、光学的な特性から、保護基材31としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることが好ましい。
保護基材31は、樹脂フィルムが単独、又は、複数用いられていてもよく、複数の層から形成されていてもよい。保護基材31は、枚葉形状及びロール形状に限定されないが、生産性の観点からロールトゥロール方式でも対応できるロール形状が好ましい。
保護基材31の厚さは、特に制限されないが、5〜500μm程度が好ましく、25μm〜150μmがより好ましい。保護基材31の厚が5μm以上であれば、取り扱い易い十分な厚さとなる。また、保護基材31の厚が500μm以下であれば、十分な柔軟性を有し、搬送性やロールへの密着性が十分に得られる。
[粘着層]
粘着層32は、粘着剤を含んで構成される。粘着層32に用いられる粘着剤は、機能性フィルム積層体10に要求される粘着力を得ることができれば特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。粘着層13に使用する粘着剤としては、感圧粘着剤を用いることが好ましい。感圧粘着剤は、凝集力と弾性を有し、長時間にわたり安定した粘着性を維持できる。また、粘着層を形成する際に、熱や有機溶媒等の要件を必要とせず、圧力を加えるだけで保護フィルム30を機能性フィルム20に貼合することができる。
粘着層32を形成するための粘着剤としては、透明性に優れる材料が好ましい。粘着層32を形成するための粘着剤としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、及び、シリコン系樹脂等を含む粘着剤を挙げることができる。粘着剤の形態としては、例えば、溶剤型、エマルション型、及び、ホットメルト型等を用いることができる。
粘着層32を形成するための粘着剤としては、アクリル系粘着剤が、耐久性、透明性、粘着特性の調整の容易さなどの面から好ましい。アクリル系粘着剤は、アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに極性単量体成分を共重合したアクリル系ポリマーを用いたものである。上記アクリル酸アルキルエステルとはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルであって、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。具体的には、東洋インキ社製BPS5978を使用できる。
アクリル系粘着剤の硬化剤としては、例えば、イソシアネート系、エポキシ系、アリジリン系硬化剤が利用できる。イソシアネート系硬化剤としては、長期保存後も安定した粘着力を得るため、及び、より硬い粘着層32を形成するために、トノレイレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系のタイプを用いることが好ましい。具体的には、東洋インキ社製BXX5134を使用することができる。
硬化剤の添加量は、粘着剤に対して3質量%〜9質量%であることが好ましく、5質量%〜7質量%であることがより好ましい。このような範囲であれば、粘着剤成分を十分に硬化させることができ、十分な接着力も確保することができるとともに、保護フィルム30を機能性フィルム20から剥離した後に、機能性フィルム20側に粘着層32が残存しにくい。
粘着層32を構成する粘着剤の重量平均分子量は、40万以上140万以下であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲内の値であれば、粘着力が過度になることが少なく、必要な範囲で粘着力を得ることができる。さらに、上記の重量平均分子量の範囲であれば、剥離後の機能性フィルム20側への粘着層32の残存を防止することができる。さらに、上記範囲の重量平均分子量であれば、プラズマCVD法等の熱やエネルギーがかかる方法を用いて機能性層22を形成する際に、粘着剤の転写や剥離が発生しにくくなり、保護フィルム30の剥離を抑制することができる。
また、粘着剤に含まれる上記樹脂類の他に、粘着層の物性向上の観点から、各種添加剤を用いることができる。例えば、ロジン等の天然樹脂、変性ロジン、ロジンおよび変性ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体をはじめとする粘着付与剤、老化防止剤、安定剤、及び軟化剤等を必要に応じて用いることができる。これらは必要に応じて2種以上用いることもできる。また、耐光性を上げるために、粘着剤にベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系等の有機系紫外線吸収剤を添加することもできる。
