JP2018149106A - 駆動機構付き義足装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】訓練が軽減又は必要なく、容易に且つ円滑に歩行できるようにした駆動機構付き義足装置を提供する。【解決手段】第一のフレーム11と、第一のフレーム11の下端に対して関節部13を介して上端を揺動可能に連結した第二のフレーム12と、第一のフレーム11に対して第二のフレーム12を関節部13にて回転駆動する駆動部14と、第一のフレーム11の上端に使用者20の一方の義足装着側の脚部21の大腿部21a下端の断端を受容し保持する固定部11aと、駆動部14を駆動制御する制御部15と、から成る駆動機構付き義足装置10において、使用者20の一方の大腿部21aの歩行姿勢を検出する第一の義足装着側の歩行センサ16と、使用者20の他方の大腿部22aの歩行姿勢を検出する第二の歩行センサ17と、使用者の他方の正常側の脛部の歩行姿勢を検出する第三の歩行センサ18と、を備え、制御部15が、第一,第二及び第三の歩行センサ16,17,18で検出された各歩行姿勢に基づいて駆動部15を駆動制御するように構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、一方の脚部の大腿部の途中から下側が欠損している使用者のための駆動機構付き義足装置に関するものである。
従来、事故や疾病等により一方の脚部の一部、即ち大腿部の途中から下側を切断した場合、使用者の切断された大腿部の下端である断端に義足を装着して、使用者が歩行できるようにしている。さらに、自然な歩行を実現するために、膝関節に相当する関節部を備えた義足が使用される。
このような義足を使用して歩行する場合、使用者は、義足を装着した脚部を前方に振り出しながら歩行する必要があり、義足の前方への振り出しのためには、残存する脚部がある程度の筋力を備えることが必要である。このために、筋力を増強させる訓練も必要となるが、少しでも筋肉の負担を軽減するために、義足の関節部を駆動手段により駆動して、特に関節部から下方の所謂脛部分に相当する部分の前方への振り出しを支援するようにした駆動機構付き義足も使用されている。
このような駆動機構付き義足としては、例えば特許文献1による義肢装着式動作補助装置が知られている。
特許文献1による義肢装着式動作補助装置は、義肢の関節の動作を支援する義肢装着式動作装置であって、駆動力の発生により異なる方向に相対的に駆動される第一、第二駆動端部を有し、前記義肢の関節の側方に配置された駆動部と、前記義肢の関節の一側に前記駆動部の第一駆動端部を連結する第一連結部と、前記義肢の関節の他側に前記駆動部の第二の駆動端部を連結する第二連結部と、前記義肢の関節の動作に応じた駆動力が前記関節に伝達されるように前記駆動部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする義肢装着式動作補助装置が開示されている。
特許文献1による義肢装着式動作補助装置の請求項2には、前記義肢が装着される装着者の生体信号を検出する生体信号検出手段と、を備え、前記制御部は、前記生体信号検出手段により検出された生体信号に基づいて前記駆動部の随意制御を行なうことが開示されている。
特開2014−144037号公報
ところで、特許文献1による義肢装着式動作補助装置においては、使用者の義肢装着側の脚部の動作を生体信号検出手段により検出して、検出した生体信号に基づいて、制御部が動作部を駆動制御するようになっている。生体信号としては、当該脚部の大腿部における生体電位(筋電位)を利用するようになっている。このため、使用者は、義肢装着側の大腿部を動作させて、駆動部の駆動制御を可能にするような生体電位を発生できるように訓練する必要がある。
しかしながら、使用者の中には、このような訓練が困難であったり、また所望の生体電位を発生させることも困難なことがあった。また、義肢装着側の大腿部の動作が不完全で、所望の生体電位を取り出すことが困難な場合もあった。
本発明は以上の点に鑑み、簡単な構成により、訓練の必要なく又は大幅に軽減され、容易に歩行できるようにした駆動機構付き義足装置を提供することを目的としている。
上記目的は、本発明によれば、第一のフレームと、第一のフレームの下端に対して関節部を介して上端が揺動可能に連結された第二のフレームと、第一のフレームに対して第二のフレームを関節部にて回転駆動する駆動部と、第一のフレームの上端に使用者の一方の義足装着側の脚部の大腿部下端の断端を受容し保持する固定部と、駆動部を駆動制御する制御部と、から成る駆動機構付き義足装置において、使用者の一方の大腿部の歩行姿勢を検出する第一の義足装着側の歩行センサと、使用者の他方の正常側の大腿部の歩行姿勢を検出する第二の正常側の歩行センサと、使用者の他方の正常側の脛部の歩行姿勢を検出する第三の歩行センサと、を備えており、制御部が、第一,第二及び第三の歩行センサで検出された各歩行姿勢に基づいて、駆動部を駆動制御することを特徴とする駆動機構付き義足装置により達成される。
義足装置は、好ましくは、第二のフレームの下端に横方向の旋回軸の周りに旋回可能に取り付けられた接地部と、接地部を旋回軸の周りに旋回駆動する第二の駆動部を備えており、さらに使用者の他方の正常側の足部の歩行姿勢を検出する第四の歩行センサを備えており、制御部が、第四の歩行センサを含む各歩行センサで検出された各歩行姿勢に基づいて、駆動部及び第二の駆動部を駆動制御する。
義足装置は、好ましくは、各歩行センサが、三軸方向の加速度及び角度を検出するセンサである。
義足装置は、好ましくは、各歩行センサで検出された三軸方向の加速度が所定値より小さい場合に、制御部が、駆動部及び/又は第二の駆動部の駆動を行なわず静止状態を保持する。
義足装置は、好ましくは、制御部が、第一,第二及び第三の歩行センサそして第四の歩行センサからの検出信号に基づいて、使用者の双方の脚部の歩行姿勢を比較して、使用者の他方の脚部の歩行姿勢と半周期分だけずれるように駆動部及び/又は第二の駆動部を駆動制御する。
義足装置は、好ましくは、制御部が、第一,第二及び第三の歩行センサそして第四の歩行センサからの検出信号に基づいて、使用者の双方の脚部の歩行姿勢の変化量の差に基づいて、左右への曲がりを検出して、駆動部及び/又は第二の駆動部を駆動制御する。
義足装置は、好ましくは、第四の歩行センサを除く各歩行センサのうち、少なくとも一つの歩行センサが、方位を検出するための地磁気センサを備えている。
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により訓練の必要なく又は大幅に軽減され、容易に且つ円滑に歩行できるようにした、極めて優れた駆動機構付き義足装置を提供することができる。
本発明による駆動機構付き義足装置の第一の実施形態の使用状態を示す概略側面図である。 図1の駆動機構付き義足装置の要部を示す部分側面図である。 図1の駆動機構付き義足装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1の駆動機構付き義足装置の各歩行センサが検出する角度θ0〜θ3を説明する図式図である。 図1の駆動機構付き義足装置における第一及び第二の歩行センサにより検出される角度θ1及びθ2の角速度の時間変化を示すグラフである。 図1の駆動機構付き義足装置における第三の歩行センサにより検出される角度θ3の角速度及び第三の歩行センサの位置に相当するもう一方の足の位置に取り付けた歩行センサにより検出される角度θ0の角速度の時間変化を示すグラフである。 本発明による駆動機構付き義足装置の第二の実施形態の構成を示す図1と同様の概略側面図である。 図7の駆動機構付き義足装置の電気的構成を示すブロック図である。 図7の駆動機構付き義足装置の各歩行センサが検出する角度θ1〜θ5を説明する図式図である。 図7の駆動機構付き義足装置における第四の歩行センサにより検出される傾斜角度及び角速度の時間変化を示すグラフである。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は実施形態に限定されることなく適宜変更することができる。特に、図面に記載した各部材の形状、寸法、位置関係などについては概念的な事項を示すに過ぎず、その適用場面に応じて変更することができる。各図において、同一の又は対応する部材等には同一の符号を付している。
図1は、本発明による駆動機構付き義足装置10(以下、義足装置という)の第一の実施形態の構成を示す図であり、図2は、図1の駆動機構付き義足装置10の要部を示す部分側面図であり、図3は、図1の駆動機構付き義足装置10の電気的構成を示すブロック図である。