粘着層32の厚さは、保護フィルム30の取扱い易さから10μm以上50μm以下であることが好ましい。このような範囲であれば、保護フィルム30と機能性フィルム20とに十分な密着力を得ることができる。さらに、保護フィルム30を剥離する際にも、機能性フィルム20に対して過度な力をかける必要がなく、機能性層22の損傷を抑制することができる。
粘着層32を保護基材31の表面に形成(塗工)する方法は特に限定されない。例えば、スクリーン法、グラビア法、メッシュ法、バー塗工法等を用いて、上記粘着剤を保護基材31上に塗布し、乾燥又は硬化することにより、粘着層32を形成することができる。
〈2.機能性フィルムの検査方法〉
次に、上述の機能性フィルム積層体10を用いた、機能性フィルム20の検査方法について説明する。なお、以下の検査方法の説明では、図1に示す機能性フィルム積層体10の各構成及び符号を援用する。
上述の機能性フィルム積層体10は、機能性フィルム20が[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たし、且つ、機能性フィルム20の基材21の裏面側に、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす保護フィルム30を備えることにより、反射方式の欠陥検査の検査精度の向上が可能となる。さらに、機能性フィルム積層体10は、機能性フィルム20と保護フィルム30とが上記規定を満たすことにより、透過方式の欠陥検査にも適用が可能となる。
[機能性フィルム積層体の準備]
機能性フィルム積層体10の欠陥検査においては、上記規定をみたす機能性フィルム20と、保護フィルム30とからなる機能性フィルム積層体10を準備する。以下、機能性フィルム積層体10を準備する一例として、機能性フィルム積層体10の製造方法について説明する。なお、欠陥検査おいては、機能性フィルム20及び保護フィルム30が上記規定を満たしていれば、機能性フィルム積層体10の準備する工程は、下記の製法や工程順に限定されず、他の製法で作製した機能性フィルム積層体10や、市販のフィルム積層体に対しても欠陥検査を適用することができる。
まず、機能性フィルム20を作製するための基材21を準備する。基材21は、機能性層22を作製した際に、上記機能性フィルム20の規定が満たされるように、樹脂フィルムを作製する。或いは、上記規定を満たすことが可能な市販の樹脂フィルムを基材として準備する。樹脂フィルムを作製には、従来公知の樹脂フィルムの作製方法を適用することができる。
次に、保護フィルム30を準備する。保護フィルム30は、上記基材21と同様の方法で保護基材31となる樹脂フィルムを準備した後、この樹脂フィルムの一方の面に粘着層32を形成して作製することができる。また、保護基材31と粘着層32とが一体化した保護フィルム30を作製してもよい。或いは、市販の粘着層着きの樹脂フィルムを保護フィルム30として準備してもよい。保護フィルム30の作製には、従来公知の製造方法を適用することができる。保護フィルム30の準備においては、上記規定を満たしていれば、用いる材料や製法等は特に限定されない。
次に、基材21の裏面側に、保護フィルム30を貼合する。基材21への保護フィルム30の貼合方法は特に限定されず、従来公知の方法と適用することができる。好ましくは、保護フィルム30の貼合と連続して機能性層22の形成を行うオンライン方式が例示される。また、基材21に保護フィルム30を貼合し、巻き取り軸で基材21と保護フィルム30との積層体を巻き取った後、別工程で基材21と保護フィルム30とからなる積層体を巻き出して、基材21上に機能性層22の形成を行うオフライン方式であってもよい。
基材21の裏面側に保護フィルム30を貼合した後、基材21の表面側に機能性層22を作製する。作製する機能性層22の種類及び製法は、上述の各種機能性層22から任意の構成を選択すればよく、上述の各種機能性層22以外の層を作製してもよい。機能性層22は、基材21上に形成された際に、機能性フィルム20の上記規定を満たすように作製できればよい。
[検査方法]
(反射方式)
機能性フィルム20の欠陥検査方法の一例として、反射方式による機能性フィルム20の欠陥検査の方法ついて説明する。
反射方式による欠陥検査は、機能性フィルム積層体10の加工ラインにおいて、繰出しから巻取りまで搬送可能な装置内で行う、いわゆるインライン検査で行うことが好ましい。インラインで検査においては、搬送される機能性フィルム20の表面に投光部から光を一定の照射角度で照射するとともに、機能性フィルム20の表面から反射される光を受光部で受光し、受光した光の強度に基づいて被対象の欠陥を検出する反射方式の光学的検査方法が知られている。