図1及び図2において、義足装置10は、第一のフレーム11と、第二のフレーム12と、関節部13と、駆動部14と、制御部15と、第一の歩行センサ16と、第二の歩行センサ17と、第三の歩行センサ18とから構成されている。
図1では、使用者の右足は正常側、つまり正常な足(健足)であり、義足を装着しているのは、使用者の左足であり、その大腿部で切断され、義足が取り付けられているものとして説明する。第一の歩行センサ16は使用者の一方の大腿部の歩行姿勢を検出する第一の義足装着側の歩行センサであり、第二の歩行センサ17は使用者の他方の正常側の大腿部の歩行姿勢を検出する正常側の歩行センサであり、第三の歩行センサ18は使用者の他方の脛部の歩行姿勢を検出する正常側の歩行センサである。
ここで、義足装置10は、その一方(図示の場合、左方)の脚部21の大腿部21aを途中で切断した使用者20のためのものである。
図2に示すように、第一のフレーム11は、例えばカーボンファイバ(炭素繊維)等の剛性の材料から構成されており、その上端に使用者20の義足装着側である左脚部21の大腿部21a下端の断端を受容し保持する固定部11aを備えている。
固定部11aはソケットとも呼ばれ、大腿部21aの形状に合わせて形成された上方に開放した挿入凹部として例えば樹脂等により成形されており、上方から前述した断端が挿入されると共に、図示しないベルト等の固定具により、使用者20の一方の脚部21の大腿部21aに対して保持されるようになっている。
第二のフレーム12は、同様に剛性のある材料から構成されており、その上端が第一のフレーム11の下端に対して、関節部13を介して揺動可能に連結されていると共に、その下端に足状の接地部12aを備えている。
関節部13は、横方向に延びる揺動軸の周りに回動可能な軸受として構成されており、この関節部13を介して、第一のフレーム11の下端と第二のフレーム12の上端が互いに揺動軸の周りに揺動可能に支持されている。これにより、義足装置10が使用者20の左脚部21の大腿部21aに装着されたとき、関節部13は、使用者20の左脚部21の膝関節として機能し、第二のフレーム12は、使用者20の左脚部21の脛部として機能する。
図2に示すように、駆動部14は、例えばステッピングモータ等から構成されており、外部から入力される駆動制御信号に基づいて、第一のフレーム11に対して、第二のフレーム12を関節部13の揺動軸の周りに、所定速度で所定角度だけ回動させるようになっている。
ここで、駆動部14は、関節部13内に組み込まれて、直接に又は間接的に即ち伝動機構を介して、第二のフレーム12を第一のフレーム11に対して関節部13の揺動軸の周りに回転駆動させるようになっている。
上述した第一のフレーム11、第二のフレーム12、関節部13及び駆動部14は、従来市販されている義足装置と同様の構成である。
第一の歩行センサ16は、使用者20の左脚部21の大腿部21aに取り付けられており、この左大腿部21aの動き、即ち歩行姿勢を検出する。また、第二の歩行センサ17は、使用者20の正常側の右脚部22の大腿部22aに取り付けられており、この右大腿部22aの動き、即ち歩行姿勢を検出する。
これに対して第三の歩行センサ18は、使用者20の正常側の右脚部22の膝の下側で脛部22bに取り付けられており、この右脛部22bの動き、即ち歩行姿勢を検出する。
第一の歩行センサ16,第二の歩行センサ17及び第三の歩行センサ18は、それぞれ三軸方向の加速度及び角度を検出するセンサである。各歩行センサ16,17は、使用者20の歩行時における双方の脚部21,22の大腿部21a,22aの歩行姿勢の角度変化及び速度変化として検出することができる。また、第三の歩行センサ18は、使用者20の歩行時における右脚部22の脛部22bの歩行姿勢の角度変化及び速度変化として検出することができる。
これにより、図3に示すように、第一の歩行センサ16,及び第二の歩行センサ17及び第三の歩行センサ18は、それぞれ使用者20の左脚部21の大腿部21a及び右脚部22の大腿部22aと脛部22bの歩行時の動きから、その加速度及び角度から成る歩行姿勢を検出し、それぞれ検出信号S1,S2及びS3を制御部15に送出する。
図4は、図1の駆動機構付き義足装置10の各歩行センサが検出する角度θ1〜θ3を説明する図式図であり、図5は、直進歩行した時の図1の駆動機構付き義足装置10における第一及び第二の歩行センサ16、17により検出される角度θ1及びθ2の角速度の時間変化を示すグラフである。また、図6は、図5と同時に測定した、第三の歩行センサが検出する角度θ3の角速度とそれに対応したもう一方の足の同じ位置に取り付けた歩行センサが検出したθ0の角速度を示すグラフである。
第一から第三の歩行センサ16〜18により検出される使用者20の進行方向に関して前方への傾斜角度θ1〜θ3(前方に向かって正)は、それぞれ図4に示すように、鉛直方向に対する傾斜角度(所謂鉛直角)として測定される。
図5の横軸は時間軸(ms(ミリ秒))、縦軸はθ1及びθ2の角速度である。
ここで、第一の歩行センサ16及び第二の歩行センサ17により検出される傾斜角度θ1及びθ2の角速度は、歩行時に左右の脚部を交互に前方に振り出すことから、図5のグラフに示すように、半周期分だけずれてほぼ同じである。傾斜角度θ1及びθ2の2つの角速度の変化はほぼ同じである。当然、角速度を積分した角度θ1及びθ2も半周期分だけずれてほぼ同じとなる。
以上のことから、直進歩行においては、左右の足の大腿部および脛部の動きはほぼ同じであることが分かる。それ故、義足側の大腿部の動きに合わせて、義足の第二のフレーム12を半周期前の健足側の脛部と同じに動かすことにより、健足とほぼ同じ動きをする義足を実現可能となる。
制御部15は、使用者20の歩行時に、第一の歩行センサ16及び第二の歩行センサ17そして第三の歩行センサ18からの検出信号S1,S2及びS3に基づいて、駆動部14を駆動制御することにより、歩行に伴う第一のフレーム11に対する第二のフレーム12の関節部13を介して回動させ、円滑な歩行を実現する。その際、歩行時に第二の歩行センサ17は健足の大腿部の動きを示す検出信号S2を制御部15に送信する。
同様に、第三の歩行センサ18は健足の脛部の動きを示す検出信号S3を制御部15に送信する。制御部15は、最新の歩行1周期分のS2およびS3を記憶する。続いて、制御部15は、第一の歩行センサが検出した大腿部の角度θ1に対応した記憶している半周期前の第三の歩行センサが検出した脛部の角度θ2になるように、義足の第二のフレーム12を動かす。ここでは、第一,第二及び第三の歩行センサ16,17及び18からの検出信号S1,S2及びS3は無線により制御部15に送られるものとする。
本発明による義足装置10においては、制御部15が、第一,第二及び第三の歩行センサ16,17及び18からの検出信号S1,S2及びS3に基づいて、使用者20の双方の脚部21,22の歩行姿勢の変化量の差に基づいて、左右への曲がりを検出して、駆動部14を駆動制御してもよい。
上記構成によれば、歩行時に左又は右に曲がろうとすると、曲がる方向に対して内側の脚部の歩行姿勢の変化を小さくすることを利用して、義足装置10を装着した一方の脚部21が内側となる場合には、駆動部14の駆動範囲を小さくすることにより、小さな歩幅で歩行するように制御する。義足装置10を装着した一方の脚部21が外側となる場合には、駆動部14の駆動範囲を大きくすることにより、大きな歩幅で歩行するように制御する。このようにすることにより円滑に曲がることができる。
ここで、第三の歩行センサ18が方位を検出するための地磁気センサを備えていてもよい。これにより、前述した義足装置10の場合と同様に、この地磁気センサからの検出信号S3に基づいて、制御部15は、使用者20の歩行の左右への曲がりを容易に且つ確実に判断して、駆動部14を駆動制御することによって、使用者20は円滑に歩行時に左右の曲がりを実現することができる。
上記のように、第一の歩行センサ16、第二の歩行センサ17及び第三の歩行センサ18の何れかが地磁気センサからなる場合には、地磁気センサからの検出信号S1,S2及びS3に基づいて、制御部15が使用者20の歩行時の左右への曲がりを容易に且つ確実に判断することができ、これに対応して駆動部14を制御することにより、使用者20は円滑に左右に曲がることができる。
なお、地磁気センサの代わりに方位を検出することができれば、ジャイロ等の他の種類のセンサを使用することも可能である。