この反射方式の光学的検査方法では、投光部の照射装置として、可視光領域の蛍光灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、LED(発光ダイオード)等の光源を用いることができる。中でも紫外線LEDは、電気エネルギーが光エネルギーに直接変換される原理から発光効率が高く長寿命、低消費電力、被照射物への熱ダメージが少ないため好ましい。
検出装置の受光部としてはCCD(電荷結合素子)を直線状に並べたラインセンサカメラが一般的に使用され、例えば、可視光用ラインセンサカメラを使用することができる。
反射方式の光学的検査方法においては、機能性フィルム20の表面への光の照射角度と、表面で反射された光を検知する検知器の受光角度とを変えることにより、欠陥の検出強度が変わることが知られている。例えば、光学的検査方法においては、照射角度と受光角度が同じ角度を取る正反射光学系と、照射角度と受光角度を変える拡散反射光学系のいずれかを選択することができる。
機能性フィルム20の欠陥検査においては、照射角度と受光角度が同じ角度を取る正反射光学系とすることが好ましい。正反射光学系とすることにより、カメラに入射する光量を大きくすることができ、ノイズを拾いにくくなり、欠陥の検出精度が向上しやすい。また、正反射光学系においては、照射角度と受光角度とを、被検査体の法線方向に対して鋭角な角度にすることで、被検査体の表面粗さの影響を受けにくく、光量の変化分を強調して検出することが可能となり、検出精度が高くなりやすい。より具体的には、被検査体の法線方向に対し、照射方向と受光方向との角度がそれぞれ10°〜45°の範囲にあることが好ましい。10°以下では照射装置と検出装置の配置が困難であり、検出精度を確保する上で45°以下であることが好ましい。
(反射方式の検査装置)
正反射光学系の検査方法について、図4に示す検査装置の模式図を用いて説明する。
図4に示す正反射光学系の検査装置70は、紫外線の照射装置71から放出された紫外線が、走行する機能性フィルム積層体10の法線方向76に対して照射角度73をもって入射する。そして、機能性フィルム積層体10の法線方向76に対して、照射角度73と同じ受光角度74の位置に検出装置72が配置されている。このように、検査装置70は、照射装置71と検出装置72とが配置されることにより、正反射光を利用した欠陥の検出を行うことができる。
反射方式による光学的検査方法において、検出対象である機能性フィルム20の欠陥とは、被検査体となる機能性層22が製膜される際に発生するキズや、機能性層22に混入した異物等が考えられる。また、反射方式による光学的検査方法では、基材上に機能性層を形成した際に、機能性層発生した凝集物等の異物や、ピンホール等の形成不良等の欠陥を検出することもできる。
反射方式による光学的検査方法においては、図4に示すように、機能性フィルム積層体10の検査は、検査ロール75に支えられた状態で行うことが好ましい。検査ロール75に支えられた状態で行うことにより、機能性フィルム積層体10の搬送の際の揺らぎや振動が抑制され、検査位置が安定するため、検査精度が向上しやすい。
機能性フィルム積層体10は、保護フィルム30が[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]の規定を満たすため、上述の図4に示すように、搬送ローラー上で行う反射方式の光学的検査方法においても、機能性フィルム20に対する欠陥検査の精度が低下しない。これは、上述のように、裏面側の搬送ローラーからの反射光が保護フィルム30で散乱し、金属ロール表面の反射光の強度変化が抑制されるためである。このように、反射方式による光学的検査方法において、保護フィルム30を機能性フィルム20の裏面側に貼合することにより、欠陥の検査精度が向上する。
(透過方式)
機能性フィルム20の欠陥検査では、上述の反射方式による光学的検査とともに、透過方式による光学的検査を用いることができる。機能性フィルム積層体10は、機能性フィルム20が[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たし、保護フィルム30が[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たすため、透過光においても、欠陥箇所で発生する光学的な強度変化を検出することができる。