図7及び図8は、本発明による駆動機構付き義足装置の第二の実施形態を示す図で、図9は、図7の駆動機構付き義足装置の第一から第四の歩行センサが検出する角度θ1〜θ4および義足の第二のフレーム12の角度θ0と義足の接地部12aの床からの角度θ5を説明する図式図である。図10は、図7の駆動機構付き義足装置における第四の歩行センサにより検出される傾斜角度θ4の時間変化を示すグラフである。
図7の義足装置30は、図1及び図3に示す義足装置10に対して、健足の踵部に第四のセンサと義足の接地部12aに駆動部31を付加した構成を有しており、義足装置10とほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる構成になっている。
即ち、義足装置30は、第二のフレーム12の下端に設けられた接地部12aが、第二のフレーム12に対して横方向に延びる旋回軸12bの周りに旋回可能に支持されていると共に、第二の駆動部31により旋回軸12bの周りに旋回駆動される。さらに、義足装置30は、使用者20の正常側の脚部22の(足首から下方の)足部22cに取り付けられた第四の歩行センサ32によって制御される駆動部31を備えている。
第二の駆動部31は、前述した駆動部14と同様に、例えばステッピングモータ等から構成されており、外部から入力される駆動制御信号に基づいて、第二のフレーム12に対して、接地部12aを旋回軸12bの周りに所定速度で所定角度だけ旋回させるようになっている。
第四の歩行センサ32は、前述した第一及び第二の歩行センサ16,17そして第三の歩行センサ18と同様に、三軸方向の加速度及び角度を検出するセンサであって、使用者20の正常な右脚部22の足部22c、図示の場合には、踵部分に取り付けられている。
なお、この第四の歩行センサ32も、方位を検出するための地磁気センサを含むように構成されていてもよい。この場合、この地磁気センサの検出信号に基づいて、制御部15は、使用者20の歩行の際の足部22cの爪先の方向を検出することができる。これにより、第四の歩行センサ32は、図9に示すように、使用者20の正常な右脚部22の足部22cの歩行時の動きから、その加速度及び傾斜角度θ4から成る歩行姿勢を検出し、検出信号S4を制御部15に送出する。
検出信号S4に含まれる傾斜角度θ4は、足部22cの床に対する角度を表している。ここで、第四の歩行センサ32の検出信号S4により検出される足部22cの傾斜角度θ4及び角速度ωは、図10のグラフに示すように、前述した傾斜角度θ1〜θ3と同じ周期で変化する。なお、図10において、符号Aは足をけり上げた時の足裏の角度を、また符号Bは床を蹴り出した時の角速度を示している。
このような構成の義足装置30によれば、制御部15は、第一の歩行センサ16,第二の歩行センサ17及び第三の歩行センサ18からの検出信号S1,S2及びS3に基づいて、さらに第四の歩行センサ32からの検出信号S4に基づいて、図1に示した義足装置10と同様にして、使用者20の正常な右脚部22の大腿部22aの前方への振り出しによる傾斜角度θ2の増大開始をきっかけとして、左脚部21の大腿部21aの振り出し開始に伴う第二のフレーム12及び接地部12aの駆動開始を右脚部21の振り出し開始から半周期分だけずれるように、駆動部14及び第二の駆動部41を駆動制御する。
制御部15は、第二のセンサおよび第三のセンサ、第四のセンサの検出信号θ2およびθ4、θ5を記憶する。第一のセンサが検出したθ1と同じ角度θ2に対するθ3およびθ4になるように駆動部31を動かす。
このようにして、義足装置30の関節部13が使用者20の右脚部22の膝部と半周期分だけずれて屈伸すると共に、さらに接地部12aが第二のフレーム12に対して使用者20の右脚部22の足部22cと半周期分だけずれて旋回することになり、使用者20は、義足装置30の接地部に至るまで、より円滑で且つ自然な歩行姿勢で歩行することができる。
上記構成によれば、第四の歩行センサ32により正常側の足部22cの歩行姿勢を検出して、接地部12aを第二のフレーム12に対して旋回させることにより、歩行の際の接地部12aによる所謂爪先部分の上げや地面の蹴りだしを実現することができる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、各歩行センサ16,17,18及び32は、三軸方向の加速度及び角度を検出するように構成されているが、少なくとも左右方向に延びる水平軸の周りの角度変化を検出することができればよい。
また、上述した実施形態においては、駆動部14及び第二の駆動部31は、例えばステッピングモータにより構成されているが、これに限らず、回転角度及び回転速度を制御できるものであれば、他の任意の構成の駆動手段を使用することが可能である。
10,30 駆動機構付き義足装置
11 第一のフレーム
11a 固定部
12 第二のフレーム
12a 接地部
12b 第二のフレーム12に対して横方向に延びる旋回軸
13 関節部
14,31 駆動部
15 制御部
16 第一の歩行センサ
17 第二の歩行センサ
18 第三の歩行センサ
20 使用者
21 一方(義足装着側)の脚部
21a 大腿部
22 他方(正常側)の脚部
22a 大腿部
22b 脛部
22c 足部
31 第二の駆動部
32 第四の歩行センサ
S1,S2,S3,S4 検出信号
θ1,θ2,θ3,θ0 傾斜角度
θ4,θ5 床に対する足裏の角度
Δθ,Δθ1,Δθ2 角度差

Claims (7)

  1. 第一のフレームと、前記第一のフレームの下端に対して関節部を介して上端が揺動可能に連結された第二のフレームと、前記第一のフレームに対して前記第二のフレームを前記関節部にて回転駆動する駆動部と、前記第一のフレームの上端に使用者の一方の義足装着側の脚部の大腿部下端の断端を受容し保持する固定部と、前記駆動部を駆動制御する制御部と、から成る駆動機構付き義足装置において、
    使用者の一方の大腿部の歩行姿勢を検出する第一の義足装着側の歩行センサと、使用者の他方の正常側の大腿部の歩行姿勢を検出する第二の正常側の歩行センサと、使用者の他方の正常側の脛部の歩行姿勢を検出する第三の歩行センサと、を備えており、
    前記制御部が、前記第一,第二及び第三の歩行センサで検出された各歩行姿勢に基づいて、前記駆動部を駆動制御することを特徴とする、駆動機構付き義足装置。
  2. 前記第二のフレームの下端に横方向の旋回軸の周りに旋回可能に取り付けられた接地部と、前記接地部を前記旋回軸の周りに旋回駆動する第二の駆動部を備えており、
    さらに、使用者の他方の正常側の足部の歩行姿勢を検出する第四の歩行センサを備え、
    前記制御部が、前記第四の歩行センサを含む各歩行センサで検出された各歩行姿勢に基づいて、前記駆動部及び前記第二の駆動部を駆動制御することを特徴とする、請求項1に記載の駆動機構付き義足装置。
  3. 前記各歩行センサが、三軸方向の加速度及び角度を検出するセンサであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の駆動機構付き義足装置。
  4. 前記各歩行センサで検出された三軸方向の加速度が所定値より小さい場合に、前記制御部が、前記駆動部及び/又は第二の駆動部の駆動を行なわず静止状態を保持することを特徴とする、請求項3に記載の駆動機構付き義足装置。
  5. 前記制御部が、前記第一,第二及び第三の歩行センサそして第四の歩行センサからの検出信号に基づいて、使用者の双方の脚部の歩行姿勢を比較して、使用者の他方の脚部の歩行姿勢と半周期分だけずれるように前記駆動部及び/又は第二の駆動部を駆動制御することを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の駆動機構付き義足装置。
  6. 前記制御部が、前記第一,第二の歩行センサ及び第三の歩行センサそして第四の歩行センサからの検出信号に基づいて、使用者の双方の脚部の歩行姿勢の変化量の差に基づいて、左右への曲がりを検出して、前記駆動部及び/又は第二の駆動部を駆動制御することを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の駆動機構付き義足装置。
  7. 前記第四の歩行センサを除く各歩行センサのうち、少なくとも一つの歩行センサが、方位を検出するための地磁気センサを備えていることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の駆動機構付き義足装置。
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