透過方式による欠陥検査としては、例えば、目視試験が挙げられる。目視検査は、機能性フィルム積層体10の保護フィルム30裏面側(保護フィルム30側)ら光を当てて、表面側(機能性フィルム20側)から目視にて欠陥を観察する方法が挙げられる。また、透過方式による光学的検査が可能な検査装置を用いてもよい。
実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈試料101の機能性フィルム積層体の作製〉
[基材準備:基材]
機能性フィルムの基材を構成する樹脂フィルムとして、両面に易接着処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラー(登録商標)(U48))のロールを準備した。そして、この樹脂フィルムにおいて、後述する機能性層を作製する面と反対の面(裏面)に、下記の方法で厚さ0.5μmのクリアハードコート層を形成した。さらに、機能性層を作製する面(表面)に、下記の方法で厚さ2μmのクリアハードコート層を形成した。
(クリアハードコート層の形成(裏面))
UV硬化型樹脂(アイカ工業社製、品番:Z731L)を、乾燥層厚が0.5μmになるように基材上にロールトゥロール方式で塗布した後、80℃で乾燥し、その後、空気下、高圧水銀ランプを用いて照射エネルギー量0.5J/cmの条件で硬化を行った。
(クリアハードコート層の形成(表面))
UV硬化型樹脂オプスター(登録商標)Z7527(JSR社製)を、乾燥層厚が2μmになるように基材に塗布した後、80℃で乾燥し、その後、空気下、高圧水銀ランプを用いて照射エネルギー量0.5J/cmの条件で硬化を行った。
[保護フィルムの準備]
保護フィルムとして、フタムラ化学社製の自己粘着性OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム「FSA−300M」(プロピレン(PP)基材、厚さ30μm)を準備した。
[保護フィルムの貼合]
上述のクリアハードコート層が形成された機能性フィルムの基材の裏面側に、保護フィルムの粘着層側を貼合した。
[機能性層の作製]
基材のクリアハードコート層(裏面)上に保護フィルムを貼合した後、機能性フィルムの基材のクリアハードコート層(表面)上に、機能性層としてバリア層を作製した。バリア層の作製は、図3に示す製造装置を用いたプラズマCVD法により膜厚100nmの第1バリア層を作製した後、ポリシラザン含有液を乾燥膜厚が250nmとなるように塗布し、塗膜に改質エネルギー6.0J/cmの改質処理を行ってエキシマ改質層形成からなる第2バリア層を作製した。
(第1バリア層;プラズマCVD条件)
原料ガス(HMDSO)供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)
酸素ガス(O)供給量:500sccm
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:1.2kW
プラズマ発生用電源の周波数:80kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
(第2バリア層;ポリシラザン改質層)
ポリシラザン含有塗布液として、パーヒドロポリシラザン(PHPS:アクアミカ NN120−10、無触媒タイプ、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)の10質量%ジブチルエーテル溶液を調製した。そして、調製したポリシラザン含有塗布液をディップコートにて、乾燥後の平均層厚が300nmとなるように、上記プラズマCVD法により形成した第1バリア層上に塗布し、温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分間乾燥させた。更に、温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行ってポリシラザンを含有する塗布膜を形成した。その後下記の条件でエキシマ光照射処理を行い、第2バリア層を形成した。
(エキシマ光照射処理条件)
照射波長:172nm
ランプ封入ガス:Xe
エキシマランプ光強度:130mW/cm(172nm)
試料と光源の距離:1mm
フィルム加熱温度:70℃
照射装置内の酸素濃度:1.0%
エキシマランプ照射時間:5秒
〈試料102〜113の機能性フィルム積層体の作製〉
保護フィルムを、下記のように変更した以外は、上述の試料101と同様の方法で試料102〜113の機能性フィルム積層体を作製した。なお、試料106は、ヘイズ値のみが異なる基材を用いている。
[試料102]
保護フィルムとして、フタムラ化学社製の自己粘着性OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム「FSA−010M」(プロピレン(PP)基材、厚さ30μm)を用いた。
[試料103]
保護フィルムとして、フタムラ化学社製の自己粘着性OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム「FSA−010C」(プロピレン(PP)基材、厚さ30μm)を用いた。
[試料104]
保護フィルムとして、フタムラ化学社製の自己粘着性OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム「FSA−020M」(プロピレン(PP)基材、厚さ30μm)を用いた。
[試料105]
保護フィルムとして、フタムラ化学社製の自己粘着性OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム「FSA−050M」(プロピレン(PP)基材、厚さ30μm)を用いた。
[試料106]
保護フィルムとして、フタムラ化学社製の自己粘着性OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム「FSA−050M」(プロピレン(PP)基材、厚さ30μm)を用いた。
なお、試料106では、樹脂フィルムの裏面側のハードコート層に、機能性フィルムのヘイズ値が所定の値(30%)となるようにシリカ微粒子を添加した以外は、上述の試料101と同様の方法で作製した基材を用いて機能性フィルム積層体を作製した。
[試料107]
保護フィルムとして、サンエー化研社製の「KD23K」(ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚さ30μm)を用いた。
[試料108]
保護フィルムとして、藤森工業社製の剥離フィルム「X142」(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、厚さ38μm)を用いた。
[試料109]
保護フィルムとして、藤森工業社製の剥離フィルム「X242」(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、厚さ38μm)を用いた。
[試料110]
保護フィルムとして、サンエー化研社製のマスキングフィルム「NSB23TL」(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、厚さ38μm)を用いた。
[試料111]
保護フィルムとして、サンエー化研社製の「JA16F」(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、厚さ60μm)を用いた。
[試料112]
保護フィルムとして、日東電工社製の「RP207」(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、厚さ59μm)を用いた。
[試料113]
保護フィルムとして、きもと社製の粘着フィルム「プロセーブRC」(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、厚さ25μm)を用いた。
〈試料114の機能性フィルム積層体の作製〉
保護フィルムを使用せずに作製した以外は、上述の試料101と同様の方法で試料114の機能性フィルム積層体を作製した。
〈評価〉
[透過率、反射率]
透過率及び反射率は、JIS K 7361−1:1997に準拠して、分光光度計(U4100;日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した。なお、保護フィルムの透過率及び反射率は、機能性フィルム積層体を作製する前に、保護フィルム単独で測定した。
[ヘイズ]
ヘイズ値の測定は、ヘイズメータ(NDH−5000;日本電色工業社製)を用いて測定した。なお、保護フィルムのヘイズは、機能性フィルム積層体を作製する前に、保護フィルム単独で測定した。
[欠陥検査方法;反射方式]
作製した機能性フィルム積層体を、検査装置の300mmφの検査金属ロールに貼り付け、ロールの周速度5m/minで、365nmの中心波長をもつ紫外線LED(ナイトライド・セミコンダクター社製 NS365L−5RLO)を入射角度20°、反射光角度が20°になるように可視光用ラインセンサカメラ(4000bit、幅分解能:0.12mm/bit、流れ方向分解能:0.05mm/scan、80MHz、社ヒューテック製PCTME8040)を配置させた正反射型により検査を行った。
欠陥検査は、機能性フィルム積層体を作製する際に、予め機能性層の特定の場所の500mm×500mmの範囲に0.1mm以上の大きさの傷を3個作製した試料を作製し、この傷を全て欠陥として検知できた場合を「A」、1対以上の傷を欠陥として検知できない場合を「B」、及び、予め作製した傷以外を欠陥として検知した場合を「C」として評価した。
[欠陥検査方法;透過方式]
作製した機能性フィルム積層体に対し、保護フィルム側から光を当て、機能性フィルム側から目視にて欠陥を観察した。検査は、上記反射方式と同様に、予め機能性層の特定の場所の500mm×500mmの範囲に0.1mm以上の大きさの傷を3個作製した試料を作製し、この傷を全て欠陥として検知できた場合を「A」、1対以上の傷を欠陥として検知できない場合を「B」、及び、予め作製した傷以外を欠陥として検知した場合を「C」として評価した。
上記試料101〜107の機能性フィルム積層体の保護フィルムの構成、及び、各評価結果を1に示す。
Figure 2018149703
表1に示すように、機能性フィルムが[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たし、且つ、保護フィルムが[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす試料102、試料104、及び、試料105は、反射方式、及び、透過方式のいずれの検査においても、欠陥が検出できた。すなわち、機能性フィルム、及び、保護フィルムにおいて、上記規定を満たす機能性フィルム積層体は、反射方式の検査、透過方式の検査の両方において、機能性フィルム積層体の欠陥を精度よく検出できる。
一方、保護フィルムの上記規定よりもヘイズが小さい試料101、試料102、及び、試料107〜113、並びに、保護フィルムが[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たさない試料106、保護フィルムを使用しなかった試料114は、透過方式の検査では欠陥が検出できたものの、反射方式の検査においては、予め作製した傷以外の欠陥を検出した。これは、反射方式の検査において、検査金属ロールからの反射光を欠陥として検出したため考えられる。従って、保護フィルムが上記規定を満たさない機能性フィルム積層体は、反射方式の検査において、機能性フィルム積層体の欠陥の検出精度が低下する。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10 機能性フィルム積層体、13,32 粘着層、20 機能性フィルム、21,60 基材、22 機能性層、30 保護フィルム、31 保護基材、40 真空プラズマCVD装置、41 アノード電極、42 真空槽、43 カソード電極、44 サセプタ、45 加熱冷却装置、46 熱媒体循環系、47 真空排気系、48 ガス導入系、49 高周波電源、50 プラズマCVD装置、51 繰り出しローラー、52,54,55,57 搬送ローラー、53,56 成膜ローラー、58 巻取りローラー、59 成膜ガス供給管、61,62 磁場発生装置、63 プラズマ発生用電源、70 検査装置、71 照射装置、72 検出装置、73 照射角度、74 受光角度、75 検査ロール、76 法線方向

Claims (5)

  1. 基材、及び、前記基材の第1面側に形成された機能性層を有する機能性フィルムと、
    前記基材の第2面側に貼合された、剥離可能な保護フィルムと、を備え、
    前記機能性フィルムが、[100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たし、
    前記保護フィルムが、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす
    機能性フィルム積層体。
  2. 前記機能性フィルムが、前記機能性層としてバリア層を含む請求項1に記載の機能性フィルム積層体。
  3. 前記機能性フィルムは、反射率よりも透過率の方が大きい請求項1に記載の機能性フィルム積層体。
  4. 前記機能性フィルムの反射率が、前記保護フィルムの透過率よりも大きい請求項1に記載の機能性フィルム積層体。
  5. 基材と、前記基材の第1面側に形成された機能性層とからなる機能性フィルムの欠陥検査方法であって、
    前記基材の第2面側に、[透過率(%)≧85]、及び、[35%≦ヘイズ≦50%]を満たす剥離可能な保護フィルムを貼合し、
    [100−(透過率(%)+反射率(%))≦10]、及び、[ヘイズ≦1.2%]を満たす前記機能性フィルムを作製し、前記機能性層側から反射方式による機能性フィルムの検査を行う
    機能性フィルムの欠陥検査方法。
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